笑顔があふれるところに
希望と歓喜が生まれる。
朗らかな振る舞いで
家庭に 職場に 地域に
「幸の花園」を広げよう!
妙法比丘尼御返事 P1412
『法華経のかたきを見て世をはばかり恐れて申さずば、釈迦仏の御敵いかなる智人善人なりとも必ず無間地獄に堕つべし』
【通解】
法華経の敵を見て、世をはばかり、世を恐れて黙っていたら、釈尊の敵となってしまう。どんな智人・善人でも必ず無間地獄に堕ちる。
名字の言 板垣退助とビクトル・ユゴー 2021年11月21日
今から約140年前、自由民権運動の旗手の一人、板垣退助がフランスで尋ねた。「日本のような後進国の国民に広く自由民権の思想を普及するには、どうしたらいいでしょう」▼「それは適当な小説を読ませるのが一番」。こう語ったのは、晩年の文豪ビクトル・ユゴー。板垣がこの発言に面食らっていると、自身最後の小説『九十三年』を薦めたという。板垣が帰国した時、船荷には西洋の小説が大量に積まれていた(木村毅著『日本翻訳史概観』)▼ユゴーは政治家でもあった。貧困の克服、教育権の独立、自由民権の擁護などのため、火を吐くような言論をもって戦った。しかし、ナポレオン3世と政治的に対立し、約19年間の亡命生活を強いられる。この間、『レ・ミゼラブル』など代表作の大半が生まれ、『九十三年』の構想も練られた▼革命期の混乱する社会を舞台に、人間愛の精神を高らかにうたい上げた『九十三年』。若き池田先生が恩師・戸田先生の厳命で同志と共に読み、「わが青春時代の、戦い生き抜く力となった大切な書」と述懐する一冊である▼ペンは剣よりも強し——ナポレオン3世が倒れ、亡命先からパリに凱旋したユゴーは、民衆に熱狂的に迎えられた。読書の秋、魂を揺さぶる一書を見つけたい。
寸鉄 2021年11月21日
人類を融和させる活動が学会にある—博士。心結ぶ対話で平和の連帯更に
男子部・学生部が誓いの船出。広布の主役は若き熱と力!飛躍の新章節を
人を育てよう!それが何よりも勝利の道だ—恩師 さあ地道な励まし今日も
世界ハロー・デー。豊かな人間関係は挨拶から。爽やかな声で周囲明るく
「050」で始まる番号から詐欺電話が急増と。知らぬ番号は警戒怠らず
〈社説〉2021・11・21 巧妙化する特殊詐欺に注意
◇身近な人に必ず相談を!
手元にある自身のスマートフォン。久しぶりに電子メールアプリの迷惑メールフォルダをのぞいてみた。そこには、相も変わらず、1日に何十件もの迷惑メールが届いていた。
「10億円の当選おめでとうございます。当選金の受け取りはこちら」「いい出会いにつながればうれしいです。一度でいいから会ってみませんか」「久しぶり! アドレス変えたから、ここから登録しておいてね」。高額当選や出会い系など、一見して詐欺だと分かるものがほとんど。
ところが、中には「在宅ワークスタッフ募集」「働き方改革! 副業に最適」「荷物をお届けしましたが不在でした」などといった件名のメールもちらほら。もしも、こうしたメールが、迷惑メールと判断されることなく、受信フォルダにまぎれていたら、それほど警戒心を抱くことなく、簡単に開いてしまうかもしれない。
いまだ多くの方が被害に遭っている特殊詐欺。警察庁の発表によると、昨年1年間の認知件数は1万3550件、合計被害額は285億2000万円を超えている。
息子や孫などを装って電話をかけ、お金を要求するといった「オレオレ詐欺」だけでなく、近年は、手口も非常に巧妙化。
未払いの料金があるなどといって金銭等をだまし取る「架空料金請求詐欺」、税金の還付等に必要な手続きを装って現金自動預払機(ATM)を操作させ、口座送金をさせる「還付金詐欺」、未公開株や社債への投資や商品購入に関するパンフレットや、はがきが突然届き、その後、犯人から電話がかかってくる「金融商品詐欺」など多様だ。
