2020年9月17日木曜日

2020.09.17 わが友に贈る

いかなる障魔も
乗り越えられる信心だ。
「祈りとして
叶わざるなし」の確信で
宿命転換のドラマを!

開目抄下 P237
『我が父母を人の殺さんに父母につげざるべしや、悪子の酔狂して父母を殺すをせいせざるべしや、悪人寺塔に火を放たんにせいせざるべしや、一子の重病を炙せざるべしや』

【通解】
わが父母を、人が殺そうとするのを知って父母に告げないでいられようか。悪子が酔い狂って、父母を殺そうとするのを見て止めないでいられようか。悪人が寺塔に火を放って焼いてしまおうとするのを、とめないで放っておかれようか。一子の子供が重病の時にいやがるからといって炙をすえないではおかれないであろう。

名字の言 「おっくう」の由来 2020年9月17日
「おっくう」といえば、「面倒くさくて気が進まないこと」の意味。これは仏教用語の「億劫」の読みが変化したものだ▼「劫」とは非常に長い時間の単位を指す。「1劫」を約1600万年とする説もある。その億倍が「億劫」というのだから、想像を絶する長さだ。あまりに耐えがたいことから、「面倒くさい」との意味で使われるようになったと考えられる▼御書に「一念に億劫の辛労を尽せば本来無作の三身念念に起るなり」(790ページ)とある。真剣に信心の実践に励んでいくなら、本来わが身に具わる仏の生命が瞬間瞬間に現れてくるとの仰せだ▼この御書の一節は池田先生が入信して間もない頃、恩師・戸田先生から「命に刻んでおきなさい」と言われた御文である。戸田先生の事業が苦境に陥った時も、「大阪の戦い」の時も、池田青年は御聖訓のままに祈り戦った。億劫の辛労を尽くすとは、あらゆる課題を一身に受け、「為すべきことを全力で為しゆく」ことだと語っている▼先の御文の続きには「所謂南無妙法蓮華経は精進行なり」と。「精」とは「混じり気のない」、「進」とは「絶え間なく進む」の意だ。おっくうがる自分の弱さを打ち破って、純粋に、たゆまず信行学の実践を続ける中に、人間革命の直道があることを忘れまい。(恭)

寸鉄 2020年9月17日
「題目を我も唱へ人にも勧む」御書。創立90周年の秋へ自分自身の広布史を
鳥取・島根の日。一人の友に励ましの光を!愛する山光に誉れの人材城築け
副役職の友が立てば広布伸展の力は倍加!"長"に心合わせ団結第一で勇躍
手洗い・マスクは流感の予防にも有効。引き続き徹底し同時流行の防止へ
幼児の転落事故多発と。ベランダや窓辺に高さある家具等置くな。要点検

〈社説〉 2020・9・17 秋の全国交通安全運動
◇無事故から勝利の前進始まる
各地で記録的猛暑に見舞われた今夏。新潟県三条市では3日、9月の観測史上初となる最高気温40・4度を記録するなど、残暑が続いた。しかし、いつしか日没時間は早まり、確実に秋めいてきている。21日からは恒例の「秋の全国交通安全運動」が始まる(30日まで)。
内閣府は、子どもをはじめとする歩行者の安全確保や、高齢運転者らの安全運転の励行等に重点を置いた啓発運動の展開を、各機関や団体に呼び掛けている。
日没後、急に暗くなると感じる季節だが、秋口の日没から1時間以内に、「自動車対歩行者」の衝突事故が多く発生している。2013年から18年の統計によると、日の入り時間がさらに早まる10月〜12月では、65歳以上の高齢者が道路横断中に車にはねられた死亡事故の割合が、昼間の約14倍、夜間の約6倍になっている。「日没後1時間」は最も注意を払うべき時間帯といえる。自動車や自転車の運転手はライトの早めの点灯を心掛け、歩行者は"反射材用品"等の視認効果のあるものを身に着けるなど、事故を回避するための対策を実行したい。
一方で、新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛の影響もあり、7月の交通事故の発生件数は前年同月に比べ全国で減少。死者数は月別の統計が残る1956年以降で最少だったことが、先月の警察庁発表で分かっている。しかし、事故は私たちの身近なところで起きていることを忘れてはならない。
交通事故による死者は、歩行者の割合が最も高く、中でも、幼児・小学生が事故に遭った場合が多い。主な原因は「飛び出し」だ。子どもの突発的な行動は予測が難しいが、自動車や自転車を運転する際、彼らの動きを何度も確認しながら、用心深く気を配りたい。
また、昨今では、自転車利用が増える中で、社会全体として、ルール違反の運転が増え、結果的に事故も増加している。基本のルールを守ることが、事故を未然に防ぐ要諦である。走行する際は、信号無視や車列への急なすり抜け、無灯火での走行などの危険な運転をしてはならない。運転手としての責任を自覚し、細心の注意を払いたい。
池田先生は「無事故こそ幸福の基盤だ。油断は大敵である。事故を絶対に起こさない、断じて巻き込まれないと一念を定め、強盛に祈り抜くのだ」と語っている。
勝利への前進の一歩は、無事故から始まる。事故を未然に防ぐには、私たち一人一人が、「自分は大丈夫」との油断や慢心を排することが必須だ。この秋を実りあるものとするために、絶対無事故の一日一日を積み重ねていきたい。

