2020年10月31日土曜日

2020.10.31 わが友に贈る

日の出が遅くなり
早朝の寒さが増す時期。
「無冠の友」の皆さま
どうか体調を崩さず
日々 安全第一で!

一念三千法門 P416
『法華経の行者は如説修行せば必ず一生の中に一人も残らず成仏す可し、譬えば春夏田を作るに早晩あれども一年の中には必ず之を納む、法華の行者も上中下根あれども必ず一生の中に証得す』

【通解】
法華経の行者は如説修行するならば、必ず一生のうちに一人も残らず成仏することができる。例えば、春、夏に田を作るのに、早稲・晩稲の違いがあっても、一年のうちには必ず収穫するようなものである。法華経の行者も上根・中根・下根があっても必ず一生のうちに証得する。

名字の言 リンカーン大統領が凶弾に倒れた時の所持品 2020年10月31日
奴隷解放の父と仰がれ、「人民の、人民による、人民のための政治」との演説で知られる米国のリンカーン大統領。彼が凶弾に倒れた時の所持品に、数枚の新聞の切り抜きがある▼内容は大統領としてのリンカーンの功績をたたえた記事。南北戦争という分断の危機の中、常に批判の矢面に立たされていた彼は"自分を褒めた記事"を心の支えとしたのだろうか▼自分を認め、信じてくれる存在や、自らを励ます言葉は前へ進む力となる。本紙配達員を務める沖縄の婦人は、3人目を妊娠中に脳炎を患い、母子共に危険な状態に陥った。だが病院で目にした本紙の信仰体験に勇気をもらい、"必ず乗り越えてみせる"と懸命に唱題。やがて病状は快方に向かい、出産も果たした▼婦人の手元には本紙の切り抜きなどを貼ったノートがある。あるページには「自らを信じよ! 卑下するなかれ!」との池田先生の言葉が書かれ、朱線が引かれていた。婦人は「困難に遭うたびにノートを読み返しては祈り、自分を鼓舞してきました」と。同志の励ましもあり、その後も家庭不和などの試練を信心で克服。母と妹を入会に導いた▼一つの言葉、一つの体験が誰かの希望と勇気の源泉になる。本紙もまた、ペンを通じて、その使命を果たし抜いていきたい。(踊)

寸鉄 2020年10月31日
ネパール初訪問25周年。師の大闘争ありて仏法は西還。後継よ勇み続け!
経験に頼る前に御本尊に頼れ—恩師。信心は無限の可能性開く。確信強く
『新・人間革命』は全人類に対するエール—識者。希望の一書を今日も研鑽
食・運動習慣の改善、3〜4割が無関心と。健康は勝利の源泉。日々、聡明に
ひったくりが頻発。歩きスマホやイヤホン装着は危険度大。警戒心持って

☆第3代会長就任60周年記念 広布史アルバム 第10回 10・20「広島の日」
◇人間勝利の凱歌をあげよ
「一度、決めたことをやめられるか! 男子として、死んでも行く。これが、大作、真実の信心ではないか!」

〈1957年(昭和32年)11月19日、病床にあった恩師・戸田先生は、池田先生に命懸けで広島に向かうことを訴えた。池田先生は随筆に、恩師の思いを記している〉

(戸田)先生の被爆地・広島への思いは、いかばかりであったろうか。核兵器という「サタン(悪魔)の爪」に破壊された広島へ、命と引きかえで出発する覚悟だったのである。
だが、この翌日には、先生の病状は、歩行もできぬほどに悪化し、ついに広島指導は断念せざるをえなかった。
恩師は五十七歳。ご逝去の半年前のことであった。
生命を賭して、広島行きを望まれた、あの師の気迫は、生涯、わが胸から消えることはない。いな、それが、私の行動の原点になった。
 
〈85年(同60年)10月20日、57歳の池田先生は、広島で開催された第6回「世界青年平和文化祭」に出席。この年、先生は国連事務総長と会見するなど、数々の平和行動をもって広島を訪問した。文化祭を振り返り、先生は広島への万感の思いをつづっている〉
 
「永遠の平和 広島」!
感動のフィナーレで浮かび上がった、白い大きな文字が、今でも鮮やかに脳裏に蘇る。大歓喜の渦の中に、アメリカやアジアなど、世界の五大州の友がいた。広島の青年が輝く瞳で乱舞していた。
そこには、歴史を永遠の平和へ回転させゆく、若人の熱と力が燃えていた。
 
文化祭の翌日、私は、再び原爆慰霊碑に向かい、追善した。この日、世界四十六カ国・地域のSGIの同志も、慰霊碑に献花した。
私は心強かった。偉大な使命感に燃えた、民衆の「平和の連帯」の世界的拡大こそ、悪魔の兵器の暴走を止める最強の力だからである。
 
正義の団結、善の連帯こそ、分断と破壊の魔を打ち破る勝利の要諦である。
永遠平和の原点・広島よ!
世界の希望・広島よ!
強き団結の力で勝て!
雄々しき正義の声で勝て!
不屈の精神の戦いで勝て!
広島には、人間勝利の凱歌をあげる大使命があるのだ!

第6回「世界青年平和文化祭」のフィナーレで、池田先生が両手を高く上げて、出演者に応える(1985年10月20日、広島県立体育館<当時>で)。被爆40年という節目に、世界中の青年たちが歌や踊りを通し、広島の地で、恒久平和を訴える姿に、各界の来賓たちは称賛を惜しまなかった。この日は、「広島の日」「広島青年部の日」に。明後20日、35周年の佳節を迎える

原爆の投下目標にされたといわれる相生橋(あいおいばし)を歩く池田先生。奥には原爆ドームが立つ(同年10月21日、広島市内で)。「『平和への闘争』なくして、広島を訪ねることはできない」「『戦争の二十世紀』の犠牲となった広島を、『平和の二十一世紀』の聖地へ!」との信条の通り、先生は愛する広島の同志と共に、世界平和と核兵器廃絶の大理想の実現へ、闘争に次ぐ闘争を重ねた

2020年10月30日金曜日

2020.10.30 わが友に贈る

陰で黙々と頑張る人が
偉大な人間王者だ。
誰が見ていなくとも
広布のため 同志のため
自らの誓いに生きよう!

下山御消息 P358
『法華経を法の如く修行すとも法華経の行者を恥辱せん者と此れ等の諸人を指しつめて其人命終入阿鼻獄と定めさせ給いしなり』

【通解】
たとえ、法華経を法のとおり修行したとしても、法華経を実践する人を恥辱する者等、これらの人々(法華経の行者を恥辱する者など、さまざまな法華経不信の謗法の者)を名指しして、「その人は命を終えて必ず阿鼻地獄に堕ちる」と(釈尊は)定められたのである。

名字の言 フェイクニュースに惑わされないために 2020年10月30日
「火星人が攻めてきた」——82年前のきょう、アメリカのラジオで臨時ニュースが流れた。他の番組を中断しての速報、アナウンサーの重々しい実況。リスナーは大パニックに陥った▼これは、SF小説『宇宙戦争』を基にしたラジオドラマの演出。だが、多くの人が本物のニュースと勘違いした。路上は避難する車で渋滞。給水塔を宇宙船と誤解し、発砲する者まで出たという▼集団心理の怖さを、昔の話と笑うことはできない。特に現代はネットやSNSによって誰もが発信者となり、真偽を問わず情報が拡散する。コロナ禍の"トイレットペーパー買い占め"は記憶に新しい。今秋の調査では、約7割の人がフェイクニュース(虚偽報道)を見破る自信がないと答えた▼虚偽に惑わされないためには、メディア・リテラシー(情報を読み解く能力)の向上が不可欠だ。受け身でいるだけでは"情報の洪水"に足をすくわれかねない。不確かな情報には態度を保留し、主体的に根拠を問い続ける姿勢が求められる▼池田先生は「知識や情報を、人類の幸福と世界の平和のために生かし、使いこなしていく『知恵』が、ますます追求されなければならない」と訴える。その知恵を、わが生命から引き出す源泉は、祈り、語り、学ぶ信仰の実践の中にある。(叶)

寸鉄 2020年10月30日
「我れ等は仏に疑いなし」御書。皆が人材。皆に幸福になる権利が。共に前進
福島の日。希望の対話を広げる福光の勇者に喝采地涌の使命の劇を力強く
勇気と確信と真剣勝負の学会たれ—恩師。師子吼の題目で一日一日勝利を
長時間の閲覧によるスマホ猫背は心身不調の因。何となく見る時間を排し
外出自粛で高齢者の社会参加が減少—調査。孤立させるな。意識し声掛け

〈社説〉 2020・10・30 マンデラ氏との会談30周年
◇差別と戦うのは「私たちのため」
ネルソン・マンデラ氏(1918〜2013年)は、南アフリカのアパルトヘイト(人種隔離政策)撤廃運動の指導者であり、不撓不屈の人権の闘士であった。
27年半、1万日に及んだ氏の獄中闘争は、差別に苦しむ黒人のためだけではなかった。「抑圧する側も解放されなくてはいけない。他人の自由を奪う者は、憎しみの囚人であり、偏見と小心さの檻に閉じ込められている」(『自由への長い道(下)』東江一紀訳、NHK出版)
どんな人種、宗教、思想の人も平等に暮らせる「虹の国」——。それが氏にとって「そのためなら死をも覚悟している理想」となった。人を獄舎につなぐことはできても、心まで縛ることはできない。氏の自由な精神は、自身と同胞を抑圧する人々をも包み込むものだったのだ。
1990年2月11日、マンデラ氏は出獄を果たし、8カ月後の10月27日に初来日。国会演説等を終え、同31日、マンデラ氏の要請により、池田先生との会談が実現した。明日で30周年となる。
先生は会談で、氏に満腔の感謝をささげた。その思いを、こうつづっている。——氏の不屈の獄中闘争とは、「私たちのための闘争でもあった。私たち日本人もふくめた、すべての『人間』の尊厳をかけた戦いであった」と。
自身も権力の迫害と戦い続けてきた先生は、氏に贈った詩の中で、「人道の道を行く我が魂の同志」と呼び掛けた。
翻って、今の日本にも、性差別、また外国籍の居住者、障がい者、性的少数者、アイヌ民族、被差別部落の人々などへの差別が残る。コロナ禍の中、感染者への誹謗・中傷も起こった。
誰かを差別し、人を「レッテル」で見る時、相手への想像力は働かなくなる。人間を人間として見ない。そのような人を、詩聖タゴールは「機械の部品に化した人間」(『タゴール著作集』第8巻、第三文明社)と糾弾した。差別をする人は、自ら「人間性」を手放す。その時、一番傷ついているのは、自分自身の尊厳なのだ。
差別の根っこには、人の心の問題がある。差別制度と戦うとともに、人の心に巣くう悪とも戦ったマンデラ氏の人権闘争は、決して過去のものではない。私たちが"差別する心"と向き合い、氏の闘争から真摯に学ぼうとする時、それは今も「私たちのための闘争」であり続ける。
先生は氏を思いながら、つづった。「世界のどこかで苦しんでいる人がいる限り、私たちの真の幸福もない」と。
私たちは、他者の尊厳が傷つけられた時、自分の痛みとして感じ、正義の声を上げられる人間でありたい。鋭敏な人権感覚は研ぎ澄まされた生命に宿る。人と会い、語らおう。人間を磨くのは人間である。

☆10月度「御書講義」 顕仏未来記(下)
◇「丈夫の心」で世界広布を!
「仏法西還」を実現した創価の連帯——。ここでは、森中教学部長の10月度「御書講義」(下)を掲載します。配信中の講義の動画は、こちらから視聴できます(31日まで)。((上)は10月20日付4面に掲載)

◇"人間の宗教"の系譜を継ぐ
御文
『願くは我を損ずる国主等をば最初に之を導かん、我を扶くる弟子等をば釈尊に之を申さん、我を生める父母等には未だ死せざる已前に此の大善を進めん』(御書509ページ5行目〜6行目)

◇一切の人々の幸福を
まず大聖人は、御自身を迫害した国主を第一に救おうと仰せられています。これほど深い大慈悲の境涯はありません。
自身が魔と戦い抜き、境涯を大きく開いた時に、一切の悪知識を善知識へと変えていくことができる、という原理を大聖人は自ら門下たちに教えてくださっています。
さらに大聖人は、「我を扶くる弟子等をば釈尊に之を申さん」と、自身を支えてくれた弟子の真心を仏に伝えようと仰せです。
また、「我を生める父母等には未だ死せざる已前に此の大善を進めん」と、自分を生み育んでくれた父母に、自身が亡くなる前に大善を送っていこう、と示されています。
三世永遠に自身の眷属を成仏の光明で照らしていこうとされています。まさに、仏法者の報恩の生き方を教えられています。父母を思うことは、自分に関わる一切の人々の幸福を願っていくことに通じていきます。

◇師弟共戦の生き方
ここで、「国主」「弟子」「父母」とあるように、自分に関わりのある、家族や社会の人々、そして師弟の生き方へと、歓喜と感謝と慈愛が広がっていくことが、まさに仏法者の人間としての最高の振る舞いにほかなりません。
そして日蓮仏法は、大聖人お一人が偉大であるということで終わる宗教ではありません。大聖人が佐渡で示してくださった人間の最極の尊厳性は、同時に誰人も実現可能だということを教える宗教です。
大聖人と同じ価値を共有し、同じように自他共の幸福の実現を目指す弟子の生き方の中に、こうした尊極な仏の生命が顕現していきます。だからこそ、日蓮仏法は、師弟不二の宗教なのです。私たちの実践でいえば、自他共の誓願を果たし抜く師弟共戦の生き方が重要になるということです。

御文
『但し今夢の如く宝塔品の心を得たり、此の経に云く「若し須弥を接って他方の無数の仏土に擲げ置かんも亦未だ為難しとせず乃至若し仏の滅後に悪世の中に於て能く此の経を説かん是れ則ち為難し」等云云』(御書509ページ6行目〜8行目)

◇仏の願いを実現する
次に大聖人は、「宝塔品の心」を得たと仰せです。この「心」とは、いかなる大難があっても、全民衆の救済のために法華経を弘めきるという仏の願いであり、弟子の誓願です。まさしく師弟不二の大願の心です。
ここで具体的に、法華経見宝塔品第11の六難九易の原理が挙げられています。
では、末法に法華経を説くことが、なぜ、最も難しいか。それは、法華経が万人成仏の教えを説いているからです。
すべての人が仏になる教え——それだけ聞くとすばらしいと思います。しかし、人間には抜きがたい差別の心があります。そうした、人々の心の奥にある無明の生命、真理を認めようとしない衝動的な働きが発動して、法華経を弘める者に対する嫉妬心を抱き、やがて迫害が始まります。最後は三類の強敵の弾圧に耐え抜いて弘教をしなければならない。
このように、人間の生命の変革ほど難しいものはありません。それを成し遂げるのが地涌の誓願です。だからこそ「宝塔品の心」とは、いかなる大難があっても、広宣流布を貫くという仏の願いを実現する真の仏弟子の証しです。その心を持った人が、本当の「丈夫」、「ますらお」であることを次に述べていきます。

御文
『伝教大師云く「浅きは易く深きは難しとは釈迦の所判なり浅きを去って深きに就くは丈夫の心なり、天台大師は釈迦に信順し法華宗を助けて震旦に敷揚し・叡山の一家は天台に相承し法華宗を助けて日本に弘通す」等云云、安州の日蓮は恐くは三師に相承し法華宗を助けて末法に流通す三に一を加えて三国四師と号く』(御書509ページ8行目〜11行目)

◇自分のいる場所から
続いて、この宝塔品の六難九易を解説した伝教大師の著作が引用されています。
まず「浅き」とは爾前経の教えです。「深き」は法華経です。爾前経は、人々の機根に応じて説いた教えですから、弘めても反発はありません。法華経は、今述べたように人々が聞いたこともない万人成仏を説いている故に迫害がある。この法華経の教えこそが「釈迦の所判」、すなわち釈尊の教えの結論であり、爾前経を捨てて法華経を選びとることが「丈夫の心」だと示されているのです。
この「仏の心」を実現しようと難事に挑戦して法華経を宣揚したのが、中国の天台大師、日本の伝教大師です。これを受けて、今度は、安房(千葉県南部)の地に生まれた大聖人御自身が、インドの釈尊、中国の天台、日本の伝教の後を受け継いで法華経を弘通していると仰せです。
しかし、違うのは、「震旦」、すなわち「中国」や、「日本」という表現でなく、「安州」、すなわち安房国と仰せです。世界広宣流布といっても、自分の故郷、自分のいる場所から始まるということです。

◇仏の未来記の主人公
また、天台は釈尊を受け継ぐ、伝教は天台を受け継ぐとされていることに対して、大聖人は、釈尊・天台・伝教のすべてを受け継いでいる、つまり、仏法の一切を私は受け継いだのだとの大確信を示されています。
そして、天台が中国に弘め、伝教が日本に弘めたことに対して、大聖人は「末法に流通す」と、末法万年、全世界に広宣流布していくことを宣言されていると拝されます。まさしくインド・中国・日本の三カ国の三人に一人を加えて「三国四師」であると宣言されています。これは、釈尊以来の法華経の系譜の中にいるという宣言です。池田先生は、この三国四師の系譜は、万人に尊極の生命を開く「真の法華宗」であり、「人間宗」であると述べています。
法華経を軸に考えた本来の仏教は、どこまでも人間を根本とした、「人間の宗教」です。池田先生は「創価学会は、この三国四師の系譜において創立された、真の法華宗を世界に弘通している唯一の仏勅の教団です。(中略)私は、私とともに戦ってきてくださった皆様とともに、『我らこそ御本仏の未来記の主人公なり』と、誇り高く宣言したい」とつづっています。
どうか、この人間宗の系譜のなかで、世界広宣流布の大前進とともに、私たちも、学会創立90周年を荘厳し、100周年に向かって、勇躍前進していきましょう。

2020年10月29日木曜日

2020.10.29 わが友に贈る

地区・ブロックこそ
広宣流布の本舞台だ。
全リーダーが率先して
組織の最前線へ!
希望の波動を起こそう!

御講聞書 P819
『今日蓮等の類い南無妙法蓮華経と唱え奉る者、無上宝聚不求自得の長者に非ずや』

【通解】
日蓮門下の、南無妙法蓮華経と唱える者は、「これ以上はないという『宝の聚まり』を、求めることなく、自ずから得た長者」なのである。

名字の言 50年前にノーベル平和賞を受賞した農学者ボーローグ博士 2020年10月29日
今年のノーベル平和賞に選ばれたのは、国連の世界食糧計画(WFP)。コロナ禍による深刻な飢えに苦しむ人々を支援する活動が評価された▼ちょうど50年前、ノーベル平和賞を受賞したのも、品種改良の小麦を開発し、食糧危機にあえぐ人々を救った農学者のノーマン・ボーローグ博士だった。"奇跡"とも呼ばれるその小麦は、背丈が低く丈夫で風害に強い上、穂数当たりの穀粒数が多く、高い収穫量を誇った。博士は2万系統以上の小麦を粘り強く研究し、この新品種を生み出した▼博士の人生観に大きな影響を及ぼしたのは、世界恐慌によって困窮する人々を目の当たりにしたことだった。苦しむ人の役に立ちたい——その切実な願いが一粒の種子を生み、やがて数億人の命を救った(レオン・ヘッサー著『ノーマン・ボーローグ』悠書館)▼仏典には「金色王」の故事が説かれる。干ばつと飢餓に苦しむ民衆のため、王は自らの食を最後まで分け与える。その姿は天をも揺り動かし、甘露の雨を降らせ、万民を蘇生させた▼"奇跡"と思える偉業も、最初の一歩は、何とかして人を救いたいという慈悲の心から始まる。目の前の一人に寄り添い、心に希望の種をまく。この地道な労作業の中に、最も崇高にして偉大な人間の輝きがある。(当)

寸鉄 2020年10月29日
「ほむれば弥功徳まさる」御書。体験を語れば福徳燦然。これ広布の推進力
青森県婦人部の日。励ましの声で伸びる人材の森日本一仲良き団結で前進
近隣の助け合い「何もしない」46%—厚労白書。絆結ぶ学会は地域の灯台
中古家電の出火事故相次ぐ。リコール情報や修理履歴を確認。小事が大事
「自転車のあおり運転」で初の逮捕者。危険行為を断じて許すな。事故撲滅

☆10月度「御書講義」 顕仏未来記(上)
◇仏法西還の未来記を実現!
創価学会公式ホームページ「SOKAnet」で配信されている、森中教学部長の10月度「御書講義」を、上下にわたって掲載します(抜粋・編集)。教材は「顕仏未来記」です。世界広布を前進させる、学会精神の源流を学んでいきましょう。講義の動画はこちらから視聴できます(31日まで)。((下)は10月24日付4面に掲載の予定)

◇はじめに
今、世界広宣流布は同時進行ですが、世界各国・地域の教学運動も同時進行です。日本の「大白蓮華」に連載されている、池田先生の御書講義「世界を照らす太陽の仏法」を世界中で同時に学習しています。また、御書全集も10言語を超えて発刊されています。そして、各国で今、熱心に小説『新・人間革命』の学習運動が進められています。コロナ禍の中で、いやむしろ、コロナ禍だからこそ、世界中の教学運動は水かさを増しています。
さらに今、世界の青年部が師弟不二と異体同心の連帯を築き、地涌の誓願に立って新たな旅を開始しました。これからが、ますます楽しみです。
そうした希望と、いよいよこれから、との決意を込めて一緒に「顕仏未来記」を学んでいきたいと思います。

◇本抄について
本抄は文永10年(1273年)閏5月、日蓮大聖人が流罪先の佐渡・一谷で著されたものです。今日、明日の命も分からない流罪地で、世界広宣流布を宣言されていることに、あらためて深い感動を覚えます。
さて、本抄を拝するうえで大事なのは、「顕仏未来記」という題号です。この題号を読み下すと、「仏の未来記を顕す」となります。「未来を予見し、記した、仏の言葉を実現する」という意味になります。
題号にある「仏」を、どう拝するかで、本抄の題号には二重の意味が込められています。
まず、「釈尊の未来記」と拝すれば、日蓮大聖人が、仏の未来記、すなわち法華経で予見されていた末法広宣流布の道を実現してきた、ということになります。
釈尊は法華経で、私が亡くなった後、とりわけ悪世で広宣流布を断絶させてはならないと遺言の如く弟子たちに命じています。広宣流布とは民衆を断じて幸福にするとの仏意、仏の願いの実現です。人々の思想が乱れ、戦争や災害が相次ぎ、悪人も多い時代に、悲惨と不幸を根絶するために、迫害や弾圧を覚悟して立ち上がる仏弟子が誕生しなければ、広宣流布は進みません。
「顕仏未来記」は、そうした末法の時代に、日蓮大聖人が、法華経の精髄である南無妙法蓮華経の大法を掲げて、大難の中、広宣流布を実現してきたことが述べられています。「私一人」が立ち上がったのだと断言されています。
そして本抄の後半では、大聖人の仏法が全世界に広宣流布していくと、「御自身の未来記」を記され、「末法には東より西に往く」「仏法必ず東土の日本より出づべきなり」(御書508ページ)と、日蓮大聖人の太陽の仏法が、東の日本から西のインドへと広がっていく、いわゆる「仏法西還」を宣言されています。
末法万年は、南無妙法蓮華経を説き示した大聖人の太陽の仏法が世界を照らし、人類を救います。ゆえに私たちは、日蓮大聖人を末法の御本仏と拝して、南無妙法蓮華経の大法を弘通し、広宣流布を進めているのです。これが題号にある「仏」を「日蓮大聖人」と拝する読み方です。
その立場から見れば、大聖人の末法世界広宣流布という予見を現実のものとして顕したのは創価学会しかありません。また、その自覚と決意に立って、創価学会は「顕仏未来記」を拝してきました。
池田先生は「現代に、(末法万年の全民衆救済という)この尊極な精神を受け継ぎ、人々の幸福と平和、安穏な社会の構築のために、創価三代の師弟とともに、日々、奮闘してきたのが世界中の学会員です。釈尊、法華経、日蓮大聖人、そして創価学会——民衆勝利の時代を築きゆく、この仏教の歴史の中に『人間の宗教』の壮大な系譜があるのです」とつづられています。それでは、御書の御文に入っていきます。

◇大難の中で大歓喜の境涯開く
御文
『日蓮此の道理を存して既に二十一年なり、日来の災・月来の難・此の両三年の間の事既に死罪に及ばんとす今年・今月万が一も脱がれ難き身命なり、世の人疑い有らば委細の事は弟子に之を問え、幸なるかな一生の内に無始の謗法を消滅せんことを悦ばしいかな未だ見聞せざる教主釈尊に侍え奉らんことよ』(御書509ページ2行目〜4行目)

◇妙法を身読した喜び
「顕仏未来記」で、仏法西還という大聖人の未来記を示された後、本抄全体の結びとなる段落が、今回の拝読範囲です。
まず大聖人は、「日蓮此の道理を存して既に二十一年なり」と仰せです。この道理とは、「真実の仏法が、末法において必ず広宣流布する」という、釈尊が法華経で説き残した仏法の原理です。「二十一年」とは、建長5年(1253年)の立宗宣言から、本抄を認められた文永10年(1273年)までのことで、足かけ21年です。
「日来の災・月来の難・此の両三年の間の事既に死罪に及ばんとす今年・今月万が一も脱がれ難き身命なり」とは、この21年の間、大難の連続であったが、とりわけ、この数年、つまり、「竜の口の法難」や「佐渡流罪」は死罪に等しいものであったということです。現実には、赦免はおろか、大聖人が生きて帰るなどとは、この時は誰も想像だにしていなかったと思います。
ところが本抄で、大聖人は、「一たびは喜んで云く何なる幸あって」(御書505ページ)、「喜悦せしむる」(同506ページ)、「幸なるかな」「悦ばしいかな」(同509ページ)と仰せられています。
言うまでもなく、妙法を身読し、末法広宣流布の大道を開き、釈尊の遺命を実現した喜びです。拝読御文では、この現在の御心境を弟子たちに伝えています。

◇全人類の宿命転換へ
「世の人疑い有らば委細の事は弟子に之を問え」とは、世間の人たちに対して、大聖人は、「私の言葉に疑いがあるなら、詳しいことは私の弟子に聞きなさい」と仰せです。これは、「開目抄」や「佐渡御書」等で、大難の意味を既に教えられていることを示されるとともに、門下たちに対して「日蓮と同意」の信心で戦うように促されているとも拝されます。
続いて、「幸なるかな一生の内に無始の謗法を消滅せんことを悦ばしいかな未だ見聞せざる教主釈尊に侍え奉らんことよ」と仰せです。これは、大難の中で、仏界の生命を実現し、仏の大願に生き抜いた大歓喜の境涯の表明です。まさに学会指導にもありますが、成仏の大境涯とは、何ものにもおかされず、何ものをも恐れない絶対の幸福境涯です。
池田先生は「障魔との戦いである広宣流布の闘争は、各人の宿命転換を実現する力に漲っています。それが、一国の宿命転換、そして全人類の宿命転換へと広がっていきます。仏の大願に生き、自他の仏界の生命を湧現していく戦いであるからこそ、人類の境涯を高める大道になるのです」とつづられています。

2020年10月28日水曜日

2020.10.28 わが友に贈る

磨けば磨くほど
心は輝きを増していく。
自身の可能性を信じて
「日夜朝暮に又懈らず」
題目を唱えゆこう!

