2020年9月30日水曜日

2020.09.30 わが友に贈る

友情は何よりも尊い。
持続の対話を重ねながら
平和の大連帯を築こう!
結び広げた仏縁は
最極の宝珠と光り輝く。

一生成仏抄 P383
『都て一代八万の聖教三世十方の諸仏菩薩も我が心の外に有りとはゆめゆめ思ふべからず、然れば仏教を習ふといへども心性を観ぜざれば全く生死を離るる事なきなり』

【通解】
あらゆる仏教の教えも、そしてそこに説かれるすべての仏や菩薩も、自分の生命のほかにある特別なものであるとは、けっして考えてはなりません。そうであるから、いくら仏教を習うといっても、自分の生命に仏界がそなわっていることを信じなければ、生老病死という人生の苦悩からのがれることはできません。

名字の言 100歳の壮年部員が戦争体験を語るようになった理由 2020年9月30日
「歳を重ねても、何かすることがなければいけない」——障がい児の日本初の教育施設「しいのみ学園」を創設した故・�地三郎氏の言葉だ▼氏は95歳になってから、長寿の秘訣や障がい児教育の感動を伝える講演活動を始めた。時には周囲から"そんな年齢で講演なんて大変ですね"と言われることもあったという。しかし、講演で出会った人々の笑顔が、自身の生きる活力になったと述べている(『106歳を越えて、私がいま伝えたいこと』こう書房)▼島根に100歳の壮年部員がいる。第2次世界大戦後、シベリアに3年間、抑留された。飢餓、極寒の中の重労働。地獄を見た。仲間は次々と息絶えた。帰国後、その過酷な経験を決して口にすることはなかった▼80歳の時、参加した座談会で池田先生の平和闘争を知った。命懸けで中国や、自分を抑留したソ連とも友好を結び、小説『人間革命』『新・人間革命』の執筆を通して、平和を訴え続けてきた行動に、壮年は心から感動した▼壮年は、小・中・高校で戦争体験を語るようになった。真剣なまなざしで、話を聴く児童・生徒に接するたび、決意を固くする。「戦争ほど、悲惨なものはない」——この『人間革命』の一節を、自分の心の叫びを、命の限り訴え続けていく、と。(子)

寸鉄 2020年9月30日
学会青年部の瞳には未来への情熱がある—博士。創立100周年へ誓いの船出
「口に妙法をよび奉れば我が身の仏性もよばれ」御書。己磨く根本は題目
人間が人間に与える力は無限だ—作家。電話一本、一瞬の出会いも真剣勝負
ウイルス付き不審メール急増。添付文書開くと感染。見知らぬ相手は警戒
自転車の違反行為、最多は信号無視。背景に車両意識の薄さと。規則厳守

☆心に御書を 第75回 進もう!地涌の青年と共に
〈御文〉
『金はやけば弥色まさり剣はとげば弥利くなる・法華経の功徳はほむれば弥功徳まさる、二十八品は正き事はわずかなり讃むる言こそ多く候へと思食すべし』(妙密上人御消息、1241ページ)

〈通解〉
金は、焼けばいよいよ色が良くなり、剣は、研げばいよいよ、よく切れるようになる。法華経の功徳をたたえるならば、ますます功徳が勝っていく。法華経28品は、法理そのものを説くところはわずかである。それをたたえる言葉こそ多くあるということを心得ていきなさい。

〈池田先生が贈る指針〉
万人に具わる仏性を信じ、輝かせる。この太陽の仏法を掲げ、世界へ踏み出して60星霜。
御書の通り、眼前の一人を誠実に敬い励ます対話から、壮大な世界広宣流布が広がった。
今、地涌の若人が澎湃と躍り出る不思議な時である。試練の時代に挑む奮闘を、最大に尊敬し、賞讃したい。皆で「弥功徳まさる」の実証を!

2020年9月29日火曜日

2020.09.29 わが友に贈る

多忙の中にあっても
読書と思索のいとまを!
寸暇を惜しんで学びゆく
向上の人に限界はない。
徹して自分を磨こう!

上野殿御返事 P1579
『一切の事は国により時による事なり、仏法は此の道理をわきまうべきにて候』

【通解】
一切のことは、国により、時によることである。仏法は、この道理を必ずわきまえていくべきである。

名字の言 アメリカの寝台列車での出来事 2020年9月29日
国際的な人道支援活動に力を注いだ犬養道子氏。彼女は戦後間もない頃、留学先のアメリカで結核を患った。療養のため、カリフォルニアの結核療養所に入院することに▼滞在していたニューヨークからの移動は、特急の寝台列車で4泊5日を要した。療養所の最寄り駅は、終点の手前の駅。特急は停車しないため、終点からバスの移動を予定していた。ところが、終点に近づく前、緊急停車する車内アナウンスが流れた▼彼女の容体を心配した乗務員たちが、鉄道省本部に療養所の最寄り駅で停車する了承をもらっていたのである。下車する彼女に、乗客たちは次々と励ましの言葉を掛けた。療養所の彼女のもとに、「あの列車の一乗客より」と記されたプレゼントが届くこともあった(『アメリカン・アメリカ』文藝春秋)▼この出来事は、乗務員たちが苦しむ彼女に寄り添うことから始まった。その真心は、乗客たちの心も動かした。思いやりは、目の前の人を勇気づけるだけでなく、周囲に支え合う心を広げる。心を打つのは、どこまでも心だ▼御書に「日蓮は・なかねども・なみだひまなし」(1361ページ)と。コロナ禍の今、他者の痛みに同苦する心を持ちたい。その"ぬくもり"が、温かな社会を築き上げていくと信じる。(嶺)

寸鉄 2020年9月29日
御書「自然に身を益す」偉大な妙法。強盛な祈りと勇敢な実践に福徳爛漫
埼玉青年部の日。鉄桶の団結は無敵。師弟直結の誇りも高く勝利へ前進!
青年の意気と力は世界の歴史を変える—戸田先生君よ使命の舞台で乱舞を
我々の歩みは常に前に向かっていないといけない—首相。さあ11・18へ加速
「日中国交正常化の日」。民衆交流の「金の橋」こそ万代に続く平和の礎なり

☆随筆「人間革命」光あれ 永遠の師弟旅を共に 2020年9月22日
◇世界広宣流布へ大いなる誓火を掲げて
秋の彼岸にあたって、私は妻と勤行・唱題し、広宣流布の聖業に連なる全ての方々の追善回向を懇ろに行った。さらに、社会に災難が打ち続く渦中であり、全宝友の無事安穏を強盛に祈念した。
御本仏は宣言された。
「妙法蓮華経の五字・末法の始に一閻浮提にひろまらせ給うべき瑞相に日蓮さきがけ(魁)したり、わたうども(和党共)二陣三陣つづきて迦葉・阿難にも勝ぐれ天台・伝教にもこへよかし」(御書九一〇ページ)
この日蓮大聖人の「一閻浮提広宣流布」という「人類の幸福・世界の平和」の大誓願を師弟の誓いとして、一九三〇年(昭和五年)十一月十八日、初代・牧口常三郎先生と二代・戸田城聖先生は、創価学会を創立された。
それから三十年後の十月二日、先師・恩師と不二の誓いを掲げ、私は世界への師弟旅に出発した。
東西冷戦下に、「人類の宿命転換」という遠大な未来図を描きつつ、アメリカで、カナダで、ブラジルで、苦悩に喘ぐ庶民の人間群に飛び込んでいったのである。
孤独と失意の境遇で、悲嘆にくれる母がいた。
仕事の失敗の連続で、立ちつくす父がいた。
私は祈りを込め、その一人ひとりの命の奥底から「地涌の菩薩」の誓いを呼び覚ましていった。
私たちは、日蓮仏法の祈りは「誓願」の唱題であると語り合った。
すなわち、自らの「人間革命」と、わが縁深き天地の「広宣流布」の誓いを立て、そのために最大の力を発揮できるよう題目を唱える。この信力から智慧を湧かし、創意と努力を重ね、勝利の実証を示すのだ。不屈の行力であきらめの壁を破り、「宿命」をも「使命」に変えていくのだ。
それは、いわゆる"棚からボタモチ"の利益を欲し、また祈願を聖職者頼みにする、"おすがり信仰"を一変させる革命でもあった。
誓願とは"自ら発す"ものだ。生命内奥から烈々と響かせゆく誓願の題目こそ、元品の無明を打ち破り元品の法性を顕す音声といってよい。 
世界広布への第一歩から六十星霜。「誓願の題目」は地球という星を大きく強く包んでいる。
そして今、全世界の青年と共々に「広布の誓火」を赤々と燃え上がらせ、新たな師弟旅へ出発する時を迎えたのだ。

◇地涌の負けじ魂
思えば、法華経の会座は、釈尊に対して弟子がそれぞれに妙法の弘通を誓う「師弟の誓願」に貫かれている。
「一切衆生の成仏」という仏の大願を、自らの誓いとする生命にこそ、「仏界」の智慧と力が脈々と涌現するのである。
なかんずく地涌の菩薩は、「六難九易」さらに「三類の強敵」が説かれ、末法の広宣流布が難事中の難事であることを明かされた上で、決然と、また悠然と誓願を起こす。
七十五年前、戸田先生は法難で獄死された牧口先生の遺志を継ぎ、「地涌の負けじ魂」を滾らせて、出獄された。
そして——
「詮ずるところは天もすて給え諸難にもあえ身命を期とせん」
「我日本の柱とならむ我日本の眼目とならむ我日本の大船とならむ等とちかいし願やぶるべからず」(同二三二ページ)との「開目抄」の仰せのまま、「大法弘通」に挑み抜かれたのである。
これが仏意仏勅の学会精神である。
「慈折広宣流布」に生きる創価の地涌の陣列は、まさしく時空を超えて、三世十方の仏菩薩と壮大につながりながら、何ものをも恐れぬ最強無敵の境涯で誓いを果たしゆくのだ。

◇青年を先頭に 前進また前進!
◇華陽の友の「声」
過日、聖教新聞に投稿されていた華陽の乙女の「声」を、妻が感動を込めて語ってくれた。
一九五二年(昭和二十七年)の八月、私が関西初訪問の折に出席した堺市内の座談会で、曽祖母が入会を決意された歴史が綴られていた。
あの座談会は、私にとっても忘れ得ぬ関西での初陣であった。師匠・戸田先生の偉大さを語り、肺病を乗り越えた自身の体験を紹介した。さらに、この仏法が必ず全世界に弘まること、やがて「創価教育」の学校を建設することも訴えた。
広布の語らいは、どんな小さな会座も「仏種」を芽吹かせる幸の縁となり、宝珠と輝く「今生人界の思出」(御書四六七ページ)となる。
聖教への投稿にも、曽祖母を源流として四世代が営々と師弟共戦の道を歩み、今、後継の乙女が「世界青年部総会」へ異体同心の信心で前進しているとあった。
草創の父母たちが言い知れぬ悪戦苦闘に歯を食いしばり、「負けたらあかん!」と貫き通してきた誓いを、宝の青年が継承している。そしてコロナ禍の苦難に立ち向かい、若き広宣の世界市民の熱と力で常勝新時代の価値創造に挑んでいるのだ。
「世界青年部総会」では、若人たちがオンラインで五大州の友を結んで、"霊山一会"さながらの地涌の大連帯の会座が現出する。
身体的、地理的な距離を飛び越えて、人と人を結合するものは何か。それは宇宙をも包み返す、無限の可能性を秘めた生命の広大な一念である。
あの人を励ましたいという真剣な情熱、この人と心を通わせたいという誠実の対話ほど、強く尊いものはない。幸福を願う随縁真如の智が、必ず命を結ぶ道を開くのだ。
幾歳月を超え、幾世代を超え、さらには国境も超えて広布誓願のバトンをつなぎ、この青き地球の大空に希望の虹を懸けゆく挑戦である。二十一世紀を担い立つ青年部が"負けじ魂ここにあり!"と胸を張って、創立百周年の勝利の因を刻みゆく実験証明と讃えたい。

◇「立正安世界」へ 平和の柱・教育の眼目・文化の大船たれ
私が世界へ踏み出した一九六〇年(昭和三十五年)は、奇しくも「立正安国論」の諫暁から七百年の節目である。それは、いわば「立正安世界」への師弟旅の始まりともなった。文明も人種も宗教も超え、「四表の静謐」(同三一ページ)へ地球民族を結ぶ対話を重ね、民衆と民衆の心に揺るがぬ信頼の橋を築いてきたのだ。
その中で友情を結んだローマクラブの創立者、アウレリオ・ペッチェイ博士との語らいも蘇る。
地球環境の危機にいち早く警鐘を鳴らした博士であったが、人類の未来を決して悲観していなかった。なぜか。無尽蔵の可能性を備えた宝庫として「人間」自身に注目していたからである。
博士は、私との対話の中で、人類の奥深い潜在力を開発する「人間革命」こそが、地球社会の前進をもたらすことを確信されていたのである。
そして嬉しいことに、南アフリカ出身で、現・ローマクラブ共同会長のマンペラ・ランペレ博士が聖教新聞の取材に応え、今日の地球的危機を乗り越え、"「新たな人類文明」を創出する鍵は「人間革命」である"と強調されていた(九月十七日付)。ペッチェイ博士も、志を継ぐランペレ博士も、共に青年に希望を託しておられる。
今、全世界の青年部が、国連を中心に多くの団体と連帯し、SDGs(持続可能な開発目標)の達成に挑み、「平和の柱」「教育の眼目」「文化の大船」として行動しゆく姿を、両博士もさぞかし喜んでくださるに違いない。

◇さあ出発しよう!
新たに誕生した「世界青年部歌」には——、「さあ 共に出発しよう! 命ある限り戦おう! 前へ 前へ 前へ」と謳い上げられている。
法華経にも、「前進」と記されている。
——険難悪道を越える長旅に疲れ果て、あきらめて引き返そうとする人びとに、一人のリーダーが聡明な指揮を執って、身近に到達可能な目標(化城)を示し、皆に歓喜と休息を与えた。そして活力を回復させながら、力強く呼びかけるのだ。
「汝等は当に前進むべし」(創価学会版法華経三二〇ページ)——共々に、本来の目的地である宝処(成仏の境涯)へ今再び出発しよう!と。
大聖人は、この譬えを通して「日蓮に共する時は宝処に至る可し」(御書七三四ページ)と、厳然と仰せくださっている。
「法華経の命を継ぐ」青年たちと共に前進する喜びに勝るものはない。

◇「誓」を君たちに
一九八五年(昭和六十年)の十月、中部の三重研修道場を訪れた時、若人たちが手づくりで研修のための「青年塾」を設けてくれていた。
そこで、「道」「師弟山」などの書と共に、私が感謝を込めて認めた一枚が「誓」である。
この書を、今、総決起した世界の青年部・未来部に贈りたい。
「誓」は翼なり——
誓いを立てる時、最も誇り高き「青春の飛翔」が始まる。
「誓」は道なり——
誓いを結び合う時、最も美しき「人間の連帯」が広がる。
「誓」は光なり——
誓いを果たしゆく時、最も荘厳な「生命の太陽」が未来を照らすのだ。
わが不二の愛弟子が、一人ももれなく、不退の「誓」に生き抜いて、最極の幸福栄光を勝ち取る前途を、私は信じ祈っている。創価の師弟共戦の旅に、生命の勝ち鬨が轟き渡ることは絶対に間違いないからだ。

2020年9月28日月曜日

2020.09.28 わが友に贈る

◇今週のことば
「時に感じて此の法門
広宣流布するなり」
地涌の青年群が立った。
みなが「青春」の命で
新たな挑戦と開拓を!
2020年9月28日

佐渡御書 P958
『鉄は炎打てば剣となる賢聖は罵詈して試みるなるべし』

【通解】
鉄は、炎に入れ熱して打てば剣となる。賢人、聖人は罵ってみて真価が試されるものである。

名字の言 万人尊敬の行動を貫いた常不軽菩薩 2020年9月28日
動詞で「〜される」などの受動態を多用すると、文章が弱々しく、まわりくどく、煩雑になる——アメリカの作家スティーヴン・キング氏が指南している。「自信を持ち、能動態でどんどん書き進めていけばいい。それで何も問題はない」と(『書くことについて』田村義進訳、小学館文庫)▼法華経に、常不軽菩薩という名の菩薩が登場する。鳩摩羅什の訳では「常に(人を)軽んじなかった」菩薩。一方、サンスクリット(古代インドの文章語)では、反対に「常に(人から)軽んじられた」の意味だったという▼常不軽は自分がいくら軽蔑されても、人々に「我は深く汝等を敬い、敢えて軽慢せず」と説いた。その行動こそ、人々を「軽んじない」万人尊敬の教えそのものである。常不軽を能動の菩薩として捉えることで、法華経の模範の修行者としての姿が浮き彫りになる▼いかなる分野でも、受け身の姿勢では大事を成し遂げることはできまい。傍観者ではなく、主体者として立ち上がる一念の変革に、人間革命の鍵もある。大切なのは、自ら目標を決めること。そして、達成に向けて祈り、動くことだ▼「創価」には「価値を創造する」との意味が込められている。その名が示す通り、自発能動の生き方を貫いていきたい。(値)

寸鉄 2020年9月28日
人と語るとは結び合うということだ—恩師。分断から調和へ我らの対話で
群馬県婦人部の日。人材王国照らす希望の太陽!地域に励ましの光を益々
「困難が大なれば大なるほど栄光は大なり」哲人。祈り貫き変毒為薬の劇を
高齢者の長期外出自粛で介護リスクは大と。3密避けて体動かす習慣賢く
秋は夏の疲れで食中毒になりやすい時季。手洗い・加熱調理等、予防を徹底

☆第3代会長就任60周年記念 広布史アルバム 第9回 不滅の「九州縦断指導」
◇新しい時代の夜明けを告げよ
〈1990年(平成2年)9月22日、韓国初訪問を終えた池田先生は、福岡空港に到着。九州縦断の激励行を開始した。
先生は福岡、佐賀、熊本を訪問後、29日に鹿児島へ。この時、九州には台風が接近していた。しかし、先生は「青年が待っているから」と、鹿児島行きを断行。到着後、嵐は過ぎ去り、美しい夕焼けが広がった。
翌30日、鹿児島・霧島の九州研修道場(当時)での全国男子青年部幹部会。先生は、九州青年部の奮闘を心からたたえた〉

一番苦労した人こそが、一番成長するし、境涯を大きく開くことができる。それが信心である。また人生の真髄である。いささかの無駄もない。
九州青年部の諸君は、そのことを、自らの雄姿で、きちんと証明してくれた。これからも、いよいよ、日本一、世界一の青年部を築いていっていただきたい。

広布における苦難は、すべてが青春の勲章であり、魂の誇りである。
見栄を張り、はったりや小細工をして、いつまでも心の決まらない青年が、どうして本当の人生を生きることができようか。
世界は今や「民主」と「人間」の時代に向かっているが、まだまだ多くの難問をかかえ、新たな希望の道を模索しつつある。
そのなかにあって、妙法を受持した諸君こそ、時代の夜明けを告げ、世界に人間主義の"新しい朝"をつくりゆく使命の人である。そのことを深く自覚しなくてはならない。

〈11日間の九州縦断指導の最終日となる10月2日、先生は"九州は今の5倍の力を発揮できる。大九州城をつくろう"と。10・2「世界平和の日」30周年という意義深き日に、師が未来を見つめ、万感の期待を寄せた先駆の天地——それが、九州である〉

13年ぶりの佐賀訪問で、池田先生が友と語らう(1990年〈平成2年〉9月24日、佐賀文化会館で)。勤行会では、「ここに見えていない方にもお題目を送りました」と、佐賀の同志一人一人を包み込むように励ました。また、「あの道に また この道に 手を振りし 真心こもる 友らを忘れじ」など3首の和歌を、佐賀の同志に詠み贈った
池田先生は熊本平和会館を初訪問(同年9月27日)。到着して早速、メンバーと記念植樹を。散策しながら、"決して背伸びをする必要はない"など、広布のリーダーの在り方について語り、どこまでも師弟の道を真っすぐに歩んでいく大切さを強調した
「お母さんを大切に」——鹿児島・霧島の九州研修道場(当時)のロビーで、鹿児島と宮崎の未来部の代表を激励する池田先生(同年9月30日)。この日、研修道場には、人形や郷土マップなど、同志の真心の展示物が並んだ。先生は一つ一つを丹念に見学し、友の陰の労苦をたたえた

2020年9月27日日曜日

2020.09.27 わが友に贈る

若き日の「誓い」は
一生涯の羅針盤となる。
今日という一日を原点に
新時代の師弟共戦の旅へ
勇敢に出発しよう!

