2021年3月18日木曜日

2021.03.18 わが友に贈る

卒業を迎えた皆さん
困難の中で培った経験は
未来へ飛翔しゆく翼だ。
自信と勇気をもって
栄光の大空へ羽ばたけ!

上野殿御返事 P1561
『願くは此の功徳を以て普く一切に及ぼし我等と衆生と皆共に仏道を成ぜん』

【通解】
願わくは、仏に供養する功徳をあまねく一切に及ぼし、自分たちと衆生が皆、共に成仏できますように。

名字の言 ソメイヨシノの古木 2021年3月18日
いつも通る道にソメイヨシノの古木がある。歩道側に大きくはみ出すほどの巨木で、毎年、千朶万朶の桜となる。今年は例年より早く、淡紅色の花が一気に開花した▼しばし見入っていると、童謡詩人の金子みすゞさんの作品「木」が頭に浮かんできた。「お花が散って/実が熟れて、/その実が落ちて/葉が落ちて、/それから芽が出て/花が咲く。/そうして何べん/まわったら、/この木は御用が/すむかしら。」(『金子みすゞ童謡全集』JULA出版局)。桜の古木に「ありがとう!」と感謝した▼私たちは、とかく目に見えるものにとらわれがちだが、目に見えなくても存在する大切なものがたくさんある。生命の営み、心、絆、空気……。このことは少し想像力を働かせれば気付くのだが、普段忘れかけていることが怖い▼桜は花が咲いた後に葉が出るので、御書に仰せのように「さくらはをもしろき物・木の中よりさきいづ」(1492ページ)という姿に見える。この御文は、黒っぽいゴツゴツとした木を凡夫、そこから咲く花を仏の命に例え、誰人にも仏の命が具わることを教えられたもの▼目には見えないが、尊貴な仏の命——何があっても負けない心は必ずある。それを引き出すのが信仰だ。桜の花言葉は「精神の美」である。(川)

寸鉄 2021年3月18日
桜が開花。新たな出発を切る躍動の春、到来。さあ幸の"対話前線"を列島に
福井婦人部の日。地域照らす太陽の母達。歓喜は伝播!友の心に届けよう
東京・杉並の日。"創価の名門"の誇りで突き進め。試練の時こそ団結第一で
日常的に防災対策をしている人、52%。各地で地震頻発の今、備えを再確認
子どものSNS犯罪被害増。8割が閲覧制限利用せず。保護者が責任持ち

☆世界広布のわが舞台 第9回 メンバーの7割が青年部員——カナダ・トロント ハーバー・キャッスル支部
◇共感と納得の仏法セミナー
会合開始5分前にZoomに接続すると、既に10人ほどが集まっていた。
「以前も来てくれたわよね。今日はありがとう!」。参加者が画面に現れるたびに、司会の女子部員が温かな声を掛ける。皆、リラックスした表情で開会を待っていた。
この日行われたのは、同支部の青年部が中心となって企画した仏法セミナー。2018年から、青年世代に日蓮仏法への理解を深めてもらうための取り組みとしてスタートし、コロナ禍の今は、オンラインで開催している。
「オーケー、時間になりました。まず自己紹介しましょう! 名前と入会年数、もしくは会合に初めて参加した時期を教えてくださいね」
友人5人を含む22人が、順に指名されて発言する。「4年前に入会したの」「初めて会合に参加して、まだ3カ月ほどです」。参加者のうち8人が、5年以内にSGIと縁した友だった。

◇温かな座談の場
セミナーでは毎回、代表による研究発表があり、最後に質疑応答の時間が設けられている。この日は、「師弟」と「団結」についての発表が行われた。仏法を初めて聞いた人でも理解できるよう、平易な言葉を使うなど、表現の随所に工夫が凝らされていた。
続いて質疑応答へ。皆が、どんどん手を挙げ、場が盛り上がっていく——と予想していたが、誰も話そうとしない。沈黙が30秒続いた……。ここで司会が「では私が指名しちゃいます。というのは冗談よ(笑い)」と言うと、ようやく一人の女性が発言した。
「今、毎朝、『新・人間革命』を読んでるの。じっくり読み込んでいく中で、"今日もベストを尽くそう"って決意できるんです」
一人目が話し終わると、皆、せきを切ったように話し始めた。
友人の女性は「さっき、"団結"についての説明で、意見が違う人と争うのではなく、互いの差異を受け入れることが大事だという話があったけど、とても素晴らしいと思うわ」と感想を。別の友人の男性も発言するなど、語らいは弾み、予定時間を15分ほどオーバーして、セミナーは閉会した。
終了後、男子部のゲイリー・ルーシッチ部長に話を聞いた。「カナダの人は、結構、場の空気を大切にするんですよ(笑い)。多様な人が共生しているからこそ、相手を大切にしようとする心の裏返しなんだと思います。反対に、距離感を意識するあまり、孤立してしまう人も少なくありません。だからこそ、どんな人も受け入れる創価家族のぬくもりに、カナダの人は魅力を感じるのではないでしょうか」
温かな座談の場から、共感と納得が育まれ、これまで多くの新入会者が誕生してきた。