特に、本年に入ってから増えているのが、新型コロナウイルス感染症への対策に便乗した、給付金や還付金があると偽った詐欺だ。
さまざまな詐欺の手口を知るとともに、「絶対に自分はだまされない」といった思い込みは排し、常に備えておくことが大切だ。「お金」の話が出たら、たとえ公的機関の名前を出されても、信用してはいけない。動転して、相手の要求にすぐに応じてもならない。一呼吸おいて、必ず家族や身近な人に相談してほしい。警察相談専用窓口の「#9110」、消費者ホットライン「188」を利用してもよい。こうした冷静な対応が被害を防ぐことになる。
☆11・18「創価学会創立の日」記念特集 桂冠詩人40周年(中) 古今東西の詩人・識者と魂の交流
◇「詩心」で分かち合える精神の連帯を
「詩心」の現代的意義とは——桂冠詩人の池田先生は「国境を超えて、民族を超えて、言語を超えて、『詩心』で分かち合える世界は、宇宙大に広がる『精神の連帯』を築き上げる」と述べ、「平和と非暴力の世紀」を実現するエネルギーこそ「詩心の復権」にあると訴えた。11・18「創価学会創立の日」記念特集�では、古今東西の詩人や識者との詩心を通した交流の軌跡を紹介する。
池田先生は海外歴訪の激務の合間を縫って、不滅の傑作を残した詩人の"創造の源"に思いをはせてきた。
1981年6月1日、イタリア・フィレンツェにある詩聖ダンテの生家へ。
死後の世界の旅を通して"いかに生きるべきか"を大胆な筆致で描き切った『神曲』で知られるダンテ。先生は、生家の外壁に飾られた彼の胸像を見ながら、対話するように詩人の波乱の生涯を回想。付近の店舗の店員やフィレンツェの大学の学生らと、ダンテや詩を巡って語り合った。
同月20日には、アメリカ・ニューヨーク州のロングアイランドに立つ民衆詩人ホイットマンの生家に足を運んだ。
詩集『草の葉』などで全ての人間の尊さを謳い上げたホイットマン。先生は直筆原稿のコピーや日記、肖像画などを丹念に見つめ、ウォルト・ホイットマン生家協会の関係者とも語らいを。生家のノートに「我が青春の新鮮なる心を/いやがうえにも燃え上げた/ホイットマン生誕の家に今来る/詩人とは 詩心とはを/今再び/自然の心に戻りて/思索の一時を送る」と記した。
先生はホイットマン没後100年に際し、92年3月に長編詩「昇りゆく太陽のように」を発表。ホイットマンの研究者から「互いに腕を組み、共に信じるものを守りゆこうと、ホイットマンに語り掛けているかのよう」と賛辞が寄せられた。
このほか先生は、ゲーテの家などを訪問。そして、折あるごとに詩人の残した精神的遺産について語り、つづっている。
創価大学での特別文化講座「人間ゲーテを語る」(2003年3月)では、厳しい薫陶や苦難に負けずに"精神の王者"を目指した偉人ゲーテのごとく、徹底して学び抜いてほしいとエールを。
08年4、5月には「大詩人ダンテを語る」と題する創価学園「特別文化講座」を本紙上で発表。卑劣な迫害に遭おうとも、人々の幸福のために筆を振るったダンテの姿を紹介し、人生の勝利者にと望んだ。
国家指導者、各界の識者、文化人と公式なものだけでも1600回を超える語らいを重ねてきた池田先生。その中で友情を深めるきっかけとなったのが、詩心の交流であった。
1991年4月、先生はソ連大統領のミハイル・ゴルバチョフ氏と東京の迎賓館で会見した。ソ連の国家元首として初の訪日——これは、前年のモスクワでの出会いの際に交わした約束であった。先生は「私も一つ約束を果たさせていただきたい」と、長編詩「誇り高き魂の詩」を献呈した。