御義口伝巻下 P781
『法華経を持ち奉る処を当詣道場と云うなり此を去つて彼に行くには非ざるなり』

【通解】
法華経を受持する所を「当詣道場」というのである。この娑婆世界を去って、極楽浄土等の他の国土へ行くことではない。

名字の言 松本清張氏が語った"作家の条件" 2020年9月27日
作家の松本清張氏が、取材で海外を訪れた時のこと。途中、目的地への飛行機が飛ばず、連日にわたって足止めされた▼ホテルで待機の日が続く。抱える連載が数本あるが、手元には原稿用紙がない。同行の編集者が機転を利かせ、ホテルに備え付けのレター用紙にマス目を引き、手作りの原稿用紙が完成した▼その束を手に松本氏の部屋へ。すると氏が振り返り、「きみ、作家の条件って、なんだと思う?」と。編集者の「才能でしょう」との答えに氏は言った。「ちがう。原稿用紙を置いた机の前に、どれくらい長くすわっていられるかというその忍耐力さ」。翌日も翌々日も、氏は部屋にこもり、じっと机に向かっていたという(『松本清張の世界』文春文庫)▼人生は予期せぬ出来事の連続ともいえる。苦境の打開に奔走していても、その場で足踏みをしているような、焦燥感に駆られることもある。しかし、どんな長編小説も一枚一枚の原稿の積み重ねであるように、挑戦の一歩一歩が、未来を着実に開いていく▼御聖訓に「未来までの・ものがたりなに事か・これにすぎ候べき」(御書1086ページ)と。悩みや苦しみにも、"負けない"と歯を食いしばって前進する"わが勝利の物語"の一ページを、きょうもつづり残したい。(価)

寸鉄 2020年9月27日
きょう世界青年部総会。広布の息吹をわが地域の後継にも!最後まで応援
苦しい事があっても明朗であれ—戸田先生。強き楽観主義に勝利の突破口
熊本女性の日。婦女一体で励ましの連帯を拡大!火の国の同志は不撓不屈
流感患者は昨年の千分の一。対策が奏功とも。引き続きマスク着用、手洗い
強盗被害急増。点検・宅配等装い家に侵入と。ドアチェーン活用等、隙なく

〈社説〉 2020・9・27 あす「世界聖教会館」訪問1周年
希望と勇気を 読者のもとへ!
昨年の9月28日、池田先生ご夫妻が竣工間もない世界聖教会館を初訪問した。あすは、訪問から1周年の佳節となる。
また同日は、1970年(昭和45年)に、かつての聖教新聞本社屋が落成した日でもある。約50年の歳月を経て結ばれた"二つの9月28日"について池田先生は、随筆の中でつづった。
「半世紀を経た今、再び新たな人間革命の心で、新たな前進の『希望』と新たな前進の『勇気』を送っていきたい」
続く11月12日には「聖教電子版」がスタート。世界同時進行の広布伸展を伝える体制が整った。そして11月18日に合わせ、世界聖教会館が開館したのである。
この時は、新型コロナウイルスの世界的大流行など思いも寄らなかった。もしも世界聖教会館の完成が数カ月でもずれていたら、本社の移転作業等もままならなかった。全国、全世界の同志の深い祈りに包まれて、聖教新聞は、コロナ禍との闘いに挑むことができたのである。
日蓮大聖人は「汝須く一身の安堵を思わば先ず四表の静謐を祷らん者か」(御書31ページ)と、社会の繁栄、平和への貢献が仏法者の使命であることを叫ばれた。
また「人のために火をともせば・我がまへあきらかなるがごとし」(同1598ページ)と仰せの通り、仏法は、「人のため」に行動する時、自分自身の生命の泉も蘇生していくことを教えている。
感染症の拡大によって、あらゆることが分断の危機にさらされた。その中にあって、利己主義を乗り越え、「利他の精神」で支え合っていくための哲学と実践を、聖教新聞は日々、発信してきた。
とりわけ、青年部の代表と医学者とのオンライン会議の模様を紹介した記事や、識者のインタビュー、体験記事を通して、試練を生き抜くための視点を提供する企画「危機の時代を生きる」は、読者から好評を得た。「世界の友は今」と題した連載は、コロナ禍と闘いつつ、粘り強く広布の歩みを進める海外メンバーの姿を克明に伝えてきた。
この間、未曽有の苦難にも耐え、朗らかに配達を続けてくださった「無冠の友」の皆さま、さらに通信員、新聞長をはじめ、本紙を支える関係者の皆さまに心からの敬意と感謝をささげたい。
50年前の「9・28」の歴史に言及した小説『新・人間革命』第14巻「大河」の章で先生は、"私も、皆の先頭に立って戦おう。広宣流布という言論戦の砦たる聖教新聞に、生涯、一通信員、一記者のつもりで、原稿を書いて書いて、書きまくろう"と万感の思いをしたためた。
今なお変わらぬ師の決意と行動に学び、新たな希望と勇気を届ける紙面作りに全力で取り組んでまいりたい。

☆3代会長就任60周年記念 広布史アルバム 第3回 昭和35年5月
◇私は進む! 私は戦う!
全生命
 賭して 指揮執る
  時 来り
 広宣流布の
  陣頭 我なり

〈1960年(昭和35年)5月3日、第3代会長就任のその日、池田先生は詠んだ。
この歌の決意のままに、先生は就任5日後の5月8日に関西総支部幹部会に出席したのをはじめ、旭日の勢いで各地を回り、同年末までに全方面を訪れている。
先生は行く先々で、メンバーの輪の中に飛び込んだ。
どこまでも会員を大切に——その行動は、就任当初から一貫して変わらない。
池田先生は、会長就任50年となる2010年のスピーチでこう振り返った〉

50年前の昭和35年5月6日。第3代会長に就任して、初めて関西へ向かう前、私は日記に書いた。
「一人ひとりに、親しく接しよう。一人ひとりと語り、論じ、そして、生涯、苦楽を共にしてもらおう。これが私の信条だ。
私は進む。私は戦う。私は苦しむ。
如来の使い、大衆の味方の誉れ高き、無冠の勇者として」
愛する同志を仏のごとく大切にし、自分が犠牲となって苦しんでいく。この一念で戦い続けたゆえに、この50年の、奇跡の大発展がある。

学会は、庶民の王者の集まりだ。
広布へ戦う人こそが最も偉大である。
その人を「軽んじてはならない」「蔑んではならない」と、大聖人は厳命された(御書342ページ、趣意)。
誰に対しても、恐れる必要などない。皆、同じ人間である。我らは胸を張って正義を叫び、新しい時代を開きたい。

「この旗は、折伏の旗印です」「しっかり戦ってください!」——関西総支部幹部会の席上、真剣なまなざしで支部旗を授与する池田先生(1960年〈昭和35年〉5月8日、大阪府立体育会館で)。会長就任後、初の地方指導は、同志と苦楽を共にした関西からスタートした。教学の研鑽などに力を入れ、幸福の連帯で人材の大城を築いていこうと訴えた。

鶴見・京浜・横浜の3支部合同幹部会(同年5月17日、神奈川・川崎市内で)。鶴見方面は、恩師の事業が最も苦境にあった時期に、池田先生が奮闘した地。先生は当時を述懐しつつ、苦難の時に信心を貫く重要性を強調し、師子王の心で前進しようと呼び掛けた。

北海道総支部幹部会終了後、会場に入れなかった同志を激励(同年5月22日、札幌市内で)。幹部会では、「湿れる木より火を出し乾ける土より水を儲けんが如く強盛に申すなり」(御書1132ページ)の御文を拝し、強い信心で題目を唱え切って宿命転換をと望んだ。

2020年9月26日土曜日

2020.09.26 わが友に贈る

栄光の決勝点へ
友に希望を送りゆく
「もう一歩」の挑戦を!
自分自身に勝つことだ。
執念の劇をつづろう!

聖人知三世事 P974
『我が弟子等之を存知せよ日蓮は是れ法華経の行者なり不軽の跡を紹継するの故に軽毀する人は頭七分に破信ずる者は福を安明に積まん』

【通解】
また我が弟子達もこのことをよく知って欲しい。日蓮こそまさしくこの末法にあって法華経の行者なのである。不軽菩薩の跡を承継する法華経の行者であるゆえに、軽しめたり毀ったりする人は頭が七分に破れ、信ずる者は福徳を須弥山のように積むのである。

名字の言 卓球の日本代表・水谷隼選手の復活劇 2020年9月26日
東京五輪の卓球団体などの日本代表に選出されている水谷隼選手。前回のリオ五輪でのメダルの獲得は、どん底からの復活劇だった。ルールや道具が変更になったことで、卓球の「高速化」が進み、その変化に対応できずにいた▼"水谷は終わった"ともいわれた。しかし、彼は周囲の否定的な意見に負けなかった。自らの卓球スタイルの変更を決断し、男子選手では異例の個人コーチと契約を結んだ。ロシアリーグにも参戦。あえて環境を変化させて、自身の技術を磨いた。その執念が、五輪の復活劇へとつながった▼水谷選手は述べている。「同じことをやっていけばいいと思った時点で、それは退化していることと同じ」「長くトップを維持するということは、時代の変化に適応していくということ」(『卓球王 水谷隼 終わりなき戦略』卓球王国)▼周囲の評価や環境の変化を理由に、"自分はもうダメだ"と諦めるのは簡単だ。だが、成長はそこで止まる。どんな時も自身の可能性を信じて挑戦を貫けば、必ず新しい自分が見つかる▼コロナ禍が社会を変化させつつある中で、それに適応するには大変な労力を要する。しかし、だからこそ、自分らしく、粘り強く前進を続けたい。不断の努力の人に、"人生の金メダル"は輝く。(巍)

寸鉄 2020年9月26日
学会は永遠に人材の城でいこう—戸田先生。青年の成長こそ日本の未来と
一つの種も「植えぬれば多くとなり」御書。勇気、誠実で眼前の一人に語れ
他人を援助する事で自分自身が益す—詩人。自他共の幸福へ、励まし拡大
核兵器の全面的廃絶のための国際デー。恩師の遺訓を後継の若人が世界へ
日没が早まる時季。交通事故は夕暮れに多発と。早めの点灯等、用心固く

☆第3代会長就任60周年記念 広布史アルバム 第2回 昭和55年5月の激励
◇今こそ信心修行の労苦を忘れるな!
一人の胸中に信心の灯をともす。
青年を育て、希望の未来を開く。
いついかなる時も、池田先生の行動は、「励まし」という一点に貫かれている。
会長就任20周年となる1980年(昭和55年)5月もそうだった。
第5次訪中を終えた池田先生は、4月30日に長崎から福岡へ向かい、大阪、愛知、岐阜、静岡、神奈川を駆け巡った。
宗門の悪侶と退転・反逆者らによる、師弟の絆を分断しようとする謀略の嵐が吹き荒れていた。行動を制限されていた中で、それでも先生は一人一人に励ましを送っていった。
ある時は、ピアノを奏で、友の勇気を鼓舞した。電車での移動中、通過する駅のホームに駆け付けた同志へ、窓ごしに懸命に手を振った。行事の役員を務める青年に声を掛け、未来部の子どもたちを温かく包み込んだ。また、功労者宅を訪ね、懇談を重ねた——。
静岡では、会館の大広間で、正義の青年たちと語り合った。先生は当時の思いを、随筆に記している。
 
聖教新聞の記者が、ぜひ写真を掲載したいと言ってきた。当時は、それさえも戦いであった。聖教に載った私の写真が大きすぎる等々、宗門から、幼稚な、陰険な苦情があったからである。
私は、凜々しき青年たちと一緒に写真に納まった。この一枚の写真で、わが同志を元気づけるのだ!
それは、激しき権威の宗門との攻防戦のなかでの知恵であった。
私は、記念撮影に続いて、青年たちと勤行したあと、強く語った。
「今こそ、信心修行の労苦を忘れるな!」
「広宣流布に生き抜く『身軽法重』の精神を忘れるな!」
そして、「社会と職場で勝利者たれ!」と。
二百畳を超える大広間で、五十人ほどの青年との、ごく短時間の、小さな懇談会であった。真剣な語らいのなかから、たった一人でもよい、身命を惜しまず、獅子となって立ち上がる丈夫をつくることを願った。
一人立つ勇者さえあれば、必ず二陣、三陣と続くことは間違いないからだ。
 
あれから40星霜——。苦難の時に結ばれた絆は、今も同志の心の中で、勇気と希望の光彩を放ち続けている。

◇大阪
5・5「創価学会後継者の日」に、未来部と思い出のひとときを刻む(1980年、大阪・関西文化会館で)。7日間にわたった大阪滞在中、7万人以上の友を激励。「何があっても、共に戦おう。何があっても、学会は勝ち抜こう」と固く約し合った

◇岐阜
岐阜・各務原文化会館で約1000人の友を激励。「一人残らず、栄冠の幸せの人生を勝ち取ってもらいたい」と語り、ピアノで「荒城の月」「夕焼け小焼け」「人生の並木路」など5曲を演奏した(1980年〈昭和55年〉5月11日)。名古屋から始まった5日間の中部指導で、110回の記念撮影を行った

◇静岡
「次は、静岡に行こう! 青年に会おう! 静岡から、反転攻勢を開始するんだ」——静岡文化会館(当時)で、男子部のリーダーたちと真剣な語らい(1980年5月12日)。池田先生は翌日、静岡の同志に語った。「信心の目的は、一生成仏にある! 永遠に崩れざる巌窟王のごとき、善の不滅の生命を築くことだ。ゆえに信心は強盛でなくてはならない」

◇四国
横浜港で、愛媛の同志を見送る(1980年5月20日)。この年、四国の友を乗せた客船「さんふらわあ7」号は1月と5月、計3回にわたって池田先生のもとへ。先生は「一番大変な時に、まっ先に私のもとに来てくださったのが四国の方だった」「あの光景を一生涯、忘れることはない」と

2020年9月25日金曜日

2020.09.25 わが友に贈る

いよいよの信心こそ
学会精神の真髄だ。
「さあ今日から!」
「自分の殻を破ろう!」
その一念が勝利を開く。

兄弟抄 P1088
『始は信じてありしかども世間のをそろしさにすつる人人かずをしらず』

【通解】
はじめは信じていたのに、世間の迫害が恐ろしくて、信心を捨てた人は数知れない。

名字の言 陰で尽くす人に心からの感謝を 2020年9月25日
日蓮大聖人が門下にしたためられた手紙は、御供養に対する礼状が多い。手紙の冒頭で、寄せられた御供養の品々を列記されては門下に感謝し、その純粋な志のまま、信心を貫くよう励まされている▼同志と御書を研さんした時のこと。便利な流通手段のない鎌倉時代に、幾度も御供養を届けた門下の真心と、実際に運んだ使いの者に話題が及んだ。その際、新入会の壮年が一言。「使者たちも、それはそれは素晴らしい仕事をしましたね」。その場の皆が"確かにその通りだ"とうなずいた▼以前、遠い離島に住む婦人の読者からはがきを頂いた。そこには紙面の感想のほか、病に負けない自身の決意がつづられていた。"元気になってほしい"と思いつつ、返信した▼しばらくして、再び便りが来た。今は病を完治させ、はつらつと島の広布に走っているとのこと。思えば、はるかな地に暮らす同志と、書面で心通わせることができたのも、郵便に携わる多くの存在があったからだ▼誰かのおかげで成り立つ物事を、"当たり前"と思ってしまえば、陰で尽くしてくれた人の存在を察知することはできない。たとえ直接会わなくても、そうした人たちへの感謝を忘れないために、"心のサーチライト"を磨き続ける日々でありたい。(白)

