行き詰まった時こそ
信心で挑む勝負所だ。
"必ず打開してみせる"
不屈の負けじ魂で
痛快なる勝利劇を!
土篭御書 P1213
『法華経を余人のよみ候は口ばかりことばばかりはよめども心はよまず心はよめども身によまず、色心二法共にあそばされたるこそ貴く候へ』
【通解】
法華経を、他の人が読むのは、口でばかり、言葉ばかりでは読むけれども、心では読まない。心では読んでも、身では読まない。(あなたはこのように難にあって)身と心とで共に読まれたことは、じつに貴いことである。
名字の言 涙の先に"勝利の虹"が懸かる 2020年11月5日
「虹を見て 思ひ思ひに 美しき」(高浜虚子)。秋の虹は、夏よりも色彩が淡いといわれる。七色の橋は短時間で消えるが、見る人の心には鮮やかに残る▼かつて、ある壮年部員から、思い出の情景を聞いた。重病を疑われた子どもが入院した日、病院の窓から眺めた空に二重の虹が見えた。暗く沈む心に、希望の光が差すように感じた▼わが子の体は小児がんに侵されていた。声を震わせながら、題目を唱えた。5年を超え、がんの完治を聞いた壮年の言葉は確信に満ちていた。「否定的な現実に、とらわれない。"こうする!"と決めて祈れば、必ず勝利できるんですね」。あの入院の日、虹が懸かったのは夕立の後だった。涙の先につかんだ勝利と重なって心に浮かぶという▼童謡詩人まど・みちおさんは、こう記している。「自分のまつげのところにはいつも虹がある。涙が出さえすれば、まつげのところに小さな虹が出るのです」(『百歳日記』NHK出版)▼空に虹が懸かるのは、雨の後、太陽の光が差した時だ。人生もまた、涙が枯れるほどの試練であっても、前へ前へと進み続ける限り、必ず心に"勝利の虹"が懸かる。「いまだこりず候」(御書1056ページ)の"諦めない心"こそ、涙から虹を生む光である。(将)
寸鉄 2020年11月5日
「題目の功徳は大海のごとし」御書。水の如き信心で進め!幸福勝利の直道
男子部の日。「新時代の山本伸一」よ広布の先陣頼む。正義の声高らかに
「ウォームビズ」始まる。換気が必要な今季、"一枚多く着る"など油断なく
世界津波の日。災害は忘れたころに。教訓は実行に移してこそ。備え確認
電子化の細やかな推進に公明の役割大—識者。弱者の生活向上等の視点を
〈社説〉 2020・11・5 きょう「男子部の日」 今、ここから"一人立つ"弟子に
◇きょうは「男子部の日」。1961年(昭和36年)11月5日、当時の国立競技場で第10回男子部総会が開催され、代表10万人が集ったことを淵源とする。
これを遡ること7年前——54年10月、第2代会長・戸田先生は「国士訓」(青年よ国士たれ)を発表した。
「青年よ、一人立て! 二人は必ず立たん、三人はまた続くであろう。
かくして、国に十万の国士あらば、苦悩の民衆を救いうること、火を見るよりも明らかである」
この師の構想の実現に敢然と立ち上がったのが、青年部の室長であった池田先生だ。当時の男子部員数は1万人ほど。先生の行動と訴えに呼応して男子部員は一丸となり、58年9月に10万人を達成。そして先生の第3代会長就任後、第10回男子部総会で、精鋭10万人が一堂に会した。先生は小説『新・人間革命』第5巻「勝利」の章で、この大結集を"青年部の室長としての最後の仕事"と位置付けていた思いをつづっている。
一人立つ池田先生から国士10万へ——恩師・戸田先生の構想を、断じて実現するとの一念が、勝利を開いた。この誓いが、「男子部の日」には脈打っている。
今、男子部では、部や本部で核となるメンバーを糾合する「広布十傑」運動、また「体験談大会」への取り組みを加速させている。
福岡県のある男子部本部長は本年6月、勤務先の経営難により職を失った。再就職活動に挑む一方、広布のリーダーとして学会活動にも全力を尽くした。