「あなたのなした偉業は/人類の歴史に燦然と輝き/後世 永遠に/人間凱歌の不滅の光を放ちゆこう」
氏は応じた。
「『友人としての真心』の作品として、ありがたく受け取らせていただきます」
その後、両者は人類の未来を展望する対話を重ね、対談集も発刊。麗しき友情の交流は今も続いている。
90年10月、後に南アフリカ大統領となるネルソン・マンデラ氏を旧・聖教新聞本社で歓迎。先生はアパルトヘイト(人種隔離)と戦い抜く氏の偉大な精神闘争をたたえ、長編詩「人道の旗 正義の道」を贈った。
氏は言った。
「私たちがきょう、ここで得た最大の"収穫"は、池田名誉会長の英知の言葉です。勲章は、いつか壊れてしまうかもしれない。賞状も、いつか焼けてしまうかもしれない。なくしたり、盗まれてしまうかもしれない。しかし、英知の言葉は不変です。その意味で私たちは、勲章や賞状以上の贈り物をいただきました」
このほか先生は、ドイツのリヒャルト・フォン・ヴァイツゼッカー大統領、フランスの美術史家ルネ・ユイグ氏、世界的な作家チンギス・アイトマートフ氏、デンマークの桂冠詩人エスター・グレース氏らにも献詩。
87年4月、中国の周恩来総理の妻である�穎超氏に贈ったのが、夫妻との友誼を詠んだ「縁の桜」。この詩をもとにした曲「桜花縁」は友好の象徴として歌い継がれている。
ブラジルを代表する詩人チアゴ・デ・メロ氏とは、97年4月に旧・本社で懇談し、互いに詩を贈り合った。メロ氏が"池田会長の詩は私を何十年ぶりかに感動させ、蘇生させました"と語れば、先生は"苦闘の中で生まれたメロ先生の詩は、机上の作文ではなく魂の叫び"とたたえた。
世界に平和と希望の連帯を広げてきた詩心の交流の劇は、不滅の光彩を放っている。
☆忘れ得ぬ旅 太陽の心で 第16回 イスタンブール
月刊誌「パンプキン」誌上の池田先生の連載エッセー「忘れ得ぬ旅 太陽の心で」を紹介する本企画。今回は「イスタンブール——命がつなぐ歴史と希望」〈2013年5月号〉を掲載する(潮出版社刊の同名のエッセー集から抜粋)。トルコ最大の都市イスタンブールは、2000年以上の歴史を誇る。時代の流れの中で、三つの帝国の首都としても栄えた。多彩な文化を受け入れてきた"歴史の街"に息づく、調和の心に学び、一人一人が輝く未来を創っていきたい。
チューリップ
色とりどりの
友たちと
ならんで咲きゆく
おとぎの国かな
美しき「人類の古都」イスタンブールで迎えてくれたのは、なんとも愛らしいチューリップの花々でした。一九九二年の六月に訪れた時のことです。
日本の幼子たちが一番はじめに描く花はチューリップが多いと聞いたことがあります。誰からも親しまれ、可憐ななかに凜々しさを湛えた、この花の故郷こそ、トルコであると言われます。
富山県や新潟県の県花であるチューリップは、トルコでは国花として愛でられているのです。
チューリップの「博愛」との花言葉は、古来、世界中から多くの民族を迎え入れてきたイスタンブールの温もりを象徴しているかのようです。
そもそも、この「花言葉」という文化自体、トルコで生まれました。相手に対する自分の思いを花に託して伝える風習が、世界に広がったのです。
イスタンブールは、二千数百年もの歴史を誇ります。その名をビザンチウム、コンスタンチノープル、イスタンブールと順々に変えながら、三つの大帝国の首都として、ギリシャ・ローマ文化、キリスト教文化、イスラーム文化の要衝となって栄えてきました。