四条金吾殿御消息 P1114
『法師品に云く「則遣変化人為之作衛護」疑あるべからず、安楽行品に云く「刀杖不加」普門品に云く「刀尋段段壊」此等の経文よも虚事にては候はじ』

【通解】
法華経法師品には、「仏がさまざまな姿の人を派遣して、必ず法華経の行者を守らせる」と説かれている。疑ってはならない。また、安楽行品には「(法華経の行者を)刀や杖などで害することはできない」とあり、普門品には「(斬りつけようとする)刀は、すぐにいくつにも折れてしまう」とある。これらは、よもや嘘ではあるまい。

名字の言 「核兵器禁止条約」が発効へ。小さな声が大きな力に 2020年10月28日
聞き慣れない国名も並んでいた。ニウエ、ガイアナ、レソト……。史上初めて核兵器を非人道的で違法とする「核兵器禁止条約」を批准した国々だ▼これらは、太平洋やカリブ海の島、アフリカ大陸にある小国。小さな声と声の重なりが、条約発効に必要な50カ国・地域の批准へ大きな力となった。条約は明年1月22日に発効される▼被爆75年の本年、コロナ禍で各地の平和行事は縮小・中止に。そこで今夏、広島市内のある学会員の夫婦は、わが子と千羽鶴を折った。親子で折り紙をしながら語り合った。「いじめだって戦争の一つなのよ」「当たり前の生活に感謝しようね」。小さな手に添えられた大人の手のぬくもりを通じて、平和の心を伝える。折り鶴は地域の友人からも数多く届けられた▼条約採択に貢献したICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)のベアトリス・フィン事務局長は「一人だけでは世界を変えることはできない」と語る。世界を変えるような"大きなうねり"を起こすには、周囲の人を巻き込んでいくことが大切、と▼一人は微力かもしれないが、無力ではない。192カ国・地域の創価の同志が、目の前の"一人"と心を結び合う。地道ではあるが、そこから世界平和への道が確実に開かれていくことを信じる。(子)

寸鉄 2020年10月28日
この信心は師子をつくるのだ—恩師。一つ一つを全力で。鍛えの道、堂々と
東京「杉並婦人部の日」。今日も颯爽と希望と幸福拡大!麗しき王女の陣列
「難問答に巧みにして」法華経。勇んで友の中へ。友情広げる対話を今こそ
行動が早いほど我々の選択の範囲は広く—歴史家先手必勝!範示す幹部に
あおり運転に遭った事がある—74%。互いに冷静さ失わず。譲り合いの心

☆四季の励まし 勝利の峰へ勇気の歩みを 2020年10月25日
【写真説明】夕焼けに赤く染まる空。厚い雲の向こうから、あかね色に輝く秀峰が姿を現した。世界最高峰のエベレストをはじめ、8000メートル級の山々が連なるヒマラヤ山脈。1995年(平成7年)11月3日、池田大作先生が、ネパールの首都カトマンズ郊外からカメラに収めた。
3日前の10月31日、池田先生は同国を初訪問。間もなく25周年の佳節を迎える。先生は訪問中、要請を受け、名門・国立トリブバン大学で記念講演。変動する社会の中で、ヒマラヤのごとく悠然たる「不動の自己」を築く重要性を語った。
挑戦の積み重ねが、嵐に揺るがぬ不動の自己を築く。いよいよ学会創立90周年の「11・18」。わが勝利の峰へ、勇気の心で前進しよう。

◇池田先生の言葉
大変な困難の時ほど、
「勇気」が光となる。
希望を
失いそうになった時こそ、
「勇気」が
行く手を照らす。
人生で最も大切なものは、
勇気である。
 
いざという時に、
勇気を出せる人が、
人間として一番尊い。
勇気こそ
仏法の真髄である。
人間の真髄である。
勇気は、
勝つための原動力である。
 
勇気は、
自分の外に
あるのではない。
自分の胸中にある。
勇気は、
特別な人だけが
もっているのではない。
誰でも平等にもっている。
 
大切なのは、常に自身を
変革していくことだ。
私たちでいえば
「人間革命」である。
自らを常に新たにし、
成長させていくのが、
我らの信仰である。
そのための最高の方法が、
唱題であり、
学会活動である。
 
小さなことでもよい。
具体的に
明確に祈りながら、
新しい何かに
チャレンジして
いくことだ。
一日に一人でもよい。
真心込めて声を掛け、
励まし、
仏縁を結んでいくことだ。
 
いつでも、どこでも、
私の胸には、悠然たる
エベレストの如き、
世界最高の師匠がいる。
ゆえに、弟子である私も、
永遠に挑戦をやめない。
最高峰を仰いで
人生を登はんする人に、
停滞はない。
後退も、敗北も、
絶対にない。
最後は必ず、
勝利の眺望を
楽しむことができる。
ここに「師弟」の道がある。

2020年10月27日火曜日

2020.10.27 わが友に贈る

仏法を実践する人に
越えられない壁はない。
「さあこれからだ」と
日々の目標を明確に
勇気凜々と挑戦を!

顕謗法抄 P447
『若し仏此の地獄の苦を具に説かせ給はば人聴いて血をはいて死すべき故にくわしく仏説き給はずとみへたり』

【通解】
もし仏がこの地獄の苦しみをつぶさに説かれたならば、人はこれを聞いて血をはいて死ぬだろうから、仏はくわしく説かれなかったと思われる。

名字の言 きょうから読書週間。読みたい本を探し出す方法 2020年10月27日
ある著者の本を読んで面白いと思い、その人の著作を次々に読み進める。一橋大学名誉教授の野口悠紀雄氏は、これを「読書の連鎖過程」と呼ぶ。「読みたい本を探し出す方法として有効」であると▼実際、氏は『ジョゼフ・フーシェ』でツヴァイクの魅力に引き込まれ、『人類の星の時間』『マゼラン』『マリー・アントワネット』を一気に読み進めたという▼氏は「望めば古典を読んだり聞いたりすることが、簡単にできます」とも。かつて印刷の費用は高く、庶民が本を手にすることは難しかった。だが現代は、書店や図書館に足を運べば、たくさんの本が出迎えてくれる。インターネットを使えば、家にいながら本が買えるし、電子書籍で読むこともできる。「これは、考えてみれば素晴らしいことです」(『だから古典は面白い』幻冬舎新書)▼ドイツの哲学者ショーペンハウアーは「さまざまな本から知恵をくみとった人は、旅行案内書をいく冊も読んで、ある土地に精通した人のようなもの」(斎藤忍随訳)とつづった。本を開けば、世界中に出掛けられる。時代を超えて偉人と語り合うこともできる▼コロナ禍にあって、読書は最も手軽な移動手段ともいえよう。時間を工夫し、"良書に触れる秋"としたい。きょうから「読書週間」。(銘)

寸鉄 2020年10月27日
「心みに法華経の信心を立てて御らむあるべし」御書。題目で試練に挑め
滋賀青年部の日。君達が次の十年の主役!常勝の闘魂燃やし拡大の先駆を
目的は手段を生む—牧口先生。広布への祈り定め最高の智慧と作戦で前進
文字・活字文化の日。読書は人間精神を陶冶。暇を見つけまず一頁でも挑戦
口の衰えは全身の老化に通ず。話す事も有効と。学会活動は健康長寿の道

☆心に御書を 第82回 苦難の時こそ成長の好機
〈御文〉
法華経の行者は久遠長寿の如来なり、修行の枝をきられ・まげられん事疑なかるべし(四条金吾殿御返事、1136ページ)

〈通解〉
(松は万年の樹齢を持つゆえに、長年の風雪に鍛えられ、枝を曲げられる<見事な枝振りとなっていく>。同じように)法華経の行者は久遠長寿の如来である。修行の枝を切られ、曲げられることは疑いない。

◇池田先生が贈る指針
なぜ法華経の行者に苦難が続くのか。「久遠長寿の如来」だからだ。試練を越えてこそ、永遠に崩れぬ仏の大境涯を、いよいよ強く築ける。
荒れ狂う社会で妙法を持ち通すことは、信念の究極である。その人を仏天は歓喜し守る。
わが社会部・専門部をはじめ創価の世雄よ、不屈の祈りで、嵐に揺るがぬ大樹と聳え立て!

☆11月度の拝読御書「異体同心事」など
◇信心の団結こそ原動力 
11月度の拝読御書は「異体同心事」と「南条殿御返事(白麦御書)」の2編。「異体同心事」は執筆の年月や宛先などは定かではないが、本抄の前半では熱原に不穏な動きが出てきた、文永年間の末から建治年間にかけて、駿河の門下に対して、激励されていると推察される。

座談会では「日蓮が一類は異体同心なれば人人すくなく候へども大事を成じて・一定法華経ひろまりなんと覚へ候」(御書1463ページ)等を研さん。誓願の祈りを根本に、広宣流布という大目的に心を合わせる中で、一人一人の持てる力が遺憾なく発揮されることを確認する。

研修教材では「御心ざしは麦にはあらず金なり・金にはあらず法華経の文字なり」(同1541ページ)を拝読。広布への志を貫けば、無量の功徳に包まれていくことを学ぶ。

【座談会】「日本国の人人は多人なれども〜此の一門も又かくのごとし」(御書1463ページ5行目〜7行目)

【研修教材】「迦葉尊者の麦のはん(飯)は〜此のむぎをば仏のたね(種)とこそ御らん候らめ」(同1541ページ10行目〜14行目)

2020年10月26日月曜日

2020.10.26 わが友に贈る

◇今週のことば
「毒薬変じて薬となり
衆生変じて仏となる」
苦労した人こそ幸福に。
妙法の大功力を満々と
体験をつかみ広げよう!
2020年10月26日

日女御前御返事 P1244
『南無妙法蓮華経とばかり唱へて仏になるべき事尤も大切なり、信心の厚薄によるべきなり仏法の根本は信を以て源とす』

【通解】
南無妙法蓮華経とだけ唱えて、成仏することが最も大切である。ひとえに信心の厚薄によるのである。仏法の根本は、信をもって源とする。

名字の言 画家・砥上裕將さんが語る水墨画の上達の秘訣 2020年10月26日
水墨画家の砥上裕將さんが本紙のインタビューで語っていた。水墨画を思うように描けず、悩んでいる人の作品を見ると、多くの場合、無駄な一手がある。"うまく見せよう"と要らない線を描き足してしまうことで、かえって絵のバランスが崩れるのだという▼大切なのは、ありのままの自分で挑戦し続ける「素直さ」——砥上さんはそう強調する。"失敗したな"と思った時にごまかさない。背伸びすることなく、悩みながら描いて描いて描き続ける。その姿勢こそが真の上達の秘訣、と▼この話に触れ、思い出した方がいる。青年部時代にお世話になった地区部長さん。吃音を気にしてか、人前に出ることが大の苦手。でも座談会では、「地区の同志のためだから」と汗をふきふき御書講義をされていた▼地道な訪問激励の人で、足しげく通う真心に接し、「あんたには、かなわん」と何人の友が発心したか。"万言を費やすより、まず実践!"の学会精神を、その身そのままの振る舞いで教えてくださった▼御書に「はたらかさず・つくろわず・もとの儘」(759ページ)と。本物の人間力を磨き光らせるには、見えや気取りを捨て、ありのままの姿で切磋琢磨し合うこと。わが支部、わが地区こそ一番の"触発の舞台"である。(誠)

寸鉄 2020年10月26日
使命を知った人間は強いぞ。恐れも不安もない—恩師。腹を決めて広布へ
池田先生の北陸初訪問の日。誓願の勇者は朗らか。今日より明日へと挑戦!
会合・会議は短く触発に満ちた内容に。賢く感染防止。これ価値創造の道
体温1度低下で免疫力は3割減と。寒暖差に注意し重ね着など上手に工夫
いじめSNS相談、来年度から全国展開—公明が牽引。命守る政治を更に

〈社説〉 2020・10・26 あすから「読書週間」
◇「本」が無限の可能性を開く
第74回「読書週間」が、あす「文字・活字文化の日」から始まる(11月9日まで)。「知的で心豊かな国民生活及び活力ある社会の実現に寄与する」ことを目的に文字・活字文化振興法が制定されて本年で15年。豊かな心を育む良書に触れる好機にしていきたい。
新型コロナウイルスの感染拡大によって人々の生活様式は大きく変わった。自粛生活を余儀なくされ、読書を始めた人も少なくないのでは。「活字離れ」「読書離れ」といわれて久しい現代にあって、出版物の売り上げが増加傾向にある。特に、電子出版物は大幅な伸びを見せているという。"おうち時間"が増えたこと、携帯電話を"ガラケー"から"スマホ"に替えた人の増加も要因の一つであろうか。こうしたことも本の一ページを開き、豊かな読書体験が社会に広がる転機となってほしい。
家族で競って図書館に通うほどの読書好きで、自宅には数千冊の本があるという愛知の婦人部員に話を聞いた。
日々、刻々と変化する時代に取り残されないようにと読書に挑戦し、池田先生の著書や本紙なども熟読。「これだけ読んでいれば誰とでも語り合える」との自信を持った。婦人は近隣にある大学の教授の知遇を得て、折々に示唆に富んだ対話を重ねたという。教授は創価学会主催の展示会へ。さらには「SGIの日」記念提言に感銘を受け、学会に共感を寄せるまでに。「本は"人間外交"を切り開く宝剣ですね」と婦人は笑顔で語る。
読書は、大人以上に、子どもたちにとって宝の経験となる。
「子どもたちのさまざまな"芽生え"を助ける重要な役割が絵本にはある」と語るのは絵本作家の松本弘子氏。創作活動の傍ら、読み聞かせやその指導に尽力してきた氏は、本をもとにした語らいが子どもたちの思いや気持ちを知ること、考えを引き出すことにつながり、精神の奥底にある"人としての核"を成すものを培う機会になるとも述べている。
池田先生も"子どもたちの心の大地を耕し、正義の種、勇気の種、優しさの種をまいてあげたい"と、子ども向けの童話や物語の創作を続けてきた。そして、「どこにいても、世界中、宇宙まで飛んでいける魔法の乗り物」が読書であると未来を担う少年少女に語る。
さまざまな表現や、人間の生き方に触れることができる読書は、一人の人間が持つ無限の可能性を大きく開く。子どもたちと本を通じて語り合うほどに、希望の未来が見えてくるにちがいない。
今年の読書週間の標語は「ラストページまで駆け抜けて」。皆で本を手に取り、共に心豊かな一日一日を送りたい。

☆白蓮グループ総会への池田先生ご夫妻のメッセージ 2020年10月19日
◇青春勝利の舞を朗らかに
わが白蓮グループの清々しい総会、誠におめでとう!
コロナ禍にも負けず、白蓮グループの皆さんが、新しい知恵を発揮して、生き生きと励まし合いながら前進していることは、私と妻の、この上ない喜びです。世界に広がる白蓮のスクラムこそ、全同志にとって、また、社会と人類にとって、素晴らしい希望そのものです。
日蓮大聖人は「法華経と申すは手に取れば其の手やがて仏に成り・口に唱ふれば其の口即仏なり」「此の経を持つ人は百人は百人ながら・千人は千人ながら・一人もかけず仏に成る」(御書1580ページ)と仰せです。
どんなに苦しいことがあっても、題目を唱えていくならば、ありのままの自分の生命が、最も尊い妙法の当体として輝き光っていきます。明るい「勇気の太陽」「智慧の太陽」「慈悲の太陽」が昇ります。必ずや、縁する友と一緒に、清らかな「幸福の花」「歓喜の花」を咲かせていくことができます。
どうか、この最高に福運あふれる白蓮のいのちで、何があっても朗らかに前へ前へと進み、友情を広げ、「新・人間革命の世紀」を照らしていってください。
私と妻は、大事な大事な白蓮の皆さんが、一人ももれなく、健やかで、職場でも生活でも地域でも、聡明に青春勝利の舞を飾っていくことを祈り抜いていきます。

2020年10月25日日曜日

2020.10.25 わが友に贈る

開かれた心が対話の鍵。
こちらから声を掛け
相手の話をよく聞こう!
共感と納得が
新しい前進の力となる。

三沢抄 P1488
『かれが弟子だんな並に国土の人の心の内に入りかわりてあるひはいさめ或はをどしてみよそれに叶はずば我みづからうちくだりて国主の身心に入りかわりてをどして見むにいかでかとどめざるべきとせんぎし候なり』

【通解】
「彼の弟子檀那および国土の人々の心の中に入り代わって、あるいは諌め、あるいは脅してみよ」と言い、「それでも駄目だったならば、われ自ら降りていって国主の身心に入り代わって脅してみれば止められないことがあろう」と評議するのである。

名字の言 英語力を伸ばす「三つのかく」 2020年10月25日
英語力を伸ばすためには「三つのかく」が大切だという。言語学者の金谷武洋氏が述べている。�日常で目に留まるものを英訳し、メモ帳に「単語を書く」�人前で英語を話し、「恥をかく」�英語ができる人と一緒に活動し、「汗をかく」(『日本語が世界を平和にするこれだけの理由』飛鳥新社)▼机上で学ぶだけではない。積極的に話し、動き、人と交わる。文法や発音が稚拙でも、実践する中で英語力は磨かれていく。創価の運動にも通じよう▼2年前に入会した広島の男子部大学校生がいる。口下手で仏法の知識もほとんどない。それでも先輩に「だから対話するんだよ」と励まされ、友人のもとへ。悔しい思いもしたが、本年、弘教が実った。「語るほどに、自分自身が信心の素晴らしさを学んでいることに気付きました」と彼は言う▼かつて池田先生は、折伏に大切な「三つの心」を随筆につづった。第一は勇気。第二は感謝。第三は誠実。「友のことを祈り、行動し抜いた分だけ、互いの生命に『幸福の花』は必ず、咲き薫っていく」と▼行学は一体であり、「信心よりをこる」(御書1361ページ)である。コロナ禍であっても、否、コロナ禍だからこそ真心込めて希望の哲学を語る。その挑戦が、私たち自身に信仰の偉大さを教えてくれる。(子)

寸鉄 2020年10月25日
「此の度大願を立て後生を願はせ給へ」御書。試練の時代こそ広布の志高く
足立広布「師弟原点の日」庶民の団結は偉大!壁を破る拡大で本陣をリード
練馬勇気の日。大東京の模範の人材城はここに!新たな勝利の突破口頼む
「真の革命はただ一人の人間の革命」作家。幹部がまず挑戦!それが学会魂
小中高生のネットいじめが増加と。些細な変化も見逃さず社会全体で撲滅

☆勇気の源泉—創立者が語った指針 なぜ「木星」は「太陽」になれなかったのか——池田先生が語る努力の重要性 2020年10月16日
青春時代に深く心に刻んだ言葉は、生涯にわたって、苦難に打ち勝つ勇気を湧き起こしてくれる。新企画「勇気の源泉——創立者が語った指針」では、創立者・池田先生が創価教育の学びやで折々に語った珠玉のスピーチの中から、人生勝利の指針を紹介する(抜粋)。今回は、1989年7月に行われた創価学園の第22回栄光祭。上下2回に分けて掲載する。

●東京・創価学園 1989年7月 栄光祭�
<池田先生が、未来への指針を示してきた学園伝統の「栄光祭」(現在は7・17「栄光の日」記念の集い)。第22回の式典で先生は、壮大な宇宙の物語からスピーチを始めた。自ら光を放つ星(恒星)となった「太陽」と、なれなかった「木星」——。その誕生の過程を対比しつつ、学園生に向け、自身の中に眠る可能性を光り輝かせるためには何が必要かを訴えた>

本日、私がお話ししたいのは、天空に輝く、あの「太陽」がどのようにして誕生したのか、ということである。じつは「木星」は、「太陽になりそこねた星」とされている。太陽になれた星と、なれなかった星と、その違いはどこにあったのか——。

結論的に、また端的にいえば、それは木星が、中途半端な"太陽の卵"だったからである。(太陽のように)動きに動き、回転に回転し、自己を拡大していかなかった。
わかりやすく人間にたとえていえば、努力また努力のはてに、人々を照らしゆく光の存在になったのが「太陽」であり、せっかく大きな可能性を持ちながら、途中で休んで、チャンスをのがしてしまったのが「木星」ともいえる。

<太陽の形成は、宇宙空間に漂う無数のガス(気体)やチリを、"太陽の卵"がすごい勢いで自らの圏内に巻きこみ、拡大していったことで起こったと考えられている。先生は、そうした太陽誕生のドラマを紹介。ガスを集めながら中心部の圧力を高めていった太陽と、学びの青春を送り自身を鍛えゆく学園生の姿を重ねた>

(ガスを集める太陽の様子は)人間でいえば、「全部、こっちに集まれ、一緒に進もう。みんなで偉大な仕事をしよう」と、友人、味方を率先してつくっていくリーダーのような働きといえるかもしれない。また自分の苦難、苦労をも、すべて良い方向へと回転させる意識にも通じよう。

はじめ小さかったガスの塊は、しだいに、雪だるま式に大きくなってくる。回転速度が大きくなりはじめる。だんだん忙しくなる。やがて、遠心力でレコード盤のような形になって、回りに回る。動きに動く。勢いがついてくる。大きくなるにしたがって、中心部は、ものすごい圧力になり、高温になってくる。この中心部の塊が太陽の卵である。
中心の"核"の部分は、個人でいえば「一念」ともいえる。組織においては、団結の「中心者」であろう。クラスでは担任の先生、あるいは学級委員だろうか。その"核"には、大きな圧力と鍛えの力が働く。それでも耐えに耐えて、なおも運動を続ける——。
粘り強い連続行動。休みなき連続運動。そのはてに、中心のガス球は、ある時、突然に、みずからの力で「熱」と「光」を放ちはじめた。暗黒の宇宙の中で、壮大に、そして華麗に輝きはじめた灼熱の生命体——。劇的な「太陽の誕生」の瞬間である。
太陽が輝きはじめたのは、高圧のために、中心の温度がなんと1000万度に達し、"核融合反応"(4個の水素原子核が高温のため激しく運動し、衝突して結びつき、1個のヘリウム原子核をつくる。この時、ばく大な原子エネルギーが放出される)が起こったからである。

いわば太陽は、ギリギリまで回転しぬき、ギリギリまで戦いぬいた。自分自身の行動に徹しぬいた。その結果、忽然として、自己の本然の姿を顕したのである。人間も、組織も、国家、人類にも、この法則はあてはまる。
自己の目的と使命にむかって、その完成まで、挑戦に挑戦をかさねる。あきらめない。動く。学び、語る。また学ぶ。その、これでもか、これでもかという実践の結果、ある時、パーッと大きく開けてくるものである。

一人残らず「使命の人」
<池田先生は、誰もがかけがえのない使命や無限の可能性を秘めていると強調。絶えざる努力で、自身の胸中にある"生命の太陽"を赫々と光り輝かせ、社会を、そして世界を照らしゆく存在になってほしいと望む>

諸君は自分を「チリ」のような小さな存在のように感じる時があるかもしれない。しかし、断じて、そうではない。
一つの微塵、一つの原子の中にも、巨大な可能性が秘められている。それが宇宙の実相である。
まして諸君は、一人残らず、かけがえのない使命の人である。そう自分で自分を決めることである。その確信と自覚が、諸君の中にある無限のパワーを解放する。
人間は、"核"となる「一念」しだいで、何でもできる。考えられないほどの力がわいてくる。

太陽系で、太陽についでもっとも多くのガスやチリを集めたのが木星であった。
だが、木星では「核融合」が起こらず、みずから光と熱を発する太陽と同じような星(恒星)とはならなかった。集めたガスやチリの量が足りなかったからである。質量が不足したため、核融合を引き起こすまでの高温、高圧状態とはならなかったわけである。
もし木星が、もっと急速に回転しながら多量のガスやチリを集めていれば"ミニ太陽"となって、みずから輝く星になっていたにちがいない。そうなれば太陽系は「二つの太陽」を持つこととなったことだろう。

いずれにせよ、諸君の生命は、大宇宙とともに律動しているのであり、一人一人の胸中にも、赫々たる太陽がある。その光を放ちゆくための"修行"が、現在の諸君の勉学であり、絶えざる努力なのである。
だれもが胸中にいだいている"生命の太陽"。それが、あの木星のように、自分の努力や行動が不十分であったために"太陽"として輝きだすことができなければ、悔やんでも悔やみきれない。

努力すれば努力したぶんだけ、行動すれば行動したぶんだけ、厳然と結果は表れてくる。また善は善として、悪は悪として、いつしかすべて明らかになっていくのである。

2020年10月24日土曜日

2020.10.24 わが友に贈る

誰もが使命深き
地域の幸福責任者。
身近な近隣から
友好と安心の絆を
心軽やかに広げよう!

中務左衛門尉殿御返事 P1178
『夫れ人に二病あり、一には身の病所謂地大百一水大百一火大百一風大百一已上四百四病此の病は治水流水耆婆偏鵲等の方薬をもつて此れを治す、二には心の病所謂三毒乃至八万四千の病なり、仏に有らざれば二天三仙も治しがたし何に況や神農黄帝の力及ぶべしや』

【通解】
およそ人には二種類の病気がある。その一つは、身体の病気で、いわゆる地大に百一・水大に百一・火大に百一・風大に百一の合わせて四百四病がある。これらの病気は、古代インドの名医といわれた治水とか流水、耆婆や中国古代の名医といわれた偏鵲等の医薬によって治すことができる。
二つには心の病気でいわゆる貪・瞋・癡の三毒や八万四千の煩悩の病である。この心の病は、仏の力でなければ、バラモンの神である二天・三仙でも、なおすことはできない。まして儒教の神農・黄帝の力など及ぶものでないことはいうまでもない。

名字の言 競泳の入江選手が「一番闘志が湧いた」レース 2020年10月24日
世界各国の10チームで団体戦を行う競泳国際リーグが、ハンガリーで開幕した。日本からは「東京フロッグキングス」が初出場する▼日本代表クラスが集うチームで、主将を務めるのが入江陵介選手。16歳で代表入りし、背泳ぎの100・200メートルで日本記録を樹立。30歳の現在まで、トップスイマーとして活躍する▼彼が「一番闘志が湧いた」と語るのが、ロンドン五輪の男子400メートルメドレーリレー。松田丈志さんの「(北島)康介さんを手ぶらで帰らせるわけにはいかない」との言葉が話題になったレースだ。この言葉を胸に秘め、日本は銀メダルを獲得した。「『1×4』が単なる『4』ではなく、『8』にも『16』にもなった」と入江選手は振り返る(『それでも、僕は泳ぎ続ける。』KADOKAWA)▼誰しも"自分のため"に努力することはできるが、それだけでは限界もあろう。そこに"誰かのため"との目的観が加われば、何倍もの力が出る▼その究極が師弟である。池田先生は「師のためにと誓うから、希望と確信が湧く」「師と共に戦うから、いかなる困難の壁をも打ち破ることができる」と。"師のために"との一念から、無限の勇気が湧き上がる。"師と共に"との心で、わが地域に"励ましのリレー"を幾重にも。(巍)

寸鉄 2020年10月24日
「日夜朝暮に又懈らず磨くべし」御書。清新な祈りで生き生きと。日々、前進
第2総東京婦人部の日。広布の電源地照らす希望の太陽!朗らかに今日も
社会部の日。時代の荒波に挑みゆく同志。努力と智慧で創価の世雄と輝け
国連デー。"人類の議会"創設から満75年に。市民社会の連帯こそ平和の鍵
マスクでウイルス拡散と吸込減らす効果—実験。油断せず感染予防さらに

☆民音ミュージック・ジャーニー 地球を巡る音楽の旅 第1回 アルメニア共和国
音楽の力で、人々の心と世界を結ぶ民主音楽協会(民音)。コロナ禍にあって、世界中の音楽家が試行錯誤しながら文化活動に尽力している。民音では、その一助となるよう、各国大使館と協力し、公式ホームページでさまざまな国の魅力や文化を伝える「MIN-ONミュージック・ジャーニー」を掲載。その内容を順次、紹介していく。


第1回は「アルメニア共和国」。西アジアに位置し、カスピ海と黒海に挟まれた内陸部にある。首都エレバンは豊かな自然に恵まれ、"庭園都市"と呼ばれている。
トルコやイラン、ジョージアなどの多彩な国々と接していることから、アルメニアの文化も多様性に富み、独自の文字や民族音楽、宗教音楽などが今に継承されている。
紀元前1200年ごろから使用したとされるダブルリードの木管楽器ドゥドゥクは、アルメニアを代表する楽器の一つ。日本の雅楽等で使用される篳篥や中国の管子などにも影響を与えたと伝えられる。
ドゥドゥクと共に、弦楽器カマンチャイは、東京・信濃町の民音音楽博物館(民音文化センター内)にも保管されている。
また民音では、2012年に、日本とアルメニアの外交関係樹立20周年を記念して、合唱団「アルメニア・リトル・シンガーズ」を招へいした。
初来日となった同合唱団のコンサートは全国16都市で行われ、アルメニアの民族音楽や日本の民謡等を披露。澄んだ歌声は各地で大きな反響を呼んだ。
民音の公式ホームページでは、その公演の一部を動画で視聴可能。美しいハーモニーが、アルメニアへの"音楽の旅"にいざなってくれる。
民音公式ホームページのオンライン企画「MIN-ONミュージック・ジャーニー〜アルメニア共和国編〜」は、こちらからアクセスできます。

2020年10月23日金曜日

2020.10.23 わが友に贈る

笑顔は「心の贈り物」。
感謝や共感の思いを伝え
安心と勇気を広げよう。
友の喜びを願いながら
誠実に! 爽やかに!

