2020年11月30日月曜日

2020.11.30 わが友に贈る

◇今週のことば
創立100周年の門を開く
希望のマイ ロマン総会!
「心の財第一なり」
伸びやかな友情の華を。
負けない生命の陽光を。
2020年11月30日

四条金吾殿御返事 P1163
『あなかしこあなかしこ御よりあひあるべからず、よるは用心きびしく夜廻の殿原かたらいて用ひ常にはよりあはるべし今度御内をだにもいだされずば十に九は内のものねらひなむかまへてきたなきしにすべからず』

【通解】
決して、決して御寄合にいってはならない。夜は用心を厳しくして、夜回りの人々と親しく交わって用い、常日頃互いに寄り合っていきなさい。今度、もし主君の御内を出るようなことがなければ、十に九は御内のものがねらうであろう。決して見苦しい死に方をしてはいけません。

名字の言 「マゼラン海峡」の通過から500年 2020年11月30日
探検家・マゼランが、南米大陸の南端に位置する海峡を通過し、史上初めて大西洋から太平洋へと渡ったのは、1520年11月。今から500年前のことだ▼マゼランは、スペインから西回りでアジアに到達することを目指した。南米大陸に到着後、西側に抜ける水路を探したものの、なかなか見つけることができない。その間、座礁や船員の反乱などの試練に襲われた。それでも諦めず、出発から1年以上経て発見したのが「マゼラン海峡」である▼マゼランの計画は、最初は船員でさえ"無謀だ"と笑ったという。新たな時代を開くのは常に、「不可能」という幻影との戦い。船が荒波を越えるには、船首で受け、真っすぐに進むことが重要だ。未知の挑戦を成し遂げる鍵も、戸惑いや困難に真正面から向かっていく勇気であろう▼マゼランは海峡を渡る前、越冬地で先住民と出会った。その足跡が大きいことに驚いた彼は、先住民を「パタゴン(巨足族)」と呼んだ。それが、アルゼンチンとチリにまたがる「パタゴニア」地方の名の由来という▼創価学会は「生死の大海を渡るべき船」(御書1448ページ)として、自他共の幸福を実現する使命を担っている。その誇りを胸に、希望の汽笛を響かせながら、広布の"大きな足跡"を刻み残そう。(誼)

寸鉄 2020年11月30日
会長の言葉が平和の為に戦う強さをくれた—博士青年よ学べ!前進の糧と
「声仏事を為す」御書。故にたった一言でも真心込めて。思いは必ず通ず
聞き上手は判断力に富む人—箴言。友の心を知り、励まし送る。これぞ名将
喉の乾燥は感染リスクを高める—医師。マスクや加湿器の活用で賢く予防
一人の声を国に繋ぐ公明の連帯は他党にない姿—識者。更に庶民に尽くせ

〈社説〉 2020・11・30 きょうは「絵本の日」
◇心に潤いを与えるひととき
コロナ禍にあって、絵本の売り上げが伸びたという。大手インターネット通信販売サービスでは、本年3月の部門別売り上げの第1位が絵本を含む児童書となった。学校の休校期間も相まって、"おうち時間"の過ごし方として絵本が求められたと推測される。
絵本の売り上げの、およそ7割はロングセラー作品(既刊書)だといわれる。『100万回生きたねこ』『ぐりとぐら』『そらまめくんのベッド』……親子で読んだことがある作品もあるだろう。
今月、ある地域で行われた七五三の集いでは、担当者が『はらぺこあおむし』の絵本を紹介した。小さなあおむしが、たくさんごはんを食べて、ちょっとした失敗も経験しながら、最後には美しいちょうへと成長する——。子どもたちは目をきらきらさせながら、話に聞き入る。彩り鮮やかな絵とやわらかな言葉の響きが、年月を経てもなお、子どもの心を引き付けると感じた。
きょう11月30日は「絵本の日」。『指輪物語』などの翻訳も手掛けた児童文学作家の瀬田貞二氏が『絵本論』(福音館書店)を著した日にちなんでいる。
瀬田氏は同書に、こうつづっている。「小さい子たちが絵本に求めているのは、生きた冒険なのです。絵本は、手にとれる冒険の世界にほかなりません」
子どもにとって絵本は、どこまでも広がる想像の世界への"扉"ともいえる。物語を通して登場人物と共に喜び、時には悲しみや挫折を経験する。それは想像力を培い、人間性を養う貴重な時間に違いない。
大人にとっても、それは同様ではないだろうか。「絵本のソムリエ」の岡田達信さんは本紙で、"子どもは絵本の主人公になり切るが、大人は自分の経験や価値観を重ねて読もうとする"と語った。改めて絵本を開いてみると、子どもの時には気付かなかったメッセージを読み解けるようになり、新たな視点で味わうことができる。そして他者への思いやりや命の尊さなど、人生を豊かに生きるために大切なことを思い出させてくれる。
「大人こそ絵本を」と呼び掛けるノンフィクション作家の柳田邦男氏は、絵本や子ども向け書物を読み直すことは、「悲しみや喜びのきめ細かな感情を取り戻すこと、心の砂漠にオアシスをもたらすことにつながる」(『大人が絵本に涙する時』、平凡社)と訴える。
近年は、お笑い芸人や歌手など、他分野の人が手掛ける作品も出版され、その裾野は広がっている。コロナ禍にある今だからこそ、心に潤いを与えてくれる絵本を手に取るひとときをつくってはどうだろうか。