寸鉄 2020年9月25日
青年部総会へ世界の友が総力。歴史的集いへ、皆で最後まで激励の声掛けを
「今既に時来れり」御書。後継よ力強く走り抜け!時を逃さぬ人こそ勝利者
「声は第二の顔」作家。相手を思う真剣な言葉は必ず心に届く。祈り込め
寒暖差激しく。体調管理の鍵は賢い食事・睡眠。手洗い・嗽も緩みなく。
在宅確認する電話の後で家に押し掛ける「アポ電」強盗多発。共に厳重警戒

〈社説〉 2020・9・25 恩師の「青年訓」から69年
◇師弟一体の闘争で勝利劇を!
世界青年部総会まで、あと2日。世界の青年が今、"広布の誓火"を赤々と燃やしながら、各地で対話と結集に奔走している。オンライン空間で、世界の友が一堂に会する歴史的な集い。一人でも多くの青年部・未来部の友と、広布後継の誓いの出発を切る総会としたい。
「新しき世紀を創るものは、青年の熱と力である」
この鮮烈な一節から始まる「青年訓」を戸田先生が執筆したのは、69年前の1951年(昭和26年)9月28日。「青年訓」は、2カ月前に結成されたばかりの男女青年部、なかんずく班長に贈られた。その一人が、若き池田先生だった。
先生はかつて、随筆に当時の真情をつづっている。
"広布の主体者は我なり。この「青年訓」は自分にいただいた指針だ!"
"戸田先生からお預かりした、わが班員を、自分以上の人材に成長させよう! 池田班を、2倍、3倍、10倍と拡大していくのだ!"
先生は当時、戸田先生が顧問を務める会社で営業部長の重責を担っていた。帰宅は連日、深夜。微熱にさいなまれ、体調は芳しくない日々だった。会合に出られない日が続くと、「池田は退転だよ!」と言い放つ幹部までいた。
しかし、池田班長の広布の大情熱が、決して消えることはなかった。
"どんなに苦しくとも、つらくとも、必ず勝ってみせる!"——常にはがきと便箋を持ち歩き、寸暇を惜しんで友への激励のペンを走らせた。祈りで智慧を湧かせ、工夫を重ねながら、個人指導や折伏に走り抜いた。
部員10人で出発した池田班は、半年で3倍以上に拡大。22ある班の中、全男子部員の約1割を占める大班に発展した。
その原動力は、何であったか。
池田先生は述懐している。「私にとっては、師弟一体で戦うことが、師の『青年訓』を身で読むことであった」と。
「師弟一体の闘争」——ここにこそ、青年の熱と力を呼び起こす源泉がある。師との誓いを、断じて果たさずにはおかないという真剣勝負の闘争の中で、無限の力と智慧が開花するのだ。
「青年訓」に、広宣流布の運動は「衆生を愛さなくてはならぬ戦い」「仏の慈悲の境地を会得する、人間革命の戦い」ともつづられている。
一人を大切にし、苦悩を分かち合い、次々と広布への誓いの火をともしゆく挑戦は、全て自身の人間革命と、未来の飛躍への糧となる。
若き池田先生の闘争に学び、徹底して友に励ましを送りゆこう。青年が一人立つ時、新たな勝利の劇が始まる。

☆いのちの賛歌 心に刻む一節 生死と向き合う 挑み、勝つことが人生 2020年9月15日
企画「いのちの賛歌 心に刻む一節」では、御聖訓を胸に、宿命に立ち向かってきた創価学会員の体験を紹介するとともに、池田先生の指導選集『幸福と平和を創る智慧』(以下、「指導選集」)の指導を掲載する。今回は「生死と向き合う」をテーマに、神奈川県の壮年に話を聞いた。

◇御文
『今日蓮等の類いの修行は妙法蓮華経を修行するに難来るを以て安楽と意得可きなり』(御義口伝、750ページ)

◇通解
いま日蓮と門下が妙法蓮華経を修行するのに、難が襲ってくることをもって、安楽であると心得るべきである。

◇2人の幼子を遺して
17年前の1月、新保貴史さん(58)=栄区総合長=の妻・美香さんは、霊山へ旅立った。その1年後、池田先生から激励の和歌が届いた。
「荒れ狂う/怒涛に挑みて/偉大なる/我らの勝利は/晴れ晴れ来たらむ」
      ◇
美香さんが「乳がん」を宣告されたのは、2人目の娘が生まれて1年後のことだった。
「妻は当時34歳。娘は3歳と1歳で、子育ても人生もこれからという時。あまりの現実に、がくぜんとしました。ともかく絶対に病魔を打ち破ってみせると、夫婦で祈りました」
やがて、手術で腫瘍を摘出することができ、平穏な日常を取り戻した。ところが手術から3年後、がんが再発した。
「腫瘍は、どんどん転移していって。それでも妻は常に前向きでしたが、病気の進行とともに出歩くことも難しくなっていきました」
"自分が強くならなくては"。新保さんは懸命に御本尊に向かい続けた。
再発から3年が過ぎた2003年1月22日、美香さんはとうとう集中治療室へ。
付き添った新保さんは、病室で横たわる美香さんと一緒に題目を唱えた。美香さんの声が途切れた後も、新保さんは祈り続けた。必ずよくなる。そう信じて。
翌23日の明け方、そのまま美香さんは眠るように息を引き取った。1週間前に40歳の誕生日を祝ったばかりだった。
帰りの車中、心が乱れ、涙があふれた。
帰宅した新保さんは、小学生の2人の娘に、しぼり出すように言った。「お母さん、亡くなったよ」。大声で泣きだした娘たちをぎゅっと抱き締め、一緒に泣いた。
葬儀を終えると、日常に戻された。
"自分一人で、2人の娘を育て上げることができるのか"との不安が込み上げた。
光明を見いだそうと御書をひもとく中、胸に突き刺さったのが、「難来るを以て安楽と意得可きなり」(御書750ページ)との一節だったという。
「"いつまでも悲しみに浸っているわけにはいかない。負けるものか"って、御文を命の中に入れました。祈って目の前の"怒涛"に挑んでいく。もうこれしかなかったですから」
仕事、子育て、学会活動……現実は格闘の連続だった。そんな中、池田先生から激励の和歌が届く。弟子を思う師の慈愛。新保さんは目頭を拭った。ふつふつと勇気が湧いた。心の中の悲哀を塗りつぶすように、御本尊に向かった。
娘たちには、母親の分まで愛情を注ごう。そう決めて、どんなに忙しくても時間をこじ開け、授業参観などの学校行事には積極的に参加した。何より、同居していた義父母や義姉家族の存在は、大きな支えだった。
思春期の娘たちとの関わり方に、人知れず悩んだこともあったというが、「妻ならどうするかと考えながら、精いっぱい向き合いました」。
そんな新保さんの姿は、娘たちの目にどう映っただろう。
昨春、医学部を卒業し、医師としての一歩を踏み出した長女・香織さん=女子部員。「大変だったはずなのに、私たちにはそんな顔を全く見せず、いつもニコニコしていました。お父さん、すごいなって思います」
次女・美幸さん=女子部本部長=は、「私が悩んだ時、一番の相談相手になってくれるのが父なんです」と明るく笑う。現在、機械装置メーカーで働きながら、母の分までと朗らかに広布に励む。
新保さん自身、学会では常に広布の最前線で奮闘。勤め先の国際輸送業会社では役員を務めるなど、信頼の実証を示す。
「"難こそ安楽"。それだけを信じて前に進んできました。毎日が"怒涛"でした。でも振り返ってみると、全てが祈った通りに開けました。苦闘の日々があったから、今がある。私はこれからも"怒涛"に挑み続けます」
新保さんの2人の娘、香織さんと美幸さんは、よく地域の婦人部員から「昔、あなたたちのお母さんに励まされたのよ」と、母の話を聞くそうだ。
香織さんは話す。
「闘病中も、よく皆を笑わせていたお母さん。誰からも好かれていました」
美幸さんは、「私も母のように、周囲を明るく照らす存在になれたら」と、心情を語る。
心優しく育った2人の娘に、新保さんは思わず、在りし日の美香さんの姿を重ねる。
「妻を亡くした悲しみが癒えることはありません。ですが、そこにとどまってもいません。今こうして私たち家族が笑顔でいる様子を、きっと妻も、笑って見つめてくれているでしょう」
池田先生は語っている。
「仏教の本質は、いたずらな悲観主義、厭世観でもなければ、根拠のない楽天主義でもない。人生の苦を直視し、そこから逃避するのでなく、むしろ徹底的に取り組んだ末に到達した、生の歓喜の思想だといってもよい。
苦しみから逃避して、真実の喜びはない。人が目をそむけ、逃避しようとしている苦しみを如実に知見し、それに勇敢に挑戦し乗り越えてこそ初めて、金剛不壊の、つきることなき歓喜が込み上げてくるのです」

「妙法に結ばれた生命は、生死を超えて、ともどもに、たがいに、励まし合い、護り合い、導き合って、絶対の幸福と勝利の軌道を進んでいくのである。
妙法の世界には悲嘆もなければ、悲観もない。妙法を行ずる家族は、何があっても『常楽我浄』の月光に包まれていく。そして、その足跡が、あとに続く人々に、計り知れない希望と勇気を送っていくのである」(「指導選集」第1部下巻)
家族で挑んだ6年間の闘病生活。そして、心の中の美香さんと歩んできた17年の歳月。それは今、希望へと続く勝利の足跡と輝いている。

[教学コンパス]
身近な人との死別による悲嘆を支える「グリーフケア」への関心が高まっている。「グリーフ」とは、大切な人を喪失した深い悲しみのこと。特に家族を失うつらさは、筆舌に尽くし難い。
上智大学グリーフケア研究所所長の島薗進氏は、「グリーフケアが求められる時代とは、悲嘆を分かち合うことの困難が強く実感される時代でもある」と述べる(『グリーフケアの時代』弘文堂)。社会と個人の多様化が背景にある。
仏法で説く「慈悲」の精神。「慈」は「友愛」を意味するサンスクリット語の「マイトリー」から訳され、「悲」は「悲しみを共にする」ことを指す「カルナー」などから訳される。友の苦悩に同苦し、励まし合っていく。これこそが慈悲の精神であり、真実の友情であると仏法は示す。
試練の渦中にある友に寄り添い、温かな友情を結んでいくことが、今ほど求められている時代はないだろう。"あなたは一人じゃない"——その思いを一人でも多くの人に届ける実践に、慈悲は脈打つ。(優)

2020年9月24日木曜日

2020.09.24 わが友に贈る

大雨や土砂災害
河川の増水に厳重警戒!
配達員の皆さまも
安全を最優先で!
絶対無事故を祈ります。

経王殿御返事 P1124
『経王御前にはわざはひも転じて幸となるべし、あひかまへて御信心を出し此の御本尊に祈念せしめ給へ、何事か成就せざるべき』

【通解】
経王御前には、災いも転じて幸いとなるであろう。心して信心を奮い起こし、この御本尊に祈念していきなさい。何事か成就しないことがあろうか。

名字の言 鹿児島・十島三島支部の友の新たな挑戦 2020年9月24日
鹿児島のはるか南の海上。口之島、中之島、平島、諏訪之瀬島、悪石島、小宝島、宝島等からなる十島村。竹島、硫黄島、黒島等からなる三島村。この2村で構成される十島三島支部からの投稿が本紙9日付の声の欄に掲載され、感動が広がった▼日常的に集えないため、鹿児島市在住の支部長・婦人部長が船で各島に通い、活動を進めてきた。だがコロナ禍で渡航も自粛。ならばと支部長がオンライン協議会を提案。支部婦人部長も賛同し、スマホデビュー。先月、晴れて協議会が実現した▼ただ各島の事情もあり、参加者は多くはなかった。口之島の畜産農家のメンバー宅では、子牛が生まれる日に当たってしまった。参加はできなかったが、その日、子牛は無事に誕生し、皆ひと安心。黒毛和牛の名産地である同島では、牛の共同放牧を行っている。島の牛は、島の皆で育てる。その支え合う心が美しい▼5年前、小説『新・人間革命』第28巻「勝利島」の章で池田先生は、同地域の広布史をつづり、全ての島の地図が挿絵に描かれた。それが友の勇気と団結の源泉だ。「皆さんと協力し、コロナ禍の苦境も断じて乗り越えていきます」と友は誓う▼同支部では今月、オンライン座談会も開催するという。新しい風が南の島からも吹いている。(進)

寸鉄 2020年9月24日
地球的危機を越えるには「人間革命」しかない—共同会長。我らが先駆と
粘り強さがなければ本物には育たぬ—戸田先生。青年よ祈りと執念で勝て
笑顔の挨拶は人に安心感を与える—学者。一瞬の出会いも大切に。心込め
昨年の横断歩道事故、1万4千件。歩行者優先だ。皆で順守し犠牲なくそう
0歳児の胃腸炎ワクチン来月、無料に。公明が推進命守る政治を更に進めよ

〈社説〉 2020・9・24 人類がもつ「歌の力」
◇世界青年部歌を声高らかに
新型コロナの感染拡大や自然災害など、人類は数々の難局に直面している。
一人一人が、いかに逆境に負けず、前向きに生きていけるか。そして、自己中心主義に陥ることなく、協調して進んでいけるか——。
まさに今、個人における「希望の精神」と「利他の精神」を、いかに強めていくかが問われている。
その鍵を握るものの一つとして、「歌の力」に着目したい。
音楽学者のジョーゼフ・ジョルダーニア氏は、著書『人間はなぜ歌うのか?』で、「歌唱」の力こそが人類の進化に欠かせない要素であったと強調する。
私たちの祖先は、狩猟の際に、大きな声で歌い、獲物を威嚇していた。また、リズムに乗って声を合わせることで、各々の恐怖心を振り払い、自分自身を超えた大きな目的のために結束し、共に戦うことができたという。
「歌う」という行為は、古来、人類が連帯して苦難に挑む"根源的な実践"であった、といえるだろう。
創価学会の前進もまた、明るい歌声と共にあり続けてきた。
1960年、池田先生は初めて海外へ旅立った。北南米3カ国9都市を巡る中、行く先々で同志が歌っていたのは、数年前から日本全国で歌われるようになった学会歌「威風堂々の歌」である。
ブラジル・サンパウロの空港では、数十人のメンバーが先生の訪問を待っていた。その多くが、日本から移住し、農業に従事していた人たちである。日焼けした顔を輝かせ、2本の竿の間に張られた「威風堂々の歌」の歌詞を見ながら、習い覚えた歌を懸命に歌った。
世界広布の師弟のドラマも、学会歌の歌声と共に始まったのだ。
それから60年の時を刻む本年、このほど世界青年部歌「Eternal Journey with Sensei! 〜永遠の師弟旅〜」が発表された。
世界の青年たちがオンライン会議を重ね、思いを語り合う中で誕生したこの新学会歌は、まさに新たな広布伸展の"鼓動"にほかならない。
池田先生はつづっている。
「民衆の興隆のあるところには、必ず歌がある。歌には、人びとの理想があり、その歌を通して、団結も生まれる。だから、声高らかに歌を歌って、明るく、うんと陽気に、人生を楽しみながら、広宣流布を進めていくんだよ」
試練の時こそ、「歌の力」で心のスクラムを組んでいきたい。
世界青年部歌の「前へ前へ」とのメロディーを力強く響かせながら、新たな価値創造の扉を開こう。

☆小説「新・人間革命」学習のために 「アジア編」
◇雲の井に 月こそ見んと 願いてし アジアの民に 日をぞ送らん
小説『新・人間革命』の山本伸一の激励・指導などを紹介する「My Human Revolution(マイ・ヒューマン・レボリューション)」。今回は「アジア」編を掲載する。次回は「アフリカ・オセアニア」編を25日付2面に掲載の予定。挿絵は内田健一郎。

◇社会への貢献が仏法の正義を証明
<1976年(昭和51年)5月、韓国に、SGI韓国仏教会の前身である"仏教会"が発足。社会貢献への歩みが開始される>

御書には「智者とは世間の法より外に仏法を行ず、世間の治世の法を能く能く心へて候を智者とは申すなり」(御書1466ページ)と仰せである。つまり、社会を大事にして、社会のために貢献し、活躍していくことが仏法であり、その人が「智者」であるというのである。
韓国の同志は、この日蓮仏法の、また、創価学会の「真実」と「正義」を、なんとしても証明していかなければならないと思った。誤解が誤解のままであれば、「真実」は葬り去られてしまう。誤解を放置しておくことは、「正義」の死を意味する。
"私たちが実際に何をなし、どれだけ社会に貢献できるかだ。その行動のなかに、学会の正しさを証明する道がある"
こう考えたメンバーは、各地域で、自主的に、また、地道に、社会貢献の歩みを開始していったのである。(中略)
社会奉仕の諸活動に勇んで参画し、田植えや刈り入れを手伝う「農村助け合い運動」や、自然保護運動に取り組んでいった。
さらに、一九九〇年代に入ると、メンバーは、大規模な「国土大清掃運動」を展開していったのである。
このほか、教育や福祉にも光をあて、学校への「良書贈呈運動」や、社会的に恵まれない人びとへの奉仕活動も進められた。
仏法の人間主義に基づく韓国の"仏教会"のこうした地道な努力は、着実に信頼の輪を韓国社会に広げていった。
(第8巻「激流」の章、367〜369ページ)

◇「幸福の花園」は自身の胸中にある
<63年(同38年)1月、香港支部大会で婦人部の陳鮑美蘭は山本伸一に出会う。戦争に翻弄され、広東省や台湾を転々とし、香港にやってきた彼女に伸一は語る>

