一年を締めくくる師走。
忙しい中でも着実に
やるべき事をやり切ろう。
充実の総仕上げは
明年の飛躍への助走だ!
四条金吾殿御返事 P1136
『火にたきぎを加える時はさかんなり、大風吹けば求羅は倍増するなり、松は万年のよはひを持つ故に枝をまげらる、法華経の行者は火と求羅との如し薪と風とは大難の如し、法華経の行者は久遠長寿の如来なり、修行の枝をきられまげられん事疑なかるべし、此れより後は此経難持の四字を暫時もわすれず案じ給うべし』
【通解】
火に薪を加える時には火は盛んに燃えます。大風が吹けば求羅という虫は大きくなります。松は万年の長寿を持つゆえに枝を曲げられるのです。法華経の行者は火と求羅のようなものであり、薪と風は大難のようなものです。法華経の行者は久遠長寿の如来です。修行の枝を切られ、曲げられることは疑いないのです。これより以後は「此経難持」の四字をしばらくも忘れず思索していきなさい。
名字の言 仏教説話「雪山の寒苦鳥」の教訓 2021年12月1日
朝、自宅を出ると吐く息が白い。遠くに望む富士の峰も純白の衣に包まれている。冬到来である▼かつてインドには、四季を通じて雪が消えない極寒の「雪山」があったと仏教説話に説かれている。その山に寒苦鳥という宿無し鳥がいた。夜になると寒さに耐えかね、"夜が明けたら巣を作ろう"と鳴く。だが朝日が昇ると、その暖かさに夜の苦しみもどこへやら。"今を楽しまなければもったいない"と巣作りを怠った。その繰り返しで一生むなしく過ごしてしまう▼笑えない人もいるかもしれない。今やるべき課題を先延ばしにしがちな人間のさがを突いた教訓である。寒苦鳥が"作るべき巣"とは「確固たる信念」のたとえであり、「楽しみに流されず苦しみに負けない性根のすわりどころを示唆している」と、池田先生はつづっている▼この「雪山の寒苦鳥」を通して、ある未来部担当者は受験に挑む未来部員を励ましているという。自分自身の経験も踏まえながら「頭を鍛えるだけでなく、心も鍛えられるチャンスだよ」「『受験に勝った』と言える以上に『自分に勝った!』と言えることが大事なんだ」と▼冬来りなば春遠からじ。挑戦の季節を越え、全ての受験生に青春勝利の春よ来いと祈る。
寸鉄 2021年12月1日
人々結ぶ学会員の行動は社会の模範—識者。共生世紀へ友情育む対話益々
未来部勝利月間。鳳雛の成長・栄冠こそ次代の光。温かな激励を創価家族で
千葉県女性部の日。有縁の地に輝く旭日の連帯。希望拡大で郷土を明るく
「困難を笑いの種にし、それを乗りこえよ」作家。皆が師子。逆境に怯まず
冬の省エネ総点検の日。各地で電力供給は厳しい見通しと。節電意識更に
〈社説〉 2021・12・1 誰も置き去りにしない社会へ
◇"命に寄り添う"日蓮仏法
待望の『日蓮大聖人御書全集 新版』が発刊された。文字の拡大に伴い、サイズも大きくなった。手にした壮年部員が語っていた。「この重厚さは、まさに大聖人が一人一人の命に寄り添い、積み重ねてこられた御闘争の重みと言えますよね」と。
天災や飢饉が続発し、人命がはかなく奪われていった大聖人の御在世。その命一つ一つを何としても救わんと、大聖人は権力者に諫暁の書をしたため、門下に励ましの手紙を送り続けた。
「命と申す物は一身第一の珍宝なり一日なりとも・これを延るならば千万両の金にもすぎたり」(御書986ページ)。重い病と闘う門下に書き送った文である。
あなたの命は、いかなる財宝よりも貴い無二の宝なのですよ——この「命」を無条件で絶対的な価値とする生命尊厳の哲学を胸に、創価の師弟は、民衆の大海原に対話のうねりを起こし、世界に人間凱歌の連帯を広げてきた。
翻って現代社会では、命は大切だと誰もが口にする一方で、命を軽んじたり、他者の命を奪うことを許容したりする言葉や出来事があふれているように見える。
殺人事件や世界各地の紛争・戦乱。面識のない人に平気で「死ね」などの言葉を浴びせるSNS。命の奪い合いを、いたずらに煽り立てるゲームやドラマもある。目まぐるしい大量の情報の渦の中で、気が付くと、命は「絶対善」として守るべきものだとは捉えづらくなっているのではないだろうか。
未曽有のコロナ禍に見舞われた2020年。日本では自殺率が11年ぶりに上昇した。一人一人の「命」が直面している危機は深刻だ。なればこそ、その一人一人と向き合い、"どんな人にもかけがえのない仏性がある。一人も置き去りにするものか!"との信念で人間主義の哲学を語り広げる、私たちの対話の意義は限りなく大きい。
池田先生は語っている。「日蓮大聖人は『一日の命は三千界の財にもすぎて候なり』(御書986ページ)と仰せです。一日の命は、宇宙の財宝を集めたよりも貴いのです。だから一日一日を無駄にしてはいけない」(『法華経の智慧』)