阿仏房尼御前御返事 P1308
『譬ば海上を船にのるに船おろそかにあらざれどもあか入りぬれば必ず船中の人人一時に死するなり、なはて堅固なれども蟻の穴あれば必ず終に湛へたる水のたまらざるが如し、謗法不信のあかをとり信心のなはてをかたむべきなり』

【通解】
譬えば海上を船に乗っていくのに、船は粗悪でなくても、水が入ったならば必ず船は沈み、船中の人々は一時に死ぬのである。また、畷(なわて)は堅固であっても、蟻の穴があけば、必ず最後には湛えた水が溜まらないようなものである。したがって謗法不信の水を抜き取り、信心の畷を固めるべきである。

名字の言 「対話」の語源とは? 2020年10月23日
ある小学校では、授業で「話し合い」の時間を「聞き合い」と表現している。他の児童の意見を「聞く」ことに重きを置くためだ▼「話す」ことを強調した方が主体的な学びを促すかと思いきや、そうとは限らない。「自分が何を話すか」ばかりに気を取られ、人の話の内容をほとんど覚えていないケースが少なくないからだ。だが、聞くことに集中すれば、自分の考えとの共通点も相違点もよく分かる。その気づきが「学び」となる。さらに皆が真剣に聞いてくれることで、話す側も言葉に自然と熱がこもるという▼「対話」を意味する英語「ダイアローグ」の語源は、ギリシャ語の「ディアロゴス」。ディアは「何々を通じて」、ロゴスは「言葉」「論理」等と訳される。従ってディアロゴスとは「互いの言葉が通じ合う」ことになろう▼ならば「対話」の在り方も一方的に話したり、意見のぶつけ合いになったりしてはいけない。対話とは「互いの語る言葉の『意味』を共有し、理解し合うことである。そして、新たな価値を創造しゆく作業なのだ」と、池田先生は訴える▼幼少期に限らず、人間は大人になっても他者との語らいを通して学びを深め、人格を豊かにしていける。「対話」を重ねる人は、いつまでも成長し続ける人である。(恭)

寸鉄 2020年10月23日
団結の車軸は純粋にして強い信心だ—戸田先生。幹部は日々新生の決意で
「河つもりて大海となる」御書。今日も挑戦!その一歩が勝利の歴史を開く
幸福であるためには幸福の可能性を信じること—文豪。確信の祈りで勇躍
コロナ禍でスマホ老眼の症状が増加と。長時間の閲覧に要注意。賢く休憩
詐欺悪用の固定電話3300件を停止—大手各社社会全体で更なる対策を

〈社説〉 2020・10・23 あす24日は「国連デー」
◇平和社会の構築への歩みを
あす24日、「国連デー」を迎える。その淵源は、1945年の同日、国際連合が発足したことにある。2度の世界大戦の過ちを、決して繰り返してはならない——この平和への誓いから出発した国連は、本年で設立75年を迎える。
先日、本紙インタビュー(15日付)に応じた国連事務次長の中満泉氏は「平和というのは単に戦争がない状態をいうのではなく、あらゆる側面から平和のための条件が確保されて初めて実現する」と語った。その平和を築くため提示された概念が「平和の文化」である。
これは、国連で示された、平和を築くための一人一人の価値観、態度、生き方のこと。平和のための条件の一つともいえる「核兵器のない世界」と「平和の文化」について、中満氏は述べる。「『核兵器のない世界』というのは、世界共通の目標であると同時に、それを目指すこと自体が、『平和の文化』の構築といった、包括的な平和をつくるための非常に重要なプロセス」と。
国連では、その組織や制度の構造上、多くの国際問題が互いに切り離されて議論されがちである。その課題に対して、この「平和の文化」の概念は、地球上の諸問題の相互関連性を映し出し、広い視野に立って議論することを可能とする。
では、「平和の文化」を創出していくための方途とは何か。池田先生は、本年の「SGIの日」記念提言で、平和学者のエリース・ボールディング博士との対談での博士の発言を紹介した。「『平和な社会がどのような社会であるか』を具体的に思い描くこと」が重要である、と。平和な社会を真に願い、具体的な行動によって確かな未来の社会像を示すことこそ、その方途である。
創価学会はこれまで、「平和な社会」のビジョンを幅広く喚起するため、絶え間ない活動を続けてきた。国内では「平和の文化フォーラム」「平和の文化講演会」や「平和の文化と希望展」などを推進。国際社会では、各国で「核兵器なき世界への連帯」展を開催するなど、草の根の行動によって、着実に平和へと貢献してきた。また、国連の経済社会理事会の協議資格を持つNGOとして、さまざまな議論に参画し、市民社会の視点からの声を国連に届けてきた。
コロナ禍は、人と人、国と国の間に「分断」「亀裂」を広げている。心ある人々は、そのことに警鐘を鳴らし、人を結ぶ対話の重要性を指摘する。「人類の議会」である"対話の場"としての国連の意義は、高まっている。
国連を支え、その取り組みを後押しするために、そして地球社会の未来のために、創価学会は力強く行動を続けていく。

☆勇気の源泉——創立者が語った指針 生物の進化と歴史の逆転劇に学ぶ——池田先生が語る変革の方程式 2020年10月17日
創価学園の第22回栄光祭。創立者・池田先生はスピーチの前半で、「太陽」と「木星」の成り立ちを対比し、学園生にエールを送った〈�はこちらから〉。後半は、宇宙から人類の歴史へ目を転じ、学園生たちに、逆境に負けない強い生き方の重要性を訴える。

●東京・創価学園 1989年7月 栄光祭�
〈先生は、生物の進化の過程に焦点を当て、"生命の「変革」「進歩」も、「圧迫」の壁に対し懸命に「抵抗」する中で生まれてきた"と考察する。
そこでアメリカの著名な科学者ロバート・ジャストロウ博士の著作『太陽が死ぬ日まで』(小尾信彌監訳、集英社文庫)から、いくつかの例を示した。�長期の干ばつの中、空気中の酸素を吸収できる「肺」をもった生物が誕生し、陸上で活動しはじめた�恐竜の脅威から逃れて夜間にエサを探すため、小さな爬虫類の中から、体温を一定に保つ機能を獲得するもの(恒温動物)が出てきた�大氷河時代、寒さから身を守るため、人類は動物の毛皮を身にまとうなど、道具を駆使するようになった——〉
長い生命の"逆境と苦闘"の歩みが意味するものは何か。ジャストロウ博士は語る。「逆境と苦闘が、生物進化の根底にある。逆境がなければ、生物に加わる"圧力"はなく、この"圧力"がないと、変化は起こらない」(前掲書)と。
圧迫や障壁のないところに進歩はない。生きぬこう、戦いぬこうと知恵を発揮し、環境を克服して進んでいくのが、生きとし生けるものの鉄則である。人間も、その他の生物も、また集団も、進歩し発展しゆく方程式は同じである。
諸君の勉強や試験も、ある意味では自分への「圧迫」かもしれない。しかし、それをやりきっていくところに、知性と人格を深め、人生を勝ちゆくための「進歩」がある。その意味で、今、勉強しておかなければ、あとで後悔をする。どうか将来のために、自分自身のために、しっかりと勉強をしていただきたい——これが創立者としての心からの期待であり、願いである。
〈会場となった講堂の舞台には、「民衆を導く自由の女神」(ドラクロワ作)を模した巨大な貼り絵が掲げられていた。先生は学園生の力作を称賛。話題を「フランス革命」に移し、危機を克服する中で、時代を転じゆく「精神の遺産」が築かれていくと語る〉
会場に入って、私は驚いた。舞台のすばらしい絵が、大きく目に飛びこんできたからである。ドラクロワ作の「民衆を導く自由の女神」。聞けば、この堂々たる模写絵(縦6・3メートル、横10・8メートル)は諸君全員の手によるものという。私は感動した。若人の発想、才能、情熱、そして団結の力は偉大である。大人の想像以上である。
ところで背景の絵は、19世紀の市民革命を描いたものである。18世紀末のフランス革命で掲げられた「自由」「平等」「友愛」の理想。その実現のため、時代を超えて戦い続けるフランス市民に対して、ドラクロワがささげた感動の賛歌といってもよいであろう。
精神にも「遺産」がある。ひとたび築かれ、打ちかためられた魂の「遺産」は、長く、たしかに、一つの民族、一つの国家を養っていく。とりわけ、危機の時に、その"宝"は発揮されるものである。
フランス革命が国民に残した「精神の遺産」は、少なくない。
その一つが、いかなる圧力や弾圧にも屈しない「抵抗(レジスタンス)」の精神ではあるまいか。第二次世界大戦でフランスは、ナチス・ドイツに占領された。この時、燃えあがったのが、この「レジスタンスの炎」である。
彼らは、いかなる苦境にも、"しかたがない""あきらめよう"などとは決して思わなかった。——最後の最後まで抵抗し、戦おう。そして、ついには勝利を勝ち取るのだ——と、確信してやまなかった。
これこそ、フランス革命から生まれた"フランス魂"である。その意味で、フランス革命は過去のものではない。脈々と国民の心に受け継がれているといえよう。
確たる「伝統」が築かれ、脈動しているところは強い。ここ創価学園にも「栄光祭」というすばらしき「伝統」が構築された。しかもそれは、一人一人の心に強く生きている。私にとって、これ以上の喜びはない。

◇「親孝行」の意味
〈最後に先生は、親や友人を大切にできる立派な人間に成長してほしいと呼び掛けた〉

ここで、何点か諸君にお願いしておきたい。
その一つは、どうか、お父さん、お母さんを大切にしていただきたいということである。
それは両親のためであることはもちろんであるが、しかし、親の心というものはもっと深い。
親が子どもの「親孝行」を喜ぶのは、決して自分のためではない。親は、子どもが孝行してくれようとも、またそうでなくとも、子どもを思う心には変わりはないものである。
ただ、わが子が「親孝行」のできる子どもであれば、将来も心配はない。そういう温かい心根があれば、いつになっても、何をやっても、どこへ行っても、立派な人間性をもって進んでいけるであろう。また、どんな苦難があろうとも、その強く優しい心が、一生の幸せを築きゆく原動力となっていくだろう、と親は考えて喜ぶのである。
どうか、そうした"親の心"のわかる諸君であっていただきたい。親に心配をかけないこと自体が、立派な親孝行である。その人はすでに立派な「大人」、立派な「人間」であるといえる。
そして、これが創価学園の人間教育の精神であることを申し上げておきたい。
もう一点は、現在、多くの学校が不登校(登校拒否)や校内暴力の問題に悩んでいる。教育の最大の課題ともなっている。
諸君の周囲にはあまりそのような例はないかもしれないが、友人が何らかの理由で学校を休み、ふたたび登校してきた時には、どうか心温かく迎えてあげていただきたい。人は言葉ひとつで勇気づけられもし、また心を傷つけられることもある。どうかそうした"思いやり"の心を忘れない諸君であっていただきたい。

〈第22回栄光祭から30年余り。当時の学園生は現在、40代。各地域・各分野の最前線で奮闘している。社会が大きな危機に直面する今、創立者が語った指針は、多くの友の「勇気の源泉」として、いや増して光を放ち続けるに違いない〉

☆「21世紀はアフリカの世紀」との展望から60年——信義と誠実の行動貫いた池田先生
1960年——植民地支配下にあったアフリカの17カ国が相次いで独立を果たしたが、各国には植民地の歴史が暗い影を落としていた。民族の分布に沿わない人為的な国境線によって、紛争が絶えず、経済基盤の脆弱さやインフラの整備不足、教育の遅れから社会も不安定だった。
そうした状況を見つめながら池田先生は、"一番苦しんだ人が一番幸福になる世界を"との信念を胸に「21世紀はアフリカの世紀」との展望を示し、その言葉を現実にするために尽力してきた。
アフリカの国家元首や学識者らとの語らいでは、文化・教育交流を提案し、具体的に実行に移した。
民音は71年のギニアに始まり、これまで10を超える国の音楽団体を招へいし、アフリカの豊かな音楽文化を伝えている。創価大学は9カ国13大学と学術教育交流協定を締結し、アフリカの繁栄に尽くす人材を育んできた。
こうした平和への貢献をたたえ、池田先生にジブチ、コートジボワールから国家勲章が叙勲。ガーナ、ケニア、ザンビア、南アフリカの6大学から名誉学術称号が贈られている。多くの識者も先生のアフリカへの功績に賛辞を惜しまない。
「池田先生は、アフリカの心を、アフリカ人以上に知っている人」(ケニア作家協会のインダンガシ会長)
「池田会長はじめSGIの皆さまのアフリカへの愛情と人道的行動に感動します」(ガーナのローリングス大統領)

2020年10月22日木曜日

2020.10.22 わが友に贈る

適度に体を動かすことは
自己免疫力を高め
病気予防・体力維持に。
「健康長寿の信心」で
今日も元気に動こう!

本尊供養御書 P1536
『法華経を持ちまいらせぬれば八寒地獄の水にもぬれず八熱地獄の大火にも焼けず』

【通解】
法華経を受持するならば、八寒地獄の水にもぬれることなく、また八熱地獄の大火にも焼けることもない。

名字の言 ドイツ広布を開いた青年たち 2020年10月22日
「私の開道の跡を追うがごとく/一握りの青年たちが海を渡った」。池田先生はかつて、長編詩に日本から西ドイツ(当時)に渡った青年たちのことを詠んだ▼世界広布の誓いを胸に、彼らは西ドイツの炭鉱で働き始めた。過酷な重労働で、食事が喉を通らないことも。それでも、地下1000メートルの採掘場から地上に出ると、「俺たちが地から湧き出た本当の『地涌の菩薩』だ」と笑い合い、対話に駆けた▼ある時、彼らの一人が落盤事故で足の骨を折る。すると、先生から一本の細長い筒が届いた。入っていた白い紙いっぱいに、「地湧」の二字が躍っている。紙を巻いていた新聞紙には、墨の跡がにじんでいた。それは、"一刻も早く"との師の真心の表れでもあった▼先生は折に触れ、青年たちの奮闘をたたえた。時には、段ボール箱に、肌着や日本食を詰めて送ったこともある。先生の人知れぬ激励は、青年たちの「地涌の使命」の自覚を促し、ドイツ広布の礎を築いた▼先生が欧州を初訪問した59年前の10月、メンバーはわずか8世帯。現在の発展は、先生が欧州のあの友、この友に励ましを送り続けてきたからだ。目の前の一人を励ますことに、広布の開道がある——欧州広布の軌跡は、師が示した不変の方程式を教えている。(嶺)

寸鉄 2020年10月22日
題目は「大風の吹くが如くなり」御書。強盛な祈りで苦難を突き抜け勝て
福井「凱歌宣言」の日。常勝の北の砦から人材が陸続。励ましを更に拡大
最後は幸せで幸せで困るような境涯に—戸田先生広布の労苦は全て福徳と
高齢者のネット通販問題急増。一度のはずが定期購入に。注文前に要確認
「文化芸術」支援事業の活用広がる。公明が力強く推進。現場の声を形に

〈社説〉 2020・10・22 明後24日は「社会部の日」
◇自分らしく不断の努力を!
明後24日は、職場、職域を同じくするメンバーが、共に職場の第一人者を目指し、成長していくことを目的に結成された社会部の「部の日」。「不屈の楽観主義で、桜梅桃李の勝利劇を!」との池田先生の指針を胸に、友は危機の時代と向き合っている。
くしくも同部が結成された1973年10月は、第4次中東戦争が勃発、石油価格が急上昇し、世界が不況の暗雲に覆われようとしていた時だった。そして現在、年初から猛威を振るい始めた新型コロナウイルスによる感染拡大は、世界経済に大きな打撃を与えている。
今年度の新入社員は、働き方の変革を迫られるコロナ禍の渦中で、社会人としてのスタートを切ることになった。多くの企業ではリモートワークを実施。予定されていた入社式が中止や延期となった企業もあった。研修はオンラインで行われるなど、緊急事態宣言の発令後、しばらくの間は出社をせずに働くことになった人も多かっただろう。
大手電機会社に入社したある創価大学出身のメンバーは、新入社員を紹介する社内のイントラネット動画編集の企画を担当することに。「困難な状況だからこそ、多くの笑顔を届けたい」と懸命に取り組んだ。その後、SNSでも公開された動画の再生回数は2万回を超え、同社に対する学生の注目度は急上昇。人事担当役員から感謝のメールをもらうなど、高い評価を得ている。
また、人材派遣会社に就職したあるメンバーは、緊急事態宣言後、地方の宿泊施設への配属が決定。生活環境が一変したが、「全てに意味がある」と前向きに捉え、担当した一つ一つの仕事に一切手を抜かず丁寧に向き合った。現在は、営業やサービス企画の担当を任されるなど、信頼を勝ち取っている。
この二人に共通するのは、上司や先輩に言われたことだけでなく、自ら考え積極的に行動したこと、周囲に目を配り、心を砕いた誠実な行動を心掛けたこと、そして「今いる場所で自身の使命を果たそう」との強い決意を固めたことだ。
IT技術の進化による働き方の変化は、デジタルネーティブ世代の若者にとっては、大きな利点となろう。だがそこに、仕事に対する確固たる信念がなければ、単に使われる道具としての存在になってしまうかもしれない。筑波大学准教授の落合陽一氏は、「何を実現したいかといったようなモチベーションは、常に人間の側にある」と述べている(『働き方5・0』小学館新書)。仕事に対する姿勢には、その人の人生観が大きく表れる。どこまでも自分らしく、不断の努力を重ねる日々としたい。

☆「世界を照らす太陽の仏法」に学ぶ 第10回=完 絶対勝利の信心〈下〉 谷川主任副会長
「紙上教学研さん『世界を照らす太陽の仏法』に学ぶ」の最終回となる今回は、前回(3日付)に続き、「絶対勝利の信心」について、谷川主任副会長と共に学びます。(池田先生の講義は『創価学会 永遠の五指針』から引用)

池田先生の指導
悪と戦うことで、
わが生命が鍛えられます。
清められます。 
悪と戦う中にこそ、
功徳も成仏もあるのです。

1 臆病であってはならない
前回に続き、「絶対勝利の信心」について学んでいきます。先生は御文を拝して、勝利の要諦を教えてくださっています。

【御文】
法華経の行者は信心に退転無く身に詐親無く・一切法華経に其の身を任せて金言の如く修行せば、慥に後生は申すに及ばず今生も息災延命にして勝妙の大果報を得・広宣流布大願をも成就す可きなり(祈祷経送状、1357ページ5行目〜7行目)

【現代語訳】
法華経の行者は信心において退転なく、身において偽り親しむことなく、一切、法華経に身を任せて金言の通り修行するなら、確かに後生はいうまでもなく、今生においても息災延命ですぐれた果報を得、広宣流布の大願をも成就することができるにちがいない。

■ 池田先生の講義
大聖人は、御自身の大難との闘争について言及された上で、法華経の行者の「絶対勝利」の信心と実践について、三点にわたって御指南されていきます。
第一に「信心に退転無く」と仰せです。決定した信心です。どこまでも妙法根本に生きるとの大誓願です。わが一念に迷いやためらいがあったり、臆病であってはならない、ということです。
「進まざるは退転」です。
—◆—
私たちの信心の実践では、たゆみない一日一日の積み重ねが重要です。「不退の信心」とは、言い換えれば「諦めない」ことであり、「負けない」ことです。臆病な心を排して、勇気を奮い起こした挑戦の中でこそ、勝利の道は開かれます。
私自身、折伏や結集をはじめとするさまざまな広布の戦いにおいて、困難を感じることもあります。しかし、そうした時にこそ祈りを根本に勇気を奮い起こし、家庭訪問や個人指導といった同志への励ましに徹してきました。
かつて池田先生は"「二月闘争」はなぜ勝利できたのか"について、「それは、目の前の一人を徹して誠実に励ましてきたことに尽きる」と語られました。そして、「『広宣流布』は、一人の『人間革命』から始まる。決意した一人が、一人を立たせる。その一人が、さらにまた、もう一人を奮い立たせていく。勇気は勇気を呼ぶ。この『一対一』の決意の連鎖こそが、拡大の鉄則である」と教えてくださいました。
目の前の「一人」への励ましを根本に、いかなる試練や苦難にも負けない「地涌の同志の陣列」を築く——。この地道な戦いによって、創価の師弟の人材城は築かれてきたのです。

2 御書に仰せのままに生き抜く
社会にも、人生の途上にも、予期せぬ困難が立ちはだかることがあります。今回のコロナ禍もそうでしょう。そうした中でも、世界中の同志は、祈りを根本に立ち上がり、周囲の友を励ましています。
それは、「御書」という明確な指標があるからです。

■ 池田先生の講義
第二に「身に詐親無く」です。行動や振る舞いにおいて、偽り親しむことなく、常に誠実に信念の行動を貫くことです。信じる道をどこまでもまっすぐ進むのです。
また、悪を見て黙っているのは、「詐親」になってしまいます。正法に背く悪に対しては毅然と責めていくことが、「身に詐親無く」の実践となるのです。
第三に「一切法華経に其の身を任せて金言の如く修行せば」とは、仏の心である法華経を如説修行することです。私たちの立場でいえば、どこまでも南無妙法蓮華経の御本尊を根本とし、信行学を貫き、御書に仰せのままに広宣流布の大願に生き抜くことです。
—◆—
学会は日蓮大聖人の仰せのままに、「御本尊根本」「御書根本」で進んできました。学会の教学は、学問的な探求を目的とするものではありません。どこまでも「実践の教学」であり、自身の境涯を開いていくためのものです。
御書を拝し、大聖人の大確信の言葉に触れることで、自身の臆病や不信、恐怖などを打ち破っていくことができます。
私が学生部で初めて折伏に挑戦した際、なかなか結果が出ずに思い悩んだことがありました。その時、学生部の先輩から次のように励まされました。
「とにかく一人でも多くの人と対話をすることだ。トランプのカードはジョーカーを除いて52枚ある。それをめくっていけば、必ず4枚のエースが出てくる。初めの方に出てくる場合もあるし、最後の方に固まっている場合もあるが、必ず出てくる。同じように粘り強く多くの人と対話すれば、必ず信心する人が現れる。地涌の菩薩が題目を唱えて折伏に挑戦し、結果が出ないことは絶対にないんだ」と。
先入観で相手を選ぶのではなく、多くの人に下種していく——。御書の「とてもかくても法華経を強いて説き聞かすべし」(552ページ)との仰せのままに、折伏を実践していく重要性を学んだ出来事でした。

3 極悪と戦えば極善に
広宣流布とは永遠に仏と魔との闘争です。先生は、悪と戦う重要性について教えてくださっています。

【御文】
悪を滅するを功と云い善を生ずるを徳と云うなり(御義口伝、御書762ページ12行目)

【現代語訳】
功徳とは、悪を滅するのを「功」といい、善を生ずるのを「徳」というのである。

■ 池田先生の講義
末法という正邪がてん倒した時代は、「元品の無明」が現実社会に蔓延する悪縁に触れて、増長していく。ゆえに法華経の行者に対する魔の勢力の反発も強まるのです。
だからこそ、現実の「外なる悪」と戦い、勝たねばなりません。「外なる悪」との戦いは、「内なる悪」に打ち勝ち、「内なる善」を開き顕す戦いと一体だからです。
悪と戦うことで、わが生命が鍛えられます。清められます。「悪を滅するを功と云い善を生ずるを徳と云うなり」です。悪と戦う中にこそ、功徳も成仏もあるのです。
—◆—
1990年(平成2年)に男子部長の大任を拝した時、池田先生は次のように指導してくださいました。
「青年とは"戦い"の異名である。捨て身の戦いなくして、青年部の"魂"はない。口ではない。格好でもない。要領でもない。『信心』である。広宣流布の全責任を自覚して、すべてを祈り、立案し、一切を行動で切り開いていく。それが青年部の伝統であり、学会精神である」
これは、先生の青年部時代の戦いそのものです。後継の弟子として、この指針を命に刻んで戦う中、「第2次宗門事件」が勃発しました。
男子部の同志と共に、全国の末寺を訪問し、坊主に学会と池田先生の正義を訴えるとともに、徹して極悪を責め抜きました。
その中で日顕宗に根深く残る権威主義、差別主義の実態を改めて目の当たりにし、大聖人の御精神は、創価学会にしか受け継がれていないことを確信しました。
悪を責めることは、何が善で、何が悪かを明らかにすることでもあります。声を上げることで、悪に惑わされる人を救うこともできます。勝ってこそ正義であり、勝ってこそ広宣流布です。
学会は日顕宗と戦い、勝利したからこそ、世界宗教として大きく飛翔したのです。

4 異体同心の団結で凱歌の歴史を
先生は最後に、「異体同心の団結」の重要性について教えてくださっています。

■ 池田先生の講義
「悪は多けれども一善にかつ事なし」(御書1463ページ)です。その勝利の要諦を教えられている御文が、「日蓮が一類は異体同心なれば人人すくなく候へども大事を成じて・一定法華経ひろまりなんと覚へ候」(同ページ)です。
正義の陣営が異体同心の団結で臨めば、最後には絶対に勝てるのです。
広宣流布の師匠と心を合わせて、法華経の兵法で戦えば必ず勝てる!
勇気ある信心を貫けば、必ず正義を宣揚できる!
異体を同心とする善の団結を築けば、いかなる悪をも打ち破れる!
これが「絶対勝利の信心」の極意です。
—◆—
2000年に青年部を卒業して、東京方面書記長と新宿総区長を拝命しました。そのころに先生から頂いた指針があります。それは、「本陣の勢いが一切を動かし、本陣の団結が万軍の勝敗を決する」「わが本陣城は、いかなる戦いにも負けない。断じて勝つ」というものでした。
先生は「異体同心」について、「仏の心であり遺命である『広宣流布』を我が使命として自覚し、実践し抜いていく『師弟不二の信心』にこそ、『同心』の核心があります。師と同じ精神に立って、戦いに挑み、勝利することが『異体同心』の根幹です」と語られたことがあります。
実際に、異体同心の団結を実現することは簡単ではありません。さまざまな違いを乗り越えて、同じ心になっていく。その中心の一本の軸こそが「師弟」です。広布拡大の勝利の結果をもって師匠に報告し、喜んでいただく——。その弟子の誓願の心で皆が一致していくところに真の団結は生まれます。
そのためにも、私たち弟子が決定した信心で、一人立ち上がっていくことが大切です。今、「わが地域の広布は私が担う」との誓いを持った地涌の同志が世界中に広がっています。この池田門下の連帯こそ、異体同心の姿であると思います。
絶対勝利の信心を持った私たちは、師弟不二の実践に徹して、世界広布にまい進していきましょう。

■ 池田先生の講義
創価学会・SGIの永遠の五指針は、私たちの信心を深めゆく不変の原理です。一生成仏の源泉であり、広宣流布の指標です。
全世界の皆さんが、和楽の道、幸福の道、栄光の道、健康の道、長寿の道、勝利の道を力強く歩んでいくことが、創価の三代の師弟の根本の誓願です。
創価学会は、永遠に師弟不二で絶対勝利の信心を貫き、凱歌の歴史を刻んでいくのです。

◇さらなる研さんのために
本連載で学ぶ講義「世界を照らす太陽の仏法」は、『創価学会 永遠の五指針』に収められています。本社刊。713円(税込み)。全国の書店で発売中。聖教ブックストアへの電話でも注文できます(0120-983-563、平日9時〜17時)。コンビニ通販サイト「セブンネットショッピング」「HMV&BOOKS online」での注文、受け取りも可能。電子書籍でも好評発売中。

