2020年11月25日水曜日

2020.11.25 わが友に贈る

人生は悩みとの闘争だ。
苦労した分だけ
大きく境涯が開かれる。
不屈の忍耐と挑戦で
自分自身に打ち勝とう!

千日尼御前御返事 P1316
『人は臨終の時地獄に堕つる者は黒色となる上其の身重き事千引の石の如し善人は設ひ七尺八尺の女人なれども色黒き者なれども臨終に色変じて白色となる』

【通解】
人は臨終の時に地獄に堕ちる者は色が黒くなるうえ、その身体の重いことは千引の石のようなものである。善人はたとえ七尺・八尺の女人であっても、色の黒い者であっても、臨終には色が変わって白くなる。

名字の言 今に「全集中」 2020年11月25日
民間の有人宇宙船が国際宇宙ステーション(ISS)へのドッキングに成功した。搭乗した宇宙飛行士の野口聡一さんは、人気アニメの台詞を通して喜びを語った。「打ち上がった後も、さまざまな困難な状況に直面しましたが、『全集中』で乗り切ってきました」。「11・18」には、飛行するISSが総本部上空でも観察された▼人気アニメとは映画が公開され、社会現象になった「鬼滅の刃」。鬼に家族の命を奪われた少年が、鬼と化した妹を人間に戻そうと格闘する物語だ▼なぜ爆発的なブームになっているのか。理由の一つには、過酷な現実を前にしても諦めない主人公と仲間たちが見せる不屈の姿が挙げられよう。鬼の打倒へ不断の努力を重ね、大切なものを守るために戦い続ける——それが「今」を歩む人たちへのエールとなっているに違いない▼何事も計画通りに進むとは限らない。むしろ、予期せぬ事態の連続が人生といえる。その時に知恵と勇気を湧かせ、苦難や試練と向き合えるかどうか。そこで人間の真価が問われる▼「過去や現実がどうであれ 真剣に今日を生きる人に 希望の明日は訪れる」(1日付「わが友に贈る」)。過去を懐しみ、未来を憂うだけでなく、今に集中し、なすべきことに全力を尽くしたい。(仁)

寸鉄 2020年11月25日
本因妙こそ仏法の真髄。さあいよいよの息吹で!創立の月から対話拡大へ
社会に尽くす人材の育成が学会の大目的—恩師。わが地域に後継の陣列を
力なければ繁栄なく、力は結合以外には得られぬ—詩聖。祈り合わせ前進
終にほろびざるは候はず—御書。C作戦30年。宗門は信者激減で無残な末路
高齢運転者の事故6割が安全確認不足—愛知県警過信せず、皆で注意喚起

☆池田先生の謝辞(代読)——ピアウイ連邦大学授与式から
◇人類よ「生命尊厳」の原点に返れ
一、何よりもまず、愛する貴国ブラジルに甚大な被害をもたらしたコロナ禍に、改めて心よりお見舞いを申し上げ、お亡くなりになられた方々に、深く哀悼の意を捧げさせていただきます。
とともに、貴大学の保健センターをはじめ医療関係等に尽力されている方々の尊い奮闘に、最大の敬意を表するものであります。
こうした渦中にもかかわらず、あまりに意義深き貴・ピアウイ連邦大学の「名誉博士号」を授与くださるロペス総長はじめ、先生方のご厚情に御礼の申し上げようもございません。
私が貴国を初めて訪問してより60星霜、幾重にも苦楽を分かち合ってきたブラジルの友人たちは、わが人生のかけがえのない宝であり、誇りであります。このブラジルの宝友たちと共に、本日の栄誉を拝受させていただけることは、この上ない喜びであります。
誠に誠に、ありがとうございました。

