2020年11月30日月曜日

2020.11.30 わが友に贈る

◇今週のことば
創立100周年の門を開く
希望のマイ ロマン総会!
「心の財第一なり」
伸びやかな友情の華を。
負けない生命の陽光を。
2020年11月30日

四条金吾殿御返事 P1163
『あなかしこあなかしこ御よりあひあるべからず、よるは用心きびしく夜廻の殿原かたらいて用ひ常にはよりあはるべし今度御内をだにもいだされずば十に九は内のものねらひなむかまへてきたなきしにすべからず』

【通解】
決して、決して御寄合にいってはならない。夜は用心を厳しくして、夜回りの人々と親しく交わって用い、常日頃互いに寄り合っていきなさい。今度、もし主君の御内を出るようなことがなければ、十に九は御内のものがねらうであろう。決して見苦しい死に方をしてはいけません。

名字の言 「マゼラン海峡」の通過から500年 2020年11月30日
探検家・マゼランが、南米大陸の南端に位置する海峡を通過し、史上初めて大西洋から太平洋へと渡ったのは、1520年11月。今から500年前のことだ▼マゼランは、スペインから西回りでアジアに到達することを目指した。南米大陸に到着後、西側に抜ける水路を探したものの、なかなか見つけることができない。その間、座礁や船員の反乱などの試練に襲われた。それでも諦めず、出発から1年以上経て発見したのが「マゼラン海峡」である▼マゼランの計画は、最初は船員でさえ"無謀だ"と笑ったという。新たな時代を開くのは常に、「不可能」という幻影との戦い。船が荒波を越えるには、船首で受け、真っすぐに進むことが重要だ。未知の挑戦を成し遂げる鍵も、戸惑いや困難に真正面から向かっていく勇気であろう▼マゼランは海峡を渡る前、越冬地で先住民と出会った。その足跡が大きいことに驚いた彼は、先住民を「パタゴン(巨足族)」と呼んだ。それが、アルゼンチンとチリにまたがる「パタゴニア」地方の名の由来という▼創価学会は「生死の大海を渡るべき船」(御書1448ページ)として、自他共の幸福を実現する使命を担っている。その誇りを胸に、希望の汽笛を響かせながら、広布の"大きな足跡"を刻み残そう。(誼)

寸鉄 2020年11月30日
会長の言葉が平和の為に戦う強さをくれた—博士青年よ学べ!前進の糧と
「声仏事を為す」御書。故にたった一言でも真心込めて。思いは必ず通ず
聞き上手は判断力に富む人—箴言。友の心を知り、励まし送る。これぞ名将
喉の乾燥は感染リスクを高める—医師。マスクや加湿器の活用で賢く予防
一人の声を国に繋ぐ公明の連帯は他党にない姿—識者。更に庶民に尽くせ

〈社説〉 2020・11・30 きょうは「絵本の日」
◇心に潤いを与えるひととき
コロナ禍にあって、絵本の売り上げが伸びたという。大手インターネット通信販売サービスでは、本年3月の部門別売り上げの第1位が絵本を含む児童書となった。学校の休校期間も相まって、"おうち時間"の過ごし方として絵本が求められたと推測される。
絵本の売り上げの、およそ7割はロングセラー作品(既刊書)だといわれる。『100万回生きたねこ』『ぐりとぐら』『そらまめくんのベッド』……親子で読んだことがある作品もあるだろう。
今月、ある地域で行われた七五三の集いでは、担当者が『はらぺこあおむし』の絵本を紹介した。小さなあおむしが、たくさんごはんを食べて、ちょっとした失敗も経験しながら、最後には美しいちょうへと成長する——。子どもたちは目をきらきらさせながら、話に聞き入る。彩り鮮やかな絵とやわらかな言葉の響きが、年月を経てもなお、子どもの心を引き付けると感じた。
きょう11月30日は「絵本の日」。『指輪物語』などの翻訳も手掛けた児童文学作家の瀬田貞二氏が『絵本論』(福音館書店)を著した日にちなんでいる。
瀬田氏は同書に、こうつづっている。「小さい子たちが絵本に求めているのは、生きた冒険なのです。絵本は、手にとれる冒険の世界にほかなりません」
子どもにとって絵本は、どこまでも広がる想像の世界への"扉"ともいえる。物語を通して登場人物と共に喜び、時には悲しみや挫折を経験する。それは想像力を培い、人間性を養う貴重な時間に違いない。
大人にとっても、それは同様ではないだろうか。「絵本のソムリエ」の岡田達信さんは本紙で、"子どもは絵本の主人公になり切るが、大人は自分の経験や価値観を重ねて読もうとする"と語った。改めて絵本を開いてみると、子どもの時には気付かなかったメッセージを読み解けるようになり、新たな視点で味わうことができる。そして他者への思いやりや命の尊さなど、人生を豊かに生きるために大切なことを思い出させてくれる。
「大人こそ絵本を」と呼び掛けるノンフィクション作家の柳田邦男氏は、絵本や子ども向け書物を読み直すことは、「悲しみや喜びのきめ細かな感情を取り戻すこと、心の砂漠にオアシスをもたらすことにつながる」(『大人が絵本に涙する時』、平凡社)と訴える。
近年は、お笑い芸人や歌手など、他分野の人が手掛ける作品も出版され、その裾野は広がっている。コロナ禍にある今だからこそ、心に潤いを与えてくれる絵本を手に取るひとときをつくってはどうだろうか。

☆心に御書を 第90回 仏天をも揺り動かす祈りを
<御文>
『一念三千の法門をふりすすぎたてたるは大曼荼羅なり、当世の習いそこないの学者ゆめにもしらざる法門なり、天台・妙楽・伝教・内にはかがみさせ給へどもひろめ給はず』(草木成仏口決、1339ページ)

<通解>
一念三千の法門を振りすすいで立てたのが(妙法蓮華経の)大曼荼羅である。今の世の中の習いそこないの学者等が、夢にも知らない法門である。天台、妙楽、伝教も内心にはこのことを知っていたが、外には弘められなかったのである。

<池田先生が贈る指針>
御本仏が、全人類のために顕してくださった御本尊である。大宇宙の生命力が、最も強く深く結集している。その無量の仏力・法力を、全世界で引き出していくのが創価の宝友の信力・行力だ。
一念三千の極理に則り、誓願の祈りは仏天をも揺り動かす。自他共の生命を尊極の妙法の当体と輝かせ、幸福へ勝利へ価値創造を!

☆ONE GOSHO 崇峻天皇御書
◇一日一日を悔いなく
かつてない苦難の中にあっても、価値を創造し、励ましと人材の拡大に挑んだこの一年。今回は、広布に生き抜く「一日」の大切さを学ぶ。

◇御文
『人身は受けがたし爪の上の土・人身は持ちがたし草の上の露、百二十まで持ちて名を・くたして死せんよりは生きて一日なりとも名をあげん事こそ大切なれ』(御書1173ページ)

◇通解
人間に生まれることは難しく、爪の上の土のようにまれであり、その身を全うするのは難しく、草の上の露のようにはかない。120歳まで長生きしても悪い評判を残して終わるよりは、生きて一日でも名をあげることこそ大切である。

◇背景
本抄は建治3年(1277年)9月11日、日蓮大聖人が身延の地から鎌倉の四条金吾に与えられたお手紙である。別名を「三種財宝御書」という。
本抄が送られる以前、金吾は、桑ケ谷問答を巡る讒言(事実無根の訴え)を信じた主君の江間氏から疎まれるようになり、"法華経の信心を捨てなければ、所領を没収する"と迫られていた。
しかし金吾は不退転の信心を貫き、大聖人の御指導通りに誠実な振る舞いに徹した。そうした中、江間氏が病に倒れ、医術の心得のあった金吾が治療に当たることになる。その報告に対する返信が本抄である。
大聖人は、主君からの信頼を回復する大事な時だからこそ油断してはならないと示され、賢人としての生き方を教えられている。

◇解説
「爪の上の土」「草の上の露」——日蓮大聖人は本抄で、比喩を通して、人間としてこの世に生まれ、生き抜くことは難しく、人生は、はかない。それゆえに尊いことを示された。
そして、かけがえのない一生であるからこそ、一瞬一瞬を大切に、価値ある人生を送るよう御教示されている。
続いて大聖人は、長寿を表す「120歳」を指標に用いながら、ただ長生きすることよりも、「いかに生きるか」が重要であると仰せである。人生の価値は、長短だけでは決まらない。たとえ短くとも、「名をあげて」生きるよう、御指南されているのである。
ここでいう「名をあげる」とは、社会的地位や名声を求める生き方ではない。正法を持った一人の人間として、周囲の人々から信頼され、たたえられることである。
拝読御文の直後で大聖人は�主君に仕えること�仏法に尽くすこと�世間における心掛け——の3点において、鎌倉の人々に「大変に素晴らしい」とうたわれるようになりなさい、と仰せである。
磨き上げた人格の輝きで、「あの人は立派だ」「素晴らしい」と賛嘆される生き方——それこそが、"仏法即社会"の実証であるといえよう。
苦境の中で本抄を受け取った四条金吾は、大聖人の御指導通りに誠実に、病にかかった主君の治療に当たった。そして再び信頼を得て、後には、従来の領地の3倍にも当たる土地を賜る。
広宣流布のため、同志を励まし、自身の人間革命に挑み、社会で奮闘する日々もまた、御聖訓通りの「名をあげる」一日一日にほかならない。
新型コロナウイルスの感染拡大によって、思うようにいかないことが多かった、この一年。それでも男子部は、オンラインも駆使しながら、周囲に励ましを送り続け、自他共の幸福への歩みを止めることはなかった。未曽有の危機を前にしても、負けじ魂を燃え上がらせて、職場や地域で奮闘を重ねてきた。
その一日一日が生命に無上の福徳を積み、必ず勝利の花を咲かせゆくことを、確信して進みたい。
池田先生は語っている。
「広宣流布のために流した労苦の汗こそ、いちばん尊い。その人こそ、生々世々、あらゆる人々から喜び慕われ、敬愛されゆく大境涯を開いていける。また、まことの信心に徹しゆく人には、教養も、品格も、福徳も、すべてが最高に備わってくる」
この一年の挑戦を皆でたたえ合いながら、男子部結成70周年であり、学会創立100周年への"新たな10年"の幕開けである明「希望・勝利の年」へ、新たな前進を勢いよく開始したい。
一日一日を悔いなく生き抜き、池田先生と共に「黄金の日記文書」をつづりゆこう。

2020年11月29日日曜日

2020.11.29 わが友に贈る

苦労をいとわない
先輩の真剣な姿が
後輩の心を触発する。
自分以上の人材を育む。
その人こそ人間王者だ!

種種御振舞御書 P912
『一丈のほりをこへぬもの十丈二十丈のほりをこうべきか』

【通解】
一丈の堀を越えられない者がどうして十丈・二十丈の堀を越えられようか。

名字の言 一度結んだ縁を大切に 2020年11月29日
本紙中国方面版で、かつて連載していた企画「ワールド・レター」。そこで、イギリスに住む日本人女性が紹介されたことがある。紙面を見た島根の女性は、"同級生かも……"と思った▼つてをたどり、連絡を取ると、やはり同級生だった。二人の友情は再び結ばれ、家族ぐるみの交流へと発展。互いに励まし合いながら、日本とイギリスの地で広布に奔走し、信心の喜びを語り合った▼本年9月、イギリスの女性は霊山へと旅立った。亡くなる1週間前、本人から「素晴らしい"縁"をくれた感謝を伝えたい」と本紙に連絡が。同級生の女性との友情は、代えがたい宝となっていた。その絆は、3人の娘に継がれている▼一度結んだ縁を大切にすることに、人間性の輝きがあろう。釈尊が悟りを開いた後、最初に対話をしたのは5人の旧友であった。釈尊の言葉を、旧友たちはすぐに信じたわけではない。対話は数日間に及んだとも伝えられる。1人が釈尊の教えを理解し帰依すると、残りの4人も続いた▼日蓮大聖人は「この法門を語り、他の人と比較にならないほど、多くの人に会ってきた」(御書1418ページ、通解)と。広宣流布とは、友情を結び、信頼を広げること。旧友を大切にしながら、新たな友情を結んでいきたい。(暉)

寸鉄 2020年11月29日
「法華経を持ち奉るより外に遊楽はなし」御書。試練の時こそ祈りを強く
希望は他人ではなく自分からつくるもの—恩師。皆が明年勝利の主体者と
小さな奮闘の中に偉業はなされる—文豪。今日も目前の一人に地道な激励
自動車内の換気は窓よりエアコンでの外気導入が効果的と。賢く感染対策
絶えぬ詐欺被害。見知らぬ人の電話・訪問は警戒。お金や銀行カード渡すな

〈社説〉 2020・11・29 好評の聖教電子版が1周年
◇世界の同志に勇気と希望を送る
「コロナ禍にあって、皆が不安の毎日にある中、希望あふれる内容に励まされることばかり」「休刊日の特集記事の配信は楽しみの一つ」「紙面にはないデジタル記事を読めることに、お得感がある」「離島在住のため、午前9時ごろに新聞が届くが、オンラインで早く読めるのでうれしい。何より欠航の時は助かる」
聖教電子版がスタートしてから1年、これまで多くの反響をいただいた。
最も多く寄せられたのは、スマートフォンさえあれば、「電車の中で見られたり、落ち込んだ時にもすぐに読めたりするのでありがたい」「仕事の休憩時間中や、日々の隙間時間にも、聖教に触れられて便利」など、「いつでもどこでも利用できる」というもの。動画配信も、「感動と勇気をもらった」「文字情報をさらに深めてくれる」と好評だ。
また、有料会員(月額利用料1731円、税込み)に登録すると利用できる「人間革命検索サービス」には、「テーマ別の検索ができるので、本で探す手間が省けて便利」「悩みがあった時、すぐに学べるのでありがたい」など多数の声が寄せられた。
同サービスは10月に、「検索ワードランキング」「ページビューランキング」の表示を開始。また、自身の閲覧履歴を最大100件まで確認できるように。好きなページを保存する「ブックマーク機能」には、「マーカー・メモ機能」を追加した。そして、10・2「世界平和の日」60周年を記念し、カテゴリ検索に「国・地域別」を加えた。これは、小説『新・人間革命』につづられた、池田大作先生の世界平和の行動の軌跡を、国や地域ごとに検索できるものとなっている。
さらに、今月24日には、電子版限定公開の劇画『人間革命』第2版の一覧へ、トップページからすぐに移動できるよう改修。併せて、聖教新聞の連載記事を連続して読める「連載まとめ」コーナーの配信を始めた。
池田先生は、「わが師・戸田城聖先生は『聖教新聞を、日本中、世界中の人に読ませたい』と深く願われていた。今日の『世界の聖教』の大発展を、どれほど喜んでくださるであろうか」とつづった。聖教はさらに成長・進化する。
世界205カ国・地域に広がった聖教電子版には海外からも、「リアルタイムで新聞を見られるのは、すごい時代だ」「3年間、留学していたが、日本国外でも聖教電子版を利用できたので助かった」と、好評をいただいている。
"世界中の同志に勇気と希望を"——一層の決意で、これからも充実した聖教電子版を送り、届けていきたい。

☆池田先生と共に新時代を築く 鉄は炎打てば剣となる 2020年11月24日
地球を大きく包みゆく「異体同心」のスクラムで、創立90周年の「11・18」を見事に勝ち飾ることができた。
日本と世界の各界からも、真心の祝賀を実に多く寄せていただき、感謝に堪えない。
牧口先生、戸田先生がどれほど喜んでおられることか。
一切の報告の意味を込め、総本部の恩師記念会館で妻と勤行・唱題した(21日)。先師・恩師はもとより、全ての亡き宝友へ追善回向を捧げるとともに、全創価家族の健康と幸福と勝利を心から祈念した。
* * *
日蓮大聖人は仰せである。
「天晴れぬれば地明かなり法華を識る者は世法を得可きか」(御書254ページ)
牧口先生は入信以来、この御聖訓を掲げ、混迷の時代の闇を「太陽の仏法」の光で晴らしていかれた。
「進んで積極的な善行を敢然となし得る気概の勇者たれ」との先師の師子吼こそ、学会精神の源流といってよい。
あの「大阪の戦い」の只中、戸田先生は婦人部の友の労苦をねぎらい、語られた。
「仏法を現実社会の中で行じ、人間のため、国のため、世界のために戦ってこそ、真の大聖人門下であり、真の革命児ではないか。それが創価学会だよ」
創立100周年へ、一段と力強く「広宣流布」「立正安国」の行進を開始できたことは、両先生への何よりの報恩であると、私は確信してやまない。
* * *
コロナ禍が打ち続く中で迎えた「勤労感謝の日」、改めて私は、医師、看護師など医療関係者をはじめ、エッセンシャルワーカー(社会の維持に不可欠な仕事の従事者)の方々のご苦労に深謝し、題目を送らせていただいた。
わが同志も、それぞれの使命の分野、また職場で、誠実に忍耐強く献身している。
特に青年時代は、仕事など、悩みや葛藤は絶えないであろう。良き先輩・良き仲間と相談し、励まし合いながら、勇気ある信心で一つ一つ乗り越えていただきたい。
「鉄は炎打てば剣となる」(同958ページ)である。
妙法を唱えて眼前の課題に挑みゆく地涌の青春は、どんな試練も鍛錬の炎に変えられる。必ずや正義の宝剣たる己が生命を磨き上げ、いかなる障魔も断ち切って民衆を守り抜くことができるのだ。
* * *
1957年(昭和32年)の11月20日、戸田先生は悲願であった広島行きを病のため断念せざるを得なかった。先生のご心境を偲び、回復を祈りつつ、私は小説『人間革命』の執筆をより深く決意し、その日の日記に記した。
「戸田先生の一生を書き留めゆくことに、生命の奥底に、使命と希望とが湧く」
この誓願のままに完結した『人間革命』『新・人間革命』を通し、今、全世界の後継の友と心の対話を重ねる日々だ。一人一人が「創立の心」を燃やし、広布即平和への大闘争の中で自身の新たな人間革命の歴史を綴りゆく晴れ姿を、私は祈り見守っている。

2020年11月28日土曜日

2020.11.28 わが友に贈る

仏縁を広げることが
自他共の幸福の直道だ。
智慧を湧き立たせ
自身の"交友録"を
朗らかにつづりゆこう!

御講聞書 P833
『法華経の行者は蓮華の泥水に染まざるが如し、但だ唯一大事の南無妙法蓮華経を弘通するを本とせり』

【通解】
法華経の行者は、蓮華が泥水に染まらず清らかな花を咲かせるように、ただ一大事の南無妙法蓮華経を弘通することを本としなさい。

名字の言 勝って兜の緒を締めよ 2020年11月28日
空手男子形で東京五輪の日本代表候補・喜友名諒選手の国際大会優勝回数19回が、過去最多としてギネス世界記録に認定された。この強さは、不断の努力によって築かれた▼喜友名選手は大学時代に国内を制したものの、世界では何度も優勝を阻まれた。悔しさをバネに、基本の突きや蹴りを追究し、演武の技術も磨くなど鍛錬を積み重ねた。2014年、世界選手権で念願の初優勝を果たす▼だが、その後の稽古で、師匠の佐久本嗣男氏は弟子のおごりに気付いた。「生活の全てを見直しなさい」と一喝し、道場の掃除などを行うよう命じた。師匠の厳愛の指導を胸に、心身を鍛え抜いた喜友名選手は、師匠の記録に並ぶ世界選手権3連覇を達成した▼負けた時に「勝ちの因」をつくることがある。一方で、勝った時に「負けの因」をつくることもある。目標を成就し、喜びに浸っていると、気付かない間に惰性に流されてしまう。それこそが、自身の心に紛然として競い起こる「魔」にほかならない▼小説『新・人間革命』第16巻「羽ばたき」の章に、「常勝の道を行く者は、『勝って兜の緒を締めよ』との言葉を、生命に刻むことだ」と。強盛な祈りで油断を排し、今日を勝ち、明日も勝つ。その連続勝利自体が、偉大な人生の記録となる。(首)

寸鉄 2020年11月28日
「妙法蓮華経の五字は悪変じて善となる」御書。確信の祈り勇気の行動で
信越婦人部「誓いの日」。創価の女性ありて希望は拡大。心結ぶ対話、今日も
魂の独立記念日。宗門は現代の"化石"の道辿る—教授。学会は世界に飛翔
空気が乾燥する季節。火災に注意を。火の元の点検しっかり。用心重ねて
冬季うつに注意。巣ごもりで悪化警戒—専門家。日光浴びる事など工夫を

☆創価池田女子大学入学式への池田先生ご夫妻のメッセージ 2020年11月23日
◇自身の可能性を無限に開き世界に平和・幸福・希望の花を
一、栄光の21期生の皆さん、ご入学、誠におめでとうございます。
世界的なコロナ禍の拡大という試練の中で、尊い向学の情熱を燃やして勇み集われた新入生の皆さん方に、私も妻も、最大の賞讃の拍手を送っております。
厳しい社会状況の中、深い深い志で、大切な宝のご息女を送り出されたご家族の方々にも、心からの感謝とお祝いを申し上げます。
「女性教育」「人間教育」の宝城たる創価池田女子大学の誕生から20年——。一段と目覚ましい発展を遂げる中、インドの輝く宝であり、人類の未来の希望である求道の若き乙女たちを迎えて、尊敬するクマナン議長、サムシャット学長はじめ、すべての教職員の皆さま方の喜びは、いかばかりでしょうか。

一、時代の闇が深ければ深いほど、輝きを放つのが、教育・文化の次元における魂の連帯であります。
私は、貴国インドの国父マハトマ・ガンジーとロシアの大文豪トルストイとの親交を思い起こします。その交友は、まさにトルストイが書き記した言葉さながらでありました。
すなわち、「過去、現在、未来に渡って、人間がその全生涯を賭けるに値する仕事がただ一つだけある。それは人々との愛による心の交流であり、彼らとのあいだに作り上げた障壁の打破である」(北御門二郎訳『文読む月日<中>』筑摩書房)と。
二人のやりとりは、書簡によるものであり、期間も1年余りでした。しかし、人類の不滅の友情と光っています。
たとえ直接会えなくとも、善き魂と魂は共鳴し、互いを高め合って、生命の光彩を限りなく増していきます。
皆さんには、不思議な縁で結ばれた学友がいます。素晴らしい姉妹がいます。そして、教育の聖業に全身全霊を注がれる先生方がいます。
いつでも、どこでも心は一つです。いかなる状況でも励まし合い、触発し合っていける。これが私たちの誇りです。私と妻も、その誉れあるスクラムに連ならせていただいております。
思いもかけぬ壁に直面することがあるかもしれません。しかし、マハトマは語られています。
「忍耐強く、そしてくよくよしないことだ。何があろうとも、朗らかに受け止めていくべきだ」
「あなたは、難事を成し遂げるために生まれてきたのだ」と。
どうか、自身の可能性を、無限に開きながら、地域に、社会に、世界に、平和と幸福の希望の花を咲き広げていってください。

一、終わりに、古代タミルの英知の箴言を贈り、メッセージとさせていただきます。
「蓮の[茎の]長さは水深に比例する。人の大きさは、心にあるもの[の大きさ]に比例する」(高橋孝信訳注『ティルックラル』平凡社)
私と妻は、皆さん一人一人が、日々健康で、最高に充実した、勝利の学生生活を送られますよう祈り、見守ってまいります。
どうか、お元気で!(大拍手)

2020年11月27日金曜日

2020.11.27 わが友に贈る

「一生空しく過して
万歳悔ゆること勿れ」
自ら決めた使命の道を
真っすぐに歩もう!
広布邁進の勇者たれ!

松野殿後家尼御前御返事 P1393
『然る間邪見の悪名世上に流布しややもすれば讒訴し或は罵詈せられ或は刀杖の難をかふる或は度度流罪にあたる、五の巻の経文にすこしもたがはず、さればなむだ左右の眼にうかび悦び一身にあまれり』

【通解】
それゆえ、日蓮は邪見のものであるとの悪名は世間に流布し、ややもすれば讒訴され、あるいは罵詈され、あるいは刀杖の難を蒙り、あるいは度々流罪に処された。法華経第五の巻・勧持品の経文に説かれた法華経の行者の姿と、少しも違うことがない。それゆえ、感涙は左右の眼にうかび、悦びが全身にあふれるのである。

名字の言 「妥協だけはしたくない」——53歳のJリーガー・中山雅史選手 2020年11月27日
「失敗や挫折はチャレンジしたことの証」と語るのは、サッカーのW杯で、日本人初のゴールを決めた中山雅史選手。53歳の今も、現役のJリーガーだ▼中山選手がコンサドーレ札幌を退団したのは、2012年のこと。度重なるけがで両膝の半月板をほぼ失った状態だったが、記者会見で「引退」の二文字は決して使わなかった。そこから治療を続けて3年後、アスルクラロ沼津に入団し現役復帰。現在は「公式戦のピッチに立つこと」を目標に、トレーニングに励む▼けがに加えて年齢による衰えもある。体の変化と向き合いながらチャレンジを続ける氏は「自分に負けたくないというか、妥協だけはしたくない」と語る。「可能性があるかないかは、挑戦しなければわからない」と(『再起は何度でもできる』PHP)▼限界を決めるのも自分であれば、限界を突破するのも自分である。「失敗=敗北」となるのは、自分で自分を「諦めた時」。真の勝利者とは、たとえつまずいたとしても、そこから立ち上がり、前に進む人のことだ▼小説『新・人間革命』第15巻「開花」の章に、「信仰とは、自らを励まし、奮い立たせる、精神の究極の力である」と。人生の不遇も、失敗も、全てを最善の方向へ生かすために、信心はある。(銘)

寸鉄 2020年11月27日
平和運動は風化との戦い—識者。"戦争の記憶"を語り継ぐ青年の連帯更に
「志をかさぬれば・他人よりも色まさり」御書。苦難にも信心貫く人に栄冠が
途中で止まるな。最後まで戦い進め—恩師。今年の目標完遂へダッシュ!
急激な寒さに注意。室内でも血圧変動の原因に。服装など工夫し体調管理
若者の大麻犯罪増。大学生・高校生も。一度だけの油断で破滅へ。皆で根絶

〈社説〉 2020・11・27 「新・人間革命」世代が躍動
◇師と弟子の"命の対話"を
小説『新・人間革命』に、青年部への期待がこうつづられている。
「自分たちの世代の広宣流布は、自分たちが責任をもち、最も有効な運動をつくり上げていってこそ、仏法の永遠の流れが開かれる」(第7巻「文化の華」の章)
池田先生が記されている通り、それぞれの世代が、それぞれの広布の使命を担っている。今の青年部は、先生がつづられる『新・人間革命』を日々学びながら成長してきた"「新・人間革命」世代"である。
その使命とは、小説に刻まれた「師弟の精神」を自らが体現しながら、人間革命の哲学を未来に語り広げていくことにほかならない。
今、青年部は、『新・人間革命』完結5周年、「広宣流布大誓堂」完成10周年となる2023年を目指し、「新・人間革命」世代プロジェクトをスタートした。
柱となる「青年部幹部会」(全国中継、年2回を予定)を前進の節としながら、『新・人間革命』を研さんし、折伏・弘教に励んでいく。
この運動を通して、人材育成、弘教・対話拡大の確固たる流れをつくっていきたい。
池田先生は『新・人間革命』を執筆する真情について、「『戸田大学』で恩師から一対一の薫陶を受けたように、日本中、世界中の青年たちと、この書を通して命と命の対話を交わしたいということであった」と述べられている。
この思いに応えるように"師弟の命の対話"を通して、今、新たな人材が陸続と立ち上がっている。
東京のある区の男子部大学校では『新・人間革命』を、章ごとに学ぶ取り組みをしている。
2年前に妻の折伏で入会したメンバーは、山本伸一が新入会の友に確信を込めて励ましを送る姿に感動。以来、日々の学びの中で、感動した先生の指導などを、その時に直面している自身の悩みと共にノートに書き留めている。
彼は「先生の指導を胸に課題を一つ一つ克服し、同じ悩みを抱える人を励ませる自分に成長していきたい」と語る。
世界の青年部もまた、『新・人間革命』を「広宣流布の教科書」に、信心の実践を重ねている。
タイの女子部のリーダーは、同国の広布を開いた師の戦いに触れ、"私も池田先生の激励で立ち上がった一人として、友に希望を送っていきます"と決意を新たにする。
「新たな青年学会建設の10年」の出発——その主役は、青年部の一人一人である。
師匠は見守っている。弟子が全責任を担い、「私が山本伸一」との自覚で人々を励まし、目の前の友に信心の歓喜を語っていきたい。その時、わが地域に、世界が希求する、希望と幸福のスクラムが築かれていくに違いない。

☆四季の励まし 創立100周年へ希望の出航! 2020年11月22日
◇池田先生の言葉
希望のある人生は、
明るく朗らかである。
歓喜があるからだ。
希望に輝く人には、
皆が引き寄せられる。
充実があるからだ。
希望溢れる所には、
笑顔の花が咲き薫る。
未来があるからだ。

希望とは、
未来を信じる信念である。
希望とは、
挑戦し続ける勇気である。
そして希望とは、
今日より明日への
たゆみない前進である!