2020年10月21日水曜日

2020.10.21 わが友に贈る

会合に参加できない友を
丁寧に激励していこう!
"分かってくれている"と
感じられるつながりが
挑戦への勇気を生む。

四条金吾殿御返事 P1192
『さてもさても敵人にねらはれさせ給いしか、前前の用心といひ又けなげといひ又法華経の信心つよき故に難なく存命せさせ給い目出たし目出たし』

【通解】
まったくのところ、あなたは敵人に狙われたにちがいない。普段からの用心といい、また勇気といい、また法華経への信心が強盛な故に、無事に存命することができたことは、本当にめでたいことである。

名字の言 トルストイの喜びの源となった思い出 2020年10月21日
トルストイは自伝小説『幼年時代』の中で、魂を清め、高めるとともに、この上ない喜びの源となった思い出をつづっている。母から無限の愛情を受けた安らぎの日々、純真に両親や友達の幸せを願った日々……▼そして、こう問い掛ける。「わたしたちが幼年時代に持っていた、あのすがすがしい無心な心持ち、愛の欲求、信仰の力、こうしたものはまたいつか還ってくるのだろうか?」「わたしに残されたのは、ほんとうに、ただの思い出だけなのだろうか?」(米川和夫訳)▼ある多宝会の壮年は高校卒業後、東京に就職して以来、故郷の長野県を離れている。今、実家に住む家族はいない。ただ庭には一本の梅の木がある。生前、信心強盛だった母が残したものという。壮年は妻と毎年、梅の実を収穫するために帰省する▼生まれ育ったわが家を目に焼き付け、梅の木を仰いでは、亡き母の面影を重ねる。そして壮年は"信心に励み、一歩成長した姿で、また来年もここに来よう"と決意するのだという。梅の木は"息子よ、私がいなくても、信心根本で真っすぐに生き抜きなさい"と励ます「母の愛情」でもあろう▼原点を持つ人は強い。その原点を「ただの思い出」にせず、前進の起点にできる人は、もっと強く生きられる。(城)

寸鉄 2020年10月21日
会長には平和への具体的展望と行動がある—識者師に学び、師と共に前進
山口県青年部の日。創価の革命児よ堂々と語れ!君らの拡大で新時代開け
「喜とは自他共に喜ぶ事なり」御書。幹部は心して友のために祈り励ましを
他人に感謝できる人は健康で幸福度も高い—教授報恩の道行く我らの人生
出産望む夫婦増、幼保無償化の効果と。公明の実績。若い世代の支援更に

〈社説〉 2020・10・21 コロナ禍で奮闘する学生部
◇勇気の対話で希望の光を!
コロナ禍の影響で、大学生を取り巻く環境は大きく変化している。
前期の授業は、ほぼオンライン形式で行われ、後期に入ってからは、ゼミや実験、実習など一部で対面形式を取り入れた大学も増えつつある。今春入学した1年生は、思い描いていたキャンパス生活とは、かけ離れた毎日を余儀なくされている。
経済面での変化も大きい。親の収入減やアルバイト先の閉店などで苦境に陥っている学生も数多い。各種調査によると、経済的理由で退学を考えていると回答した学生は2割超に上る。
何より人生の進路を決める就職活動への影響は深刻だ。企業は密を避けるため、説明会やインターンシップ(就労体験)を中止。就活生は面接や採用スケジュールといった選考プロセスが変更されるたびに翻弄されてきた。観光・航空業界では来春の新卒採用を中止する企業もあり、将来への道が閉ざされる不安や、悩みを相談したくても直接会えない焦燥感にさいなまれる学生もいる。
いまだ先行きが見通せない状況の中、各地の学生部メンバーは自らも悩みと戦いながら、同世代の友へ励ましを送り、心の支え、希望の光となっている。9月の世界青年部総会に向けた対話運動では、全国で20万人以上の友人にエールを送ってきた。
神奈川県の学生部員は、中学時代の友人からコロナ禍で人との交流が無くなったこと、自身の悩みを相談できる人がいないことを打ち明けられた。「学会には強い絆がある。悩みを一緒に乗り越えよう!」。創価家族の温かい励ましに共感した友人は今月、晴れて入会した。
また愛知県の学生部員は、共に就活に挑戦していた友人を誘い、学生部のオンライン会合に参加した。友人はメンバー一人一人の生き生きとした姿に感動し、一緒に唱題に挑戦するように。「支え合う仲間のおかげで自分に自信が持てるようになった」と、厳しい就活に全力で取り組み、学生部員と共に第1志望の企業の内定を勝ち取ることができた。
池田先生は「『危機の時代』を生きる人間は、事態をよい方向へと打開し、今を『偉業の行われた時代』に転じ、『黄金の時代の先駆者』となるのだ」とのトインビー博士の言葉を紹介し、若き青年部への期待を随筆につづった。
人類史的な危機に直面する今を生きる青年部はその苦労を糧に、今後の社会・世界を変えていく深き使命がある。「勇気と理想」に生き抜く英知の学生部こそ、同時代の友へ、そして混迷の社会へ、希望の光を送る先駆者として、知勇兼備の成長の日々を送ってほしい。

☆心に御書を 第81回 我らは座談会と共に!
〈御文〉
『此の経を一文一句なりとも聴聞して神にそめん人は生死の大海を渡るべき船なるべし』(椎地四郎殿御書、1448ページ)

〈通解〉
この経(法華経)を一文一句であっても聴聞して心肝に染める人は、生死の大海を渡ることのできる船のようなものである。

◇池田先生が贈る指針
妙法を共に学び語らう会座が、いかに尊いか。知恵と工夫の光る座談会が各地で行われる。コロナ禍での企画・運営等の「陰徳」は、いやまして「陽報」と輝く。
励ましが「生死の大海」を越えゆく推進力となる。体験を聞き、一緒に歓喜する"求道の航海"が、崩れざる幸福境涯を開くのだ。我らは"座談会丸"と笑顔で進もう!

☆いのちの賛歌 心に刻む一節 生死と向き合う 2020年9月15日
◇挑み、勝つことが人生
企画「いのちの賛歌 心に刻む一節」では、御聖訓を胸に、宿命に立ち向かってきた創価学会員の体験を紹介するとともに、池田先生の指導選集『幸福と平和を創る智慧』(以下、「指導選集」)の指導を掲載する。今回は「生死と向き合う」をテーマに、神奈川県の壮年に話を聞いた。

◇御文
『今日蓮等の類いの修行は妙法蓮華経を修行するに難来るを以て安楽と意得可きなり』(御義口伝、750ページ)

◇通解
いま日蓮と門下が妙法蓮華経を修行するのに、難が襲ってくることをもって、安楽であると心得るべきである。

◇2人の幼子を遺して
17年前の1月、新保貴史さん(58)=栄区総合長=の妻・美香さんは、霊山へ旅立った。その1年後、池田先生から激励の和歌が届いた。
「荒れ狂う/怒涛に挑みて/偉大なる/我らの勝利は/晴れ晴れ来たらむ」
      ◇
美香さんが「乳がん」を宣告されたのは、2人目の娘が生まれて1年後のことだった。
「妻は当時34歳。娘は3歳と1歳で、子育ても人生もこれからという時。あまりの現実に、がくぜんとしました。ともかく絶対に病魔を打ち破ってみせると、夫婦で祈りました」
やがて、手術で腫瘍を摘出することができ、平穏な日常を取り戻した。ところが手術から3年後、がんが再発した。
「腫瘍は、どんどん転移していって。それでも妻は常に前向きでしたが、病気の進行とともに出歩くことも難しくなっていきました」
"自分が強くならなくては"。新保さんは懸命に御本尊に向かい続けた。
再発から3年が過ぎた2003年1月22日、美香さんはとうとう集中治療室へ。
付き添った新保さんは、病室で横たわる美香さんと一緒に題目を唱えた。美香さんの声が途切れた後も、新保さんは祈り続けた。必ずよくなる。そう信じて。
翌23日の明け方、そのまま美香さんは眠るように息を引き取った。1週間前に40歳の誕生日を祝ったばかりだった。
帰りの車中、心が乱れ、涙があふれた。
帰宅した新保さんは、小学生の2人の娘に、しぼり出すように言った。「お母さん、亡くなったよ」。大声で泣きだした娘たちをぎゅっと抱き締め、一緒に泣いた。
葬儀を終えると、日常に戻された。
"自分一人で、2人の娘を育て上げることができるのか"との不安が込み上げた。
光明を見いだそうと御書をひもとく中、胸に突き刺さったのが、「難来るを以て安楽と意得可きなり」(御書750ページ)との一節だったという。
「"いつまでも悲しみに浸っているわけにはいかない。負けるものか"って、御文を命の中に入れました。祈って目の前の"怒涛"に挑んでいく。もうこれしかなかったですから」
仕事、子育て、学会活動……現実は格闘の連続だった。そんな中、池田先生から激励の和歌が届く。弟子を思う師の慈愛。新保さんは目頭を拭った。ふつふつと勇気が湧いた。心の中の悲哀を塗りつぶすように、御本尊に向かった。
娘たちには、母親の分まで愛情を注ごう。そう決めて、どんなに忙しくても時間をこじ開け、授業参観などの学校行事には積極的に参加した。何より、同居していた義父母や義姉家族の存在は、大きな支えだった。
思春期の娘たちとの関わり方に、人知れず悩んだこともあったというが、「妻ならどうするかと考えながら、精いっぱい向き合いました」。
そんな新保さんの姿は、娘たちの目にどう映っただろう。
昨春、医学部を卒業し、医師としての一歩を踏み出した長女・香織さん=女子部員。「大変だったはずなのに、私たちにはそんな顔を全く見せず、いつもニコニコしていました。お父さん、すごいなって思います」
次女・美幸さん=女子部本部長=は、「私が悩んだ時、一番の相談相手になってくれるのが父なんです」と明るく笑う。現在、機械装置メーカーで働きながら、母の分までと朗らかに広布に励む。
新保さん自身、学会では常に広布の最前線で奮闘。勤め先の国際輸送業会社では役員を務めるなど、信頼の実証を示す。
「"難こそ安楽"。それだけを信じて前に進んできました。毎日が"怒涛"でした。でも振り返ってみると、全てが祈った通りに開けました。苦闘の日々があったから、今がある。私はこれからも"怒涛"に挑み続けます」

新保さんの2人の娘、香織さんと美幸さんは、よく地域の婦人部員から「昔、あなたたちのお母さんに励まされたのよ」と、母の話を聞くそうだ。
香織さんは話す。
「闘病中も、よく皆を笑わせていたお母さん。誰からも好かれていました」
美幸さんは、「私も母のように、周囲を明るく照らす存在になれたら」と、心情を語る。
心優しく育った2人の娘に、新保さんは思わず、在りし日の美香さんの姿を重ねる。
「妻を亡くした悲しみが癒えることはありません。ですが、そこにとどまってもいません。今こうして私たち家族が笑顔でいる様子を、きっと妻も、笑って見つめてくれているでしょう」
池田先生は語っている。
「仏教の本質は、いたずらな悲観主義、厭世観でもなければ、根拠のない楽天主義でもない。人生の苦を直視し、そこから逃避するのでなく、むしろ徹底的に取り組んだ末に到達した、生の歓喜の思想だといってもよい。
苦しみから逃避して、真実の喜びはない。人が目をそむけ、逃避しようとしている苦しみを如実に知見し、それに勇敢に挑戦し乗り越えてこそ初めて、金剛不壊の、つきることなき歓喜が込み上げてくるのです」
 
「妙法に結ばれた生命は、生死を超えて、ともどもに、たがいに、励まし合い、護り合い、導き合って、絶対の幸福と勝利の軌道を進んでいくのである。
妙法の世界には悲嘆もなければ、悲観もない。妙法を行ずる家族は、何があっても『常楽我浄』の月光に包まれていく。そして、その足跡が、あとに続く人々に、計り知れない希望と勇気を送っていくのである」(「指導選集」第1部下巻)
家族で挑んだ6年間の闘病生活。そして、心の中の美香さんと歩んできた17年の歳月。それは今、希望へと続く勝利の足跡と輝いている。

◇[教学コンパス]
身近な人との死別による悲嘆を支える「グリーフケア」への関心が高まっている。「グリーフ」とは、大切な人を喪失した深い悲しみのこと。特に家族を失うつらさは、筆舌に尽くし難い。
上智大学グリーフケア研究所所長の島薗進氏は、「グリーフケアが求められる時代とは、悲嘆を分かち合うことの困難が強く実感される時代でもある」と述べる(『グリーフケアの時代』弘文堂)。社会と個人の多様化が背景にある。
仏法で説く「慈悲」の精神。「慈」は「友愛」を意味するサンスクリット語の「マイトリー」から訳され、「悲」は「悲しみを共にする」ことを指す「カルナー」などから訳される。友の苦悩に同苦し、励まし合っていく。これこそが慈悲の精神であり、真実の友情であると仏法は示す。
試練の渦中にある友に寄り添い、温かな友情を結んでいくことが、今ほど求められている時代はないだろう。"あなたは一人じゃない"——その思いを一人でも多くの人に届ける実践に、慈悲は脈打つ。(優)

2020年10月20日火曜日

2020.10.20 わが友に贈る

学会は「善知識」の集い。
善き友と励まし合い
絆を結びゆくことが
確かな幸の軌道だ。
仲良きスクラムで前進!

辧殿尼御前御書 P1224
『第六天の魔王十軍のいくさををこして法華経の行者と生死海の海中にして同居穢土をとられじうばはんとあらそう、日蓮其の身にあひあたりて大兵ををこして二十余年なり、日蓮一度もしりぞく心なし』

【通解】
第六天の魔王は十種の魔の軍勢で戦を起こし、法華経の行者を相手に生死の苦しみの海の中で、凡夫と聖人が同居しているこの娑婆世界を「とられないぞ」「奪ってやる」と争うのである。日蓮は、第六天の魔王と戦う(法華経の行者の)身に当たっており、大兵を起こして戦うこと二十余年である。その間、日蓮は一度も退く心はない。

名字の言 生命を奮い立たせる「声の力」 2020年10月20日
先日、ある壮年宅を訪ねた時のこと。聞けば、かつて仕事の多忙さから学会活動になかなか参加できない時期があったという▼妻に誘われて座談会だけは出席していたが、人前で話すのが苦手で、発言はいつも「頑張ります」の一言だった。そんな時、妻が大病を患い入院。妻がずっと自分の活動参加を祈り続けていたことを、励ましに訪れた同志から教えられた。壮年は"今度は俺の番だ"と、妻の回復を祈り学会活動に挑戦。その後、妻は全快し、夫婦で広布に励むようになった▼地区部長になって15年。地域では、グラウンドゴルフ同好会の代表を務めるなど信頼の輪を広げる。「"頑張ります"と言い続けていたら、本当にそうなりました」と笑う。「大事なのは一言でも決意を語ること。当時の自分に感謝ですよ」▼前向きな言葉を口にしていれば、心も不思議と良い方向へと進んでいく。仏法は「声仏事を為す」(御書708ページ)。声には生命を奮い立たせる力がある▼小説『新・人間革命』第4巻「凱旋」の章で、口べたで悩む壮年に山本伸一は言った。「一言でもよい。信心と真心の一念の声を発することです」。自分らしく、ありのままでいい。「きょうも頑張ろう!」と自らを鼓舞しつつ、周囲にも希望を送る"声の人"でありたい。(誼)

寸鉄 2020年10月20日
「ただただ強く信仰する以外にない」戸田先生。苦難は宿命転換の好機だ
広島の日。立正安国が我らの使命。青年を先頭に平和と幸福の対話を拡大
「1万年も生きるかのように行動するな」賢帝。朝の勝利、一日の勝利を
昨年の自転車関係の事故は約8万件と。スマホの"ながら運転"等は厳禁
小さな積み重ねが大きな結果に。地球守る一歩を共に。「リサイクルの日」

☆四季の励まし さあ、勇んで友のもとへ! 2020年10月11日
【写真説明】青空に湧き上がる白雲。建物を緑が包み、色鮮やかな花々が咲き薫る。1993年(平成5年)3月、池田大作先生がブラジル・サンパウロ近郊でシャッターを切った。
60年前の10月、池田先生は世界平和への旅路を開始。アメリカ、カナダに次いでブラジルを初訪問した。過酷な生活を続ける日系移住者や家族との死別に直面した友など、一人一人の苦悩に寄り添い、限りない励ましを送った。
「励まし」は英語で「エンカレッジ」。「勇気(カレッジ)を吹き込む」ことである。
学会では今週、「励まし週間」(16日まで)。いつにも増して同志のもとに足を運び、語らい、共に生きる勇気を分かち合っていきたい。

◇池田先生の言葉
人生は千差万別である。
悩みを
抱えている友がいる。
夢に向かって
一生懸命な友もいる。
道に
迷っている友もいよう。
その目の前の
「一人」と向き合い、
誠実に対話を重ねていく。
全ては、ここから始まる。
 
「一人」を大切に——
ここに、
創価学会の原点がある。
仏法の根本精神も、
ここにある。
「一人」の人間は、
かけがえなく尊い。
世界中、
どの一人一人にも、
尊厳なる仏性がある。
 
一人を大切にするとは、
その人のために、
勇んで行動することだ。
会う人が一人残らず
幸福になるように、
また、広宣流布の
人材に育つように
祈ることである。
 
人を励ませば、
自分も励まされる。
人を照らせば、
互いの未来が
明るく晴れる。
労をいとわず、
足を運び、
声を掛ける創価の励ましは
真の友情の発露なのだ。
 
励ましとは、
声を掛けることである。
友が大変な時にこそ、
友情の手を
差し伸べるのだ。
励ましとは、
聞くことである。
寄り添って
耳を傾けることが、
どれほど
大きな力になるか。
 
思いやりのある言葉、
祈りを込めた言葉は、
友の胸に響く。
心通う出会いは、
人生の宝となる。
さあ、自ら友のもとへ!
あの友、この友に、
大誠実の対話を!——
そこに
人間革命のドラマが
生まれるからだ。

2020年10月19日月曜日

2020.10.19 わが友に贈る

◇今週のことば
「釈尊の出世の本懐は
人の振舞にて候けるぞ」
家庭に職場に地域に
仏法の人間主義の光を。
希望と信頼の灯台たれ!
2020年10月19日

兵衛志殿御返事 P1098
『うへたる人には衣をあたへたるよりも食をあたへて候はいますこし功徳まさる こごへたる人には食をあたへて候よりも衣は又まさる』

【御書本文】
飢えている人には、衣服を与えるよりも食物を与える方がすこし功徳は勝り、寒さに凍えている人には、食物を与えるよりも衣服を与える方がもっと功徳は勝れております。

名字の言 友を励ます時に大切な姿勢とは? 2020年10月19日
「腕利きの植木職人」と評判の壮年の話を聞き、感心させられた。枝を切る時も、草花の手入れをする時も、人にするように語り掛けながら作業するのだという▼うっそうと繁った木には「息苦しかったろう。涼しくしてやるからな」と言って枝にはさみを入れる。虫に食べられた葉には「痛かったろう。よーし、これで大丈夫だぞ」と言って虫を退治する。「こちらが思いを込めれば、植物だってしっかり成長する。ちゃんと応えてくれるんです」▼大病、仕事の苦境、家庭の悩み……。大きな挫折や試練に見舞われると、人は時として自信をなくし、"自分の存在は誰の役にも立たないのでは"と思ってしまうこともある。そうした友を励ます時、大切な姿勢は何か▼個人指導の名手として信頼の厚い多宝会の先輩が語っていた。「"あなたにしか励ませない人が絶対にいる!""ずっとずっと私が応援するから!"との必死の思いが届くと、必ず自信と希望を取り戻してくれる」。そして「頭から出た言葉じゃだめ。命から出た言葉じゃないと、心に届かないよ」とも▼御金言「言と云うは心の思いを響かして声を顕すを云うなり」(御書563ページ)を深く深く拝したい。言葉に祈りを込め、思いを強く込めれば、対話の力は何倍にもなる。(実)

寸鉄 2020年10月19日
勇猛精進したまえ!仏法は実行だよ—牧口先生。今日も地道に挑戦の一歩
挫けそうな魂を鼓舞するのは友情—哲人。我らは温かな励ましを幾重にも
季節の変わり目。首・手首・足首を覆えば寒さ対策に。服装で賢く体調管理
昼カラオケで感染の8割がマスクせず長時間滞在と。飛沫に注意。油断せず
洪水等の気象災害、20年で倍増—国連。温暖化の影響。皆で足元から行動

☆御書カフェ 華陽姉妹の語らい 2020年10月10日
◇御文
『深く信ずる者は満月の闇夜を照すが如し』(薬王品得意抄、1501ページ)

◇通解
(法華経を)深く信じる者は満月が闇夜を照らすようなものである。

◇教えて
この秋、行学に励み、自分の信心を深めていきます!

★池田先生の指導
たとえ現実は闇のように思えても、心にロマンの月光があれば、負けることはない。
御聖訓には「深く信ずる者は満月の闇夜を照すが如し」と仰せである。
祈りに勝る力はない。女性の強盛なる祈りで、広宣の勝利の道は開かれてきた。(2013・9・22付、今日も広布へ)
◇ ◆ ◇
思いがけない病もある。避けられない課題もある。襲いかかる苦難もある。
いかなる宿命の嵐にも、「今こそ変毒為薬の時!」と、しっかり題目をあげていくことだ。(同)
◇ ◆ ◇
人間の強さは、心で決まる。信念の強さで決まる。本当に強い人とは、「心の強い人」である。
ゆえに、永遠にして宇宙大の妙法を強盛に信じぬく、婦人部・女子部の皆さんは、最も強い人である。
どんな宿命にも、どんな困難にも、負けるわけがない。必ず勝てる。必ず乗り越えていける。
皆が仰ぎ見るような、晴ればれとした勝利の大境涯を、必ずや開いていけるのである。(『池田大作全集』第100巻)

☆いのちの賛歌 心に刻む一節 生死と向き合う
◇永遠に共戦の同志
企画「いのちの賛歌 心に刻む一節」では、御聖訓を胸に、宿命に立ち向かってきた創価学会員の体験を紹介するとともに、池田先生の指導選集『幸福と平和を創る智慧』(以下、「指導選集」)の指導を掲載する。今回は「生死と向き合う」をテーマに、東京都の婦人に話を聞いた。

◇御文
『此等の大菩薩末法の衆生を利益したもうこと猶魚の水に練れ鳥の天に自在なるが如し』(曾谷入道殿許御書、1033ページ)

◇通解
これらの大菩薩(地涌の菩薩)が末法の衆生を利益されることは、魚が水中を自由に泳ぎ、鳥が天空を自在に飛ぶようなものである。

◇夫の死の意味を知りたい
戸崎里美さん=荒川総区副婦人部長=が、夫・裕隆さん(当時53歳)をくも膜下出血で亡くしたのは8年前。"夫の死の意味を知りたい"と、御本尊に向き合ってきた一日一日だった。
     ◇
戸崎さんは2005年、知人の紹介で出会った裕隆さんと再婚した。
「夫は、大学時代に折伏されて、家族で一人、学会に入会しました。信心一筋に人生の困難を乗り越え、社会で実証を示してきた苦労人。とにかく題目を欠かさない人でした」
結婚生活は喜びに満ちていた。何より裕隆さんと、広布の"戦友"として夫婦で学会活動に励める日々は、これ以上ないほど幸せだった。ところが——。
区婦人部長を務めていた12年5月のある日。「仕事中の夫から急に電話があったんです。『頭が痛いから、早めに帰るよ』って」
昼ごろに帰宅した裕隆さんは、食事を取ると、そのままベッドに横になった。
しばらくして、急に「手がしびれる」と言って起き上がり、トイレに駆け込んだかと思うと、嘔吐し、その場であおむけに倒れてしまった。
すぐさま病院へ搬送されたが、意識が戻ることはなく、翌日、そのまま帰らぬ人となった。
あまりに突然の出来事。戸崎さんは、冷たくなった夫の前で泣き崩れた。
葬儀を終えても実感が湧かなかった。
"信心しているのになぜ""もっと早く異変に気付いていたら"——ただただ自責の念に苛まれた。御本尊の前に座っても声は出てこず、毎日、頬を濡らした。
ある日、いつも温かく見守ってくれていた婦人部の先輩が、憔悴する戸崎さんを見かねて言った。
「ご主人の死の意味が分かるまで、題目をあげてあげて、あげ抜く時よ!」
ハッとした。その激励が、戸崎さんの命の向きを変えた。
「その先輩も、ご家族の宿命と戦ってきた方だったので、ありがたかったです。しっかりしようって。こういう時こその信心じゃないかって。その日から、題目をあげられるようになりました」
地域の同志の励ましにも支えられ、前を向いた戸崎さんは、死魔を振り払うように祈りを重ねた。池田先生の指導を、むさぼるように読んだ。その中で、引用された「此等の大菩薩末法の衆生を利益したもうこと」(御書1033ページ)との一節が心に響いた。
「夫の死をどう捉えるのか。祈る中で、少しずつ見えてきました。私の使命は、夫の分まで地涌の使命を果たすこと。それしかないって」
裕隆さんとは、二度と会えない。しかし、一緒に広布に励んだ歓喜の日々は、戸崎さんの心に鮮やかに刻まれている。
夫と共に結んできた仏縁を大切にし、幸福を祈り抜いていくこと。それが、"戦友"である裕隆さんとの"永遠の共戦"になるのではないか。戸崎さんは、そう、一つの意味を見いだしたのだ。
祈るほど、命の底から力がこんこんと湧いた。夫婦で一緒に親交を深めてきた友人や知人、夫の両親や親族へ、戸崎さんは感謝の心で仏法を語っていった。
裕隆さんが他界した翌年の11月18日。対話を重ねてきた義母が「息子の願いをかなえてあげたい」と、進んで入会した。御本尊授与式で、地域の同志が泣いて喜んでくれた。戸崎さんも、笑顔でうなずく夫の姿が目に浮かび、涙が止めどなくあふれた。
裕隆さんを慕っていた人からは、いまだに感謝の連絡が絶えない。それも全て、夫が残してくれた仏縁だと確信している。
「御書に『魚の水に練れ鳥の天に自在なるが如し』(同ページ)とあります。広布に励めば励むほど、鳥が自由自在に天空を舞うように、境涯が広がります。夫の命が、私の心の中に生き続けていることを、確かに感じられるんです。だから私は、これからも広布に生き抜きます」

「御義口伝」には、「自身法性の大地を生死生死と転ぐり行くなり」(御書724ページ)とある。妙法と一体になった生命は、生死の苦しみを超えて、永遠に仏界の軌道を進んでいくことができると、日蓮仏法は教える。
こうした仏法の生死観を、池田先生は「生も歓喜、死も歓喜」と述べられた。
戸崎さんは話す。
「『死も歓喜』と思えることは、なかなか難しいです。私自身、『なぜ夫が亡くなったのか』ということは、今でも考えます。でも、私が今、こうして自由自在に学会活動できる境涯になれたこと、そして、悩める友を心から励ませるようになれたことは、全て、夫のおかげです。感謝です。感謝できることが、『死も歓喜』ということなのではないでしょうか」
先生は語っている。
「信心していたとしても、決して悩みが消えてなくなるわけではない。十界互具が生命の実相であり、仏界にも苦悩の九界が具わる。また九界の現実に即してしか、仏界の顕現もない。大切なことは、苦難あるときに、絶対にひるまぬことである。仏の慈悲と確信して、いよいよの強盛な信心で進むことである。(中略)その時点で凡夫にわからなくても、長い目で見るとき、必ずや、その意義がわかってくる。また、『変毒為薬』していける」

「たとえ若過ぎる死や、不慮の死のように見えても、成仏の証は明確に現れる。端的に言えば、多くの人びとによって、心から惜しまれる姿である。そして、残された家族が護られ、栄えていく姿である。家族が強く強く生き抜いていく時、その胸の中に、亡き人は厳然と生き続けていく」(「指導選集」第1部下巻)
生死の意味をどう捉えるかは、人それぞれだ。
戸崎さんは真っすぐ見つめる。今日も裕隆さんと共に歩む、三世永遠に続く妙法の歓喜の旅路を。

◇[教学コンパス]
池田先生が交友を結んできたオーストリアの元文部次官で声楽家のサイフェルト博士は、最愛の夫を病で亡くした悲哀などを、全て成長の糧としながら、多くの人々に歓喜の歌声を届けてきた。
先生は、博士との対談集『生命の光 母の歌』の中で語る。
「『生死』の問題については、いくら客観的、理論的に認識しても、それだけでは、根本的な解決にはなりません。真の幸福とは、その人自身の生命の次元において、深く確かに感じ取っていくものではないでしょうか」
日蓮大聖人は、夫を病気で亡くした女性門下に対して、"信心に導いてくれた夫のことは、仏と拝していきなさい""夫の即身成仏は間違いありません"と、悲嘆する門下の心に寄り添うように励まされた。
その後、門下は"夫の分まで"と広布に生き抜き、息子を立派な後継者に育て上げ、天寿を全うした。
苦難に屈することなく、師と共に使命に生き抜いた広布の母の姿。それは、幸福境涯を開く鍵が何であるかを雄弁に物語っていよう。(優)

2020年10月18日日曜日

2020.10.18 わが友に贈る

ありのままの体験ほど
心を打つものはない。
信心の歓喜を
自分らしく語ろう!
明るく朗らかな声で!

