他者の幸福に尽くす中に
自身の幸福も築かれる。
これが創価の生き方だ。
苦難の時こそ一人立ち
周囲を照らす太陽たれ!
種種御振舞御書 P919
『かかる日蓮を用いぬるともあしくうやまはば国亡ぶべし』
【通解】
この日蓮をたとえ用いたとしても、敬い方が間違っていれば国は滅ぶであろう。
名字の言 婦人の読者から届いた手紙 2021年5月13日
知人らしき3人が語らいながら道を歩いていた。そのうち、1人の女性は白杖を手にしている。次の瞬間、男性が小走りで先を行った。点字ブロックの前方に落ちていた50センチほどの切り枝を、さりげなく取り払い、会話の輪に戻った▼女性も"私のために何かをしてくれた"と、場の雰囲気から察したに違いない。それでも気を使わせまいとする知人らの真心を感じ、あえて談笑を続けているようだった。互いを思いやる真情あふれる光景だった▼ある婦人から本紙に手紙を頂いた。文面には「日々、心に残った記事を原稿用紙に書き写しています」と。続く一文に目がくぎ付けになった。「左目が不自由なので、活字が大きくなりうれしいです」▼"より読みやすく"と、推進した本紙の大文字化。作り手の思いをくんで、婦人が"一文も無下にするまい"と、わずかな視力を頼りに、一文字一文字を、それこそ、わが命に刻むように書写する姿を想像すると、胸に込み上げてくるものがある▼希代のジャーナリストだったW・リップマンの文体は、「(紙よりも)石に彫りこまれるために選ばれた」と評された。本紙も、読む人の心に深く刻み込まれる記事を届け、読者と強い絆を結び合う存在でありたい。
寸鉄 2021年5月13日
皆を味方にする事が広宣流布だ—恩師。智慧と勇気は無限。今日も歴史を
東京・豊島の友が奮闘。師弟の魂刻む地に民衆の勝鬨を!正義を満天下に
苦悩はより大きな完全性への近道—哲人。悩みを成長の糧に。恐れず挑め
急な暑さやマスクによる熱中症に注意。水分・塩分補給など早め早めに対策
有罪確定議員の歳費返還へ法改正めざす—公明。庶民目線で改革の舵取れ
〈社説〉 2021・5・13 各地で頻発する「都市型水害」
◇地域の防災力を高めよう
「わが愛する友よ、われわれが死ぬときには、われわれが生まれたときより、世の中を少しなりともよくして往こうではないか」(内村鑑三「後世への最大遺物」)。日本人で唯一、パナマ運河建設に携わった青山士は、師匠・内村鑑三からこの言葉を学び、土木工学の道を志したという。
1912年(明治45年)、中米パナマから帰国した青山は、東京の抜本的な治水対策として、荒川放水路工事に取り掛かる。岩淵水門で隅田川と分岐し、東京湾へ流れ注ぐ"新たな川"を、ほぼ人力で掘り進める巨大事業。青山は「軍艦たった1艘、それで荒川の水害を除くことが出来る」と、洪水に苦しむ人々の窮状を訴え、17年間で延べ300万人以上が動員された難工事を完遂させた(『機械学会雑纂・36』参照)。
近年は河川の氾濫だけでなく、集中的な大雨で下水が逆流し、建物が浸水被害を受ける「都市型水害」が各地で頻発している。被害発生までの速さが「都市型」の特徴。速やかな安全確保の行動のためにも、事前にハザードマップで避難所を確認しておこう。道路の冠水や、マンホールから水が噴き出すことも考えられる。建物の2階以上に避難するなど、状況に応じて賢明に判断したい。
そうした災害時に重要な役割を果たすのが、地域ぐるみの「水防活動」である。東京・足立区のある地域では6年前、町会・自治会の住民が自主的に水害対策委員会を結成した。専門家のアドバイスを受けながら策定した、災害発生時の行動計画(水害コミュニティ・タイムライン)は、実践的との評価も高い。
また、荒川放水路と隣接する地域で学ぶ小学校の6年生は、「水害から命と町を守る防災マップ」を手作りで作成。身近な危険を見つめ直す内容が大きな反響を呼んだ。地域の防災力を高めていくためには、こうした"より良い社会"を目指す意識変革が不可欠だ。
後世のために奔走した青山を、教育者の南原繁博士は「縁の下の力になって、他人の幸福のために労苦する人」(南原繁「ある土木技師の生涯」)と称えた。人のために尽くす生き方を貫くところに、地域の安全の礎が築かれ、未来の希望が生まれる。まずはできることから着実に備えよう、必ず来る「いざ」という時のために。
☆御書の旭光を 第25回 大理想に生きる青春は幸福
〈御文〉
『願くは我が弟子等・大願ををこせ』(上野殿御返事、1561ページ)
〈通解〉
願わくは、わが弟子らは大願を起こしなさい。
〈池田先生が贈る指針〉
未来部の年代から師弟の道を貫いた南条時光への御聖訓である。熱原の法難も若き賢人として勇敢に戦い、同志を守った。
広宣流布という大願に生きる青春ほど、尊く強いものはない。創価後継とは、人類の幸福と平和への究極の大理想だ。
わが正義の走者よ、心は大地の如く大海の如く、大きく朗らかに伸びゆけ!