希望がなければ、
自分が希望を創るのだ。
それが幸福である。
「希望」を創っていこう!
どんな絶望的な状況に
立たされたとしても、
そこから、
平和の方向へ、
希望の方向へ、
勝利の方向へ、
生き抜いていける。
そして断固として
価値創造してみせる——
これを
「創価」というのである。

「勝利」——
この光り輝く宝冠を、
宿縁深き同志の頭に、
一人も残らず
かぶせて差し上げたい。
友よ、勝て!
それこそが、
恩師の願いであった。
そしてまた、
これこそが、
私と妻の
切なる祈りである。

創立100周年の
2030年へと、
我らの前途には、
洋々たる未来が
開かれている。
「常に前へ」
「さらなる希望の峰へ」と、
私たちは、世界の友と
心一つに進んでいきたい。
学会はどこまでも
実践の団体である。
行動し続けるからこそ
発展があり、勝利がある。
今日も
自行化他の実践に励み、
栄光凱歌の人生を
歩んでいこう!

【写真説明】天空に懸かる虹。その光彩に向かって一隻の船が水面を滑る。1994年(平成6年)5月、モスクワで池田大作先生がカメラに収めた。
89年に冷戦終結、91年にソ連解体。世界もロシアも激動の渦中にあった。滞在中、先生は、ゴルバチョフ元ソ連大統領、モスクワ大学のサドーヴニチィ総長らと会談。同大学では「地球的連帯の世紀」を展望し、記念講演を行った。
川は流れる。時代も動く。万物は流転する。その中で人間は、幸福を求めて懸命に生きている。人類に希望を、差異を超えて結び合う平和の哲学を——創価学会は、この人間主義の航路をこれからも進む。さあ、創立100周年という希望と勝利の岬へ出航しよう。池田先生と共に!

2020年11月26日木曜日

2020.11.26 わが友に贈る

仏法の真髄は
人の振る舞いにある。
地域や職場の発展を祈り
誠実一路で行動する中に
信頼と勝利の実証が!

持妙法華問答抄 P465
『されば持たるる法だに第一ならば持つ人随つて第一なるべし、然らば則ち其の人を毀るは其の法を毀るなり其の子を賎しむるは即ち其の親を賎しむなり』

【通解】
それゆえ持たれる法さえ第一ならば、持つ人もまた第一なのである。そうであれば、その人を毀るのはその法を毀ることである。その子を賎しむのは即ちその親を賎しむことである。

名字の言 武田信玄の人材登用 2020年11月26日
人材登用に長じた戦国武将といえば、武田信玄はその一人だろう。信玄は、その人の能力や個性をどう見抜いたのか。その手法の一つが、いわゆる"雑談"だった▼屋敷の炉端を囲み、若い衆と雑談する中で、信玄が深遠な教訓を口にする。それを聞く態度で逸材を抜てきしたという。下克上の世とはいえ、「上下の関係」が厳格な時代に、立場を超えて、そのような"雑談"が可能だったこと自体が、信玄自身の「人間的魅力」の表れと思える▼ある壮年リーダーが、活動に消極的な壮年部員の家を訪ねた。1回目、「いないよ」と小学生の子どもに言われた。2回目、「疲れてもう休んでしまいました」と夫人に謝られた。3回目、ようやく会えた▼壮年と語らう中で知った。実は1、2回目とも居留守を使っていた。だが、玄関先でわが子の学校での頑張りを褒めたたえ、妻に感謝を述べる言葉を聞き、"この人に会ってみたい"と思ったという。壮年リーダーの人柄が、会いたくないと思っていた心を変えたのだ▼先日、その壮年部員が座談会に参加し、語った。「こういう場って、いいですね。皆の目線が同じ高さだから」。相手を尊敬すること。立場や肩書を脇に置いて、一人の人間として語り合うこと——そこから人間の連帯は生まれる。(城)

寸鉄 2020年11月26日
若くして信心するのは、生涯幸福になる為—恩師君よ不動の自己を鍛えよ
山口女性の日。賢く朗らかな太陽の連帯!蘇生の力送る希望の対話を拡大
我らの戦いは御書根本。日々、一節でも一行でも。峻厳な蓮祖の精神を命に
CO2濃度は依然、上昇傾向が続くと。持続可能な社会へ弛みなく取組を
電動自転車での高齢者の転倒事故多し。急発進・加速等で。急がず油断せず

☆いのちの賛歌 心に刻む一節 生死と向き合う 2020年11月17日
新たな生命への旅立ち
◇御文
『大地はささばはづるるとも虚空をつなぐ者はありとも・潮のみちひぬ事はありとも日は西より出づるとも・法華経の行者の祈りのかなはぬ事はあるべからず』(祈祷抄、1351ページ)

◇通解
大地をさして外れることがあっても、大空をつなぐ者があっても、潮の満ち干がなくなっても、日が西から出ることがあっても、法華経の行者の祈りのかなわないことは絶対にない。

◇次男の骨肉腫が判明
寺窪正広さん(57)=東京・八王子総区長=と妻・利美さん=区副婦人部長=の次男・賢治さんは、2009年8月、18歳で人生の幕を閉じた。葬儀の日、予報されていた台風の進路がそれ、八王子の空は夕日で茜色に染まった。まるでドラマのワンシーンのようだったという。寺窪さん夫妻は穏やかな表情で、闘病の日々を語ってくれた。

中学1年で花形の背番号10を背負うほどの"サッカー少年"だった賢治さん。異変が起きたのは、05年の暮れ、中学2年の時だった。「左膝が痛い」と訴え、病院へ。精密検査を受けた結果、「骨肉腫」と判明した。
寺窪さんは振り返る。
「"まさか"という気持ちでした。それ以上に、悲嘆する次男の姿を見るのが本当につらかった。私自身、不安や恐れが頭をよぎりました」
その心を変えてくれたのは、学会の先輩の励ましだった。「今が宿命転換の時。毛筋ほども御本尊を疑ってはいけないよ」——確信あふれる言葉に、一念が定まった。
この時、寺窪さんが拝した御書の一節が、「法華経の行者の祈りのかなはぬ事はあるべからず」(1352ページ)だったという。
「祈りがかなう、かなわないじゃない。断じてかなえてみせる。絶対に乗り越えてみせる。そう、覚悟を決めたんです」
抗がん剤治療が始まった。高熱や嘔吐など、重い副作用が賢治さんを苦しめた。髪の毛も全て抜け落ちた。「それでも、賢治は決して弱音を吐きませんでした」
賢治さんが入院中、毎晩、家族全員で時間を合わせて唱題し、病と対峙した。やがて、抗がん剤や手術で膝の腫瘍は消え、07年1月に退院。3月には中学を卒業できた。教職員や同級生たちも喜んでくれた。
ところが翌月、高校入学直後に再発が分かる。
再び入院し、治療と再発を繰り返す中、腫瘍は肺に転移していった。再発から1年後の08年3月、医師は「いつ逝ってもおかしくありません」と告げた。
「そんな状態でも、賢治は『題目で絶対に治す!』と引きませんでした。私たち家族にも、迷いは全くなかったです。ここからが本当の勝負だな、と」
治療は過酷だった。病魔の勢いに押されないよう、一段と決意を込めて、家族で猛然と御本尊に祈った。
「賢治君 頑張れ! 戦い続ける君に 勝利あれ!」——思いがけず届いた池田先生からの伝言に、家族の心は奮い立った。高校3年となった09年4月には、一時退院して家族旅行にも行けた。
「主治医が『ここまで抗がん剤治療に挑戦した子は記憶にない』と驚くほどでした。闘病中、笑顔を絶やさない賢治の姿に、家族や周囲がどれだけ救われたことか。見舞いに訪れた同級生を明るく迎え、学会活動に走る私や妻には、『俺は大丈夫だから、気を付けて行ってきて』とメールをくれて」
しかし、徐々に弱ってきているのは分かっていた。
同年8月25日の深夜、病院で次男に付き添っていた妻から電話があり、寺窪さんは、長男・正昭さん(32)=男子部部長=を車に乗せて、急いで病院へ走った。
病室に駆け込むと、賢治さんはすでに息を引き取っていた。
穏やかな表情だった。寺窪さんは、泣きながら強く抱き締めた。
「賢治、よく頑張ったな……」
体に残っていたぬくもりが、まるで「お父さん、待っていたよ」と言っているようだった。
「聞けば、賢治は病院で、同じ病気と闘う子たちを、いつも励ましていたそうです。医師や看護師の方々にも、気遣いの言葉を掛けていました。自分が一番つらかったはずなのに、賢治は常に前を向き、一度たりとも病魔に負けませんでした。
『18年間』に命を凝縮させ、精いっぱい自分の使命を果たし抜いて、堂々と新しい生命へ旅立ったんです。私たち家族は、信心で乗り越えることができました」
賢治さんが母親に最期に告げた言葉は、「ありがとう」だった。利美さんは、「賢治の人生最期の心は"感謝"だったんです」と唇をかみ締める。
離れて暮らす正昭さんにも、後日、話を聞いた。「苦難に負けない両親と弟の姿から、信心の偉大さを学びました」
家族の中に、賢治さんの人生は確かに刻まれていた。
寺窪さんは、「限りある命を、どう生きたか。それこそが何より大切であると、私は賢治から教わりました」と話す。「息子を失うという経験をしたことで、心から人を励ませるようになりました。これからも力の限り、一人でも多くの方々を励まし続けます」
目頭をぬぐいながら話す口ぶりは、自らに言い聞かせるようだった。

池田先生は語っている。
「宿命をも使命と変えていく強き一念は、現実の世界を大きく転換していくのです。その一念の変革によって、いかなる苦難も自身の生命を鍛え、作り上げていく悦びの源泉と変わっていく。悲哀をも創造の源泉としゆくところに、仏法者の生き方があるのです」
「いかなる難があっても微動だにせぬ正法への信を貫いてこそ、三世永遠に幸福の軌道に乗ることができる。一生成仏とは、まさに、その軌道を今世の自分自身の人生のなかで確立することにほかなりません。『戦い続ける正法の実践者』こそが、大聖人が法華経を通して教えられている究極の人間像と拝したい」(「指導選集」第2部上巻)

告別式の日、学校長や、学年の教職員・生徒全員が参列した。治療に携わった医師や看護師までもが訪れたという。
賢治さんの命日には、毎年、同級生たちが八王子の自宅を訪れてくれる。家族と一緒に、思い出話に花を咲かせる。皆の心の中で、賢治さんは今も変わらず、明るく笑っている。

[教学コンパス]
子を亡くした親の会「ちいさな風の会」で30年以上、世話人を務めてきた若林一美氏は、"死別の悲しみは、単純に時間の経過の中で変わっていくものではない"と結論する。周囲は"悲しみを持っている人が「言えないこと」に対して、敬意を払いながら向き合っていく"ことが大切であるとした上で、"たとえ体験がなくても、本当に相手を思った言葉は、必ず伝わる"と語っている(「講演会 遺族の悲嘆とグリーフケア」)。
日蓮大聖人は「言と云うは心の思いを響かして声を顕すを云うなり」(御書563ページ)と教えられた。
悲嘆の淵に沈む友を前に、ただ立ち尽くすしかない時がある。黙って一緒に涙を流す時もあるだろう。そうして向き合う時間を静かに重ねる中で、相手の心の琴線に触れるような言葉を、自然と響かせていけるのかもしれない。
友の再起と幸福を心から祈り、信じて、どこまでも待つ。私たち学会員が日々、実践する「寄り添う」「励ます」ということの意味を、改めてかみ締めたい。(優)

2020年11月25日水曜日

2020.11.25 わが友に贈る

人生は悩みとの闘争だ。
苦労した分だけ
大きく境涯が開かれる。
不屈の忍耐と挑戦で
自分自身に打ち勝とう!

千日尼御前御返事 P1316
『人は臨終の時地獄に堕つる者は黒色となる上其の身重き事千引の石の如し善人は設ひ七尺八尺の女人なれども色黒き者なれども臨終に色変じて白色となる』

【通解】
人は臨終の時に地獄に堕ちる者は色が黒くなるうえ、その身体の重いことは千引の石のようなものである。善人はたとえ七尺・八尺の女人であっても、色の黒い者であっても、臨終には色が変わって白くなる。

名字の言 今に「全集中」 2020年11月25日
民間の有人宇宙船が国際宇宙ステーション(ISS)へのドッキングに成功した。搭乗した宇宙飛行士の野口聡一さんは、人気アニメの台詞を通して喜びを語った。「打ち上がった後も、さまざまな困難な状況に直面しましたが、『全集中』で乗り切ってきました」。「11・18」には、飛行するISSが総本部上空でも観察された▼人気アニメとは映画が公開され、社会現象になった「鬼滅の刃」。鬼に家族の命を奪われた少年が、鬼と化した妹を人間に戻そうと格闘する物語だ▼なぜ爆発的なブームになっているのか。理由の一つには、過酷な現実を前にしても諦めない主人公と仲間たちが見せる不屈の姿が挙げられよう。鬼の打倒へ不断の努力を重ね、大切なものを守るために戦い続ける——それが「今」を歩む人たちへのエールとなっているに違いない▼何事も計画通りに進むとは限らない。むしろ、予期せぬ事態の連続が人生といえる。その時に知恵と勇気を湧かせ、苦難や試練と向き合えるかどうか。そこで人間の真価が問われる▼「過去や現実がどうであれ 真剣に今日を生きる人に 希望の明日は訪れる」(1日付「わが友に贈る」)。過去を懐しみ、未来を憂うだけでなく、今に集中し、なすべきことに全力を尽くしたい。(仁)

寸鉄 2020年11月25日
本因妙こそ仏法の真髄。さあいよいよの息吹で!創立の月から対話拡大へ
社会に尽くす人材の育成が学会の大目的—恩師。わが地域に後継の陣列を
力なければ繁栄なく、力は結合以外には得られぬ—詩聖。祈り合わせ前進
終にほろびざるは候はず—御書。C作戦30年。宗門は信者激減で無残な末路
高齢運転者の事故6割が安全確認不足—愛知県警過信せず、皆で注意喚起

☆池田先生の謝辞(代読)——ピアウイ連邦大学授与式から
◇人類よ「生命尊厳」の原点に返れ
一、何よりもまず、愛する貴国ブラジルに甚大な被害をもたらしたコロナ禍に、改めて心よりお見舞いを申し上げ、お亡くなりになられた方々に、深く哀悼の意を捧げさせていただきます。
とともに、貴大学の保健センターをはじめ医療関係等に尽力されている方々の尊い奮闘に、最大の敬意を表するものであります。
こうした渦中にもかかわらず、あまりに意義深き貴・ピアウイ連邦大学の「名誉博士号」を授与くださるロペス総長はじめ、先生方のご厚情に御礼の申し上げようもございません。
私が貴国を初めて訪問してより60星霜、幾重にも苦楽を分かち合ってきたブラジルの友人たちは、わが人生のかけがえのない宝であり、誇りであります。このブラジルの宝友たちと共に、本日の栄誉を拝受させていただけることは、この上ない喜びであります。
誠に誠に、ありがとうございました。

◇紋章に輝く光
一、貴大学の紋章には、三つのトーチ(松明)が誉れ高く輝いております。
「知の光」で、地域を、社会を、未来を照らしゆく誓いが込められていると伺い、私は感慨ひとしおであります。
と申しますのも、11月18日で発刊90周年を迎える、私たちの原点の一書『創価教育学体系』の箱と扉に刻まれていたのも、ランプの絵であったからであります。国家主義、軍国主義の闇に覆われた時代にあって、若き生命の幸福をひたぶるに願い、新たな価値創造の教育の光を決然と放っていったのであります。
創価教育の父・牧口常三郎先生は、それから14年後、1944年の同じく11月18日に、軍部政府の弾圧によって信念の獄死を遂げました。
この奇しき「創立の日」を前に、貴大学から賜りました栄冠を、私は貴国をはじめ世界192カ国・地域の創価の同志と一緒に、万感の思いを込めて、殉難の先師に捧げさせていただくものであります。
一、教育は、まさしく「知性の光」「人道の光」「勇気の光」を、時を超え、国をも越えて受け継ぎゆく最極のロマンの聖業でありましょう。その鑑を、私はロペス総長の崇高なる人間教育の足跡に見る一人であります。
「大学の英知とは、十分に教育を受けられなかった人たちのためにある」
「大学は、大学の壁の向こう側にいる人々を大切にするためにある」
この人間主義の哲学を、ロペス総長は、貴大学の草創期を支えられた、稀有の人間指導者アフォンソ・セナ先生から学ばれたと伺いました。
セナ先生は病によって若くしてこの世を去られますが、先生の魂は総長に厳然と継承され、そして具現化していったのであります。
「今もセナ先生の姿を思い浮かべながら、どうしたらセナ先生の理想を実現できるかを考えている」——。
この総長の峻厳な真情に私は感動しました。いな、感涙しました。
ロペス総長は、民衆に広く門戸を開かれた大学として、市民向けの公開講座をはじめ、「誰もが平等に質の高い教育を受けられるように」と、環境の整備を進めておられます。
さらに、教授として赴任されて約40年にわたり、大学から打って出て、自らの足で地域を歩き、市民の直面する課題に共に挑んでこられました。
総長の率先の指揮のもと、貴大学は、社会に、国土に絶大なる貢献を果たしてこられたのであります。
若き英才たちが学び磨き上げた自らの専門の力を生かし、地元のニーズに応える支援を行うなど、数多くのプロジェクトを推進してきたことも、高い評価を博されています。

◇教育は芸術なり
一、今回のコロナ禍にあっても、大学の体育館を医療所として開放したり、各病院に必要な物資を届けたりと、率先の取り組みを貫いてこられました。
その尊き献身に、私は、貴大学の聳え立つブラジル北東地域に生まれた先駆の女性医学者ニゼ・ダ・シウベイラ先生の言葉を、重ね合わせるのであります。
「『人』が『人』に愛情や思いやりをもって接することこそ、治療を良くするのである。喜びが病を治し、差別をしないことが病を克服するのである」と。
世界の至る所で、深刻な分断や孤立、差別や格差が憂慮される中で、心に刻みたい洞察であります。
牧口先生も、医学とともに教育は、"世上の何物にも代え難き生命という無上宝珠を対象とする人生最高至難の技術であり、芸術である"と自負していました。
人類全体が共通の苦難に直面する今、教育、医学をはじめ万般にわたって、生命の尊厳と平等という究極の原点に立ち返る時であります。
一人一人を大切に慈しみ励ましながら連帯し、価値創造の力を糾合しゆく世界市民の智慧と勇気と慈悲が、より強く、より広く、求められているのではないでしょうか。
一、貴大学の紋章には、三つの松明と共に、「大学は人間を創る」とのモットーと、創立の年である「1971」という数字が記されております。この年の3月1日、貴大学は誕生されました。
1971年は、私たちにとって牧口先生の生誕100周年であり、その志を体現しゆく、わが創価大学は、貴大学に続く4月2日に開学しております。地球を挟んで、両大学は誠に不思議な縁で結ばれて同時代を進んでまいりました。
総長が先頭に立って灯してこられた偉大なる貴大学の人間教育と民衆奉仕の炎を、私も名誉ある一員として、わが胸に命の限り燃やし続けてまいります。
そして、明年、共々に迎える両大学の創立50周年、さらには創立100周年へ、地球社会の共生の未来を照らす松明を、後継の青年たちと一緒に高く掲げゆくことをお誓い申し上げ、私の謝辞とさせていただきます。
「希望の学府」ピアウイ連邦大学に栄光あれ!
「希望の連邦共和国」ブラジルに勝利あれ!
ムイト・オブリガード!(ポルトガル語で「誠に、ありがとうございました!」)(大拍手)

2020年11月24日火曜日

2020.11.24 わが友に贈る

受け身の姿勢ではなく
自発能動の挑戦を!
"よし! やってみせる"
常に主体者の覚悟で
広布拡大を進めよう!

異体同心事 P1463
『一人の心なれども二つの心あれば其の心たがいて成ずる事なし、百人千人なれども一つ心なれば必ず事を成ず』

【通解】
一人の心であっも二つの心があれば、その心と心とが違って何事も成就することはない。百人や千人であっても一つの心であれば必ず物事を成就するのである。

名字の言 名二塁手・菊池涼介選手の実践とは? 2020年11月24日
野球の守備で一番難しいプレーは"正面のゴロを捕ること"——二塁手として、プロ野球史上初となるシーズン無失策の偉業を達成した菊池涼介選手(広島東洋カープ)が答えている▼守備の時、平凡なゴロが何かの拍子で跳ねることがある。急な変化のため、捕球が難しい。そこで試合前の練習で一つ一つ確認する。球場の特性、芝の状態、足の運び……。菊池選手は「単調でも毎日繰り返す。この『繰り返し』に全てが凝縮されている」と語る(『二塁手革命』光文社新書)▼広島の壮年部員は、2年前の西日本豪雨で自宅が床上浸水の被害に遭った。当たり前の日々が一変し、途方に暮れた。その中で、仏壇の中から泥まみれのノートを見つけた▼長年、激励を重ねてきた同志らの様子を記したものだった。魂の記録に、壮年は「失われた日常を取り戻す!」と奮い立ち、再び同志のもとへ。1年間で300人以上に訪問激励を重ねた。現在のコロナ禍でも、ノートへの書き込みは増え続けている▼スポーツの世界に限らず、どんな分野でも、大切なのは基本を「繰り返す」こと。私たちの信仰も、「月月・日日」(御書1190ページ)の「持続」が肝要だ。自他共の幸福を祈り、友の励ましに徹する中で、福徳の大境涯が開かれていく。(子)

寸鉄 2020年11月24日
人々の孤立防ぐ学会員の声掛けは更に重要—日本の識者。絆結ぶ誇り胸に
岩手支部結成から60年。燃える開拓魂で拡大へ!大東北の頼もしき人材城
障害は私を屈せしめない—偉人。これぞ青年の心。若師子よ山本伸一の如く
幸福の第一条件は健康—牧口先生。睡眠・食事・運動を賢く。根本は祈り
感染拡大の要因は基本の対策の欠如—専門家。マスク、3密回避など徹底

☆わが愛する青年に贈る」に学ぶ 第2回 勇気〈下〉 「今」を勝つ一念が一切を変える 志賀 青年部長
◇池田先生の指導
勇気は、遠くにあるのではない。
十界互具の
わが生命の中に、厳然とある。
誰でも勇気は出せるのです。

1 求道の炎を「今一重強盛に」
池田先生は、いかなる苦難にも屈することなく、厚き求道の志に生きた「乙御前の母」に送られた御書を通して、次のように講義してくださいました。

【御文】
『妙楽大師のたまはく「必ず心の固きに仮りて神の守り則ち強し」等云云、人の心かたければ神のまほり必ずつよしとこそ候へ、是は御ために申すぞ古への御心ざし申す計りなし・其よりも今一重強盛に御志あるべし』(乙御前御消息、御書1220ページ9行目〜11行目)

【現代語訳】
妙楽大師は、「必ず心の固きに仮りて神の守り則ち強し」等と言われている。心の堅固な者には神の守りが必ず強いということである。これは、あなたのために申すのである。あなたの前々からの御志は立派であり、とても言い尽くせない。しかし今、それよりもなお一重強盛な信心の御志に立ちなさい。

■ 池田先生の講義
大聖人の御在世も、また今日においても、この「乙御前の母」の如く「強盛の御志」を燃え上がらせた勇気ある母たちが、広宣流布の道なき道を切り開いてきました。
そして"師匠が戦った如く!"と不二の心で立ち上がった庶民の父母たちによる勇気の継承劇は、時を超えて、国境を超えて、世界の友に広がっていきました。だからこそ、妙法は世界に流布したのです。
—◆—
大変な時こそ、「今一重強盛に」求道の炎を燃やせるかどうか。そこに、信仰者としての真価が現れます。その不屈の志を最も強く燃え上がらせるのは、"師匠にお応えしたい"との報恩の一念である。このことを私は、祖母に学びました。
幼い頃、私は祖母から数々の信仰体験を聞きました。大正生まれの祖母は、人に尽くす生き方を求めていました。折伏を受けた時、「理想の世界があった」と即座に入会を決意。しかし、嫁ぎ先の親族に反対され、最初は月明かりが照らす馬小屋で勤行をしたそうです。
宗門僧が謀略の限りを尽くした第1次宗門事件で、最も苦しんだ地域の一つが大分です。祖母はこの地で、同志と共に歯を食いしばって戦い抜きました。1981年(昭和56年)12月、池田先生が大分・竹田市の岡城址を訪問。祖母は当時2歳の私を抱え、駆け付けました。苦難を勝ち越えた同志の皆さんと共に、先生と晴れやかに記念写真に納まったことが、わが家の信心の原点となりました。先生は、この出会いを小説『新・人間革命』の中で「民衆凱歌の魂の絵巻」と綴ってくださいました(第30巻<下>「勝ち鬨」の章)。広布の険難の山を登攀してこられた全ての父母への限りない励ましだと確信しています。
私は祖母に、「なぜ宗門事件でも退転しなかったのか」と聞いたことがあります。祖母は「先生に本当の人生を教えてもらったから」と即答しました。短い言葉ですが、師恩を忘れない人は永遠に成長できるのだと命に刻みました。

2 地道な実践の中に広布がある
先生は、勇気とは臆病との戦いであること、そして、それがリーダーとして必須の戦いであることを教えられています。

■ 池田先生の講義
同じ「乙御前御消息」には、「軍には大将軍を魂とす大将軍をくしぬれば歩兵臆病なり」(御書1219ページ)と仰せです。牧口常三郎先生も線を強く引かれていた一節です。創価のリーダーは断固たる勇気を持たねばならない。「勇将の下に弱卒無し」です。
大聖人は、何度も弟子に教えられています。
「日蓮が弟子等は臆病にては叶うべからず」(同1282ページ)
「ふかく信心をとり給へ、あへて臆病にては叶うべからず候」(同1193ページ)
臆病に勝ち、深き信心の志に立つことが勇気です。偉大な人生の勇者の道です。
—◆—
勇敢なるリーダーであってはじめて、同志を勇気づけられる。人々を守ることができる。先生は常々、若き日のご自身の振る舞いを通して、広布拡大の要諦はリーダー率先の行動だと指導されています。リーダー自らが臆病の心を克服して動けば、風が起こり、波動が広がります。
私はその一つとして、人との出会いを大切に、勇んで対話の場に飛び込んできました。社会人になってから9度転居しましたが、そのたびに地域友好を祈り、近隣へのあいさつや声掛けに取り組んでいます。その中で学会の会合に参加し、理解者になられた方、転居後もお付き合いが続く方もいます。また、都内で行われる県人会の集いに顔を出し、幅広い世代の方々と交流してきました。地道な積み重ねによって、人の縁に恵まれてきたと感じています。
池田先生は「大切なのは、実際に何をしてきたかです。日々、心を砕いて、身近な人びとに仏法を教え伝えていく——その地道な実践のなかに、世界広布もあるんです」と教えてくださっています(『新・人間革命』第29巻「力走」の章)。
先生が貫かれる誠実一路の「行動」を、弟子の立場で重ねていくことが、師の生き方を「学ぶ」ことであり、そこに自身の人間革命もあるのだと実感します。