四条金吾殿御返事 P1186
『神の護ると申すも人の心つよきによるとみえて候、法華経はよきつるぎなれどもつかう人によりて物をきり候か』

【通解】
神の守護といっても、人の心が強いことによるということである。法華経はよい剣であるが、その切れ味は使う人によるのである。

名字の言 音楽プロデューサーJ.Y.Parkさんの人材育成法 2020年10月18日
日韓合同オーディションから生まれたガールズグループ「NiziU」。12月の正式デビューに先駆けて発表した曲が"縄跳びダンス"で話題となるなど、一大ブームを巻き起こしている▼彼女たちの成長の軌跡とともに注目されているのが、プロデューサーを務めるJ.Y.Parkさん。「いい歌手である前にいい人間であれ」「そのためには真実、誠実、謙虚であること」——長年の経験から紡ぎ出される言葉には、強い説得力がある▼韓国で多くの人気アーティストを誕生させてきた彼が、一人一人の長所を伸ばすために心掛けているのは"共に歩むこと"。それぞれが抱える課題を指摘して終わるのではなく、どうすれば克服できるのか一緒に考え、助言を送る。あらゆる分野の人材育成に通じる要諦であろう▼小説『新・人間革命』第22巻「波濤」の章で、次代の広布の人材を育てたいと願うリーダーに、山本伸一は語る。「優れた人材としての資質をもっている人であっても、放っておけば、そのまま終わってしまう。ダイヤモンドの原石だって、見つけ出して、磨き抜いてこそ、まばゆい輝きを放つ。それと同じだよ」▼人は誰もが尊い原石。ダイヤはダイヤによって磨かれる。宝の人材と共に動き、共に挑みゆく鍛えの日々でありたい。(仁)

寸鉄 2020年10月18日
「難来るを以て安楽」御書—これが不屈の学会魂。境涯を開く好機は「今」と
文化の差異を超え世界を結ぶ民音の活動は重要—識者。きょう創立記念日
京都の日。私の励まし、私の対話で新たな常勝の歴史を!威風堂々と前進
宇宙は刻々と変化。皆も生まれ変わるのだ—恩師清新な息吹で「11・18」へ
給付金装う不審メールに注意—総務省。個人情報盗む目的。アクセスせず

〈社説〉 2020・10・18 きょう 民音創立記念日
◇音楽の次代の担い手を育む
本年はベートーベンの生誕250周年。師走の恒例ともいえる「第九」公演を、心待ちにしている人も多いだろう。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大によって、多くのコンサートが中止、もしくは延期を余儀なくされている。
国内の38のプロ楽団が所属する日本オーケストラ連盟によると、自粛要請が出た2月末から7月末までの間、中止・延期となった公演は約1150に上り、損失額は約40億円にもなるという。そうした中、各楽団は創意工夫を凝らし、コロナ禍での活動を模索してきた。
ライブストリーミング等による無観客のコンサート、感染防止対策を施した少人数規模の催し……。著名な楽団や音楽家による取り組みが成功を収め、メディアに取り上げられる一方で、このままでは「まだ無名の未来のスター」が埋没してしまうとの見方もある(岡田暁生著『音楽の危機』中公新書)。苦難の雲は厚いが、それを突き抜けて、希望の光が差し込むことを願ってやまない。
日本の音楽家を育成し、その優秀な作品、並びに演奏を、広く内外に紹介する——57年前のきょう、民音(民主音楽協会)が創立時に発表したスローガンの一つである。以来、半世紀以上にわたって音楽文化の興隆に尽力し、次代の担い手を育む取り組みを行ってきた。
"指揮コン"の愛称で親しまれる民音主催の「東京国際音楽コンクール<指揮>」もその一つ。1967年から3年に1度開かれ、入賞者には、各地の記念コンサートで指揮する機会が与えられてきた。明年のコンクールの入賞者は、NHK交響楽団との共演が予定されている。未来の大指揮者にとって、飛躍への貴重な経験となるに違いない。
審査委員を務める広上淳一氏は「才能の原石を見つけ、それを応援する。この民音のコンクールがもつ初心を、大事にしていきたいです」と力強く語る。
さらに民音公式YouTubeチャンネルでは、きょうから民音研究所(民音音楽博物館付属研究所)制作の音楽交流番組「シェアミュージック・デー」を配信。視聴者と音楽の力を共有し、新たな可能性を見いだす挑戦を開始した。
民音創立者である池田先生は、創立の思いをこう記しとどめている。
「私は、『世界の民音』に育てたいと思っている。『民音があって、音楽は蘇った』『民音があって、新しい、最高の音楽が生まれた』『民音があって、民衆の心と心が結ばれ、世界が結ばれた』と言われるようになるんだ」
危機の中で、創立の心はひときわ重みをもつ。次代を育て、人々を結び、音楽を蘇らせゆく民音の挑戦を応援したい。

☆池田華陽会御書30編に学ぶ 経王殿御返事 2020年10月10日
◇勇気の信心で人間革命の劇を
今月は、「経王殿御返事」を学びます。
池田先生はつづっています。
「苦闘の中で、どこまでも人間として成長し、偉大な人間になるための信心であり、それが人間革命なのです。戸田先生はよく、『強く生きよ』『この信心は師子をつくるのだ』と言われました。『師子』とは、仏の異名です。師が師子王であれば、弟子も師子王となるのです。(中略)人間革命は、勇気から始まります。大事な時に、わが胸中の『師子王の如くなる心』(御書957ページ)を涌現させるための信仰です」
栄光の学会創立90周年へ。日蓮大聖人が示された「師子王」の生き方を心に刻み、勇気の信心で一日一日を勝利していきましょう。
(拝読範囲は本抄全編です)

◇本抄について
本抄は、文永10年(1273年)8月、日蓮大聖人が流罪先の佐渡で著されました。幼いわが子・経王御前が重い病にかかったことを、大聖人にご報告した門下に対する御返事です。
冒頭、大聖人は経王御前の回復を一日中祈っていると、門下を励まされます。
続いて、本抄を認められる直前にこの門下に与えられた「御本尊」について、正法・像法時代に誰も顕したことのない未曽有の本尊であり、大聖人が全生命を注いで御図顕されたものであることを教えられます。そして、勇気を奮い起こして御本尊に祈り抜いていくならば、どのような願いも成就しないわけがないと述べられ、今こそ強盛な信心に励むよう促されます。

◇御文�
『師子王は前三後一と申して・ありの子を取らんとするにも又たけきものを取らんとする時も・いきをひを出す事は・ただをなじき事なり、日蓮守護たる処の御本尊を・したため参らせ候事も師子王に・をとるべからず』(1124ページ4行目〜6行目)

◇通解
師子王は前三後一といって、蟻を取ろうとする時も、また猛獣を取ろうとする時も、勢いを出す様子はまったく同じです。日蓮が、(経王御前を)護るための御本尊を認めたことも、その姿勢は師子王に劣るはずがありません。

◇御文�
『但し御信心によるべし、つるぎなんども・すすまざる人のためには用る事なし、法華経の剣は信心のけなげなる人こそ用る事なれ鬼に・かなぼうたるべし』(1124ページ10行目〜11行目)

◇通解
ただし、すべてはあなたの信心によるのです。剣なども、進もうとしない人のためには役に立ちません。法華経(=御本尊)という剣は、勇気ある信心の人が持ってこそ、役に立つのです。まさに「鬼に金棒」なのです。

◇[解説]強盛な祈りに「師子王の生命」が
日蓮大聖人は、人々の幸福のため、万人成仏の妙法を弘める戦いを貫かれ、御自身の生命の上に、いかなる大難にも屈することのない「師子王」の大境涯、すなわち仏界を開かれました。
そして、一切衆生を救うために、御自身の仏の生命をそのまま「御本尊」に御図顕されました。本抄を認められる直前には、この門下に御本尊を与えられています。
御文�で大聖人は、百獣の王である「師子王」は、相手が小さな蟻でも、大きな猛獣でも、常に「前三後一」といって、力をためる体勢から全力で飛びかかることを示されます。
そして、御自身が御本尊を認める姿勢は、どんな相手にも渾身の力で立ち向かう師子王のごとく、常に全生命を注ぐ勢いであると述べられました。
本抄では続いて、この御本尊に真剣に題目を唱えていくならば、いかなる病苦や障魔をも打ち破り、諸天善神に守護されて、福徳に溢れた師子王の境涯を開くことができると教えられます。
そのうえで、御文�では、こうした御本尊の偉大な功力を引き出すのは、どこまでも御本尊を拝する人の信心であると仰せです。
大聖人は「妙法と唱へ蓮華と読まん時は我が一念を指して妙法蓮華経と名くるぞと深く信心を発すべきなり」(御書383ページ)と述べられています。自分が妙法の当体であると一念を定めることが、正しい信心の姿勢なのです。
すなわち信心とは、大聖人と同じ"いかなる困難も乗り越えゆく「師子王」の生命"が、自分にも具わっていることを確信し、妙法を唱え抜いていく勇気であるともいえるでしょう。
そして、「法華経(御本尊)の剣」は、この「勇気ある信心」の人が用いてこそ、最高の力を引き出すことができるのです。
池田先生は「世界青年部総会」で、この時に集った世界の青年部に「『新・人間革命の世紀』を創る『山本伸一』のスクラム」と呼び掛けてくださいました。
いよいよ、学会創立100周年の大佳節へ出発を切る、「11・18」を迎えます。私たちは小説『新・人間革命』を通して「師子王の心」を学びながら、勇気の信心で、自身の「人間革命」の勝利劇をつづっていきましょう!

★池田先生の講義から
戸田城聖先生のもとで、女子部の「華陽会」が学んだ、『トム・ソーヤーの冒険』の作者である、アメリカのマーク・トウェインは語っている。
「どれだけ多くの人間が自分の力を知らないことか! 人間には宇宙を動かす力が秘められている」のだと(ドロシー・クイック著、野川浩美訳『マーク・トウェインと私』ほんのしろ)。
人間生命に秘められた、この宇宙大の力を解き放つ鍵こそ、「勇気」であります。
そして、その極致こそが「勇気ある信心」なのであります。(2012・1・8付、本部幹部会へのメッセージ)
◇ ◆ ◇
誰人の胸中にも、「師子王の心」が必ずある。
それを「取り出す」源泉が師弟不二の信心なのです。
広宣流布のために、不惜身命で道を開いてこられた師匠の心が「師子王の心」です。
その心と不二になれば、わが生命に「師子王の心」が涌現しないわけがない。(『御書と青年』)

2020年10月17日土曜日

2020.10.17 わが友に贈る

個人会場の提供者に
真心の感謝を伝えよう!
感染防止対策や
終了時間の厳守を心掛け
喜びあふれる座談会を!

西山殿御返事 P1474
『夫れ雪至つて白ければそむるにそめられず漆至つてくろければしろくなる事なし、此れよりうつりやすきは人の心なり、善悪にそめられ候、真言禅念仏宗等の邪悪の者にそめられぬれば必ず地獄にをつ、法華経にそめられ奉れば必ず仏になる』

【通解】
雪は、極めて白いものであるから、染めようにも染めることができません。漆は、極めて黒いものであるから、白くなることはありません。 雪や漆と違って移り変わりやすいものは、人間の心です。善にも悪にも染められるのです。真言宗、禅宗・念仏宗等の邪悪の者に染められてしまうならば、必ず地獄に堕ちます。法華経に染められるならば、必ず仏になることができます。

名字の言 虫の「声」に耳を澄ませるように…… 2020年10月17日
「ゆふ風や草の根になくむしの声」(野梅)。肌をなでる涼風に加え、耳に届く虫の声からも秋を感じる季節である▼チンチロリンと鳴く虫は松虫で、リンリンと歌うのが鈴虫だ。古来、日本では虫の音の微妙な違いを聞き分けて名前を付け、親しんできた。清少納言の『枕草子』にも、好ましい虫として「鈴むし」「松虫」「きりぎりす」などの名が挙げられている▼虫の音を「声」と認識する文化は、実は世界の中でも珍しい。欧米に住む友人たちによれば「音」、時には「騒音」と捉える人が多いという。いにしえの日本人はかすかな虫の音にも耳を澄ませ、「何を話しているのかな」と、その心にまで思いをはせていたのかもしれない。だから「声」と呼んだのだろう▼小さな声から心を受け取る。対象が人間であれば、その大切さはなおさらだ。日蓮大聖人は「意が声とあらはる」(御書469ページ)と仰せである。声を聞いて相手の心を知ることもできる。何を伝えようとしているのか。悩んでいることはないか。耳だけでなく心まで澄ませて初めて、聞き取れる"心の声"もあろう▼対話の秋到来である。「自分の気持ちを分かってもらえた」と感じるだけで、笑顔を取り戻せる人もいる。「励まし」とは「よく聞く」ことでもある。(之)

寸鉄 2020年10月17日
御書「叶ひ叶はぬは御信心により候」。不屈の祈りで前へ!必ず勝利の道が
青年は死に物狂いで勝ち抜く力を!—戸田先生。試練の今こそ成長の好機
板橋の日。師弟の魂光る大東京の錦州城!勇気と誠実の対話で拡大に先駆
親の考えや振る舞いは子に影響—医師。まず己が成長。その姿が育成の鍵
新聞報道を「信じられる」76%と。真実と希望届ける使命胸に紙面充実誓う

☆創価栄光の集いへの池田先生のメッセージ
◇平和と人道の勝利の大道を開くトーチベアラーズたれ
我らが掲げる「創価」とは、自在にして無窮の「価値創造」であります。ゆえに、決して行き詰まらない。この底力を思う存分に発揮して、「新時代の大空へ」共に舞いゆく創大祭・白鳥祭、誠におめでとう!
立ちはだかるコロナ禍にも屈せず、心を合わせて、ゼロから一つ一つ創り上げてきた皆さんの演技を、私も全て見守っておりました。
なかんずく、幾つもの試練を越えゆく留学生の皆さんを中心に、創価の若き世界市民の揺るぎない団結に大拍手を送ります。何ものにも引き裂かれぬ「青春の友情」と「平和の連帯」がここにあると、私は心から讃えたい。
今日、信頼する皆さん方に申し上げたいことは、「平和と人道の勝利の大道を開くトーチベアラーズ(松明を持つ人)たれ」という一点です。先ほど、敬愛してやまぬエラ・ガンジー博士が語ってくださった如く、わが創大生、わが短大生こそ、世界の知性が未来を託すトーチベアラーズに他なりません。
エラ博士ご自身が、祖父のマハトマ・ガンジーが掲げた非暴力と平等・尊厳という松明を、気高き父母に続いて誇り高く受け継いでこられた闘士です。学生時代に非暴力の哲学を深く学び、アパルトヘイト(人種隔離政策)の撤廃へ身を投じ、長年の軟禁や住居を焼き払われる迫害にも耐え抜きました。さらに暴力によって最愛のご子息の命を奪われた悲劇までも乗り越え、人間性あふれる非暴力の社会の実現へ不撓不屈の魂で人生を捧げ切ってきたのです。
マハトマ・ガンジーの大精神は、創大の名誉博士でもあるネルソン・マンデラ氏をはじめ多くの人々に継承されました。そして若きガンジーの人権闘争から百年にわたる歳月を経て、遂にアパルトヘイトが撤廃されたのです。
偉大な歴史は、世代から世代へ「魂の継承」によって築かれます。
創価教育の創始者である牧口常三郎先生は、生命尊厳の信念を貫き、軍部政府に弾圧され獄死されました。先生は凍てつく寒さの過酷な獄中にあっても「心一つで地獄にも楽しみがあります」と悠然と記され、カントの哲学など、最後まで探究を重ねておられます。この崇高な先師から、平和と人道の松明を託されたのが、創大であり、短大であることを、今再び心に刻みたい。
創価の負けじ魂で「勝利の大道」を開きゆく皆さんに、マハトマ・ガンジーの言葉を贈ります。すなわち「強き意志の人は、行く手にいかなる困難があっても立ち向かう。そうすることで、絶望の中にも希望が生まれるのだ」(『マハトマ・ガンジー全集 69巻』インド政府出版局)と。
愛する君たちよ、苦難の中で勇敢に学び抜き、人類の英知の松明を赫々と燃え上がらせよ! そして世界へ未来へ、限りない希望と勇気を広げゆけ! 
一人一人の健康と前進を祈ります。ご家族にも、くれぐれも、よろしくお伝えください。

2020年10月16日金曜日

2020.10.16 わが友に贈る

家族一人一人の生活も
日々刻々 変化している。
身近な人だからこそ
心通わせる語らいを。
一家和楽が前進の土台。

妙法尼御前御返事 P1402
『其のごとく南無妙法蓮華経の題目の内には一部八巻二十八品六万九千三百八十四の文字一字ももれずかけずおさめて候』

【通解】
そのように南無妙法蓮華経の題目の中には、一部八巻・二十八品・六万九千三百八十四の文字が一字ももれず、欠けずに収まっています。

名字の言 民衆の"草の根運動"に大切な要素とは? 2020年10月16日
アメリカの社会運動家アリンスキーは、近代の草の根運動の基礎を築いた人物と評される。貧困層の人々の生活を改善するため、地域住民の組織づくりを全米規模で広げた▼きっかけは、1929年に起こった大恐慌によって、自らが貧困に陥り、多くの人の悲惨な生活を目の当たりにしたことにある。彼は黒人の居住区でも活動を展開した。オバマ前大統領は青年時代、アリンスキーに影響を受け、彼の後継者と共に黒人の権利向上に力を注いだ▼アリンスキーは、住民組織の運動の大切な要素として、リーダーの「身ぶり」「言葉づかい」「声の調子」を挙げている。こうした点に「民衆の尊厳に対する心からの尊敬」が表れるからである(『市民運動の組織論』未来社)▼運動を続けるには、確固とした理論の裏付けは必要だ。だが、運動に熱を与えるのは、リーダーの振る舞いである。今日の世界広布の大道は、縁する一人一人の心に希望の灯をともす池田先生の「誠実の行動」によって切り開かれてきた▼御書に「教主釈尊の出世の本懐は人の振舞にて候けるぞ」(1174ページ)と。コロナ禍によって、日々の活動の在り方は多様になった。しかし、いかに環境が変わろうとも、一人を励ます「人の振舞」という根本精神を忘れまい。(芯)

寸鉄 2020年10月16日
座談会には説教ではなく平等な対話がある—識者が主役の楽しき集いを
「道理証文よりも現証にはすぎず」御書。信心の喜びと実証を堂々語ろう
"感謝の心"がある人は負けない。成長し続ける。勝利の姿で創立の月へ!
世界食料デー。2030年に飢餓ゼロ—国連目標食品ロス削減等積み重ね
流感と新型の同時流行へ備えを。マスク、空調使用時の換気など緩みなく

〈社説〉 2020・10・16 「世界食料デー」に考える
◇"手のひら"から始める行動
サケにツナマヨ、梅、めんたいこ。コンビニで買ったおむすびを手のひらに載せてみた。日本では1日に1人当たり、おむすび1個分の食料が捨てられているという。
手のひらに軽々と載るおむすびも、ひと月たてば30個。私たちは年間約48キロもの、まだ食べられる食料を廃棄していることになるそうだ。全体の約半分が家庭由来ともいう。
この無駄をなくせば、食事を必要とする誰かの空腹も満たされる。
状況の改善へ、「食品ロス削減推進法」が施行されて10月1日で1年になった。今月いっぱいは「食品ロス削減月間」。
未使用の食品を寄付し、必要とする個人や団体に届ける「フードバンク」の活動も広がり始めた。意識は徐々に変化している。
地球上には、全人口分をまかなえる十分な食料があるという。だが世界には、武力紛争や気候変動、経済危機などのため飢餓に苦しむ人がいる。
国連食糧農業機関(FAO)などがまとめた最新の報告書「世界の食料安全保障と栄養の現状 2020年報告」によれば、2019年に約6億9000万人が飢餓に苦しんでいると推定される。5歳未満の子ども1億9100万人が発育阻害、または低体重の状態にあるという。
10月16日は、国連が定めた「世界食料デー」。世界の飢餓や栄養不足、その解決策について考える日だ。
「飢餓をゼロに」も、食品ロスに関係する「つくる責任 つかう責任」も「持続可能な開発目標(SDGs)」に挙げられている。
空腹は満たされているか。栄養価は十分か。飢餓や栄養不足というと途上国が恒常的に抱える問題のように思いがちだが、頻発する自然災害、深刻な影響が続く新型感染症の世界的大流行を経験して誰もが気付かされた。あらゆる人の身近にある、差し迫った問題だ、と。
私たちは誰しも、地球的課題と無縁ではいられない。それは同時に、一人一人の行動が課題の克服や解決に直結することも意味していよう。
過日、今年のノーベル平和賞に国連食糧計画(WFP)が決まった。この慶事が、行動の広がりへの後押しとなることを期待したい。
今回、「世界食料デー」にFAOが示すテーマは「育て、養い、持続させる。共に」。そして「未来をつくる私たちのアクション(行動)」を呼び掛ける。
人類共通の希望を自ら発信し、共生の未来をつくる。その喜びや誇りを糧にしたい。
「食料安全保障」といわれると難しそうだが、「おむすび1個分」と思えば、自分にできることは何かを考えるきっかけも生まれよう。
食は命そのもの。小さくてもいい。一歩から行動を始めよう。

☆世界広布のわが舞台 第1回 イギリス ロンドン
新型コロナウイルスの地球規模の感染拡大は、いまだ衰える気配を見せない。世界のほぼ全ての国で、人々は経済の悪化や、社会生活の制限に直面している。新連載「世界広布のわが舞台」では、各国SGI(創価学会インタナショナル)の支部・地区など最前線の組織に焦点を当て、未曽有の困難の中でメンバーがどう励まし合い、地域・社会に希望の光を広げているかを紹介する。第1回はイギリス・ロンドンのウェストミンスター支部を取材した。(記事=福田英俊)

◇逆境をバネに新たな発展
イギリスの首都にして、世界金融の中心地の一つ、ロンドン。
多彩な国の出身者が集まる国際都市でもある。音楽や演劇、美術などのさまざまなイベントが開催され、毎年、膨大な数の観光客が訪れる。人々のにぎわいと喧騒に包まれ、24時間眠らない大都会——。
だが、その輝きは、3月に始まったロックダウン(都市封鎖)によって奪われた。
ウェストミンスター支部の支部副婦人部長、ミータ・タレジャさん(地区婦人部長兼任)は当時を振り返る。
「まるで"都市の生命"が止まったみたいでした。飛行機の音、車の音、人々の活動の音が消えてしまったんです。道路には人影さえありません。レストランやカフェも、全てが閉まってしまいました」
同支部の広布の舞台は、ロンドンの中心部。支部内にはバッキンガム宮殿や、ウェストミンスター宮殿(イギリス議会議事堂)などがそびえ、多くのグローバル企業の本社が並び立つ。
ロックダウンで、その街が一変した。外出や集会、店舗の営業には厳しい規制が設けられた。感染拡大はなかなか収まらず、医療現場では緊迫した状況が続いた。
市民は自宅に閉じ込められ、街は活力を失った。まさにロンドンは、第2次世界大戦以来の試練に直面したのである。

◇「一人も置き去りにしない」
誰も経験したことがない困難。だが、ウェストミンスター支部の応戦は早かった。
デイビッド・ブルームフィールド支部長は言う。「ロックダウンが始まった後、すぐに支部で"同盟唱題"を始めました。平日は午後7時から8時まで、土曜日は午前9時から10時まで。皆の無事と、感染拡大の一日も早い終息を祈りました」
6地区から成る同支部は、婦人部と女子部が多いのが特徴。新入会者も多数いる。入会はしていないが、勤行など信心の実践をしている友も30人以上いるという。
支部では、本部幹部とも相談をしつつ、ロックダウン下での活動を次々とスタートさせていった。まず確認したのは「一人も置き去りにしない」ということ。電話によるメンバーへの激励に力を入れた。
毎週土曜日の"同盟唱題"の後には、翌週、どのように同志を励ましていくかを協議した。
また、教学試験「グレード1」(日本の任用試験に相当)を受験する予定だったメンバーを対象に、少人数で勉強会を開いていくことを決定。そして、青年部の協力のもと、座談会や協議会など全ての会合をオンラインに移行した。パソコンやスマホの扱いが不慣れな友へのサポートは、青年部が買って出た。
「ロックダウンによって社会の動きは鈍化しましたが、ウェストミンスターの広宣流布は、逆に勢いを増しました。各地区でも"同盟唱題"や週1回の勉強会がスタート。オンラインの会合には友人も参加するようになりました。この期間に、各地区の団結はいっそう強固になったのです」(タレジャ支部副婦人部長)
ウェストミンスター支部ではロックダウン以降に、座談会や勉強会への参加者数が過去最高を記録。人材も育ち、新たに4人の地区幹部が誕生した。まさに逆境をバネとして、新たな発展を遂げたのである。

◇経済への甚大な打撃
イギリスでも、コロナ禍がもたらした経済への打撃は計り知れない。4月から6月のGDP(国内総生産)の伸び率は、前期比でマイナス20・4%にまで落ち込んだ。
女子部のイラリア・ガロ部長も、仕事で苦境に直面した。
彼女は、映像の企画等を行うメディア会社に勤務。昨年1月から期間契約の実習生として働いており、今年の5月からは正規雇用に移行すると上司から言われていた。しかし、ロックダウンで状況が一変した。
新規の採用は明年まで見送られることが発表され、正規雇用どころか、会社に残ることさえ厳しい状態に陥った。
「本当に苦しい状況でしたが、何があろうとも正規雇用を勝ち取ろうと決意し、題目をあげ抜きました。在宅での仕事にも全力で取り組みました。その結果、実習生としての契約が切れる直前に、正規雇用の契約を結ぶことができたんです」
本年の年頭、イギリスSGIは"青年部2倍の拡大"を目標に掲げて出発。対面式の会合ができなくなってからも、友人に勇気と希望を送る対話を続けている。
男子部のベンソン・リエン地区リーダーは、公認会計士として活躍する。彼はイタリアに住む友人を地区のオンライン座談会に招待し、共に参加。また、オンライン座談会に参加した別の友人は、婦人部の信仰体験に深い感銘を受け、翌日には唱題も実践した。その友人は今、日々の通勤電車の中でSGIの書籍を読んでいるという。

◇「日蓮仏法は希望の象徴」
厳格なロックダウンによって一時はコロナの感染拡大を抑え込んだイギリスだが、9月下旬から感染者が急増。9月24日には1日の感染者数が6634人に達し、第1波での1日の感染者の最高数を超えた。2度目のロックダウンが行われるのでは、との不安が市民の間で高まっている。
感染症の拡大と未曽有の経済危機。支部のリーダーが異口同音に語っていたのは、こうした「不確実性の時代」「危機の時代」だからこそ、日蓮仏法の哲理とSGIの運動が重要性を増す、ということだった。
女子部のガロ部長は力を込める。
「今、私たちの社会には恐れや無関心、諦めといった感情が広がっています。私の周りにも、経済や社会が不安定なために、自分の夢を諦めてしまう人がいる。皆、希望を失っているのです。
日蓮仏法は、私たちの中に無限の力、偉大な価値を創造する力があり、どんな苦難も乗り越えられると教えています。日蓮仏法とSGIは、希望の象徴なのです」
現在、ウェストミンスター支部では立正安国論の研さんに取り組んでいる。
タレジャ支部副婦人部長は語っていた。
「疫病の流行や気候変動、経済危機——立正安国論を読むと、社会が今、直面する状況は大聖人の時代と非常に似通っていると感じます。
私たちは、御書や池田先生の指導を学ぶことで、現在の危機の本質を深く理解することができます。そして、ただ現状を"嘆く"のではなく、世界の現状を変革しようとの"誓い"を皆で共有することができます。私たちは、この妙法を語り弘めながら、自身の人間革命に挑戦し、より良き社会の建設に貢献していきます」

〈体験〉マックス・ロンギンさん 解雇の危機越え航空会社で奮闘
私はウェストミンスター支部を含むウェストミンスター・ハートオブロンドン本部で、本部長をしています。
これまで30年にわたり、大手航空会社で国際線の客室乗務員として働いてきました。しかし、コロナ禍で多くの社員が解雇されることに。不安で眠れない日々が続きました。
ロックダウンの後、私たちの本部ではオンラインによる会合をスタート。各地で"同盟唱題"を行い、心と心を結び、励ましを広げました。
その中で、私は断じて今の会社に残ろうと決意しました。真剣に祈るとともに、教学や池田先生の指導を学び、同志や友人、同僚を励ましていくと、不安は消えていきました。胸中に希望があふれてきたのです。
祈りを深める中で私は確信しました。"信心に励む中で起きたことは全て、幸福の人生を築くために必要なことなのだ。必ず一切を変毒為薬できる"と。
これまで2度にわたって解雇者が発表されましたが、私の名前はありませんでした。客室乗務員として、愛する会社に残ることができたのです。
これからも会社の業績回復と発展を祈り、多くの友に励ましを送りながら、自身の使命の舞台で輝いていきます。

2020年10月15日木曜日

2020.10.15 わが友に贈る

「皆我が一念に納めたる
功徳善根なり」御聖訓。
広布のための労苦は
全てが福徳と輝く。
勇気の一歩を共々に!