「幸福への決め手は、何があっても、負けることのない精神の強さ、価値を創造していく智慧、そして、喜びと希望にあふれた、豊かな心をつくり上げていくことにあります」
そして、(中略)「香港を幸福の花園に」と呼びかけたのである。
美蘭はハッとした。彼女は、どこに行けば幸福になれるのかを考え続けてきた。
しかし、生まれた日本をはじめ、台湾にも、広東にも、安住の地はなかった。
伸一の話は、その幸福がどこにあるかを、明確に示していた。
"幸福は、私自身のなかにあるのだ! どんな逆境にも負けない強い心を、価値を創造していける豊かな心をつくる以外にない。
そして、皆が自分を変え、人間革命していくならば、社会の平和を実現することができる。
必ず、この仏法をもって、香港を幸福の花園にしよう"(中略)
美蘭は、メンバーのために、日本での講習会をはじめ、さまざまな機会に通訳として奮闘した。さらに、香港の機関紙「黎明聖報」の発刊が決まると、御書や学会の指導の翻訳を引き受けてきたのである。
彼女は、しみじみと思うのであった。
"激動の歴史に弄ばれてきたように思える自分の人生も、決して無駄ではなかった。
日本語を学び、戦争の恐ろしさを体験してきた私には、香港の人びとの平和と幸福のために、大聖人の仏法を伝える使命がある。
私の半生は、そのためにあったのだ"
(第18巻「飛躍」の章、390〜391ページ)

◇一人一人が「広布の大河」の一滴に
<79年(同54年)2月、全インドから集った約40人のメンバーに伸一は訴えた>

「十八年前、初めてインドを訪問した折のことが、昨日のように思われます。その時は、誰一人、メンバーであるインドの方とお会いすることはなかった。
しかし、私は思いました。強く決意しました。
"仏教が誕生した意義あるインドに、地涌の菩薩が出現しないわけがない。また、必ず出現させなければならない!"
以来、インドの地に、数多の同志が誕生することを、日々、真剣に祈ってまいりました。そして、今日ここに、広宣流布の使命に生きようとする約四十人の代表が、喜々として集われた。まさに大聖人が仰せの『地涌の義』です。これほど嬉しいことはありません。皆さん方は、地涌の同志であり、宿縁深い"兄弟"であり、"姉妹"であるとの自覚で、インドの人びとのために、どこまでも仲良く、共に成長していっていただきたい。今や世界の数多くの国に、創価の友がおります。(中略)
その世界の同志は、仏教発祥のインドに注目し、貴国の未来に期待を寄せ、心から声援を送っております。あの雄大にして悠久なるガンジス川の流れも、一滴の水から始まる。同じように皆さんは、インド広布の大河をつくる、源流の一滴、一滴となる方々です。洋々たる未来を信じて前進していっていただきたい。二十年、三十年、五十年後をめざして、広布のガンジスの流れを開いていこうではありませんか!」(中略)
ガンジスの一滴に——それは、インドの同志の誓いとなり、合言葉となっていった。
(第29巻「源流」の章、388〜390ページ)

◇永遠なる広布開く師弟不二の共戦
<2000年(平成12年)11月、シンガポールとオーストラリアの合同最高会議に出席した伸一は、シンガポールが「獅子の都」を意味することから、仏法で説く「師子」について述べる>

「仏法では、仏を『師子』と呼び、仏の説法を『師子吼』という。大聖人は、『師子』には『師弟』の意義があると説かれている。
仏という師匠と共に生き抜くならば、弟子すなわち衆生もまた、師匠と同じ偉大な境涯になれるのを教えたのが法華経なんです」
一般的にも、師弟の関係は、高き精神性をもつ、人間だけがつくりえる特権といえる。
芸術の世界にも、教育の世界にも、職人の技の世界にも、自らを高めゆかんとするところには、必ず師弟の世界がある。
伸一は、青年たちに力説した。
「『人生の師』をもつことは、『生き方の規範』をもつことであり、なかでも、師弟が共に、人類の幸福と平和の大理想に生き抜く姿ほど、すばらしい世界はありません。この師弟不二の共戦こそが、広宣流布を永遠ならしめる生命線です。そして、広布の流れを、末法万年を潤す大河にするかどうかは、すべて後継の弟子によって決まります。
戸田先生は、よく言われていた。『伸一がいれば、心配ない!』『君がいれば、安心だ!』と。私も今、師子の道を歩む皆さんがいれば、世界広布は盤石である、安心であると、強く確信しています」(中略)
「勇気は、誰でも平等にもっています。勇気は、幸福という無尽蔵の宝の扉を開くカギです。(中略)
どうか皆さんは、勇気を取り出し、胸中の臆病を打ち破ってください。そこに人生を勝利する要因があります」
(第30巻<下>「誓願」の章、421〜423ページ)

2020年9月23日水曜日

2020.09.23 わが友に贈る

平和と安穏を祈る心は
五大州をつなぐ。
さあ世界青年部総会へ
希望の若人と共に
新たな広布史を築こう!

光日房御書 P931
『人のをやは悪人なれども子善人なればをやの罪ゆるす事あり、又子悪人なれども親善人なれば子の罪ゆるさるる事あり、されば故弥四郎殿は設い悪人なりともうめる母釈迦仏の御宝前にして昼夜なげきとぶらはば争か彼人うかばざるべき、いかにいわうや彼の人は法華経を信じたりしかばをやをみちびく身とぞなられて候らん』

【通解】
人の親は悪人であっても、子が善人であれば、親の罪が許されることもあります。また子が悪人であっても親が善人であれば、子の罪が許されることもあるのです。
ですから、故弥四郎殿はたとえ悪人であっても、生みの母が釈迦仏の御宝前で昼夜になげき、追善供養すれば、どうして弥四郎殿が成仏できないことがありましょうか。ましてや弥四郎殿は生前は法華経を信じていたのですから、苦しみの境界へおちるどころか、親を成仏へと導く身となられていることでしょう。

名字の言 「笑顔」も伝染する 2020年9月23日
「伝染する」と聞くと心穏やかではないが、伝染するのは細菌やウイルスばかりではない。実は「笑顔」も伝染する。スウェーデンのウプサラ大学の研究結果だ▼笑顔の人と向き合った時、しかめっ面を続けるのは難しい。"なぜなら笑顔は伝染するものであり、相手の顔の筋肉のコントロールを抑えてしまうから"だという。さらに"笑顔の写真を見ていると、わずかな時間で自然と笑顔になる"とも伝えている▼中でも子どもたちの笑顔ほど、人を温かな気持ちにするものはないだろう。少年少女きぼう新聞が「笑顔の写真」を募集した。少年少女部結成55周年を記念し、モザイクアートを制作する企画である。日本だけではなく、海外の友の笑顔もあった▼かつて少年少女部合唱団の合唱を鑑賞した海外の識者が、「笑顔で私たちに歌いかけるこの子たちのためにも、21世紀を絶対に平和にしなければならない」と、感想を寄せたことがある。池田先生は「大人たちがどんなに言葉で平和を訴えるよりも、それ以上に、人々の心を動かすのが、子どもたちの笑顔」だと語った▼♪笑顔はみんなのパスポート 世界へ羽ばたけ……(少年少女部歌「Be Brave! 獅子の心で」)。世界平和とは、子どもたちの笑顔を広げる挑戦でもある。(之)

寸鉄 2020年9月23日
新しい仕事は自分の枠を破るところから始まる—恩師。今日も挑戦の一歩
少年少女部の結成55周年おめでとう!希望の時代開く未来の宝。皆で育成
「聖霊を訪う時法華経を読誦し」御書。秋の彼岸。同志の題目が最高の追善
台風が接近。大雨に警戒。対策は万全の準備で決まる。最新情報を常に確認
軽い運動は寒暖差疲労の解消に有効—医師。友の為に歩くのは健康の源に

〈社説〉 2020・9・23 少年少女部が結成55周年
◇挑戦と応戦で後世の模範に
きょう23日は、少年少女部の結成記念日。1965年(昭和40年)、高・中等部に続いて、池田先生の"手作り"で誕生し、本年で55周年を迎えた。
なぜ未来部が結成されたのか。理由の一端が、小説『新・人間革命』にある。
「大勢の先輩、よき相談相手が周囲にいれば、安心して自分の人生行路を決めていくことができる。若芽が未来に、スクスクと伸びゆくための応援をしていくこと」(第9巻「鳳雛」の章)
この言葉を誰よりも実践し、愛情と力を注いできたのが先生である。
激務の合間を縫い、子どもたちと一緒に卓球をしたり、手品を披露したり、ピアノを弾いたことも。
さらには20以上にのぼる創作童話・物語の執筆や折々のスピーチ、指針を贈るなどしてきた。
この師の心をわが心として後継の育成に献身してきたのが、未来部担当者である。
各地の合唱団運動をはじめ、各種コンクールの取り組みや日々の関わりが、半世紀を超えて各地で紡がれ、数多くの人材を育んできた。
さまざまな活動が継続の危機に直面したコロナ禍にあっても、未来部育成の歩みは止まらない。
事前に承諾を得た上での家庭訪問やオンラインを駆使しての励ましを続け、ビデオメッセージや記念品を送り届けるなど、あらゆる可能性を模索した。趣向を凝らした"未来部通信"を作成した地域もある。
本年1月23日付本紙に登場した「歌のお兄さん」の横山だいすけさん。当初、子どもとの接し方に悩んだという。
試行錯誤を繰り返し、"今日は1人、笑顔にできた""今日は2人が笑ってくれた"との積み重ねの末、"こんなことが僕にはできるんだ"という自信がついた時、子どもたちの反応が変わった。
「"子どもとの関わりに正解はない"ということを学びました」と自身の経験を踏まえ語っていた。
歴史家トインビー博士の卓越した歴史理論の一つに、「挑戦と応戦」がある。
例えば博士は、「文明というものは、つぎつぎに間断なく襲いきたる挑戦に対応することに成功することによって誕生し、成長するものである」(深瀬基寛訳『試練に立つ文明』社会思想社)と。
試練の中で伸びていくのは生命の法則である。また、創価学会90年の歴史も、三代会長の獄中闘争や宗門事件など、苦難をはね返すごとに発展を遂げてきた。
少年少女部歌「Be Brave! 獅子の心で」の歌詞には、「努力は絶対むだじゃない」とある。
未曽有の試練に直面し、苦労も多い。だからこそ、努力の一つ一つが、"後世の模範"と輝く。
少年少女部員の真剣さと、担当者の熱意が合わさって築かれてきた同部の伝統。その希望の歌声が未来に響いていく。

☆心に御書を 第73回 医療従事者の尊き献身に感謝
〈御文〉
『貴辺の良薬を服してより已来日日月月に減じて今百分の一となれり、しらず教主釈尊の入りかわり・まいらせて日蓮をたすけ給うか、地涌の菩薩の妙法蓮華経の良薬をさづけ給えるかと疑い候なり』(中務左衛門尉殿御返事、1179ページ)

〈通解〉
あなた(四条金吾)がくださった良薬を服用して以後は、体調も日々月々に回復し、今では症状も百分の一となりました。教主釈尊があなたの身に入り替わって日蓮を助けられるのであろうか。地涌の菩薩が妙法蓮華経の良薬を授けられたのであろうかと不思議に思っています。

〈池田先生が贈る指針〉
名医の四条金吾へ甚深の感謝の仰せである。医術は慈悲の聖業だ。
日夜、生命を守り、生きる力を引き出すドクター部をはじめ医療従事者の方々は、まさに仏・菩薩の体現者にほかならない。
尊き献身は御本仏が御照覧である。妙法とともに自らも健康第一で、病魔に打ち勝つ大生命力を! 金吾夫妻のごとく陰徳陽報の勝利あれ!

☆明日を照らす テーマ:誓願の力 2020年9月19日
今回の「明日を照らす」は、「誓願」がテーマです。池田先生は「仏教において『誓願』は、宿業の鉄鎖を切り、過去に縛られた自分を解放して、新しい未来に向かう自分をつくる力と言えます。仏の教えで自分を磨きつつ、確立した心によって、未来の自分を方向付け、それを実現していく努力を持続していけるのが『誓願の力』です」と語っています。
先の見えない社会状況の中、いかなる時も力強く"前へ"と進む源泉となる哲理を学んでいきましょう。

◇開目抄
『我日本の柱とならむ我日本の眼目とならむ我日本の大船とならむ等とちかいし願やぶるべからず』(御書232ページ)

◇広布の大願を受け継ぐ
【通解】我は日本の柱となろう、我は日本の眼目となろう、我は日本の大船となろう等との誓願は絶対に破ることはない。

どのような迫害があろうとも、誰人も、わが民衆救済の誓願を揺るがすことはできない——佐渡流罪という、命におよぶ法難の渦中、日蓮大聖人は高らかに宣言されました。この御文の直前では"諸天に捨てられようが、多くの難に遭おうが、わが身命をなげうって戦うのみである"との御覚悟を述べられています。
この不惜身命の精神こそ、広宣流布の魂です。
大聖人は御自身の誓願を「我日本の柱とならむ我日本の眼目とならむ我日本の大船とならむ」と述べられています。ここに示された「日本の」とは、決して日本中心主義ではなく、日本国中が謗法に突き進み、末法の典型とも言うべき国土であると考えられたからです。
池田先生は、本抄を拝して「私が、倒壊した国の精神の柱となろう。私が、混迷した思想の正邪を見分ける眼目となろう。私が、漂流した民衆を救う大船となろう、と。この偉大なる誓願は、大聖人の御生涯にわたって貫かれたものです」と語っています。この魂を、一人一人が「一人立つ精神」で受け継いで広布を前進させてきたのが創価学会です。
今、自分がどのような状況や立場であれ、"広宣流布は自分が担う"との誓いを立てていくことこそ、大聖人の大願を受け継ぐことにほかなりません。そして、その誓いに立った時に、闇を破り太陽が昇るように、仏界の生命が力強く自身の中に脈打つのです。
同志と"わが誓い"を確認し合いながら、共に出発していきましょう。

2020年9月22日火曜日

2020.09.22 わが友に贈る

皆それぞれに
果たすべき使命がある。
互いの違いを認め
尊敬し合うことが
異体同心の第一歩だ。

経王殿御返事 P1124
『つるぎなんどもすすまざる人のためには用る事なし、法華経の剣は信心のけなげなる人こそ用る事なれ鬼にかなぼうたるべし』

【通解】
剣なども、進まない人のためには何の役にも立たない。法華経(御本尊)の剣は、信心の強い人が用いてこそ、役に立つ。まさに鬼に金棒である。

名字の言 米国の友人とオンライン座談会に参加した女子部員 2020年9月22日
昨年、アメリカの大学を卒業した女子部員。留学中、人種差別の現実を目の当たりにした。以来、それまで無関係と思っていた差別問題は「自分ごと」になった。だからこそ、今回の黒人差別問題に対して無力な自分が嫌になり、悶々とする日々が続いていた▼そんな中、大学時代の友人の、米国で黒人として生きる苦しみと不安を知る。2年ぶりに連絡を取り、オンライン座談会に一緒に参加。友人は「とても楽しかった。私の地域でもSGIの活動に参加してみたい」と▼コロナ禍での人の接し方に悩んでいた女子部員は、この体験が契機となり、「どこにいても、誰とでもつながれる!」と前向きに。今、目前の世界青年部総会を目指し、オンラインを活用しながら友好を広げる▼この話を聞いた時、オンラインに消極的だった自分を顧みた。これまでの生活スタイルを変えることは、ともすればためらう部分もあるが、「できない」という"限界の壁"は所詮、自身が心の中につくったもの。その壁を壊せば、新しい世界が待っている。人間革命の勝利のドラマが始まる▼学会伝統の座談会が、にぎやかに開かれている。オンライン座談会やステイホーム座談会など、知恵と工夫が光る。学会創立90周年の「11・18」への出発である。(側)

寸鉄 2020年9月22日
「青年を呼ぶのは青年」恩師。勇気は必ず伝播。圧倒的な対話拡大今こそ
栃木・那須総県の日。師弟共戦の広布の理想郷を!模範の人材城を築きゆけ
「賢者はよろこび愚者は退く」御書。苦難は信心の試金石。師子の心で!
読書はストレスを軽減、数分でも効果あり—研究読書の秋。開く習慣から
長距離の運転時は時間に余裕もち。小まめな休憩必ず。無事故こそ勝利だ

☆心に御書を 第74回 妙法は絶対の安心を約束
〈御文〉
『故聖霊・最後臨終に南無妙法蓮華経と・となへさせ給いしかば、一生乃至無始の悪業変じて仏の種となり給う、煩悩即菩提・生死即涅槃・即身成仏と申す法門なり、かかる人のえんの夫妻にならせ給へば又女人成仏も疑なかるべし』(妙法尼御前御返事、1405ページ)

〈通解〉
亡くなられた聖霊(=夫)は、最後臨終のときに南無妙法蓮華経と唱えられたのですから、一生また無始以来の悪業は変じて仏の種となるのです。これが煩悩即菩提・生死即涅槃・即身成仏という法門です。貴女は、このような人と縁あって夫婦となられたのですから、また女人成仏も疑いないでしょう。

〈池田先生が贈る指針〉
最愛の伴侶を看取った女性への激励である。信心を貫いた故人の凱歌の生命を讃えられ、後継の家族の成仏も間違いないと断言されている。
どんな宿命も「仏の種」と変えられる妙法だ。ゆえに何があっても、たじろぐことはない。別れの悲しみも寂しさも題目で包み、安心と希望と福徳の軌道を永遠に共に上昇するのだ。

☆対話のツボ 【問い】「世界の平和」を祈っていても、実感が湧きません。
たしかに、「世界の平和」のような、大きな目標は"わが事"として捉えにくく、なかなか実感が湧かないかもしれません。むしろ、明日や来週に迫った自分の目標のような、眼前のことの方が祈りやすいといえます。
日蓮大聖人は、「立正安国論」で「自身の安泰を願うなら、あなたはまず社会全体の静穏を祈るべきである」(御書31ページ、通解)とつづられました。
池田先生は、この御文を拝し「自分だけの幸福や安全もなければ、他人だけの不幸や危険もない」と語っています。この思いで、地域や社会の平和を真剣に祈り、善の連帯を広げてきました。
それが、大聖人から創価学会が受け継いだ立正安国の精神です。
世界平和といっても、自分自身が地域や社会の平和を祈り、仏道修行に励みながら「眼前の一人」を大切にすることが一歩であるといえます。
SGIが世界中に広がったのは、池田先生が「眼前の一人」を包み込むように励まし、大切にしてきたからです。
その「一人」が信心に励み、宿命転換のドラマを演じながら、周囲に励ましと希望を送っていく。そうして、一人からまた一人へと世界中の国々に"地涌の陣列"が広がっていったのです。
大きな目標である「世界の平和」は、日々の勤行・唱題の中で真剣に祈りながら、目の前の一人を大切にすることで、着実に広がっていくのです。

