2020年10月16日金曜日

2020.10.16 わが友に贈る

家族一人一人の生活も
日々刻々 変化している。
身近な人だからこそ
心通わせる語らいを。
一家和楽が前進の土台。

妙法尼御前御返事 P1402
『其のごとく南無妙法蓮華経の題目の内には一部八巻二十八品六万九千三百八十四の文字一字ももれずかけずおさめて候』

【通解】
そのように南無妙法蓮華経の題目の中には、一部八巻・二十八品・六万九千三百八十四の文字が一字ももれず、欠けずに収まっています。

名字の言 民衆の"草の根運動"に大切な要素とは? 2020年10月16日
アメリカの社会運動家アリンスキーは、近代の草の根運動の基礎を築いた人物と評される。貧困層の人々の生活を改善するため、地域住民の組織づくりを全米規模で広げた▼きっかけは、1929年に起こった大恐慌によって、自らが貧困に陥り、多くの人の悲惨な生活を目の当たりにしたことにある。彼は黒人の居住区でも活動を展開した。オバマ前大統領は青年時代、アリンスキーに影響を受け、彼の後継者と共に黒人の権利向上に力を注いだ▼アリンスキーは、住民組織の運動の大切な要素として、リーダーの「身ぶり」「言葉づかい」「声の調子」を挙げている。こうした点に「民衆の尊厳に対する心からの尊敬」が表れるからである(『市民運動の組織論』未来社)▼運動を続けるには、確固とした理論の裏付けは必要だ。だが、運動に熱を与えるのは、リーダーの振る舞いである。今日の世界広布の大道は、縁する一人一人の心に希望の灯をともす池田先生の「誠実の行動」によって切り開かれてきた▼御書に「教主釈尊の出世の本懐は人の振舞にて候けるぞ」(1174ページ)と。コロナ禍によって、日々の活動の在り方は多様になった。しかし、いかに環境が変わろうとも、一人を励ます「人の振舞」という根本精神を忘れまい。(芯)

寸鉄 2020年10月16日
座談会には説教ではなく平等な対話がある—識者が主役の楽しき集いを
「道理証文よりも現証にはすぎず」御書。信心の喜びと実証を堂々語ろう
"感謝の心"がある人は負けない。成長し続ける。勝利の姿で創立の月へ!
世界食料デー。2030年に飢餓ゼロ—国連目標食品ロス削減等積み重ね
流感と新型の同時流行へ備えを。マスク、空調使用時の換気など緩みなく

〈社説〉 2020・10・16 「世界食料デー」に考える
◇"手のひら"から始める行動
サケにツナマヨ、梅、めんたいこ。コンビニで買ったおむすびを手のひらに載せてみた。日本では1日に1人当たり、おむすび1個分の食料が捨てられているという。
手のひらに軽々と載るおむすびも、ひと月たてば30個。私たちは年間約48キロもの、まだ食べられる食料を廃棄していることになるそうだ。全体の約半分が家庭由来ともいう。
この無駄をなくせば、食事を必要とする誰かの空腹も満たされる。
状況の改善へ、「食品ロス削減推進法」が施行されて10月1日で1年になった。今月いっぱいは「食品ロス削減月間」。
未使用の食品を寄付し、必要とする個人や団体に届ける「フードバンク」の活動も広がり始めた。意識は徐々に変化している。
地球上には、全人口分をまかなえる十分な食料があるという。だが世界には、武力紛争や気候変動、経済危機などのため飢餓に苦しむ人がいる。
国連食糧農業機関(FAO)などがまとめた最新の報告書「世界の食料安全保障と栄養の現状 2020年報告」によれば、2019年に約6億9000万人が飢餓に苦しんでいると推定される。5歳未満の子ども1億9100万人が発育阻害、または低体重の状態にあるという。
10月16日は、国連が定めた「世界食料デー」。世界の飢餓や栄養不足、その解決策について考える日だ。
「飢餓をゼロに」も、食品ロスに関係する「つくる責任 つかう責任」も「持続可能な開発目標(SDGs)」に挙げられている。
空腹は満たされているか。栄養価は十分か。飢餓や栄養不足というと途上国が恒常的に抱える問題のように思いがちだが、頻発する自然災害、深刻な影響が続く新型感染症の世界的大流行を経験して誰もが気付かされた。あらゆる人の身近にある、差し迫った問題だ、と。
私たちは誰しも、地球的課題と無縁ではいられない。それは同時に、一人一人の行動が課題の克服や解決に直結することも意味していよう。
過日、今年のノーベル平和賞に国連食糧計画(WFP)が決まった。この慶事が、行動の広がりへの後押しとなることを期待したい。
今回、「世界食料デー」にFAOが示すテーマは「育て、養い、持続させる。共に」。そして「未来をつくる私たちのアクション(行動)」を呼び掛ける。
人類共通の希望を自ら発信し、共生の未来をつくる。その喜びや誇りを糧にしたい。
「食料安全保障」といわれると難しそうだが、「おむすび1個分」と思えば、自分にできることは何かを考えるきっかけも生まれよう。
食は命そのもの。小さくてもいい。一歩から行動を始めよう。

