2021年7月22日木曜日

2021.07.22 わが友に贈る

海・山・川での
事故が増える時季。
危ない所に近づかない。
天候の急変にも注意!
無事故で有意義な夏を。

寂日房御書 P903
『かかる者の弟子旦那とならん人人は宿縁ふかしと思うて日蓮と同じく法華経を弘むべきなり』

【通解】
日蓮の弟子旦那となった人々は、宿縁が深いと思って日蓮と同じように法華経を弘めるべきである。

名字の言 「易しい」と「優しい」 2021年7月22日
母が幼い娘に何かを話している。ただ、娘は、よく理解できないようで、ぽつりと一言。「難しくて分からないから、"ひらがな"で言ってよ」▼少女の気持ちを想像してみる。「もっと易しい言葉で伝えてほしい」と言いたかったのだろう……そう思ったものの、"いや、待てよ"と考え直した。「易しい」と「優しい」の両方かもしれない、と▼お笑いコンビ「ナイツ」は、師匠の内海桂子さんから「言葉で絵を描きなさい」と、何度となく教えられたという。記者も駆け出しの頃、先輩記者から「説明より描写! 読み終えた人の心に情景が残るように書こう」と教えてもらった▼思いを乗せた"言葉"という絵筆で、相手の心に一幅の絵が描かれるように伝えていく——話し手や書き手にとっての極意であろう。頭で理解させるだけでなく、心に染み込ませるような言葉を紡ぐには、単に「易しい」というだけでなく、相手の心に寄り添う「優しい」言葉が欠かせない▼明23日は文月の「ふみの日」。今年も、帰省できない人が多い夏になりそうだ。はがきでも便箋でも、あるいはメールやSNSでも構わない。故郷などの懐かしい人たちを思い浮かべ、情愛を込めた一筆をしたためてみてはどうだろう。

寸鉄 2021年7月22日
根ふかければ葉かれず—御書。鍛えの夏!青年よ行学に励み信心の錬磨を
鼓笛隊結成65周年。"平和と文化"の旗手。今日も幸福勝利の舞を朗らかに
小学生8割がいじめ被害を経験—調査。子に寄り添い小さな変化見逃さず
「熱中症警戒アラート」が各地で。危険な暑さ。水分・塩分補給、空調も活用
不用品回収の問題多発。格安や無料謳い後に高額請求。事前見積等で対策

〈社説〉 2021・7・22 きょう、鼓笛隊結成65周年
◇見つめる先にいつも師匠が
はためくフラッグ、ドラムやファイフの軽やかな音色。鼓笛隊の演奏が響くところ、笑顔があり、勇気が湧き、希望が生まれる。
きょう22日は「鼓笛隊の日」。
1956年7月、33人から始まった鼓笛隊。65年の歩みの中で、米国や中国、ロシアなどでの海外演奏をはじめ、日本各地でも数多くのパレードに出演。カラーガードの全国大会で3年連続の日本一に輝いた創価グランエスペランサは、今年も全国大会への出場を決めた。コロナ禍にあっても、オンラインで鼓笛隊総会を行うなど、常に前へ前へと進んできた。
彼女たちが披露してきた曲の一つに「21世紀のマーチ」がある。この曲はイギリスSGIの音楽家が作詞・作曲をしたもの。40年前の81年、フランス・トレッツの欧州研修道場に、初訪問の池田先生を迎えた感動が、曲に凝縮されている。"道は長くとも、希望がある限り、前へ進んでいける"——歌詞に込められた"希望"とは、師の存在だったに違いない。
今月18日に行われた第2回「東北青年音楽祭」。東北鼓笛隊の友がオープニングでこの曲を演奏した。「21世紀のマーチ」は、10年にわたる"福光"の歩みを飾る師弟の凱旋曲となった。鼓笛隊の一人一人が見つめる視線の先には師匠の存在があった。
福島県富士鼓笛隊のある隊員は、5年前に開催された第1回の同音楽祭の時、小学6年生だった。ステージで輝く鼓笛隊の笑顔に感動。"私も鼓笛隊に入って輝きたい!"と胸を高鳴らせた。
晴れて入隊した彼女は、鼓笛隊の精神を学ぶ。池田先生が贈った詩「平和の天使」を毎回の練習で朗読し、唱題根本に心と技術を磨く先輩たち。そこには"世界一の鼓笛隊に"との師の期待と、その思いに応えようとする一人一人の求道の心が通い合っていた。
憧れの舞台へ、勉学と練習の両立に挑んだ彼女。「皆さんに笑顔になってもらいたい。そして、池田先生に喜んでいただける自分に成長することが鼓笛隊精神だと学びました」と。音楽祭当日、彼女たちの希望に光り輝く姿があった。
池田先生は「結成から今日まで、鼓笛隊の歴史は、そのまま広宣流布の歴史であった。また使命に立ち上がった鼓笛の乙女たちの、幸せの人生行進の歴史だった」と。鼓笛隊が響かせる妙音と共に、平和と勝利の行進はきょうも続く。