電話やSNSを通じて後輩に励ましを送り、週2回、メンバーたちと"同盟唱題"を継続。その中で、8月には好条件の求人に巡り合い、再就職を果たす。業務に必要な国家資格も取得した。
この間、本部として「広布十傑」を達成し、現在は部での"十傑"を目指し、家庭訪問を重ね、友の声に耳を傾ける。今秋の体験談大会では、内外の友人に自身の奮闘を語る予定だ。
コロナ禍によって不安が世の中を覆い、人々の暮らしも激変している現在。混迷の時代にあって、いかなる困難にも屈しない"創価の青年の生き方"は、社会の希望の光と輝くに違いない。
そして、一人から一人へと広がる勇気と歓喜の連帯は、「国士10万」を成し遂げた池田先生の戦いを、21世紀の今に継承するものといえる。
今の青年部員は、池田先生の精神を受け継ぎ体現する「新・人間革命」世代だ。時が流れても、師恩に報いる弟子の誓いは変わらない。自らが広宣流布の主体者の自覚をもち、今この時、それぞれの場所で、"一人"立ち上がろう。
☆世界広布のわが舞台 第2回 世界青年部総会に182人の友人が参加——米ニューヨーク州メルビル地区
各国SGIの最前線の活動をリポートする「世界広布のわが舞台」。第2回は、アメリカ・ニューヨーク州ロングアイランドのメルビル地区です。同国の新型コロナの「震源地」となったこの島でも、広布の力強い足音が響いています。(記事=木埼哲郎)
◇多民族社会の縮図
「ちょうど今、オンラインの"イントロミーティング(友人対象の集い)"を開いていたところよ。信心に興味を持った人から連絡があって、すぐに地区の皆で集まろう、ってなって」
ビデオ電話での取材が始まるや、マーベル・タン・シャファー地区婦人部長の熱気が、画面越しに伝わってきた。"イントロミーティング"は、仏法の基本を学ぶ折伏座談会である。メルビル地区ではこうした集いを通し、この2年で20人の友人が入会した。
ニューヨーク市の東に位置するロングアイランドは、埼玉県ほどの大きさの島。同市の一部であるブルックリンやクイーンズも含まれている。地区の活動の舞台は、この島のハンティントン、バビロンという緑豊かな町だ。
「地区内には、池田先生がスピーチなどでよく紹介される、詩人ホイットマンの生家があります。かつて先生も訪問された場所で、一番の誇りです」
一帯には、キヤノンやニコンのアメリカ本社や、留学生に人気の私立高校など充実した教育機関もあり、世界中から人が集まっている。
現在、地区には73人が所属。シャファー地区婦人部長はマレーシア出身、エバートン・ルイス地区部長はジャマイカ出身、ナオキ・セキネ男子地区リーダーは日系、ジュヒ・カプー女子地区リーダーはインド系と、地区そのものが多民族社会の縮図のよう。
ロングアイランドでは、新型コロナの急速な感染拡大により、3月下旬から5月末までロックダウンが行われた。だが地区の広布の勢いは衰えるどころか、むしろ増していったという。
先月のオンラインでの世界青年部総会には、地区として182人の青年世代の友人が参加。実に地区統監の2・5倍の数である。
地区の目覚ましい発展の要因は、一体どこにあるのだろうか。
◇基本の継続が力に
コロナ禍で、アメリカSGIが全国的に打ち出した運動がある。
「Abundant Daimoku(満々たる唱題)」
「Buddhist Study(仏法研さん)」
「Connect Life to Life(生命と生命をつなぐ励まし)」
——名付けて「ABC運動」だ。メルビル地区は、この運動を、どこよりも着実に進めてきた。
一つ目の「題目」——リーダーを中心に毎朝"同盟唱題"を行い、メンバーの無事を祈り続けてきた。
二つ目の「仏法研さん」——毎月の地区の「御書勉強会」を、オンラインで続けている。
三つ目の「生命をつなぐ励まし」——真心込めたポストカードを一人一人の家に届け、電話での個人激励に注力。また毎朝、先生の指導や御書の一節を、メール等で共有してきた。