☆世界広布のわが舞台 第1回 イギリス ロンドン
新型コロナウイルスの地球規模の感染拡大は、いまだ衰える気配を見せない。世界のほぼ全ての国で、人々は経済の悪化や、社会生活の制限に直面している。新連載「世界広布のわが舞台」では、各国SGI(創価学会インタナショナル)の支部・地区など最前線の組織に焦点を当て、未曽有の困難の中でメンバーがどう励まし合い、地域・社会に希望の光を広げているかを紹介する。第1回はイギリス・ロンドンのウェストミンスター支部を取材した。(記事=福田英俊)

◇逆境をバネに新たな発展
イギリスの首都にして、世界金融の中心地の一つ、ロンドン。
多彩な国の出身者が集まる国際都市でもある。音楽や演劇、美術などのさまざまなイベントが開催され、毎年、膨大な数の観光客が訪れる。人々のにぎわいと喧騒に包まれ、24時間眠らない大都会——。
だが、その輝きは、3月に始まったロックダウン(都市封鎖)によって奪われた。
ウェストミンスター支部の支部副婦人部長、ミータ・タレジャさん(地区婦人部長兼任)は当時を振り返る。
「まるで"都市の生命"が止まったみたいでした。飛行機の音、車の音、人々の活動の音が消えてしまったんです。道路には人影さえありません。レストランやカフェも、全てが閉まってしまいました」
同支部の広布の舞台は、ロンドンの中心部。支部内にはバッキンガム宮殿や、ウェストミンスター宮殿(イギリス議会議事堂)などがそびえ、多くのグローバル企業の本社が並び立つ。
ロックダウンで、その街が一変した。外出や集会、店舗の営業には厳しい規制が設けられた。感染拡大はなかなか収まらず、医療現場では緊迫した状況が続いた。
市民は自宅に閉じ込められ、街は活力を失った。まさにロンドンは、第2次世界大戦以来の試練に直面したのである。

◇「一人も置き去りにしない」
誰も経験したことがない困難。だが、ウェストミンスター支部の応戦は早かった。
デイビッド・ブルームフィールド支部長は言う。「ロックダウンが始まった後、すぐに支部で"同盟唱題"を始めました。平日は午後7時から8時まで、土曜日は午前9時から10時まで。皆の無事と、感染拡大の一日も早い終息を祈りました」
6地区から成る同支部は、婦人部と女子部が多いのが特徴。新入会者も多数いる。入会はしていないが、勤行など信心の実践をしている友も30人以上いるという。
支部では、本部幹部とも相談をしつつ、ロックダウン下での活動を次々とスタートさせていった。まず確認したのは「一人も置き去りにしない」ということ。電話によるメンバーへの激励に力を入れた。
毎週土曜日の"同盟唱題"の後には、翌週、どのように同志を励ましていくかを協議した。
また、教学試験「グレード1」(日本の任用試験に相当)を受験する予定だったメンバーを対象に、少人数で勉強会を開いていくことを決定。そして、青年部の協力のもと、座談会や協議会など全ての会合をオンラインに移行した。パソコンやスマホの扱いが不慣れな友へのサポートは、青年部が買って出た。
「ロックダウンによって社会の動きは鈍化しましたが、ウェストミンスターの広宣流布は、逆に勢いを増しました。各地区でも"同盟唱題"や週1回の勉強会がスタート。オンラインの会合には友人も参加するようになりました。この期間に、各地区の団結はいっそう強固になったのです」(タレジャ支部副婦人部長)
ウェストミンスター支部ではロックダウン以降に、座談会や勉強会への参加者数が過去最高を記録。人材も育ち、新たに4人の地区幹部が誕生した。まさに逆境をバネとして、新たな発展を遂げたのである。