☆御書の旭光を 第43回 生命の幸の宮殿を共々に
〈御文〉
『此の世の中の男女僧尼は嫌うべからず法華経を持たせ給う人は一切衆生のしうとこそ仏は御らん候らめ』(四条金吾殿女房御返事、1134ページ)

〈通解〉
この世の中で法華経を持つ人は、男女・僧尼を問わず、一切衆生の主に当たると、仏はご覧になっているであろう。

〈池田先生が贈る指針〉
妙法を行ずる生命は、あらゆる差異を超えて尊極であり、一切衆生に幸福を広げる存在だ。
とりわけ女子部のすがすがしい振る舞いが、縁する人々と社会に、どれほど希望の光を送ることか。悩みも苦労も、未来を照らす福徳となる。世界一、誇り高い、歓喜と充実の青春である。
明るく励まし合い、生命の幸の宮殿を共々に!

☆紙上セミナー 仏法思想の輝き 中国方面教育部長 玉井二郎
◇子どもを支え、導き、育む
中国方面教育部長 玉井二郎
【プロフィル】たまい・じろう 小学校教員として勤務し、校長職を務めた。定年退職後、広島市の就労支援事業で、障がい者の就労支援に従事。65歳。1956年(昭和31年)入会。広島市在住。副総県長。

◇人は人の中で磨かれる
「先生、居眠りしていましたね」——ある時、児童から学級日誌に書かれてしまい、思わず"ドキッ"としたことがあります(笑い)。児童といっても、決して"子ども扱い"をしてはいけません。40年間、広島市で小学校教育に携わる中で、見えや気取りを排して、全身全霊で児童に向き合ってきました。
今も忘れられないのが、教員生活13年目、ある小規模校で小学5年・14人のクラスの担任になった初日のことです。自己紹介をためらっていた男子児童が、やっと勇気を出し、立とうとすると、他の児童から「お前、ばかじゃけえ、貧乏じゃけえ、黙っとけえや」との声が教室中に響きました。
私は我慢できず、泣きながら叫びました。
「ばかじゃったら何が悪いんや! 先生も貧乏じゃ!」
人口の少ない地域です。子どもたちは幼少期から一緒に過ごしてきたこともあり、自然とクラスの中で"序列"ができていたのです。
"このままではいけない"と思い、始めたのが学級通信「ルネサンス」です。毎日、下校する前、学校での出来事を何でもいいので100字にまとめてもらいます。さらに、私の思いを書き足して、全員分を印刷し、翌朝に配布。保護者からは、子どもたちの考えや、学校での様子がよく分かると、大好評でした。
何より、児童たちへの理解が深まりました。学級通信を200号まで続けるうちに、仲の良いまとまったクラスに変わり、成績も向上。今では、医師として活躍する子もおり、毎年のようにクラス会を開催し、皆との再会を楽しみにしています。