3 勇気と慈悲は表裏一体
池田先生は、勇気と慈悲の関係性について、こう指導されています。

■ 池田先生の講義
勇気は、遠くにあるのではない。十界互具のわが生命の中に、厳然とある。老若男女を問わず、誰でも勇気は出せるのです。題目の師子吼で自身の弱い心を打ち破るのです。諦めの壁を乗り越えて戦っていくのです。
そして自他共の幸福を願って勇気の対話を実践していくことが慈悲に通じていくのです。
戸田先生は教えてくださいました。
「凡夫には慈悲など、なかなか出るものではない。だから慈悲に代わるものは『勇気』です。『勇気』をもって、正しいものは正しいと語っていくことが『慈悲』に通じる。表裏一体なのです。表は勇気です」と。
「勇気ある信心」、それ自体が、仏界に通じます。我ら創価の師弟は、永遠に、この「勇気の力」をもって戦い、勝っていくのです。
—◆—
菩薩とは、他者のために行動する人です。とはいっても、最初から慈悲に厚く、利他の振る舞いに徹することは、なかなかできません。しかし題目によって自身の中から勇気を引き出せば、慈悲の行動を起こすことができます。何も恐れることなく、題目根本に「勇気の力」を発揮する。これが青年の原動力です。
忘れられない金の思い出の一つに、私が区男子部長時代に、ヤング男子部の同志と共に挑戦した折伏があります。若い部員たちには、大きな信仰体験はありませんでした。しかし"強い自分に成長したい""友人を幸せに!"との純粋な思いと勇敢な行動がありました。
そんな中に、入会間もない東北出身の部員がいました。彼は、東日本大震災で最愛の父親を失いました。悲嘆に沈む彼に、希望の光を送り続けたのが創価家族の皆さんでした。同苦の心で寄り添い、力強く励ましてくれました。そのおかげで彼は前を向き、少しずつ悲しみの淵から立ち上がっていきました。"自分も友に同苦できる人間になりたい"と祈るように。同志の温かさを語り、友人を相次ぎ入会に導いていきました。彼の蘇生した姿と勇気の行動にヤングメンバーが奮い立ち、次々と弘教を実らせていったのです。
自他共の幸福のドラマは、一人一人が「師子王の心を取り出して」いくことから始まると確信しています。

4 人間革命の思想を時代精神へ
先生は、創価の師弟が歩んだ最極の勇気の道こそが、広布を拡大する大道であると強調されています。

■ 池田先生の講義
「猶多怨嫉・況滅度後」の嵐を突き抜け、権力にも財力にも、権威にもよらず、創価三代の師弟は、勇気の松明を掲げ、仏教史に燦然と輝く地涌の民衆の連帯を築き上げてきたのです。
わが創価の師弟の歩んだ道は、一生成仏の信心という最極の勇気の道であり、広宣流布と立正安国への不朽の勇気の道です。
今、この勇気の大道を、世界中の地涌の青年たちが、力強くスクラムを組みながら大行進してくれている。牧口先生、戸田先生が、いかばかり喜ばれていることでしょうか。
—◆—
新型コロナウイルス感染症の拡大をきっかけにして、政治経済の混乱、人種問題や格差社会といった、さまざまな形での「分断」や「対立」が顕在化しています。
こうした中、私たちが日々の地道な対話で、励ましのネットワークを広げていくことは、どれほど価値のあることでしょうか。仏法の平和と平等の思想、創価学会の友情と連帯の運動が、危機の時代を乗り越える希望なのだと改めて確信します。
池田先生は、世界青年部総会へのメッセージで「一人一人の生命から『智慧』と『慈悲』を湧き出し、友情を結び、喜びあふれる励ましの絆を築いてきたのが、創価の世界です。この奇跡ともいうべき麗しき『地球民族の連帯』を、どこまでも大切に守り広げ、我らの青き地球を何としても『立正安国』、そして『立正安世界』の大歓喜の星に輝かせていきたい」と綴り、青年に期待を寄せてくださいました。
また米コロンビア大学での講演では、戦争や環境破壊など、地球規模の問題群の底流にあるものを「あらゆる分野において、『人間』を見失い、『人間の幸福』という根本の目的を忘れてきた失敗である」と鋭く洞察されています。
師匠・池田先生が生涯を懸けて自ら実践し、示されてきた「人間革命」の思想が、世界で求められる時代です。今こそ、私たち池田門下の弟子が、人類の宿命転換を懸け、この「人間革命」の思想を「時代精神」にまで高めていきたい。「新・人間革命」世代として、希望あふれる地涌のスクラムを、世界へ未来へ広げていきます。

■ 池田先生の講義
世界192カ国・地域で地涌の友が躍動する、絢爛たる地球広布の黄金時代を迎えました。我ら創価の師弟は断固と勝ったのです。
これからも創価学会は、勇気また勇気で前進していこう! 
勇気は決意を生む。行動を生む。歓喜を生む。勇気は希望の源だ。勇気は壁を破る。勇気は道を開く。勇気は勝利を約束する。そして、勇気は勇気を広げるのです。
わが愛する世界の青年たちよ、勇気あれ! どこまでも勇気あれ! 断じて勇気あれ! 徹して勇気あれ!
青年の心を抱く地涌の全同志よ、いざ勇猛精進だ! 勇気凜々と栄光の勝ち鬨を轟かせようではないか!

◇さらなる研さんのために
本連載で学ぶ『わが愛する青年に贈る』は、「大白蓮華」に連載中の池田先生の講義「世界を照らす太陽の仏法」の中の、男女青年部への御書講義を収録した書籍です。本社刊。713円(税込み)。全国の書店で発売中。聖教ブックストアへの電話でも注文できます(0120-983-563、平日9時〜17時)。コンビニ通販サイト「セブンネットショッピング」「HMV&BOOKS online」での注文、受け取りも可能。電子書籍でも好評発売中。

2020年11月23日月曜日

2020.11.23 わが友に贈る

「心にふかき・
えうじんあるべし」
健康第一、絶対無事故で
充実の一年を勝ち飾れ!
「信心即生活」なれば。

松野殿女房御返事 P1395
『法華経は初は信ずる様なれども後遂る事かたし、譬へば水の風にうごき花の色の露に移るが如し、何として今までは持たせ給うぞ是偏へに前生の功力の上釈迦仏の護り給うか、たのもししたのもしし』

【通解】
法華経は初めは信じるようであっても、最後まで信心を貫きとおすことはむずかしい。たとえば、水が風によって動き、花の色が露によって移ろうようなものである。それにもかかわらず、あなたは、どうして今日まで信心を持ち続けてこられたのであろうか。これはひとえに、前世において積まれた功徳の上に、釈迦仏があなたを守られているからであろうか。頼もしいことである。頼もしいことである。

名字の言 皆、"使命の人""宝の人" 2020年11月23日
「この子は、わが家のヒーローなんです!」。ある夫妻が、障がいのある息子さんを明るく紹介してくださった。聞けば、大変なこともたくさんあったという。突発的な多動、激しい感情の起伏……。途方に暮れた日もあった▼だが、親子で一緒に座談会に行くと、疲れや迷いが吹き飛んだ。地区の同志が大歓迎してくれた。いつも皆が最初に声を掛けてくれたのは、夫妻にではない。なかなか言葉が理解できないわが子に対して。「よく来てくれたね。おばちゃんも頑張るよ!」「抜群の笑顔やん。おっちゃん、元気になったで!」と▼同志に囲まれ、Vサインするわが子を見て、夫妻は確信した。"この子は、守られ、支えられるだけの存在なんかじゃない。笑顔一つで人を勇気づける、励ましのヒーローなんだ"▼福祉の世界で、「ホモ・クーランス(ケアするヒト)」という言葉が注目されている。"人間は一人では生きていけない""他者からケアされ、他者をケアしながら生きていく"という概念。万人に通じる真理だろう▼病気やハンディを負うなど、苦難のただ中にある人も、生き抜く姿そのもので人を励ましていける。皆、"使命の人""宝の人"——それを心の底から実感させてくれる創価家族の絆の尊さを、改めて思う。(誠)

寸鉄 2020年11月23日
法華経を「口に唱ふれば其の口即仏」御書。妙法を持ち行じゆく功徳は絶対
東京・品川の日。創価源流の誉れ高き人材城!次の10年へ広宣拡大の先陣を
江戸川の日。希望と勝利の民衆の大行進を!信心の横綱は常に強く無敵だ
音読は脳機能を活性化。新聞や学会指導の朗読も有効。継続が大きな力に
社会貢献の意欲がある人は幸福度が高いと。利他の精神こそ人生充実の鍵

〈社説〉 2020・11・23 きょう「いいふみ(文)の日」
◇手紙に友への思いを込めて
毎月23日は「ふみ(文)の日」。1979年、郵政省(当時)が、「2=ふ」「3=み」との語呂に合わせて定めた。なかでも、きょう11月23日は、「いいふみ(文)の日」ともいわれている。
私たちは今、新型コロナウイルス感染症の拡大という未曽有の事態の中にいる。これまで、当たり前のように友と会い、励まし合ってきたことが、どれほど、互いの支えになっていたことか——実感している人も多いだろう。
緊急事態宣言下にあった5月3日、本紙で「笑い文字」を紹介した。丸みを帯びた文字に、満面の笑みがあふれる筆文字には、多くの反響が寄せられた。笑い文字を書いて購読者に届けてくれた配達員の方や、「"笑顔の花咲く笑い文字"のはがきは、励ましのツール(手段)」との声も。たとえ人と会うことができなくても、SNSやメール、電話などで、友とつながり、励ましを送り合ってきた人も多いのではないか。中には、手紙やはがきで久しぶりに筆を執ったという人もいることだろう。
手紙文化振興協会代表理事のむらかみかずこ氏は、手紙は手書きすることで、相手の記憶に残り、"自分のために手間をかけて"との「喜びが、好意や信頼に変わる」と指摘。そして、SNSやメールのコミュニケーションが盛んになったことで、手紙は「連絡を取り合う手段」から「気持ちを伝える手段」へと役割が変わったと語っている。
根治的治療法のない病を患う東京のある男子部員は、いつ悪化するか分からない不安と恐怖を、いつも心の隅に抱えていた。
彼には、気持ちが弱った時に見返す手紙がある。それは、結婚前にもらった妻からの手紙。そこには「一生懸命に支えるから」と。何度、読み返しても変わらない一文だが、読むたびに、強く励まされるという。
御書に「文字は是一切衆生の色心不二の質なり」(380ページ)と。池田大作先生は「文字があってこそ色心ともに宝の価値を見いだしていける。民衆を救う文字には『仏の命』そのものが込められている」と指導されている。友を思う心を文字に託す——そうした手紙やはがき、メールは、それだけで、友を笑顔にすることができよう。
「新しい生活様式」「巣ごもり生活」といった言葉が使われ、社会にさまざまな変化が起こる中、創価学会が励ましの団体であることに変わりはない。
漠然とした不安に包まれた「ウィズコロナ」の時代だが、そうした時だからこそ、友に思いをはせ、手紙や年賀状等に気持ちを込めてみてはどうだろうか。

☆心に御書を 第89回 蘇生と勇気の座談会
〈御文〉
『法華経を持つ者は必ず皆仏なり仏を毀りては罪を得るなり。加様に心得て唱うる題目の功徳は釈尊の御功徳と等しかるべし』(松野殿御返事、1382ページ)

〈通解〉
(法華経を持つ者は、互いに尊敬すべきである。その理由は)法華経を持つ者は必ず皆、仏であり、仏をそしれば罪を得るのは当然だからである。このように心得て唱える題目の功徳は、釈尊の唱える題目の功徳と等しいのである。

〈池田先生が贈る指針〉
妙法の平等大慧の世界が我らの座談会だ。仏と仏の会座である。互いに敬い、励まし合う対話から蘇生と勇気が広がる。
牧口先生は、変毒為薬の尊き体験談をダイヤモンドに譬えられた。語らうほどに功徳は輝きを増す。ここに、人類が希求する生命尊厳と人間尊敬の連帯がある。
この希望と歓喜の光を一段と内外の友に!

2020年11月22日日曜日

2020.11.22 わが友に贈る

体験を語り合えば
歓喜の波動が広がる。
日々の地道な実践や
桜梅桃李の挑戦に
皆で温かな拍手を!

主師親御書 P386
『我等衆生無始曠劫より已来妙法蓮華経の如意宝珠を片時も相離れざれども無明の酒にたぼらかされて衣の裏にかけたりとしらずして少きを得て足りぬと思ひぬ』

【通解】
我ら衆生は、かぎりない昔から妙法蓮華経の如意宝珠を片時も離れなかったが、無明の酒にたぼらかされて、衣の裏に繋けてあったのを知らずに、少しばかりの利益を得て、十分であると思っていた。

名字の言 看護師メアリー・シーコールの生き方 2020年11月22日
クリミア戦争の折、ナイチンゲールが不眠不休で傷病兵を看護したことは、よく知られている。この時、戦地で看護に尽くした黒人の女性がいる。メアリー・シーコールである▼負傷や感染症に苦しむ兵士を支えようと、戦地行きを志願。だが彼女は、肌の色で拒絶された。それでも自費で戦地へ赴き、敵味方関係なく、多くの傷病兵の看護に当たった。1881年の逝去時は「タイムズ」紙などに追悼記事が掲載された▼彼女は、自らを戦地に駆り立てたのは「無私の精神によるもの」と述べている。没後100年を経て、その功績に、イギリスで再評価の機運が高まっていく。2016年には、記念像が建立された(『メアリー・シーコール自伝』飯田武郎訳、彩流社)▼現在のコロナ禍でも、患者に懸命に尽くす看護師の方々がいる。感染の危険と背中合わせの中、不安を抱え、苦しんでいる人に手を差し伸べる。その献身と使命感に、心からの感謝と敬意をささげたい▼仏法では、仏の慈悲の行為を「抜苦与楽(苦を抜き楽を与える)」と説く。仏道修行とは、苦悩する目の前の一人に寄り添い、心の絆を結ぶことに尽きる。「励ましの輪」を広げることが、今の危機を乗り越える力になると信じ、価値創造の挑戦を重ねたい。(将)

寸鉄 2020年11月22日
問題をはね返して伸びていくのが青年—戸田先生広布の新しき歴史を開け
山形支部の結成60周年。今こそ幸の理想郷構築へ—励ましの対話を今日も
「善を成す為には渾身の力を傾倒せねば」英雄。出会い一つも真剣勝負で
がんの10年生存率が改善—調査。早期発見・治療へ検診が大切。過信は禁物
いい夫婦の日。配偶者に言われたい言葉、1位はありがとうと。自分から

☆創価学園「英知の日」への池田先生のメッセージ
◇学びの大海原を進め! 希望の未来を発明せよ
「創価教育」90周年を勝ち飾る11・18「学園創立記念日」、そして伝統光る「英知の日」、誠におめでとう!
偉大な教育者であられた牧口先生と戸田先生は、創価の学びやから「平和」と「人道」の地球を創る正義の世界市民が陸続と躍り出ることを夢見ておられました。今、わが学園生が、コロナ禍の猛威に直面しながらも、互いに励まし、支え合って、勉学や読書の高き「英知の峰」に挑む奮闘を、両先生もどれほど喜ばれていることでしょうか。みんな、よく頑張ってくれている。本当にありがとう!
今日は、愛する皆さんに一点、「学びの大海原をたくましく進め! 大いなる希望の未来を発明せよ!」と申し上げたい。
私が忘れ得ぬ語らいをした、世界的な医学・細菌学者のルネ・デュボス博士は、感染症をはじめ人類を苦しめる病を克服するために、不滅の探究と行動を貫いた知性の闘士です。創価教育にも深い信頼を寄せてくださった一人であります。
博士は、「未来を発明する力は人類の特権である」(長野敬・中村美子訳『人間への選択』紀伊國屋書店)と語られました。いうなれば、世界にどのような変化や逆境があろうとも、人間はその試練に立ち向かうことによって、それまで眠っていた可能性を発揮して、新たな未来を発明することができるという希望の宣言です。
博士は、その原動力は「学習」、つまり学ぶことであると強調されていました。それも受け身の学習ではなく、積極果敢に、創造的に学び続ける努力であります。まさしく、学園生の皆さんが思うにまかせぬ日々にあって創意工夫して学び、忍耐強く積み重ねていく努力からこそ、無限の価値創造の知恵と力が生まれるのです。
牧口先生は、長い間、人々が往来できなかった大海原を、互いに往来できる道に変えたのは、「羅針盤の発見」「冒険家の胆力(恐れない勇気)」「蒸気船の発明」などの力であると洞察されていました。
学園生には「何のため」という羅針盤と「負けじ魂」という勇気がある。さらに「深き友情」という前進のエンジンがあります。
どうか、不安の霧も、苦難の波浪も突き抜けて、たくましく朗らかに学び進んでください。そして、何ものにも負けない地球民族の「平和と希望の新航路」を切り開いていただきたいのであります。
不二の命である一人一人の健康と成長を、毎日毎日、真剣に祈っています(大拍手)。

2020年11月21日土曜日

2020.11.21 わが友に贈る

価値創造の一日も
人間革命の一歩も
全ては深き祈りから!
信心の基本である
勤行・唱題を真剣に!

佐渡御書 P960
『日蓮を信ずるやうなりし者どもが日蓮がかくなれば疑ををこして法華経をすつるのみならずかへりて日蓮を教訓して我賢しと思はん僻人等が念仏者よりも久く阿鼻地獄にあらん事不便とも申す計りなし』

【通解】
日蓮を信ずるようであった者どもが、日蓮がこのような大難(佐渡流罪)にあうと、疑いを起こして法華経を捨てるだけでなく、かえって日蓮を教訓して、自分のほうが賢いと思っている。このような歪んだ心の者たちが、念仏者よりも長く阿鼻地獄に堕ちたままになることは、不憫としか言いようがない

名字の言 「居場所」を求めて——作家・柳美里さんの経験から考える 2020年11月21日
アメリカで最も権威のある文学賞「全米図書賞」の翻訳文学部門に、柳美里さんの小説『JR上野駅公園口』が選ばれた。「南相馬(福島県)の人たちと、この喜びを分かち合いたい」と語った▼両親の離婚やいじめを経験してきた柳さんは、ずっと「居場所」を求めてきた。小説を書く理由も、「居場所のない人のため」だ。東日本大震災後、それまで住んでいた場所を離れなくてはならない方々の苦しみに寄り添いたいと、東北で活動を続けてきた▼山本伸一の福島訪問の模様が描かれる、小説『新・人間革命』第25巻「福光」の章は、東日本大震災の半年後から連載が始まった。柳さんは同章の一つの感想として、冷害や干ばつなど東北を襲った苦難に思いを巡らせ、東北の人々に同苦しようとする伸一の心が印象に残った、と語る▼他者の痛みの全てを理解することはできないかもしれない。だが、相手の"心の声"に耳を澄ませ、悩みを共有することはできる。共に悩み、共に祈り、共に立ち上がる——「同苦の人」の存在こそ、苦悩の人に「居場所」を届けることになる▼柳さんは「コロナ禍で、本の持つ力が増している」と強調した。社会が揺れ動く今こそ、私たちは『新・人間革命』の心を学び、励ましの言葉の力に学びたい。(嶺)

寸鉄 2020年11月21日
創価学会は希望を伝える団体—博士。勇んで自他共の幸福へ対話の渦を!
各地で「創立90周年」飾る座談会。皆が100周年の主役!触発と歓喜の会座に
御書「結縁強盛なる故に現在に此の経を受持す」。共戦の日々は最高の財宝
わが同志の幸福こそ私のい—戸田先生。三代の師の心を胸に励まし拡大
湿度が低いと飛沫は飛び易く—計算。感染防止へマスク着用。加湿・換気も

☆随筆「人間革命」光あれ 創立の魂を永遠に 2020年11月16日
◇不退の「誓」を立てよ!
今、夜明け前、東天に鮮烈に輝く星がある。「明けの明星」たる金星だ。時に月と仲良く並んで、日の出を待ち受けることもある。
法華経の会座に、「普香天子(明星天子)」として、「宝光天子(太陽)」と「名月天子(月)」と共に眷属を率いて連なる諸天善神である。
この「三光天子」たちも、人知れず寒風を突いて、聖教新聞を配達してくださる気高き"無冠の友"の方々へ、福徳の慈光を注いでいるであろう。
どうか、風邪などひかれませんように! 
心からの感謝を込め、健康長寿と絶対無事故、そして、ご一家の安穏と栄光を、皆で祈りたい。

◇逆境に光を増す
希望は人生の宝なり。
勇気は勝利の力なり。
この「希望」と「勇気」を、逆境であればあるほど、いよいよ強く明るく賢く発揮していく方途を教えてくださったのが、日蓮大聖人である。
御書には仰せである。
「月はよい(宵)よりも暁は光まさり・春夏よりも秋冬は光あり、法華経は正像二千年よりも末法には殊に利生有る可きなり」(一五〇一ページ)
月は、闇が最も深い暁ほど、また寒さが厳しく、空気が澄んでいる秋や冬ほど、光が冴える。同じく、人びとが苦悩の闇に覆われる末法ほど、妙法の功徳はいやまして輝くと示されている。
日本も世界もコロナ禍が打ち続き、先行きの見えない不安に襲われる中にあって、わが創価家族は祈りを絶やさず、励ましの声を惜しまず、一人また一人と、友の心に、同志の胸に、希望と勇気の光を届けてきた。
まさに「時」を逃さず、「信心即生活」「仏法即社会」の大使命を果たし抜いているといってよい。
創立九十周年を飾る今、誉れの同志は、地域と社会の依怙依託として一段と輝きを増し、友情と信頼を勝ち結んでいる。
その福運も、どれほどの豊かさと広がりをもって顕れることだろうか。
創立の師・牧口常三郎先生も、戸田城聖先生も、さぞ、お褒めであろう。
「君も勇敢であった」「あなたも忍耐強かった」「私も負けなかった」「私たちは断固と勝った!」
全世界の宝友と互いの奮闘を労い讃え合いながら、我らの「創立の日」を祝賀しようではないか!

◇大難に頭を上げ
「11・18」は、牧口先生が、日本の軍国主義の横暴に屈せず、不惜身命、死身弘法の殉教を遂げられた日でもある。
先生の信念は、不当に逮捕され、牢につながれても、微動だにしなかった。一年四カ月に及ぶ過酷な獄中闘争の間、家族に宛てられた手紙には、「災難と云ふても、大聖人様の九牛の一毛(=ほんのわずか)です」等と綴られている。
先生ご所持の御書には、「開目抄」の一節「大願を立てん」の箇所に二重線が引かれ、欄外に大きく赤い文字で「大願」と記されていた。
「創立」の魂とは、「誓」を「立」てることだ。
牧口先生は、いかなる状況にあっても、人類の幸福と平和を実現するという創立の誓願を絶対に手放されなかった。
どんな大難の嵐が吹き荒れようとも「風の前の塵なるべし」(御書二三二ページ)との大確信で、勇猛精進され続けたのである。
インド独立の父マハトマ・ガンジーも、植民地支配からの解放を求めて非暴力・不服従の運動を起こし、何度も投獄された。中でも、有名な「塩の行進」を敢行したために牢獄に入ったのは、学会創立の年と同じ、一九三〇年であった。
ガンジーは、獄中から弟子に「誓願の重要性」について書き送っている。
「誓いをたてるというのは、不退転の決意を表明すること」「なすべきことを、なにがなんでも遂行する——これが誓願です。それは不抜の力の城壁になります」
過日の「世界青年部総会」で、五大州の創価の青年たちは、三代を貫く誉れの「誓」を胸に刻み、創立百周年へ出発してくれた。これほど嬉しく、頼もしいことはない。
必ずや世界広宣流布を成し遂げてみせる!——この誓願に地涌の青年が一人立つところ、いずこであれ、「人間革命」と「宿命転換」の新たな劇が幕を開けるからだ。
試練の時代に敢然と躍り出る、わが後継の愛弟子たちへ、私は若き日に書き留めた戸田先生の指導を贈りたい。
「苦しみが大きければ、大きいほど、その後にくる楽しみも大きい。苦しさと、真正面からぶつかって、南無妙法蓮華経と唱え切りなさい。苦しいときも、楽しいときも、御本尊を忘れるな」と。

◇未来を見つめて
学会創立の原点の書『創価教育学体系』は、世界大恐慌の苦難の時代に、牧口・戸田両先生も自ら人生の辛苦を耐え抜き、発刊された。
牧口先生は、価値創造の教育によって、若き命が一人ももれなく幸福を勝ち開き、やがて「人類の永遠の勝利」をもたらしゆくことを願われた。
戸田先生も、教育の英知を光源として宗教の独善を退け、普遍的な平和の光で「地球民族」を結ぶことを展望された。
今、コロナ禍で、教育の場が、かつてない制約を受ける中、創価大学、東西の創価学園、アメリカ創価大学、ブラジル創価学園、また札幌、香港、シンガポール、マレーシア、韓国の創価の幼稚園では、皆が負けじ魂を燃え上がらせ、学び、鍛え、凜々しく、たくましく成長してくれている。
かのトインビー博士も創価教育に大きな期待を寄せてくださっていた。
博士が絶賛し、「イスラム世界の英知」とも評される大歴史家にイブン・ハルドゥーンがいる。十四世紀に大流行した疫病(黒死病)の脅威と向き合った学者でもあった。
十六歳の時に両親を黒死病で失うなどの悲嘆を乗り越え、あらゆる経験を後世のために書き残すという"終生の使命"を自覚したのだ。主著『歴史序説』で、その労作業の意義を誇り高く語った。「かならずや後世の歴史家が見倣うべき手本となるであろう」と。
自身の悲哀や艱難を越え、「未来のために」との誓いを貫く時、青年は限りなく強くなる。偉大な智慧、偉大な創造、偉大な連帯を築けるのだ。
今、創価の若人たちが世界の諸課題に挑み、人びとの心を、分断から協調へ、不安から安心へ、不信から信頼へと転じゆく知性と誠実の対話を、一人また一人と拡大する——この粘り強い開拓こそ、後世の人類の希望となり、鑑となると、私は確信してやまない。

◇創価の正道に生き抜き 師弟の共戦譜を
◇一人ひとりが仏の「慈悲曠大」を体現
明二〇二一年、我らは、御本仏・日蓮大聖人の「御聖誕八百年」の大佳節を迎える。
大聖人は「報恩抄」で、「源遠ければ流ながし」との譬喩に続けて仰せだ。
「日蓮が慈悲曠大ならば南無妙法蓮華経は万年の外・未来までもながる(流布)べし」(御書三二九ページ)と。
この御本仏の無量無辺の「慈悲曠大」を、健気な母たちをはじめ、無名の民衆が真っすぐに受け継ぎ、百九十二カ国・地域へ、妙法を弘め抜いてきたのが、創価学会である。
あの地も、この国も、まさに尊き"一粒種"の一人、ごく小さな集いから全てが始まった。"ガンジスの大河も一滴から"という言葉の通りだ。
しかし、それは、微弱な"一滴"では断じてない。「大海の始の一露」(同一二四一ページ)である。「大海の水は一滴なれども無量の江河の水を納めたり」(同一二〇〇ページ)と仰せの如く、無限にして尊極の可能性を具えた一人ひとりの生命なのだ。
誰もが、経済苦、失業、病気、家庭不和等々、あらゆる苦悩を抱えながら、宿命の嵐と戦っている。社会全体が戦乱や災害、疫病等に脅かされる場合もある。苦難の中で生きねばならないのが、人間の厳しき現実だ。
戦後、学会が再建の歩みを開始した当時、「幸福」という言葉など自分には無縁だ、と人生を絶望していた庶民は少なくなかった。その凍え切った心の中に、人間の尊厳の熱と輝きを蘇らせ、胸を張って立ち上がる勇気を鼓舞してきたのが、学会の父母たちである。
今この瞬間にも、「何としても、この人を励ましたい」「苦しむあの人を助けたい」と自行化他の題目を唱え、行動する同志がいるではないか。
自らも苦悩の中でもがき戦いながら、縁を結んだいかなる友も放っておけない、一緒に勝利しようと懸命に励ます心は、すでに仏の「慈悲曠大」と一体であり、その振る舞いは「人を敬う」不軽菩薩そのものである。
末法の一切衆生を救わんとの大聖人の大慈大悲を源として、「不軽」そして「地涌」の振る舞いを地域に社会に広げ、永遠なる人類の幸福と平和の大潮流を起こしていく。ここに、広宣流布の大いなる意義があるのだ。

◇師子王の心で!
牧口先生が殉教されたのは、一九四四年十一月十八日の朝六時過ぎであった。しかし、その死は、奇しくも同じ獄中で地涌の使命を覚知された戸田先生の新たな生の出発と結びついている。広布に一人立つ闘魂が、妙法の誓火をつなぐのだ。
「妙とは蘇生の義」(御書九四七ページ)である。
師弟は不二であるゆえに、後継の弟子は、創立の師の「師子王の心」を、わが命に、毎日毎朝、蘇らせて立つのである。
牧口先生の如く、戸田先生の如く、我らは「広宣流布の闘士」として、すなわち「正義と人道と平和の価値創造者」として、日に日に新たに、師弟の共戦譜を勝ち光らせていこうではないか!