2020年9月21日月曜日

2020.09.21 わが友に贈る

◇今週のことば
多宝の尊き父母、万歳!
「年は・わかうなり
福はかさなり候べし」
妙法と共に凱歌の人生を
創価と共に幸齢社会を!
2020年9月21日

聖愚問答抄下 P500
『此の妙法蓮華経を信仰し奉る一行に功徳として来らざる事なく善根として動かざる事なし、譬ば網の目無量なれども一つの大綱を引くに動かざる目もなく衣の糸筋巨多なれども一角を取るに糸筋として来らざることなきが如し』

【通解】
この妙法蓮華経を信仰し奉る一つの行いに、いかなる功徳も集まってこないものはなく、いかなる善根も動かないものはない。
たとえば、網の目は無量であっても一つの大綱を引けば動かない目はなく、衣の糸筋は多くあっても一角を引けば、糸筋としてたぐられてこないものはないとうようなものである。

名字の言 漫才師・内海桂子さんの人生哲学 2020年9月21日
年をとってから最後の一花を咲かせることを「老いの入舞」という。漫才師の故・内海桂子さんは、「私の人生はまさにそのとおり」と振り返っている▼16歳で初舞台を踏み、名コンビ「内海桂子・好江」が誕生したのは70年前。世代を超えて多くの人から愛された。その人気に安住することなく、50歳を過ぎて絵を描き始め、個展を開催。87歳で始めたツイッターでは、本年4月まで約10年にわたり、毎日"つぶやき"続けた▼彼女の人生哲学は「ねじ巻き人生」。貧乏のため、9歳から働きに出た。稼ぎの半分は実家に、残りを三味線や踊りの月謝に充てたという。「私はことあるごとに自分でねじを巻き、転んでも起き上がってきました」「くよくよしていたって始まらないし、明けない夜はありません」(『人生は七転び八起き』飛鳥新社)▼人間の真実の美しさは、心の輝きにある。自分自身と戦う中で、磨き鍛えられた人格の光彩は、年を重ねれば重ねるほど、まばゆい輝きを放っていく。苦難や試練に負けない「不屈の心」という土壌に、自分らしい「花」は咲き薫る▼学会には、「心の宝」を積み重ねる、数多くの多宝会の友がいる。地域に希望の種をまき、自他共の幸福の花を咲かせる先輩方の生き方に真摯に学びたい。(銘)

寸鉄 2020年9月21日
現代こそ自他共の幸福に尽くす仏法の慈悲が必要—識者。わが振舞で拡大
感染防止で新しい座談会の形。語らえば心は通う。巧みな智慧で団結固く!
青年は闘争の中で自己を鍛えよ—周総理。時は今。一日一日、悔いなく前進
国連・国際平和デー。争いの世界では大流行は克服できぬ。調和の思潮更に
20代以下で大麻検挙増—多くが誘われてと。甘く見るな!人生破滅の因だ

〈社説〉 2020・9・21 きょう「敬老の日」
◇心のつながり、笑顔で結ぼう
「新しい生活様式」が求められる今年は、聞き慣れない言葉をよく耳にする。例えば「オンライン帰省」。実家に帰らず、スマホやパソコン等で親や祖父母とのビデオ通話や、動画・写真のやりとりをすることだ。最初に政府が推奨したのは5月の大型連休前。「それを帰省というの?」と戸惑った人もいただろう。
だが、お盆を迎える頃には、多くの人に受け入れられていた。「高齢な人ほど重症化しやすい」といわれる新型コロナウイルス。新たな"帰省"の決断には、年老いた親や祖父母を案じる、かつてない「思いやり」もあったと拝察する。
家族社会学に詳しい、石井クンツ昌子名誉教授(お茶の水女子大学)は"親とのコミュニケーションにデジタル機器を使う人は、実際に帰省する頻度も多く、親孝行の気持ちが強い傾向にある"と、新しいつながりを前向きに捉える。
高齢者でも外出自粛を機に、通信アプリ「LINE」や会議アプリ「Zoom」などで、実際に会っているように会話を楽しみ始めた人も少なくない。
孤独にならないためにも「インターネットは、いまやシニアにとって必需品」と語るのは、シニアのためのネット教室を主宰する牧壮さん(一般社団法人アイオーシニアズジャパン代表理事)。本紙の「幸齢社会」で「コロナ禍にあって、シニアが人とのつながりを保ち続けるにはネットの活用が不可欠」と述べた。
もちろん、本人の状況や習慣によって交流するツール(手段)は異なるもの。ネット環境が整わない場合もある。電話も有効だし、時には一筆箋などを使って気持ちを伝えるのもいいだろう。堅苦しいルールがないので、目上の人にも気軽に書くことができる。
大事なのは心のつながりを結ぶこと。幸せは、人とのつながりの中で味わえることが、外出自粛でも身に染みた。その喜びの輪を自ら行動で広げてきたのが、幸福人生の達人である"多宝の友"だ。だから、広布の父母には当意即妙なユーモアがある。今夏、102歳の方から本紙記者に届いた暑中見舞いには、スイカの絵が描かれていた。お礼に電話すると「冷やしてから、よばれてください」と。粋な言葉に笑い合ったそうだ。
池田先生は、「笑いは健康の源です。すべてを良いほうへと考え、動かしていけば、人生は朗らかです。『喜び多き人生』こそ『健康人生』です」とつづる。
きょうは「敬老の日」。高齢の親族や人生の大先輩には、さまざまなツールで感謝と敬う気持ちが伝えられるだろう。その時、互いに笑顔を意識してみよう。きっと、困難な時代を乗り越えていく、大きな力となるに違いない。

☆四季の励まし あすは敬老の日——実り多き前進の日々に 2020年9月20日
【写真の説明】黄金色のススキが青空に映える。かなたで、雄々しき「不忘山」が見守っていた。1994年(平成6年)9月、池田大作先生が宮城・白石市の川原子ダムで撮影した。
不忘山を含む蔵王連峰の名峰は、平安の時代に「人忘れずの山」(古今和歌六帖)と歌われ、『枕草子』にも「忘れずの山」と記された。
池田先生は30年前、不忘山のふもとに開園した東北池田記念墓地公園を初訪問。この折、功労の友をたたえ、語った。「広布の城を築き、広げてくださった、妙法の同志の方々のことは、『不忘』の地の名のごとく、永遠に忘れてはならない」
あす21日は「敬老の日」。草創の同志への敬意と感謝を忘れず、共に実り多き前進の日々を送ろう。

◇池田先生の言葉
高齢者の知恵と経験は、
現在と未来を豊かにする、
かけがえのない宝である。
高齢者を真に尊ぶ気風を
確立することは、
社会の持続的な
繁栄の基礎となる。

高齢の方々には、
「尊敬」をもって
接することが大事だ。
長年、
家族と社会のために働いて
年をとったのだから、
周囲が「今こそ
恩返しをする時だ」と
思ってあげてほしい。
高齢者にとって、
孤独ほど生命力を
弱らせるものはない。
温かい愛情と心の絆、
そして楽しい会話が、
何よりの元気の素である。

守り合い、励まし合う
友がいる幸福——
それは、
年配になればなるほど、
ありがたさを
増していくにちがいない。
その「宝の友情」の
スクラムを、
学会は、地域に、社会に
広げているのである。

人のため、社会のため、
自分のために、
何かを為す。何かを創る。
何か貢献する。
そのために、生ある限り、
一生涯、
挑戦し抜いていく。
それでこそ
「充実の人生」である。

大切なのは
"自他共の満足"だ。
その追求のなかにこそ、
人生の輝きがあり、
だれもが真に安心して
幸福に暮らせる社会、
そして長命であることを
心の底から
寿ぐことができる
長寿社会を築く道がある。

共に広布に戦った同志は、
永遠に
私の胸から離れない。
君も私も、
人生の
ゴールデン・ステージを、
常楽我浄の妙法と共に、
朗らかに
勝ち進んでゆこう!

2020年9月20日日曜日

2020.09.20 わが友に贈る

交通安全を心掛けよう!
"ながら"運転の禁止や
制限速度の順守など
基本のルールを守ろう。
絶対無事故を第一に!

南条兵衛七郎殿御書 P1495
『これらをもつてしるべし善なれども大善をやぶる小善は悪道に堕つるなるべし』

【通解】
これらのことから、善い事であっても大善を破るような小善は悪道に堕ちることを知るべきである。

名字の言 陶芸家・河井寛次郎「生活からものを見よ!」 2020年9月20日
陶芸家の河井寛次郎は、東北地方を旅していた時、農村の子どもが履いているわらぐつを見て、その美しさに魅了されたという。手作りの質素なわらぐつ。特別な飾りもない。だが、わが子への親の愛情が輝いているように見えた▼「生活からものを見よ!」。寛次郎はそう提唱した。美しいものは、何も美術館や展覧会場にだけあるのではない。人々の暮らしの中にこそ、かけがえのない「美」があり、「喜び」がある。だから"知識や観念で頭でっかちにならず、庶民が生活する現場に飛び込もう"と(『手で考え足で思う』文化出版局)▼壮年部の先輩と一緒に訪問・激励に回った。マスクを着用し、玄関先で身体的距離を保っての語らい。一軒一軒、短い時間だったが、友の顔を見て声を聞くことで、心が洗われる思いがした▼帰り際、先輩がつぶやいていた。「やっぱり家庭訪問はいいなあ……。同志と対話すると、明日からまた頑張ろう、とやる気になる。自分の惰性も反省できる」▼家庭訪問だけではない。手紙や電話での語らい、SNSなどを活用した支部・地区の集い——コロナ禍にあっても、友に励ましを送ろうと、広布の現場には"自発の知恵"にあふれている。そこへ飛び込めば元気が出るし、勇気が湧く。心が磨かれる。(実)

寸鉄 2020年9月20日
青年を結集し学会の底力を天下に示すのだ—戸田先生。さあ総会まで7日
「心の固きに仮って神の守り則ち強し」御書。確信の題目に勝るものなし!
青年部体験談集が発売。現実の苦悩を変革できる仏法。ありのままに語れ
感染で健康診断受診者が3割減。持病悪化の危険増加と。自己判断は禁物
ネットの暗証番号は使い回し厳禁。流出で被害は広がる。人ごとと思わず

〈社説〉 2020・9・20 あす「国際平和デー」
◇草の根対話で反戦の連帯を!
あす21日は「国際平和デー」。"軍隊を持たない国"のコスタリカの発案により、1981年の国連総会で制定された。非暴力と世界の停戦の日として、国連が敵対行為の停止を世界に呼び掛ける日となっている。
また、ニューヨークの国連本部では、毎年この日に事務総長が「平和の鐘」を鳴らす特別記念行事が行われてきた。
この鐘は、実は"市民発"で、国連協会の宇和島支部長だった中川千代治氏が「平和への願いを込めて、世界の人々のコインで平和の鐘を造りたい」と51年の国連総会で作成を訴え、賛同した世界65カ国から集められた硬貨で鋳造し、54年に国連に寄贈されたものである。
創価学会の平和運動も"草の根発"である。池田先生の平和闘争に連なり、これまで世界24カ国39都市で170万人が見学した"核の脅威展"の開催や反戦出版、核廃絶への1000万人署名など多岐にわたる運動を実施してきた。
第2次世界大戦の終戦、また広島・長崎への原爆投下から75年の節目となる本年は、戸田城聖先生の「原水爆禁止宣言」発表の日である「9・8」の意義をとどめ、今月6日には学会青年部による「青年不戦サミット」が開催された。
オンラインで日本の各地と世界を結び、青年部の代表300人が参加。席上、イタリア、マレーシアの平和運動も報告された。
また、2014年にスタートした青年部の平和運動は「SOKAグローバルアクション2030——青年の行動と連帯の10年」と改められ、�核兵器廃絶と反戦の潮流の拡大�アジアの友好�SDGsの普及・推進——を柱に学会創立100周年を目指し、新たな平和運動の潮流として取り組んでいくこととなった。
こうした青年部の取り組みに対し、SGIと07年以来の国際パートナーである国際NGOのICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)のベアトリス・フィン事務局長は「友情に根差したSGIとの緊密な連携が、核兵器禁止条約の実現、またノーベル平和賞の受賞につながった」と大きな信頼と称賛を寄せている。
池田先生は「『自他共の幸福』を祈り、友情の対話と社会への貢献を積み重ねることこそが、最も地道でありながら、最も確実な世界平和への直道なのだ」と「随筆」でつづっている。
今月27日には、池田先生が初の海外歴訪へ出発した10・2「世界平和の日」60周年を記念する「世界青年部総会」が開催される。
この日を目指して世界の青年部は、それぞれの誓いを胸に、信頼と友情を大きく広げる対話を展開している。
反戦平和への着実なる連帯を築く意義ある総会となることを期待したい。

☆第3代会長就任60周年記念 師弟凱歌の記憶 第15回「冷戦の氷を溶かした初訪ソ」
9月8日は、戸田城聖先生が原水爆禁止宣言を発表した日(1957年)であり、池田大作先生が日中国交正常化提言を発表した日(68年)である。
そして1974年9月8日、池田先生はソ連(当時)への第一歩をしるした。それは、東西冷戦下の社会主義陣営の旗頭であり、「鉄のカーテン」で覆われた国に、平和と友好の橋を架けるための挑戦であった。
宗教指導者がなぜソ連に行くのか——反対の声は多かった。出発前、そうした意見を伝えた財界人に、先生は答えた。「そこに、人間がいるからです」「そこにいるのは、平和を願う、同じ人間ではないですか」
イデオロギーなど、一切の先入観を捨て去って、まず「人間」として心を開き、語り合うことだ。これが先生の信念だった。
宗教指導者がなぜソ連に来るのか——懸念と不安は、迎えるソ連側も同じだった。
だが、池田先生が秋晴れのモスクワ・シェレメチェボ空港に降り立った瞬間、心配は消え去った。

モスクワ大学のホフロフ総長はじめ、出迎えた人々に先生は語り掛けた。「しっかり勉強して帰りますので、生徒と思って教えてください」。ぱっと笑顔が広がる。空港のターミナルビルへ向かうバスの中で、早速、和やかな語らいが始まった。
滞在中、先生は招へい元のモスクワ大学をはじめ文化省、ソ連対文連等を訪問。宗教都市ザゴルスク(現セルギエフ・パッサード)やレニングラード(現サンクトペテルブルク)まで足を延ばした。精力的に友好行事をこなしながら、青年や市井の人々の中に飛び込んでいった。
談笑していたモスクワ大学の学生、バレエや手芸などに励む子どもたち、宿泊先のホテルで、先生の階を担当していた婦人——。
そうした振る舞いに、ソ連の人々は魅了されていった。「つまり、『スケール』がちがうことを私たちは感じたのだ」(モスクワ大学のトローピン元副総長)
ノーベル賞作家のショーロホフ氏と16日に会見。最終日の17日には、クレムリンでコスイギン首相と会談した。日本人は、ソ連は怖い国という印象を持っています——先生は率直に語った。「政治や経済の分野だけでは、真の友好はありえません。文化交流こそ、最も大切になってきます」
鋭い眼光で見つめていた首相の顔色が、みるみる変わっていく。
首相は尋ねた。「あなたの根本的なイデオロギーはなんですか」
先生が即答した。「平和主義であり、文化主義であり、教育主義です。その根底は人間主義です」
首相は応じた。「池田会長の思想を、私は高く評価します。その思想を、私たちソ連も、実現すべきであると思います」
こうした実りある語らいの中、先生は、当時、厳しい中ソ対立の渦中にあった首相から「中国を攻撃するつもりはありません」「(中国に)伝えてくださって結構です」との発言を引き出した。同年12月に訪中した際、先生は中国首脳にこの発言を伝え、緊張緩和に貢献することになる。
会談は1時間半にも及んだ。首相は会談後、招へいの実質的責任者だった共産党国際部のイワン・コワレンコ氏に言ったという。「こういう優れた日本人をどこで見つけてきたのですか」
帰宅後も、令嬢のグビシャーニさんに「今日は非凡で、非常に興味深い日本人に会ってきた」と話している。
翌75年5月、先生と再会した首相は語り掛けた。「この語らいを待っていました!」「時間をつくり出しました」「ぜひとも必要な時間であったからです」
初訪ソから46年。モスクワ大学と創価大学の交流をはじめ、平和・文化・教育交流の水かさは増し、池田先生が架けた「虹の橋」を渡って、多くの後継の人材が育った。
冷戦の硬い氷を溶かした初訪問の10日間——その時、池田先生が「一人の人間」としてともした友情の灯は、今も熱いままである。

2020年9月19日土曜日

2020.09.19 わが友に贈る

一人を大切にする心こそ
座談会に脈打つ精神だ。
皆が元気になるように
豊かな知恵と創意工夫で
広布の扉を開きゆこう!

