2021年5月15日土曜日

2021.05.15 わが友に贈る

向かい風があってこそ
飛翔する力が生まれる。
苦難に挑むからこそ
鍛えと成長がある。
朗らかに日々を勝とう!

阿仏房御書 P1304
『多宝如来の宝塔を供養し給うかとおもへばさにては候はず我が身を供養し給う我が身又三身即一の本覚の如来なり、かく信じ給いて南無妙法蓮華経と唱え給へ、ここさながら宝塔の住処なり』

【通解】
多宝如来の宝塔を供養されるかと思えば、そうではありません。あなたは、わが身を供養しておられるのです。わが身がまた三身即一身の本覚の仏なのです。このように信じて、南無妙法蓮華経と唱えていきなさい。その場所が、そのまま、宝塔の場所なのです。

名字の言 金工作家・宮田亮平氏がイルカの作品を作り続ける理由 2021年5月15日
東京芸術大学の学長、文化庁長官などの要職を務めた宮田亮平氏。著名な金工作家であり、東京駅の待ち合わせ場所の目印として知られる「銀の鈴」(4代目)の作者でもある▼数多くの作品の中でも有名なのは、イルカをモチーフにしたものであろう。大学受験で故郷の佐渡から上京する際、船と並行して泳ぐ群れを見たことが、きっかけだという▼多彩な作品に挑戦する中、イルカだけは繰り返し、作り続けている。なぜか。それが、目まぐるしく変化する環境にあって、自分の立ち位置を確かめる「定点」になるからだ(『イルカのごとく』新潟日報事業社)▼同じものを作り続けると、「マンネリ」に陥ることもあれば、「シリーズ」に昇華する場合もある。その違いは、取り組む自分自身の心と姿勢が"退歩"しているか、"進歩"しているかにあるのだろう▼氏も「慣れたものをつくっていれば失敗しない。でも安定したものをつくるというのは退化することだ」と述べる。私たちの「進まざるは退転」という言葉とも重なる。常に信心の原点に立ち返り、誓い新たに信行学に励みたい。氏の作品を載せた書籍を手にした。イルカの作品群のタイトルは「シュプリンゲン」。ドイツ語で「飛翔」を意味する。

寸鉄 2021年5月15日
「師子王の剛弱を嫌わずして大力を出す」御書。今を全力!これ学会精神
東京・北区の友、頑張れ!必死の一人に皆が続く。創価の北極星よ勝ち光れ
福島県女性部の日。現在の決意と行動に未来が!福光の共戦譜をつづろう
戦争は悲惨、平和は尊し。草の根の立正安国の対話更に。沖縄本土復帰の日
公明、予約の体制強化へ各地で緊急要望。国と方が連携し人知を尽くせ

〈社説〉 2021・5・15 きょう「国際家族デー」
◇心はずっと側に居続ける
きょう15日は、国連の「国際家族デー」。各国が家族に関する問題についての認識と理解を深め、解決に向けた行動を促す目的で、1993年(平成5年)に国連総会で制定された。
令和元年度の内閣府の世論調査によると、家庭の役割について「家族の団らんの場」との回答が全体の64・2%と最も多く、次に「休息・やすらぎの場」(63・8%)が多かった。
心身を充実させ、明日への活力を取り戻す――ありふれたことのようだが、家族の在り方や関係性が多様化・複雑化しつつある昨今、こうしたことが難しい現実もあろう。世論調査の結果は、ある意味、願望といえるかもしれない。
とりわけコロナ禍の今は、感染予防のために離れて暮らさざるを得なかったり、職種によっては家庭内でも接触を控える必要があったりする。自粛のストレスから虐待に走るケースも増えている。
まさに、家族のレジリエンス(困難を乗り越える力)が試されている時ともいえよう。
5月1日配信の本紙電子版「WITH あなたと」では、両親のうつ病を経験した沖縄男子部のメンバーのことを紹介した。
母に続いて父もうつ病と診断され、悩みを抱えた彼にとって、男子部の先輩が語った言葉が支えになった。
「信心は、必ず自分自身のためになる。1年後、思ってもみなかった自分になってるよ」
両親の病状が大きく変わることはなかったが、学会活動に励む中で彼の見方が変わる。
「『うつ病ではあっても親父は親父、母さんは母さん』だと思うようになった」
それまで気付けなかった両親の長所に目が向くようになり、ささいなことで笑い合えるようになった。「こんな日が来るとは思わなかった」――と。
家族がどんな状況になっても、味方になり、心は側に居続ける。時には、何も言わず見守ることも必要かもしれない。
あなたがいてくれるだけでいい――その思いが伝わった時、家族の絆は強くなるのだろう。
池田先生は家族について語っている。「さまざまな試練や課題にぶつかったりした時に、立ち返ることのできる『心の港』」と。
家族の幸せを築く「家庭革命」も、一人一人の「人間革命」から始まる。きょうは、それを考える一日としたい。

