感染拡大に立ち向かう
医療・介護等の従事者の
懸命な奮闘に感謝。
皆さまの無事と安穏を
心から祈っています。
御講聞書 P816
『一切衆生法華経を謗じて流転す可きを観じて日本国を日蓮経行して南無妙法蓮華経と弘通する事又又此の如くなり』
【通解】
一切衆生が法華経を誹謗して(不幸の道を)流転するのを見ぬいたゆえに、(それをとどめるために)日蓮が日本国を歩いて南無妙法蓮華経を弘通している。これは釈尊と同様である。
名字の言 スペインの建築家ガウディが残した最後の言葉 2022年8月4日
着工から140年。今も建設が続くスペインの「サグラダ・ファミリア」の主任建築家にガウディが就いたのは31歳。この"重圧の苦悩"が才能を開花させた▼幼少期の病や家族との死別など、ガウディは幾つもの苦難を味わった。苦闘の中で鍛えられた精神力は、画期的な構想を生む原動力に。彼は晩年まで現場に立ち続けた。「諸君、明日はもっと良いものをつくろう」——これが職人たちへの最後の言葉だった(『ガウディの伝言』光文社新書)▼沖縄のある壮年は7歳の時に宮古島で終戦を迎え、10代に母を病で失った。家族を支えるため、沖縄本島へ出て就職。同僚の事故死などに苦悩していた時、妻の折伏で入会する▼新たな職に就くも、多額の負債を背負う不運に襲われ、宿命転換を願って発心した。学会活動に励む中、大手ホテルの管理職に抜擢。人柄と誠実な働きぶりで不動の信頼を築き、経済苦も乗り越えた。83歳となった今、"まだまだこれから!"と後継の友と広布の道を歩む▼御書に「法華経を持つ男女のすがたより外には宝塔なきなり」(新1732・全1304)と。見上げるような宝塔とは、実は妙法を持つ私たちそのもの。その姿を輝かせるのは、苦難に負けない心である。
寸鉄 2022年8月4日
「わざわいも転じて幸いとなる」御書。大変な時がチャンス。勇んで前進(新1633・全1124)
学生部が教学実力試験へ研鑽の汗。青春の挑戦は全て宝に。鍛えの日々を
後輩を育てる心がなければ団結もなくなる—恩師 共に動き成長する幹部に
携帯で睡眠時間減った—9割と。就寝前の使用は健康に悪影響も。要注意
各地でお盆の渋滞予想。余裕持った計画と小まめな休憩を。無事故の夏へ
〈社説〉 2022・8・4 奮闘する受験生にエール
◇目標を明確に努力の日々を
"夏を制する者は受験を制す"といわれるように、今、受験生たちの"勝負の夏"が始まっている。まとまった時間が取れるこの時期をどう過ごすかが、まさに志望校合格への分水嶺。奮闘する受験生が、"勝利の春"を迎えられることを念願してやまない。
この時期、特に力を入れたいことに「基礎固め」と「苦手科目の克服」が挙げられる。例えば、英単語の暗記に時間を掛けたり、苦手科目の問題集を何回も繰り返し解いたり。その際、大事なのは、夏休み中にここまでは終わらせたいという到達目標と、そこから逆算した「1週間」「1日」単位の実践目標の両方を決めることだとされる。やるべきことを整理し、日々の目標が明確になることで気持ちも軽くなる。体調不良などの事態にも対応できるように「予備日」を設け、無理のない目標を立てることが継続のポイントだ。
また、生活習慣を整えることも肝要。夏休みは何かと誘惑が多く、夜更かしなどをしてリズムを崩す人も少なくない。1日の勉強時間だけでなく、起床、食事、休憩、趣味、入浴、就寝などの時間もあらかじめ決めておき、メリハリをつけて取り組みたい。計画通りに進まない場合は、1日を振り返りながらその原因を分析し、自分の体力や性格に合うように組み直すのもいい。目標を書いた計画表をいつでも見られる場所に置き、早寝早起きと、オンとオフの切り替えを大切にしながら有意義に一日一日を過ごしたい。
その上で、最も重要なことは、"絶対に合格してみせる!"との「決意」と「執念」だ。中には、思うように成績が上がらず、焦りや不安を覚える受験生もいるかもしれない。それでも諦めずに前を向き、何度も挑戦し続けること。その生命力の源泉こそ、「朝晩の勤行・唱題」にほかならない。
池田先生は、祈りについて語っている。「『太陽』が昇れば、『地上』が明るく照らされていくように、現実の勉強や生活で、自分が何をどうすれば、うまくいくのか、はっきりとわかってくる。そして、『また頑張ろう!』という元気がわいてくる。"努力するためのエンジン"が信仰です」と。
昨日より今日、今日より明日へと前進し続けた分だけ、栄光のゴールは近づく。私たちも未来の宝の勝利を祈り、見守り、全力でエールを送ろう。頑張れ、受験生!