2020年11月20日金曜日

2020.11.20 わが友に贈る

マスクの着用や手洗い
小まめな換気と加湿など
感染予防を徹底しよう!
健全な生活リズムで
聡明に 快活に進もう!

聖愚問答抄上 P498
『一遍此の首題を唱へ奉れば一切衆生の仏性が皆よばれて爰に集まる』

【通解】
題目を一遍唱えたならば、一切衆生の仏の生命が皆呼ばれて、ここに集まる。

名字の言 人生の糧となる"忘れがたい思い出" 2020年11月20日
味のある演技に定評のあった俳優・藤岡琢也さんは、無名の頃、知人を介して森繁久弥さんに会ったことがある。「記念写真を」と知人に促された藤岡さんは、尊敬する大先輩を前にひどく緊張していた▼そこに同席していた作家の向田邦子さんが後年、藤岡さんにその時の記憶を確かめた。すると「覚えていますとも」と2度答えた。最初は大きくうなずいて。少し間があいて、2度目は感慨無量といった感じだったという(『男どき女どき』)▼人には、その後の人生の糧となる"忘れがたい思い出"があるものだ。今月、ある地域で行われた「広宣貢献賞」の授賞式でのこと。受賞した婦人の信仰歴65年の軌跡が紹介された。入会する際、婦人部の先輩から勤行のやり方、師弟の人生の崇高さなど、信心の根幹を教わった思い出が披露された▼婦人は当時の感動と決意のまま、広布一筋に生きた。現在、婦人は93歳。先輩は98歳。声に張りのある2人は、励まし合いながら意気軒高に学会創立100周年を目指す▼御書に「さいわいは心よりいでて我をかざる」(1492ページ)と。初心のままに信心を貫き、歓喜と幸福の境涯を築き上げていく——有名であれ無名であれ、"本物の人間"に備わる気高さを、2人の婦人に教わった。(白)

寸鉄 2020年11月20日
「身の財より心の財第一」御書。人格の光で周囲を照らしゆく無上の人生道
宮城「県の日」。みちのくに不屈の創価城は厳然!さあ幸薫る希望の前進を
会員から信頼されなければ真の指導はできない—恩師。幹部率先で範示せ
国連「世界子どもの日」。すべての子が夢を抱ける社会の創出は大人の責務
冬場は入浴時等の温度差による血圧変動に注意。暖房利用や防寒など賢く

〈社説〉 2020・11・20 きょう「世界子どもの日」
◇誰も置き去りにしない社会へ
社会的自立を目指し、一人で電車に乗った自閉症の少年が、問題行動を起こして、目的地の前で降ろされてしまう。それでも、スタッフに背中を押され「今度は次の駅まで」「あの橋を越えるまで」と何度も挑み続け、やがてゴールの駅にたどり着く——。実話を基にしたフランス映画「スペシャルズ!」の一場面だ。
自閉症など発達障害は"目に見えない障害"といわれ、周囲の誤解を招きやすい。批判を浴びながらケア施設を運営する主人公は「誰がこの子たちを守るのか」と叫ぶ。目の前で悩む子どもたちを「見えない」「見たくない」と遠ざけていては、社会は変えられないことを痛感する。
きょう20日は「世界子どもの日」。31年前のこの日、「子どもの権利条約」が国連総会で採択された。新型コロナウイルスが世界中で猛威を振るう危機の時代だからこそ、生きづらさを抱える子どもたちが身近に存在していることに目を開き、心を向けたい。
日本社会でも、児童虐待、子どもの貧困といった問題は、依然として深刻な状況が続いている。厚生労働省によると、全国で約4万5千人の子どもが親と一緒に生活することができず、7人に1人は貧困の中で暮らしている。近年ではSNSを使った犯罪が急増。コロナ禍の外出制限で子どもたちの居場所が変化し、問題が発見されにくくなっていると、専門家は警鐘を鳴らす。
最近は、誤解や偏見による"コロナ差別"が増加。感染と背中合わせの環境で働く医療・介護従事者と、その子どもに対するいじめや差別的扱いは、決して許されることではない。
感染症指定医療機関周辺の小学校で教える教育部員は、いわれなき差別から教え子を守るため、独自の教材作りに挑戦した。小学生の女の子と、看護師である母親の姿から「感謝の心」を育む物語を作成。時にかなった取り組みとして地域メディアで取り上げられ、大きな反響を呼んだ。
また、ある未来部担当者が「子どもたちに寂しい思いをさせたくない」と、オンラインの集いを開催。少年少女部員に将来の夢を聞くと、「学校の先生!」「看護師さん!」「ユーチューバー!」……。その変わらぬ目の輝きに、担当者は相好を崩し「こちらが励まされている気がした」と語る。
池田先生は「未来を見つめれば、視界が広がる。希望の未来を見つめれば、今やるべきことも見えてくるのです」と。誰も置き去りにしない社会という希望の未来へ、身近な所から新たな行動を始めよう。今日もまた、世界中の子どもたちの幸せを願いつつ。

☆世界広布のわが舞台 第3回 機関紙が私たちの活力の源泉——台湾・台北 科技支部
今回、紹介するのは、台湾北部の都市・台北にある科技支部です。徹底した水際対策と厳格な隔離措置により、新型コロナウイルスの市中感染者が200日以上にわたって発生していない台湾。7月中旬から対面での活動を再開し、弘教のうねりを巻き起こしている同支部の取り組みを取材しました。(記事=木村輝明)

◇若者の息吹あふれる地で
台湾のシンボルタワー「台北101」などの高層建築と歴史ある街並み、にぎやかな商業エリアが融合し、活気あふれる国際都市・台北。その中心部から南西に広がる同市大安区が、科技支部の友の広布の舞台だ。
同区は台湾大学、台湾師範大学などの名門学府をはじめ、数々の学術機関が立つ文京地区として名高い。
「科技支部は大学が集まっている土地柄、青年部員がとても多い地域なんですよ」。こう胸を張るのは、弁護士として活躍する支部長の林慶苗さん。その言葉通り、所属する男子部、女子部、学生部員は200人を超えるという"若き力"がみなぎる支部だ。
また、昨年の地区総会には、支部を構成する3地区で、計163人もの友人が参加。各部一体の活動で台北の広布拡大をけん引している。
普段は若者の息吹にあふれ、多くの観光客らでにぎわう台北市内だが、1月下旬に最初の新型コロナ感染者が確認されると、状況が一変した。
夫と共に市内で老人ホームを経営する支部婦人部長の趙芬蘭さんが、コロナ後の街の様子を語ってくれた。
「私の職場は、台北でも非常ににぎやかな西門町にあります。かつては観光客が最も多い商業エリアだったのですが、コロナの影響を受けて閑散とするようになり、多くの店舗が次々と店を畳みました」
感染の確認以降、台湾政府は入境制限や検疫の強化などの措置をいち早く実施。マスク販売の一元化や詳細な情報開示などの対策を次々に講じた。
市民全体の高い危機意識や感染防止への協力も相まって、4月13日を最後に、新型コロナの市中感染は確認されていない。世界でも、コロナの封じ込めが最もうまくいっている地域の一つである。
6月にはイベントなどの入場制限が解除され、コンサートや演劇、野球場や映画館にも人が戻ってきた。現在、屋外ではマスクなしで町を歩く人も徐々に増えているという。

◇充実の「創価新聞」
台湾SGIでは7月中旬から、感染拡大防止対策を十分に行った上で、対面での活動を再開した。
「久しぶりに同志と会えた時は、本当にうれしく、温かな気持ちになりました。コロナによる自粛を経験したからこそ、より一層、毎回の活動を大切にし、皆と共戦できる時間を有意義に使おうと決意しました」(女子部部長の温家瑜さん)
コロナ危機の発生以来、友の心を支え続けているのが、台湾SGIの機関紙「創価新聞」だ。週2回、オールカラー12ページで、電子版も発行されている。
同紙では、池田先生の小説『新・人間革命』(中国語訳)や信仰体験だけでなく、コロナの効果的な予防法や生活に役立つ知識を紹介。また"閉塞感が広がる時だからこそ、芸術で心に潤いを"と、一流の美術品を紹介する"紙上美術展"なども掲載してきた。
「活動が思うようにできない中で、創価新聞は、私たちの信心を育む"栄養"の役割を果たしてくれました」と男子部の陳柏霖部長は言う。
女子部でも、オンラインの集いで同紙を読み、華陽姉妹とエールを送り合う。創価新聞は苦難を乗り越える励ましの源泉となり、池田先生と同志を結ぶ精神的な支柱となっているのだ。

◇コロナ禍の中で13人が入会
創価新聞への反響は会員以外の読者からも寄せられていると、趙支部婦人部長は声を弾ませる。
「友人は『池田先生の指針からポジティブな力をもらえる』『信仰体験に感動した』『仏法のことだけでなく、生活のこまやかな事柄や、芸術・文化についての彩りある記事まで、たくさんの情報を提供してくれている』と、とても喜んでくれています」
この下半期、台湾SGIでは少人数で友を訪問激励する"励まし運動"と、機関紙の購読推進に注力しており、科技支部はこれらの取り組みで台北をけん引する。壮年部は9月時点で、昨年の4倍の購読推進を達成。さらに各部一体で奮闘した結果、支部としての本年の目標も、10月までに達成した。
また、コロナ禍の中にもかかわらず、本年、13人もの新入会者が誕生した。その多くが、創価新聞を読んでいる友人だったという。
機関紙を購読してもらうことの意義は何か。趙婦人部長に聞くと、次のような答えが返ってきた。
「仏法対話をしても、すぐには学会の素晴らしさを理解してもらえないことがあります。でも、新聞を継続して購読してもらい、信心のことを伝え続けていけば、その人の心に絶えず『下種』(=成仏への種を下ろす)をしているのと同じです。そして、悩みにぶつかった時、友人は仏法の哲理を思い出して、自ら信心を求めるようになるのだと思います」

◇変毒為薬の信心
感染の抑え込みに成功している台湾でも、コロナによる経済への影響は深刻だ。本年初頭、大学院生として就職活動を開始した男子部の陳部長も、焦りを感じていた。
「コロナの感染拡大が始まると、多くの企業が社員の募集を縮小しました。就活は、全くうまくいかなかったんです……」
状況の厳しさを身に染みて感じた。しかし、毎日真剣に祈り、学会活動にも一歩も引かずに挑戦。また、面接などの準備も入念に取り組んだ。そうした中、ついに台湾屈指の商業銀行から採用を勝ち取ることができた。
「御書や師匠の指導を羅針盤として困難に立ち向かい、それを乗り越えていく中に、真の幸福と勝利があるのだと実感しました」
陳部長は今、コロナ禍で深めた確信を胸に、悩める友の元へと足を運び、自身の体験を語っている。
新たな生活様式の中で、さまざまな工夫を凝らしながら、創価の励ましと学会理解の輪を広げる科技支部の友。林支部長は力を込める。
「御書に『大悪をこれば大善きたる』(1300ページ)とありますが、大事なことは、私たちがどこまでも強盛な信心に立つことだと思います。苦難に立ち向かうための信心ですし、全てを変毒為薬していける信心です。大変な時だからこそ、題目をあげ抜き、異体同心の団結で前進していきたい」

2020年11月19日木曜日

2020.11.19 わが友に贈る

広布功労の多宝の同志を
皆で心から称えよう!
"幸福の達人"と共に
いよいよの心意気で
希望の歴史を朗らかに!

千日尼御前御返事 P1316
『譬えば一の師子に百子あり彼の百子諸の禽獣に犯さるるに一の師子王吼れば百子力を得て諸の禽獣皆頭七分にわる、法華経は師子王の如し一切の獣の頂きとす』

【通解】
譬えば、一匹の師子に百匹の子がいる。その百匹の子が諸の禽獣に犯されようとするとき、一匹の師子王が吼えれば百匹の子は力を得て、諸の禽獣は皆頭が七分にわれるのである。法華経は師子王のようなものであり、一切の獣の頂なのである。

名字の言 漫画家さいとう・たかを氏が語る「分業制」の強み 2020年11月19日
さいとう・たかを氏といえば、日本を代表する漫画家。50年以上、連載が続く『ゴルゴ13』をはじめ、作品を「分業制」で生み出していることでも知られている▼脚本は専門家に依頼。さいとう氏自身は構成と主人公の作画を手掛け、他の登場人物や背景の作画などは全て、プロダクションのスタッフが責任をもって行う。氏は「それぞれの才能を持ち寄ったほうがより完成度の高いものができる」と、分業の強みを語る▼だからこそ、氏は共に仕事をするスタッフのことをアシスタント(補佐、助手)とは呼ばない。「さいとうプロで働く人たちは共同制作者」「いわばプロとプロの関係」と、大きな信頼を寄せる(『鬼平流』宝島社)▼広布の前進もまた、それぞれが持ち味を発揮しながら進む共戦の歩み。正役職者と共に、副役職の友が力を発揮することが不可欠だ。副役職者は、活動の"補助"や"手伝い"をするのではない。一人一人が尊い使命を担い立つ地域広布の責任者である▼池田先生は「正役職と副役職とは不二の関係にある。心を合わせ、尊敬し合い、協力し合ってこそ、勝利の歯車の回転が生まれる」と述べている。創価の運動に、脇役はいない。皆が主役だ。一人一人の力が結集すれば、その勢いは倍加する。(値)

寸鉄 2020年11月19日
苦難の中でこそ真価発揮するのが学会の座談会—作家。生命潤すオアシス
山梨青年部の日。正義の対話広げる若き力。富士の如き堂々たる人材城を
行き詰まりには大信力を奮い起こせ—戸田先生。不屈の祈りで苦境を打開
コロナ禍で夫婦仲良くなったは悪化の3倍。会話の増加等で。感謝を声に
冬場の感染対策、要点は�寒くても換気�適度な湿度。3密避け油断なく

☆学ぼう「黄金柱の誉れ」Q&A 第11回 訪問激励の大切さについて
広宣流布のために、一軒一軒、足を運び、誠実の対話を広げていく。その行動の中に、私たち自身の成長もあります。「一人」への励ましの大切さについて、壮年部指導集『黄金柱の誉れ』から池田先生の指導を紹介します(指導集187ページ、192ページから194ページまでを抜粋)。

●訪問激励の大切さについて
〈「一人」の幸せのために〉
一人を大切にするとは、その人のために、勇んで行動することだ。まず、直接会うことである。会う人が一人残らず幸福になるように、また、広宣流布の人材に育つように祈ることである。
(『池田大作全集』第133巻、「随筆 新・人間革命」)

〈人に尽くす行動に自己の向上が〉
時には"どうして、道理、真心が通じないのか"と、投げ出してしまいたい思いをすることもあるでしょう。しかし、大変であるからこそ仏道修行なんです。
人びとの幸せのために尽くす姿は、仏の使い以外の何ものでもありません。地涌の菩薩でなければ、決してできない尊い行動です。
忘れないでいただきたいことは、会員の皆さんがいて、その成長のために心を砕き、献身することによって、自己の向上があるということです。つまり、幹部にとって会員の皆さんは、すべて、人間革命、一生成仏へと導く善知識になると確信していただきたい。
(小説『新・人間革命』第26巻「奮迅」)

〈絶対に無駄はない〉
学会活動は、自分自身の幸福のためである。
動いた人が勝つ。妙法のために動いた分だけ、功徳につながる。その行動が本末究竟して、子孫にも福運を広げていく。これが仏法の因果である。法華経であり、日蓮大聖人の教えである。私も、これを信じてやってきた。(中略)
わが同志が、広宣流布のために、一軒一軒、友のもとへ足を運び、誠意をこめて仏法の正義を語る行動が、どれほど尊い振る舞いであるか。社会への偉大な貢献となるか。
信心に、絶対に無駄はない。広宣流布のための苦労は、自身の生命の大勲章となって輝く。
(本紙2007年8月30日付、北海道・東北・中部・北陸・信越合同研修会でのスピーチ)

〈あきらめずに、何度でも!〉
行動を起こしたら続けることだ。何度でも繰り返し、あきらめず徹して挑み抜いていくことだ。歴史上、この単純にして確固たる信念を持たずに、偉大な事業が成されたことは何一つとしてないだろう。
戸田先生は会長就任式で、「広宣流布」という民衆平和の大事業の遂行を、大空に翻る大旗のように明確に掲げられた。
すなわち、広宣流布は「一対一の膝づめの対話」で成し遂げられると訴えられたのである。どこまでも目の前の一人と向き合い、誠実な、親身な、粘り強い対話を積み重ねていくことだ。
「続ける、繰り返す」——そこに広宣流布の王道もある。
(『随筆 平和への大道』)

2020年11月18日水曜日

2020.11.18 わが友に贈る

さあ 創立100周年へ
"勝負の十年"の開幕だ!
世界の友と心合わせ
「立正安国」の旗高く
人間共和の道を開こう!

法蓮抄 P1051
『悪王あつて法華経を失わば身命をほろぼすとも随うべからず』

【通解】
悪王がいて法華経を滅ぼそうとするときは命を捨てても従ってはならない。

☆きょう栄光の学会創立90周年 池田先生が全同志に和歌
きょう11月18日、創価学会は栄光の創立90周年を迎えた。
池田大作先生は全世界の同志に心から感謝し、記念の和歌を詠み贈った。
初代会長・牧口常三郎先生と第2代会長・戸田城聖先生が、師弟して著した『創価教育学体系』第1巻が発刊されたのは、1930年(昭和5年)11月18日のこと。後に、この日が学会の「創立記念日」となった。
44年(同19年)の同じ11月18日、牧口先生は獄中闘争を貫き殉教。生きて出獄し、広宣流布へ立ち上がった戸田先生の遺志を継いだ第3代会長・池田先生の間断なき平和行動によって、太陽の仏法は今、192カ国・地域へと広がる。

◇人類の宿命転換へ誓願の船出
さあ、創価の師弟に連なる誇りと喜びを胸に、100周年の峰へ! 人類の宿命転換を目指して、新たな誓願の船出を!
アルゼンチンの人権活動家でノーベル平和賞受賞者のアドルフォ・ペレス=エスキベル博士から寄せられた祝福の声(上)((下)は後日掲載)と共に、学会の90年の軌跡を特集する。

<全同志に和歌>
師弟して
 仏勅果たせり
  全世界
 無限の希望は
  創価と共に

太陽の
 励ましの声
  より深く
 蘇生の響きを
  平和の光を

元初より
 地涌の歓喜の
  若師子よ
大悪を大善へと
 勝って舞いゆけ

名字の言 「報恩」の誓い新たに 2020年11月18日
「言語に絶する歓喜を以て殆ど六十年の生活法を一新するに至った」。初代会長・牧口先生の入信は、57歳の時。仏法を語り広げる中で"新しい親友は百名にも上った"と、多くの出会いがあったことを喜んだ▼第2代会長・戸田先生は同じ57歳の時、夕張炭労事件や大阪事件など、学会を襲う障魔の嵐と戦った。その中で世界平和を展望し、「原水爆禁止宣言」を発表。さらに、生涯の願業である75万世帯の弘教を達成した▼今月の本部幹部会で「大心」の書が紹介された。第3代会長・池田先生が殉教の先師を偲び、筆を執ったのも57歳の時だった。この年、先生は恩師の享年が58歳だったことに思いを巡らせた。小説『新・人間革命』第30巻<下>「誓願」の章に、「師の分までも、生きて生きて生き抜いて、世界広宣流布の永遠の基盤をつくらねばならない!」と、その時の真情が記されている▼池田先生の行動を貫くもの——それは、先師・恩師への「報恩」である。恩を知り、恩を報じることに、人間としての最も崇高な生き方がある。「報恩」こそ「大きな心」の表れにほかならない▼三代会長の不惜身命の闘争によって、私たちは信心の偉大さを知ることができた。報恩の誓い新たに、学会創立90周年の「11・18」から出発したい。(芯)

寸鉄 2020年11月18日
師弟の絆で学会は今日の発展遂げた—博士。師と共に!創立の日に心新た
広布には新しい熱と力が必要—恩師。人材は必ずいる!励ましを幾重にも
専門部の日。皆様の前進こそ仏法即社会の模範。一騎当千の志で勝利更に
例年の流感の流行時期。予防の要はマスク着用と手洗い。励行を引き続き
経営者が社員に求む事—1位は周囲との協力と。青年よ学会活動で錬磨を

〈社説〉 2020・11・18 創立100周年への出発
◇人間革命の宗教を時代は待望
創価学会は創立90周年を迎え、創立100周年の2030年へ船出した。池田先生が"人間革命の勝利の実証と、人類の宿命転換を成し遂げていくべき勝負の時"と定義した10年の幕開けである。
2030年には、どんな未来が待ち受けるのか。「これまでの10年」と同様、いやそれ以上に「これからの10年」は、世界も、私たちの日常生活も、変化の連続となる——日々刷新を続ける科学とテクノロジーの視点からは、こう予測される。
とりわけ、その変化が基本的な人生の在り方にまで及ぶというのだ。
世界的な話題作『LIFE SHIFT』(池村千秋訳、東洋経済新報社)は、2007年に生まれた子の半数が、多くの国で100歳以上(日本は107歳)まで生きるとの推計をもとに、「100年時代の人生戦略」を示した。
また先ごろ邦訳が出た『LIFESPAN』(同社)は、こうした推計さえ控えめであると主張。老化は自然の摂理ではなく克服可能な「疾患」であり、誰もが今の50歳並みの活動レベルで100歳を迎えられるようになる、とまで論じた。
戦争や飢餓、疫病など、人間を不条理な死に追いやる問題は依然、深刻だが、社会の急速な変化という挑戦に対し、長い生をいかにより良く生きるかという応戦が不可欠な時代が来ている。
「まわりのみんなと同じ行動を取るだけでうまくいく時代は終わった」(『LIFE SHIFT』)のである。
死が遠のく時代の到来を見て「宗教の危機」と言う論者もいる。
だが、生老病死という本源的苦悩は、科学の進歩だけで解決できるものではない。増大する変化と選択の機会に不安を募らせる個人に対して、絶えざる自己変革を促し、その変革の基軸となる人間理解を指し示す宗教は、むしろ時代の要請であろう。
ここに、世界の識者が創価の運動に注目する理由がある。
日蓮仏法は、万人に等しく「仏」という尊極の生命が具わり、それを開くことで人生も社会も変革できると説く。
そしてその法理を「人間革命の哲学」として現代によみがえらせ、事実の上で、差異を超えた民衆の連帯を世界に築いたのが、創価学会である。
米国・デューイ協会のガリソン元会長は語る。「相手の生命の可能性を信じて関わり続ける——この希望のヒューマニズムを、世界の隅々に広げ、苦しむ人々の人生にもたらしたのが、創価学会の90年の歴史であった」(本紙11月14日付)
池田先生は展望した。
「仏法を根幹とした『人間革命』の哲学は、『第三の千年』のスタートを切った人類の新しき道標となろう」と。
希望の未来へ、「永遠の師弟旅」を決意も新たに始めよう。

☆池田華陽会御書30編に学ぶ 諸法実相抄(上) 2020年11月14日
◇"今いる場所"で幸福開く
今月から2回にわたり、「諸法実相抄」を学びます。
池田先生はつづられました。
「私たちは、地涌の自覚によって、師匠と不二の誓願に立つことができます。同志とも異体同心の連帯を築いていくことができます。自身の境涯を開く人間革命の真髄は、『我、地涌の菩薩なり』との深き使命の決意、そして地涌共戦の行動から始まるのです」
広宣流布を誓願し、躍り出る「地涌の菩薩」の誉れの使命を学び、学会創立100周年の2030年へ出発していきましょう。(拝読範囲は御書1358ページ冒頭〜1360ページ8行目「是なり」です)

◇本抄について
本抄は、文永10年(1273年)5月、日蓮大聖人が流罪地の佐渡で認められ、最蓮房に与えられたとされるお手紙です。
最蓮房は、大聖人と同時期に佐渡に流罪されていた人物で、もとは天台宗の学僧でしたが、大聖人と出会って弟子になりました。
本抄は、最蓮房が大聖人に、法華経方便品第2に説かれる「諸法実相」についてお尋ねしたことに対する御返事とされています。
大聖人は、本抄で「諸法実相」の意義を述べられ、この法理に照らし、一切衆生の生命が本来、妙法蓮華経の当体であることを明かされます。
また、大聖人と同じ心で広布に進む人は「地涌の菩薩」であり、滅後弘通の使命を果たす"地涌の実践"によって末法の広宣流布は疑いないとの大確信を示されます。

◇御文
『いかにも今度・信心をいたして法華経の行者にてとをり、日蓮が一門となりとをし給うべし、日蓮と同意ならば地涌の菩薩たらんか、地涌の菩薩にさだまりなば釈尊久遠の弟子たる事あに疑はんや、経に云く「我久遠より来かた是等の衆を教化す」とは是なり』(御書1360ページ6行目〜8行目)

◇通解
なんとしても、この人生で、信心に励み、法華経の行者として生き抜き、日蓮の一門となり通していきなさい。日蓮と同じ心であるならば、地涌の菩薩でしょう。
地涌の菩薩であると定まったならば、釈尊の久遠の弟子であることは疑う余地がありません。経文に「私(=釈尊)は遠い昔から、これらの者たち(=地涌の菩薩)を教化してきた」(従地涌出品第15)と説かれているのはこのことです。

◇[解説]信心に励み「地涌の生命」を涌出
法華経に示される「諸法実相」とは——最蓮房の求道の質問に、大聖人は本抄で「あらゆる事象(諸法)の本質(実相)が妙法蓮華経である」との、仏の甚深の智慧によって悟った真実を明かされます。
南無妙法蓮華経の題目は、全宇宙とわが生命を貫く根本の法則です。無限の生命力を湧き立たせ、福徳を生み、全ての人を成仏させゆく幸福の源泉が、妙法です。
大聖人は本抄で、この偉大な妙法に巡り合ったことが、いかに深い「使命」であるかを教えられています。
本抄の御執筆当時、大聖人は佐渡流罪という最大の苦難の中におられました。
そうした状況の中、掲げた御文で大聖人は、いかなる困難があっても信心を貫き、「法華経の行者」として、また「日蓮の一門」として生き抜くよう、弟子に呼び掛けられます。
そして、大聖人と同じ心で広布に尽くす人は、法華経に説かれる「地涌の菩薩」であると明かされました。
法華経では、全宇宙から数え切れない菩薩が集まり、釈尊の滅後、悪世の娑婆世界(迷いと苦難に満ちた、私たちの住む現実世界)で、妙法を弘めると決意を述べます。
ところが釈尊は、その決意を制止し、"この娑婆世界に直弟子である無数の菩薩がいる。彼らが弘めるからだ"と、理由を語ります。
するとその瞬間、大地を破り、無数の、立派な姿をした「地涌の菩薩」が出現します。釈尊は"彼らは私が久遠の昔から教化してきた弟子である"と明かし、最も困難な末法の娑婆世界の広宣流布を、この地涌の菩薩に託したのです。
ゆえに、大聖人は続く御文で、地涌の菩薩であると定まったなら釈尊の久遠の弟子であることも疑いないと述べられました。
地涌の菩薩は、悪世末法の広布を誓願し、大地を破って躍り出ました。この出来事を私たちの信心の上で拝すれば、苦悩に満ちた現実の中で、自分自身の生命の大地に、久遠より師に鍛え抜かれてきた「地涌の生命」を涌出させることであるとも言えるでしょう。
すなわち、実践で言えば、今いる場所で妙法を唱え抜き、自身の人間革命から自他共の幸福を勝ち開いていくこと——それこそが、地涌の菩薩の誓願であり、誇り高き使命なのです。((下)は12月12日付に掲載予定)

◇池田先生の指針から
大聖人は、あらゆる大難を乗り越え、末法広宣流布を担う「地涌の菩薩」について、「よくよく心を鍛えられた菩薩なのであろう」(御書1186ページ、通解)と述べられている。
苦難に負けないこと、屈しないこと、そして乗り越えること——それは言い換えれば、本来、鍛え抜かれた偉大な生命を持っているということなのである。
地涌の生命の底力が、どれほど深く、どれほど強く、どれほど大きいか。(中略)
眼を開いて見れば、皆が大聖人に直結する、尊貴な地涌の菩薩なのである。(『随筆 希望の大道』)
◇ ◆ ◇
創価学会の「創立の心」——それは、この「地涌の菩薩」の誉れ高き使命と力を自覚することなのである。
自分を卑下したり、人を羨んだりする必要など、まったくない。
わが生命の奥底には、尊貴なる地涌の生命が脈動しているのである。深き誓願の祈りと、勇敢な行動で、その清らかで力強い生命力を「涌出」させていくことだ。「この世で果たさん使命あり」である。(2006・11・22付、創立記念日最高協議会でのスピーチ)

研さんのために
○…『勝利の経典「御書」に学ぶ』第17巻(聖教新聞社)
〇…2020年6月号「大白蓮華」掲載の「世界を照らす 太陽の仏法」

2020年11月17日火曜日

2020.11.17 わが友に贈る

「師弟相違せば
なに事も成べからず」
創価三代に貫かれた
不屈の闘争に学ぼう!
報恩の誓いで前進だ!

