遠慮はいらない
逡巡は敗北だ
思う存分
君らしく進め!
御義口伝巻上 P748
『如法修行の人とは天台妙楽伝教等なり、今日蓮等の類い南無妙法蓮華経と唱え奉るは如法修行なり』
◇希望の明日へ
異体同心とは、たんに仲が良いとか、気が合うとか、そのような表面的次元の問題ではない。生命をかけて御本尊を信じ、何があっても大聖人様の御生命から離れない。どこまでもともに進んでいく。その不過の信心こそ、異体同心の心である。その信仰の一念と広布という目的が同じであるゆえに、同志であり、異体同心なのである。この同心の心が、何かあるごとに、ぐらついたり、ひるがえったりしたのでは、真実の同志ではない。また自身が人生の敗残者となってしまう。
◇新 あの日あの時 五輪のエース
時が止まったかのような静寂が、ひとりの女性を包んでいた。
バシッ!
銃口のかすかな煙が消える。射撃場から、ため息が漏れた。
2008年(平成20年)8月9日。北京オリンピックの開会式翌日である。中国人民の視線は、女子射撃のエースである杜麗(とれい)に注がれていた。
焦点は「首金」、すなわち第一号の金メダルを、いったい誰が取るかである。
4年前のアテネでも、彼女が最初に表彰台の真ん中に立ち、中国のメダルラッシュが始まった。
しかし──金メダル確実と見られたエアライフルで、まさかの5位に沈む。
あるコラムニストは即座に記事を書いた。
「彼女の姿は非常に心が痛むものだった」
「だが私は、日本の哲人・池田大作の言葉を、彼女に心から贈りたい。『青年は、いかなる困難な環境の中からも立ち上がっていく力を持っているのだ』と」
5日後、別種目・女子ライフル3姿勢の決勝。表彰台の中央には、薔薇のブーケを天に突き上げ、金メダルを手に笑う杜麗が立っていた。