撰時抄 P256
『夫れ仏法を学せん法は必ず先づ時をならうべし』

【通解】
仏法を修学しようとしたならば、必ずまず「時」を習わなければならない。

名字の言 使えるものは生かす——女優・樹木希林さんの人生論 2020年10月15日
生前の樹木希林さんは、ほとんど服を買わなかったという。他の女優さんから"お古"をもらい、仕立て直した▼服のアイデアは、実に型破り。ブラウスに着物地を縫い合わせたり、黒いドレスに羽織を重ねたり……。「布と格闘するようにしてやりくりを重ねた」という和洋折衷のファッションは、海外で絶賛された。「使えるものは生かしていく。だって、もったいないもの。だから、考えて、工夫する」(『樹木希林のきもの』平凡社)▼70歳でスマホデビューした鳥取の地区部長がいる。婦人部員に教わりながら、先月はビデオ通話による座談会を開催。10代から80代までの友が画面越しに感激を分かち合った。だが半面、「スマホがない人は寂しいだろうな」と感じるように▼壮年は感染防止に配慮しつつ、訪問激励を開始。会ってつながる喜びをかみ締め、"誰もが参加できる座談会を"と決意した。久しぶりに皆で集い、信心の歓喜を語り合う会合に向け、「励まし週間」を全力で歩む▼「つなぐ」を表す「継(繼)」という漢字には「衣服のほころびに他の布を当てて縫い繕う」との意味もある。コロナ禍で分断された心と心を智慧と工夫でつなぎ合わせる。その価値創造の実践から新たな伝統が築かれ、受け継がれていく。(誌)

寸鉄 2020年10月15日
「うれしきかな末法流布に生れあへる我等」御書。混迷の社会照らす使命大
兵庫の日。関西の電源地に聳える模範の大人材城不屈の闘魂でいざや前進
"会って語る"訪問激励で喜びは倍加。全幹部が最前線へ!励まし広げる秋
複数のサービスで、同じ暗証番号使う人85%。悪用の恐れ。個別設定等を
水回り修理で不当な高額請求トラブルが多発と。消費者電話188も活用

〈社説〉 2020・10・15 きょうから秋の新聞週間
◇聖教から"人間主義の光"を
日本新聞協会が定める「秋の新聞週間」がきょうからスタートする(21日まで)。
今年の代表標語は「危機のとき 確かな情報 頼れる新聞」。本紙でも、危機の時代を乗り越えるための糧となる紙面を読者に提供できるよう、努めてきた。その"確かな情報"も、読む人の手元に新聞が届かなければ伝わらない。本紙を支えてくださる尊き無冠の友や関係者の皆さまに、改めて深く感謝をささげたい。
総務省の情報通信政策研究所が発表した最新のアンケートによれば、「メディアとしての信頼度」は新聞が約68%で、依然として最も高くなっている。「いち早く世の中のできごとや動きを知る」ために一番利用するメディアは、インターネットとテレビで約96%を占めた。速報性はインターネットやテレビ、正確性は新聞に求めるという風潮が読み取れる。
一方、「情報源としての重要度」はテレビが約88%で、次いでインターネットが約75%となった。ここ数年、テレビと新聞の比率が下がり、インターネットは上昇傾向にある。
このような世情を背景に近年、「フィルターバブル」と呼ばれる問題が懸念されている。インターネットの検索履歴が「フィルター」となり、同じような情報ばかりが表示され、その結果、まるで「泡」の中にいるように、自分が見たい情報しか見えなくなってしまうことを指す。
ジャーナリストの国谷裕子さんは、本紙のインタビューで次のように語った。「何らかの確かな情報がほしくなると、一生懸命、いろんな情報にアクセスします。その際、知らず知らずのうちに、信じたい情報、共感できる情報ばかりを入手してしまう傾向があります。(中略)自分の考えをさらに補強し、強固にして、偏った情報に取り囲まれてしまう。そうなれば真に多様な考えを知る機会を失ってしまいます」
仏法では、「桜梅桃李」の言葉に象徴されるように、人間の多様性を説いている。「人間の機関紙」を旗印とする聖教新聞だからこそ、時代が分断の方向に向かう時こそ、言論の力で人々を結ぶ使命を、いっそう果たしていかねばならない。
池田先生は、世界聖教会館を訪問した時のことを述懐し、次のようにつづった。「いよいよ、この新しき師弟の言論城から、世界広宣流布の新しき波を起こすのだ! 人間主義と生命尊厳の旗を掲げて、『希望の光』『常楽の光』『平和の光』を広げゆくのだ! そして、日本と世界の読者をはじめ、聖教につながる一切の方々が、健康で幸福であるように!」
師匠の心をわが心とし、聖教新聞の拡大から、ともどもに"人間主義の光"で社会を照らしていこう。

☆ストーリーズ 師弟が紡ぐ広布史 第1回 差別を許さぬ世界目指して
物語を意味する「ストーリー」と、歴史を表す「ヒストリー」。語源は同じである。日蓮大聖人は苦闘の友を「未来までの・ものがたりなに事か・これにすぎ候べき」(御書1086ページ)と励まされた。新連載「ストーリーズ」では、池田大作先生を中心にして紡がれてきた"師弟の物語"、そして折々の広布史をひもといていく(月1回の掲載予定)。

◇君が本当に愛し、誇れる社会をつくる
「世界の歴史において、偉大な政治家と思う方は?」
希代の実業家である松下幸之助氏からこう問われると、池田先生は即座に、「リンカーン」の名を挙げた。
アメリカの第16代大統領リンカーン。1863年の奴隷解放宣言、同年11月19日の「人民の、人民による、人民のための政治」との演説などで知られる。
シカゴ市には、彼の名を冠する同市最大の公園「リンカーン・パーク」がある。
今から10年前の2010年10月、この公園に、池田先生の平和貢献をたたえ、一体の像が設置された。黒人の少年と白人の少年がボールを使って仲良く遊ぶ姿を表現した「平和と正義」像である。その台座には、小説『新・人間革命』の冒頭の一節「平和ほど、尊きものはない」が刻まれている。
1960年10月9日、初の海外訪問の折、先生はリンカーン・パークに足を運んだ。そして「平和と正義」像とは正反対の光景を目にした。
その日は日曜日だった。
公園では、子どもたちがボールを蹴って遊んでいた。1人、2人と、ほかの子どもも加わり、遊びの輪が広がっていく。
そこへ、1人の黒人の少年が近寄ってきた。ところが、彼には誰も声を掛けない。
しばらくして、子どもの1人が、ボールを蹴り損ね、尻もちをついた。傍らで見ていた黒人少年は、大声で笑い、はやし立てた。すると、近くのベンチに座っていた老人が、黒人少年を怒鳴りつけた。少年は背を向け、その場を走り去った。
一部始終を見ていた先生は、胸が強く痛んだ。リンカーンの奴隷解放宣言から、100年近くが過ぎていた。奴隷という「制度」はなくなった。しかし、人間を分断する「心の壁」は根強く残ったままだった。
先生は、少年を追い掛けようとした。だが、すでに姿は見えなかった。
"君が本当に愛し、誇りに思える社会を、きっとつくるからね"——先生は心の中で、黒人の少年へ呼び掛けた。万人の尊厳が輝く社会の建設を、心に固く期した。
リンカーン・パークの散策を終えた先生は、その日の午後、座談会に出席。参加者からの質問に、一つ一つ明快に答えるなかで、人種問題にも触れた。
——「地涌の菩薩」の使命を自覚し、行動すれば、人種や民族や国籍を超えて、世界平和と人間の共和が築かれていく、と。
肌の色など関係なく、全ての人が誇りに思える世界を築くために、目の前の一人の「地涌の使命」を呼び覚ます。この一点から、先生は動き始めた。
2000年9月7日、アメリカ・モアハウス大学のキング国際チャペルから、池田先生に「最高学識者」称号が贈られた。
授与式の席上、同チャペルのカーター所長は「池田博士は非暴力の無条件の愛をたたえておられます。その愛情とは、イエス・キリスト、マハトマ・ガンジー、キング博士が体現していたものです」と、先生へのあふれる思いを語った。
モアハウス大学は、アメリカ公民権運動の指導者キング博士の母校である。黒人への差別撤廃の先頭に立った博士が、「破壊の跡は、私の見たものの中では最も悲惨な光景」と述べた暴動——それは、1965年8月11日、ロサンゼルスのワッツ地区で起こった。
発端は、パトロール中の白人警察官が、黒人の青年に飲酒運転の容疑で職務質問したことだった。警察官の侮蔑的な態度が、青年をいら立たせた。
警察官は青年と言い争いになり、逮捕しようとした。そこへ黒人の群衆が集まってきた。
ロサンゼルスのあちこちで火の手が上がった。略奪も相次いだ。治安の悪化は著しく、2日後の13日には、カリフォルニア州の州兵も動きだした。
翌14日は、池田先生のアメリカ・メキシコ歴訪の出発日だった。しかも、最初の訪問地がロサンゼルスである。
周囲の幹部は、"出発はせめて、ロスの暴動が治まってから"と訴えた。しかし、先生は予定通り、羽田の東京国際空港を飛び立った。
ロサンゼルスに着いた先生は、15日の朝、代表メンバーと勤行し、アメリカ社会の安穏と人々の無事を祈念。夜、野外文化祭に出席した。
アメリカの同志は、文化祭の成功を祈り、練習に励んできた。暴動が起こってからは、黒人の友を心配し、練習会場まで車で送迎する白人の友もいた。
文化祭は、婦人部のコーラス、女子部のダンスに続き、男子部の体操へと移った。出演者には、黒人も白人もいた。互いにスクラムを組み、"団結の美"を披露した。「同じ人間」としての信頼の絆が光っていた。
キング博士は63年8月、奴隷解放宣言から100年を記念したワシントン大行進の折、リンカーン記念堂で演説した。
「私には夢がある」
「いつの日かジョージア州の赤土の丘の上で、かつての奴隷の子孫とかつての奴隷主の子孫が、ともに兄弟愛のテーブルに着くことができることである」
文化祭は、博士の「夢」が「現実」の形となって表現されていた。麗しい「兄弟愛」が織り成す演技の一つ一つに、先生は何度も何度も拍手を送り続けた。

◇国境もなく人種・性別もない"根源のルーツ(地涌の菩薩)"に目覚めよ!
1992年5月10日、池田先生はアメリカ・リンカーン大学の芸術学部長であるスモック教授と会談。そこで話題となったのが、同年4月末から5月初頭にかけて、ロサンゼルスで起こった暴動だった。
黒人の青年が複数の白人警官から暴行を受けた。だが、警官らは裁判で無罪に。その評決に、黒人を中心とした怒りの抗議活動が起こったのである。
繰り返される差別と絶望——スモック教授は「『外面』の努力だけでは、本当の『解決』にはならない。『小我』——小さな自分——を乗り越え、より大きな内面の力を発揮してこそ、糸口は見いだされる」と強調。
教授の見解に、先生は賛同し、「広大な『一念』の力、内面の力を確信し、引き出すとき、いかなる外界の悪、反価値をも、善の方向へ、価値の方向へ転じていくエネルギーとなる。これが『創価』であり、一念三千の実践です」と述べた。
公民権法の制定をはじめ、アメリカ社会は、差別撤廃への努力を積み重ねてきた。そうした人間の「外側の変革」とともに、人間の「内側の変革」にこそ、解決の鍵がある。これが、両者の結論だった。
93年1月24日、先生は北・南米の平和旅へ出発した。27日に開催された第2回「アメリカSGI総会」。先生はロサンゼルスの友に「新生の天地に地涌の太陽」と題する長編詩を贈った。

自らのルーツを索めて
社会は千々に分裂し
隣人と隣人が
袂を分かちゆかんとするならば
さらに深く 我が生命の奥深く
自身のルーツを徹して索めよ
人間の"根源のルーツ"を索めよ
そのとき
君は見いだすにちがいない
我らが己心の奥底に
厳として広がりゆくは
「地涌」の大地——と!

その大地こそ
人間の根源的実在の故郷
国境もなく 人種・性別もない
ただ「人間」としてのみの
真実の証の世界だ
"根源のルーツ"をたどれば
すべては同胞!
それに気づくを「地涌」という!

この詩を巡って、先生は語っている。
「人種や民族に、自分たちの"ルーツ"を求めても、それは虚構です。砂漠に浮かぶ蜃気楼のようなものだ。人類共通の"生命の故郷"にはなれない」
「本来、人間は、宇宙と一体の大いなる存在なのだ! 個人の力は、かくも偉大なのだ! これが法華経のメッセージです」
2005年5月、ロサンゼルス市議会から池田先生に「顕彰決議書」が贈られた。
同市議会は、先生とSGIの「寛容と人権を宣揚し、地域社会で平和・文化・教育に尽くす青少年の育成への貢献」に言及。そして、先生が長編詩を通して、希望の指標を示したことを高く評価したのである。
授与式で、アメリカSGI青年部の代表が登壇した。長編詩を朗唱する青年の声が、ロサンゼルス市庁舎に響いた。

2020年10月14日水曜日

2020.10.14 わが友に贈る

わが人生の主役は自分!
最後は必ず幸せになると
決まっている劇なのだ。
絶対勝利の信心を確信し
一日一日を名優の如く!

御義口伝巻下 P781
『此の品の時最上第一の相伝あり、釈尊八箇年の法華経を八字に留めて末代の衆生に譲り給うなり八字とは当起遠迎当如敬仏の文なり』

【通解】
この品(法華経普賢品)の時に、最上第一の相伝がある。釈尊が八年にわたって説いた法華経を八字に留めて、末代の世の人々に譲り与えられたのである。
その八字とは「当起遠迎当如敬仏」の文である。

名字の言 学会創立90周年を寿ぐように咲き誇る香峯子蘭 2020年10月14日
沖縄研修道場の"香峯子蘭"が開花し、学会創立90周年を寿ぐように咲き誇っている。2007年、シンガポール国立植物園が池田香峯子夫人の"平和への貢献"をたたえ、命名した新種の蘭。その後、海を越え、同道場でも育まれてきた▼栽培には当初から困難が伴った。気温、湿度、養分や水分の調整、害虫や病気との闘い。栽培に携わった人たちは試行錯誤を重ね、細心の注意を払いながら育ててきた。その苦労が実り、香峯子蘭は見事な花を付けている▼若き日の池田先生ご夫妻は、立ち寄った夜店で蘭を買い、自宅で大切に育てた。増えた蘭は株分けし、同志や友人のもとへ。先生はその真情を「『そのご家庭に幸福が根づくように』との願いを託した」とつづった。当時の蘭は、その真心とともに子株、孫株、ひ孫株と世代を超えて受け継がれ、幸のドラマを見守り続けている▼香峯子蘭が属する「デンドロビューム」の花言葉は「真心」「思いやり」である。苦労し、心を込めた分、花は立派に育つ。それは人も同じだ▼御書に「人は善根をなせば必ずさかう」(1562ページ)と。友を思う真心は、自他共に"幸福の花"を咲かせるための養分となる。その積み重ねによって、色とりどりの"人材の花園"は広がっていく。(礼)

寸鉄 2020年10月14日
21世紀はアフリカの世紀—会長の宣言60年。平和の師子は希望大陸に陸続
ささやかな努力も続ければ世界が変わる—博士。一人への励ましを今日も
創価とは価値創造。会合も短時間で充実の内容に—創立の月へ勢いを加速
利他的な人は過酷な環境下でも心が折れにくい—研究。共々に広布へ前進
高齢者の低栄養は認知症リスク高めると。食は命つなぐ基本。聡明に工夫

〈社説〉 2020・10・14 漫画「はなさん」が連載100回
◇苦難の中でも笑える強さを
本紙に連載中の漫画「続・花の三丁目地区 はなさん」が、10月13日付で100回を数えた。スタートは2014年の5月。「創価新報」で30年以上続いた漫画「花の三丁目地区」が終わり、男子部のリーダーだった主人公の矢島マコトが同部を卒業。続編の「はなさん」では、壮年部に移行した彼が、地区部長として広布に走る姿をコミカルに描いている。
第1話では、青木地区婦人部長から、部員宅を覚えること、威張らないことなど手ほどきを受ける矢島地区部長。部員の健康状態はもちろんペットの癖までも頭に入れている婦人部のこまやかさに舌を巻く。前任の地区部長から"相伝"された「婦人部を大事に」との言葉の意味をかみ締め、黄金柱としての戦いを始めた。
以来、後継の友の育成に汗を流し、家庭でも夫、父親として奮闘。婦人部、男女青年部、未来部の個性豊かなキャラクターと共に、悲喜こもごもの人情ドラマを演じてきた。最近では、コロナ禍で苦闘する青年部や、世界青年部総会の参加を後押しする婦人部の涙ぐましい努力を取り上げるなど、タイムリーな話題で物語が展開していく。
掲載後には「"あるある!"と笑い、時に涙しながら読んでいます」「まるで私のことが描かれているみたい」など、毎回多数の声が寄せられる。
その中のある壮年は、矢島地区部長が雨の中、男子部員と共に部員宅を訪ね、手紙を書き残すシーンを読み、学会活動から離れていた過去の自分を思い出したという。1人暮らしの壮年宅に地域の友が何度も足を運び、手紙を置いていった。その振る舞いに"こんな自分を心配してくれる人がいる"と胸がいっぱいになったという。現在は活動を再開し、訪問先の同志と会えなくても、直筆のメモを置いてくるそうだ。
作者のまっとふくしま氏は、そうした多くの読者に感謝しつつ、「はなさん」への思いをこう述べている。「学会の方々は大変な状況の中でも笑える強さを持っています。地道に生きる庶民の、そうしたかっこよさを今後も描いていきたい」
同漫画が長年愛され続けているのは、単に笑いを届けているだけでなく、友のため、地域のために尽くす全国の同志の声を代弁しているからだろう。
「信仰の大地に根を張った庶民の力は強い。我が創価学会の強みは、無名の庶民が題目を唱え、連帯し、広宣流布の大願に進んでいるところにある」と池田先生は語る。
世界の平和も地域の安穏も、勇気を奮い、目の前の一人のために行動することから始まる。その真実を、「はなさん」はこれからも伝え続けていく。

☆心に御書を 第80回 地球を包む誓願の祈り
〈御文〉
『大悪は大善の来るべき瑞相なり、一閻浮提うちみだすならば閻浮提内広令流布はよも疑い候はじ』(減劫御書、1467ページ)

〈通解〉
大悪は大善が来る前兆である。一閻浮提(全世界)が打ち乱れるなら、「閻浮提の内に広く流布せしめる」との経文通りになることは、よもや疑いあるまい。

◇池田先生が贈る指針
御本仏は、一切衆生が仏性という最極の生命を涌現する道を開いてくださった。どんな難も乗り越える信心である。その実証こそ、創価家族の「人間革命」だ。
一国も世界も、大悪を大善へ転ずるのが、一閻浮提広布である。地涌の若人の連帯は五大州に広がった。誓願の祈りで地球を包み、人類の「宿命転換」へ前進だ!

☆みんなで学ぶ創価の心 創価学会の組織って何のためにあるの? 2020年10月8日
今月11日は「未来部の日」。久しぶりに未来部の集い(オンラインを含む)を開催するという地域も少なくありません。そこで今回の「みんなで学ぶ創価の心」では、学会の組織が何のためにあるのかをあらためて学ぶため、池田先生の指針を紹介します。また、高等部員の声や「未来ジャーナル」アンケート企画の案内も掲載します。

【池田先生の指針から】世界平和の大目的に向かって
一つの大きな目標に向かって行動し、成長していくためには、それなりの組織が必要になってくるのは当然です。
創価学会は、「広宣流布」という大目標、すなわち仏法によって全人類を幸福にし、世界平和を築くという、崇高な大目的に向かって進む団体です。
その目標は、一人が頑張って達成できるものではない。社会のあらゆる立場で活躍する一人一人が団結し、組織をつくって初めて実現できるのです。

☆☆☆
創価学会は不思議な団体です。これほど清らかな、これほど裏表のない、これほど温かく、麗しい世界は、ほかには絶対にない。諸君は社会の醜さを知らないから、そのすごさがわからないかもしれない。しかし、私は断言しておきます。創価学会のような世界は、ほかにはありません。
諸君のお父さん、お母さんをはじめ、草創以来の先輩が、傲慢な人間にののしられ、バカにされながら、歯を食いしばって築いてきた「民衆の城」です。
批判する人がいる。では、批判する人が代わりに「絶対に幸福になる方法」を教えてくれるのか。そうではない。
そうではないと知った民衆が、「幸せになろうね!」と励ましあい、「不幸な人を救っていこう!」と団結して、できあがったのが創価学会です。

☆☆☆
組織には、さまざまな人がいる。だからこそ、刺激を受けて成長ができる。スポーツでも、一人で練習しているだけでは、自分の実力は、なかなかわからない。大勢の人のなかで、もまれてこそ成長がある。

☆☆☆
勉学は「何のため」にするのか。社会に貢献し、大勢の人を幸福にできる力をつけるためです。
信仰は「何のために」するのか。自分も幸福になり、人をも幸福にするためです。勉学で得た「力」を本当に人々のために使っていける原動力が信仰です。
だから、大学教授や弁護士になること自体が偉いのでない。そうなって、何をしたのか。どれだけ人を救ったのかだ。
大勢の人を励まし、幸福にした人が偉いのです。その意味で、広宣流布の組織で活躍している人こそ、最高に偉い。諸君のお父さん、お母さんが、いかなる有名人よりも、権力者よりも尊いのです。
「自分が縁した人は絶対に不幸にしない。必ず幸福にしてみせる!」。こういう決心で、働いてきた。諸君は、創価学会のこの「心」を忘れてはならない。(『青春対話』普及版第1巻)

【わたしの実践】
「希望」を広げるバイオリン奏者に
<神奈川県秦野市 古住奏さん(高校2年)>
僕の右目は、ほとんど見えません。「コーツ病」という病気のためです。
それでも僕は、小さい頃からバイオリンを習っています。中学生の時、自分の近況や決意を手紙に書いて池田先生に報告しました。すると「健康と成長を祈ります」とのご伝言をいただいたのです。その時、僕は「いつか池田先生や多くの学会員の方々に、自分の演奏を聞いていただきたい」という夢を持ちました。
昨年の秋、高等部の人材育成グループ「希望オーケストラ」に入団。自宅から都内の練習会場までは約1時間半の道のりです。右目が見えない中、楽器を背負って通うのは、とても神経を使いました。帰り道に大人の男性とぶつかってしまい、「邪魔だよ」と言われて、ショックを受けたこともあります。
負けずに頑張ってこられたのは、母の支えと、「希望オーケストラ」の仲間やスタッフの方々の励ましがあったからです。地元のバイオリン教室の先生にも、未来部活動との両立について背中を押していただき、感謝しかありません。
入団から1年——僕の夢がかないました。先月の世界青年部総会の特別企画に未来部代表として出演し、演奏を世界中に届けることができたのです。
今月4日には、待ちに待った「希望オーケストラ」の入団式が行われました。久しぶりにみんなと会えて本当にうれしかったです。「希望とは負けない人」との団の指針を胸に、世界の舞台で活躍できるバイオリン奏者を目指して、これからも成長し続けます。
未来ジャーナル「WEBアンケート」のお知らせ——全国の高等部員を対象に
未来部機関紙「未来ジャーナル」が、全国の男女高等部員を対象にWEBアンケートを実施している。期間は、きょう8日(木)から11月8日(日)まで。WEBアンケートはこちらから。
コロナ禍で環境の大きな変化を余儀なくされている高等部員たちの"本音"や、信心への思いを聞く内容となっている。
「コロナ禍の生活で、一番つらいことはなんですか」「受験や将来の夢に向かって、今、努力していることはありますか」「どんなことを祈っていますか」——ここに寄せられた声は、今後の「未来ジャーナル」の企画などで紹介される予定である。
コロナ禍になってから高等部の部長や副部長の任命を受けた友も少なくない。皆の思いを受け止めながら、創価家族が一体となってエールを送りたい。

2020年10月13日火曜日

2020.10.13 わが友に贈る

わが地域の広布前進へ
「自他彼此の心なく
水魚の思を成して」
祈りを合わせよう。
団結こそ勝利の要諦だ!