王舎城事 P1138
『御いのりの叶い候はざらんは弓のつよくしてつるよはく太刀つるぎにてつかう人の臆病なるやうにて候べし』

【通解】
祈りが叶わないのは、弓が強いのに弦が弱く、太刀や剣があっても使う人が臆病であるようなものである。

名字の言 「見聞心」——人間国宝・宮城能鳳さんが心に刻む言葉 2020年11月17日
沖縄の伝統芸能「組踊」の立方で人間国宝の宮城能鳳さん。弟子入りは23歳の時。琉球政府の職員を辞めての一大決心だった。そんな宮城さんが、"人の何倍もの努力"とともに大切にしたのが、「師」の存在だ▼宮城さんは、師に向き合う姿勢の大切な点として、「見聞心」を挙げる。師の芸をしっかりと「見」る。師の言葉をしっかりと「聞」く。そして、技術を学ぶだけでなく、師の「心」を理解しようと努める、ということである▼師のもとで鍛錬を重ねる中で、"師が教えてくださっていたのは、こういうことだったのか"と、後になって分かることが何度もあったという。ゆえに、宮城さんは言い切る。「今の自分があるのは師のおかげである」と▼日蓮大聖人は、師匠の存在を「根ふかきときんば枝葉かれず、源に水あれば流かはかず」(御書900ページ)と、「根」「源」にたとえられた。師はまさに仏道修行の「根」であり、学会が世界宗教へと発展してきた「源」である▼変化、変化の社会にあって、常に三代会長という根源にさかのぼることで、私たちは勝利の人生への軌道を進んでいける。師の行動を見て、師の言葉を聞いて、師の心を知る——小説『新・人間革命』をひもとく「見聞心」の誓いを新たにする。(礼)

寸鉄 2020年11月17日
創価の「創」は「はじめる」こと。新たな共戦譜綴る出発の時。創立100周年へ
「弥よ申し聞かすべし」御書。勇んで対話拡大!これ今生人界の思出なり
今に必ず幸せになる!—戸田先生。絶対の妙法だ。確信の祈りが希望の源泉
1歳未満の子を持つ母、4人に1人が産後うつの可能性。早期の支援急務
公明党の「結党記念日」。どこまでも大衆のために戦え!"一人の声"を形に

☆御書カフェ 華陽姉妹の語らい 2020年11月14日
◇御文
『願くは我が弟子等・大願ををこせ』(上野殿御返事、1561ページ)

◇通解
願わくは、わが弟子らは大願を起こしなさい。

◇教えて
師匠の思いを受け継ぐ弟子へ成長していきたいです!

◇池田先生の指導
「広宣流布の大願」と「仏界の生命」とは一体です。だからこそ——この誓いに生き抜く時、人は最も尊く、最も強く、最も大きくなれる。
この誓いを貫く時、仏の勇気、仏の智慧、仏の慈悲が限りなく湧き出でてくる。
この誓いに徹し切る時、どんな悩みも変毒為薬し、宿命をも使命へと転じていける。
これが、創価の最極の同志であります。
これが、学会の無敵の陣列であります。(2013・11・9付、広宣流布大誓堂落慶記念勤行会へのメッセージ)
◇ ◆ ◇
仏法の眼から見れば、皆、それぞれに、久遠から誓願して躍り出た使命の天地です。
広宣流布といっても、自分の振る舞いにかかっている。
一つ一つ、具体的に祈る。
一人一人、大誠実で語る。
一歩一歩、粘り強く進む。
一日一日、思いきり戦う。
その真剣な努力のなかで、広宣流布の大願に立つ地涌の友は必ず続く。地域は必ず変わる。未来は絶対に開けます。これが「地涌の義」です。(『御書と青年』)

2020年11月16日月曜日

2020.11.16 わが友に贈る

◇今週のことば
創立記念の座談会から
凱歌の100周年へ
「人間革命」の実証を
「地域広布」の前進を
「立正安国」の建設を!
2020年11月16日

諸法実相抄 P1361
『一閻浮提第一の御本尊を信じさせ給へ、あひかまへてあひかまへて信心つよく候て三仏の守護をかうむらせ給うべし』

【通解】
全世界第一の御本尊を信じていきなさい。あいかまえてあいかまえて信心を強くして釈迦仏・多宝仏・十方の諸仏の三仏の守護を受けていきなさい。

名字の言 「10年後の自分」を心に描く 2020年11月16日
プロ野球・福岡ソフトバンクホークスの和田毅投手は、プロに入って3、4年目の頃から、「10年後の自分」を意識したトレーニングを積み重ねてきた▼年齢とともに、以前なら無意識に使えていた細かな筋肉が、動きづらくなっているのを感じるという。だが、同年代の選手に比べると、衰えに抗っている自負がある。10年後を意識して、神経系の働きや筋肉の柔軟性などの練習を積極的に行ってきたからだ(『だから僕は練習する』ダイヤモンド社)▼「松坂世代」の選手の多くが引退する中、その世代の一人である和田投手は、プロ18年目の今季も、開幕から先発ローテーションを守り続け、8勝を挙げている。将来を見据えた努力が、こうした成績につながっているのだろう▼未来を「どうなるか」と予測するだけでなく、「こうする」と決めて行動に移す。その明確な意思が、自らの人生を形作っていく。未来は、今の自分自身の一念にある。御書には「未来の果を知らんと欲せば其の現在の因を見よ」(231ページ)と仰せだ▼池田先生は、学会創立90周年から100周年への10年を「人類の『宿命転換』を、断固として成し遂げていくべき勝負の時」と。大いなる目標へ、挑戦を開始しよう。「10年後の自分」を心に描きながら。(巍)

寸鉄 2020年11月16日
学会員の行動そのものが世界的平和運動なのです—識者。今日も友のため
熊本支部結成の日。拡大こそ火の国の同志の魂。希望・勝利の先駆を頼む
己の地域を盤石に築いた者が勝つ—恩師。心と心結ぶ振る舞いを足元から
詐欺被害、依然と高齢者に多し。銀行カード渡さない等、周囲で注意喚起
国連・国際寛容デー。分断時代に求められる対話の重要性。我らも決意深く

☆明日を照らす テーマ:御供養の精神
御書には、御供養に対する感謝や励ましをつづったお手紙が、数多く収められています。そこには、心温まる師弟の絆が輝いています。
かつて池田先生は、「広宣流布のためにとの誠実な『心』は、誰が称賛しなくても全て御本仏が必ず御照覧です。一切が偉大なる功徳、福運となって自身を荘厳していきます」とつづっています。
今回の「明日を照らす」は、「御供養の精神」をテーマに学んでいきましょう。

◇松野殿御消息
『昔し徳勝童子と申せしをさなき者は土の餅を釈迦仏に供養し奉りて阿育大王と生れて閻浮提の主と成りて結句は仏になる』(御書1380ページ)

◇大切なのは真心
【通解】昔、徳勝童子という幼い者は、土の餅を釈迦仏に供養して、阿育大王と生まれて閻浮提(=全世界)の主となり、最後には仏になったのである。

本抄では、種々の品物の御供養を送られた、松野殿への感謝とともに、末法の法華経の行者に供養する功徳の大きさをつづられています。その末尾で引用されているのが、「徳勝童子」の話です。
当然ながら、土の餅は食べることはできません。しかし、「釈迦仏のため」という真心の供養が、仏法に基づく善政を敷いたアショーカ王(阿育大王)、さらに仏となるような、大きな福徳の因となったのです。
また、本抄に「あなたは人々が日蓮を憎んでいるのに、しかも、いまだ一度もお目にかかったこともないのに、なぜこのようにご信用になるのであろう」(御書1379ページ、通解)とあるように、松野殿は一度も大聖人にお会いしたことがなかったようです。
さらに、大聖人は当時、世間的には権力から迫害されているお立場でした。それでも、"師匠を支えたい"という、松野殿の真心を、大聖人は感嘆をもってたたえられています。
本抄以外にも、「ねんごろの御心ざしは・しなじなのものに・あらはれ候いぬ」(同1529ページ)等、門下から送られた品々に対する、心からの御礼を述べられた御書は数多くあります。大聖人は門下の思いを、全てご存じであったと拝されます。
師を思う弟子の心と、その思いを大切にされる大聖人との心通う交流——"御供養の精神の根本は真心である"と、温かな感動をもって拝することができます。

◇妙密上人御消息
便宜ごとの青鳧五連の御志は日本国の法華経の題目を弘めさせ給ふ人に当れり、国中の諸人・一人・二人・乃至千万億の人・題目を唱うるならば存外に功徳身にあつまらせ給うべし(御書1241ページ)

◇計り知れない功徳が
【通解】便りのたびに送られる青鳧(銭)五連の御供養の志は、日本国に法華経の題目を弘められている人に相当するのである。国中の人々が、一人、二人、そして千万億の人が題目を唱えるならば、思いもかけない功徳が、身に集まるであろう。

不惜身命で法華経を弘通される大聖人を支えようと、妙密上人は、「便宜ごとの」とあるように、便りを送るたびに「青鳧五連」(銭五貫文)の御供養を送っていました。
大聖人はその「志」を、日本中に法華経の題目を弘めることと同じであり、今後、国中の人々が題目を唱えるならば、その功徳が妙密上人の身に集まることは間違いないとたたえられています。"広宣流布の前進を支えよう"という心には、想像できないような無量の功徳があるとの仰せです。
本抄に「須弥山の始めを尋ねれば、一つの塵である。大海の始めは一滴の露である」(御書1237ページ、通解)とあるように、末法の広宣流布は、大聖人ただお一人から始められました。そして、相次ぐ大難の中、「二人・三人・十人・百人・一国・二国・六十六箇国・已に島二にも及びぬらん」(同1241ページ)と、日本中に妙法を弘められました。
大聖人直結の創価学会は、三代会長の大闘争によって、世界192カ国・地域にまで広がりました。今やあらゆる国々で、"師弟の志"を共にする同志が信心に励んでいます。この世界広布の大潮流を支える功徳は計り知れません。
かつてない試練に立ち向かう今こそ、"学会と共に"との心で、社会に希望を広げる前進を開始しましょう。

★池田先生の指導から
日蓮大聖人は、御供養の品々について、農水産物だけでも、数十種もの名前を丁寧に記し残されている。(中略)大聖人にとって、門下がお届けした米は、単なるモノではなかった。
粒々辛苦の結晶を、「民のほねをくだける白米」(御書1390ページ)、「白米は白米にはあらず・すなはち命なり」(同1597ページ)とまで言われた。まさに、お届けした弟子の尊極の生命そのものとして受け取っておられる。(『池田大作全集』第139巻所収、随筆「人間世紀の光」農漁村の春の喜び)
◇ ◆ ◇
法華経への供養とは、妙法と共に生き抜くことです。万物を潤し、本有の生命を輝かせていく妙法を、自分も実践し、他者にも勧めていく。この功徳は日月の光明の如き、無上の価値を生み、尽きることはありません。
ゆえに、現代においても、妙法一筋に、広宣流布のため、社会のために、日々、献身している学会員の功徳は計り知れません。厳たる生命の因果の法則に照らせば、すべての行動が、将来、無量の福徳となって、爛漫と陰徳陽報の花を咲かせていくことは絶対に間違いありません。(『勝利の経典「御書」に学ぶ』第21巻)
◇ ◆ ◇
大聖人をお慕いする門下たちは、大聖人がいらっしゃる佐渡や身延にまで、遠く危険な道のりを歩みぬいていった。そのなかには、幼子を連れた女性もいた。かなりの年配の方もいた。
大聖人のもとにお届けした御供養の品も、一生懸命に節約して用意したものであろう。こうした門下の"広宣流布の志"を、大聖人は心から讃嘆された。"ありがとう、本当にありがとう""こんなところまで、よくきてくださいました"と深い深い感謝の心で包んでいかれたのである。(『池田大作全集』第99巻所収、第55回本部幹部会でのスピーチ)

2020年11月15日日曜日

2020.11.15 わが友に贈る

「七五三」を迎える
子どもたちの成長を
皆の真心で祝福しよう。
広布の庭で育む思い出が
未来を支える力となる。

法華経題目抄 P942
『問うて云く題目計りを唱うる証文これありや、答えて云く妙法華経の第八に云く「法華の名を受持せん者福量る可からず」正法華経に云く「若し此の経を聞いて名号を宣持せば徳量る可からず」添品法華経に云く「法華の名を受持せん者福量る可からず」等云云、此等の文は題目計りを唱うる福計るべからずとみへぬ』

【通解】
問うて言う。仏道修行として、題目だけを唱えるという証文はあるのか。答えて言う。羅什三蔵の訳した妙法華経の第八陀羅尼品にいわく「法華経の名を受持する者の福は量り知ることができない」と、また竺法護の訳した正法華経の総持品に「若しこの法華経を聞いて名号を宣持するならば、その功徳は量ることができないほどである」と、また闡那崛多と達磨笈多の共訳である添品法華経の陀羅尼品に「法華経の名を受持する者のその福は量ることができない」等と、述べている。これらの経文には唯法華経だけを信じて題目ばかりを唱える福は計ることができないと説かれている。

名字の言 「御書根本」が学会の伝統 2020年11月15日
教学を学ぼうと集い合った、埼玉の壮年の会合でのこと。多くのメンバーの御書に、書き込みなどの長年にわたる研さんの跡があった。ある壮年の御書には、しおりのように挟み込んだ紙が。見せてもらうと、昭和40年代の行事の入場整理券。信心一筋の貫禄を感じた▼「池田華陽会御書30編」の読了に初めて挑戦し、達成した女子部員。新しい御書を手に御文を拝読するものの、難しくてなかなか進まない。そこで、父親と一緒に研さんすることに▼読み進めていると、「この御文、小学生の時、座談会で拝読するために、お母さんと猛練習した」など、懐かしい話に花が咲くことも。毎晩、取り組む中で、父から娘へ信心を伝える機会になったという▼「各各師子王の心を取り出して」(御書1190ページ)、「師檀となる事は三世の契り」(同1070ページ)など、先師・牧口先生は、御書のさまざまな箇所に線を引かれ、書き込みもされている。日蓮大聖人の仰せを身をもって拝し、「不惜身命」「死身弘法」の生涯を貫かれた▼学会の伝統は「御書根本」だ。その精神は今、世界に広がる。いよいよ創立90周年の「11・18」。「御書根本」の原点に立ち返り、今一重の深き決意で、明「希望・勝利の年」へ新たな前進を開始したい。(道)

寸鉄 2020年11月15日
「南無妙法蓮華経は歓喜の中の大歓喜なり」御書。何があろうと題目、題目
地域部の日。今こそ友好の対話で共助の絆強く。創価の全権大使の出番!
長崎支部結成の日。平和の連帯を広げる時は今!生命尊厳の大哲理を拡大
陰の人が一番偉いのだ—詩人。各地で11・18記念表彰。功労の同志に感謝
脳のやる気を活性化させるのはまず始めること—精神科医。日々、一歩前へ

〈社説〉 2020・11・15 きょう「家族の日」
◇互いに尊重し成長しゆく家庭を
コロナ禍で家族と過ごす時間が増え、その大切さがクローズアップされた。5〜6月の内閣府調査では「家族の重要性を、より意識するようになった」との回答が5割に上り、増えた家族との時間を保ちたいと望む人は8割を超えた。
目下、社会現象となったアニメ「鬼滅の刃」。家族を鬼に殺され、唯一残った妹まで鬼にされた主人公が、妹のために戦うストーリーだが、随所に描かれた家族愛も深い共感を呼んでいる。
きょう15日は「家族の日」。生命を次代に伝え育んでいくことや、子育てを支える家族と地域の大切さを再認識するため、2007年に設けられた記念日だ。改めて家族に日頃の感謝を伝えたり、子育て中の友人家族へエールを送ったりして、絆を強める機会としたい。
近年、家族のかたちや在り方が見直され、血縁や婚姻以外の多様な関係を認める方向で制度改正が進んでいる。世界各地を見れば、家族のありようは千差万別で、家族社会学では普遍的な家族の定義は困難とする主張が有力とされる。
定義がどうあれ、仏法の視点から、家族は三世の宿縁で結ばれた、かけがえのない存在だ。その絆は幾多の苦難を越えて鍛えられ、強固なものとなろう。
7人きょうだいで育った都内の婦人部員。内装業の父が仕事で負債を抱え、一家に試練が訪れた。短大を中退し家計を支えるも、酒に逃げた父は子どもの金まで家捜しする始末。張り詰めた心の糸が切れ、御本尊に向かう気力も失った。そんな折、思いがけず本部幹部会のメイン会場へ。池田先生は入場するや、女子部の友に「お父さんを大切に!」と呼び掛けた。"諦めず信心を貫けば、必ず家族を幸福にできる"との渾身の激励に再び発心。やがて父は十数年ぶりに地区座談会に参加し、和楽の家庭が戻った。彼女は今、後継の育成に全力を注ぐ。
大切なのは、信仰を持った一人が一家の太陽と輝き、家族を照らすことだ。互いの性格や長所・短所も知り尽くし、うわべを繕っても通用しない、その家族から"さすがだね!"と称賛される自分自身へ成長することが重要だ。家族が未入会であれば、なおさらである。
創価学会永遠の五指針の第一は「一家和楽の信心」。最も身近な家庭こそ、仏法が目指す宿命転換と人間革命の舞台だ。池田先生は「地域や社会の繁栄といっても、その基盤はどこまでも家族や家庭にある。家庭という最小単位において、一人一人が互いに尊重し、励まし合い、成長して、調和の世界を築いていくことが平和の起点です」と励ましを送る。
さあ、共々に"成長家族"の日記をつづっていこうではないか。

☆心に御書を 第88回 わが家の後継こそ「宝」
〈御文〉
『女子一人・男子一人・たとへば天には日月のごとく・地には東西にかたどれり、鳥の二つのはね・車の二つのわなり』(上野殿御返事、1566ページ)

〈通解〉
(あなた<南条時光>は)女子1人、男子1人の子持ちである。たとえば天には日月、地には東西があるように、また鳥に二つの羽、車に両輪があるようなものである。

〈池田先生が贈る指針〉
御本仏は、門下の子女の誕生と健やかな成長を心から喜ばれた。
どの子も、かけがえのない、人類の希望である。「七五三」も、伸びゆく宝の命を愛で、健康と幸福を皆で祈る節としたい。
21世紀の世界広布を担い立つ、不思議な宿縁と福運の"未来からの使者"たちだ。創立100周年へ、共に学び、共々に向上・前進を!

2020年11月14日土曜日

2020.11.14 わが友に贈る

中継行事等を陰で支える
全ての役員の皆さま
本当にありがとう!
「陰徳あれば陽報あり」
尊き奮闘に功徳は燦然。

法蓮抄 P1045
『現在に眼前の証拠あらんずる人此の経を説かん時は信ずる人もありやせん』

【通解】
現在に眼前の証拠を現す人がこの経を説く時は、信ずる人もいるであろう。

名字の言 星の美しい輝きに思う 2020年11月14日
今の季節は空が澄み、夜の星が冴えて美しい。星の光が月のように明るく見える夜を指して、「星月夜」と呼ぶ。「星月夜空の高さよ大きさよ」(尚白)▼星を全部数えたらいくつになるだろうか。地上から肉眼で見える恒星の数は最大で8600個ほどだという。宇宙には銀河が約1000億あり、一つの銀河に約1000億もの恒星が存在するといわれる。数え切れないほどたくさんあることを「星の数ほど」と表現するが、言い得て妙だ▼自分自身の内面世界を「心情の天空の星の数」(渡辺照宏訳)と歌ったのは、インドの詩聖タゴールである。外なる大宇宙と同じく、内なる心の広がりにも限りはない。"胸中の空"は澄んでいるか。きらめきを放っているか。多忙な日々でも、星空と語り合うような大きな気持ちを忘れたくはない▼仏法では、この宇宙に地球と同じような星が数多く存在し、そこに住む人々も自分の星を理想的な国土にしようと仏法を行じていると捉えられる。その中で私たちはこの地球を選び、願って生まれてきた▼仏法の眼から見れば、広布を誓い生を受けたかけがえのない一人一人の集まりこそ、創価学会にほかならない。「我即宇宙」「宇宙即我」という妙法の大ロマンを心に抱きながら、一日一日を喜び進もう。(恭)

寸鉄 2020年11月14日
「紅の歌」誕生の日。師の滸に集いし青年の誉れ。若き翼で新時代を翔よ!
苦労した人間には誰人もかなわない—戸田先生。試練の今を成長の好機に
英雄とは自分のできる事をした人—文豪。明確な目標定め今日より明日へ
世界糖尿病デー。日本は2千万人が疑いありと。予防や早期検査など賢く
コロナ感染が増加傾向。気の緩み排して「新しい生活様式」を確実に実践

☆11・12記念 全国池田華陽会大会への池田先生ご夫妻のメッセージ
今こそ仲良く勇敢に幸福と平和の花を!
大切な「女子部の日」を記念する華陽会大会、誠におめでとう!
コロナ禍で不安の絶えない時代に、皆さんは、凜として前を向き、希望の光を広げてくれています。全国各地の尊く気高きスクラムに、私は妻と拍手を惜しみません。
本当にご苦労様! ありがとう!
日蓮大聖人は、苦難のなかで毅然と求道を貫いている女性門下を、こう励まされました。
「いよいよ強盛の御志あるべし」「青き事は藍より出でたれども・かさぬれば藍よりも色まさる、同じ法華経にては・をはすれども志をかさぬれば・他人よりも色まさり利生もあるべきなり」(御書1221ページ)と。
どのような境遇にあっても、幸福を開ける力が信心です。大変な時こそ、いよいよ強盛な信心を奮い起こせば、勇気と智慧を限りなく湧き出すことができます。
今、皆さんが真剣に学ぶ太陽の仏法の法理が、混迷の社会を照らし晴らす英知と輝きます。
今、皆さんが誠実に語る励ましの対話が、一人一人を蘇生させながら、平和の連帯を築きます。
今、皆さんが地道に取り組む学会活動が、無量無辺の福運となって、広布と人生の勝利の未来を開くのです。
ともあれ、恩師・戸田先生から私と妻が受け継いだ誓願は、女子部を一人も残らず幸福に!ということです。
どうか、自他共に絶対の幸福の花、永遠の平和の花を咲かせゆく、この最極の宝のスクラムを、今こそ、生き生きと、仲良く、勇敢に結び広げていってください。
「希望・勝利の年」の旭日を昇らせゆくロマン総会の楽しき大成功を祈っています。
「新・人間革命の世代」の女子部は、世界の華陽姉妹と青春歓喜の舞を舞いゆけ!

2020年11月13日金曜日

2020.11.13 わが友に贈る

「師弟誓願」こそ
勇気と歓喜の源泉だ。
本部幹部会の視聴通して
広布の情熱を燃やそう。
朗らかに使命の歩みを!

