2019年7月16日火曜日

2019.07.16 わが友に贈る

新聞休刊日

報恩抄 P297
『小失なくとも大難に度度値う人をこそ滅後の法華経の行者とはしり候はめ』

【通解】
少しの罪もないのに、(法華経を弘めているために)たびたび大難にあう人こそ、仏滅後の法華経の行者であると知りうるであろう。

☆広布史アルバム 第6回 大阪
◇関西魂こそ学会永遠の宝
1957年(昭和32年)7月17日。
中之島の大阪市中央公会堂は、不当な権力への義憤に燃える同志で埋まった。「大阪大会」である。
空には雷鳴が轟き、豪雨が地面をたたきつけた。場外には1万数千人の友。だが、その場から離れようとする人はいない。
2週間前の7月3日、民衆勢力の台頭を恐れた権力によって、池田先生は無実の罪で逮捕・投獄された。15日間に及ぶ獄中闘争の後、17日に出獄した。
先生の師子吼が公会堂に響いた。

「大悪をこれば大善きたる」(御書1300ページ)との御金言のごとく、私もさらに、より以上のたぎりきった信心で、皆さまと共に、広宣流布に邁進しゆく決心でございます。
最後は、信心しきった者が、御本尊様を受持しきった者が、また、正しい仏法が、必ず勝つという信念であるのでございます!

烈々たる大宣言に、関西の友は血涙を拭い、"戦いは絶対に負けたらあかん"と魂の奥深くに刻んだ。この「関西魂」について、池田先生は折々に語っている。

「関西魂」とは——
「負けじ魂」である。
「不屈の魂」である。
「師弟の魂」である。
「団結の魂」である。
「常勝の魂」である。
ゆえに、脈々と受け継がれている「関西魂」こそ、学会永遠の宝なのだ。

「最後は信心しきった者が必ず勝つ」という、常勝不敗の旗をさらに高く掲げて、私と共に、朗らかに、断固と勝ち進もうではないか!
「師弟の真髄は関西にあり」「関西魂とは折伏精神なり」そして「仏の力とは常勝なり」という実証の大金字塔を、威風堂々と打ち立ててくれ給え!

SGIの友は言う。
「信心は関西に学べ!」
関西は、「世界のカンサイ」だ。二十一世紀は関西の時代である。
「今再びの陣列」をもって、新しき人権闘争の、新しき精神闘争の、勝利の幕を開こう。
不滅なれ、関西魂!
永遠なれ、世界の錦州城よ!

◇池田先生から贈られた和歌
「大阪大会」から50周年の節目を刻んだ2007年(平成19年)7月、池田先生は、「あの城を 共に見つめむ 語りなむ 常勝関西 三世の功徳と」「入獄と 出獄記念の 中之島 師弟の城をば 共に忘れじ」とともに、関西の同志に下記の和歌を贈った。

勝ちにけり
 大関西は
  我が故郷
 あの日あの時
  中之島城かな

☆世界写真紀行 第37回 ブラジル・サンパウロの街並み
◇民衆こそ歴史を動かす英雄
街の中心である旧市街のセントロには、行き交う人々のにぎやかな声が響いていた。
南米最大のメガロポリス・サンパウロ。ブラジルの金融・経済の中心地であり、周辺都市を含むサンパウロ都市圏には、東京の人口をはるかに超える約2000万人が暮らしている。「世界最大の日系人社会」としても知られ、その数はサンパウロ州内で約100万人に上る。
サンパウロは19世紀後半にコーヒーの集荷地として発展。その後、工業が目覚ましく成長し、都市GDP(域内総生産)は今も南米トップを維持する。中心部には路線バスや地下鉄、鉄道の路線網が張り巡らされ、高層ビルが林立していた。
ブラジルは1500年4月22日、ポルトガル人航海者のカブラルによって"発見"された。この地で生きてきた先住民は迫害を受け、ポルトガルによる植民地化が進められた。
やがてサトウキビ栽培が始まり、労働力を確保するため、アフリカから黒人奴隷が連れてこられる。17世紀末になると金鉱が発見され、一獲千金を夢見る人々が押し寄せた。
ポルトガルからの独立は1822年9月7日。88年に奴隷制度が廃止されてからは、日本など各国から移民を受け入れた。
池田先生がサンパウロにブラジル広布の第一歩をしるしたのは、1960年10月19日。明年で60周年を迎える。
先生を迎えた同志の多くは、日本から移住し、農業に従事している人たちだった。
皆、夢を抱いてブラジルに渡ったが、労働は想像以上に過酷だった。与えられた住居は古い家畜小屋で水道や電気もない。日本で全財産を処分してやって来たが、詐欺に遭い、買ったはずの土地の登記がされておらず、小作人から始めた人もいた。そうした厳しい環境下にあっても、開拓の友は必死に歯を食いしばって生きていた。
先生はサンパウロ市内で行われた座談会に出席。幼子を抱えながら、病気で夫を亡くし、途方に暮れた婦人を励ました。
その様子は、小説『新・人間革命』第1巻「開拓者」の章につづられている。
「人は皆、人生という原野をゆく開拓者です。自分の人生は、自分で開き、耕していく以外にありません。信心というクワを振るい、幸福の種を蒔き、粘り強く頑張ることです。広宣流布のために流した汗は、珠玉の福運となり、永遠にあなたを荘厳していきます。どうか、ブラジル一、幸せになってください」
そして海外初となる支部の結成を発表し、参加者に訴えた。
「ブラジルは、海外広布の先駆けになりました。ここには無限の未来性があります。皆さんは、平和と幸福の開拓者として、どうか、私に代わって、ブラジルの広布の道を開いてください」
最も苦しんだ人が、最も幸福になれる——その確信を打ち込む初訪伯であった。
2001年7月、先生にサンパウロ州イタペビ市から「名誉市民」の称号が授与された。この折、先生は来日した同志に、長編詩「世界の王者たれ! ブラジル」を贈っている。

なぜブラジルに
爆発的な民衆文化が
かくも鮮やかに
織り成されたのか。
それは
五百年もの凄烈なる歴史を
乗り越えてきたからだ。
征服と混沌と独裁という
「反人道の五百年」に
営々と勝利してきたからだ。

黄金を求める欲望の世紀に
終止符を打ったからだ。
我らは不屈の民衆なりと
昂然と胸を張って
生き抜いてきたからだ。

いかなる権力をもっても
いかなる暴力をもっても
人間の魂を
征服することなど
決して できない。

真正なる民衆は
屈辱を受けるほど
さらに強くなっていく。
嘲笑を受けるほど
尊貴な力をつけていく。

虐げられてきた民衆が
勝利の栄冠に輝くその日を
人類の歴史は
忍耐強く待っているのだ。

民衆こそ
歴史を動かす英雄である。
民衆こそ
未来を開く原動力である。

ブラジルの各都市には現在、「牧口常三郎公園」「戸田城聖通り」「池田大作博士環境公園」をはじめ、三代の会長の名を冠した「公園」「通り」「橋」などが数多くある。それは、師匠の思いを胸に、ブラジルの同志が苦難を前進の力に変え、"良き市民"として社会に貢献してきた証しである。
師弟の月・7月が開幕した。たった一人の行動であっても、それが折り重なっていけば、偉大な歴史は築かれる。
民衆の団結の底力を示す時は「今」である。