三三蔵祈雨事 P1472
『すりはむどく(須梨槃特)は三箇年に十四字を暗にせざりしかども仏に成りぬ提婆は六万蔵を暗にして無間に堕ちぬ是れ偏に末代の今の世を表するなり、敢て人の上と思し食すべからず』

【通解】
須梨槃特は、3年で14字すら暗誦できなかったけれども、仏になった。提婆達多は、六万蔵を暗唱したけれども、無間地獄に堕ちた。
このことは、ひとえに末代の今の世のことを表しているのである。決して他人のことと思ってはならない。

名字の言 「見送り」でよみがえった恩師との思い出 2020年10月13日
ある取材相手から手紙が届いた。万年筆で力強く書かれた文字が目に飛び込んできた。「すてきな見送り・見守り ありがとうございました。我が師を思い出しました」▼東京の世界聖教会館でインタビュー取材を終えた後、相手の姿が見えなくなるまでカメラマンと一緒に見送った。このわずか数分にもならない行為に対する手紙だった。「きちんと見送ってくれている姿を見た時の喜びは、とても大きいものです」▼手紙には、その方の恩師との思い出がつづられていた。半世紀ほど前、大学生の頃、恩師と地下鉄に乗った。恩師は先に降りたがホームに残った。そして、自分の息子と同じ年齢の一学生に、姿が見えなくなるまで手を振って見送ってくれた。この時、「弟子にしていただこうと、感激と共に決めました」▼心を動かすのは心。策ではない。「ただ心こそ大切なれ」(御書1192ページ)であり、「心の底から出てこなくては、人の心に届かない」(ゲーテ著『ファウスト』、池内紀訳)からだ▼『老子』に「其の師を貴ばず、其の資を愛せざれば、智と雖も大いに迷わん」とある。自分の師を尊敬し、自分を助けてくれる人に心から感謝できる人生に行き詰まりはない。生涯、「師と共に」「同志と共に」進みたい。(側)

寸鉄 2020年10月13日
御書「見参してみづから申しひらかばや」。感染防止に留意し励ましに全力
山梨の日。人材城は富士の如く堂々。清新な決意で新たな拡大の歴史開け
徳こそ本当の財産—偉人地域のために汗流す我らは「心の財」積む大長者
信頼できる友がいる人ほど幸福度も高いと。友情結ぶ学会活動は幸の直道
レジ袋有料化で環境問題を意識—7割超。この心を行動へ。そして未来へ

☆「情熱の日」記念の集いへの池田先生のメッセージ 2020年10月8日
◇地球民族の明日照らす「勇気の太陽」と輝け!
東西の学園きょうだいが「ワンチーム」となって、美しい「青春の虹」をかけゆく「情熱の日」、誠におめでとう! 
「学園魂」を燃やし、感染症対策やオンラインなど、創意工夫をしながら、新たな学びと鍛えに挑戦しゆく皆さん一人一人を、私は最大に讃えます。
今日は一点、「地球民族の明日を照らす勇気の太陽と輝け!」と申し上げたい。
今、わが学園生に世界中の知性が注目し、大いなる期待を寄せております。その最初の忘れ得ぬ一人が、50年前の10月、学園に来校し講演をしてくださった「ヨーロッパ統合の父」クーデンホーフ=カレルギー伯爵です。尊き父母の志を継ぎ、あのヒトラーの迫害にも屈せず、ヨーロッパ、そして世界の平和と連帯のために奔走し抜いた大情熱の勇者です。
伯爵は私との対談で、人類の未来は現在の青年たちが学び磨く「明敏な(賢く鋭い)頭脳」によって決定づけられると強調されていました。この伯爵が"学園生は本当に凜々しい。21世紀の指導者として世界平和を達成してくれることが楽しみでならない"と語られていたのです。当時、伯爵とお会いした先輩たちを先頭に、その通りの陣列となりました。
そして今、コロナ禍という試練にも負けない「従藍而青」の皆さんこそが、いやまして強く明るい「勇気の太陽」と輝き、世界の仲間とスクラムを組んで、地球民族の明日を照らしてくれることを、私は深く確信してやまないのです。
学園生は全員が「若獅子」です。若獅子の証しとは、目の前の課題にベストを尽くす勢い、友を励ます朗らかさ、たとえ悔しい谷底からでも這い上がってくる負けじ魂です。
さあ、「次代を担う」君たちよ、私と一緒に「いざ前進!」(大拍手)。

2020年10月12日月曜日

2020.10.12 わが友に贈る

新聞休刊日

乙御前御消息 P1219
『軍には大将軍を魂とす大将軍をくしぬれば歩兵臆病なり』

【通解】
戦においては大将軍を魂とする。大将軍が臆したならば、部下の兵も臆病になってしまう。

☆心に御書を 第79回 諸天の守護は厳然なり
〈御文〉
『法華経を行ぜん者をば諸天善神等或はをとことなり或は女となり形をかへさまざまに供養してたすくべし』(船守弥三郎許御書、1445ページ)

〈通解〉
法華経を行ずる者を、諸天善神等が、あるいは男性となり、あるいは女性となり、形を変えて、さまざまに供養して助けるであろう。

◇池田先生が贈る指針
諸天善神は具体的な姿で、法華経の行者を守護する。現実に周囲の人などに"入其身"して、最も良い方向へ働いてくれる。これが「一念三千」の妙法の大功力なのだ。
諸天を揺り動かすのは決定した題目である。勇敢に戦うからこそ味方ができる。
大確信の祈りと大誠実の振る舞いで、広布と人生の勝利劇を厳然と!

☆10月度座談会拝読御書 一生成仏抄
◇拝読御文
『衆生と云うも仏と云うも亦此くの如し迷う時は衆生と名け悟る時をば仏と名けたり、譬えば闇鏡も磨きぬれば玉と見ゆるが如し、只今も一念無明の迷心は磨かざる鏡なり是を磨かば必ず法性真如の明鏡と成るべし、深く信心を発して日夜朝暮に又懈らず磨くべし何様にしてか磨くべき只南無妙法蓮華経と唱へたてまつるを是をみがくとは云うなり』(御書全集384ページ2行目〜5行目、編年体御書22ページ2行目〜5行目)

◇[池田先生の指針から] 一切は祈りから始まる
祈りとは、正しい実践、粘り強い行動を貫くための源泉であります。祈りのない行動ほどもろいものはない。それは、ある時は順調で、意気盛んにみえるかもしれません。しかし、ひとたび逆境に直面するや、枯れ木のように、もろくも挫折してしまうでありましょう。なぜなら、そこには、我が胸中を制覇するという一点が欠けているがゆえに、現実社会の浮き沈みの中で、木の葉のように翻弄されてしまうからであります。
人生の坂は、一直線に向上の道をたどるようなものでは、決してありません。成功もあれば失敗もある。勝つときもあれば負けるときもあります。そうした、様々な曲線を描きつつ、一歩一歩、成長の足跡を刻んでいくものであります。その過程にあって、勝って傲らず、負けてなお挫けぬ、強靱な発条として働くのが、祈りなのであります。
ゆえに祈りのある人ほど強いものはない。我が強盛なる祈りに込めた一念が、信力、行力となってあらわれ、それと相呼応して仏力、法力が作動するのであります。主体はあくまで人間であります。
祈りとは、人間の心に変化をもたらすものであります。目に見えないが深いその一人の心の変化は、決して一人にとどまるものではありません。また一つの地域の変革は、決してその地域のみにとどまってはいない。一波が万波を呼ぶように、必ず他の地域に変革の波動を及ぼしていくのであります。
そうした展転の原点となる最初の一撃は、一人の人間の心の中における変革であると、私は申し上げたいのであります。(中略)
ともかくも、私どもは、生活の、人生のすべての問題を御本尊に祈りきって、取り組んでいこうではありませんか。
祈ることが大事であり、そこから一切が出発することを忘れてはならないと申し上げたい。(指導選集『幸福と平和を創る智慧』第1部[上])

◇唱題行に徹し生命を磨き抜く
[キーワード1] 万人に仏性が具わる
一生のうちに何ものにも微動だにしない、仏の境涯をどうやって築くことができるのか。
凡夫が今世で仏の境涯を得ることを「一生成仏」といいます。「一生成仏抄」は、成仏の要諦である唱題行の意義について、法理と実践の面から記されています。
拝読御文の直前で日蓮大聖人は、仏の住む国土である「浄土」といっても、煩悩と苦しみが充満する「穢土」といっても別々の国土があるのではなく、そこに住む私たちの心の善悪によって違いが現れると仰せです。
同様に、衆生と仏も別々の存在ではなく、両者の違いは、迷っているか、覚っているかによって決まると教えられています。
無明という根本の迷いに覆われた凡夫の生命も、題目を唱えて磨けば必ず「法性真如の明鏡」という覚りの生命を開き顕すことができます。なぜなら、全ての人に等しく仏性が具わっているからです。
しかし、法華経以前の爾前経では、九界の迷いの生命を断じ尽くさなければ仏になることができないとされていました。何度も生まれ変わって修行を重ね、その結果として初めて成仏できるとされていたのです。
一方、法華経では万人の成仏が強調され、凡夫がその身のままで、しかも今世で成仏できることが明かされました。
成仏について「御義口伝」には「成は開く義なり」(御書753ページ)と仰せです。成仏とは、自身とかけ離れた特別な存在になることではなく、自身の内に仏の生命を開くことです。
現実生活の中で、何ものにも崩されない絶対的な幸福境涯を築くためにも、唱題行に徹することが肝要なのです。

[キーワード2] 求道と実践の継続を
唱題行の姿勢について、ポイントが二つ挙げられています。
第一に「深く信心を発して」と仰せのように、信心を奮い起こして御本尊を拝する大切さが示されています。
大聖人の仏法にあっては、"信心"が成仏の肝要となります。
現実の課題に直面し、不安や恐れる心が現れる時こそ信心が試されます。困難を乗り越えるために、勇気を奮い起こして唱題に励む中で自身の生命が磨かれます。そして、仏の智慧や勇気を発揮し、努力を重ねることで現実を変えていけるのです。
また、信心に励めば、必ず成仏を妨げようとする働きが現れます。そうした障魔を打ち払い、信仰の実践を重ねていくことで、強盛な信心を築き、一生成仏を果たすことができるのです。
第二に「日夜朝暮に又懈らず」と、"持続の信心"を教えられています。
鎌倉時代の鏡は、銅鏡が一般的で曇りやすいものでした。鏡本来の用をなすためには、磨き続けなければなりません。
そのことを例えに、常に生命も磨き続けなければ、無明に覆われるからこそ、日々、題目を唱え、仏の境涯を顕していく大切さを教えられているのです。
信心には"ここまでやればいい"という、いわば到達点はありません。仏法を求める姿勢と実践の継続が、一生成仏の要諦なのです。
強盛な祈りこそ、人生の一切の原動力です。御本尊への確信を胸に唱題に励み、自他共の幸福境涯を開いていきましょう。

2020年10月11日日曜日

2020.10.11 わが友に贈る

◇今週のことば
「心ざしあらん人人は
寄合て御覧じ」
座談会は人生勝利の力。
今一重の祈りと真心で
心温まる歓喜の集いに!
2020年10月11日

椎地四郎殿御書 P1448
『此の経を一文一句なりとも聴聞して神(たましい)にそめん人は生死の大海を渡るべき船なるべし』

【通解】
この経を一文一句でも聴聞して心に染める人は、生死の大海を渡ることのできる船なのである。

名字の言 「折り鶴」がつなぐ平和への思い 2020年10月11日
広島駅で興味深い土産を売っていた。メモ帳、絵はがき、タオル……。見た目はごく普通だが、原材料は「折り鶴」。広島市に毎年寄贈される約1000万羽の折り鶴の一部を再生したものだという▼原爆症からの回復を願い、包み紙でツルを折った佐々木禎子さん。12歳で命尽きるが、級友たちはその遺志を継ぎ、彼女をモデルにした「原爆の子の像」を建立する。この平和のシンボルに国内外から折り鶴が届くようになって幾十年。一人の少女の願いは次の人、さらに次の人へと伝わり、時代を超え、形を変えて、世界に広がっている▼今秋、広島・長崎・沖縄の青年・未来部による戦争・被爆証言集が発刊される。3県の書籍には共通点がある。タイトルに「つなぐ」との言葉が入っていることだ▼未来部員にとって戦後75年は遠い過去だった。だが、涙の証言を聞き、自らの人生と重ねた時、"今の生活は75年前とつながっている"ことに気付く。取材後、彼らは"次へのつなぎ方"を「人を助けるために勉強する」「将来、私の子どもに語る」と感想に記した▼「伝持の人」(御書508ページ)すなわち"心を継ぐ人"がいなければ、未来は閉ざされてしまう。先人の願いを"自分ごと"と捉えてこそ、平和の心は次代につながる。(子)

寸鉄 2020年10月11日
「一人を大切に」との学会員の心に感銘—韓国識者今日も心と心結ぶ対話へ
御書「設い業病なりとも法華経の御力たのもし」。何があろうと祈りを強く
子は学会の庭で育てよ—恩師。家族で信心継承の語らい更に。未来部の日
台風過ぎても土砂災害や河川増水の可能性あり。絶対無事故へ油断排して
若者に広がる大麻、多くSNSで入手と。社会全体で注意喚起し撲滅を

〈社説〉 2020・10・11 13日は「日蓮大聖人御入滅の日」
◇民衆を救う立正安国の生き方
「最近、友人から悩みを相談される機会が増えた」と、ある男子部のリーダーが語っていた。
創価学会青年部の「『若者とコロナ』に関する緊急全国意識調査」では、日本国内に住む10代から40代の男女2万49人が回答。今後の感染拡大について、「強い不安を感じる」が32%、「少し不安を感じる」が56%と、約9割の人が不安を感じていると答えた。
学会は、いかなる時代にあっても、同苦の心で人々に寄り添い、地域や社会の希望と輝いてきた。コロナ禍の今こそ、仏法の哲理で世界に勇気を送りたい。
弘安5年(1282年)10月13日、全人類の幸福を開くべく、死身弘法の御闘争を貫かれた日蓮大聖人は、61歳で尊き御生涯を終えられた。本年で738年を数える。
その御一代の弘教は、「立正安国論に始まり、立正安国論に終わる」といわれる。
天変地異が続き、飢饉や疫病が地上を覆っている。多くの人々が亡くなり、民衆は悲しみに満ちている——。「立正安国論」の冒頭に描写された当時の情景である。
その後には、「天空を仰いであふれんばかりの憤りを飲み込み、俯いて大地に目を落としては深く心を砕いている」(御書17ページ、通解)と仰せである。
苦悩に沈む民衆を救わんとの、大聖人の大慈大悲が胸に迫る。
この「立正安国論」の提出を機に、大聖人は「松葉ケ谷の法難」、「伊豆流罪」に遭われた。さらに「竜の口の法難」、「佐渡流罪」と、命に及ぶ弾圧は続いていく。
しかし、「いまだこりず候」(同1056ページ)と少しもひるむことなく、末法の民衆救済の御闘争を続けられた。
大聖人は、御入滅の2週間ほど前の弘安5年9月25日にも、門下の屋敷で病を押して「立正安国論」を講義されたと伝えられている。
そのことからも、「立正安国」を願い、その「生き方」を貫かれた実像が浮かび上がる。
法華経に脈打つ生命尊厳の哲理を、社会の基本原理としていく「立正」の闘争。それこそが、世界の平和と繁栄、人々の生活の安穏という「安国」「安世界」を実現する最も確かなる方途である。
冒頭の男子部は「悩みを打ち明けてくれた友人とは、"共に前へ進もう"と誓い合うことができた」と語っていた。
池田先生は「一つの対話の終わりは、新たなる対話への出発である」と教えている。
「立正」とは生命の触発によって、内発の力を呼び覚ます対話である。使命に目覚めた一人から次の一人へと内発の力を引き出す連鎖こそ、安国への原動力と言えよう。
不安の渦巻く時代だからこそ、「誓い」を広げる"立正安国の生き方"を貫いていきたい。

☆新時代を築く 「凱歌」の大道を誉れ高く 2020年10月5日
「みんな立派に育ったな」
「はい、育ちました」
青年を誰よりも愛された、戸田先生との語らいが蘇る。
1957年9月8日、あの「原水爆禁止宣言」を発表された横浜・三ツ沢の競技場で、青年部の英姿を笑顔で見守られながらの一こまである。
あれから63星霜、歴史的な世界青年部総会が行われた。
戸田先生も、また牧口先生も、どれほど喜んでおられるか。両先生に全世界の地涌の若人の大成長をご報告する思いで総本部の恩師記念会館で妻と勤行をした(10月3日)。
会館には、以前、私が報恩の一念で記した書「凱歌大道之誉」が掛けられている。今回の総会に連なる全ての若き宝友が一生涯、不退転で「凱歌」の大道を誉れ高く歩み抜くことを、私は強盛に祈った。
* * *
日蓮大聖人は「地涌の菩薩」について仰せである。
「此等の大菩薩 末法の衆生を利益したもうこと 猶 魚の水に練れ 鳥の天に自在なるが如し」(御書1033ページ)
地涌の菩薩は誓い願って、あえて末法の濁世に躍り出る。いかなる事態があろうと、断じて行き詰まりを突破して、広宣流布の活路を開き、民衆を幸福に、世界を平和に導いていくのだ。
この地涌の本領を発揮し、立ちはだかる苦難に挑み、断固と価値を創造してきたのが、我ら創価の師弟である。
「大阪の戦い」(1956年)も、まさしく悪口罵詈・猶多怨嫉の渦巻く只中であった。
私を先頭に関西の同志は、「道なき道を開くのだ」と、勇気と智慧を漲らせ、打って出た。「せめて一目でも」と友のもとへ足を運んだ。苦悩に耳を傾け、真心を尽くして共に信心で立ち上がった。「せめて一言でも」と励ましの声を掛け、仏縁を結び広げていったのだ。
「徹底して一人を大切に」——広布の方程式は、昔も今も、これからも変わらない。
「此の妙法蓮華経を信仰し奉る一行に功徳として来らざる事なく善根として動かざる事なし」(同500ページ)
この仰せの通り、最も地道な学会活動こそ、無量無辺の「心の財」を積みながら、「立正安国」そして「立正安世界」を成し遂げゆく最も根本の力であることを忘れまい。
* * *
眼を天空に向ければ、明日6日には、赤く輝く火星が我らの地球に約6207万キロまで最接近する。11月初旬まで明るさが続き、創立の秋を祝賀してくれるかのようだ。
「我即宇宙」「宇宙即我」という妙法の大ロマンを光らせ、心広々と健康第一で、平和の星を足元から築きゆこう!

2020年10月10日土曜日

2020.10.10 わが友に贈る

台風の接近に伴う
大雨・長雨に警戒!
増水した河川や水路等
危険箇所に近づかない。
油断を排し行動しよう。

最蓮房御返事 P1341
『いかに我が身は正直にして世間出世の賢人の名をとらんと存ずれども悪人に親近すれば自然に十度に二度三度其の教に随ひ以て行くほどに終に悪人になるなり』

【通解】
どんなに自身は正直で世間・出世間の賢人の名を得ようと思っても、悪人に近づき親しめば、自然に十度に二度・三度とその教えに従っていけば、ついには悪人になってしまうのである。

名字の言 世界青年部総会で夢を語ったベネズエラの男子部員 2020年10月10日
世界の青年130万人がオンラインで参加した「世界青年部総会」。「あなたの夢は何ですか?」——海外の友が夢を語るコーナーで、南米ベネズエラの男子部員は答えた。「国連で働き、社会をより良く変革することです」▼仕事をしながら薬学を学ぶ彼は、SGI研修会で訪日することを目標に掲げ、一年を出発した。だが、全てが順調に進み始めた矢先、コロナ禍が発生し、収入が大幅ダウン。題目で乗り越えようと決意するが、何カ月たっても状況は変わらず、祈るのが苦しくなった▼そんな彼に勇気を与えたのは、同国男子部の"体験談運動"だ。国内の政情不安も重なる中、信仰の実証を示す同世代の仲間から触発を受け、彼は再び御本尊の前へ。唱題するうち"世界を変えたい"との夢が膨らみ、未来への希望が湧いたという。総本部と結ぶ総会で発表したことで、彼は「訪日の目標もかなったと思います」と喜んだ▼「世界へ征くんだ。この私に代わって」。恩師の遺言を胸に、池田先生が平和旅の一歩を踏み出して60年。創価の師弟の夢は今、何かのために生きようとする青年の連帯となって世界中に広がっている▼夢や目標に向かって努力し、行動する人は美しい。わが人生の大いなる理想へ、青年と共に若々しい心で前進したい。(仁)

寸鉄 2020年10月10日
幹部の熱と確信が発展の要諦—恩師。今できる事に全力!率先の勇者たれ
「深く信ずる者は満月の闇夜を照すが如し」御書。幸福の光源は我らの祈り
元気になる一番の方法は他人を元気づけること—作家。自他共の喜びこそ
世界メンタルヘルスデー社会では心の病は"身近な問題"と。一人で抱えず
昨年、自転車での違反摘発が2万件超。信号無視が55%。互いに諫め運転

☆方面長会議での原田会長の指導 2020年9月30日
「足を運んで励ます」戦いが広布を決す
座談会の充実に全幹部が「地区」へ

一、この9月、久々となった座談会、世界青年部総会の結集など、感染症対策を万全にしつつ、諸活動を工夫して進めていただき、本当にありがとうございます。
いよいよ創立90周年へ、「前進・人材の年」の総仕上げとなります。
先日の随筆で池田先生が「青年を先頭に前進また前進」と示された通り、一人一人が前へ、そして組織を前へ、広布を前へと進めてまいりたい。

◇行動が大善を開く
一、池田先生は「大白蓮華」10月号の「世界を照らす太陽の仏法」で、「大悪が起きた時こそ、自身がどのように受け止めるのか。今こそ最高のドラマを演じるのだと決意し、『師子王の心』を取り出して行動に打って出てこそ、実際に大善に転ずることができる」と指導してくださいました。
今、私たちはコロナという未曽有の危機の中、一人一人の宿命転換へ、そして人類の宿命転換へ、大悪を大善に転換しようと戦っています。そのためには「行動」が必要です。行動に打って出なければ、大善には転じない。
では、これまで先生が、どのようにして広布を開かれてきたか。それは「勇んで友のもとへ」という一貫した行動でありました。かつての随筆には、次のようにつづられています。
「若き日、蒲田や文京でも、時間をこじ開けるように友と会い、励ました。関西でも、全同志に会う決意で、一軒、一軒、回りに回った。そして、第三代会長に就任後は、全国、全世界の同志の皆様を、直接、この手で激励する決意で戦ってきた」と。
まさに、先生は「直接の励まし」で、「訪問による激励」で、温かな創価家族の絆を、広布に戦う創価の組織をつくり上げてくださいました。今、新たな活動をスタートさせた私たちも、「学会を強くする根本は訪問激励である」と改めて銘記し、先生の心をわが心として、全リーダーが「訪問激励運動」に総力を挙げてまいりたい。
足を運ぶからこそ、相手は心を開いてくれます。そして、足を運ぶからこそ、広布推進への情熱が一人一人に伝わり、活動に参加する人が増えていきます。活動の形態が変化したとしても、そこに参加する人が増えるかどうかは訪問激励で決まる。この点は、なんら変わりはありません。
コロナ禍以降、訪問による激励は「玄関先」を原則としてきましたが、10月1日からは「マスクを着用する」、また「滞在時間に配慮する」など、感染防止に十分注意しつつ、「相手先の了解の上で、家に上がっての激励」も行うこととします。
これまで通りの玄関先の訪問も含め、ともかく「動く」こと、「励ます」ことが大切です。「きょうは誰を励ますのか」「きょう自分が動いた分だけ広布は進む」と、10月、11月は「訪問激励運動」に総力を挙げ、広布の基盤を広げていきたいと思います。

◇座談会の参加者増へ徹底して挑戦
一、次に「座談会の充実」について、改めて確認します。
先日、聖教新聞に掲載された青年部と医学者のオンライン会議で、「対面」と「オンライン」の使い分けが語られていました。「対面」は、オンラインでは伝えきれない思いを感じやすく、触発がしやすくなる。「オンライン」は、たとえ移動中でも、どこでも参加することができる。今後は、こうした特性を生かした使い分けが重要です。
10月以降は、会館や大型会場での座談会も積極的に開催しながら、「どんな状況でも広布を進める」との強き一念で前進してまいりたい。
今月は「久々に会えた」「久々につながった」という喜びが大きかったと思いますが、来月以降は「内容が充実したのか」、そして「参加者が増えたのか」が重要です。
SOKAチャンネルVODも活用し、また活動体験も組み入れながら、何より参加者増へ訪問激励に徹しながら、座談会を充実させてまいりたい。
10月号の「大白蓮華」巻頭言には「さあ、大聖人が任せてくださっている誓願の地区から、あの友もこの家も、勝利と栄光の港へ」とありました。全幹部が「わが誓願の地区」に入り、そして地区の同志と団結しながら、全ての地区が創立記念日を勝利で飾っていきたい。
一、さらに友好拡大についても、まずはリーダー自らが率先して、対話に打って出ることです。コロナ禍だからこその苦労もある。また、工夫もある。自ら動いて、その苦労と工夫をありのままに語りながら、皆を元気づけてまいりたい。
そして、拡大に先駆する方を最大にたたえ、励ますことです。「私の広布拡大」で創立90周年を祝賀しようと、折伏・聖教拡大・友好対話に挑戦されている同志が、数多くいらっしゃいます。その同志の頑張りを伝え、共有することが、皆の勇気につながります。
栄光の「11・18」へ、「対話の数」を増やし、そして「対話に挑戦する人」を増やしていきたい。
一、最後に、財務について申し上げます。
日蓮大聖人は、真心の御供養を届けた南条時光に「御心ざしは麦にはあらず金なり・金にはあらず法華経の文字なり」(御書1541ページ)と、供養する「心ざし」こそが限りない福徳の源泉であることを教え、最大にたたえられました。
そして今、コロナ禍にあって、経済的にも大変な中、広宣流布のためにと赤誠の「心ざし」をされる。その功徳は、御聖訓に照らして計り知れません。
広布部員の申し込みをされた方々を、真心込めて最大に励ましてまいりたい。無事故で福徳あふれる財務となるよう、私も真剣に祈ってまいります。
一、創立90周年の佳節を飾るためにも、また次なる戦いを断固、勝利するためにも、全リーダーが励ましに徹することができるのか。この10月の戦いが非常に重要です。
皆が大勝利で「11・18」を迎えられるよう、全力で「訪問激励運動」を展開しようではありませんか。

2020年10月9日金曜日

2020.10.09 わが友に贈る

気温の低下に注意し
体調管理を聡明に!
上着を1枚多く羽織る等
身近なことから工夫を。
健康こそ前進の源だ!