四条金吾殿御返事 P1169
『仏法と申すは道理なり道理と申すは主に勝つ物なり』

【通解】
仏法というのは道理をもととしています。道理というものは主君の持つ権力にも必ず勝てるのです。

名字の言 先が見えない日々を「明るい方へ」 2020年9月19日
「明るい方へ/明るい方へ。/一つの葉でも/陽の洩るとこへ。/籔かげの草は」「明るい方へ/明るい方へ。/一分もひろく/日の射すとこへ。/都会に住む子等は」。この詩は、童謡詩人・金子みすゞさんの作品「明るい方へ」である(『金子みすゞ童謡全集』JULA出版局)▼先が見えない日々だからこそ、一人一人が胸中に希望という太陽を昇らせたい。コロナ禍の社会を「明るい方へ」導くと信じて▼75年前、原爆が投下された広島は一面、焼け野原となった。3日後の8月9日、全線不通だった路面電車が一部区間で運転を再開する。「死に絶えた街に電車が"動いた"のです。これが希望となりました。人は希望なしに生きてはいけません」と被爆者▼9年前の東日本大震災直後、津波で古里を失った被災者の叫びを忘れない。「全部、流された。多くの人が亡くなった。葬儀に着る喪服、何より希望がほしい」。電話がつながった首都圏に住む身内が「必要なものは何か」と聞いた時の言葉である▼希望は人生の光であり、再生の原動力になる。「心は工なる画師」(心は名画家のごとく、つくり出せないものはない)と仏典にあるように、わが心から希望は生まれる。限りない心の力を最大に引き出すのが信仰にほかならない。(川)

寸鉄 2020年9月19日
「法華経を持つ者は必ず成仏し候」御書。試練にも師子王の心取り出し進め
御本尊中心の団結ほど、固く美しいものはない—恩師。まず祈りから出発
イヤホンの長時間使用で外耳炎の恐れ。在宅勤務で増。休憩小まめに賢く
人を結び、社会を変える為に若者の力必要—国連総長。皆が変革の主役に
国勢調査装う不審な訪問に注意。金銭や銀行情報等は調査外。鋭く見抜け

〈社説〉 2020・9・18 21日、韓国初訪問30周年
◇師の心を胸に、"希望の存在"へ
「未聞の試練の中、皆さんは『誰も置き去りにしない』との思いで、さまざまな工夫を凝らし、日々、励まし合い、共に苦難を勝ち越えてこられました」
9月6日、池田大作先生は韓国SGIの本部幹部会へのメッセージで、コロナ禍にあって、試練に立ち向かう韓国の同志を励ました。
広布躍進を続ける韓国SGIだが、「反国家的、反民族的な団体」として布教が禁止された時期があった。それは、かつての日本の植民地支配から生じた誤解に基づくものであった。そのなかで韓国の同志は、「冬は必ず春となる」(御書1253ページ)と励まし合いながら、日蓮大聖人の仏法をもって世界の平和と人類の幸福を目指すものであることを、地域の友人に訴え続けた。さらに、自分たちが実際に何をし、どれだけ社会貢献できたかが学会の正しさの証明になると考え、社会奉仕活動に取り組んでいった。
メンバーの努力が少しずつ実を結び始めた1990年(平成2年)9月21日、池田先生は、東京富士美術館所蔵「西洋絵画名品展」の開幕式に出席するため、韓国を初訪問した。席上、先生は、韓国は日本にとって、「文化大恩の国」であり、「ご恩返しの一分となれば」とあいさつ。その模様は大きく報道され、先生の誠実な言動は、韓国における"日本観"そのものを改める契機となった。
この訪問は、メンバーの勇気の光源となり、新しい出発の原点となった。「良き市民たれ」と、先生が示してきた指針に立ち返り、どこまでも誠実に、「国土大清掃運動」や「良書贈呈運動」など、多彩な社会貢献の運動を展開していったのである。
御書に、「智者とは世間の法より外に仏法を行ず、世間の治世の法を能く能く心へて候を智者とは申すなり」(1466ページ)と仰せのように、社会に貢献し、活躍していく人が「智者」であり、真の仏法者なのである。
韓国の同志の地道な努力は、政府等から幾度となく顕彰されるようになり、今や、韓国SGIは、社会になくてはならない"希望の存在"となった。
98年(同10年)5月、初めて韓国SGIの本部を訪問した池田先生は訴えた。
「社会に奉仕し、人間性を広げていく。21世紀の仏法ルネサンスは、韓国から始まっています」「全世界が皆さまを賛嘆しています!」
韓国の同志の奮闘は、誠実なる社会貢献の行動のなかに、信頼の種子がまかれ、広宣流布の見事な開花があることを教えている。私たちも友のため、地域のため、社会のために、新しい歩みを開始したい。

☆学ぼう「黄金柱の誉れ」Q&A 第9回 苦難に挑むメンバーに
〈信心が破られないかぎり、負けない〉
人生に、乗り越えられない困難はない。打ち勝てない試練は、絶対にない。人間には、はかりしれない力が備わっている。大きな苦しみに耐え、勝利してこそ、偉大なる一生を生きることができるのだ。
いわんやわれわれには、無敵の信仰がある。信心が破られないかぎり、人生に負けることは、断じてない。
(『池田大作全集』第94巻、東京・東海道・東北代表協議会でのスピーチ)

〈勝つと決めて進もう〉
御本尊を持つ人は、決して行き詰まらない。妙法は、永遠の宇宙の法則だからである。それを持っているのだから、何があっても困らない! 絶対に負けない! この確信が信仰である。
それなのに、すぐに悲観し、弱気になるのは、信仰ではない。そういう「弱い心」だから、苦しんでしまう。永遠の大法則であるゆえに、勝つに決まっている! 幸福になるに決まっている! 楽しい人生になるに決まっている! そう"決めて"胸を張って進んでいただきたい。
妙法に「帰命」すれば、自分自身が大宇宙の仏の生命の中に入る。わが身が即、妙法の当体と輝き始める。この秘術を日蓮大聖人は教えてくださっているのである。
(『池田大作全集』第90巻、本部幹部会でのスピーチ)

〈行き詰まった時こそ「貫け!」〉
組織のこと、仕事のこと、人間関係のこと——当然、悩みや、行き詰まりはあるであろう。その時こそ、「貫け!」。前進を貫いて、自分で自分を勝利させる以外に道はない。
生きることが、何となくもの憂く感じられることもあるかもしれない。何かに「縛られている」ように感じる時。すべてが受け身になっている時。何となく迷いが感じられる時。その時こそ、受け身の一念を逆転させて、「さあ、この道を貫こう!」「きょうの使命を貫こう!」。こう決めていく時に、その一念のなかに、真実の「春」が到来する。花が咲いていく。
「貫く」。それは私どもでいえば、題目をあげていこう、一人また一人に語っていこうという実践である。冬から春へ——転換の具体的な道を知っている私どもは、幸せである。
(『池田大作全集』第86巻、本部幹部会でのスピーチ)

〈祈れば、千倍、万倍の力が〉
皆さまに、お題目を送ります。皆も祈っていただきたい。
「悪鬼入其身」の反対で、自身の生命に「梵天、帝釈、日天、月天よ、入りたまえ!」「全学会員に、わが地域のすべての同志の方々の生命に、梵天、帝釈、日天、月天よ、入りたまえ!」——こう祈れば、千倍、万倍の力が出る。これが生命変革の「祈り」である。「信仰」である。人間革命への"秘伝"である。
(『池田大作全集』第91巻、本部幹部会でのスピーチ)

2020年9月18日金曜日

2020.09.18 わが友に贈る

「誠実」「真剣」が
相手の心を動かす。
人格光る振る舞いで
わが地区・わが地域に
信頼の輪を広げよう!

三世諸仏総勘文教相廃立 P563
『此の八万法蔵を我が心中に孕み持ち懐き持ちたり我が身中の心を以て仏と法と浄土とを我が身より外に思い願い求むるを迷いとは云うなり』

【通解】
この八万法蔵を我が心のなかにはらみ、懐き持っているのである。それなのに我が身中の心で、仏と法と浄土とを我が身より外にあると思い、外に願い求めていくのを迷いというのである。

名字の言 「月下美人」を育てる多宝の婦人の「秘めた情熱」 2020年9月18日
心に刻む御聖訓に「法華経を信ずる人は冬のごとし冬は必ず春となる」(御書1253ページ)を挙げる友は多い。四季は一般に「春夏秋冬」の順で並べるが、"信心の四季"は冬が出発点ともいえよう▼試練の冬に仏法と出合い、宿命を転換して勝利の春を開く。その歓喜と一層の決意で鍛えの夏を送り、人生の集大成を功徳が豊かに実る錦秋で飾る——多くの多宝会の友の人生に、信心の軌道を真っすぐに進む偉大さを実感する。長寿の方に敬意を表する「敬老の日」が9月なのも偶然ではないように思う▼ある多宝の婦人は入会以来56年間、自宅を広布の会場に提供してきた。ここを巣立った友から"心の母"と慕われる。婦人は長年、月下美人を栽培している。ある時、婦人の育てた花を見る機会があった池田先生が、カメラに収めた。後に「自然との対話」写真展を彩る1枚として各地を巡回した▼婦人は鉢花だけでなく、"広布の人材の花"も咲かせた。手押し車で地域を歩く中、出会った人に対話を広げ、多くの弘教を実らせてきた▼月下美人の花言葉の一つは「秘めた情熱」。純白の美しい花は夏から秋にかけて咲く。人々に尽くすことを喜びとし、地道に信心根本で生きる婦人。その姿は気品あふれる花と重なって見える。(代)

寸鉄 2020年9月18日
さあ「世界青年部総会」へ後継の奮闘を皆で応援!"次の10年"開く第一歩に
「少しも傾かざるを王」御書。若師子よ誓い貫き富士のごとき自己を築け
心の交流こそ人間が生涯を懸けるに値する仕事—文豪。宝の友情結ぶ好機
100歳以上が初の8万人超で過去最多。豊富な経験と知恵光る"幸齢社会"を
世界の「海岸漂着ごみ」、プラごみが最多。地球環境を守る行動、足元から

〈社説〉 2020・9・18 21日、韓国初訪問30周年
◇師の心を胸に、"希望の存在"へ
「未聞の試練の中、皆さんは『誰も置き去りにしない』との思いで、さまざまな工夫を凝らし、日々、励まし合い、共に苦難を勝ち越えてこられました」
9月6日、池田大作先生は韓国SGIの本部幹部会へのメッセージで、コロナ禍にあって、試練に立ち向かう韓国の同志を励ました。
広布躍進を続ける韓国SGIだが、「反国家的、反民族的な団体」として布教が禁止された時期があった。それは、かつての日本の植民地支配から生じた誤解に基づくものであった。そのなかで韓国の同志は、「冬は必ず春となる」(御書1253ページ)と励まし合いながら、日蓮大聖人の仏法をもって世界の平和と人類の幸福を目指すものであることを、地域の友人に訴え続けた。さらに、自分たちが実際に何をし、どれだけ社会貢献できたかが学会の正しさの証明になると考え、社会奉仕活動に取り組んでいった。
メンバーの努力が少しずつ実を結び始めた1990年(平成2年)9月21日、池田先生は、東京富士美術館所蔵「西洋絵画名品展」の開幕式に出席するため、韓国を初訪問した。席上、先生は、韓国は日本にとって、「文化大恩の国」であり、「ご恩返しの一分となれば」とあいさつ。その模様は大きく報道され、先生の誠実な言動は、韓国における"日本観"そのものを改める契機となった。
この訪問は、メンバーの勇気の光源となり、新しい出発の原点となった。「良き市民たれ」と、先生が示してきた指針に立ち返り、どこまでも誠実に、「国土大清掃運動」や「良書贈呈運動」など、多彩な社会貢献の運動を展開していったのである。
御書に、「智者とは世間の法より外に仏法を行ず、世間の治世の法を能く能く心へて候を智者とは申すなり」(1466ページ)と仰せのように、社会に貢献し、活躍していく人が「智者」であり、真の仏法者なのである。
韓国の同志の地道な努力は、政府等から幾度となく顕彰されるようになり、今や、韓国SGIは、社会になくてはならない"希望の存在"となった。
98年(同10年)5月、初めて韓国SGIの本部を訪問した池田先生は訴えた。
「社会に奉仕し、人間性を広げていく。21世紀の仏法ルネサンスは、韓国から始まっています」「全世界が皆さまを賛嘆しています!」
韓国の同志の奮闘は、誠実なる社会貢献の行動のなかに、信頼の種子がまかれ、広宣流布の見事な開花があることを教えている。私たちも友のため、地域のため、社会のために、新しい歩みを開始したい。

☆四季の励まし わが地域に幸福の花園を! 2020年9月13日
【写真の説明】赤やピンク、黄色……。色鮮やかに咲き薫るヒャクニチソウが、目に飛び込んでくる。その向こうには、愛らしいコスモスが、一足早い秋の到来を告げていた。2007年(平成19年)8月、池田大作先生が、長野でシャッターを切った。
間もなく、"創価家族"の笑顔の花が咲く「座談会の週」が始まる。新型コロナウイルスの感染防止に細心の注意を払いつつ、オンラインなども活用しながら、地域の状況に合わせた形で、心通うひとときを刻んでいきたい。
ヒャクニチソウの花言葉は「絆」である。さあ、励ましの絆を一段と強めながら、わが地域に"幸福と友情の大輪"を広げていこう。

◇池田先生の言葉
地域に根を張り、
人々のために
尽くすことが、
どれほど偉大なことか。
地道な活動が、
深き信頼を築いていく。
わが地域を、
希望輝く理想郷へと
変革する力となる。
地域のために尽力を続ける
各地の友の功労を、
最大に讃えたい。

「孤独」に
なってはいけない。
人を「孤独」に
してもいけない。
悩みに寄り添って、
その苦しい「心音」に
耳を傾けてあげなければ。
そうすることによって、
実は自分自身が
癒やされていくのだ。
人を受け入れ、
励ますことによって、
自分の心が励まされ、
開かれていくのである。

仏法には
「身土不二」とある。
自身と国土、
人間と地域とは
一体であると教えている。
学会員の笑顔が
弾けるところ、
地域が明るくならない
はずがない。
妙法の栄えるところ、
その地域が
繁栄しないはずがない。
否、そうしていくことが、
仏法者の使命である。

大事なのは「心」だ。
広布に戦う「魂」だ。
自分が変われば
周囲が変わる。
周囲が変われば
世界が変わる。
「心の一法」のあり方で、
全てを変えていくことが
できるのだ。

広宣流布といっても、
現実の生活を
離れてはありえない。
自身の宿命を転換し、
わが家庭に、わが地域に
幸福の花園を築いていく。
さらには社会を、
よりよい方向へと
変えていく。
これが
私たちの広宣流布の
運動なのである。

2020年9月17日木曜日

2020.09.17 わが友に贈る

いかなる障魔も
乗り越えられる信心だ。
「祈りとして
叶わざるなし」の確信で
宿命転換のドラマを!

開目抄下 P237
『我が父母を人の殺さんに父母につげざるべしや、悪子の酔狂して父母を殺すをせいせざるべしや、悪人寺塔に火を放たんにせいせざるべしや、一子の重病を炙せざるべしや』

【通解】
わが父母を、人が殺そうとするのを知って父母に告げないでいられようか。悪子が酔い狂って、父母を殺そうとするのを見て止めないでいられようか。悪人が寺塔に火を放って焼いてしまおうとするのを、とめないで放っておかれようか。一子の子供が重病の時にいやがるからといって炙をすえないではおかれないであろう。

名字の言 「おっくう」の由来 2020年9月17日
「おっくう」といえば、「面倒くさくて気が進まないこと」の意味。これは仏教用語の「億劫」の読みが変化したものだ▼「劫」とは非常に長い時間の単位を指す。「1劫」を約1600万年とする説もある。その億倍が「億劫」というのだから、想像を絶する長さだ。あまりに耐えがたいことから、「面倒くさい」との意味で使われるようになったと考えられる▼御書に「一念に億劫の辛労を尽せば本来無作の三身念念に起るなり」(790ページ)とある。真剣に信心の実践に励んでいくなら、本来わが身に具わる仏の生命が瞬間瞬間に現れてくるとの仰せだ▼この御書の一節は池田先生が入信して間もない頃、恩師・戸田先生から「命に刻んでおきなさい」と言われた御文である。戸田先生の事業が苦境に陥った時も、「大阪の戦い」の時も、池田青年は御聖訓のままに祈り戦った。億劫の辛労を尽くすとは、あらゆる課題を一身に受け、「為すべきことを全力で為しゆく」ことだと語っている▼先の御文の続きには「所謂南無妙法蓮華経は精進行なり」と。「精」とは「混じり気のない」、「進」とは「絶え間なく進む」の意だ。おっくうがる自分の弱さを打ち破って、純粋に、たゆまず信行学の実践を続ける中に、人間革命の直道があることを忘れまい。(恭)

寸鉄 2020年9月17日
「題目を我も唱へ人にも勧む」御書。創立90周年の秋へ自分自身の広布史を
鳥取・島根の日。一人の友に励ましの光を!愛する山光に誉れの人材城築け
副役職の友が立てば広布伸展の力は倍加!"長"に心合わせ団結第一で勇躍
手洗い・マスクは流感の予防にも有効。引き続き徹底し同時流行の防止へ
幼児の転落事故多発と。ベランダや窓辺に高さある家具等置くな。要点検

〈社説〉 2020・9・17 秋の全国交通安全運動
◇無事故から勝利の前進始まる
各地で記録的猛暑に見舞われた今夏。新潟県三条市では3日、9月の観測史上初となる最高気温40・4度を記録するなど、残暑が続いた。しかし、いつしか日没時間は早まり、確実に秋めいてきている。21日からは恒例の「秋の全国交通安全運動」が始まる(30日まで)。
内閣府は、子どもをはじめとする歩行者の安全確保や、高齢運転者らの安全運転の励行等に重点を置いた啓発運動の展開を、各機関や団体に呼び掛けている。
日没後、急に暗くなると感じる季節だが、秋口の日没から1時間以内に、「自動車対歩行者」の衝突事故が多く発生している。2013年から18年の統計によると、日の入り時間がさらに早まる10月〜12月では、65歳以上の高齢者が道路横断中に車にはねられた死亡事故の割合が、昼間の約14倍、夜間の約6倍になっている。「日没後1時間」は最も注意を払うべき時間帯といえる。自動車や自転車の運転手はライトの早めの点灯を心掛け、歩行者は"反射材用品"等の視認効果のあるものを身に着けるなど、事故を回避するための対策を実行したい。
一方で、新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛の影響もあり、7月の交通事故の発生件数は前年同月に比べ全国で減少。死者数は月別の統計が残る1956年以降で最少だったことが、先月の警察庁発表で分かっている。しかし、事故は私たちの身近なところで起きていることを忘れてはならない。
交通事故による死者は、歩行者の割合が最も高く、中でも、幼児・小学生が事故に遭った場合が多い。主な原因は「飛び出し」だ。子どもの突発的な行動は予測が難しいが、自動車や自転車を運転する際、彼らの動きを何度も確認しながら、用心深く気を配りたい。
また、昨今では、自転車利用が増える中で、社会全体として、ルール違反の運転が増え、結果的に事故も増加している。基本のルールを守ることが、事故を未然に防ぐ要諦である。走行する際は、信号無視や車列への急なすり抜け、無灯火での走行などの危険な運転をしてはならない。運転手としての責任を自覚し、細心の注意を払いたい。
池田先生は「無事故こそ幸福の基盤だ。油断は大敵である。事故を絶対に起こさない、断じて巻き込まれないと一念を定め、強盛に祈り抜くのだ」と語っている。
勝利への前進の一歩は、無事故から始まる。事故を未然に防ぐには、私たち一人一人が、「自分は大丈夫」との油断や慢心を排することが必須だ。この秋を実りあるものとするために、絶対無事故の一日一日を積み重ねていきたい。