◇経済への甚大な打撃
イギリスでも、コロナ禍がもたらした経済への打撃は計り知れない。4月から6月のGDP(国内総生産)の伸び率は、前期比でマイナス20・4%にまで落ち込んだ。
女子部のイラリア・ガロ部長も、仕事で苦境に直面した。
彼女は、映像の企画等を行うメディア会社に勤務。昨年1月から期間契約の実習生として働いており、今年の5月からは正規雇用に移行すると上司から言われていた。しかし、ロックダウンで状況が一変した。
新規の採用は明年まで見送られることが発表され、正規雇用どころか、会社に残ることさえ厳しい状態に陥った。
「本当に苦しい状況でしたが、何があろうとも正規雇用を勝ち取ろうと決意し、題目をあげ抜きました。在宅での仕事にも全力で取り組みました。その結果、実習生としての契約が切れる直前に、正規雇用の契約を結ぶことができたんです」
本年の年頭、イギリスSGIは"青年部2倍の拡大"を目標に掲げて出発。対面式の会合ができなくなってからも、友人に勇気と希望を送る対話を続けている。
男子部のベンソン・リエン地区リーダーは、公認会計士として活躍する。彼はイタリアに住む友人を地区のオンライン座談会に招待し、共に参加。また、オンライン座談会に参加した別の友人は、婦人部の信仰体験に深い感銘を受け、翌日には唱題も実践した。その友人は今、日々の通勤電車の中でSGIの書籍を読んでいるという。

◇「日蓮仏法は希望の象徴」
厳格なロックダウンによって一時はコロナの感染拡大を抑え込んだイギリスだが、9月下旬から感染者が急増。9月24日には1日の感染者数が6634人に達し、第1波での1日の感染者の最高数を超えた。2度目のロックダウンが行われるのでは、との不安が市民の間で高まっている。
感染症の拡大と未曽有の経済危機。支部のリーダーが異口同音に語っていたのは、こうした「不確実性の時代」「危機の時代」だからこそ、日蓮仏法の哲理とSGIの運動が重要性を増す、ということだった。
女子部のガロ部長は力を込める。
「今、私たちの社会には恐れや無関心、諦めといった感情が広がっています。私の周りにも、経済や社会が不安定なために、自分の夢を諦めてしまう人がいる。皆、希望を失っているのです。
日蓮仏法は、私たちの中に無限の力、偉大な価値を創造する力があり、どんな苦難も乗り越えられると教えています。日蓮仏法とSGIは、希望の象徴なのです」
現在、ウェストミンスター支部では立正安国論の研さんに取り組んでいる。
タレジャ支部副婦人部長は語っていた。
「疫病の流行や気候変動、経済危機——立正安国論を読むと、社会が今、直面する状況は大聖人の時代と非常に似通っていると感じます。
私たちは、御書や池田先生の指導を学ぶことで、現在の危機の本質を深く理解することができます。そして、ただ現状を"嘆く"のではなく、世界の現状を変革しようとの"誓い"を皆で共有することができます。私たちは、この妙法を語り弘めながら、自身の人間革命に挑戦し、より良き社会の建設に貢献していきます」

〈体験〉マックス・ロンギンさん 解雇の危機越え航空会社で奮闘
私はウェストミンスター支部を含むウェストミンスター・ハートオブロンドン本部で、本部長をしています。
これまで30年にわたり、大手航空会社で国際線の客室乗務員として働いてきました。しかし、コロナ禍で多くの社員が解雇されることに。不安で眠れない日々が続きました。
ロックダウンの後、私たちの本部ではオンラインによる会合をスタート。各地で"同盟唱題"を行い、心と心を結び、励ましを広げました。
その中で、私は断じて今の会社に残ろうと決意しました。真剣に祈るとともに、教学や池田先生の指導を学び、同志や友人、同僚を励ましていくと、不安は消えていきました。胸中に希望があふれてきたのです。
祈りを深める中で私は確信しました。"信心に励む中で起きたことは全て、幸福の人生を築くために必要なことなのだ。必ず一切を変毒為薬できる"と。
これまで2度にわたって解雇者が発表されましたが、私の名前はありませんでした。客室乗務員として、愛する会社に残ることができたのです。
これからも会社の業績回復と発展を祈り、多くの友に励ましを送りながら、自身の使命の舞台で輝いていきます。