撰時抄 P284
『七百余年いまだきかずいまだ見ず南無妙法蓮華経と唱えよと他人をすすめ我と唱えたる智人なし』

【通解】
(日本に仏教が伝来してから大聖人の時代にいたる)七百余年の間に、南無妙法蓮華経と唱えよと他人にすすめ、自らも唱えた智者は、いまだ聞いたことも見たこともない。

名字の言 人が写真を見たくなる理由 2020年10月9日
公開中の映画「浅田家!」のテーマは「家族」である。ユニークな家族写真を撮り続けてきた写真家・浅田政志さんの実話を基にした物語だ▼主人公が東日本大震災の被災地で、写真洗浄のボランティアに汗を流す場面がある。泥をかぶった写真をきれいにして戻すと、持ち主は目を潤ませる。家族との思い出がよみがえるのだろう。かつて浅田さんは本紙のインタビューに答え、人が写真を見たくなる理由を"自分の大切な何かを確認するため"だと言った▼学会員宅を訪れると、それを実感する。池田先生と本人や家族がカメラに納まった一枚を目にする時だ。「写真を見つめては、あの日の励ましを思い出し、どんな苦難も乗り越えてこられたんです」と語る友は少なくない▼先生が同志との記念撮影会を開始したのは1965年。これまで何人と記念撮影したのかを今春、本紙記者が調べたところ、最初の8年3カ月で少なくとも延べ71万8550人に及ぶことが分かった▼「記念撮影は同志との無言の誓いです」と、先生は語っている。写真は過去の記憶と共に、その時の「心」まで呼び起こす。「原点」を持てる人は幸福である。そしてその「原点」を、"創価家族"という無数の庶民と分かち合ってきた師の偉大さを思う。(恭)

寸鉄 2020年10月9日
「声を聞いて心を知る」御書。会って話せば真心が伝播。さあ訪問激励へ
山口開拓指導、開始の日。若師子よ拡大の先頭に!不撓不屈の闘魂を赤々と
逞しき英知光る創大祭。希望の未来は君の腕に。創立の志胸に世界へ飛翔
「3密」や大声の会話等は感染のリスク大—分科会食事の時など防止策徹底
台風が西・東日本に接近。油断排し万全の備えを。無冠の友よ絶対無事故で

☆忘れ得ぬ旅 太陽の心で 第9回 埼玉
月刊誌「パンプキン」誌上の池田先生の連載エッセー「忘れ得ぬ旅 太陽の心で」を紹介する本企画。今回は「埼玉——『彩』の人材輝く天地」〈2012年12月号〉を掲載する(潮出版社刊の同名のエッセー集から抜粋)。きょう29日は、先生が第1回「埼玉青年平和文化祭」に出席した「埼玉青年部の日」。本年は35周年の佳節である。当時の参加者は今、「鉄桶の団結」を誇る埼玉の中核として活躍。後継の若人も陸続と育っている。先生はエッセーの中で、地域性と独自性が光る「彩の国」の特色に触れ、異なる個性を尊重しながら力を合わせる「異体同心」の生き方が「差異」から「彩」を生み出していくとつづる。わが地域を、彩り豊かな多様性の天地に——。共に人間を信ずる心、生命を尊ぶ心で、あの友この友と手を取り合って進みたい。

天晴れて
 埼玉道は
  輝けり
 勝利と栄光
  胸に光りて

十代の頃の私にとって、埼玉の道は「希望の道」であり、「感謝の道」でありました。
第二次世界大戦後の厳しい食糧難の時期、私の兄の友人で農家のご一家が飯能におられ、イモなどを親切に分けてくださったのです。
たくさんの食糧を背負っての帰り道、父母や弟妹の喜ぶ顔が嬉しく心に浮かびました。終生、忘れることのできない埼玉の人情です。
埼玉は「江戸の母」と呼ばれてきました。その豊かな大地と、尊き労苦がもたらす農作物や特産品は、今日でも、東京、首都圏の人々の生活を間近で支えてくれています。

◇師子の如く
〈池田先生は、恩師・戸田先生の苦境を打開するため、同志と共に希望の哲学を学ぶため、幾度となく埼玉へと通った若き日々を述懐。師子の如く、何ものも恐れず、勝利の人生をと呼び掛ける〉
わが埼玉の道は「不屈の道」であり、「前進の道」でもあります。
一九五〇年、戦後経済の混乱のなかで、私の恩師・戸田城聖先生の事業も最大の苦境に陥りました。その行き詰まりの打開のために、先生の知人が多い大宮へ何度となく奔走したのです。
当時の日記に、私はこう記しました。
「私は再び、次の建設に、先生と共に進む。唯これだけだ。前へ、前へ、永遠に前へ」「歓喜で働ける日、苦しみながら戦う日、様々だ。だが、これ程、真剣に戦えば、絶対に悔いはない」
この渾身で走り抜いた「青春の道」に、愛する埼玉の青年たちが、今、はつらつと続いてくれています。
さらに、わが埼玉の道は「向学の道」であり、「連帯の道」でもあります。
埼玉を思う恩師の命で、二十三歳の私は、川越に通って、荒廃した時代を懸命に生きる、けなげな庶民の友たちと、生命尊厳の哲学、希望の哲学を楽しく真剣に学び始めました。それは足かけ三年にわたりました。
「師子王は百獣にをぢず・師子の子・又かくのごとし」——同じ生きるのならば、百獣の王・ライオンの如く、何ものも恐れず、何ものにも負けず、勝利の人生を生き抜いていこう! と、皆で学び合い、励まし合い、希望と勇気のスクラムを広げてきたのです。
私にとって、青春時代からの変わらざる友人のご一家が、幾多の試練を乗り越え、お子さんへ、お孫さんへと、信念を受け継ぎながら、勝ち栄えている姿は、何にも代え難い喜びなのです。

◇「何でもこい!」
〈埼玉には、輝く女性の群像がある。戦国時代、「鉄桶の団結」で豊臣秀吉軍から忍城(行田市)を守り抜いた中心には、若き乙女がいた。近代には、女性の社会進出の道を開いた先駆者を数多く生み出している。池田先生は、そうした歴史や埼玉の一婦人の歩みに言及するとともに、多様性あふれる「彩の国」の地域性などを称賛。「異体同心」の心を大切にしながら、「創造の道」「勝利の道」を共々に進みゆこうと結んだ〉
私と妻がよく知る埼玉の婦人は、苦悩の連続の人生でした。心因性の心臓病を患い、一日に幾度も発作を起こしました。医者にも見放されて、寝たきりになったこともあります。そこから、「希望」を心の薬として、「よし!」と奮い立ったのです。夫が会社を退かざるをえなくなり、食事もおぼつかないほど困窮したこともありました。それでも友と励まし合いながら、「何でもこい!」と勇気に燃えて生きてきました。
病気や悩みを抱えた友のために、埼玉各地を駆け巡りました。気がつくと、風邪もひかないほど健康になり、境涯が変わっていたのです。
「いろいろ苦しみを味わってきましたが、それが生かされています。かえって幸いでした」とは、この母の実感でありました。
埼玉には、日本の都道府県で最多の四十もの市があります。二十三の町村を含めて、大都会あり大自然あり、日本の縮図です。
それぞれに、光る地域性や独自性があります。まさに「彩の国」の愛称にふさわしい、カラフルな多様性の天地です。
私の友人で、「色彩の魔術師」と呼ばれる英国の絵本作家ワイルドスミス画伯の展覧会も、さいたまスーパーアリーナで行われました。
画伯は「子どもたちの目を周囲にある美とか喜びに向けてあげることですね」と強調されています。いろいろな色彩を組み合わせると、これほどきれいなのか——そうした発見が、子どもの創造性を伸ばしていくからです。
私は、埼玉の友と「異体同心」という言葉を大切にしてきました。それは、異なる個性を生かしながら、共に人間を信ずる心、生命を尊ぶ心で、力を合わせていく生き方です。言うなれば、「差異」から「彩」を生み出していくのです。
縁も深き「彩の国」の仲間たちと共に、私は、これからも希望の光に満ちた「創造の道」「勝利の道」を明るく賑やかに進んでいきたいと願っています。

あの山を
 また この谷を
  乗り越えて
 埼玉勝利を
  夢の凱歌を

(『忘れ得ぬ旅 太陽の心で』第1巻所収)

2020年10月8日木曜日

2020.10.08 わが友に贈る

病と闘う皆さま
断じて負けるな!
「妙とは蘇生の義なり」
大確信の祈りを重ね
変毒為薬の実証を!

神国王御書 P1521
『日蓮此の事を疑いしゆへに幼少の比より随分に顕密二道並びに諸宗の一切の経を或は人にならい或は我れと開見し勘へ見て候へば故の候いけるぞ』

【通解】
日蓮はこの事に疑問を持ったために、幼少のころから顕密二教をはじめ、諸宗の一切の経教を懸命になって、あるいは人に学び、あるいは自分一人で開いて見て考えたところ、その理由があることを知ったのである。

名字の言 人権の闘士は「よく人の意見を聞く人」だった 2020年10月8日
「氏は、よく人の意見を聞く人でした。たとえ相手が言うことに全面的に賛成できなくても、途中で遮ることなく、最後までじっくり話を聞くのです」▼氏とは、ノーベル平和賞受賞者のネルソン・マンデラ氏。27年半、1万日に及んだ獄中生活を耐え抜いた「人権の闘士」である▼氏と親交が深かった、ローマクラブ共同会長のマンペラ・ランペレ博士のインタビュー記事(本紙9月17日付)を読み、マンデラ・スマイルと呼ばれた氏の笑顔がよみがえった。「よく人の意見を聞く人」だったからこそ、あらゆる人種や民族が共存する「虹の国」(南アフリカ)へ導くリーダーシップを発揮できたのだろう▼「相手の話を聞くためには、自分の位置を相手の立場まで移動させなければなりません」。童謡詩人の矢崎節夫さんが教えてくれた。「だから『理解する』とは、英語で『understand』——『下(under)』に『立つ(stand)』と書くのです。自分中心ではなく、相手の立場に立つと、とても大切なことが見えてきます」▼人間の口は一つだが、自分が話すことの2倍、相手の話を聞くために耳は二つあるといわれる。「耳」で聞いたことを「心」で受け止める「聞き上手」でありたい。これを実践する人が「励ましの人」である。(川)

寸鉄 2020年10月8日
「一句妙法に結縁すれば億劫にも失せず」御書。勇敢に仏種をまく対話を
中国方面「師弟原点の日」開拓精神こそ創価の魂!新たな共戦譜をここから
青年は何かで第一人者になる執念を持て—恩師。十年一剣を磨き勝ち進め
エスカレーターでの子の転倒に注意。保護者は手を離すな。慌てず歩かず
小中学校教室93%に冷房公明の国・地方の連携で大きく前進。光る実現力

〈社説〉 2020・10・8 人間とコンピューターの違い
◇"やりたい"から始まる行動
人間とコンピューターなどのシステムとの違いは何か。あらゆる領域でインターネットの活用が進む今こそ、一度立ち止まって考えてみたい。
筑波大学准教授の落合陽一氏は、"これからの世界"を「デジタルネイチャー」の世界と呼び、次のように述べる。「コンピュータやインターネットなどのデジタルな情報があふれ人工物と自然物が垣根なく存在する環境が、人間にとっての『新しい自然』だということです」(『働き方5・0』小学館新書)
本年、世界規模の新型コロナウイルスの感染拡大により、私たちの日常は大きく変化し、オンラインの活用も進んだ。初めて、LINEやZoomなどのアプリを使った、オンラインでのコミュニケーションを経験した人も多い。先月の「世界青年部総会」も、インターネットで世界を同時に結んで開催された。
落合氏は、システムにはなく、人間だけが持てるものは、"これがやりたい"という「モチベーション(動機づけや目的意識)」だと指摘する。コンピューターは、作業を指示されれば、疲れ知らずで動き続けるが、自ら何かをしたいと考えることはできない、と。
創価学会にあっては、私たちは「一生成仏」を懸け、「広宣流布」を目指し、日々の活動に励んでいる。それは、自分の人生を通して最高の幸せを実感したい、縁を結んだ一人一人にも最高の人生を歩んでほしいという、崇高な「モチベーション」から発する実践ともいえる。
本紙で連載中の「世界の友は今」では、各国のSGI(創価学会インタナショナル)の取り組みを紹介している。どんな状況になっても、広宣流布を止めず、前へ前へと進み続ける、各地の同志の姿に、感動が広がっている。
私たちの強く深いモチベーションの源泉は、地涌の菩薩としての「誓願」にある。広宣流布を自分の「使命」と決め、誓うからこそ、無限の力が湧き上がる。
池田先生はつづっている。「誓願とは"自ら発す"ものだ。生命内奥から烈々と響かせゆく誓願の題目こそ、元品の無明を打ち破り元品の法性を顕す音声といってよい」
自分の人生は、自分にしか生きられない。だからこそ日々の祈りで誓願を深めながら、何事も"やらされる"のではなく、"やりたい"とポジティブ(積極的)に歩みたい。その目的意識があれば、対面でもオンラインでも、あらゆる手段を能動的に使っていける。
たとえ困難があっても、自ら決めて意欲的に取り組む——そうした日々の積み重ねが、私たちにしか発揮できない「人間らしさ」を磨くことにつながる。

☆みんなで学ぶ教学 第11回 異体同心
◇皆の個性輝く勝利の証し
今回の「みんなで学ぶ教学」は、「異体同心」をテーマに学びます。多様で多彩な人々が集まる創価学会の、団結の要諦について学んでいきましょう。おや、新会員のリホさんがお母さんへの誕生日プレゼントを買うために、花屋を訪れ、地区婦人部長のユリコさんにばったり会ったようです。

ユリコ あら、リホさんもお花を買いに来たの? 偶然ね!

リホ そうなんです。お母さんの誕生日が近いので、すてきな花束を買いに来ました。花は1種類でもきれいなのに、たくさんの種類の花が集まると、こんなにきれいな花束になるんだなあと思って、見とれていました。

ユリコ 本当にその通りよね。いろんな花が集まっている花束を見ると心が華やぐわ。一つ一つは違う種類だけど、お互いに生かし合っている気がするわね。

リホ たしかにそうですね。そういえば、以前から「すてきだな」と思っていたんですけど、創価学会も、世代や性格、職業も違う人たちが集まっていますよね。しかも同じ目的に向かって仲良く団結していて、すごいことだと感じます。

ユリコ それが学会の魅力の一つよね! まさに「異体同心」の集いといえるわ。

リホ 異体同心……。たしか、すごく団結しているという意味でしたっけ?

ユリコ 一言でいうと、そういうことになるかもしれないわね。「異体」とは個性や特質、立場が異なることで、「同心」とは志や目的を同じくすることよ。学会は多様な人たちが集まって、広宣流布という一つの目標へ向かって進んでいるの。

リホ なるほど。でも、それは簡単なことではないですよね。考え方や生き方は人それぞれですし、中にはどうしても価値観が合わない人もいるかもしれませんし……。

ユリコ もちろん、「無理やり仲良く」という意味ではないわ。中には「苦手だな」と思う人もいるかもしれない。でも、そういう人がいることも大事なことなの。"好き嫌い"という感情を超えて、お互いの「違い」を尊重し、理解して、広宣流布という一つの目標に心を合わせて前に進んでいく。そこに一人一人の成長もあるのよ。

リホ そうなんですね。たしかに、自分と違う価値観を持った人からは、自分にはない考え方を学ぶことができます。

ユリコ 自分と違うからこそ、自分と違う力を持っているとも言えるわよね。日蓮大聖人は「異体同心なれば万事を成じ同体異心なれば諸事叶う事なし」(御書1463ページ)と仰せよ。
一人一人が個性を発揮して、心一つに目標に向かって挑戦すれば、どんなに困難なことでも成し遂げることができる。反対に、どんなに表面的に団結しているように見えても、心がバラバラであれば何事も成し遂げられないとの教えよ。

リホ 初めて創価学会の座談会に参加した時、年齢も職業も違う人たちが集まっているから、不思議な安心感を覚えました。何か自分のことを認めてくれている感じというか……。

ユリコ 学会には異体同心の精神が脈打っているからこそ、"全員が広布の人材"という意識が強いんじゃないかしら。だからこそ一人一人が、信心によって最高に個性を輝かせることができるの。リホさんにその心が伝わったのかもしれないわね。
池田先生は「その時、その時において異体同心の姿を現していること自体が、『広布勝利の証明』であり、『広布伸展の精華』なのです。すなわち、異体同心は『勝利への要諦』であるとともに『勝利の証明』でもあるのです」と語っているわ。

リホ だから、学会の皆さんといると、この花束のように、心が華やぐんですね。私も、異体同心の団結に貢献できるよう、頑張っていきます!

ユリコ すでに貢献しているわよ! きれいな一輪の花のような、リホさんのみずみずしい求道心に、いつも心が洗われるわ。

☆質問BOX 仕事などで会合に参加できない時があります。
◇回答
デジタル化が急速に進み、人々のライフスタイルも多様化しています。オンラインを活用し、新たな人が会合に参加できるようになった一方、さまざまな事情により、どうしても参加できない方もいるかもしれません。
会合などの学会活動に参加することは重要なことですが、一人一人がそれぞれの場所で、勝利の実証を示すことも大切な挑戦です。
池田先生は「大事なのは、心が広宣流布へ向かっていることです。『きょうは学会活動に行けないけれども、すべて信心の戦いと思って、仕事に全力を尽くそう』『休日は会合に参加できるよう頑張ろう』『皆の前進のために一分でも題目をあげよう』——そう思えれば、勝利です」と語っています。
たとえ会合に参加できなくとも、同じ目標に向かって、心一つに前進していきましょう。

2020年10月7日水曜日

2020.10.07 わが友に贈る

最も大変なところへ
真っ先に足を運ぼう!
それが真のリーダーだ。
創価の人間主義の輝きは
迅速な行動の中にある。

上野尼御前御返事 P1576
『生提女と申せし女人は慳貪のとがによつて餓鬼道に堕ちて候いしが目連と申す子にたすけられて餓鬼道を出で候いぬ、されば子を財と申す経文たがう事なし』

【通解】
青提女という女人は慳貪の罪によって餓鬼道に堕ちていましたが、目連という子に助けられて餓鬼道を出ることができました。それゆえ子を財という経文は間違いではありません。

名字の言 日本人が「幸せ」を感じない理由とは? 2020年10月7日
国連が本年3月に発表した2020年版「世界幸福度報告」では、フィンランドが3年連続で首位に。一方で日本は62位だった▼17年の51位から3年連続で順位が後退する日本で、近年、特に評価が低い項目が「寛容さ」。その要因について、桜美林大学の山口創教授は「人とのつながりが少ないこと」を挙げる。人とつながることは幸福感に必要不可欠の要素であり、反対に「孤独は心と体の健康にとって最大の敵」と指摘する▼孤独を回避するには、たまに会う遠くの友よりも「身近な人に目を向けて交流することが必要」と山口教授は強調する。「色々なことを気兼ねなく話し、大変なときはすぐに支え合うことができるような密な関係が求められている」と(『手の治癒力』草思社文庫)▼昔から"遠くの親戚より近くの他人"といわれる。もちろん、親戚や家族が近くにいるのに越したことはないのだろうが、そうとは限らない。そんな時、何かあれば助けてくれる近隣の友人がいれば、どれほど心強いか。その結び付きが人生を豊かにし、自他共の幸福を開く力となる▼私たちが互いに励まし合う日々の学会活動は、地域を支える安心・安全のネットワークでもある。"誰も置き去りにしない"との心で、わが地域に幸の語らいを広げよう。(銘)

寸鉄 2020年10月7日
学会から民衆の力の偉大さを学んだ—台湾識者。共生世紀を草の根対話で
「皆共に仏道を成ぜん」御書。共に挑戦、共に向上の気概で励まし合い前進
「滋賀の日」25周年。湖国に輝く人材城。さあ常勝の新たな歴史開く拡大を
勝利島部の日。日本一の幸福島の建設を私から!地域の灯台と光る賢者よ
2割が個人情報流出等の被害経験。犯罪は巧妙化。暗証番号の使い回し厳禁

〈社説〉 2020・10・7 きょう「勝利島部の日」
◇「一人立つ」同志の敢闘に学ぶ
地球規模での感染症の流行、気候変動による災害の大型化など、激動の中で、きょう「勝利島部の日」を迎えた。
1978年(昭和53年)の10月7日、全国約120島の代表が学会本部に集って行われた離島本部(当時)の第1回総会が、「部の日」の淵源である。
この時、池田先生は「我並びに我が弟子・諸難ありとも疑う心なくば自然に仏界にいたるべし」(御書234ページ)との「開目抄」の一節を通し指導。この御文を胸に刻み、"未来永遠に栄えゆく一家一族の福運の根っことなって活躍を"と願った。遠来の同志に「信心の極理」を語り残したのである。
それから42年。勝利島部の友は、師との原点を胸に「広布のモデル」づくりに励み続ける。
学会弾圧に耐え抜いて信頼を広げ、広布先進地域を築く鹿児島・奄美の地では、信心根本の知恵と団結力で現代の"諸難"に立ち向かっている。
奄美光城県は、奄美大島をはじめ、喜界島、徳之島、沖永良部島、与論島などを含む奄美群島で5圏の同志が活動に励む。
コロナ禍を機に、各島のリーダーでオンラインのグループを。その上で、少人数で集う場や個人ともつながり、協議や連絡に活用できるようにした。
9月上旬、超大型の台風10号に際しては、防災上の注意など、情報を各島で共有。心一つに全島民の無事を祈念した。
台風は、最悪の予想コースをそれ、勢力も衰えた。適切な備えも奏功して被害は最小限に。全て同志が祈った通りになった。
島と島の心のつながりは、一段と強まり、9月からは各島をオンラインで結んでの御書学習も開始。「御書根本」の奄美の伝統が、より広がりを見せている。
一方で、少人数でも地道に信仰を貫く小さな離島がある。
長崎県平戸の度島には、学会員は多宝会の一婦人のみ。だが"なくてはならない一人"である。
婦人は長年、地区婦人部長を務め、船で約35分かけて地区拠点のある平戸島まで渡り続ける。そこで会合に参加し、婦人リーダーと共に訪問激励の歩みを運ぶ。
地元の度島では、食生活改善推進委員、脳トレのサポーターとして島民の健康増進に寄与。さらに生け花講師のボランティアなどで幅広く活躍する。今年3月には創価大学通信教育部を卒業した。
はつらつと地域貢献に励むのは「周りが笑顔になれば、自分も元気になれるから。学会活動と同じですね」と語る。
池田先生は、島の広布に尽くす友を「『一人立つ』という仏法の真髄に生き抜いた方々」とたたえる。
難をも前進の糧にして敢闘する勝利島部の同志に学び、今いる場所で、新時代の地域広布に勝利していきたい。

☆ロータスラウンジ 第18回 勧持品第十三
◇一人立つ死身弘法の人が仏になる
法華経について、皆で学び、深めよう——「ロータスラウンジ——法華経への旅」の第18回は、「勧持品第十三」です(前回は8月25日付。原則、月1回掲載)。

■大要
「見宝塔品第十一」で、釈尊が滅後の弘通を託したことを受けて、「勧持品第十三」では、声聞や菩薩たちが弘通を誓います。その誓いの中で、法華経の行者に迫害があることを「二十行の偈」として述べます。それでは内容を追ってみましょう。

●シーン1
薬王菩薩と大楽説菩薩が、眷属の2万の菩薩と共に誓います。
「お願いです。釈尊。どうか心配なさらないでください。仏が入滅された後、私たちが必ず法華経を持ち、説いていきます。
その時、人々は、善根が少なく、慢心が多く、利益を貪り、覚りから遠く離れていることでしょう。
たとえ教え導くことが困難でも、私たちは勇敢に耐え忍び、不惜身命で、法華経を語り抜きます」
続いて、記別(仏が弟子の未来の成仏を保証すること)を与えられた声聞たちが、「他の国土で広く法華経を説きます」と誓います。
同じように、8千人の学(まだ学ぶものがある者)と無学(もう学ぶものがなくなった者)は、「娑婆世界は人心が乱れていて、やりにくいので、私たちも他の国土で頑張ります」と誓います。

●シーン2
釈尊の叔母にあたる摩訶波闍波提比丘尼と学・無学の6千人の比丘尼(女性の出家者)たちが、一心に合掌し、釈尊を見つめています。
釈尊は、摩訶波闍波提比丘尼に語ります。
「どうして、そんな憂い顔で私を見るのだ。全ての声聞に、記別を与えたではないか。それでも未来の成仏を知りたいのなら教えよう。
将来、あなたは法華経の大法師となって菩薩の道を行じ、一切衆生憙見如来という仏になるであろう。
他の比丘尼たちも、同じように、覚りを得るであろう」
今度は、釈尊が出家する前の妻である耶輸陀羅比丘尼にも「あなたは、具足千万光相如来という仏になるであろう」と告げます。
摩訶波闍波提比丘尼、耶輸陀羅比丘尼、そして眷属の比丘尼たちは大歓喜しました。

●シーン3
今度は菩薩たちが、釈尊の前に進み、合掌して、心の中で思います。
"もし仏が私たちに、法華経を持ち弘めよと、ご命令になったら、仏の教え通りに、法華経を弘めよう"
まだ、釈尊は黙然としています。
"仏は黙って、何も命令してくださらない。どうしたらいいんだ"
菩薩たちは決意を固めます。
"仏のお心にお応えしよう"
"自分の本来の願いに生きよう"
そして誓いを師子吼します。
「私たちは釈尊が入滅された後、悪世の中で法華経に説かれる通り修行し、十方世界に、この法華経を弘めてまいります!」

●シーン4
ここから「二十行の偈」<「唯願不為慮」(法華経417ページ)から最後「仏自知我心」(同421ページ)まで>が始まり、法華経を弘める者を迫害する「三類の強敵」を示していきます。
「諸の無智の人の 悪口罵詈等し 及び刀杖を加うる者有らん」(同418ページ)——「俗衆増上慢」
「悪世の中の比丘(男性の出家者)は 邪智にして心諂曲に 未だ得ざるを謂いて得たりと為し 我慢の心は充満せん」(同ページ)——「道門増上慢」
「或は阿練若に 納衣にして空閑に在って 自ら真の道を行ずと謂いて 人間を軽賤する者有らん」(同ページ)——「僭聖増上慢」
更に「僭聖増上慢」の振る舞い、迫害の具体的な様相を示します。
"利得に執着し貪るために、在家の信者に教えを説き、超人的な力を得た阿羅漢(小乗の覚りを得た最高位の声聞)のように世の人々に尊敬されている"——自分が儲けるために、聖者のふりをしている。
"この人は悪心をもって、いつも世俗のことを気に掛け、閑静な場所に住んで修行しているとは名ばかりで、法華経の行者の過失を好んで作り出そうとしている"——デマで法華経の行者を陥れる。
"「利得を貪るために、外道の論を説いて、自らこの経典(法華経)を作り、世間の人々を迷わせ、名声を求めるために、いろいろ考えてこの経を説くのである」との作り話で法華経の行者を批判する"
"いつも大勢の人々の中にあって、法華経の行者を謗ろうとするために、国王、大臣、婆羅門、居士やその他の比丘たちに向かって、私たちを誹謗し、私たちの悪を説いて、「これらの人は邪見の人であり、外道の論議を説いている」と言う"——権力者、有力者と結託して、世間に向かって、法華経の行者の誹謗・中傷を繰り返す。
"「あなた方は皆、仏である」と悪口を言う"——万人の仏性を信じられない者たちが、"仏に成れるわけがないのに成れるなどと、法華経の実践者たちが言っている"と皮肉って揶揄する。
"濁った時代の悪世には、多くの恐怖がある。悪鬼がその体に入り(悪鬼入其身)、私たちを罵倒し、非難する"
"濁世の悪僧たちは、仏が種々の法を方便として説いたということを知らず、法華経の行者の悪口を言い、眉をしかめ、しばしば追放(数数見擯出)し、塔や寺から遠ざける"
このように、迫害について細かく記されていますが、その間に、「我等は皆当に忍ぶべし」「皆当に忍んで之を受くべし」等と、誓いの言葉がちりばめられています。
中でも"「忍辱の鎧」を着て、「我は身命を愛せず 但無上道を惜しむのみ」の精神で、法華経を説きます"と、力強く誓いを述べています。
更に「我は是れ世尊の使なり 衆に処するに畏るる所無し 我は当に善く法を説くべし 願わくは仏よ安穏に住したまえ」——"釈尊の使いという誉れを自覚した時、恐れることなく最善を尽くして法華経を弘めるだけです。どうか安心してください"と述べます。
「勧持品」は、「三類の強敵」が示されるだけでなく、使命に目覚めた弟子の誓いが輝いているのです。

【『法華経の智慧』から】 「偉大なる凡夫」として生きる
仏法の究極も「偉大なる凡夫」として生ききることにある。自分の命を与えきって死んでいく。法のため、人のため、社会のために、尽くして尽くしぬいて、ボロボロになって死んでいく。それが菩薩であり、仏である。
「殉教」です。何ものも恐れず、正義を叫びきることです。人を救うために、命を使いきることです。この心なくして、「仏法」はない。

象徴的に言えば、人を火あぶりにするのが僭聖増上慢です。それに対して、人を救い、社会を救うためには、自分が火刑に赴くのも辞さないのが法華経の行者です。大聖人がそうであられた。牧口先生、戸田先生がそうであられた。
戸田先生はよく言われていた。「三類の強敵よ、早く出でよ。その時こそ、ともに喜び勇んで、敢然と戦おうではないか」と。
勧持品二十行の偈で、菩薩たちは「我れは身命を愛せず 但だ無上道を惜しむ」と誓っています。不惜身命の人が成仏するのです。今、一人立つ死身弘法の人が仏になるのです。(普及版<中>「勧持品」)

【コラム】 身読——法華経の行者の証明
日蓮大聖人は、悪口罵詈や諸宗の僧らによる迫害など、経文通り「三類の強敵」による難に遭われました。
「日蓮・法華経のゆへに度度ながされずば数数の二字いかんがせん、此の二字は天台・伝教もいまだ・よみ給はず況や余人をや」(御書202ページ)と仰せの通り、伊豆流罪と佐渡流罪を受けることで「勧持品」にある「数数見擯出」の文を身読されたのです。
大難と経文が符合しているということは、法華経が、末法における大聖人の御出現とその御振る舞いを予言した経典であるということです。
また逆に、大聖人が、法華経を身読されたことで、法華経が虚妄にならずにすみ、釈尊の言葉が真実であることを証明したことになるのです。
だからこそ、「日蓮は日本第一の法華経の行者なる事あえて疑ひなし」(同284ページ)と御断言なのです。
「二十行の偈」は、大聖人こそ真の「法華経の行者」であることを証明する経文なのです。