☆質問BOX 「創価」という名称には、どのような意味があるのでしょうか?
◇回答
「創価」という名称は、牧口先生と戸田先生による、師弟の対話の中で生み出されました。牧口先生の「最高の価値を創造して最大の幸福を獲得する、それが人生の目的である」という思想が基になっています。
教育者でもあった牧口先生は、全ての子どもが、自らの手で幸福を勝ち取れるように模索していました。そして、日蓮大聖人の仏法こそ、価値創造の力の源泉となると確信し、妙法を根本とした生活法を、「大善生活法」と名づけて広めていかれたのです。
池田先生は「自分の仕事や家庭、地域のなかで成長し、向上し、人間革命をしていく。『今』『ここで』最高の価値を創造していく。そのための信心です」と語られています。
「創価」の精神を胸に、日々の生活の中で自他共の幸福を創り出していきましょう。
☆みんなで学ぶ教学 第16回 価値創造
◇全てが自身を向上させる源泉に
今回の「みんなで学ぶ教学」は、「価値創造」がテーマです。日々の生活を、自分を向上させる前進の糧としていける、希望の哲理について学んでいきましょう。どうやら新入会者のカツヤくんは、帰宅の電車から降りたところのようです。
ユタカ カツヤくん、こんばんは。なんだかうれしそうな顔をしてどうしたんだい?
カツヤ あ、ユタカ支部長! こんばんは。今、帰りの電車の中で小説『新・人間革命』を読んでいたんです。
ユタカ しっかり学んでいて偉いね。通勤電車の中は、人によっていろんな過ごし方があるよね。
カツヤ はい。今までは、なんとなく、ぼーっと過ごしていたんですけど、男子部の会合で、多忙な中、工夫しながら資格試験の勉強をしている人の話を聞いたことを、思い出したんです。
だから僕も"学ぶ時間をつくろう"と思って、『新・人間革命』を読むようにしました。通勤の時間は、実はけっこう価値的な時間になりますね。
ユタカ なるほど。カツヤくんは、電車で通勤する時間を、学びの時間に「価値創造」したんだね。
カツヤ そ、そんなにすごいことしているとは思いませんが……。そういえば、創価学会の「創価」って、「価値創造」という意味でしたっけ?
ユタカ その通りだよ。"教育の目的、そして人生の目的は幸福の追求にあり、その実体は価値の創造である"という、牧口先生の思想が込められた言葉なんだ。
カツヤ 深い意味があるんですね。
ユタカ 牧口先生は「価値は発見又は創造せらるべきものである」とつづられているんだ。どんなことでも、"価値あるもの"にしていける人が、幸福な人生を築いていけるんだよ。
カツヤ どんなことでもですか?