兄弟抄 P1088
『設ひいかなるわづらはしき事ありとも夢になして只法華経の事のみさはぐらせ給うべしし』

【通解】
たとえ、どんな煩わしいことがあっても、夢だと思って、ただ法華経のことだけを考えていきなさい。

名字の言 ダウン症の弟から得た、作家・岸田奈美さんの気付き 2020年11月13日
作家の岸田奈美さんの弟、良太さんはダウン症で知的障がいもある。時には地域の人にお世話になることがあり、岸田さんの家族がお礼に伺う▼すると先方は笑顔で口をそろえる。明るく優しい良太さんと触れ合い、「こちらこそうれしかった」。ある母親からは「うちの子、良太くんと一緒のクラスになってから、自分の弟にも優しくなったんです」と言われ、家族でうれし泣きしたことも。「良太だって、人を助けている」と岸田さんは気付いたという(『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』小学館)▼三男がダウン症で小児がんも発症した群馬の婦人部員。ベッドの上で何度も立ち上がろうとする三男の姿に涙を拭った。"一番、つらいはずのわが子が、精いっぱい生きている。私はどんな時も笑顔でいよう"と祈りを重ねた。太陽のように明るい親子に、同病の子の母たちは「あなたたちの姿に、いつも勇気づけられています」と▼100人いれば、100通りの人生がある。それぞれ成長の速度も異なる。ゆえに、自分と他人を比較する必要などない。今を精いっぱい生きる「生命の輝き」が周囲を勇気の光で包む▼仏法では、どんな人にも使命があると説く。誰もが、かけがえのない宝の存在である。(江)

寸鉄 2020年11月13日
「善知識に値う事が第一のかたき事」御書。創価家族の絆は人生最高の宝
徳島の日。愛する郷土に希望の対話を拡大!魁の誇り胸に幸福の理想郷を
友好を結ぶ地道な活動が最も堅実な勝利の道—戸田先生。誠実第一で進め
受動喫煙被害の児童9割に"喫煙する家族"と。健康守る基盤、足元から
非常食の用意ある家庭は約5割—厚労省。皆の命守る備え、気付いた時に

〈社説〉 2020・11・13 15日は「地域部」の日 
◇わが町に幸福の楽土を築きゆく
新型コロナウイルスの感染が拡大状況にあり、「地域差」が浮き彫りになっている。7月まで政府の専門家会議の要として対策に尽力し、分科会の一員を務める川崎市健康安全研究所の岡部信彦所長は、本紙のインタビュー(8月30日付、10月4日付に再掲)で、地域差があるため全国一律で対策を取るのは難しいと指摘。それぞれの場所に応じた対策を取るために、地域ネットワークの存在が、ますます大切になると語った。
人との距離を保つことは、感染防止の観点から重要であるが、"つながり"が希薄になることは、心身の健康にとってリスクとなる。ゆえに、感染防止対策を前提としつつも、どのように人と人との触れ合いの場をつくっていくか、地域の状況に合わせて地域ごとに考えるべき、というのが岡部所長の考えだ。
地域住民の一人一人が主体者となり、わが地域の未来を開いていく取り組みが、いや増して求められているといえよう。その中で今、各地で奮闘しているのが、あさって15日に「部の日」を迎える「地域部」の同志である。
同部の友は、町会・自治会、商店会、老人会、PTA、民生委員、保護司、消防団、ボランティアなど各分野で活躍している。皆の胸中にあふれるのは、「自身が住んでいる地域を愛し、地域に貢献し、そこを栄えさせ、常寂光土としていくのは、仏法者の責任であり、使命である」(小説『新・人間革命』第11巻「常勝」の章)との熱き思いだ。
青森のある婦人は2007年、退職を機に自宅を開放してサロンをスタートさせた。お茶会や健康体操、料理教室など工夫を凝らして実施。地域に1人暮らしの高齢者が多いこともあり、欠かせない憩いの場となった。さらに民生委員を今春まで9年間務めたほか、婦人サークルの代表などとして献身している。
コロナ禍で、サロンや諸活動の休止を余儀なくされても、電話や手紙などを駆使して近隣の友へ励ましの声を届け続けた。感染対策を施して8月にサロンを再開すると、心待ちにしていた友人たちから「皆で集まれて良かった」と喜びの声が広がった。
池田先生は、かつて地域部に対して「わが地域の躍進を! 信頼と友好の太陽たれ!!」との指針を贈り、地域広布の使命と責任を示した。
感染のリスクへの考え方は、人それぞれである。その上で、一人一人の思いを尊重しながら、つながろうと行動する——地域部の友の不断の努力と誠実な振る舞いの積み重ねによって、心の絆はよりいっそう強まり、わが地域に幸福の楽土が築かれていくに違いない。

☆2021年の平和・文化・教育運動
創価学会は、日蓮大聖人の仏法の理念を基調に平和・文化・教育の運動を多角的かつ広範に展開するとともに、平和のための善の連帯を世界に広げてきた。コロナ禍が地球規模で拡大する中、世界市民の連帯が一層希求されていることを踏まえ、今後とも人類的諸課題解決のため公共的役割を果たしていく。

2021年は以下の取り組みを、女性や青年によるリーダーシップを最大に尊重し、またオンラインシステムを効果的に活用しながら、SGI国連事務所(ニューヨーク、ジュネーブ)や関連団体をはじめ、国連諸機関、非政府組織(NGO)、信仰を基盤とした団体(FBO)等とも連携・協力して力強く推進する。

1.「平和の文化」構築に幅広く貢献
「平和と信頼の国際年」の2021年、「平和の文化」を構築する取り組みを引き続き幅広く展開する。そのために、「対話」を通した啓発、人と人とのネットワークの拡大、「誰も置き去りにしない」社会的包摂への貢献など、一人一人の平和への取り組みを支援する。

�国連の「平和の文化」ハイレベルフォーラム(年次会合)に貢献
�AI兵器(キラーロボット)、サイバー攻撃の危険性などの問題に倫理面から警鐘
�女性平和委員会は、"私がつくる「平和の文化」"をテーマに、フォーラムや講演会を開催
�高齢社会の世界的先例である日本の課題を踏まえ、高齢者や子どもの権利と希望ある生活について考える「平和の文化と希望」展を開催
�日本・アジアをはじめ全世界の戦争犠牲者を追悼し、平和への誓いを新たにする「世界平和祈念 戦没者追善勤行法要」を実施
�戦争・被爆体験を継承するための証言会を開催
�青年部「SOKAグローバルアクション2030」キャンペーンの一環として、広島・長崎・沖縄の青年部を中心とした「青年不戦サミット」を開催。各種平和意識調査を実施
�戸田平和記念館(横浜市)、沖縄研修道場などで平和意識の啓発活動を実施
�平和構築の議論に青年の参画を求める国連安保理の「2250決議」および「2419決議」、同じく女性の参画を求める「1325決議」の普及を支援
�21世紀の国際社会に即した平和倫理、生命倫理の構築のための研究を推進
�東洋哲学研究所、池田国際対話センターとも協力し、宗教間・文明間対話や相互理解を促進
�民音研究所による「平和構築の音楽」を探求する研究活動を支援

2.核兵器の廃絶に向け連帯を拡大
「核兵器禁止条約」の発効によって打ち立てられる核兵器の法的禁止は、核時代との決別に向けた新たな出発であり、批准国・署名国の更なる増加が重要となる。核兵器が「絶対悪」であることを一貫して訴えてきた池田先生の平和理念を基調に、引き続き核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)等と協力し、「核兵器禁止条約」の意義の普及に貢献する。平和・軍縮教育を草の根レベルで推進する。

�核軍縮に関する各種国際会議に参加し議論に貢献
�核兵器の禁止と廃絶を訴える信仰者のコミュニティーの取り組みを推進
�「核兵器禁止条約」の普及を推進する啓発ツールを制作
�「核なき世界を選択する民衆フォーラム」を被爆地で開催
�女性平和委員会は、ヒロシマ・ナガサキの被爆体験の映写会を草の根で展開
�核兵器廃絶を求める青年の国際ネットワーク「アンプリファイ」の取り組みを支援
�戸田記念国際平和研究所による「核兵器廃絶」ならびに「先端技術と安全保障」に関する研究活動を支援

3.気候変動対策などを推進し、SDGs(持続可能な開発目標)の達成を支援
国際社会の2030年に向けての指標である「SDGs(持続可能な開発目標)」では、「誰も置き去りにしない」との、仏法の生命尊厳・平等観にも通ずる誓いが掲げられている。この精神性を一層高めながら、SDGsの普及と推進に貢献する。また同目標でも扱われる「気候危機」は、異常気象等に加え、生態系への影響を通じて感染症発生も促すとされていることに鑑み、「脱炭素社会」へ向けての取り組みを強化する。

�「持続可能な開発のための教育」(ESD)の活動として、「希望と行動の種子」展や「わたしと地球の環境展」を開催
�SDGsや気候変動問題に関する啓発ツールを活用して、個々人の取り組みを支援
�国内外のFBO(信仰を基盤とした団体)等と連携して、SDGs達成や気候変動対策における宗教の役割に関する議論に貢献
�地球憲章インタナショナル等と連携し、SDGs啓発アプリ「マプティング」を用いての意識啓発活動を展開
�女性平和文化会議はSDGs啓発の講演会を開催
�VOD「『気候危機』を乗り越えゆくための挑戦」の視聴を推進
�ブラジルの「創価研究所——アマゾン環境研究センター」の活動を支援し、森林再生にも貢献
�アフリカにおける森林再生を支援(トーゴ)

4.「人権文化」の構築に尽力 ジェンダー平等、女性のエンパワーメントを推進
近年、社会問題化しているヘイトスピーチ(憎悪表現)、移民排斥、人種差別に加え、コロナ禍の中、社会的に弱い立場にある人々への差別が深刻化している。また2021年は「児童労働の根絶のための国際年」となっている。今回の危機を、人権文化が輝く社会の建設のための変革の出発点としていけるよう、国際人権の前進に貢献するとともに、幅広い教育・啓発活動に注力する。

�「変革の一歩——人権教育の力」展を国際巡回
�「人権教育ウェブサイト」の普及、活用
�人権教育の促進のため、国連人権理事会の討議に貢献
�ジェンダーの多様性と平等促進のため、国連女性の地位委員会などへの貢献を継続
�若い女性が発揮するリーダーシップの事例を紹介するとともに、分析するプロジェクトを推進
�人権教育映画「尊厳への道」の活用
�「勇気の証言——ホロコースト展」巡回を支援
�青年平和会議を中心に、人権や難民問題について考えるための連続セミナー等を開催
�生命尊厳の立場から、死刑廃止に関する意識を啓発
�女性平和委員会は「子どもの権利条約」採択30周年の2019年からスタートした「広げよう!子どもの権利条約キャンペーン」に賛同団体として参加。「子どもの笑顔を広げよう!」オンラインアンケートの実施等、啓発活動に注力

5.地域のネットワークと国際的な連帯を生かし、人道活動を展開
自然災害の頻度や被害が増大する中、信仰を基盤とした地域のネットワークは、レジリエンスを生かして緊急時に大きな力を発揮することが、国際的に注目されている。復興地への支援を一層推進するために、多様な組織との連携を図る。また国際的な連帯を生かして、深刻化する感染症問題や難民問題に取り組む。

�東日本大震災から10年を迎える東北や近年の大規模災害に見舞われた各地で、被災体験の聞き取り活動を継続。復興支援のため、「希望の絆」コンサートを開催。「東北福光みらい館」での情報発信を強化
�創価学会による災害救援や復興支援の経験を生かし、国連機関等による防災の取り組みの議論に貢献
�感染症対策に関する、国際社会の活動や議論に貢献
�難民問題に関する意識啓発のため、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)や国連UNHCR協会のキャンペーンを支援するほか、難民映画の上映会や、難民の子どもたちによる絵画展を開催
�他のNGOと協力し、難民の子どもたちの教育を支援
�社会本部各部、地域本部各部は、個人の活動を通じて、地域社会の発展と向上に貢献

6.市民社会における多角的な文化活動を促進
グローバル化が進展する現代にあって、各国・各地域の多様な文化を守り育む活動や、それらを共有するための多角的な活動を推進する。また、それを担う人材の育成にも継続して取り組む。

�多彩な展示を開催
・宇宙との関わりを通じて「地球人」としてのあり方を問い直す「わたしと宇宙展」
・子どもから高齢者まで「読んで」「語って」「参加」できる「絵本とわたしの物語展」
・親子で体感的に「食の大切さ」「命のつながり」を学べる「ごはんといのちのストーリー展」
・社会に広く「活字文化」の重要性を伝える「世界の書籍展」
・写真文化の普及、向上を目的とする「自然との対話」写真展
�全国主要会館の「創価ライブラリー」の充実と多彩なイベントで、良書との出合いを促進
�民主音楽協会による、多角的な音楽文化活動と各国との文化交流を支援
�東京富士美術館による、国内外における文化の相互交流の活動を支援
�東洋思想、なかんずく仏教の思想・哲学の研究および関連の学際的研究を推進する東洋哲学研究所を支援
�文化本部各部、国際本部各部は、個人の活動を通じて文化・学術の振興に貢献
�各地の音楽隊、鼓笛隊、合唱団は、演奏活動を通じて地域社会の活性化に貢献

7.「教育のための社会」実現へ 人間主義の教育運動を推進
社会全体の教育力向上のために、「教育のための社会」への転換を図るべく、幅広い運動を推進する。

�教育本部は「人間主義」の教育運動を展開
・教育者と地域社会の教育力向上のために、人間教育実践報告大会、教育フォーラム等を開催
・各地で家庭教育セミナーや家庭教育懇談会等を開催して、家庭教育の向上に貢献
�辺地や離島などへの図書贈呈を推進
�世界市民の育成を目指す創価大学、アメリカ創価大学、創価学園を支援
�創価教育に関する国際学術交流を支援
�世界各地の学術機関に設置されている池田思想研究機関と連携
�教育の振興を通して青少年の健全な育成を図る牧口記念教育基金会の活動を支援
�平和、人権、SDGs、人道等に関する展示やワークショップなどの教育ツールを通し、世界市民教育を展開
�平和教育の学習教材を、SOKAチャンネルVOD等を通じて提供

2020年11月12日木曜日

2020.11.12 わが友に贈る

知恵は現場にあり!
一人一人の声に耳を傾け
自分にはない視点から
新たな発想を得よう。
広布拡大も総合力で!

上野殿御返事 P1566
『女子は門をひらく男子は家をつぐ日本国を知つても子なくは誰にかつがすべき、財を大千にみてても子なくば誰にかゆづるべき』

【通解】
女子は他家に嫁ぎ門を開き、男子は家を継ぐものである。日本国を治める身となっても、子供がなければだれに継がせたらいいのか。

名字の言 熱戦が期待される箱根駅伝 2020年11月12日
学生たちの夢がかなうことを願うばかりだ。来年の第97回箱根駅伝の開催が正式に発表された(5日)。前回大会でシード権を獲得した創価大学を含む上位10校、予選会通過10校、関東学生連合の計21チームが出場する。コロナ禍により直前まで予断を許さないが、新春を飾る熱戦を期待したい▼箱根駅伝が誕生したのは、1920年。太平洋戦争による中断を挟みながらも、未来へとつながれてきた大会は、今年で創設100周年を迎えた。来年1月2日のスタートは、新たな歴史の開幕を告げる号砲となろう▼箱根路は平たんな道もあれば、山上りや山下り、連続する急カーブもある。その中で、自身の限界を超えて走り抜き、力を合わせてタスキをつなぐ。箱根駅伝から生まれるドラマには、多くの感動と学びがある。だからこそ日本中の人々を魅了し続けるのだろう▼感染拡大防止へ、さまざまな対策を取りながら無観客で行われる第97回大会。主催する関東学生陸上競技連盟は呼び掛けた。「選手を応援する熱い気持ちは、コース沿道から離れていても届きます」。今回はテレビなどを通して声援を送ってほしい——と▼選手たちにとって箱根は、人生を懸けた挑戦といっても過言ではない。その挑戦を皆で見守っていきたい。(仁)

寸鉄 2020年11月12日
試練との戦いは「未来までの・ものがたり」御書。題目根本に不屈の挑戦を
女子部の日。華陽姉妹の誓いの連帯は今、世界に。「勝利の門」開く青春尊し
聖教電子版、205カ国・地域から接続。見る、聴く、共有する—可能性は無限
朝夕、本格的な寒さに。無冠の友に感謝。呉々も健康第一、無事故第一で
排水管洗浄の問題多し。"格安"のはずが高額請求—甘いうたい文句に注意

〈社説〉 2020・11・12 きょう「女子部の日」
◇教学で信心の芯強き女性と立つ
きょう「女子部の日」を迎えた。淵源は、1961年11月12日、横浜・三ツ沢の競技場に8万5千人が集った第9回女子部総会。席上、池田先生は、信仰と人生の「芯」を確立するために、教学部員になることを女子部に呼び掛けた。
なぜ教学を学ぶのか。先生は語っている。「哲学なき女性は、自分自身の感情を基準とし、『心を師として』しまう危険がある」「御書を学び、行学の二道の軌道を進むとき、自身の生命にも、崩れざる幸福への軌道ができあがっていく」と。
そこには、女子部員は教学を身に付け、一人残らず全員が幸福になってほしいとの思いが込められている。
学会創立90周年を迎える今、女子部は池田華陽会御書30編の読了に力を入れ、教学の研さんに励んでいる。
関東のある女子部教学部長は、コロナ禍で職場の業務量が増え、疲れ果てる毎日に、心が追い付かなくなる時もあった。そんな時、御書を拝し、「深く信心を発して日夜朝暮に又懈らず磨くべし」(384ページ)との一節が心に響き、"人間革命を懸けて信行学の実践に挑戦し抜こう"と誓う。
一人でも多くのメンバーが御書に触れられるよう、拝読会を分県や本部ごとに行い、一人一人とつながっていった。何のために教学を学ぶのかを伝えていくと、御書を意欲的に学び、対話拡大に挑戦しようと立ち上がるメンバーも増えた。自らも折伏に挑戦し、対話を重ねてきた職場の先輩と共に"同盟唱題"を。先輩は、題目をあげる中で、状況が大きく変わっていくことを実感。今、共に励まし合いながら、さらに祈りを深めている。
貿易会社に勤務する女子部本部長。帰宅は深夜に及び、唱題も思うようにできない日々が続いた。しかし、同志の励ましに、苦しい状況を信心で打開しようと決意。真剣に祈る中で、職場環境も変化。得意の語学を生かしながら、誠実に業務に取り組む姿が評価され、教育係を任されるなど、実証を示している。
さらに、9・27「世界青年部総会」では、新たに5人の女子部員とつながり、華陽の連帯を広げた。韓国の友人にも総会に参加してもらうことができ、若き女性のスクラムが海を超えて広がっている。
池田先生は、女子部に期待を込めて語った。「信心の芯強き女性が一人、毅然と立ち上がり、妙法に生き抜いていけば、すべてを幸福の方向に転じ、皆を救っていくことができる」
女性の使命は大きい。なかんずく、正しき幸福哲学を持った女子部には、限りない力と可能性がある。尊き使命を胸に、家庭に、地域に、職場に、希望の連帯を広げていきたい。

☆2021年の年間主要行事
《本部行事》
�「創価学会の日」記念行事
5・3「創価学会の日」を記念する行事を、会館を使用して開催する。
�「創価学会創立記念日」の行事
11・18「創価学会創立記念日」の行事を、会館を使用して開催する。

《記念行事》
以下の記念日に、意義をとどめて行事を開催する。
1・26「SGI(創価学会インタナショナル)の日」
3・16「広宣流布記念の日」
4・2「第2代会長戸田城聖先生命日」
5・19「創価学会常住御本尊記念日」
7・3「第2代会長戸田城聖先生出獄記念日」
8・24「第3代会長池田大作先生入信記念日」
9・8「原水爆禁止宣言の日」
10・2「世界平和の日」
11・18「初代会長牧口常三郎先生命日」

《各種行事》
�支部・地区総会
「支部・地区総会」の開催の有無、開催期間、開催単位、内容等は、方面・県に一任する。
�女子部ロマン総会
2020年12月から2021年1月を女子部「マイ ロマン総会」期間とする。
�婦人部総会
4月から5月に「婦人部総会」をグループ単位で開催する。
�教学試験・教学講座
「教学部教授講座」「教学部任用試験(仏法入門)」を実施する予定。

《勤行法要諸行事》
例年通り以下の行事を予定するが、状況によって開催方法を変更するなど工夫する。
�「日蓮大聖人御聖誕の日」を記念して、方面または県・分県の中心会館で勤行会を開催する。(2月16日)
�「立宗の日」を記念して、方面または県・分県の中心会館で勤行会を開催する。(4月28日)
�「竜の口の法難の日」の意義をとどめ、勤行会を開催する。(9月12日)
�「日蓮大聖人御入滅の日」に滅不滅の意義から勤行会を開催する。(10月13日)

�3月20日を中心に「春季彼岸勤行法要」、9月23日を中心に「秋季彼岸勤行法要」を県・分県の中心会館で実施する。(3月20日、9月23日)
�「諸精霊追善勤行法要」を県・分県の中心会館で実施する。(7月15日または8月15日)
�「世界平和祈念 戦没者追善勤行法要」を方面または県・分県の中心会館で実施する。(8月15日)

�「成人の日」の記念の集いを県・分県の中心会館で開催する。(1月11日)
�「七五三」の記念勤行会を県・分県の中心会館で開催する。(11月15日)
※阪神・淡路大震災「『ルネサンスの日』勤行会」を関西で会館を使用して開催する。(1月17日)
※東日本大震災「福光勤行会」を東北で会館を使用して開催する。(3月11日)

《墓園での勤行法要》
例年通り以下の行事を予定するが、状況によって開催方法を変更するなど工夫する。
○全国の墓園・納骨堂では、「日蓮大聖人御入滅の日」である13日に、毎月、勤行法要を実施する。また、牧口常三郎先生の命日(18日)、戸田城聖先生の命日(2日)に勤行法要を行う。
○春季・秋季彼岸勤行法要を行うとともに、「諸精霊追善勤行法要」(7月15日または8月15日)を実施する。

2020年11月11日水曜日

2020.11.11 わが友に贈る

立ち上がる時は
「いつか」ではない。
「今、この瞬間」だ!
"決意即行動"で
偉大な自分史を綴ろう!

経王殿御返事 P1124
『日蓮守護たる処の御本尊をしたため参らせ候事も師子王にをとるべからず、経に云く「師子奮迅之力」とは是なり』

【通解】
日蓮が、あなた方を守る御本尊を書きあらわしているのも、師子王に劣るものではない。法華経の湧出品第十五に「師子奮迅の力」とあるのはこのことである。

名字の言 病魔を乗り越えた婦人の確信 2020年11月11日
紅葉の秋にも、凜と咲く花がある。通勤途中、鮮やかな大輪の菊が目に飛び込んできた▼御書に「菊は草の後に仙草と見へて候」(1095ページ)と。秋になって他の草が枯れた後に咲く菊は「仙草」(妙なる草)と呼ばれた。この御文に続いて「世の中が乱れている時にこそ聖人と愚人は明らかになる」(同ページ、通解)と。試練の時に人間の真価は光る▼先日、病魔を勝ち越えた婦人から連絡を頂いた。10年前から病気で体の自由が利かなくなり、会合に行きたくても行けない。それでも御本尊を抱き締め、「1ミリでも前へ!」と進んできた。「病でも悪いことばかりではありません。元気で生きていることは大功徳。毎朝、生命あることへの感謝のお題目でスタートします。今日という日があることを当たり前と思わない自分になりました」。婦人の声は晴れやかだった▼「青春」の詩で知られるサムエル・ウルマンはうたう。「輝く陽光と/永遠の昼のみでは/大地の緑は/しぼみ衰える」「涙の水がなければ/歳月を通じて/心の奥底は/希望のつぼみを閉じる」(人生航路の贈物、作山宗久訳)▼冬の訪れを告げる木枯らし1号も既に吹いた。秋の花は、試練の冬に挑みゆく友にエールを送っているように見える。菊の花言葉は「高貴」である。(川)

寸鉄 2020年11月11日
会長の心継ぐ創価の青年こそ時代を導く力—学者君よ人類結ぶ使命を胸に
愛媛の日。師子の信心を共々に!麗しきスクラムで四国広布を堂々と牽引
「人生、行き詰まった時が勝負だぞ!」戸田先生。「必ず勝つ」との祈り強く
医師が免疫力維持で心掛ける事、1位はバランスの良い食事。我らも工夫
コロナの中、介護・福祉に携わる友に感謝!皆様は幸齢社会の光。介護の日

〈社説〉 2020・11・11 きょう「介護の日」
◇携わる全ての人にエールを
きょう11日は「介護の日」。厚生労働省は「介護について理解と認識を深め、介護従事者、介護サービス利用者及び介護家族を支援する」ことを目的の一つとして、この日を制定した。
「介護保険制度」が始まって、今年で20年となる。制度初年度の平成12年度当時、被保険者となる65歳以上の高齢者数は約2240万人で、要介護(要支援)認定者は約247万人であった。
それが直近の報告(暫定数)では、それぞれ約3570万人、約660万人に増加。制度開始時から、介護業界をとりまく状況は大きく変わっている。
介護に従事する職員数も増え、平成29年度の推計は約190万人に上るが、「人手不足」と回答した施設・事業所は35%を超えている(厚労省ホームページなど参照)。
介護への関わり方は、人それぞれである。仕事として、家族として、そして受ける立場として——。
超高齢社会の日本で、その立場を問わず、介護に関わる人が増えていくことは間違いない。いな、誰もが皆、当事者となるのだ。
本紙「介護」のページにも、数々の体験談、苦労話が寄せられている。
どのような関わり方であっても、介護の現場での悩みは尽きることがない。多くが目の前の一人を支えることに精いっぱいであり、そんな献身の姿が日々増え続ける時代を迎えている。
新型コロナウイルス感染拡大で、「在宅介護」「施設介護」にかかわらず、介護現場は一変した。
新型コロナは、高齢者が重症化しやすい。デイサービスなど「通所介護」を中心に、感染リスクを考慮した事業者が休業に踏み切る動きが拡大。
そのため従来のサービスを受けられず、高齢者が心身の機能を低下させるケースも増えている。
休業に伴い、家族が介護の負担増に直面したり、「感染させてはいけない」と慎重なあまり十分にケアできなくなったりする事例もある。
施設介護においても、面会を制限・中止するなど、家族も従事者も、断腸の思いで感染防止に努める。
介護に携わる全ての立場が困難を抱え、「介護崩壊」という言葉がささやかれるほどだ。
そんな中でも、介護に携わる人々は、この難局を乗り越えようと諦めず、必死に奮闘している。それは、目の前にいる人の尊厳なる「生きようとする力」を介護する姿にほかならない。
池田先生は、「真心で尽くし、人格を最大に尊重していくという点で、介護は『人生の聖業』といえる」と語っている。
コロナ禍の危機にあって、不屈の精神で聖業に携わる、全ての人に感謝とエールを送りたい。

☆心に御書を 第86回 障魔は勝利の道を進む証し
〈御文〉
『此の法門を申すには必ず魔出来すべし魔競はずは正法と知るべからず』(兄弟抄、1087ページ)

〈通解〉
この法門を説くと、必ず魔が現れるのである。魔が競い起こらなかったならば、その法が正法であると考えてはならない。

〈池田先生が贈る指針〉
「門家の明鏡」と拝する御文である。正しいからこそ魔が競い起こる。
池上兄弟が2度の勘当を勝ち越えたように、病気の再発など打ち続く苦境は、「絶対的幸福」という大眺望の境涯を開く試練なのである。
障魔の出来は逆転勝利を約束している。この大確信で「難を乗り越える信心」「絶対勝利の信心」を朗らかに貫くのだ!