◇褒め言葉のシャワー
2010年(平成22年)、校長として初めて赴任したのは、全校児童78人の小学校でした。市内でも、学力や生活面で問題を抱えていることで、知られていました。校内を回ってみると、子どもたちは授業中に後ろを向いて話をしていたり、廊下を走り回ったり……。
そこで毎朝、児童一人一人の顔を思い浮かべながら題目を唱え始めました。祈りを深めるうちに、智慧と活力が湧いてきます。毎日、教職員に対して、「子どもたちのためにできることは何でもしましょう」と呼び掛けました。自らも授業に参加。いじめの兆候を見つけたら、その場ですぐ対応しました。
ある時、児童の問題行動ばかりに気が取られるうちに、その子の良い面に目を向けることを、忘れていたことに気付きました。
日蓮大聖人は、「法華経の功徳はほむれば弥功徳まさる」(御書1242ページ)と仰せです。創価学会では、広布に生きる同志を尊敬し、励まし合うことで、互いに触発され、豊かな関係を結んでいます。
そこで、子どもたちの良い面を見つけては、一つ一つ褒めるようにする「褒め言葉のシャワー運動」を提案し、教職員一丸となって開始。教職員の団結も生まれて、校内が明るい雰囲気に変わり始めたのです。やがて、子どもたちの生活態度が落ち着くようになると、成績も見る見る向上。2年後には、学力が市内トップクラスの学校に生まれ変わりました。
その後、児童数700人の小学校に赴任。毎朝、教職員一人一人の顔を思い浮かべながら祈りました。しかし、教職員に「おはようございます」とあいさつしても、先生方に元気がありません。これでは児童にも良い影響を与えられません。実際、不登校の児童も多く、先生方も悩んでいました。
まず、私から教職員に、感謝とねぎらいの心で接し、授業以外の雑務を減らすようにしました。教職員は見違えるように元気になり、不登校の児童が一人もいない学校に変わったのです。
池田先生が示された、「教師こそ最大の教育環境」との指針がいかに重要かを教えてもらいました。

◇自身が人間革命を
文部科学省の調査によれば、2019年度(令和元年度)、公立学校教職員の精神疾患による病気休職者は5478人。前年度から266人増加し、過去最多の人数となっています。
たしかに教職員は、保護者や児童・生徒、地域、教育委員会の間に立って、多様な仕事に当たっています。私もつらいことが数え切れないほどありましたが、そのたびに拝してきた御書の一節があります。
「我日本の柱とならむ我日本の眼目とならむ我日本の大船とならむ等とちかいし願やぶるべからず」(232ページ)
子どもを支え、導き、育もう!——学生時代の誓いに幾度も立ち返ることで、教育者の道を歩み抜くことができました。
「教育」とは「共育」です。"自分が人間革命する姿を子どもに見せないと、教壇には立てない"と自らに言い聞かせてきました。人は人の中で磨かれていくことを、児童や先生方の姿を通して確信しています。
昨年から、市の障がい者の就労支援事業に従事。コロナ禍で雇用環境が悪化する中、障がい者の方々が活躍できる環境づくりに携わっています。一人一人が可能性を広げられる社会を築くために、これからも教育部の使命と責任を胸に奮闘していきます。

[視点]唱題根本
玉井さんが人を思い、題目を唱えたように、創価学会では、人生を豊かに生きていくために、唱題を根本とした生活を大切にしています。
日蓮大聖人は、「深く信心を奮い起こして日夜、朝夕に、また怠ることなく自身の命を磨くべきです。では、どのようにして磨いたらよいのでしょうか。ただ南無妙法蓮華経と唱えること、これが磨くということなのです」(御書384ページ、通解)と仰せです。日々の勤行・唱題の実践で、私たちの生命が錬磨され、無明という根本の迷いを打ち払うことができます。祈りとは、現実の生活、仕事などで努力していくための"エンジン"です。そして、自分が変われば環境も変えられる——その出発点が祈りなのです。