◇女子部が"最大勢力"
カナダ最大の都市トロントは、同国の東の玄関口。現在は、同市で暮らす人の約半数が移民で構成されるなど、国際都市として発展を遂げてきた。
同支部の友が活動に励んでいるのは、市のダウンタウン南部。「トロント証券取引所」がある金融街を擁するなど、同国の商業・経済の中心地として栄えている。
同地は、単身者向け住宅が数多く立っていることから、青年世代の人口が比較的多い地域でもある。これを反映するように、同支部では、全メンバーの約6割が女子部員である。
女子部のニティカ・パーワ部長が教えてくれた。「オフィス街へのアクセスがいいので、多くの若者が集まってきます。海外の移住者からも人気が高いです。支部でも、この7カ月で、インドやアメリカなどから新たに6人の女子部員が加わりました」
同支部の女子部リーダーは、メンバーが多いからこそ、「一対一の励まし」にこだわり、「師弟の精神」あふれる人材の育成に取り組んでいるという。
その一つが御書研さんの挑戦だ。同支部では毎月の御書学習会の研究発表を、女子部員が担当している。
「毎回、担当者が決まると、女子地区リーダーが付きっ切りで発表内容を考えます。共に祈り、懸命に準備をする中で、仏法の素晴らしさ、師匠の偉大さを深く学んでいくことができるんです」(パーワ部長)
さらに座談会や"婦女一体"の会合などでも、率先して女子部が役員に就く。そうした中で、広布の使命を自覚し、仏法対話に挑む友も現れ、弘教拡大による部員増も果たせるようになった。
今、同支部の会合には、全女子部員の3分の2以上が参加する。「こうして女子部が生き生きと活動できるのも、壮年・婦人部の皆さんの並々ならぬサポートがあってこそです。男子部も含め、各部が団結して前進できていることが、私たちの誇りです!」(同)
「一人」を大切にする真心の行動を軸に、同支部では華陽姉妹の連帯が大きく広がっている。

◇「1」は無限に発展
1981年6月21日、池田先生は21年ぶりにトロントを訪問。その翌日、「カナダ広布20周年記念総会」が開催された。
この総会の会場となったのが、同支部内にあるホテルだった。「ハーバー・キャッスル」という支部名は、このホテル名に由来する。
この日、先生は"「0」に、いくら多くの数字を掛けても「0」である。しかし、「1」であれば、そこから、無限に発展していく"と、カナダ広布の草創期を駆けてきた友をたたえ、新たな前進に期待を寄せた。
ピエロ・ポンゾ支部長は、「わが支部のメンバーは、40年前に先生がカナダ広布の歴史を築いてくださった、有縁の地で活動できることを誇りに思っています」と、にこやかに。
支部長の母親は、この総会の参加者の一人。女手一つで自分を育ててくれ、勝利の実証を示してきた母が師を求める姿に、ポンゾ支部長も続いた。母から学んだ師弟不二の信心で、血液疾患や経済苦など、幾多の宿命を乗り越えてきた。
支部長もまた、カナダと日本で、池田先生との出会いを果たしている。
「支部で若いメンバーが多く活躍してくれているのは、本当にうれしいことです。トロントに刻まれた師弟の魂を伝えていくことが、自分の使命だと思います」
ピエルパオラ・シアンシア支部婦人部長もまた、青年世代の友に「師弟」を伝えることを大切にしている。それは女子部時代、自身が池田先生の書籍を学び深める中で、パニック障害を乗り越えた体験があるからだ。「一番苦しい時に、先生の指針で蘇生できたからこそ、今の自分があります」
池田先生の訪問から40周年を迎える同支部の友。今、師弟の精神は新たな世代へと確かに受け継がれている。