◇総本部「創価宝光会館」がオープン 2020年9月16日
総本部の「創価宝光会館」(東京・信濃町)のオープニングセレモニーが15日、原田会長、長谷川理事長、永石婦人部長らが出席して行われた。
同会館は、接遇センターに代わる施設。「宝光」との名には、"全世界から創価の宝友が集い、福徳の光に包まれた所願満足の人生に向けて出発する会館"との意義が込められている。
かつて池田大作先生は、総本部の整備について語った。
「皆さんが堂々と、友人を創価学会へ招けるように。『創価学会を見よ!』と胸を張って歩んでいけるように——これが私の思いである」「生まれ変わったような、世界一の『創価城』『広宣城』をつくっていく。海外から来られた方々も、悠々と、ゆっくりできるような『本陣』を、一段と整備していく」
同会館は、昨年秋にオープンした「創価学会 世界聖教会館」「創価学会 総合案内センター」に続き、学会創立90周年記念事業の掉尾を飾るものである。
広宣流布大誓堂との調和を図り、外周のデザインとして列柱を採用。建物の外形を階段状にし、周辺の環境に溶け込みながら壮麗な印象となるように設計されている。また自然光を取り入れる大きな窓を配しているほか、世界各地の温かみのある御影石や大理石などを使用。「来館者の皆さまを歓迎・賛嘆する」との心が込められている。
さらに開館に当たっては、新型コロナウイルス感染症対策にも留意。入り口ではサーモグラフィーを用いた検温を行うほか、飛沫の拡散を防ぐ透明のアクリル板なども各所に設置。備品にも特殊な抗ウイルス加工を施すなどの万全の対策が取られている。
式典では、谷川主任副会長があいさつ。同会館は創価三代に脈打つ「会員第一」の精神を体現する最も重要な施設であると強調。訪れる同志が笑顔で集えるよう、一致団結して運営に当たりたいと語った。
開館時間は当面の間、午前11時〜午後5時。休館日はありません。ご来館の際は、マスク着用のご協力をお願い致します。

☆小説「新・人間革命」学習のために 「欧州」編
◇One Europe with Sensei!——欧州は一つ、先生と共に!
小説『新・人間革命』の山本伸一の激励・指導などを紹介する「My Human Revolution(マイ・ヒューマン・レボリューション)」。今回は「欧州」編を掲載する。次回は「アジア」編を18日付2面に掲載の予定。挿絵は内田健一郎。

◇「久遠の使命」の自覚が大歓喜に
<1961年(昭和36年)10月、山本伸一はイギリス・ロンドンへ。イギリス広布に孤軍奮闘するシズコ・グラントを激励する>

「人間は自分の使命がわからず、何をすべきかを自覚できなければ、寂しくもなれば、孤独にもなるものです。
あなたは、このイギリスの広宣流布の開拓という使命をもって、ここに来ているんです。仏法の眼から見れば、決して偶然ということはありません。
御書をひもとけば、私たちは、過去世において、日蓮大聖人とともに地涌の菩薩として、末法の広宣流布をする約束をして、そのために現在、こうして出現してきたことが明確に示されています。
つまり、あなたは仏弟子として、大聖人から派遣されて、このイギリスにやって来たのです。
その久遠の使命を自覚し、果たそうとしていくところから、大歓喜が生まれ、新たな人生の扉が開かれていきます」
人間の精神を支えるものは使命である。自分はなんのために生きるのか——仏法は、その使命という、人生の最高の意義を教える。
ゆえに、仏法は、生き抜く力、勇気の明かりとなり、自己の世界を希望の光で包むのだ。(中略)
「イギリスには、日本から来た四、五人のメンバーがいると聞いています。まず、その方たちとしっかり連絡を取り、励まし合っていってください。
また、たくさん友人をつくって、ともに幸せになるために、仏法を教えていくことです。
人のために尽くすことは自らの生命を浄化し、自身の境涯を開いていきます。あなたの活躍を、私は期待していますよ」
(第5巻「開道」の章、59〜60ページ)

◇広布誓願の祈りに無量の功徳が
<75年(同50年)5月、フランス・パリを訪れた伸一は、メンバーである画家の長谷部彰太郎の家を訪問する>

長谷部は、前年、来日した折に、フランスに家を買うべきかどうか、山本伸一に相談した。(中略)
「私は、あなたが家を買うことに賛成です。フランス社会で信用を勝ち得ていくには、フランスに家を持ち、地域に根を張り、信頼を獲得していくことが大事だからです。
それには、断じてフランスに家を購入するぞと決めて、真剣に祈ることです。しかし、ただ家がほしいというだけでは、祈りは、なかなか叶わないかもしれませんよ」
長谷部は、意外な顔をしながら尋ねた。
「何か、祈り方があるんでしょうか」
「あります。フランスの人びとの幸福と繁栄のために、広宣流布を誓願し、祈り抜いていくことです。たとえば、"私はフランス広布に生き抜きます。それには、社会の信用を勝ち取るためにも、皆が集える会場にするためにも、家が必要です。どうか、大きなすばらしい家を授けてください"と祈るんです。
人びとに絶対的幸福の道を教える広宣流布を誓い、願う題目は、仏の題目であり、地涌の菩薩の題目です。その祈りを捧げていく時、わが生命の仏界が開かれ、大宇宙をも動かしていける境涯になる。ゆえに、家を購入したいという願いも、確実に叶っていくんです。
それに対して、ただ大きくて立派な家をくださいというだけの祈りでは、自分の境涯はなかなか開けない。だから、願いが成就するのにも時間がかかります。
祈りの根本は、どこまでも広宣流布であり、広布のためにという一念から発する唱題に、無量無辺の功徳があるんです」
広宣流布の誓願のなかにこそ、所願満足の道があるのだ。
(第21巻「共鳴音」の章、289〜291ページ)

◇学会の組織は「皆の幸福」が目的
<81年(同56年)5月、伸一はドイツのフランクフルト会館で同志と懇談。学会の組織はなぜ必要かを語った>

「ともすれば、個人の自由と組織とは相反するように感じる人もいるかもしれない。しかし、国家でも、会社でも、また、いかなる団体でも、その目的を果たしていくためには、組織は不可欠です。同様に創価学会にあっても、皆が信・行・学を実践し、広宣流布を進めていく手段として、組織はなくてはならないものといえます。
今、皆さんが、こうして信仰することができたのも、組織があっての結果です。(中略)
信心を貫くには、大勢の人びととスクラムを組み、勇気ある人生を歩み抜けるよう励まし合い、退転を戒め合い、正道へ向かうよう守り合うことが大切です。そう考えるならば、組織というものが、いかに重要であるか、よくおわかりいただけると思う。
ただし、組織は手段であり、個々人の信心の向上を促し、幸福になっていくための指導こそが、その出発点であることを忘れてはならない。あくまでも学会の組織の目的は、一人ひとりのメンバーの絶対的幸福であり、成仏にあります。組織での役職も上下の関係を意味するものではありません。幹部は、いわば団結の要となる存在といえます。
ゆえに、メンバーは互いに尊敬し合い、共に社会の一員として理解、信頼し、励まし合いながら、人生を勝ち飾っていただきたい」
学会は、人びとの幸福と人類の平和、すなわち広宣流布を実現する唯一無二の団体である。したがって戸田城聖は、「戸田の命より大切な学会の組織」と言明したのである。
(第30巻<上>「暁鐘」の章、354〜356ページ)

◇結婚には共通の人生基盤が大切
<81年6月、伸一はイタリア・ミラノで青年の代表と信心懇談会を開催し、結婚観について述べる>

伸一は、イタリアは青年のメンバーが多く、その両親などから、結婚観についても、ぜひ語ってほしいとの要請があったことを踏まえ、この問題に言及していった。
「結婚は、自分の意思が最重要であるのは言うまでもないが、若いということは、人生経験も乏しく、未熟な面もあることは否定できない。ゆえに、両親や身近な先輩のアドバイスを受け、周囲の方々から祝福されて結婚することが大切であると申し上げたい。
また、結婚すれば、生涯、苦楽を共にしていくことになる。人生にはいかなる宿命があり、試練が待ち受けているか、わからない。それを二人で乗り越えていくには、互いの愛情はもとより、思想、哲学、なかんずく信仰という人生の基盤の上に、一つの共通の目的をもって進んでいくことが重要になる。
二人が共に信心をしている場合は、切磋琢磨し、信心、人格を磨き合う関係を築いていただきたい。もし、恋愛することで組織から遠ざかり、信心の歓喜も失われ、向上、成長もなくなってしまえば、自分が不幸です」
人生の荒波を越えゆく力の源泉こそ、仏法である。崩れざる幸福を築く道は、学会活動の最前線にこそある。広布のために流す汗は、珠玉の福運となり、その一歩一歩の歩みが、宿命を転換し、幸と歓喜の人生行路を開いていく——ゆえに伸一は、信仰の炎を、絶対に消してはならないと訴えたのである。
(第30巻<上>「暁鐘」の章、403〜404ページ)

2020年9月16日水曜日

2020.09.16 わが友に贈る

寒暖差の激しい
季節の変わり目だ。
夏の疲れを取りながら
賢く体調を整えよう。
健康長寿の祈り深く。

崇峻天皇御書 P1173
『中務三郎左衛門尉は主の御ためにも仏法の御ためにも世間の心ねもよかりけりよかりけりと鎌倉の人人の口にうたはれ給へ』

【通解】
「四条金吾は、主君の御ためにも、仏法の御ためにも、世間に対する心がけも立派であった、立派であった」と鎌倉の人々から言われるようになりなさい。

名字の言 少年部員が入院生活の中でうれしかったこと 2020年9月16日
病を完治させた少年部員が「看護師さんたちが優しくてうれしかった」と入院生活を振り返った。母が「お医者さんだって優しかったでしょ?」と聞くと、少年は答えた。「うん。でも先生は病気を診てくれたけど、看護師さんは僕を見てくれた」▼もちろん、母子は適切な治療をした医師に感謝をしている。ただ少年は、寝汗をかいた時、看護師が丁寧に体を拭いてくれたり、「昨日より元気だね」など、いつも前向きな言葉で励ましてくれたりしたことが何よりうれしかったという▼医療に詳しくない人が病を患うと、小さな心配が大きな不安になる場合がある。その時、患者の立場になって"具体的な行動と言葉"で励まされると心が安らぐものだ▼池田先生の指導は常に具体的である。抽象的、観念的なものはない。ある友がしみじみと言っていた。「先生の指導は"天の声"ではなく、悩む私のそばに立ち、『さあ一緒にあの峰を登攀しよう!』と肩をたたかれているような慈愛を感じます」と▼現代は課題解決に必要な知識は十分にあり、以前より容易に手に入れることもできる。だが悩む人が本当に求めているのは、そうした知識だけではあるまい。心の声に耳を澄まし、寄り添って同苦する存在そのものではないだろうか。(城)

寸鉄 2020年9月16日
青年育む学会こそ社会に活力を与える団体—台湾市長。地域の後継と前進
東京・秋川「師弟原点の日」。正義の魂は友の胸に赤々。さあ拡大の歴史を
私は何をなすべきかを常に考えている—科学者。今できる事に全力で挑戦
歩く習慣のある人は幸福度が高いと。友のために動けば心身は益々元気に
台風シーズン。防災地図や非常用品の確認を今。事前の備えが対策の基本

〈社説〉 2020・9・16 国際オゾン層保護デーに思う
◇"なすべきこと"問う生き方を
猛暑がほんの少し和らいで、空も心持ち、高くなってきた。
この空のかなた、上空10〜50キロメートルが成層圏。ここにオゾンの9割が存在する。有害な紫外線を吸収し、地上の生態系を保護してくれている立役者だ。
ここで問題。上空のオゾンを全部、地上に集めたとしたら、どれくらいの厚さになるだろうか。
答えは……なんと3ミリメートル(気温0度換算。気象庁ホームページより)。人間を含む地球上の生命が、はかなくも絶妙な自然環境のバランスの中に育まれていることを、痛感せざるを得ない。
わずかな量で生態系を守っている、このオゾン層を破壊してしまうのが、1928年に開発されたフロンだ。人体に毒性がなく不燃性であるフロン類は冷蔵庫などの冷媒、精密部品の洗浄剤、断熱材などの発泡剤、スプレーなどの噴射剤として、爆発的に消費された。だがフロン類は15〜20年かけてオゾン層に到達し、それを壊すことが分かったのだ。
わが国では87年のモントリオール議定書採択を経て、翌88年、世界に先駆けてオゾン層保護法が制定された。その後、オゾン層破壊物質ではない代替フロン等も、地球温暖化に大きく影響することが判明。現在ではフロン排出抑制法、家電リサイクル法等で、製品を廃棄する際のフロン類の回収・適正処理が義務付けられている(環境省ホームページより)。
きょう16日は国際オゾン層保護デー。2000年以降、オゾンホールは縮小傾向となった。人類が結束し、数十年間、継続的に努力し続けた結果だ。だが一方で、オゾン層保護と表裏一体ともいえる温室効果ガス抑制は、各国の足並みが必ずしもそろっていない現実がある。
"便利だから、売れるから、それでいい"という発想は、地球を壊してしまう——これに人類は気付いた。この根本命題について、池田大作先生と環境学者のエルンスト・U・フォン・ヴァイツゼッカー博士との対談が示唆に富んでいる。
経済活動における価値観を問い直し、「持続可能な社会」を築く道筋として、池田先生は「自分本位の"できること"の追求から、自他共に"なすべきこと"の追求へと、生き方の軸足をシフトさせていくことが肝要」と訴える。ヴァイツゼッカー博士は、あらゆる分野の世界的な連帯こそが、"競争至上主義や、非人道的な市場原理、モラルの破壊等に立ち向かうことができる"と応じている。(潮出版社『地球革命への挑戦』)
"人々が真の充足と幸福を得られる社会の構築"という大目標に向かって、では自分の「生き方の軸足」はどうか——自らに問い掛ける契機の日としたい。

☆9・9「女子学生部の日」45周年記念大会への池田先生ご夫妻の祝福のメッセージ
◇「心の財」を積みながら 青春勝利の歴史を
大切な大切な、わが女子学生部の記念の大会、誠におめでとう!
コロナ禍で、思いもかけない困難が続く中、皆さんが、さまざまに創意工夫をして、生き生きと学び、祈り、語らいながら、前進していることほど、嬉しいものはありません。心広々と世界を結ぶ女子学生部のスクラムこそ、人類と未来の大いなる希望であり、私たち創価家族の最高の宝です。
日蓮大聖人は、私たちの心の内に仏という最も尊い生命があることを示され、「蓮はきよきもの泥よりいでたり」「さくらはをもしろき物・木の中よりさきいづ」(御書1492ページ)と譬えられています。そして「さいわいは心よりいでて我をかざる」(同)と仰せです。
信心とは、どのような現実の悩みからも、どのような目立たぬ地味な生活からも、幸福の花、歓喜の花、智慧の花、勝利の花を、清らかに、爛漫と咲かせていく原動力です。
ゆえに、何があろうと、自他共に、大宇宙の根本の法則である題目を朗々と唱え抜いていくことです。どこまでも、世界中に広がる学会の善き仲間と共に、学び合い、励まし合って、世界広宣流布という最極の理想へ進んでいくことです。
そして日々、「心の財」を積みながら、必ずや一人ももれなく、学業でも就職でも、大勝利の青春の歴史を開いていってください。
妻と共に、尊き貴き一人ひとりに題目を送ります。聡明に快活に、健康第一、無事故第一、親孝行第一の一日一日であれ!

☆御書カフェ 華陽姉妹の語らい 2020年9月12日
◇御文
『一念に億劫の辛労を尽せば本来無作の三身念念に起るなり』(御義口伝、御書790ページ)

◇通解
一念に億劫の辛労を尽くして、自行化他にわたる実践に励んでいくなら、本来わが身に具わっている無作三身という仏の生命が、瞬間瞬間に現れてくる。

◇教えて
なぜ「一念」を定めて祈ることが大切なのですか?

★池田先生の指導
真剣に唱題すれば、必ず、全てが良い方向に向かっていきます。
仏法の祈りは「誓い」です。「必ず実現してみせる」と決める祈りです。そう決意を固めるから、本気で努力できる。努力するから、祈りを実現できる自分になるのです。(中略)
祈って、努力していけば、心の奥底にある願いは必ず叶っていきます。題目の人は、最後は自分の思い描いた以上の大勝利の青春、そして人生を歩めるのです。(『未来対話』)
◇ ◆ ◇
信心が強くなれば、自然のうちに一念が定まってきます。
また、祈っていて浮かび上がってくる雑念とか思いとかは、その時の自分が気になっている課題なのだから、雑念などと言わないで、なんでも、きちっと祈りに変えたほうがいいでしょう。
大きなことだけを祈るのではなくて、小さな小さなことも、一つ一つ、きちっと祈りをこめて勝ち取り、固めていくことです。
もちろん神経質になる必要はない。ともかく、ありのままの姿で、題目を真剣に唱えていくことだ。(「法華経の智慧」、『池田大作全集』第31巻所収)

2020年9月15日火曜日

2020.09.15 わが友に贈る

人を育てるには
「活躍の場をつくる」
「成長を祈り支える」
「皆で奮闘を称える」
一人一人が輝く舞台に!