さらに、ここを出発して、ユーラシア大陸を横断する「絹の道(シルクロード)」、大海を越える「海の道(マリンロード)」は、日本にもつながっていたのです。
様々な人や文化が往来し、息づく、この世界都市を支えてきた精神とは、何か——。
イスタンブールの指導者が私に語られたのは、常に「人間」として「人間の価値」を第一に考えることです。異なる民族と文化、すべてを平等に尊重することです。
多彩なチューリップの花咲く都は、朗らかに「まず人間であれ」そして「自分らしくあれ」と励ましてくれているのです。
◇誉め称える
〈ボスポラス海峡を挟んでアジアと欧州にまたがるイスタンブール。池田先生はさまざまな出会いを振り返りつつ、東西の交差路に脈打つ"相手を尊重する精神性"をたたえる〉
美しき
心の都を
日々 築け
私は、イスタンブール出身の高名な人類学者ヤーマン博士(ハーバード大学名誉教授)と、『今日の世界 明日の文明』と題する対談集を発刊しました。
博士は私に、「『共感』は真の人間らしさを示す特質である」と強調されたことがあります。
すなわち、積極的に他者と対話し、交流し、悲しみや喜びを分かち合い、他者の生き方に深く配慮していく「共感」を育むことです。
その根幹には、他者の生命への尊敬が自身の生命を荘厳することだという哲学があります。
十三世紀、トルコゆかりの大詩人ルーミーは、「誰かが誰かのことを良く言う時、その善果は自分自身に戻ってくる。実は始めから自分自身のことを褒め讃えるようなものだ」と謳いました。
日々の生活のなかでも、陰の労苦や真心の献身を誉め讃え、ねぎらう言葉がもっと増えたら、お互いが、どれほど心豊かに光り輝いていくことでしょうか。
トルコの多彩な音楽文化は世界に知られています。
国境を超えて愛された国民的歌手バルシュ・マンチョさん夫妻との出会いは、今も胸から離れません。
第二次世界大戦中に生まれた氏を、父母は、当時トルコ語圏では珍しい「バルシュ(平和)」と名づけました。何かの道で「平和の大使」となり、世界で多くの人々に友情を広げるよう願っていたといいます。
十五歳の時、父を失い、経済的にも苦労が重なりましたが、トルコで特別に奨学生に選ばれて学び抜き、力を磨いて、平和のために世界の舞台で活躍していきました。自身を育ててくれた父母と祖国への恩返しとして、そして「ふるさとは『世界』」と高らかに歌いながら——。
氏は強く語っていました。
「私は『この地球上に生まれて、意味のない人はいない』と信じています。何のために皆、生まれてきたのか。自分以外の人の『喜び』を創造するためだ、と私は思います。むろん『悲しみ』ではなく」
なかんずく、「大人の心」よりも、大きく純粋で率直な「子どもの心」へ、平和のメッセージを伝えるために奔走されてきたのです。
◇次の世代のために
〈池田先生は結びに、92年に記念講演を行った名門アンカラ大学の創立者であり、トルコの「建国の父」であるケマル・アタチュルク初代大統領の言葉を紹介。未来に向かって貢献の歩みを進めよう、と呼び掛ける〉
アタチュルク初代大統領は、教育に力を注ぐとともに、一九三四年に女性参政権も確立しています。そして「あらゆる人間にとって、生きることの喜びと幸福とを感じるために必要なことは、人が自分のためだけではなく、自分につづく世代のために働くことである」と語っていました。イスタンブールで国家建設の指揮を執り、最晩年もこの都で戦い生きました。
次の世代のために、今できることを、誠心誠意、やり切っていく。その心にこそ、尽きることのない歓喜の都が築かれていくのではないでしょうか。
崩れざる
永遠の都の
道ひらく
希望に満ちて
いざや征かなむ
(『忘れ得ぬ旅 太陽の心で』第2巻所収)