そして何より、月1度の「協議会」と「座談会」を、ビデオ通話を活用した"新たな形式"で、欠かさず続けてきた。ルイス地区部長はかみ締める。
「学会活動の『基本の継続』が、どれほどすごいことか。危機に立ち向かう中で、その力を感じています」
◇仕事を失っても
地区の一人一人は、コロナによる「不安の伝染」とも格闘していた。
ルイス地区部長は、「震源地の震源地」とニュースになった、ニューヨーク市クイーンズにある病院の調理師。「幸いスタッフは無事でしたが、常に死と隣り合わせでした」と振り返る。
マンハッタンにあるインテリアのショールームに勤めていたシャファー地区婦人部長は、職を失った。「十数年前に信心で勝ち取った、私のドリームジョブ(理想の仕事)でした」
ルイス地区部長の夫人エブリンさん(地区副婦人部長)は、ニューヨーク市近くのリハビリ・養護センターの看護師長だった。だが3月に突然、職場で倒れ、健康上の問題が見つかる。「辞職するように」との勧告に従った。
「正直言うと、落ち込みました。だって本来なら、看護師として多くの人を守るべき時でしょ?……」
真剣な唱題を重ねた。「なぜ」との思いを素直に御本尊にぶつけ、祈り続けていたある日、自然と心が開けた。
「仕事がなくても、家から出られなくても関係ない。『私には使命がある!』と気付いたんです。『広宣流布の使命』があると」
世界青年部総会に向け、知人や同僚と対話を続ける中、10年以上、疎遠だった姪のことが頭に浮かんだ。親族の間には複雑な溝があった。だが姪を訪ねてみると、思いのほか温かい歓迎を受けた。
近況を語り、いつしか仏法対話に。「生命をよみがえらせる祈り」との言葉に感動した姪は、家族全員で総会を視聴。さらに他州に暮らす友人にまで声を掛けたという。
どん詰まりに思えるような苦しい時でも、広布への「一念」の火を絶やさずにいれば、必ず道は開ける——地区の友は、また一つ確信をつかんでいる。
◇「種」をまく時
取材の中で印象的だったのは、地区のビジョンを問うと、誰もが「どう青年を増やしていくか」について、うれしそうに話し始めたことである。
青年を育むことは、希望を育むこと。「数年後には、地区を支部へと発展させていく決意なんです」。ルイス地区部長がニッコリとほほ笑む。
昨年、地区では6人の青年が入会。セキネ男子地区リーダー、カプー女子地区リーダーは、今夏に任命されたばかりの期待の星だ。
セキネさんは現在、アメリカ創価大学への進学を志して勉強中。カプーさんは、大学院で医療経営を学ぶ傍ら、仕事も掛け持つ。「目の回るような毎日です。いつも地区の皆さんから、『頑張って』とメールが届きます」
新入会の青年たちも、コロナ禍で「御本尊のパワー」を感じている。
留学生のアニール・ナンディさんは、コロナの影響で失職するも、ほどなくIT企業に再就職。ビンセント・ロトンドさんは、法律から金融へとキャリア転向。また、食品店で働くケビン・ベネットさんなど、エッセンシャルワーカー(社会の維持に不可欠な仕事の従事者)として昇給を勝ち取ったメンバーもいる。
セキネ男子地区リーダーは語る。
「池田先生は、『不安や恐怖は伝染するが、勇気もまた、伝播する』と言われています。ならば僕たちは、『勇気』を広げる一人一人でありたい」
池田先生の初訪米から60周年となった本年、アメリカSGIには、ある合言葉がある。それは「One Youth. Infinite Hope(一人の青年に、無限の希望がある)」。
シャファー地区婦人部長は、この指針に触れ、「今、大事なのは『種をまく』ことです」と強調してやまない。
「地区の全員が一丸となって、新たな『シンイチ・ヤマモト』を育てること。それこそ、池田先生が教えてくださった世界広布の方程式ですから」