☆心に御書を 第90回 仏天をも揺り動かす祈りを
<御文>
『一念三千の法門をふりすすぎたてたるは大曼荼羅なり、当世の習いそこないの学者ゆめにもしらざる法門なり、天台・妙楽・伝教・内にはかがみさせ給へどもひろめ給はず』(草木成仏口決、1339ページ)

<通解>
一念三千の法門を振りすすいで立てたのが(妙法蓮華経の)大曼荼羅である。今の世の中の習いそこないの学者等が、夢にも知らない法門である。天台、妙楽、伝教も内心にはこのことを知っていたが、外には弘められなかったのである。

<池田先生が贈る指針>
御本仏が、全人類のために顕してくださった御本尊である。大宇宙の生命力が、最も強く深く結集している。その無量の仏力・法力を、全世界で引き出していくのが創価の宝友の信力・行力だ。
一念三千の極理に則り、誓願の祈りは仏天をも揺り動かす。自他共の生命を尊極の妙法の当体と輝かせ、幸福へ勝利へ価値創造を!

☆ONE GOSHO 崇峻天皇御書
◇一日一日を悔いなく
かつてない苦難の中にあっても、価値を創造し、励ましと人材の拡大に挑んだこの一年。今回は、広布に生き抜く「一日」の大切さを学ぶ。

◇御文
『人身は受けがたし爪の上の土・人身は持ちがたし草の上の露、百二十まで持ちて名を・くたして死せんよりは生きて一日なりとも名をあげん事こそ大切なれ』(御書1173ページ)

◇通解
人間に生まれることは難しく、爪の上の土のようにまれであり、その身を全うするのは難しく、草の上の露のようにはかない。120歳まで長生きしても悪い評判を残して終わるよりは、生きて一日でも名をあげることこそ大切である。

◇背景
本抄は建治3年(1277年)9月11日、日蓮大聖人が身延の地から鎌倉の四条金吾に与えられたお手紙である。別名を「三種財宝御書」という。
本抄が送られる以前、金吾は、桑ケ谷問答を巡る讒言(事実無根の訴え)を信じた主君の江間氏から疎まれるようになり、"法華経の信心を捨てなければ、所領を没収する"と迫られていた。
しかし金吾は不退転の信心を貫き、大聖人の御指導通りに誠実な振る舞いに徹した。そうした中、江間氏が病に倒れ、医術の心得のあった金吾が治療に当たることになる。その報告に対する返信が本抄である。
大聖人は、主君からの信頼を回復する大事な時だからこそ油断してはならないと示され、賢人としての生き方を教えられている。

◇解説
「爪の上の土」「草の上の露」——日蓮大聖人は本抄で、比喩を通して、人間としてこの世に生まれ、生き抜くことは難しく、人生は、はかない。それゆえに尊いことを示された。
そして、かけがえのない一生であるからこそ、一瞬一瞬を大切に、価値ある人生を送るよう御教示されている。
続いて大聖人は、長寿を表す「120歳」を指標に用いながら、ただ長生きすることよりも、「いかに生きるか」が重要であると仰せである。人生の価値は、長短だけでは決まらない。たとえ短くとも、「名をあげて」生きるよう、御指南されているのである。
ここでいう「名をあげる」とは、社会的地位や名声を求める生き方ではない。正法を持った一人の人間として、周囲の人々から信頼され、たたえられることである。
拝読御文の直後で大聖人は�主君に仕えること�仏法に尽くすこと�世間における心掛け——の3点において、鎌倉の人々に「大変に素晴らしい」とうたわれるようになりなさい、と仰せである。
磨き上げた人格の輝きで、「あの人は立派だ」「素晴らしい」と賛嘆される生き方——それこそが、"仏法即社会"の実証であるといえよう。
苦境の中で本抄を受け取った四条金吾は、大聖人の御指導通りに誠実に、病にかかった主君の治療に当たった。そして再び信頼を得て、後には、従来の領地の3倍にも当たる土地を賜る。
広宣流布のため、同志を励まし、自身の人間革命に挑み、社会で奮闘する日々もまた、御聖訓通りの「名をあげる」一日一日にほかならない。
新型コロナウイルスの感染拡大によって、思うようにいかないことが多かった、この一年。それでも男子部は、オンラインも駆使しながら、周囲に励ましを送り続け、自他共の幸福への歩みを止めることはなかった。未曽有の危機を前にしても、負けじ魂を燃え上がらせて、職場や地域で奮闘を重ねてきた。
その一日一日が生命に無上の福徳を積み、必ず勝利の花を咲かせゆくことを、確信して進みたい。
池田先生は語っている。
「広宣流布のために流した労苦の汗こそ、いちばん尊い。その人こそ、生々世々、あらゆる人々から喜び慕われ、敬愛されゆく大境涯を開いていける。また、まことの信心に徹しゆく人には、教養も、品格も、福徳も、すべてが最高に備わってくる」
この一年の挑戦を皆でたたえ合いながら、男子部結成70周年であり、学会創立100周年への"新たな10年"の幕開けである明「希望・勝利の年」へ、新たな前進を勢いよく開始したい。
一日一日を悔いなく生き抜き、池田先生と共に「黄金の日記文書」をつづりゆこう。