マスクの着用や手洗い
小まめな換気と加湿など
感染予防を徹底しよう!
健全な生活リズムで
聡明に 快活に進もう!
聖愚問答抄上 P498
『一遍此の首題を唱へ奉れば一切衆生の仏性が皆よばれて爰に集まる』
【通解】
題目を一遍唱えたならば、一切衆生の仏の生命が皆呼ばれて、ここに集まる。
名字の言 人生の糧となる"忘れがたい思い出" 2020年11月20日
味のある演技に定評のあった俳優・藤岡琢也さんは、無名の頃、知人を介して森繁久弥さんに会ったことがある。「記念写真を」と知人に促された藤岡さんは、尊敬する大先輩を前にひどく緊張していた▼そこに同席していた作家の向田邦子さんが後年、藤岡さんにその時の記憶を確かめた。すると「覚えていますとも」と2度答えた。最初は大きくうなずいて。少し間があいて、2度目は感慨無量といった感じだったという(『男どき女どき』)▼人には、その後の人生の糧となる"忘れがたい思い出"があるものだ。今月、ある地域で行われた「広宣貢献賞」の授賞式でのこと。受賞した婦人の信仰歴65年の軌跡が紹介された。入会する際、婦人部の先輩から勤行のやり方、師弟の人生の崇高さなど、信心の根幹を教わった思い出が披露された▼婦人は当時の感動と決意のまま、広布一筋に生きた。現在、婦人は93歳。先輩は98歳。声に張りのある2人は、励まし合いながら意気軒高に学会創立100周年を目指す▼御書に「さいわいは心よりいでて我をかざる」(1492ページ)と。初心のままに信心を貫き、歓喜と幸福の境涯を築き上げていく——有名であれ無名であれ、"本物の人間"に備わる気高さを、2人の婦人に教わった。(白)
寸鉄 2020年11月20日
「身の財より心の財第一」御書。人格の光で周囲を照らしゆく無上の人生道
宮城「県の日」。みちのくに不屈の創価城は厳然!さあ幸薫る希望の前進を
会員から信頼されなければ真の指導はできない—恩師。幹部率先で範示せ
国連「世界子どもの日」。すべての子が夢を抱ける社会の創出は大人の責務
冬場は入浴時等の温度差による血圧変動に注意。暖房利用や防寒など賢く
〈社説〉 2020・11・20 きょう「世界子どもの日」
◇誰も置き去りにしない社会へ
社会的自立を目指し、一人で電車に乗った自閉症の少年が、問題行動を起こして、目的地の前で降ろされてしまう。それでも、スタッフに背中を押され「今度は次の駅まで」「あの橋を越えるまで」と何度も挑み続け、やがてゴールの駅にたどり着く——。実話を基にしたフランス映画「スペシャルズ!」の一場面だ。
自閉症など発達障害は"目に見えない障害"といわれ、周囲の誤解を招きやすい。批判を浴びながらケア施設を運営する主人公は「誰がこの子たちを守るのか」と叫ぶ。目の前で悩む子どもたちを「見えない」「見たくない」と遠ざけていては、社会は変えられないことを痛感する。
きょう20日は「世界子どもの日」。31年前のこの日、「子どもの権利条約」が国連総会で採択された。新型コロナウイルスが世界中で猛威を振るう危機の時代だからこそ、生きづらさを抱える子どもたちが身近に存在していることに目を開き、心を向けたい。
日本社会でも、児童虐待、子どもの貧困といった問題は、依然として深刻な状況が続いている。厚生労働省によると、全国で約4万5千人の子どもが親と一緒に生活することができず、7人に1人は貧困の中で暮らしている。近年ではSNSを使った犯罪が急増。コロナ禍の外出制限で子どもたちの居場所が変化し、問題が発見されにくくなっていると、専門家は警鐘を鳴らす。
最近は、誤解や偏見による"コロナ差別"が増加。感染と背中合わせの環境で働く医療・介護従事者と、その子どもに対するいじめや差別的扱いは、決して許されることではない。
感染症指定医療機関周辺の小学校で教える教育部員は、いわれなき差別から教え子を守るため、独自の教材作りに挑戦した。小学生の女の子と、看護師である母親の姿から「感謝の心」を育む物語を作成。時にかなった取り組みとして地域メディアで取り上げられ、大きな反響を呼んだ。
また、ある未来部担当者が「子どもたちに寂しい思いをさせたくない」と、オンラインの集いを開催。少年少女部員に将来の夢を聞くと、「学校の先生!」「看護師さん!」「ユーチューバー!」……。その変わらぬ目の輝きに、担当者は相好を崩し「こちらが励まされている気がした」と語る。
池田先生は「未来を見つめれば、視界が広がる。希望の未来を見つめれば、今やるべきことも見えてくるのです」と。誰も置き去りにしない社会という希望の未来へ、身近な所から新たな行動を始めよう。今日もまた、世界中の子どもたちの幸せを願いつつ。
☆世界広布のわが舞台 第3回 機関紙が私たちの活力の源泉——台湾・台北 科技支部
今回、紹介するのは、台湾北部の都市・台北にある科技支部です。徹底した水際対策と厳格な隔離措置により、新型コロナウイルスの市中感染者が200日以上にわたって発生していない台湾。7月中旬から対面での活動を再開し、弘教のうねりを巻き起こしている同支部の取り組みを取材しました。(記事=木村輝明)
◇若者の息吹あふれる地で
台湾のシンボルタワー「台北101」などの高層建築と歴史ある街並み、にぎやかな商業エリアが融合し、活気あふれる国際都市・台北。その中心部から南西に広がる同市大安区が、科技支部の友の広布の舞台だ。