ユタカ もちろん。日蓮大聖人は「仏の名を唱え、経巻を読み、仏前に華を散らし、香をたくことも、その全てが、自分の一念に納まっている功徳善根であると信心をとっていくべきである」(御書383ページ、通解)と仰せなんだ。
同じことをするにも、漫然と行うのと、目的をもって行うのとでは、天地雲泥の差があるんだ。
信心の実践は、全て自身の福徳となっていく——その心で広宣流布にまい進する人は、どんなことでも人間革命の糧としていけるんだよ。
カツヤ なるほど。男子部の先輩が、さまざまな活動に「意味がある」ってよく言うのはそういうことなのかなあ。嫌々やるのと、喜んでやるのとでは全然ちがいますね。
ユタカ そうだね。日々の生活では、いいことばかりが起きるわけじゃない。むしろ大変なことや、つらいことの方が多いかもしれない。でもそれら全てを"あの経験があったから今がある"と、「意味のあること」にしていけるのが仏法なんだ。
池田先生は「『創価』とは、希望の異名です。人間にとって免れ難い、病という根本苦さえも、忌み嫌うものでなく、自身を向上させゆく『人間革命』の源泉へと、価値創造していく力です」と語られているよ。
カツヤ そういうことなんですね。入会した時、学会員の皆さんは、日常の中で起きるさまざまなことを、とても前向きに捉えているなと、驚いたことを思い出しました。
ユタカ だから学会の会合は明るいんだよね。
そういえば、ちょうど、読書の時間をどうやってつくろうか、考えていたんだ。よし! 私も通勤の時間を活用していこうと決めたよ。ここでカツヤくんに会えたことに、意味があったね。
カツヤ 僕もユタカ支部長に会えて、元気をもらった気がします。とっても価値的な時間でした。
☆学ぼう「黄金柱の誉れ」Q&A 第14回 聖教新聞の使命とは
聖教新聞は、人間主義の機関紙として1951年(昭和26年)4月20日に創刊され、今月で70周年を迎えます。仏法の哲学の光で時代を照らしゆく聖教の使命について、壮年部指導集『黄金柱の誉れ』から、池田先生の指導を紹介します(指導集176ページから178ページを抜粋)。
〈幸福への道が書かれている〉
仏法では、文字の持つ力が最大に重視されている。
「滅せる梵音声(=仏の声)かへって形をあらはして文字と成って衆生を利益するなり」(御書469ページ)
衆生を救わんとする仏の魂が脈打つ肉声の響きが、そのまま形となって留められたものが、経文の文字である。(中略)
釈尊、そして大聖人の仏意に直結し、妙法に連なる一字また一字を、正義の金文字として発信していくのが、「聖教新聞」である。
戸田先生は、関西の天地で宣言された。
「世の中が不幸であることはよくわかる。では、どうすれば幸福になれるか。誰も、何も答えていない。しかし、聖教新聞には幸福への道が書かれている。こんな新聞はほかにはありません」と。
「聖教新聞」は、今日も——
「大地の如く」幸福の価値を創造するのだ。
「大海の如く」世界を平和へリードしていくのだ。
「日月の如く」人類の心を希望と正義で照らしていくのだ。
(『随筆 我らの勝利の大道』)
〈仏縁の拡大になる〉
私と妻は、常に率先して、聖教新聞の拡大を行ってきた。
御聖訓には、「仏は文字によって人々を救うのである」(御書153ページ、通解)、「(法華経の)文字変じて又仏の御意となる」(同469ページ)などと説かれている。
聖教新聞の拡大は、即、仏縁の拡大であり、広宣流布への大折伏の意義があることを、知っていただきたい。
(本紙2007年8月15日付、全国最高協議会でのスピーチ)
〈師の偉業を後世へ〉
真実ほど強いものはない。民衆の正義の声にかなうものはない。
それを広く伝え、永遠に残すのは、活字の力である。
戸田先生は、口ぐせのように言われていた。「私は聖教新聞を、日本中、世界中の人に読ませたい。それ自体が、仏縁を結ぶことになる」
戦後、戸田先生の事業が絶体絶命の苦境の中で、聖教新聞は構想された。先生は、折伏と聖教の拡大を、広宣流布の両輪と考えておられた。
その心を知る私は、来る日も来る日も、大勇猛心を奮い起こし、力の限り、書いて書いて書き続けてきた。先生の偉業を、わが命にかえても、後世に留めるために。
自らも聖教を配り、購読を推進してきた。(中略)
私と妻は、無冠の友の健康と無事故を、毎日、真剣に祈っている。尊き新聞長の皆さん、通信員の方々、聖教を支えてくださる全ての皆様方に心から感謝を捧げたい。
(本紙2012年2月12日付「名誉会長と共に 今日も広布へ」)