◇総本部「創価宝光会館」がオープン 2020年9月16日
総本部の「創価宝光会館」(東京・信濃町)のオープニングセレモニーが15日、原田会長、長谷川理事長、永石婦人部長らが出席して行われた。
同会館は、接遇センターに代わる施設。「宝光」との名には、"全世界から創価の宝友が集い、福徳の光に包まれた所願満足の人生に向けて出発する会館"との意義が込められている。
かつて池田大作先生は、総本部の整備について語った。
「皆さんが堂々と、友人を創価学会へ招けるように。『創価学会を見よ!』と胸を張って歩んでいけるように——これが私の思いである」「生まれ変わったような、世界一の『創価城』『広宣城』をつくっていく。海外から来られた方々も、悠々と、ゆっくりできるような『本陣』を、一段と整備していく」
同会館は、昨年秋にオープンした「創価学会 世界聖教会館」「創価学会 総合案内センター」に続き、学会創立90周年記念事業の掉尾を飾るものである。
広宣流布大誓堂との調和を図り、外周のデザインとして列柱を採用。建物の外形を階段状にし、周辺の環境に溶け込みながら壮麗な印象となるように設計されている。また自然光を取り入れる大きな窓を配しているほか、世界各地の温かみのある御影石や大理石などを使用。「来館者の皆さまを歓迎・賛嘆する」との心が込められている。
さらに開館に当たっては、新型コロナウイルス感染症対策にも留意。入り口ではサーモグラフィーを用いた検温を行うほか、飛沫の拡散を防ぐ透明のアクリル板なども各所に設置。備品にも特殊な抗ウイルス加工を施すなどの万全の対策が取られている。
式典では、谷川主任副会長があいさつ。同会館は創価三代に脈打つ「会員第一」の精神を体現する最も重要な施設であると強調。訪れる同志が笑顔で集えるよう、一致団結して運営に当たりたいと語った。
開館時間は当面の間、午前11時〜午後5時。休館日はありません。ご来館の際は、マスク着用のご協力をお願い致します。

☆小説「新・人間革命」学習のために 「欧州」編
◇One Europe with Sensei!——欧州は一つ、先生と共に!
小説『新・人間革命』の山本伸一の激励・指導などを紹介する「My Human Revolution(マイ・ヒューマン・レボリューション)」。今回は「欧州」編を掲載する。次回は「アジア」編を18日付2面に掲載の予定。挿絵は内田健一郎。

◇「久遠の使命」の自覚が大歓喜に
<1961年(昭和36年)10月、山本伸一はイギリス・ロンドンへ。イギリス広布に孤軍奮闘するシズコ・グラントを激励する>

「人間は自分の使命がわからず、何をすべきかを自覚できなければ、寂しくもなれば、孤独にもなるものです。
あなたは、このイギリスの広宣流布の開拓という使命をもって、ここに来ているんです。仏法の眼から見れば、決して偶然ということはありません。
御書をひもとけば、私たちは、過去世において、日蓮大聖人とともに地涌の菩薩として、末法の広宣流布をする約束をして、そのために現在、こうして出現してきたことが明確に示されています。
つまり、あなたは仏弟子として、大聖人から派遣されて、このイギリスにやって来たのです。
その久遠の使命を自覚し、果たそうとしていくところから、大歓喜が生まれ、新たな人生の扉が開かれていきます」
人間の精神を支えるものは使命である。自分はなんのために生きるのか——仏法は、その使命という、人生の最高の意義を教える。
ゆえに、仏法は、生き抜く力、勇気の明かりとなり、自己の世界を希望の光で包むのだ。(中略)
「イギリスには、日本から来た四、五人のメンバーがいると聞いています。まず、その方たちとしっかり連絡を取り、励まし合っていってください。
また、たくさん友人をつくって、ともに幸せになるために、仏法を教えていくことです。
人のために尽くすことは自らの生命を浄化し、自身の境涯を開いていきます。あなたの活躍を、私は期待していますよ」
(第5巻「開道」の章、59〜60ページ)

