2021年5月10日月曜日

2021.05.10 わが友に贈る

◇今週のことば
「戦う勇気」の中に
人生の幸福も
広布の凱歌もある。
強き祈りで壁を破れ!
「賢者はよろこび」と。
2021年5月10日

御義口伝 P721
『御義口伝に云く大悲とは母の子を思う慈悲の如し今日蓮等の慈悲なり』

【通解】
御義口伝には、次のように仰せである。「大悲」とは、母親が子を思う慈悲、慈愛の念のごときものであって、今日蓮大聖人の慈悲こそ、一切衆生をあくまで救いきっていこうという大慈悲なのである。

名字の言 注目の「オープンダイアローグ」 2021年5月10日
近年、精神医療で注目される「オープンダイアローグ」。フィンランドで生まれた手法で「開かれた対話/対話を開く」との意だ▼この取り組みでは、困難を抱えた人と医療者や家族など、複数の人がその場で一緒に対話する。困難は当人の問題だけでなく、取り巻く環境や周囲との関係性も影響しているからだ▼日本の医師では昨年、2人がトレーナー資格を取得。その1人、森川すいめい氏は「評価したり断定したりせずに、その人をそのまま理解しようと努める」ことを強調する。さらに、"こうした方がいいのに"と自分の考えを押し付けるのではなく、"私はこう思うけど、あなたの考えはどう?"との問い掛けが大切だという(『感じるオープンダイアローグ』講談社現代新書)▼対話で答えを導くことよりも、対話することそれ自体に意味がある。また、直接会って話す対話もあれば、手紙やSNSなど文字による対話もある。どのような形であれ、自分と異なるものから学ぼうとする「開かれた心」があってこそ、対話は成立するものであろう▼コロナ禍の今、精神の閉塞を防ぐ最大の予防薬は「人」ではないだろうか。苦難の中にある人に寄り添い、語り合うこと。それこそ、仏法者の使命である。

寸鉄 2021年5月10日
危機の社会に連帯の心を広げる学会に期待—博士さあ絆結ぶ励ましを益々
どんな事があろうと勝つと決めるのが信心—恩師この一念に前進の智慧も
激動の今こそ報告・連絡・相談を密に。幹部は皆がすっきりと進める指揮を
学びや成長に興味ない人は幸福度も低い—研究。目標を明確に挑戦の一歩
連休明けは子の心が不安定になりやすいと。まず声に耳を。SOS逃すな

〈社説〉2021・5・10 半世紀刻む"トインビー対談"
◇不屈の楽観主義で未来を開く
イギリス青年部には「ニューセンチュリー・グループ」という集いがある。池田先生とイギリスの歴史学者アーノルド・J・トインビー博士との対談集『21世紀への対話』を学ぶもの。人類的課題の解決への慧眼に、青年たちは深い啓発を受けているという。
1972年と73年、合わせて約40時間に及んだ両者の対談では文明の未来、生命論、環境論、女性論、国際情勢、教育と宗教など多彩なテーマについて論じられた。
対談集は、これまで29言語に翻訳。「まるで現代の百科事典のようだ」(オックスフォード大学のウィルソン名誉教授)、「すでに(高い評価の定まった)『古典』の中に入った」(モスクワ大学のサドーヴニチィ総長)等、世界の識者から高く評価されている。
両者の最初の対談から明年5月で50周年を迎えるが、21世紀に人類が進むべき道を展望した視座は一段と光彩を放っている。
トインビー博士の歴史観の一つの結論は「挑戦と応戦」の理論である。「文明というものは、つぎつぎに間断なく襲いきたる挑戦に対応することに成功することによって誕生し、成長するものである」(深瀬基寛訳『試練に立つ文明』社会思想社)と記している。
そして、池田先生との対談では、"人間生命の貪欲と慢心を克服する「自己超克」こそが宗教の真髄であり、人類の危機への唯一の効果的な応戦になるものと信じる"と語った。これを受けて池田先生は、"利他の実践の中に無上の喜びを感じていくような自己を確立していくことが大乗仏教の本質である"と応じている。
コロナ禍もまた、現代文明に対する未曽有の"挑戦"であろう。いかに"応戦"するかが問われる今、世界中の同志が、師弟の魂を燃やし、新たな価値を創造しながら、利他の行動を重ねている。その根底にあるのは、人類の行く末を悲観的に見つめるのではなく、人類はいかなる"挑戦"にも"応戦"していけるとの"池田・トインビー対談"に脈打つ不屈の楽観主義にほかならない。
トインビー博士と2度目の対談のために訪英した73年。先生は現地の友へつづった。「君よ、勉強を忘るるな 君よ、笑顔を忘るるな 君よ、20年先を忘るるな」と。
私たちは、不屈の楽観主義で、共に学び、どこまでも朗らかに、未来を開いていきたい。

