2021年3月21日日曜日

2021.03.21 わが友に贈る

「一つの出会い」
「一人との語らい」から
人間革命の劇は始まる。
地域に対話の春風を!
"友情桜"を満開に!

太田入道殿御返事 P1010
『世尊大悲導師阿闍世王のために月愛三昧に入りたもう三昧に入り已つて大光明を放つ其の光り清凉にして往いて王の身を照すに身の瘡即ち愈えぬ』

【通解】
大悲の導師であられる釈尊は、阿闍世王のために月愛三昧に入られた。そのあと大光明を放たれた。その光は清凉であり、阿闍世王のもとに届いて王の身を照らすと、悪瘡はたちまち治った。

名字の言 「ダメな子なんか一人もいない」 2021年3月21日
かつて「知恵遅れ」という言葉があった。現在の知的障がいを指すその表現に、「ねむの木学園」設立者の宮城まり子さんはずっと疑問を覚えていたという。同学園は日本初の肢体不自由児養護施設である▼どんな子にも「かくれた才能(能力)」があると、宮城さんは信じた。知恵が遅れていると捉えるのではない。本来無限にある知恵が"ゆっくり、ゆっくり、育っている"と見るのだ。その"お手伝い"をするのが教育ではないか。「ダメな子なんか一人もいない」。それが彼女の信念だった(渡邊弘著『宮城まり子とねむの木学園』潮出版社)▼釈尊の弟子・須梨槃特の故事を思い出す。彼はたった14文字の教えを暗唱するのにも3年を要し、教団の仲間から軽蔑された。だが師だけは見放さなかった。釈尊の慈愛の励ましを受け、彼は見事に悟りを開く▼須梨槃特の"才能"は師の心を純粋に受け止め、一つの修行を「最後までやり抜く力」だったのかもしれない。それを仏は見抜いていたのだろう▼きょう21日は宮城まり子さんの没後1年であり、誕生日でもある。生前、本紙の取材にこう語っている。「みんなに『ダメ』と言われている子に幸せをあげたい」。一番苦労した人が一番幸せに——ここに、私たち創価の信念がある。(之)

寸鉄 2021年3月21日
「即身成仏と申す大事の法門これなり」御書。春の彼岸。題目が最高の追善
九州の日。広布の突破口を我らが!誠実の励ましで信頼結ぶ先駆の勇者よ
東北青年部の日。君らの勝利が復興の光。偉大な人材城築く新たな10年へ
真心で抜苦与楽に尽くす看護師の皆様に最敬礼!きょう白樺会の日35周年
孤立や孤独に悩む若者が増加。地域の声掛け更に。3月は自殺対策強化月間

〈社説〉 2021・3・21 「世界詩歌記念日」に寄せて
◇人間を結ぶ"詩心"の復興こそ
社会に分断が生じ、人類が危機に直面する時、「詩」の言葉が切実に求められる。優れた詩人の声には、人間と人間、人間と社会を結ぶ力があるからだ。
昨年、コロナ禍の中でノーベル文学賞を受賞したのは、アメリカの詩人ルイーズ・グリュックさんであった。また今年1月、アメリカのジョー・バイデン氏の大統領就任式で、若き詩人アマンダ・ゴーマンさんが自作の詩を朗読した。"差異を超えた団結"を詩情豊かに呼び掛けた彼女。それは、新しいアメリカの出発を象徴する一幕だった。
きょう3月21日は、国連教育科学文化機関(ユネスコ)が定める「世界詩歌記念日」である。詩人とは誰か——。「戦う人である」と、世界的な文化芸術団体から「桂冠詩人」等の称号を受けてきた池田先生はつづる。「彼(詩人)は、世界のどこかで非人間的に扱われる人間がいることを容認できない」と。
カリブ海の詩人エドゥアール・グリッサンは、奴隷船でアフリカから連行された黒人を祖先に持つカリブ海の人々と分かち合う"共同体の詩"を目指した。それは、故郷から切り離された歴史を、カリブ海という新たな土地との"豊かな交わり"と捉え直す挑戦でもあった。
ナチスのホロコースト(ユダヤ人大虐殺)で両親を奪われたユダヤ人の詩人パウル・ツェランをはじめ、"アウシュビッツの悲劇の後で詩を書くことの意味"と向き合い続けた詩人もいる。彼らの戦いとは、奴隷制やホロコーストといった「非人間性」の顕現に対して、その対極にある「詩心」によって、"防波堤"を築くことだったといえよう。
若き日より詩作を重ね、約600編に及ぶ詩をつづってきた池田先生もまた、言葉の力で民衆を励まし、民衆に希望を送り、民衆を睥睨する悪と戦い抜いてきた。先生は、「一人の人間こそ全宇宙という織り物を結びつける結び目であり、どの一人なくしても宇宙は完全ではない」と訴える。そして、この仏法の説く宇宙的ヒューマニズムを言葉に結晶させ、人間に具わる無限の可能性と尊厳性を歌い上げてきた。
思えば、米大統領就任式のゴーマンさんの詩も、底流に込められた"希望は私たちの中にある"とのメッセージが光った。希望を生み出す"真実の詩"を、時代はいよいよ渇望しているのだ。
詩心の復興が、人間性の復興につながる。今こそ、詩人の声に耳を傾けよう。そして、私たち自身が、日々の祈りを根本に、世界の美しさをありのままに映せる心を磨こう。わが言葉と振る舞いで、"世界はかくも美しい。人間はかくも強く気高い"ことを証明していきたい。