◇広布誓願の祈りに無量の功徳が
<75年(同50年)5月、フランス・パリを訪れた伸一は、メンバーである画家の長谷部彰太郎の家を訪問する>

長谷部は、前年、来日した折に、フランスに家を買うべきかどうか、山本伸一に相談した。(中略)
「私は、あなたが家を買うことに賛成です。フランス社会で信用を勝ち得ていくには、フランスに家を持ち、地域に根を張り、信頼を獲得していくことが大事だからです。
それには、断じてフランスに家を購入するぞと決めて、真剣に祈ることです。しかし、ただ家がほしいというだけでは、祈りは、なかなか叶わないかもしれませんよ」
長谷部は、意外な顔をしながら尋ねた。
「何か、祈り方があるんでしょうか」
「あります。フランスの人びとの幸福と繁栄のために、広宣流布を誓願し、祈り抜いていくことです。たとえば、"私はフランス広布に生き抜きます。それには、社会の信用を勝ち取るためにも、皆が集える会場にするためにも、家が必要です。どうか、大きなすばらしい家を授けてください"と祈るんです。
人びとに絶対的幸福の道を教える広宣流布を誓い、願う題目は、仏の題目であり、地涌の菩薩の題目です。その祈りを捧げていく時、わが生命の仏界が開かれ、大宇宙をも動かしていける境涯になる。ゆえに、家を購入したいという願いも、確実に叶っていくんです。
それに対して、ただ大きくて立派な家をくださいというだけの祈りでは、自分の境涯はなかなか開けない。だから、願いが成就するのにも時間がかかります。
祈りの根本は、どこまでも広宣流布であり、広布のためにという一念から発する唱題に、無量無辺の功徳があるんです」
広宣流布の誓願のなかにこそ、所願満足の道があるのだ。
(第21巻「共鳴音」の章、289〜291ページ)

◇学会の組織は「皆の幸福」が目的
<81年(同56年)5月、伸一はドイツのフランクフルト会館で同志と懇談。学会の組織はなぜ必要かを語った>

「ともすれば、個人の自由と組織とは相反するように感じる人もいるかもしれない。しかし、国家でも、会社でも、また、いかなる団体でも、その目的を果たしていくためには、組織は不可欠です。同様に創価学会にあっても、皆が信・行・学を実践し、広宣流布を進めていく手段として、組織はなくてはならないものといえます。
今、皆さんが、こうして信仰することができたのも、組織があっての結果です。(中略)
信心を貫くには、大勢の人びととスクラムを組み、勇気ある人生を歩み抜けるよう励まし合い、退転を戒め合い、正道へ向かうよう守り合うことが大切です。そう考えるならば、組織というものが、いかに重要であるか、よくおわかりいただけると思う。
ただし、組織は手段であり、個々人の信心の向上を促し、幸福になっていくための指導こそが、その出発点であることを忘れてはならない。あくまでも学会の組織の目的は、一人ひとりのメンバーの絶対的幸福であり、成仏にあります。組織での役職も上下の関係を意味するものではありません。幹部は、いわば団結の要となる存在といえます。
ゆえに、メンバーは互いに尊敬し合い、共に社会の一員として理解、信頼し、励まし合いながら、人生を勝ち飾っていただきたい」
学会は、人びとの幸福と人類の平和、すなわち広宣流布を実現する唯一無二の団体である。したがって戸田城聖は、「戸田の命より大切な学会の組織」と言明したのである。
(第30巻<上>「暁鐘」の章、354〜356ページ)

◇結婚には共通の人生基盤が大切
<81年6月、伸一はイタリア・ミラノで青年の代表と信心懇談会を開催し、結婚観について述べる>

伸一は、イタリアは青年のメンバーが多く、その両親などから、結婚観についても、ぜひ語ってほしいとの要請があったことを踏まえ、この問題に言及していった。
「結婚は、自分の意思が最重要であるのは言うまでもないが、若いということは、人生経験も乏しく、未熟な面もあることは否定できない。ゆえに、両親や身近な先輩のアドバイスを受け、周囲の方々から祝福されて結婚することが大切であると申し上げたい。
また、結婚すれば、生涯、苦楽を共にしていくことになる。人生にはいかなる宿命があり、試練が待ち受けているか、わからない。それを二人で乗り越えていくには、互いの愛情はもとより、思想、哲学、なかんずく信仰という人生の基盤の上に、一つの共通の目的をもって進んでいくことが重要になる。
二人が共に信心をしている場合は、切磋琢磨し、信心、人格を磨き合う関係を築いていただきたい。もし、恋愛することで組織から遠ざかり、信心の歓喜も失われ、向上、成長もなくなってしまえば、自分が不幸です」
人生の荒波を越えゆく力の源泉こそ、仏法である。崩れざる幸福を築く道は、学会活動の最前線にこそある。広布のために流す汗は、珠玉の福運となり、その一歩一歩の歩みが、宿命を転換し、幸と歓喜の人生行路を開いていく——ゆえに伸一は、信仰の炎を、絶対に消してはならないと訴えたのである。
(第30巻<上>「暁鐘」の章、403〜404ページ)