躍動の春本番!
感染防止対策を万全に
「できること」に挑もう。
弾む命で励ましを広げ
地域を友好の花園に!
四条金吾殿御返事 P1184
『兄弟にもすてられ同れいにもあだまれきうだちにもそばめられ日本国の人にもにくまれ給いつれども、去ぬる文永八年の九月十二日の子丑の時日蓮が御勘気をかほりし時馬の口にとりつきて鎌倉を出でてさがみのえちに御ともありしが、一閻浮提第一の法華経の御かたうどにて有りしかば梵天帝釈もすてかねさせ給へるか、仏にならせ給はん事もかくのごとし』
【通解】
(あなたは)兄弟にも捨てられ、同僚にも敵視され、江間家の子弟からもいじめられ、日本国の人々にも憎まれてきた。けれども、去る文永八年の九月十二日の子丑の時刻に日蓮が御勘気(竜の口での斬罪)を蒙ったさいに、馬の口にとりついて鎌倉を出て、相模の依智まで供をしてこられたことは、世界第一の法華経の味方をしたのであるから、梵天、帝釈も捨てられなかったのであろう。仏におなりになることも、これと同じである。
名字の言 「教育」と「学育」 2021年3月27日
世界中から生徒が集まる中高一貫校の、スタンフォード大学・オンラインハイスクール。全米トップクラスの評価を受ける同校の星友啓校長が提唱するのが、子どもを"教え育てる"という「教育」と、子ども自身が"学び育つ"という「学育」の両立だ▼同校の授業は講義ベースではなく、事前に動画などで予習した内容について、少人数でディスカッションなどを行う生徒参加型。また1人の生徒を3人のカウンセラーが担当し、心のケア、学習サポート、進路指導を行う▼氏は「子どもが本来持つ学ぶ力をサポートしていくこと」を重視する。「大人が子どもに期待する習慣や姿勢を身をもって提示していくのが、子どもの才能を伸ばす学育には肝心」と(『スタンフォードが中高生に教えていること』SB新書)▼池田先生と対談した経済学者の劉遵義博士は、教育の目的は知識を得るだけではなく、「自ら学ぶ力」を培い、「学ぶ方法」を知ること、と指摘した。その力を若者が身に付けるために大切な点として、「教師が模範を示す」ことを挙げている▼目標に向かって努力を続ける大人の姿こそ、子どもの"最高の教育環境"だろう。危機の時代を子どもたちと生きる大人として、自身の成長を目指して挑戦を重ねる日々でありたい。(誼)
寸鉄 2021年3月27日
御書「南無妙法蓮華経の大音声を出だして」。今日も朗々と!勇気の炎胸に
東京「品川婦人部の日」。創価源流の地に幸の桜は爛漫。信頼結ぶ対話、益々
人生は闘うが故に美しい—男爵。苦闘の日々こそ栄光凱歌の日記文書なり
絵本週間。多忙な中でも良書を開けば心豊かに。親子で読み聞かせを実践
外出自粛で高齢者の健康に深刻な影響。感染対策講じ友と触れ合う機会を
☆共生の地球社会へ〜仏法の英知に学ぶ テーマ:レジリエンス(困難を乗り越える力)
◇登場人物
【ミライさん】好奇心旺盛な女子部員。世の中の出来事について、父・ホープ博士と語り合うことを楽しみにしている。
【ホープ博士】勉強熱心な壮年部員。毎月1回、家族と一緒に教学を研さんしている。「博士」はニックネーム。本業は会社員。
◇温かな絆を育み、蘇生の歩みを
ミライ この前テレビ番組で、被災地が復興していく模様が特集されていたんだけど、「レジリエンス」という聞き慣れない言葉が出てきたんだ。
ホープ もともとは、「弾性」や「復元力」を意味する物理学・工学の用語なんだよ。外から力が加わって物体が変形した後、もとの形や大きさに戻ろうとする物体の性質を表しているんだ。
心理学でも「精神的回復力」の意味で使われている。
近年では、特に東日本大震災以降、広く知られるようになり、災害を乗り越えるための概念として注目されているよ。さらに一般的には「困難を乗り越える力」と訳されているんだ。
ミライ なるほど。そういう意味で使われていたんだね。
ホープ 国際的にも大事なキーワードなんだよ。国連のSDGs(持続可能な開発目標)では、「都市と人間の居住地を包摂的、安全、レジリエント(回復力のある)かつ持続可能にする」ことを目標に掲げ、都市の防災や、住環境の改善に焦点を当てているんだ。
今日、世界の人口の半数以上が都市部に暮らしていて、2030年には6割に達すると予想されているよ。人口密度や立地条件によっては、災害リスクが高い都市も多くある。だからこそ、人命や経済の損失を最小限に抑えたり、回避したりするための対策が模索されているんだね。