同区は台湾大学、台湾師範大学などの名門学府をはじめ、数々の学術機関が立つ文京地区として名高い。
「科技支部は大学が集まっている土地柄、青年部員がとても多い地域なんですよ」。こう胸を張るのは、弁護士として活躍する支部長の林慶苗さん。その言葉通り、所属する男子部、女子部、学生部員は200人を超えるという"若き力"がみなぎる支部だ。
また、昨年の地区総会には、支部を構成する3地区で、計163人もの友人が参加。各部一体の活動で台北の広布拡大をけん引している。
普段は若者の息吹にあふれ、多くの観光客らでにぎわう台北市内だが、1月下旬に最初の新型コロナ感染者が確認されると、状況が一変した。
夫と共に市内で老人ホームを経営する支部婦人部長の趙芬蘭さんが、コロナ後の街の様子を語ってくれた。
「私の職場は、台北でも非常ににぎやかな西門町にあります。かつては観光客が最も多い商業エリアだったのですが、コロナの影響を受けて閑散とするようになり、多くの店舗が次々と店を畳みました」
感染の確認以降、台湾政府は入境制限や検疫の強化などの措置をいち早く実施。マスク販売の一元化や詳細な情報開示などの対策を次々に講じた。
市民全体の高い危機意識や感染防止への協力も相まって、4月13日を最後に、新型コロナの市中感染は確認されていない。世界でも、コロナの封じ込めが最もうまくいっている地域の一つである。
6月にはイベントなどの入場制限が解除され、コンサートや演劇、野球場や映画館にも人が戻ってきた。現在、屋外ではマスクなしで町を歩く人も徐々に増えているという。
◇充実の「創価新聞」
台湾SGIでは7月中旬から、感染拡大防止対策を十分に行った上で、対面での活動を再開した。
「久しぶりに同志と会えた時は、本当にうれしく、温かな気持ちになりました。コロナによる自粛を経験したからこそ、より一層、毎回の活動を大切にし、皆と共戦できる時間を有意義に使おうと決意しました」(女子部部長の温家瑜さん)
コロナ危機の発生以来、友の心を支え続けているのが、台湾SGIの機関紙「創価新聞」だ。週2回、オールカラー12ページで、電子版も発行されている。
同紙では、池田先生の小説『新・人間革命』(中国語訳)や信仰体験だけでなく、コロナの効果的な予防法や生活に役立つ知識を紹介。また"閉塞感が広がる時だからこそ、芸術で心に潤いを"と、一流の美術品を紹介する"紙上美術展"なども掲載してきた。
「活動が思うようにできない中で、創価新聞は、私たちの信心を育む"栄養"の役割を果たしてくれました」と男子部の陳柏霖部長は言う。
女子部でも、オンラインの集いで同紙を読み、華陽姉妹とエールを送り合う。創価新聞は苦難を乗り越える励ましの源泉となり、池田先生と同志を結ぶ精神的な支柱となっているのだ。
◇コロナ禍の中で13人が入会
創価新聞への反響は会員以外の読者からも寄せられていると、趙支部婦人部長は声を弾ませる。
「友人は『池田先生の指針からポジティブな力をもらえる』『信仰体験に感動した』『仏法のことだけでなく、生活のこまやかな事柄や、芸術・文化についての彩りある記事まで、たくさんの情報を提供してくれている』と、とても喜んでくれています」
この下半期、台湾SGIでは少人数で友を訪問激励する"励まし運動"と、機関紙の購読推進に注力しており、科技支部はこれらの取り組みで台北をけん引する。壮年部は9月時点で、昨年の4倍の購読推進を達成。さらに各部一体で奮闘した結果、支部としての本年の目標も、10月までに達成した。
また、コロナ禍の中にもかかわらず、本年、13人もの新入会者が誕生した。その多くが、創価新聞を読んでいる友人だったという。
機関紙を購読してもらうことの意義は何か。趙婦人部長に聞くと、次のような答えが返ってきた。
「仏法対話をしても、すぐには学会の素晴らしさを理解してもらえないことがあります。でも、新聞を継続して購読してもらい、信心のことを伝え続けていけば、その人の心に絶えず『下種』(=成仏への種を下ろす)をしているのと同じです。そして、悩みにぶつかった時、友人は仏法の哲理を思い出して、自ら信心を求めるようになるのだと思います」
◇変毒為薬の信心
感染の抑え込みに成功している台湾でも、コロナによる経済への影響は深刻だ。本年初頭、大学院生として就職活動を開始した男子部の陳部長も、焦りを感じていた。
「コロナの感染拡大が始まると、多くの企業が社員の募集を縮小しました。就活は、全くうまくいかなかったんです……」
状況の厳しさを身に染みて感じた。しかし、毎日真剣に祈り、学会活動にも一歩も引かずに挑戦。また、面接などの準備も入念に取り組んだ。そうした中、ついに台湾屈指の商業銀行から採用を勝ち取ることができた。
「御書や師匠の指導を羅針盤として困難に立ち向かい、それを乗り越えていく中に、真の幸福と勝利があるのだと実感しました」
陳部長は今、コロナ禍で深めた確信を胸に、悩める友の元へと足を運び、自身の体験を語っている。
新たな生活様式の中で、さまざまな工夫を凝らしながら、創価の励ましと学会理解の輪を広げる科技支部の友。林支部長は力を込める。
「御書に『大悪をこれば大善きたる』(1300ページ)とありますが、大事なことは、私たちがどこまでも強盛な信心に立つことだと思います。苦難に立ち向かうための信心ですし、全てを変毒為薬していける信心です。大変な時だからこそ、題目をあげ抜き、異体同心の団結で前進していきたい」