☆共生の地球社会へ〜仏法の英知に学ぶ テーマ:平和の文化
登場人物
【娘・ミライさん】好奇心旺盛な女性部員。世の中の出来事について、父・ホープ博士と語り合うことを楽しみにしている。
【父・ホープ博士】勉強熱心な壮年部員。毎月1回、家族と一緒に教学を研さんしている。「博士」はニックネーム。本業は会社員。
◇非暴力で人類の脅威に挑む
ミライ 来月6日、国連のグテーレス事務総長が、広島市で開かれる平和記念式典に初めて出席するようだね。ウクライナ危機によって核兵器の脅威が強まるなど、社会が混迷を深める今こそ、平和について真剣に考えたいね。
ホープ 20世紀、人類は2度の世界大戦をはじめ、多くの戦争・紛争を経験した。20世紀末に冷戦が終わり、平和を持続可能なものとするためには、私たち人間自身の価値観や行動そのものを変革するしかない——そうした考えのもと、生まれたのが「平和の文化」という概念だよ。
ミライ 「平和の文化」は、平和を築くための価値観や態度、行動、生き方のことだよね。
ホープ そうだね。池田先生とも親交の厚いチョウドリ元国連事務次長が1997年(平成9年)、「平和の文化」を国連総会の議題にしようと提案し、99年に「平和の文化に関する宣言及び行動計画」が国連で採択されたんだ。
国連をはじめ国際社会は、「戦争と暴力の文化」から「平和と非暴力の文化」へと、"人間の価値観や行動"そのものを変革していく努力が必要だとして、「平和の文化」を築くための取り組みを開始したんだ。
例えば、私たちの日常でも、他人と意見が対立することがあるよね。もしも、相手を軽蔑したり、暴力を使ったりして、解決を図ろうとすれば、憎しみや禍根が残ってしまう。当たり前のように聞こえるかもしれないけれど、そうならないための生き方を身に付けることを、「平和の文化」は教えているんだ。
◇心の変革から
ミライ 「平和」の対極にあるのは、戦争や武力紛争だけではないってことね。
ホープ そうだよ。家庭内暴力や暴言、人種差別、いじめなど、生命の尊厳や安全を脅かす全てのものが「平和」の対極にあると考えるんだ。その意味で、誰もが当事者として「平和の文化」を育んでいきたいね。
「平和の文化に関する宣言」の冒頭には、「戦争は人の心の中で生まれるものであるから、人の心の中に平和のとりでを築かなければならない」との、ユネスコ憲章の前文が引用されているよ。
ミライ 一人一人の心の変革、考え方の変革にこそ、「平和の文化」を育むカギがあるということだね。
ホープ 仏法の平和思想とも共鳴する理念だね。「立正安国論」を拝して、一緒に学ぼう。
日蓮大聖人の御在世では、天変地異や争いが相次ぎ、人心は大いに乱れていた。そうした惨状から「立正安国論」は始まっている。
そして、当時の為政者を想定した「客」が、不幸な状況を食い止めたいとの思いを吐露したことに対し、大聖人を想定した「主人」が、「自分も一人でこのことを憂い、胸の中で憤ってもどかしい思いでいたところ、あなたが来て同じことを嘆くので、しばらく、これについて語り合おうと思う」(新25・全17、通解)と、同じ悩みを抱いていたことを明かしている。