☆中央会議での原田会長の指導(要旨) 2020年11月2日
◇「一人立つ」決意で次の10年を開こう
◇対話拡大と訪問激励を幹部率先で
一、いよいよ、90周年の「創立の月」を迎えました。新型コロナウイルスという未曽有の試練の中を、励まし合い、工夫しながら、広布を前へ前へと進めていただき、本当にありがとうございます。
池田先生は、創立90周年記念号となった「大白蓮華」11月号の巻頭言で、「わが婦人部の『まこと』の信心あればこそ、創立九十周年の誉れの凱歌があることを忘れまい」と、なかでも婦人部の強盛な信心を最大にたたえてくださいました。婦人部の皆さまの強き祈りと温かな励ましに、重ねて御礼を申し上げます。
これまでも先生は、"創立の精神とは「一人立つ」精神である"と常々、教えてくださいました。広宣流布大誓堂の「広宣流布誓願の碑」には、「11・18」の意義が明確に刻まれています。
「一九三〇年十一月十八日——宿縁深厚なる師弟によりて創価学会は誕生せり」「師の不惜身命の精神を継ぎ、第三代会長として我は立ちたり」
「二〇一三年十一月十八日——先師の魂魄を留め、恩師が広宣流布の指揮を執りたるここ原点の地・信濃町に、第三代の発願し命名せる『広宣流布大誓堂』は建立されたり」
「日蓮大聖人に直結し創価三代に連なる宝友が異体同心の団結で、末法万年にわたる『広宣流布』即『世界平和』の潮流をいよいよ高めゆかんことを、ここに強く念願するものなり」と。
創立90周年の佳節に当たり、私たちは改めて、師弟の精神で一人立たれ、世界広布をこれほどまでに開いてくださった池田先生に、深く感謝をささげたい。
そして、先生が「勝負の時」と言われた新たな10年、師匠の念願のままに、「広宣流布」即「世界平和」の潮流を高くするのは、池田門下の私である——この「一人立つ」決意で、創立100周年へスタートを切ってまいりたい。

◇勇んで語らいへ
一、明年の活動の第1に「希望の語らい——『私の対話拡大』で立正安国の勝利劇を!」と掲げられた通り、次なる10年を開く活動のポイントは「対話拡大」です。
池田先生は、先日の各部代表者会議の折、「開かれた対話」で自ら信頼と連帯を広げてきたことを述懐されるとともに、"民衆の悲嘆を止める仏法の智慧が、今一重深く強く求められる時代が来た""地域と社会の広宣流布、立正安国という勝利の現証を威風堂々と示し切っていこう"と呼び掛けられました。
このコロナ禍にあって、創価学会の「利他の精神」「絆の強さ」「ネットワークの力」を、識者も高く評価しています。さらに明年は、自他共の幸福の道を示す聖教新聞も創刊70周年を迎えます。
自分一人の幸せだけでなく、社会の安穏と繁栄を祈り、行動を起こしていく。自分が縁する人に声を掛け、希望と安心を与えていく。これこそが「地涌の使命」であり、「地涌の実践」です。創立の月・11月から、私たちは勇んで、対話拡大へと踏み出してまいりたい。
「ウィズコロナ時代の知恵」として青年部と医学者の会議でも語り合われていた通り、人と人のつながりの中で幸福感は強まり、人から人へと伝わっていきます。
大事なのは「相手につながろう」という行動であり、「相手を思う」心です。会ってうれしい人もいる。電話で声を聞きたい人もいる。手紙やSNS、オンラインのほうがいい場合もある。ともかく、「友情と仏縁を広げよう」という勇気の一歩から、ドラマは生まれる。そして、思いのこもった一言が、相手の心を動かしていきます。
また、年末年始は遠方の親戚や、ふだん交流できない友人などにも、親交を広げられるチャンスです。感染防止には十分、注意を払いつつ、交流を大きく広げる有意義な友好期間としてまいりたい。
なおコロナ禍にあっての会館使用の状況や、皆で勤行・唱題は行わないという原則を踏まえ、明年の新年勤行会については、各家庭で行うこととし、会館での新年勤行会は行いません。また広宣流布大誓堂での誓願勤行会も、明年2月までは行わないこととします。
池田先生のお誕生日である1月2日、そして3日には、昨年に続き、創価大学駅伝部が箱根路を駆け抜けます。こちらも楽しみにしながら、充実の年末年始友好期間としてまいりたい。

◇一人への励ましを
一、前回の全国方面長会議で、「学会を強くする根本は訪問激励である」ことを改めて確認し、強力に進めてきました。各地の皆さまの奮闘に、心から感謝申し上げます。
明年の活動の第2に、「希望の励まし——『私の訪問激励』でわが地区を勝利城に!」と掲げられた通り、今後も訪問激励の充実に努めたい。
明年は「大阪の戦い」から65周年でもあります。あの「まさかが実現」への出発は1956年1月4日、関西本部常住の「大法興隆所願成就」の御本尊への、池田先生の強き祈りからでした。そして、翌1月5日は徹底した個人指導をされました。この「強き祈り」と「一人への励まし」から、先生の初陣は勝利への回転を始めたのであります。
私たちも新たな10年の初陣に当たり、改めて「強盛なる祈り」と「一対一の個人指導・訪問激励」から出発してまいりたい。
リーダーが率先して日々、新たな広布史を刻む思いで、拡大と激励に動いていきたいと思います。
一、御金言に「釈迦仏は・我を無量の珍宝を以て億劫の間・供養せんよりは・末代の法華経の行者を一日なりとも供養せん功徳は百千万億倍・過ぐべしとこそ説かせ給いて候」(御書1578ページ)とある通り、仏意仏勅の教団である創価学会を守り、広布を進める財務の福徳は厳然です。
ましてコロナ禍で大変な経済状況の中での赤誠の供養が、大きな功徳を積むことは間違いありません。
真心込めて、広布部員証と記念品を丁寧にお渡ししながら、最大の励ましを送っていきたい。
一、毎月の座談会についても、皆で元気に集い合えた喜びの声が、陸続と届いています。会館に加え個人会場や個人宅で、座談会や協議会を行う所も増えてきました。
会場提供の功徳は、無量無辺です。私たちは、会場提供者の皆さまに、これまで以上に感謝し、これまで以上に配慮してまいりたい。
そして、「わが地区の座談会のなかにこそ、学会の実像がある」との指針通り、「信心の体験と確信に満ちているか」「参加者が増えているか」と、全地区が座談会の充実に取り組みながら、本年の総仕上げから明年の出発へ、勢いよく進んでまいりたい。
何より私たちの希望と勝利の源泉は、まさしく小説『新・人間革命』です。『新・人間革命』を学びながら、自身の人間革命に挑戦したい。
そして、皆が「私の対話拡大」「私の訪問激励」で広布を進める主体者としての決意に燃えて、100周年へ勇躍の前進を開始しようではありませんか。

2020.11.10 わが友に贈る

薄暗い夕暮れ時や
夜間の交通事故に注意!
"ながら運転"の禁止や
早めのライト点灯など
安全への基本を怠らず。

日女御前御返事 P1249
『宝塔品の御時は多宝如来釈迦如来十方の諸仏一切の菩薩あつまらせ給いぬ、此の宝塔品はいづれのところにか只今ましますらんとかんがへ候へば、日女御前の御胸の間八葉の心蓮華の内におはしますと日蓮は見まいらせて候』

【通解】
宝塔品の儀式には多宝如来・釈迦如来・十方の諸仏・一切の菩薩が集まったのである。その宝塔品が今、どこにあるかと考えてみるとそれは日女御前の胸中・八葉の心蓮華の中にこそあると日蓮はみるのである。

名字の言 「訪問激励」が教えてくれること 2020年11月10日
地域の友の訪問激励へ。よく知っているつもりの相手でも、じっくり対話すると、知らなかった面を教えられることが多い▼「楽天さん!」と皆から親しまれている、明るく快活な壮年を訪ねた時のこと。「実はね……」と体験を語ってくれた。昔、幼い娘を交通事故で失った。職場のリストラも経験した。幾つもの試練を乗り越えてきたゆえの"明るさ""快活さ"だったのだ▼脳出血の後遺症で車いす生活を送る壮年のお宅へも。すると、「病気になったおかげで"本当の病"に気付くことができた」と。親の代からの資産家で、かつては悠々自適の生活だった。地区の友が学会活動に誘っても、「もっと稼いでから来い」と悪態をつく始末▼毎晩のように遊び歩いた。そして、倒れた。その時、真っ先に駆け付け、親身に励ましてくれたのは、地区の友だった。初めて分かった。人の痛みが。同志の真心が。「自分の慢心とおごりこそが"本当の病"だったんです。この信心で、人に感謝し、尊敬できる自分になれました」。赤裸々な体験と含蓄ある言葉に感動した▼広布の最前線は、心の財を積める出会いにあふれている。徹底して"一人"のもとへ。誠実に、友の声に耳を傾けたい。語り合い、励まし合い、心を結び合いたい。(実)

寸鉄 2020年11月10日
差異超えて友情結ぶ学会と進みたい—識者。勇み対話へ!分断時代を変革
静岡県太陽の日。混迷の今こそ正義の同志が輝く時。励ましの光を社会へ
共戦の香川が「県の日」。我らは永遠に師と共に!新たな拡大史をここから
運命はおのが手で切り開くべきもの—文豪。宿命転換の仏法。強き一念で
就寝前に携帯に熱中する人、20代の4割超。安眠の妨げに。自分で規則決め

☆心に御書を 第85回 信仰の喜びを語りゆけ
<御文>
『経とは一切衆生の言語音声を経と云うなり、釈に云く声仏事を為す之を名けて経と為すと』(御義口伝、708ページ)

<通解>
(南無妙法蓮華経の)経とは一切衆生の言語音声をいうのである。章安大師の釈には「声が仏の働きをする。これを名づけて経という」とある。

◇池田先生が贈る指針
声は力だ。声で仏の仕事ができる。若き地涌の丈夫が語れば、希望が生まれ勇気が漲る。仏縁が結ばれ連帯が広がる。
特に体験談ほど胸を打つ響きはない。話が上手でなくても、誠実に語る信仰の喜びは友の仏界の生命に届くのだ。
わが男子部よ、確信の声で"未来までの勝利の物語"を自他共に創り、伝えゆけ!

☆11月度座談会拝読御書 異体同心事
◇拝読御文
『日本国の人人は多人なれども体同異心なれば諸事成ぜん事かたし、日蓮が一類は異体同心なれば人人すくなく候へども大事を成じて・一定法華経ひろまりなんと覚へ候、悪は多けれども一善にかつ事なし、譬へば多くの火あつまれども一水にはきゑぬ、此の一門も又かくのごとし』(御書全集1463ページ5行目〜7行目、編年体御書792ページ5行目〜7行目)

◇[池田先生の指針から] 妙法こそすべてを結ぶ善の原理
大聖人は本抄で、妙法の力を現して悪と戦い、前進する大聖人の一門を「一善」と表現されています。
妙法こそ、すべてを結びつけて、いかなる悪をも滅していける「唯一の善の原理」だからです。
「分断は悪」「結合は善」です。
仏界の生命は、すべてのものが互いに結びつく宇宙の実相を悟った智慧で、現実を生きていく生命です。
仏とは、分断の悪にあえぐ人間たちが織り成す現実の中で、人間と人間を結びつけ、安国の理想実現に尽力しつつ、全人類の平和を目指していく価値創造の生命に他ならない。
ゆえに「悪は多けれども一善にかつ事なし」と仰せです。
善の太陽が昇れば、いかに深い悪の闇も、直ちに、そして必ず滅します。
「一善」とは、大聖人の一門のことです。
それは、大聖人の一門にこそ、障魔との戦いを恐れず、妙法という根本の善を弘通しぬく戦いに徹する決意と実践があるからです。
私たちは、法華経の理想を実現する広宣流布の戦いに生きています。
誰にどう批判されようと、「民衆の力」を解放し、「民衆の時代」を築くために、汗を流し、足を鉄板のようにして歩き、岩盤に爪を立てる思いで戦ってきたのは、創価学会だけです。その事実があるからこそ、世界からの賞讃が絶えないのです。
一面から言えば、私たちが築いてきた「異体同心」の哲学と実践は、今、世界で注目される段階になったともいえます。(中略)
「善」と「善」の連帯を築き上げていく、私たちの「異体同心」の実践を、世界が待望しています。どこまでも、威風堂々と前進し、勝利の歴史を築いていきましょう。(『希望の経典「御書」に学ぶ』第3巻)

◇一人一人が輝く麗しい団結を 尊い仏子を敬う
日蓮大聖人が広宣流布実現の最大の力として示されたのが、「異体同心の団結」です。
「異体」とは、それぞれの個性や特質が異なっていることです。
「同心」とは、志や目的を同じくすることです。
大聖人の仏法を実践する私たちにとって「異体同心」とは、互いの違いを認め合い、尊重し合いながら、広宣流布という大目的に向かって心を合わせることといえます。
一般的に団結とは、共通の目標を達成するための「手段」と考えられます。しかし、創価の「異体同心の団結」は、自他共の幸福を築く麗しい連帯であり、それ自体が広宣流布の「目標」ともいえます。
「団結しよう」と言うだけで、容易に団結することはできません。だからこそ、大切な広布の組織を守り、絆を結ぶ努力が欠かせません。
大聖人は、「法華経を持つ者をば互に毀るべからざるか、其故は法華経を持つ者は必ず皆仏なり仏を毀りては罪を得るなり」(御書1382ページ)と仰せです。妙法を持つ同志は、皆が尊い仏子です。互いに尊敬し励まし合いながら、広布に前進することで、麗しい団結が築かれていくのです。
戸田先生は「異体同心の心は、信ずる心です。信仰が同じという意味です」と述べています。
つまり、単に仲が良いといった次元にとどまらず、お互いが妙法を根本とした不退の信心を持つことが、信心の団結においては重要なのです。
コロナ禍で生活様式が大きく変わろうとする今、一人一人の幸福を願う発露から、創意工夫を重ねて行学の実践に励む学会員の信心によってこそ、異体同心の団結が築かれるのです。

◇広布に心を定め
「異体同心」の反対が、「体同異心」です。
大聖人は、命に及ぶ迫害を何度も受けられ、その弾圧は門下にも及びました。迫害する者たちは「反大聖人」という点で結託しているように見えて、利害も思惑もバラバラの「体同異心」でした。
これに対し、少数であっても信心の団結があれば、「大事を成じて」「一定法華経ひろまりなん」と、打ち勝つことができると仰せです。
すなわち、広宣流布の伸展を決定づけるのは、人数の多少ではなく、広布に心を定め、心を一つにできるかどうかです。一人一人の持てる力が足し算ではなく、あたかも掛け合わされるように発揮されることで、前進の力は何倍にも増します。
その上で心すべきは、広宣流布は仏と魔との闘争であるということです。広布を阻もうとする魔の働きは、人々の心を分断させます。
だからこそ、「悪は多けれども一善にかつ事なし」との仰せを心肝に染めていくことが大切です。異体同心の仲良き団結で広布にまい進する限り、あらゆる障魔を打ち破り、必ず勝ち越えていけることを約束されています。
「一善」の勢力こそ大聖人一門であり、現代においては創価学会です。わが地域に善の連帯を広げ、学会創立90周年の「11・18」を晴れやかに迎えていきましょう。

2020年11月9日月曜日

2020.11.09 わが友に贈る

新聞休刊日

御義口伝巻上 P735
『酒は無明なり醒むるは法性なり法は酒なり妙は醒めたり妙法と唱うれば無明法性体一なり』

【通解】
酒は無明、迷いであり、さめていることは法性、悟りである。妙法の「法」は酒、すなわち無明であり、「妙」はさめていること、すなわち法性である。南無妙法蓮華経と唱えれば無明と法性、迷いと悟りは、その体が同じであることを悟るのである。

☆「わが愛する青年に贈る」に学ぶ 第1回 勇気〈上〉 「今」を勝つ一念が一切を変える 志賀青年部長
新連載「紙上教学研さん『わが愛する青年に贈る』に学ぶ」では、「大白蓮華」に掲載された池田先生の「世界を照らす太陽の仏法」の中から、男女青年部への御書講義を収めた書籍『わが愛する青年に贈る』を学びます(各テーマにつき上下の2回。合計10回連載)。第1回は「勇気——『今』を勝つ一念が一切を変える」をテーマに、志賀青年部長と共に研さんします。(<下>は21日付に掲載の予定。先生の講義は『わが愛する青年に贈る』から引用)

◇池田先生の指導
瞬間瞬間を逃さず、全力を尽くす。
題目を唱えて、懸命に戦い抜く。
この精進行にこそ、
仏法の「勇猛精進」の真髄がある。

1 世界へ広がる創価の師弟
今回の教材『わが愛する青年に贈る』は、北中南米やオセアニア、欧州、アジアなど、世界中で学ばれています。同書に池田先生は綴られました。「私は、今、世界広宣流布の一切を託すべき男女青年部に、御書に学ぶ"人間王者のリーダー学""青春凱歌の人間学"を語り伝えていきたい」と。先生のお心を深く胸に刻みながら、世界の同志と共に、創価後継の精神を学びましょう。
第1回のテーマは「勇気」です。先生は、その真髄が「勇猛精進」にあると述べ、恩師・戸田城聖先生との思い出を語ってくださいました。

■ 池田先生の講義
「75万世帯達成」が発表された師走、(戸田)先生は私に言われました。「大作、あと7年で、200万世帯まで戦いたい」と。
ところが、先生は、その2カ月後には、さらに目標を高く上げ、「300万世帯だ」と語られました。大きな山を越えて、また戦うのだ! まだまだ戦い続けるのだ!
止まることを知らぬ、わが師の闘魂を仰ぐたび、共戦の弟子もまた、自身の境涯が大きく広がり、勇気百倍、断固、戦うことができたのです。
(「大白蓮華」の)巻頭言で先生は、大難が競うことを予見し、「いかに敵が強くても、恐れてはならない。従ってはならない」と、勇敢な信心に立つことを訴え、大切な学会員が「広宣流布の大道を、勇猛精進せられんことを祈ってやまないものである」と綴られました。
—◆—
いかなる難があろうと、勇敢な信心で戦い続ける。この勇猛精進の原動力こそ「師弟」であることを池田先生は教えてくださっています。
本年9月の世界青年部総会を目指し、各国の青年リーダーたちとオンライン会議を重ね、「世界青年部歌」の制作に取り組んだ時のこと。新型コロナウイルス感染症が極めて深刻な状況にあった国のリーダーが、感極まった表情で語ったことが忘れられません。「この苦難を必ず乗り越え、勝ち越えて、先生にお応えしたい!」「メンバーに勇気と希望を送る歌を作りたい!」と。「わが国土を断じて幸福と平和の楽土に!」と誓う皆の胸には、師匠への報恩の思いが脈打っていました。
このように、60年前の海外初訪問以来、先生がまいてこられた"平和の種"は、世界中で青年の陣列となって咲き薫っています。
"地涌の菩薩とは私たち一人一人である"との自覚、"私が広宣流布をやる"との決意にあふれた世界青年部総会は、学会創立100周年となる2030年へ出発を切る「師弟誓願の会座」となったのです。

2 不可能を可能にする人生とは
池田先生は「わが愛する世界の青年たちに、最初に、この一節を贈りたい。不二の命に刻み、創価の闘士の魂を受け継いでもらいたいからです」と語り、「御義口伝」の一節を講義してくださいました。

【御文】
一念に億劫の辛労を尽せば本来無作の三身念念に起るなり所謂南無妙法蓮華経は精進行なり(御義口伝、御書790ページ7行目)

【現代語訳】
億劫(きわめて長遠の間)にわたって尽くすべき辛労を、わが一念に尽くしていくなら、本来わが身に具わっている、無作三身という仏の生命が瞬間瞬間に現れてくる。南無妙法蓮華経というのは精進行である。

■ 池田先生の講義
いかなる苦難の嵐があろうが、妙法の信心に励み抜くこと。
広宣流布の戦いに徹し抜くこと。そして、最高に価値ある人生の真髄の道を歩み抜くこと。
そうすれば、わが胸中に、必ず偉大にして自在の仏の生命が薫発されていくと約束されている御文です。
—◆—
池田先生が戸田先生から「命に刻んでおきなさい」と言われた重要な御文です。戸田先生の事業が苦境に陥った時も、「大阪の戦い」の時も、池田先生はこの御聖訓を胸に、"不可能を可能に"してこられました。
私たちは自身の目標や課題に対して、真剣であるからこそ壁にぶつかり、悩みます。予期せぬ苦難が襲ってくれば、なおさらです。この御文は、悩みこそ自身の可能性を開く源であると拝せられます。
私が大学生の頃、祖父ががんを患いました。家計を助けるため、私は学業を断念しようかと悩みました。しかし家族と話し合う中、皆で一丸となって信心で立ち向かおうと決意。私は自身の本分を忘れず、勉学と学会活動に打ち込みました。そして、あるNGOのインターンシップ(就業体験)で海外に行く機会に恵まれ、この経験が生きて第1志望の会社に就職できたのです。
私が入会に導いた友人も、信心で人生を切り開きました。入会当初の彼は、体調を崩しやすく、収入も不安定。将来の展望もありませんでした。牙城会大学校(当時)に入校した彼は、仏法対話に挑戦。折伏が実らず、何度も悔しい思いをしました。また勤務先から突然、解雇されたこともありました。試練に遭うたび、私は彼と一緒に勤行・唱題を重ねました。
その後、彼は創価大学の通信教育部で学び、小学校教員に。今、教育現場の最前線で奮闘しています。彼が「信心したおかげで、こんなに幸せになれた」と語ってくれたことが、私の何よりの喜びです。

3 「今この瞬間」を勝ち切ろう
続いて先生は「億劫の辛労」について言及し、こう指導されています。

■ 池田先生の講義
「億劫の辛労」とは、"長遠なる時間にわたる辛く苦しい努力"です。いつ終わるとも知れない無限の労苦とも、受け止められるかもしれない。
しかし、大聖人は、この「億劫の辛労」は、妙法を唱え戦う、瞬間瞬間のわが一念に尽くせるのだと、大転換して教えてくださっています。億劫にわたる辛労を、この一瞬の一念に凝縮する。言い換えれば、いかに「今この瞬間」を勝ち切るかを離れて、「億劫の辛労」を尽くす道はないのです。
御書に「師子王の剛弱を嫌わずして大力を出す」(992ページ)と仰せのように、師子王は、いかなる相手、いかなる時であっても全力を奮い起こすといいます。相手を侮って力を出し惜しみすることなどしません。
だからこそ、目の前の瞬間瞬間を逃さず、全力を尽くす。題目を唱えて、懸命に戦い抜く——この精進行にこそ、仏法の「勇猛精進」、すなわち勇気の真髄があると拝したい。
「勇猛精進」によって、「無作三身」という本来、わが生命に具わる、仏の慈悲と智慧、そして真実の力が泉の如く湧き上がってくるのです。
—◆—
悩みの渦中にいると、出口の見えないトンネルに迷い込んでしまったような気持ちになります。そんな時、どう立ち向かえばいいのか。
池田先生は、目の前の課題から逃げずに、今この瞬間に全力を尽くす大切さを教えてくださいました。
私は大学卒業後、電機メーカーに就職し、希望だった海外営業部に配属されました。しかし2年目に後方支援の部署へ異動となり、仕事内容や人間関係に悩みました。その時、学会の先輩から小説『新・人間革命』の一節を教えていただきました。「仕事とは挑戦なんです。そう決めて、職場の勝利者をめざして仕事に取り組む時、会社は、自分を鍛え、磨いてくれる、人間修行の場所となります」(第15巻「創価大学」の章)
いつの間にか現実と向き合えなくなっていた自身の弱さに気付きました。それからは"朝勝ち"を心掛け、朝の勤行・唱題の際に、その日の仕事の目標と、会合参加や対話など学会活動の目標を決めました。多忙で時間がないからこそ、「一念に億劫の辛労」を尽くす思いで、一日一日を無駄にしませんでした。
異動から3年後、海外営業担当に復帰。前の部署で築いた信頼関係が生かされ、復帰1年目で大きな結果を出すことができたのです。
どんな苦境に立たされても、たとえ一旦は立ち止まるようであっても、心では逃げない。必ず活路を開くとの日々の祈りと奮闘で、一つ一つ壁を破ることができます。さらに、苦難の中でもがいたことさえ、不思議と後に生きてきます。だからこそ、学会員の生き方には行き詰まりがないと確信しています。

4 苦難にも嘆かず恐れず臆さず
先生は「仏法の勇気」について、こう教えてくださっています。

■ 池田先生の講義
勇ましく振る舞うだけが、勇気ではありません。仏法の勇気には、真実を「如実知見」し、勝ち越えていく智慧があります。
病気や事故、死魔、経済苦、人間関係等、人生には、思いもよらない試練や、直視するのも恐ろしい苦難が次々と襲いかかる。絶望の底に突き落とされるような宿業の嵐に見舞われることもあります。しかし、如実知見——信心の眼を開くなら、誰もが本来、金剛不壊の仏の生命を具えており、妙法を唱えていけば、仏の生命力を顕現してすべてを乗り越え、真実の幸福境涯を確立していける——。
それゆえに、創価学会には、ありとあらゆる熾烈な人生の現実に、真っ正面から挑戦する人間革命のドラマがあります。
—◆—
真実を「如実知見」するとは、私たちでいえば、あらゆる人々がもつ仏の生命を、そしていかなる障魔の本質をも、信心の眼で見抜くことでしょう。とはいっても、それは容易なことではありません。
先日、私と同世代の青年に、この十数年の宿命転換のドラマを伺いました。彼は大学卒業後、児童養護施設で働き始めました。施設では、事情により家庭で育てられない子や虐待を受けた子などが集団生活をしています。他人に暴力を振るう子、万引きを繰り返す子もいます。厳しい現実にぶつかり、彼はいつしか燃え尽き症候群となってしまいました。職場に行くのがつらい。子どもに会うのが怖い。何もしたくない……。そんな日々が半年ほど続きました。
ある日、「聖教新聞」の池田先生の言葉が目に留まりました。「何のために生きるのか。その一点を忘れてはならない」。その時、彼は"子どもの未来を応援したい"との原点を思い出したのです。以来、子どもに真っすぐ向き合えるようになりました。家族の借金問題やスキルアップのための転職などの悩みを信心で打開し、現在は大学病院でソーシャルワーカーとして活躍しています。
苦しい時ほど、師の言葉に触れると信心の眼が開き、自身の境涯が広がります。青年部はこれからも、先生の指導を学び、障魔を乗り越えゆく勇気の前進を重ねていきます。

■ 池田先生の講義
障魔や苦難の試練にも、嘆かず、恐れず、臆さず、勇敢に堂々と挑み、祈り、戦い勝ってきた「庶民の英雄」が無数に光っています。あの地にもこの地にも、勇気の宝冠を戴いた宿命転換の王者が、桜梅桃李の福徳の女王が、広宣流布のために活躍しているのです。

◇さらなる研さんのために
本連載で学ぶ『わが愛する青年に贈る』は、「大白蓮華」に連載中の池田先生の講義「世界を照らす太陽の仏法」の中の、男女青年部への御書講義を収録した書籍です。本社刊。713円(税込み)。全国の書店で発売中。聖教ブックストアへの電話でも注文できます(0120-983-563、平日9時〜17時)。コンビニ通販サイト「セブンネットショッピング」「HMV&BOOKS online」での注文、受け取りも可能。電子書籍でも好評発売中。

2020年11月8日日曜日

2020.11.08 わが友に贈る

◇今週のことば
「師子王は百獣にをぢず」
試練の時代こそ胸を張り
我らは勇気で進む。
価値創造の智慧で開く。
題目の師子吼で勝つ!
2020年11月8日

女人成仏抄 P471
『経文には一人一日の中に八億四千念あり念念の中に作す所皆是れ三途の業なり等云云』

【通解】
経文には「一人の人間が一日に思うことがらは八億四千もある。それらの次々に起きては消える思いの一つ一つは全て三悪道へとおちる悪業である」とあります。

名字の言 机の中にあった1枚の写真を見て 2020年11月8日
机の引き出しを整理していると、思いがけず1枚の写真が出てきた。学生部時代に同志と開催した集いの成功を記念して撮ったものだった。瞬時に"あの日"の感動がよみがえり、今日までの年月を思い返し、これからもあの日の決意のままに頑張ろうと気持ちを新たにした▼"過ぎし日のある瞬間"を収めた写真を見る人は、瞬時に過去、現在、未来へと思いをはせる。写真が永遠性を一瞬に収めたものであり、一瞬を永遠に刻み残すものであるからだろう▼仏法の永遠の生命観から見れば、一生といっても一瞬である。しかし、その一瞬にすぎない今世における信心で、"永遠の幸福が開けるか否か"が決まる、と仏法では説いている▼写真家の土門拳は、正しい「シャッターチャンス」とは、写真の見栄えなどではなく、写す対象の本質が最も出ている瞬間のことだと論じた。そのチャンスをつかむには「自分を据えてカメラを通して、いかに人生観と直結するかという根本の考え方、態度を確立しなければならない」(『写真作法』ダヴィッド社)と▼ならば、この一期一会の出会い、この一本の激励の電話、成長を誓い合う決意のこの一言……。広布に生きる瞬間瞬間に、自他共の幸福を永遠に開きゆく因があることを心に刻みたい。(代)

寸鉄 2020年11月8日
一人一人の前進が創価の勝利!11・18まで10日。創立90周年飾る挑戦を今
奈良の日。我らの勇気の信心で新たな拡大の歴史を!偉大な常勝関西の柱
各地で男子部体験談大会たけなわ。確信の言葉に勝るものなし。堂々語れ
さいわいは心よりいでて我をかざる—御書。友を称え励ます人に福徳無量
利他的な心を持つ人ほど幸福を感じやすい—研究広布の人生は大歓喜の道

〈社説〉 2020・11・8 あすは「換気の日」
◇ますますの対策で新たな出発
あすは、11(いい)9(くうき)にちなんだ「換気の日」。換気の知識や理解を深める日として、1987年(昭和62年)に一般社団法人・日本電気工業会(JEMA)によって定められた。
プライバシーや災害への耐久性の観点から、気密性の高い住居が増えた現在は、換気扇の使用や窓の開放など、換気を意識的に心掛けることが大切だ。人体に有害な二酸化炭素やハウスダストを室内から追い出すことができる。
換気を行う上で重要なのは、時間よりも回数。30分から1時間ごとに、数分程度、2方向の窓を開けるのが目安。また5〜15センチほど開けるだけで、外の冷気が下から中へ、部屋の暖気が上から外へ流れ、短時間で換気ができるという(温暖差換気)。
新型コロナウイルス感染拡大に伴い、換気は3密(密閉・密集・密接)を回避するための習慣として、身近に定着しつつある。これからの季節には、インフルエンザなどの感染症にも注意が必要だ。
厚生労働省で直近に行われた専門家による会合では、各地の新たなクラスター発生などを受け、国内の新型コロナ感染は依然として「微増傾向が続いている」と見解を示した。観光や飲食、イベントの興行を促す「Go To キャンペーン」の推進によって、外出への機運が以前より高まってきてもいる。
御書には、「さきざきよりも百千万億倍・御用心あるべし」(1169ページ)とも仰せである。「自分だけは大丈夫」といった油断を排し、マスクの着用や手洗いなど、自分にできる感染対策をますます徹底しながら、新たな日常を有意義に過ごしていきたい。
こうした中、一人一人とお会いして励ましを送る家庭訪問が再開された。ある学生部のリーダーは、これまでオンライン会合上でしか顔を合わせられなかった1年生のメンバーのもとを初めて訪れた。リーダーの2度目の「はじめまして」に、「やっと会えましたね!」とマスク越しに笑顔がはじける。粘り強い励ましに奮起したメンバーは、友人との仏法対話に挑戦するようになった。
「広宣流布は、自分が動いた分だけ拡大していく」。池田先生の思いに立ち返り、わが地域、わが組織にさわやかな励ましの風を送っていきたい。
16日からは座談会の週が始まる。肌寒くなる季節。参加ができない友にも最大限に配慮しながら、室温調節など無事故の運営を心掛けていきたい。換気をはじめ基本的な対策から、ウイルス感染防止への注意を"喚起"すると共に、学会創立90周年を飾り、明「希望・勝利の年」への出発となる集いとしよう。