ミライ 大きな危機がきっかけで、新たな取り組みが始まるんだね。
ホープ 人類の歴史もいわば同様に、自然をはじめとする環境からの試練を挑戦と捉え、その挑戦に屈服せず、応戦することで、新しい文明が生み出されてきたと見ることができるんだ。
この歴史観は、池田先生が対談された、トインビー博士の提唱した「挑戦と応戦」という理論だよ。
この理論から、"私たち人間は困難に応戦していける存在なんだ"との希望を感じるね。
◇生命尊厳の理念
ミライ 新型コロナウイルスの感染が広がり、社会に多くの影響が及ぶ今、私たちにとってリスクを最小限に抑え、レジリエンスを高めることが大切になってくるよね。
ホープ その通りだね。社会のレジリエンスを高めるといっても、その根本は一人一人が"生命のレジリエンス"を高めていくということを、忘れてはいけないんだ。
そこで一緒に学びたい御文が、「妙とは蘇生の義である。蘇生とは蘇ることである」(御書947ページ、通解)なんだ。
ミライ 信仰体験の発表で、何度も聞いたことがあるよ。
ホープ 私たちに本来具わる偉大な生命力を引き出すことで、あらゆる人が蘇生できることを示された御聖訓なんだ。
どこまでも人間の可能性を信じるという、仏法の人間観を表しているね。この生命の尊さを社会の共通理念にしていかないといけない。仏法は希望の宗教なんだよ。
ミライ 「蘇る」という言葉に、とても励まされるね。
ホープ 池田先生は、この御文を拝して「『蘇生』とは、物事を固定化せず、『今日より明日へ』と蘇りゆく創造的生命のダイナミズムを保ち続けること」と語られたんだ。(モスクワ大学講演「人間——大いなるコスモス」)
さらに、「現状に安住しようとする惰性の殻を打ち破り、その内なる変化の律動を、敏感に聞き取っていくことこそが、万物を蘇生させゆく要諦」とも示されているよ。
だから、私たち学会員は信仰を通して、自身の内面を真剣に見つめ、より良く成長していこうと「人間革命」に挑戦しているんだよね。そこに、みずみずしい生命力があふれていくんだ。
◇誰も取り残さない
ミライ 社会が困難な状況を脱しようとして変わっていく一方で、その変化に取り残されてしまう人がいないか心配だな。
ホープ とても大切な視点だね。
東日本大震災から5年となる2016年、池田先生は"復興の焦点"について提起されているよ。
「復興の焦点も、街づくりの槌音を力強く響かせることだけにあるのではない。一人一人が感じる"生きづらさ"を見過ごすことなく、声を掛け合い、支え合いながら生きていけるよう、絆を強めることを基盤に置く必要がある」(第41回「SGIの日」記念提言)
人道危機の対応や復興といっても、人間を置き去りにし、つらい思いを抱いている人を取り残してしまってはいけないという警鐘だね。
ミライ 状況の異なる一人一人が支え合うことで、生きる力、"生命のレジリエンス"が発動されるんだね。そして、共に蘇生への歩みを運ぶなかで、社会にレジリエンスが育まれていくんだね。
【御文】
『妙とは蘇生の義なり蘇生と申すはよみがへる義なり』(法華経題目抄、947ページ)
【メモ】
爾前経では、仏になれないとされた声聞・縁覚の二乗さえも、法華経で初めて成仏が保証されました。
この御文では、どんな人をも蘇生させ、成仏させることができる、妙法の無量無辺の功徳が示されています。
妙法を持つ人に、行き詰まりはありません。どんな困難に直面しても、必ず事態を打開し、豊かな生命力をみなぎらせて、前進していくことができるのです。
◇[コラム:"いま"を知る]信仰を基盤とした団体
自然災害への対応や難民問題など、人道支援で重要な役割を果たす存在の一つに、「信仰を基盤とした団体」(FBO)が挙げられる。国際社会では近年、その貢献に対して期待が寄せられている。
主な特徴は、地域にネットワークを持っていること。例えば、突発的な災害が起きた時に最初に対応するのは、その地域の住民だ。信仰を通した平時からのつながりによって、地域の人々の対応力や、レジリエンスは高まる。また、被災者に対する心のケアにおいて、FBOは大きな役割を果たすことも期待されている。
この10年、東北の同志は多彩な取り組みを通し、被災者の"心の復興"をけん引してきた。
仏法では、「智慧」と「勇気」と「慈悲」を具え、利他の実践に励む人格を「菩薩」と呼ぶ。"あの人のためにできることは何か"——相手を思いやる慈悲の心から智慧は湧き、勇気の行動が生まれる。(雅)