平和な社会を実現するために、「憂いの共有」から対話が始まり、やがて、平和を築く主体者として「誓いの共有」へと昇華していくんだ。
ミライ 「立正安国論」の結論では、社会の安穏を実現するための根本は、民衆一人一人の胸中に、正しき根本善の哲理を打ち立てることだと示されているよね。
つまり、一人の人間の「心の次元の変革」があってこそ、平和は築かれるということだね。
◇連帯を広げる
ホープ 「平和の文化」の実践については、「個人の自己変革」に加えて、「地球規模の連帯」が大切なんだ。
互いを敬い、慈愛と共感をもって触れ合う中で、平和や非暴力を当たり前にしていくこと。具体的な対話、教育、そして人と人とのネットワークを広げるなど、私たち一人一人のたゆみない努力が必要なんだね。
ミライ 創価学会では「平和の文化フォーラム」を各地で開催してきたよ。子どもの不登校やいじめ、差別や障がい、家庭不和の克服、環境問題など、さまざまなテーマに基づいて体験主張を行っているよね。
また、少子高齢社会にあって、希望の生き方を考える「平和の文化と希望」展を巡回展示してきたね。
こうした機会に触れて、私もさまざまな考えをもつ人と、率直な語らいを広げているよ。
ホープ 素晴らしいね! 池田先生は、「『他者を尊重する』『他者に寛容になる』と言っても、互いが自らの文化・文明を絶対視したままの『尊重』『寛容』では、世界は分断されたままです」と語られた上で、他者との対話を通じて自他共の変革の道を考え、広げていくことを訴えられているよ。(『地球平和への探究』潮出版社)
「非暴力と"平和の文化"に立脚し、人類が直面する脅威に挑みゆく」——「創価学会社会憲章」にうたわれている仏法者の社会的使命を自覚し、自身の足元から平和の連帯を広げていこう。
◇御文
『主人曰わく、独りこのことを愁いて胸臆に憤排す。客来って共に嘆く。しばしば談話を致さん。』(立正安国論、新25・全17)
◇メモ
対話形式で記された本抄では、正論を語る主人に対して、客は反発を続けます。それでも、主人は、相手を包容しながら対話を進め、客の心を変革していきました。
相手の仏性を信じ、粘り強い対話を通して、自他共の生命を変革する——こうした行動と挑戦が、平和への直道だと確信し、創価学会は対話運動に励んでいます。
[コラム:"いま"を知る]無明のはたらき
古代インドでは、社会が混沌とする中、憎悪や暴力が連鎖し、家の中でも武器を構える時代があったという。こうした事態に胸を痛めた釈尊は、「水の少いところにいる魚のように、人々が慄えている」との言葉を残した。(『ブッダのことば』岩波書店、中村元訳)
互いに侵略への恐怖に駆られているにもかかわらず、心の曇りによって、相手が自分たちと同じ苦しみに直面していることが目に映らなくなっていることへの戒めだ。
心の曇り——釈尊は、人々を戦争や暴力へ駆り立てる根源に、他者の生命も、自分の生命と同じく尊いものであることを受け止められない「無明」のはたらきを洞察した。
暴力による痛ましい事件が後を絶たない。法律による対処も必要だが、自ずと限界はある。対処すべき本質は、根源の迷いの生命であり、エゴイズムだ。どこまでも人々の心に、生命の尊厳を第一とする規範を打ち立てていきたい。