☆御書の旭光を 第24回 真心の交流こそ活力の源泉
〈御文〉
『三月一日より四日にいたるまでの御あそびに心なぐさみて・やせやまいもなをり・虎とるばかりをぼへ候上・此の御わかめ給びて師子にのりぬべくをぼへ候』(莚三枚御書、1587ページ)

〈通解〉
3月1日から4日までのお見舞いに心も慰められ、痩せる病もよくなり、虎を捕らえるほど元気になったところへ、この御わかめを頂戴し、獅子にでも乗れる勢いを得ました。

〈池田先生が贈る指針〉
御書には「人の振る舞い」の極致が光る。
真心に真心で応える生命の交流から、尽きせぬ勇気と活力を広げる。これが、御本仏の御照覧のもと、創価家族が築き上げてきた「人間共和の世界」だ。
互いに仏の如く敬い、共に励まし合って広布の前進を。"虎を捕らえるほどに""獅子に乗ったように"満々たる生命力で!

☆「世界を照らす太陽の仏法」に学ぶ 第2回 師弟誓願の祈り
四条金吾殿御返事(八風抄)
『だんなと師とをもひあわぬいのりは水の上に火をたくがごとし、又だんなと師とをもひあひて候へども大法を小法をもって・をかしてとしひさしき人人の御いのりは叶い候はぬ上、我が身も・だんなも・ほろび候なり』(御書1151ページ14行目〜16行目)

◇池田先生の講義から
師匠と弟子が誓願を同じくして祈っていくことが、日蓮仏法の真髄です。
◆◇◆
具体的には"師匠ならどうされるだろう""今こそ弟子として立ち上がる時だ"と、求道の心で唱題することです。
「御義口伝」に「師とは師匠授くる所の妙法子とは弟子受くる所の妙法・吼とは師弟共に唱うる所の音声なり」(御書748ページ)と仰せのように、師弟不二の信心で唱える題目こそ、真の師子吼です。その時、自分自身に本来具わる無量の智慧と力が自在に発揮できるのです。
◆◇◆
何を願い、何を祈り、何を誓って生きるのか。その奥底の一念が自分自身を創り上げていきます。
わが生命を、広宣流布という師弟の誓願で染め抜いていくことです。この師弟直結の信心を教えているのが創価学会の精髄です。
ここにこそ、地涌の菩薩の生命の目覚めがあり、仏界の生命の顕現もあるのです。
◆◇◆
「師弟の道」を、「師弟不二の道」へ、より一重、深めていくのが日蓮仏法の大道です。久遠以来の師弟の約束を果たすのは、どこまでも弟子の使命なのです。
(「大白蓮華」2021年2月号から)

前島和男 総東京青年部長
◇今こそ弟子が立ち上がる時!
「人間として使命を果たすことができない、これが結局、人間の唯一の不幸なのである」(『カーライル選集3 過去と現在』上田和夫訳、日本教文社)
創価大学の学生時代に創立者・池田先生から贈られた、イギリスの歴史家カーライルの箴言です。
自分の使命とは何か——。何度も思索を重ねてきました。
池田先生は、今回学ぶ「四条金吾殿御返事」を通し、弟子が師と同じ誓願に立ち、祈っていくことが日蓮仏法の真髄であると教えてくださっています。
今こそ、本陣・総東京の青年部が、師弟直結の信心に立ち、民衆勝利の新時代を告げる勇気の拡大へ、打って出ていきたい。