☆四季の励まし "語らいの春"を軽やかに 2021年3月14日
◇池田先生の言葉
励ましとは、
落胆を
勇気に転ずる力である。

苦しみに
打ち勝つためには、
何よりも
励ましが必要なのだ。
励ましは勇気の母となる。

対話という
鏡に照らされて、
人は他者を知り、
自分を知る。
対話が、自己の殻を破り、
境涯を拡大するのだ。

対話で大切なのは、
「よく聞く」ことだ。
「聞くこと」は
「学ぶこと」であり、
それだけ世界が広がる。
尊敬の心をもって、
誠実に接していけば、
対話は自然に弾む。
心を通わせていくために
対話はあるのだ。

自分のいる場所で、
自分の身近な縁に
目を向けて、
そこから、
勇気の対話の一歩を
踏み出すことだ。
ここで戦うと
腹を決めれば、
会う人、縁する人に
向き合う一念が変わる。
自分の祈りが深まれば
相手も環境も変わる。

人間は
人間の中で磨かれ
鍛えられる。
一人の
真の友人ができれば、
すごいことだ。
その向こうには、
何人もの友がいる。
誠実に一人また一人と、
「善の連帯」を
広げるのだ。
そこに実質的な
広宣流布の拡大がある。

春だ。花咲く春だ。
生命輝く春だ。
希望の春、
生き生きと伸びゆく春だ。
さあ、わが友よ、
創価の生命の陽光を
輝かせながら、
足取りも軽やかに、
勇んで打って出よう!

【写真説明】赤やピンク、紫、黄色……。色とりどりの花々が咲き誇る。1993年(平成5年)3月、池田大作先生がアメリカ・サンフランシスコでシャッターを切った。
この年の1月、池田先生は北南米の平和旅へ出発。約2カ月間で6カ国9都市を訪れた。大学や学術機関で記念講演を行ったほか、アメリカ公民権運動の母ローザ・パークス氏や、ブラジル文学アカデミーのアタイデ総裁など、各国の識者・指導者と会談。平和で公正な地球社会へ、心通う語らいを弾ませた。
さあ、行動の春が来た。「春」を表す英語「spring」には、「跳躍」「ばね」との意味もある。弾む心で希望の語らいを広げ、友情の花を満開に咲かせよう。

☆励まし御書—人間革命の光で 冬は必ず春となる—試練の時こそ勇気の信心を
身近なテーマに即して、御書の一節と池田先生の指導を学ぶ「励まし御書」。今回のテーマは「冬は必ず春となる」です。人生のいかなる苦難に直面しても、この希望の大哲理を胸に光らせ、共に励まし合いながら、一歩また一歩と前進してきたのが創価の同志です。冬のような試練の時にこそ誓いを光らせ、「幸福の春」「勝利の春」を開きゆく信心を、御書と小説『新・人間革命』を通し学んでいきたいと思います。(創価新報2021年1月20日付から)

◇御 文
『法華経を信ずる人は冬のごとし冬は必ず春となる、いまだ昔よりきかず・みず冬の秋とかへれる事を、いまだきかず法華経を信ずる人の凡夫となる事を』(妙一尼御前御消息、1253ページ)

◇通 解
法華経を信じる人は冬のようです。冬は必ず春となります。昔より今まで、聞いたことも見たこともありません。冬が秋に戻るということを。また、今まで聞いたこともありません。法華経を信じる人が仏になれず凡夫のままでいることを。

◇解 説
「妙一尼御前御消息」は、建治元年(1275年)5月、日蓮大聖人が身延で著され、門下の妙一尼に送られました。
竜の口の法難、佐渡流罪と大難が打ち続き、門下にも弾圧が及ぶなか、強盛に信仰を貫いていた妙一尼と夫ですが、残念ながら、夫は大聖人が佐渡流罪を赦免される前に亡くなりました。自身も体が弱く、病の子らを抱えながらも、師匠をお守りしようと純粋な信心を貫く妙一尼に、大聖人が全魂の励ましを送られているのが本抄です。
寒さの厳しい冬も、そのあとには必ず、暖かい春が訪れます。大聖人は、同じように、信心を貫き通していく人は、いかなる苦難があっても必ず勝利の春を迎えることができると教えられています。
桜のつぼみのもととなる「花芽」は、夏までに形成され、秋に一度「休眠」状態に入ります。そして、冬の寒さにさらされることで眠りから覚め、開花へ向けた本格的な成長を開始します。これが「休眠打破」です。
「冬」には、元々持っていた力、眠っていた可能性を目覚めさせる働きがある——この原理は、人生や仏道修行にも通じます。
私たちの生命には、仏性といういわば「仏の種」が具わっています。無限の可能性を秘めたこの種を「休眠打破」するものこそ、人生におけるさまざまな苦難との戦いです。
試練の冬にも、勇気の信心で立ち向かい、忍耐強く前進していく人は、自らの仏の生命を最高に輝かせ、無量の福運を積み、勝利の花を咲かせていくことができるのです。
「冬は必ず春となる」との確信で、希望・勝利の前進をしていきましょう!

◇小説『新・人間革命』より
(女子部員の姉妹を励まして、山本伸一が語ります)
寒い冬があるから、暖かい春が待ち遠しいし、春になった時には喜びがある。いつも春ばかりだったら、喜びを味わうことなんかできないじゃないか。
人生も一緒だよ。いつも春ばかりではない。冬のように、辛いこと、苦しいこともある。しかし、それに負けないで、必ず春が来るのだと信じて、頑張り続けていくことだ。(中略)
自分を磨き、深めていくために、何か目標を決めて、苦しいなと思っても、負けずに挑戦していくことだよ。苦労というのは、本当は、人間としての最高の財産なんだ。
花が春になると、きれいに咲き香るのは、それまでに、たくさんの養分を蓄えてきたからなんだ。あなたたちも、人生の幸福という花を咲かせてほしい。そのための生命の養分が信心であり、仏道修行なんです。
(第5巻「歓喜」の章)