この尊厳な生命を、誰もが平等に持っている。ゆえに一日一日、自他共の生命を輝かせゆく行動がどれほど偉大か。友に寄り添う励ましの対話に、わが貴き"命"を燃やし続けたい。
☆大白蓮華巻頭言 2021年12月号 信心の「心ざし」は自在なり
信心とは、何ものにも揺るがず、何ものにも侵されず、何ものにも屈しない、最も深く、強き心である。
日蓮大聖人は、大法戦を開始された御自身の出発点を「いかなる大難にも退せぬ心」(P1488)と仰せられた。
初代・牧口先生、二代・戸田先生以来、この御心を継ぎ、勇猛精進を貫いていることが、創価の師弟の誉れである。
とりわけ、全世界がコロナ禍に直面した去年、今年は、あらゆる動きが制限される中で、広宣流布の流れが停滞し後退させられかねない試練であったといってよい。
しかし、学会家族の信心の「心さし」は、いささかたりとも怯まず、退かなかった。いずこの国・地域も、思うように集まれなくとも、互いに気づかい支え合い、聡明に工夫して異体同心の団結を深め、断固と前進してきた。
そして民衆と社会の安穏を祈り、変毒為薬の光を送って、立正安国の希望・勝利の実証を打ち立てたのである。
御本仏の御賞讃はいかばかりであろうか。
「北国も東国も西国も南国も一同にやみなげくよしきこへ候、かかるよにいかなる宿善にか・法華経の行者をやしなわせ給う事ありがたく候ありがたく候」(15521)
これは、当時、二年にわたる疫病の大流行の渦中も、変わらぬ心ざしで大聖人をお守りし、先頭に立って強敵に立ち向かった南条時光への御聖訓である。
この功徳は、亡き家族への最高の追善になり、自身を荘厳し、さらに一切に及ぼしていけるとも示されている。
それは、今この時に、自発能動の信心で戦いを起こし続けている、わが同志一人一人への御照覧に他ならない。
信心の心ざしは自在であり、壮大であり、永遠である。
「心の一法より国土世間も出来する事なり」(P563)と明かされている通り、新たな年も、御本仏と共に、妙法と共に、立正安国と一閻浮提広宣流布、そして末法万年尽未来際への令法久住を心ざし、明朗に進みゆこう!
人類も地球も宇宙までも、元初の太陽の心で悠々と照らしながら、青年・飛躍の大ドラマを綴りゆくのだ。
真金を
鍛える試練を
勝ち超えて
万年までの
大河は無窮と
☆学ぼう 12月の学会史 2021
◎12・2 小説『人間革命』の執筆開始
1964年(昭和39年)12月2日、池田大作先生は小説『人間革命』の執筆を、太平洋戦争で凄惨な地上戦の舞台となった沖縄の地で開始した(翌65年の元日付から聖教新聞紙上で連載)。『人間革命』全12巻は完結まで28年余り。聖教新聞での連載は、1509回を数えた。その後、小説『新・人間革命』を25年にわたり執筆し、全30巻で完結した。連載回数は『人間革命』『新・人間革命』を合わせ、通算7978回。これは、日本の新聞小説史上、最多の連載回数である。
※参考資料=『新・人間革命』第9巻「衆望」/VOD【広布史】「恩師の『真実』を後世に 小説『人間革命』の執筆」
◎12・2「文芸部の日」
小説『人間革命』の執筆開始が淵源。池田先生は文芸部の結成の際、"人々に最大に貢献するのだという信念をもち、大いに活躍を"との指針を示した。
※参考資料=『新・人間革命』第14巻「使命」
◎12・5 池田先生が中国の周恩来総理と会見
1974年(昭和49年)12月5日、池田先生は第2次訪中の最後の夜、中国の周恩来総理と北京の305病院で歴史的な会見を行った。
※参考資料=『新・人間革命』第13巻「金の橋」、第20巻「信義の絆」
◎12・10 長編詩「青年よ 21世紀の広布の山を登れ」発表40周年
1981年(昭和56年)12月10日、池田先生は大分の地で長編詩「青年よ 21世紀の広布の山を登れ」を発表。本年で40周年。
※参考資料=『新・人間革命』第30巻〈下〉「勝ち鬨」
◎12・22「統監部の日」
1952年(昭和27年)12月22日、戸田城聖先生のもと、地方統監部が設置された。
※参考資料=『人間革命』第6巻「離陸」
◎「75万世帯の弘教」が成就
1957年(昭和32年)12月13日、戸田先生の願業である「75万世帯の弘教」の成就が聖教新聞で発表。同25日に行われた本部幹部会では、76万5000世帯となったことが報告された。第2代会長に就任した戸田先生が「私が生きている間に、75万世帯の折伏は、私の手でいたします」と叫ばれた時、学会員は実質3000余にすぎなかった。池田先生が東京の大田、文京をはじめ、札幌、大阪、山口と、一番大変なところに飛び込み、拡大の歴史を切り開いていく中、6年7カ月で成就した。
※参考資料=『人間革命』第12巻「憂愁」