☆5月度座談会拝読御書 立正安国論
◇拝読御文
『帝王は国家を基として天下を治め人臣は田園を領して世上を保つ、而るに他方の賊来って其の国を侵逼し自界叛逆して其の地を掠領せば豈驚かざらんや豈騒がざらんや、国を失い家を滅せば何れの所にか世を遁れん汝須く一身の安堵を思わば先ず四表の静謐を禱らん者か』(御書全集31ページ16行目~18行目、編年体御書169ページ15行目~17行目)

◇[池田先生の指針から]前進また前進!と快活に
個人の幸福を願うがゆえに、まず社会の平和を祈る。そのために真剣勝負で行動する。この両者を追求し、実現しゆくのが真の宗教です。
惑星の運行に譬えるならば、「一身の安堵」とは「自転」であり、「四表の静謐」とは「公転」に当たります。自転と公転が連動して、大宇宙の調和の軌道が成り立っている。どちらか一方だけということはあり得ません。(中略)
宗教本来の使命とは、個々人の幸福は当然として、広く地域・社会・国家・世界の平和と繁栄に貢献する活躍でなくてはならない。また、真実の宗教は、それだけの力ある「祈り」であり、「実践」なのです。
ただ伽藍に閉じ籠もって、わが身の安泰ばかりを祈るのは、仏法の本義では断じてない。
地球は一瞬たりとも回転を止めない。太陽も一日たりとも昇らない日はない。正しき信仰とは、「前進また前進!」「行動また行動!」と、快活に、生き生きと、人生・社会に価値を創造しゆく源泉なのであります。
私が共に対談集『地球対談 輝く女性の世紀へ』(主婦の友社)を発刊した、アメリカの未来学者のヘンダーソン博士は語られました。
「"皆にとって良い社会を築くことが、結果的に、自分にとってプラスとなる"ことを理解し、自らの生き方とすることが大事なのです」と。
「四表の静謐」のために尽くすことが、そのまま真の「一身の安堵」に通ずる。これが世界の良識が志向している人生の道です。来る日も来る日も、世のため人のため、真剣な対話と行動を重ねている創価の同志は、その素晴らしき模範です。(『御書と師弟』第2巻)

◇安穏な社会の建設へ立ち上がる使命
[キーワード①]民衆こそ国の根本
「立正安国論」の御真筆には、「国」の字の多くに、「くにがまえ(口)」の中に「民」と書く「囻」が用いられています。まさしく、「国の根本は民」であり、「民を離れて国土の安穏はない」という、日蓮大聖人の民衆根本の思想が拝されます。
民衆の幸福を実現するため、一人一人が正法を実践していくことが根幹です。それとともに、社会に大きな影響をもたらす為政者が、民衆根本の精神に立って人々に尽くしていくことが、安穏な社会を築いていく上で欠かせません。
ゆえに大聖人は、拝読御文に「帝王は国家を基として天下を治め」とある通り、為政者には国家を基盤として民衆を守る責務があることを強く訴えられています。大聖人は、たとえ相手が絶大な権力を持つ者であっても、堂々と諫めていかれたのです。
自身の幸福だけでなく、平和な社会を築くため、人々の幸福のために、積極的に社会に関わっていく。ここに仏法者の使命もあります。
主権在民の現代にあっては、国民一人一人が「国主」です。ゆえに、地道な対話によって、正法を人々の胸中に打ち立てていく行動に、「立正安国」の精神は脈動します。
本抄は、「主人」との対話で正法に目覚めた「客」が、自らも広布に生き抜く誓いの言葉で結ばれます。誠実な語らいは、必ず相手の心に変革をもたらす――。この確信を胸に、私たちもまた、友の善性を触発し、共に安穏な社会の建設に立ち上がる仏縁の拡大に挑んでいきましょう。

[キーワード②]後継の誇りを胸に
自然災害や深刻な飢饉、疫病の流行――相次ぐ災禍によって苦しむ人々を目の当たりにされた日蓮大聖人が、"断じて全民衆を救わずにはおかない"との真情で認められたのが本抄です。
拝読御文の直前で大聖人は「国土乱れん時は先ず鬼神乱る鬼神乱るるが故に万民乱る」との仁王経の文を引かれています。「鬼神乱る」とは、現代的にいえば、人間生活の基となる思想・哲学の乱れです。
社会全体を混乱させる根源の因。それは、人間の生命力を弱める"悪しき思想"であると鋭く洞察されたのです。
大聖人御在世当時、一種の「終末観」として広まっていた末法思想や、現世を「諦観」する念仏思想が広がり、人々の生きる意欲をも奪い去っていました。だからこそ大聖人は、人間を弱める誤った思想を破折し、正しき思想を広める以外に根本的な民衆救済の方途はないと、「立正安国」の大闘争を開始されました。
池田先生は語っています。
「一人一人の生命は限りなく尊極である。『生命軽視』『人間蔑視』の風潮を断じてはびこらせない。どこまでも『一人を大切にする社会』『万人の幸福を実現する社会』を築く。それが二十一世紀の立正安国の実践です」
「あの人は元気だろうか?」と思いやり、声を掛け、励ましと希望の語らいを広げることは「四表の静謐」実現への一歩一歩にほかなりません。私たちの日々の実践は、まさに大聖人の後継の証しでもあるのです。