☆世界広布新時代第47回本部幹部会への池田先生のメッセージ
◇我らは「時」に巡り合った家族
一、戸田先生は、「時にあい、時にめぐりあって、その時にかなうということは、生まれてきたかいのあるものであります」と、「時にめぐりあう喜び」を語られました。
今、私たちが「創立90周年」という不思議な時にめぐりあい、共々に祝賀できることは、この上ない喜びであり、誉れであります。
日本全国、全世界の尊き貴き創価家族の一人一人に、私は満腔の感謝を捧げたい。とともに、この90年、広宣流布の陣列に連なり、亡くなられた全ての同志、ご家族、友人方へ、追善の題目を懇ろに送らせていただきます。

◇1985年に牧口先生を偲び認めた一書
一、今日は、35年前の1985年、創立55周年を記念して、殉教の牧口先生を偲び、認めた一書を贈りたい。
「大心」——「大きな心」「大いなる心」という書であります。
戦乱と貧困と病苦の渦巻く時代に、牧口先生は叫ばれました。
「宗教革命によって心の根底から建て直さなければ、一切の人間社会の混乱は永久に治めることができない」と。
そして、日蓮仏法を高らかに掲げて、民衆の「心」に、限りなき勇気と智慧と慈悲の太陽を一人また一人と昇らせていかれました。
牧口先生は、軍部政府の弾圧で3畳の狭く寒い独房に囚われても「心一つで地獄にも楽しみがあります」と記されております。
まさに「大難来りなば強盛の信心弥弥悦びをなすべし」(御書1448ページ)との御聖訓さながらの大闘争でありました。
どんな試練があろうとも、妙法と共に一切を変毒為薬して、大きく強く、賢く明るく、自在に価値を創造していく「創価の大心」を、創立の先師は命を賭して、後継の弟子に示し託してくださったのであります。

◇新鮮な価値創造こそ創価の生命
一、明年は、牧口先生の生誕満150年、戸田先生の会長就任70周年であり、平和と幸福の太陽たる婦人部、また全世界に連帯を広げた本門の地涌たる男女青年部の結成70周年でもあります。
さらに牧口・戸田両先生の悲願であった創価大学は創立50周年、そして共に21世紀の希望の光と輝くアメリカ創価大学も開学20周年を迎えます。
「妙とは蘇生の義」(同947ページ)と仰せの通り、創価の生命は、いつでも、どこでも、生き生きと若々しく、新鮮な価値創造の前進であり、開拓であります。
そこで、幾重にも意義深き「希望・勝利の年」の1月の本部幹部会は、心機一転、創立100周年へ向けての「第1回」として新出発することを提案したいけれども、みんな、どうだろうか!(大拍手)

◇立正安国の誓願へ異体同心で
一、さらに明年は、御本仏・日蓮大聖人の御聖誕800年であります。
大聖人は、「大地はささばはづるるとも虚空をつなぐ者はありとも・潮のみちひぬ事はありとも日は西より出づるとも・法華経の行者の祈りのかなはぬ事はあるべからず」(同1351ページ)と宣言されました。
我らは大聖人の正統として、大地も大空も、大海原も太陽も、大宇宙までも包みゆく「大きな心」で、広宣流布・立正安国という最も気高く最も大きな祈りを貫き通し、一つ一つ誓願を叶えてまいりたい。

◇「歓喜の中の大歓喜」を自他共に
法のため、友のため、社会のために大きく悩み、苦労して戦った分、大きく心の財を積み、「歓喜の中の大歓喜」の大境涯を自他共に開いてゆけるのが、人間革命のドラマであります。
我ら創価の師弟は、桜梅桃李の一人一人を励まし照らす異体同心の団結で、苦難に立ち向かう地球社会に「大いなる希望」を贈り、人類の宿命転換という「大いなる心の勝利」へ勇猛精進することを朗らかに決意し合っていこうではありませんか!
全宝友の健康長寿と和楽安穏、福徳無量をひたぶるに祈り、題目を送ります。みな、お元気で!(大拍手)

☆第47回本部幹部会配信スタート SOKAnetでも視聴可能
◇きょう7日午後4時から15日まで
世界広布新時代第47回本部幹部会の全国中継が、きょうから始まる。新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえ、従来の会館や個人会場(中継の会場と時間は各県・区で決定)に加え、「モバイルSTB」でも視聴可能となる(インターネットを通してダウンロードが必要)。
創価学会公式ホームページ「SOKAnet」でも視聴できる(こちらからアクセス可能)。SOKAnetでの配信期間は、きょう午後4時から15日(日)まで。
※スマートフォンやタブレットを利用する際は、ご契約の通信プランによって、別途、通信料金がかかる場合があります。また、視聴ページのあるYouTubeには、本部幹部会とは関係のない動画が表示されることもあります。ご注意ください。

2020年11月7日土曜日

2020.11.07 わが友に贈る

同志の努力と奮闘を
「仏を敬うが如く」
最大に労い 称えよう!
皆を包む大いなる心に
創価の人間主義は輝く。

白米一俵御書 P1596
『いのちと申す物は一切の財の中に第一の財なり』

【通解】
命というものは一切の宝の中で第一の宝である。

名字の言 雑草を見て感じた仏法の「平等大慧」 2020年11月7日
すっかり肌寒くなった雨上がりの朝。最寄り駅に向かう道で、一本の草に目が留まった。アスファルトの割れ目から懸命に茎を伸ばしている▼いつから生えていたのか。背丈は20センチくらい。緑の葉を雨露にぬらし、秋の日差しに照らされてキラキラと輝いている。ほんの少しの隙間さえあれば命を芽吹く雑草のたくましさに、しばし時間を忘れ、見入ってしまった▼名もなき草が、どんな場所からも命を育むことができるのは、太陽の光と雨の恵みが、相手を選ばず、平等に降り注ぐからこそである。それゆえに仏法では、一切衆生を分け隔てなく成仏させようとする仏の慈悲を、太陽や雨に例えている▼"どうせ自分なんて……""もう仕方がない"と、自分で自分を卑下し、諦めてはいけない。どんな状況にあろうとも、自他共の可能性を信じ抜く限り、妙法によって生命の無限の力が、幸福の未来が、必ず開かれていく。平等大慧の仏法である▼かつて池田先生は「雑草」と題した長編詩を詠んだ。「かれは生きる 羅列して 緑の素肌のままに 強く生きる 秋霜にも慄えず 不撓の意志と 天性のしなやかな反発力をもって かれは愉快に生きぬく」。華やかさはなくとも、懸命に生きる不屈の姿が、いつか誰かの希望となる。(之)

寸鉄 2020年11月7日
「確信のあるところには、おのずから情熱が湧く」恩師。誓願の題目で前へ
東京婦人部の日。本陣の太陽ありて広布は前進。励ましの陽光を地域に!
東京・大田「正義の日」。師弟直結の常勝の人材城を築け!世界の鑑と光れ
きょう立冬。換気、湿度を保つ等、感染予防を励行。寒さ増す今こそ再確認を
森林破壊等が動物由来の感染症招く—報告。人類を守る共生の思潮を拡大

☆ONE GOSHO 撰時抄
◇広布拡大の「一滴」に
間もなく創価学会創立90周年となる「11・18」の佳節を迎える。学会は今日まで、日蓮大聖人に直結し、仏意仏勅の教団として、世界広宣流布を現実の上で進めてきた。今回は、創価三代の師弟に流れ通う「一人立つ」精神を学ぶ。

◇御文
『衆流あつまりて大海となる微塵つもりて須弥山となれり、日蓮が法華経を信じ始めしは日本国には一滞・一微塵のごとし、法華経を二人・三人・十人・百千万億人・唱え伝うるほどならば妙覚の須弥山ともなり大涅槃の大海ともなるべし』(御書288ページ)

◇通解
多くの川の流れが集まって大海となり、小さな塵が積もって須弥山となったのである。
日蓮が法華経を信じ始めたのは、日本国にとっては、一滴の水、一粒の塵のようなものである。やがて、二人、三人、十人、百千万億人と、人々が法華経の題目を唱え伝えていくならば、妙覚の須弥山ともなり、大涅槃の大海ともなるであろう。

◇背景
本抄は、建治元年(1275年)、日蓮大聖人が身延で著され、駿河国(静岡県中央部)の西山由比(由井)氏に与えられたとされている。
この前年、蒙古が襲来。大聖人が「立正安国論」で予言された他国侵逼難が現実となり、社会が騒然とする中で認められた。題号の「撰時」は、「時を撰ぶ」、すなわち「広宣流布の時として末法を選び取る」との意である。
本抄で大聖人は、末法は法華経の肝心である南無妙法蓮華経が広宣流布する時であることを示され、不惜身命で妙法を弘める大聖人こそ、一閻浮提第一の法華経の行者であり、智人、聖人であることを明かされる。

◇解説
広宣流布の遠大な広がりも、"一人"から始まる——このことを明確に示されているのが今回の拝読御文である。
冒頭で日蓮大聖人は、「川の流れ」や「塵」といった、小さなものがたくさん集まることで、「大海」や「須弥山(世界の中心にある巨大な山)」などの大きな存在が生み出される例えを引かれ、広宣流布も、こうした「一滴の水」「一粒の塵」から始まることを教えられている。
続く御文では、「日蓮が法華経を信じ始めしは日本国には一滞・一微塵のごとし」と仰せになっている。大聖人御自身が、日本において、法華経を弘める最初の「一人」であったことを示された箇所である。
さらに大聖人は「法華経を二人・三人・十人・百千万億人・唱え伝うるほどならば妙覚の須弥山ともなり大涅槃の大海ともなるべし」と記され、一人の「法華経の行者」から、二人、三人と、多くの人々が題目を唱え、仏法が弘まっていくことを述べられている。
最初に立ち上がった「一人」が、あらゆる大難を勝ち越え、妙法を弘めていくならば、同じ志を持った次の一人、また次の一人へと、必ずつながっていく。そのために大切なのは、新たに立ち上がった一人もまた「唱え伝うる」人となることである。
だからこそ、私たち一人一人が「法華経の行者」であるとの自覚に立ち、自らが唱題を実践するとともに、他者の幸福を願い、弘教に励むことが、何よりも肝要であるといえよう。大聖人はこの御文で、広宣流布の永遠の"方程式"を教えられていると拝することができる。
大聖人の御誓願を継ぎ、現代において世界広宣流布を実現するための、初めの「一滴」「一微塵」となったのが、創価三代の師弟である。
牧口先生・戸田先生の師弟不二の闘争、そして、師の大理想を実現せんとする池田先生の師子奮迅の戦いによって、地涌の連帯は世界192カ国・地域にまで広がった。
「一人立つ」精神で妙法を弘めた三代会長の死身弘法の闘争があり、そしてそれに続く無数の人々の目覚めがあって、大聖人の仏法は世界宗教へと飛翔。今や、広宣流布は世界同時進行の時代を迎えている。
池田先生は次のように語っている。
「あらゆることは、一滴、一微塵から始まるのです。しかし、その一滴、一微塵が確かな存在であれば、同じ志で次の『一人』が立ち上がり、着実に積み重なっていきます」
学会創立90周年の「11・18」を目前に控えた今、各地で活発に行われている「体験談大会」や、一対一の訪問激励など、日頃の学会活動は、まさに広布の「一滴」から次の「一滴」を生み出し、「大海」をつくる運動そのものである。
創価の師弟不二の精神を胸に、今いる場所で広布の潮流を起こしゆく"一人"となる誓願を一段と燃やしたい。

2020年11月6日金曜日

2020.11.06 わが友に贈る

人々を結び 民衆を守る。
それが若き英知の使命!
男女学生部の友よ
正義と友情のスクラムを
世界中に広げゆこう!

新池御書 P1440
『始より終りまで弥信心をいたすべしさなくして後悔やあらんずらん、譬えば鎌倉より京へは十二日の道なり、それを十一日余り歩をはこびて今一日に成りて歩をさしをきては何として都の月をば詠め候べき』

【通解】
始めから終わりまでいよいよ信心をすべきである。そうでなければ後悔するであろう。例えば、 鎌倉から京都へは12日を要する道のりである。それを11日あまり歩いて、あと1日になって歩くのをやめてしまったならば、どうして都の月を眺めることができようか。

名字の言 "今が青春"――84歳の2人の婦人部員 2020年11月6日
84歳で定時制高校を卒業した2人の婦人部員がいる。沖縄戦を経て戦後の生活苦で進学を断念したものの、"もう一度学びたい"と81歳で入学。一人は皆勤賞と校長賞に、もう一人は体験発表大会で最優秀賞に輝いた▼婦人の一人は一時期、体調を崩して入院した。家族は退学も勧めたが、健康を回復し復学。海外で暮らす孫に会うために英会話にも取り組み、就労のための勉強も重ねた。"今が青春の真っただ中"と、2人は卒業後も学び続ける▼現代中国画の巨匠・方召麐画伯は、戦火に翻弄された上、若くして夫を亡くした。だが、師匠の励ましを胸に、悲しみを力に変え、8人の子を育てながら、再び書画の道へ。画業が世界的に認められた後も歩みを止めず、83歳になる年には、こう決意をつづった。「再攀高峯(再び高き峰へ登らん)」▼目標を達成し、さらに次の目標へ――その間断なき挑戦が人の魂を高みへと押し上げる。仏法では「化城即宝処」の法理を説く。化城は途上の目標、宝処は最高の幸福境涯を指す。試練や困難に負けず、それらを飛躍の糧とし、"人間としての完成"を目指す中に永遠の幸の軌道がある▼目標と挑戦を忘れない人は、いつまでも若々しい。わが人生の頂へ、きょうも勇気の一歩を踏み出そう。(首)

寸鉄 2020年11月6日
「鐘は強く打てば強く響く。御本尊も同じだ」恩師師子吼の題目が力の源泉
四国の日。志の国に輝く魁の勇者の大連帯。2030年へ勝利の暁鐘を!
「仏と申す事も我等の心の内に」御書。自他共の仏性信じ、励ましを拡大
発熱時は「かかりつけ医」等に電話相談を―厚労省"同時流行"への警戒強く
紛争による環境搾取防止の日。持続可能な未来は平和ありて。対話で結べ

第3代会長就任60周年記念 広布史アルバム 第11回 2001年11月12日
「本物」の弟子よ 立ち上がれ!
2001年11月12日、巣鴨の東京戸田記念講堂で開催された「11・18」を慶祝する本部幹部会。新世紀第1回の関西総会・北海道栄光総会、男子部・女子部結成50周年記念幹部会の意義を込めての集いでもあった。会場の後方には、初代会長・牧口常三郎先生と第2代会長・戸田城聖先生の肖像画が掲げられ、集った創価の同志を見守る

<11・18「創価学会創立記念日」――この日は、日本中、世界中で、広布をわが使命とする同志が、心新たに立ち上がる日である。
21世紀が開幕して最初の創立記念日を祝賀する本部幹部会。席上、池田先生は厳粛な師弟の精神について語った>

(吉田)松陰には本物の弟子がいた。使命の弟子がいた。高杉晋作、久坂玄瑞ら、そうそうたる弟子たちが師匠の「仇討ち」に総決起し、明治維新へと時代を大きく動かし、新しい日本をつくりあげていったのである。
広宣流布の前進にあっても、"本物の弟子"がいるかどうかが問題なのである。

私は、牧口先生、戸田先生の師弟の姿に、「人間の究極」「仏法の究極」「歴史の究極」を見る思いがする。戸田先生が「水滸会」の会合の折、こう言われたことが忘れられない。
「八畳一間から始まった松下村塾の松陰門下の手で明治維新は達成された。学会も、中核の青年がいれば、いな、一人の本物の弟子がいれば、広宣流布は断じてできる」と。
その「一人」とは、だれであったか。だれが戸田先生の教えのごとく、命がけで、世界にこの仏法を弘めてきたか。私は、"その一人こそ自分であった"との誇りと自負を持っている。
ゆえに、本物の弟子である私に続く人間こそ「本物」なのである。後世のために、あえて明確に言い残しておきたい。
どうか、青年部の諸君は、峻厳なる「創価の三代の師弟の魂」を、断じて受け継いでいってもらいたい。
その人こそ、「最終の勝利者」である。またそれこそが、創価学会が21世紀を勝ち抜いていく「根本の道」なのである。

<小説『新・人間革命』第30巻(下)「誓願」の章は、この本部幹部会の場面で幕を閉じる。先生はつづった
「さあ、共に出発しよう! 命ある限り戦おう! 第二の『七つの鐘』を高らかに打ち鳴らしながら、威風堂々と進むのだ」
学会創立90周年から100周年へ――師匠と共に、「新・人間革命の世紀」を創るドラマは続く>

2020年11月5日木曜日

2020.11.05 わが友に贈る

行き詰まった時こそ
信心で挑む勝負所だ。
"必ず打開してみせる"
不屈の負けじ魂で
痛快なる勝利劇を!

土篭御書 P1213
『法華経を余人のよみ候は口ばかりことばばかりはよめども心はよまず心はよめども身によまず、色心二法共にあそばされたるこそ貴く候へ』

【通解】
法華経を、他の人が読むのは、口でばかり、言葉ばかりでは読むけれども、心では読まない。心では読んでも、身では読まない。(あなたはこのように難にあって)身と心とで共に読まれたことは、じつに貴いことである。

名字の言 涙の先に"勝利の虹"が懸かる 2020年11月5日
「虹を見て 思ひ思ひに 美しき」(高浜虚子)。秋の虹は、夏よりも色彩が淡いといわれる。七色の橋は短時間で消えるが、見る人の心には鮮やかに残る▼かつて、ある壮年部員から、思い出の情景を聞いた。重病を疑われた子どもが入院した日、病院の窓から眺めた空に二重の虹が見えた。暗く沈む心に、希望の光が差すように感じた▼わが子の体は小児がんに侵されていた。声を震わせながら、題目を唱えた。5年を超え、がんの完治を聞いた壮年の言葉は確信に満ちていた。「否定的な現実に、とらわれない。"こうする!"と決めて祈れば、必ず勝利できるんですね」。あの入院の日、虹が懸かったのは夕立の後だった。涙の先につかんだ勝利と重なって心に浮かぶという▼童謡詩人まど・みちおさんは、こう記している。「自分のまつげのところにはいつも虹がある。涙が出さえすれば、まつげのところに小さな虹が出るのです」(『百歳日記』NHK出版)▼空に虹が懸かるのは、雨の後、太陽の光が差した時だ。人生もまた、涙が枯れるほどの試練であっても、前へ前へと進み続ける限り、必ず心に"勝利の虹"が懸かる。「いまだこりず候」(御書1056ページ)の"諦めない心"こそ、涙から虹を生む光である。(将)

寸鉄 2020年11月5日
「題目の功徳は大海のごとし」御書。水の如き信心で進め!幸福勝利の直道
男子部の日。「新時代の山本伸一」よ広布の先陣頼む。正義の声高らかに
「ウォームビズ」始まる。換気が必要な今季、"一枚多く着る"など油断なく
世界津波の日。災害は忘れたころに。教訓は実行に移してこそ。備え確認
電子化の細やかな推進に公明の役割大—識者。弱者の生活向上等の視点を

〈社説〉 2020・11・5 きょう「男子部の日」 今、ここから"一人立つ"弟子に
◇きょうは「男子部の日」。1961年(昭和36年)11月5日、当時の国立競技場で第10回男子部総会が開催され、代表10万人が集ったことを淵源とする。
これを遡ること7年前——54年10月、第2代会長・戸田先生は「国士訓」(青年よ国士たれ)を発表した。
「青年よ、一人立て! 二人は必ず立たん、三人はまた続くであろう。
かくして、国に十万の国士あらば、苦悩の民衆を救いうること、火を見るよりも明らかである」
この師の構想の実現に敢然と立ち上がったのが、青年部の室長であった池田先生だ。当時の男子部員数は1万人ほど。先生の行動と訴えに呼応して男子部員は一丸となり、58年9月に10万人を達成。そして先生の第3代会長就任後、第10回男子部総会で、精鋭10万人が一堂に会した。先生は小説『新・人間革命』第5巻「勝利」の章で、この大結集を"青年部の室長としての最後の仕事"と位置付けていた思いをつづっている。
一人立つ池田先生から国士10万へ——恩師・戸田先生の構想を、断じて実現するとの一念が、勝利を開いた。この誓いが、「男子部の日」には脈打っている。
今、男子部では、部や本部で核となるメンバーを糾合する「広布十傑」運動、また「体験談大会」への取り組みを加速させている。
福岡県のある男子部本部長は本年6月、勤務先の経営難により職を失った。再就職活動に挑む一方、広布のリーダーとして学会活動にも全力を尽くした。
電話やSNSを通じて後輩に励ましを送り、週2回、メンバーたちと"同盟唱題"を継続。その中で、8月には好条件の求人に巡り合い、再就職を果たす。業務に必要な国家資格も取得した。
この間、本部として「広布十傑」を達成し、現在は部での"十傑"を目指し、家庭訪問を重ね、友の声に耳を傾ける。今秋の体験談大会では、内外の友人に自身の奮闘を語る予定だ。
コロナ禍によって不安が世の中を覆い、人々の暮らしも激変している現在。混迷の時代にあって、いかなる困難にも屈しない"創価の青年の生き方"は、社会の希望の光と輝くに違いない。
そして、一人から一人へと広がる勇気と歓喜の連帯は、「国士10万」を成し遂げた池田先生の戦いを、21世紀の今に継承するものといえる。
今の青年部員は、池田先生の精神を受け継ぎ体現する「新・人間革命」世代だ。時が流れても、師恩に報いる弟子の誓いは変わらない。自らが広宣流布の主体者の自覚をもち、今この時、それぞれの場所で、"一人"立ち上がろう。

☆世界広布のわが舞台 第2回 世界青年部総会に182人の友人が参加——米ニューヨーク州メルビル地区
各国SGIの最前線の活動をリポートする「世界広布のわが舞台」。第2回は、アメリカ・ニューヨーク州ロングアイランドのメルビル地区です。同国の新型コロナの「震源地」となったこの島でも、広布の力強い足音が響いています。(記事=木埼哲郎)

◇多民族社会の縮図
「ちょうど今、オンラインの"イントロミーティング(友人対象の集い)"を開いていたところよ。信心に興味を持った人から連絡があって、すぐに地区の皆で集まろう、ってなって」
ビデオ電話での取材が始まるや、マーベル・タン・シャファー地区婦人部長の熱気が、画面越しに伝わってきた。"イントロミーティング"は、仏法の基本を学ぶ折伏座談会である。メルビル地区ではこうした集いを通し、この2年で20人の友人が入会した。
ニューヨーク市の東に位置するロングアイランドは、埼玉県ほどの大きさの島。同市の一部であるブルックリンやクイーンズも含まれている。地区の活動の舞台は、この島のハンティントン、バビロンという緑豊かな町だ。
「地区内には、池田先生がスピーチなどでよく紹介される、詩人ホイットマンの生家があります。かつて先生も訪問された場所で、一番の誇りです」
一帯には、キヤノンやニコンのアメリカ本社や、留学生に人気の私立高校など充実した教育機関もあり、世界中から人が集まっている。
現在、地区には73人が所属。シャファー地区婦人部長はマレーシア出身、エバートン・ルイス地区部長はジャマイカ出身、ナオキ・セキネ男子地区リーダーは日系、ジュヒ・カプー女子地区リーダーはインド系と、地区そのものが多民族社会の縮図のよう。
ロングアイランドでは、新型コロナの急速な感染拡大により、3月下旬から5月末までロックダウンが行われた。だが地区の広布の勢いは衰えるどころか、むしろ増していったという。
先月のオンラインでの世界青年部総会には、地区として182人の青年世代の友人が参加。実に地区統監の2・5倍の数である。
地区の目覚ましい発展の要因は、一体どこにあるのだろうか。

◇基本の継続が力に
コロナ禍で、アメリカSGIが全国的に打ち出した運動がある。
「Abundant Daimoku(満々たる唱題)」
「Buddhist Study(仏法研さん)」
「Connect Life to Life(生命と生命をつなぐ励まし)」
——名付けて「ABC運動」だ。メルビル地区は、この運動を、どこよりも着実に進めてきた。
一つ目の「題目」——リーダーを中心に毎朝"同盟唱題"を行い、メンバーの無事を祈り続けてきた。
二つ目の「仏法研さん」——毎月の地区の「御書勉強会」を、オンラインで続けている。
三つ目の「生命をつなぐ励まし」——真心込めたポストカードを一人一人の家に届け、電話での個人激励に注力。また毎朝、先生の指導や御書の一節を、メール等で共有してきた。
そして何より、月1度の「協議会」と「座談会」を、ビデオ通話を活用した"新たな形式"で、欠かさず続けてきた。ルイス地区部長はかみ締める。
「学会活動の『基本の継続』が、どれほどすごいことか。危機に立ち向かう中で、その力を感じています」

◇仕事を失っても
地区の一人一人は、コロナによる「不安の伝染」とも格闘していた。
ルイス地区部長は、「震源地の震源地」とニュースになった、ニューヨーク市クイーンズにある病院の調理師。「幸いスタッフは無事でしたが、常に死と隣り合わせでした」と振り返る。
マンハッタンにあるインテリアのショールームに勤めていたシャファー地区婦人部長は、職を失った。「十数年前に信心で勝ち取った、私のドリームジョブ(理想の仕事)でした」
ルイス地区部長の夫人エブリンさん(地区副婦人部長)は、ニューヨーク市近くのリハビリ・養護センターの看護師長だった。だが3月に突然、職場で倒れ、健康上の問題が見つかる。「辞職するように」との勧告に従った。
「正直言うと、落ち込みました。だって本来なら、看護師として多くの人を守るべき時でしょ?……」
真剣な唱題を重ねた。「なぜ」との思いを素直に御本尊にぶつけ、祈り続けていたある日、自然と心が開けた。
「仕事がなくても、家から出られなくても関係ない。『私には使命がある!』と気付いたんです。『広宣流布の使命』があると」
世界青年部総会に向け、知人や同僚と対話を続ける中、10年以上、疎遠だった姪のことが頭に浮かんだ。親族の間には複雑な溝があった。だが姪を訪ねてみると、思いのほか温かい歓迎を受けた。
近況を語り、いつしか仏法対話に。「生命をよみがえらせる祈り」との言葉に感動した姪は、家族全員で総会を視聴。さらに他州に暮らす友人にまで声を掛けたという。
どん詰まりに思えるような苦しい時でも、広布への「一念」の火を絶やさずにいれば、必ず道は開ける——地区の友は、また一つ確信をつかんでいる。

◇「種」をまく時
取材の中で印象的だったのは、地区のビジョンを問うと、誰もが「どう青年を増やしていくか」について、うれしそうに話し始めたことである。
青年を育むことは、希望を育むこと。「数年後には、地区を支部へと発展させていく決意なんです」。ルイス地区部長がニッコリとほほ笑む。
昨年、地区では6人の青年が入会。セキネ男子地区リーダー、カプー女子地区リーダーは、今夏に任命されたばかりの期待の星だ。
セキネさんは現在、アメリカ創価大学への進学を志して勉強中。カプーさんは、大学院で医療経営を学ぶ傍ら、仕事も掛け持つ。「目の回るような毎日です。いつも地区の皆さんから、『頑張って』とメールが届きます」
新入会の青年たちも、コロナ禍で「御本尊のパワー」を感じている。
留学生のアニール・ナンディさんは、コロナの影響で失職するも、ほどなくIT企業に再就職。ビンセント・ロトンドさんは、法律から金融へとキャリア転向。また、食品店で働くケビン・ベネットさんなど、エッセンシャルワーカー(社会の維持に不可欠な仕事の従事者)として昇給を勝ち取ったメンバーもいる。
セキネ男子地区リーダーは語る。
「池田先生は、『不安や恐怖は伝染するが、勇気もまた、伝播する』と言われています。ならば僕たちは、『勇気』を広げる一人一人でありたい」
池田先生の初訪米から60周年となった本年、アメリカSGIには、ある合言葉がある。それは「One Youth. Infinite Hope(一人の青年に、無限の希望がある)」。
シャファー地区婦人部長は、この指針に触れ、「今、大事なのは『種をまく』ことです」と強調してやまない。
「地区の全員が一丸となって、新たな『シンイチ・ヤマモト』を育てること。それこそ、池田先生が教えてくださった世界広布の方程式ですから」