◇「思いを合わせる」
本抄の別名は「八風抄」。主君からの領地替えの命令に従わなかった金吾のことを、同僚が主君に讒言し、金吾は窮地に陥ります。その金吾に対して、利(利益・繁栄)・衰(勢力の衰退)・毀(名誉が傷つけられること)・誉(名声・栄誉)といった八風に左右されない人を賢人というのだと述べられ、師弟不二の祈りの重要性を記されています。
人は得てして自分中心になりやすいからこそ、小さな境涯を打ち破る師匠中心の祈りが必要なのです。
先生は、「苦境を打開し、宿命を転換するにあたって、大聖人が強調されたのは、師弟の『思いを合わせる』ことでした。師匠と心を合わせる祈りこそ、無敵だからです」と講義されています。
「思いを合わせる」とはどういうことか。それを実感させていただいたのが折伏の実践の中でした。
学生部時代、かつてない唱題で「友のため」と一念が定まった時、初の弘教が実りました。歓喜の波動は広がり、メンバーも次々と弘教を成就。広布誓願の祈りを貫く時、皆に勇気が漲り、「鬼に・かなぼうたるべし」(御書1124ページ)との御聖訓を心から実感させていただきました。
こんなにも生命が躍動し、自他共の幸福を実現する折伏の実践を、池田先生は全世界へ弘めてこられたのかと、師匠の偉大さに命が震えました。地涌の菩薩として、師弟一体の広布の使命に目覚めることが、「思いを合わせる」ことだと確信しました。
以来、"もっと先生のことを求め、命を磨こう"と、目の前の学会活動に全力で挑戦してきました。揺れ動く小さな自分の殻を破り、師弟の誓願に生き抜くことこそ、自身の使命であり、幸福な人生であると決意した原点です。

◇師の心を胸に
さらに先生は講義の中で、「『師弟の道』を、『師弟不二の道』へ、より一重、深めていくのが日蓮仏法の大道です」と教えてくださっています。
思い起こすのは、65年前の「大阪の戦い」です。億劫の辛労を尽くし、恩師・戸田先生の一念に深く合一した池田先生の陣頭指揮によって、「まさかが実現」といわれた金字塔が打ち立てられました。先生は小説『人間革命』で、次のように記されました。
「師の意図が、脈動となって弟子の五体をめぐり、それが自発能動の実践の姿をとる時、初めて師弟不二の道を、かろうじて全うすることができる。師弟に通い合う生命の脈動こそ、不二たらしめる原動力である」
総区男子部長時代、「大阪の戦い」をはじめ、個人指導に率先された先生の戦いに学び、勇んで実践。会合に参加できなくとも仕事で奮闘している方や、人知れず悩みを抱えながら頑張っている同志に出会いました。その中で、常にこうした方々に心を配り、徹底して一人を大切にされてきた池田先生の真心に気付いたのです。
師の心を胸に、全部長のもとへ足を運ぶと、組織に歓喜の息吹が漲り、東京一の弘教を成し遂げることができました。師匠に呼吸を合わせれば、全てが感激となって必ず広布の突破口は開かれると確信します。
栄光の「5・3」から、青年の月・7月へ。池田先生に手塩にかけて育てていただいた本陣・総東京の青年部が、本領を発揮する時は「今」です。師弟不二の祈りを根本に、励ましの対話を大きく拡大してまいります。

メモ
本抄は、日蓮大聖人が身延で認められ、苦境に立つ四条金吾に送られたお手紙である。
大聖人が佐渡から帰還された文永11年(1274年)、金吾は主君の江間氏を折伏する。これを機に、金吾は、極楽寺良観の信奉者であった江間氏から、疎まれるようになる。次第に、金吾を取り巻く状況は悪化し、建治2年(1276年)には、領地替えの命令が下る。窮地に陥った金吾は、所領の件で主君を訴えようと思い詰めるまでになった。
本抄は、こうした報告を聞かれたことに対する、金吾への励ましである。
金吾はその後、所領没収の危機にも直面するが、大聖人の御指導通り、誠実に主君に仕え抜いて信頼を回復。危機を乗り越え、それまでの3倍の所領を賜るのである。