◇紋章に輝く光
一、貴大学の紋章には、三つのトーチ(松明)が誉れ高く輝いております。
「知の光」で、地域を、社会を、未来を照らしゆく誓いが込められていると伺い、私は感慨ひとしおであります。
と申しますのも、11月18日で発刊90周年を迎える、私たちの原点の一書『創価教育学体系』の箱と扉に刻まれていたのも、ランプの絵であったからであります。国家主義、軍国主義の闇に覆われた時代にあって、若き生命の幸福をひたぶるに願い、新たな価値創造の教育の光を決然と放っていったのであります。
創価教育の父・牧口常三郎先生は、それから14年後、1944年の同じく11月18日に、軍部政府の弾圧によって信念の獄死を遂げました。
この奇しき「創立の日」を前に、貴大学から賜りました栄冠を、私は貴国をはじめ世界192カ国・地域の創価の同志と一緒に、万感の思いを込めて、殉難の先師に捧げさせていただくものであります。
一、教育は、まさしく「知性の光」「人道の光」「勇気の光」を、時を超え、国をも越えて受け継ぎゆく最極のロマンの聖業でありましょう。その鑑を、私はロペス総長の崇高なる人間教育の足跡に見る一人であります。
「大学の英知とは、十分に教育を受けられなかった人たちのためにある」
「大学は、大学の壁の向こう側にいる人々を大切にするためにある」
この人間主義の哲学を、ロペス総長は、貴大学の草創期を支えられた、稀有の人間指導者アフォンソ・セナ先生から学ばれたと伺いました。
セナ先生は病によって若くしてこの世を去られますが、先生の魂は総長に厳然と継承され、そして具現化していったのであります。
「今もセナ先生の姿を思い浮かべながら、どうしたらセナ先生の理想を実現できるかを考えている」——。
この総長の峻厳な真情に私は感動しました。いな、感涙しました。
ロペス総長は、民衆に広く門戸を開かれた大学として、市民向けの公開講座をはじめ、「誰もが平等に質の高い教育を受けられるように」と、環境の整備を進めておられます。
さらに、教授として赴任されて約40年にわたり、大学から打って出て、自らの足で地域を歩き、市民の直面する課題に共に挑んでこられました。
総長の率先の指揮のもと、貴大学は、社会に、国土に絶大なる貢献を果たしてこられたのであります。
若き英才たちが学び磨き上げた自らの専門の力を生かし、地元のニーズに応える支援を行うなど、数多くのプロジェクトを推進してきたことも、高い評価を博されています。

◇教育は芸術なり
一、今回のコロナ禍にあっても、大学の体育館を医療所として開放したり、各病院に必要な物資を届けたりと、率先の取り組みを貫いてこられました。
その尊き献身に、私は、貴大学の聳え立つブラジル北東地域に生まれた先駆の女性医学者ニゼ・ダ・シウベイラ先生の言葉を、重ね合わせるのであります。
「『人』が『人』に愛情や思いやりをもって接することこそ、治療を良くするのである。喜びが病を治し、差別をしないことが病を克服するのである」と。
世界の至る所で、深刻な分断や孤立、差別や格差が憂慮される中で、心に刻みたい洞察であります。
牧口先生も、医学とともに教育は、"世上の何物にも代え難き生命という無上宝珠を対象とする人生最高至難の技術であり、芸術である"と自負していました。
人類全体が共通の苦難に直面する今、教育、医学をはじめ万般にわたって、生命の尊厳と平等という究極の原点に立ち返る時であります。
一人一人を大切に慈しみ励ましながら連帯し、価値創造の力を糾合しゆく世界市民の智慧と勇気と慈悲が、より強く、より広く、求められているのではないでしょうか。
一、貴大学の紋章には、三つの松明と共に、「大学は人間を創る」とのモットーと、創立の年である「1971」という数字が記されております。この年の3月1日、貴大学は誕生されました。
1971年は、私たちにとって牧口先生の生誕100周年であり、その志を体現しゆく、わが創価大学は、貴大学に続く4月2日に開学しております。地球を挟んで、両大学は誠に不思議な縁で結ばれて同時代を進んでまいりました。
総長が先頭に立って灯してこられた偉大なる貴大学の人間教育と民衆奉仕の炎を、私も名誉ある一員として、わが胸に命の限り燃やし続けてまいります。
そして、明年、共々に迎える両大学の創立50周年、さらには創立100周年へ、地球社会の共生の未来を照らす松明を、後継の青年たちと一緒に高く掲げゆくことをお誓い申し上げ、私の謝辞とさせていただきます。
「希望の学府」ピアウイ連邦大学に栄光あれ!
「希望の連邦共和国」ブラジルに勝利あれ!
ムイト・オブリガード!(ポルトガル語で「誠に、ありがとうございました!」)(大拍手)