四条金吾釈迦仏供養事 P1147
『殿は日蓮が功徳をたすけたる人なり悪人にやぶらるる事かたし、もしやの事あらば先生に法華経の行者をあだみたりけるが今生にむくふなるべし』

【通解】
あなたは日蓮が妙法を流布する功徳を助けた人であるから、悪人に害されることはまずないだろう。
もしこのようなことがあるならば、それは過去世に法華経の行者を憎んだ罪が今生の報いとして出ているのである。

名字の言 東日本大震災から9年半。福島の婦人部員の挑戦 2020年9月15日
災害に遭った子どもたちに、学習と体験活動の場を提供する放課後施設「コラボ・スクール」。東日本大震災を機に設立を構想した社会起業家の今村久美さんには当初、迷いがあったという。前例がない上、東京のヨソモノが考えたエゴなのではないか、と▼背中を押したのは現地の人の言葉だった。「あなたが信じることが、この先の正解にきっとなるから」と(『3.11を心に刻んで2020』岩波ブックレット)。同スクールは今、地域の8割の小中学生が利用する▼東日本大震災の折、福島の婦人部員は避難所で、発達障がい児がいる親戚家族と一緒になった。大声を発する子どもに、怒鳴りつける大人もいた。親戚家族は車中泊を強いられ、避難所を転々とした▼障がいに対する無理解に、親戚家族は孤独感を募らせた。婦人はこうした避難所生活の体験を紙芝居にまとめ、上演してきた。その反響は大きく、全国から上演の依頼が。コロナ禍の中断を経て、来月から活動を再開する。「誰もが"避難者"になり得る今の時代だからこそ伝えたい」▼「3・11」から9年半。一人一人が"正解の見えない問題"と向き合い、手探りで歩んできた。悩み苦しみながら、"負げでたまっか"と挑戦を重ねた日々は、きっと"未来を照らす光"になる。(閃)

寸鉄 2020年9月15日
「汝蘭室の友に交りて麻畝の性と成る」御書。求道の同志と共に挑戦の道を
「ドクター部の日」45周年慈悲の名医ありて庶民は安心。献身に皆で最敬礼
東北婦人部の日。試練の時こそ周囲に励ましを。福光の太陽は団結固く!
ウイルスを持ち込まない—家庭内感染防ぐ基本。帰宅したら"まず手洗い"
交通事故は薄暮時間帯に突出。早めの点灯、反射材の活用を。心に深き用心

〈社説〉 2020・9・13 15日は「ドクター部の日」
◇社会を照らす慈悲の体現者
「ウイルスが嫌うのは『人のやさしさ』」——政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会のメンバーで川崎市健康安全研究所の岡部信彦所長は、Webサイト「感染症・予防接種ナビ」で、こうコメントしている。氏は本紙インタビュー(8月29、30日付)にも登場した。
マスクの着用、フィジカルディスタンス(身体的距離)の確保、手洗い励行など感染症対策の根幹には、自身はもとより他人を感染させないという「利他の視点」がある。また、感染者らへの偏見、差別といった「心の感染」の深刻化を防ぐためにも、この視点は極めて重要だ。文部科学省は先月25日に、子どもや教職員、地域住民等を対象にした緊急のメッセージを発表。児童・生徒や学生に送られたものには、「思いやり」「励まし」「温かく」などの文言が記載されている。
"心身ともに有効なウイルス対策"の前提には、人間性を代表する資質ともいえる「優しさ」が欠かせない。
「ドクター部の日」の淵源となった1975年(昭和50年)9月15日の同部の総会で、池田大作先生は語った。
「他人の懊悩、苦しみを分かちもち、共に歩み、その苦を解決してこそ、初めて、本当の意味で、他を思いやったことになるといえます」「泥まみれの実践と、あふれる正義感、エネルギーに満ちあふれた生命であってこそ、初めて『優しさ』を、現実のものとすることができるといってよい」
今、この師の言葉のままに、ドクター部の友は、慈悲の精神の体現者として社会をリードする。
ある青年医師は、感染症患者の治療に従事。朝は歩いて来院した軽症者が、昼には酸素吸入、夜には人工呼吸器が必要になるほど重症化する事例を目の当たりにした。創価青年医学者会議のメンバーでもある彼は、"救えるはずの命が救えない"ような事態は絶対に避けなくてはならないとの思いから、軽症・無症状者が療養するホテルへ、重症化の目安が分かるパルスオキシメーター(動脈血中酸素飽和度測定器)の配備の必要性を強く訴えた。結果、この声に公明党が迅速に動き、訴えから4日後には、厚生労働省が宿泊施設に適切な数を備え付けることを表明。これを受け、各自治体も積極的に配備に動きだした。7月24日付の読売新聞では、「装着させる自治体が増えている」と報じられた。
人々の生命と健康を守るため、困難の壁にも慈悲の心で立ち向かうドクター部の友。強き使命感を胸に、医療現場で日々、尊い尽力を重ねる"戦うドクター部"に、心からの感謝とエールを送り、友の無事・健勝を祈りたい。

☆心に御書を 第71回 恩師の遺訓を時代精神に
〈御文〉
『世の人疑い有らば委細の事は弟子に之を問え』(顕仏未来記、509ページ)

〈通解〉
世間の人よ、私の言葉に疑いがあるならば、詳しいことは私の弟子に聞きなさい。

〈池田先生が贈る指針〉
御本仏は佐渡流罪の只中、「仏法西還・一閻浮提広布」「立正安国」を弟子に託された。この御遺命を現代において実現してきたのが、創価の師弟である。
恩師は世界の民衆の生存の権利を脅かす魔性に挑み、核兵器廃絶を青年への遺訓とされた。生命尊厳の思想を時代精神とし、平和の大連帯で不屈の挑戦を限りなく!

☆池田華陽会御書30編に学ぶ 可延定業書 2020年9月12日
◇行学に励む宝の日々を
今月は、「可延定業書」を学びます。
池田先生は、本抄を拝してつづられました。
「生命はそれ自体、限りなく尊い。一日でも生きるならば、その一日というのは、譬えて言えば『千万両の金』『三千界の財』以上に、尊い価値を持つ。一日生きれば無量の価値がある。(中略)生命の尊厳を知ることこそが、仏法の真髄なのです。ゆえに法華経を信ずる人は、尊厳なる生命を一日でも長く生き抜いていくことです」
日蓮大聖人が病と闘う門下に示された信心の要諦を学び、師と共に、輝く「生命の世紀」を前進していきましょう!(拝読範囲は本抄全編です)

◇本抄について
本抄は、下総国葛飾郡若宮(現在の千葉県市川市)に住む富木常忍の妻・富木尼御前に送られたお手紙です。
富木尼御前は、日蓮大聖人の門下の中心的な存在であった夫を懸命に支え、自らの病とも闘っていました。
本抄で大聖人は、妙法によって病を癒やし、寿命をも延ばすことができると示し、御自身の母の体験を通して尼御前を励まされます。
さらに、医術に優れた四条金吾の治療を受けるよう勧められるとともに、広布のために生き抜く一日の功徳は計り知れないことを述べ、最後に尼御前の回復を祈念することを約束して本抄を結ばれます。

◇御文
『一日の命は三千界の財にもすぎて候なり先ず御志をみみへさせ給うべし、法華経の第七の巻に三千大千世界の財を供養するよりも手の一指を焼きて仏・法華経に供養せよと・とかれて候はこれなり、命は三千にもすぎて候・而も齢もいまだ・たけさせ給はず、而して法華経にあわせ給いぬ一日もいきてをはせば功徳つもるべし、あらをしの命や・をしの命や』(御書986ページ11行目〜14行目)

◇通解
一日の命はこの宇宙すべての財にもまさっているのです。まず、志を身で示していきなさい。法華経の第七の巻に「この宇宙すべての財を供養するよりも、手の指一本を焼いて、仏、法華経に供養しなさい」と、説かれているのは、このことです。命は全宇宙にも超えて素晴らしいのです。
しかも、尼御前は、お年もまだそれほどとってはいらっしゃいません。そのうえ、法華経に巡り合われました。一日でも長く生きていらっしゃれば、それだけ功徳も積もるでしょう。ああ、惜しく、大切な命です。

◇[解説]病と闘う門下への励まし
日蓮大聖人は本抄で、病と闘う富木尼御前に渾身の励ましを送られています。
題号にある「定業」の「業」とは、身や心や口(言葉)による行いのことです。それらが原因となり、未来にさまざまな報いが結果として現れます。そして「定業」とは、報いの内容や現れる時期が決まっていて、通常はその報いを受けることが避けられない業であり、本抄では特に「寿命」の意味で用いられています。
大聖人はまず、妙法の功力は寿命をも延ばすことができると示され、御自身が病気平癒を祈られた母が、寿命を4年延ばしたことを通して、"今こそ法華経の信心を奮い起こしなさい"と尼御前を励まされます。さらに、医術に優れた四条金吾の治療を受けるよう勧められました。
本抄では「命というものは、この身の中で一番尊い宝です」(御書986ページ、通解)、「一日の命は、この宇宙の全ての財にもまさっているのです」(同ページ、通解)、「命は全宇宙にも超えて素晴らしいのです」(同ページ、通解)と、幾度も「生命の尊さ」を教えられています。
尼御前は当時、重い症状の病気を患っていたようです。ともすると、"この病はもう治らないのではないか"と弱気になっていたかもしれません。
妙法は、生命の「生き抜く力」「治す力」を引き出す大良薬です。しかし、その力を引き出すのは、自らの「病魔と闘う心」であり、「生命力」です。大聖人が幾度も生命の尊さを強調されたのは、尼御前に病と闘う勇気を湧きたたせ、"生き抜く意志"を呼び起こされるためと拝されます。
そして掲げた御文では、身をもって法華経に供養することは、全宇宙の財を供養するよりも尊いことであると教えられています。
ゆえに、仏法を持つ尼御前は、"一日また一日と生き抜く中で、計り知れない功徳を積んでいる"——大聖人はこう述べられて、尼御前の生命が何よりも尊い宝であることを示し、心から励まされました。
"身をもって法華経に供養する"とは、私たちの実践で言えば、題目を唱えること、仏法を語ること、同志に尽くすことなどに当たります。広布に生きる私たちは、一日一日の中で、計り知れない福徳を積んでいるのです。
「生命尊厳」の哲理を掲げ、行学に励む宝の日々を前進し、希望と幸福のスクラムを広げていきましょう。

★池田先生の講義から
「病魔」「死魔」を打ち破る根本の力が、妙法です。
「南無妙法蓮華経は師子吼の如し」(御書1124ページ)です。大事なのは、「戦う心」と「最高の治療」、そして「生命力」です。なかんずく、心を強めるのも、最高の治療を生かしていくのも、生命力をわきたたせるのも、唱題が根幹です。(中略)
題目を唱え、広宣流布に邁進する「一日」が、どれほど尊いか。
師と心をあわせ、創価学会とともに、妙法の永遠の楽土を築きゆく「一日」が、どれほど素晴らしいか。(『希望の経典「御書」に学ぶ』第1巻)
◇ ◆ ◇
21世紀を「生命の世紀」に! そして「健康の世紀」「長寿の世紀」に!
その模範と輝く創価の「宝の中の宝」の同志が、かけがえのない「一日」「一日」を見事に生き抜き、勝ち抜いて、無量無辺の価値を創造していかれますように!
それが、私と妻の毎日の、そして生涯、永遠にわたる、全生命を込めての祈りなのです。(同)

研さんのために
○…『希望の経典「御書」に学ぶ』第1巻(聖教新聞社)
〇…『創価学会永遠の五指針』(同)

2020年9月14日月曜日

2020.09.14 わが友に贈る

新聞休刊日

崇峻天皇御書 P1172
『常にむつばせ給へ、殿は腹悪き人にてよも用ひさせ給はじ、若しさるならば日蓮が祈りの力及びがたし』

【通解】
常に仲むつまじくしなさい。あなたは短気な性格であるから、(私がこう言っても)きっと用いられないであろう。もし、そうであるならば、日蓮の祈りの力も及ばぬことである。

☆第3代会長就任60周年記念 師弟凱歌の記憶 第14回「平和運動の原点 原水爆禁止宣言」
「核あるいは原子爆弾の実験禁止運動が、今、世界に起こっているが、私は、その奥に隠されているところの爪をもぎ取りたい」
台風一過の秋晴れの下、横浜・三ツ沢の競技場に、戸田城聖先生の大音声が響いた。
1957年(昭和32年)の9月8日、青年部の東日本体育大会の席上、5万人の参加者を前に、満を持して発表された「原水爆禁止宣言」である。
宣言は、こう続いた。「われわれ世界の民衆は、生存の権利をもっております。その権利をおびやかすものは、これ魔ものであり、サタンであり、怪物であります」
この時、広島・長崎に原爆が投下されてから12年。世界を東西に二分する冷戦下、大国は"核抑止論"を根拠に軍備拡張にしのぎを削っていた。核抑止論とは、核兵器を持つことによって相手国に恐怖を与え、攻撃をやめさせることができるとする"恐怖の均衡"の上に成り立つ悪魔的理論である。
戸田先生は、核軍拡競争の背後にある、その魔性の思想の"爪"をもぎ取るため、思索に思索を重ねた末に、愛用していた銀行の手帳に草稿をつづっていった。そして、人間の生存の権利を奪う核兵器を「絶対悪」と断じたのだ。
この前月には池田大作先生との語らいの中で、「なんとしても、原水爆の廃絶への道を開かねばならぬ。そこに創価学会の使命もあるんだよ」と述べている。
戸田先生は宣言で、原爆を用いるものは悪魔であるとの思想を世界に広めることが、全日本青年男女の使命であり、この宣言こそ「遺訓すべき第一のもの」と訴えた。
「原水爆禁止宣言」の発表から今年で63年。時代によらず、国やイデオロギーにもよらず、誰人も核兵器を持つことを許さないとの叫びは、一段と重く響く。生命の次元から核兵器の"悪魔性"を明らかにした宣言に、賛同の声はやまない。ノーベル平和賞受賞者のジョセフ・ロートブラット博士は道義的側面から核兵器を糾弾したことを高く評価し、戸田先生は「平和の英雄」であったと述べた。
恩師の厳たる師子吼を胸に、池田先生がリーダーシップを執り続けてきた創価の平和促進への行動は、たゆみなく水かさを増してきた。核兵器廃絶を求める青年の連帯は今、世界中に広がる。戸田先生の「原水爆禁止宣言」は、学会の平和運動の原点である。

【緊急連載】やってみようオンラインミーティング 「地区協議会」をLINEで開催する編
学会活動に役立つオンライン活用術を毎週土曜日付で紹介していきます。
「信濃町7番地地区」のN地区部長。ずっと協議会が開けず悩んでいた。高齢者も多い。ガラケーの人もいる。だけど、もう下半期。"ここは腹を決めるしかない"。
まずは、音声通話アプリLINEで「協議会」をやってみることにした。
※LINEに対応していないスマホ端末もあります。

●STEP1 まずは「地区協グループ」をつくった
★鉄則★
地区部長・婦人部長を中心に、参加者には事前に了解をもらう

【LINEアプリを開く】
�[ホーム]�[グループ]�[グループ作成]の順で押す

【「友だちを選択」画面】
�協議会に参加する人を選ぶ
�[次へ]を押す

【[プロフィール設定]画面】
�グループ名を入力
※「信濃町7番地地区 協議会メンバー」など分かりやすい名前に
�[作成]を押す

【協議会メンバーに連絡】
※招待された人には下記のメッセージが届きます。
�[参加]を押すように伝える

●STEP2 知らなかった通信量問題
★鉄則★
通信量・料金プランの確認を

LINE通話は無料だが、通信量が問題。「ビデオ通話」だと料金プランによっては、1回で1カ月の上限に達してしまうことも。ビデオ通話は顔が見える半面、家のプライベート空間も映り込んでしまう。顔見知りの協議会メンバーだけなら、思い切って「音声通話」でやるのがオススメ!

●STEP3 長くても40分。事前の準備がカギ
★鉄則★
資料は前もって。参加できない人にも配慮を

オンラインの会合は、短い時間でいかに内容を充実させられるかが勝負(長くても40分程度)。資料を事前に配布し、協議する内容も伝えておくなど万全の準備を!
※参加できない人への配慮も

●STEP4 いよいよ当日。音声通話でやってみた
★鉄則★
慣れていない人には前日までにテスト通話を

【会合直前】
※参加者には、「トーク」からグループを選び、開いておいてもらう

【主催者の操作】
�[無料通話ボタン]を押す
�[音声通話](またはビデオ通話)を押せば協議会がスタート!

【参加者の操作】
�グループを開いていれば、[参加]を押すだけで始まる
�[マイク]をオフにするとミュート(消音)にできる
�[スピーカー]をオンにすると、スピーカーとマイクで通話ができる

【終了時に注意】
�[×]を押さないと終わらない。※主催者は全員が退出するまで見届けよう!

★LINEで配慮したいプライバシー問題
初期設定のままだと、知らない人にIDで検索されたり、連絡先から勝手に友だちが追加されたりしてしまいます。下の設定をオフにすることをオススメします。
 ・IDによる友だち追加を許可
 ・友だち自動追加
 ・友だちへの追加を許可

★【エピソード】京都北総県"LINE地区協"で参加者増!?
京都の北、日本海に面する広大な地域の京都北総県では、「コロナ禍の新しい学会活動を」と"LINE地区協"の開催を呼び掛けてきた。
「どんな形でも、集い合えることが大事だと皆で確認しました」と河邊総県長。リーダーで何度も協議を重ねる中で、結論に至ったのが、LINEグループの音声通話による地区協議会。
顔見知りの地区協メンバーに限定すれば、音声だけで十分、心を通わすことができる。始めてみると、「顔が映らないから気軽」「音だけだから、以前より集中して聞いてる」など"LINE地区協"が一気に広がった。
普段は会合に間に合わない壮年も、仕事の帰り途中で参加。90歳の婦人も家族と一緒に。翌日、入院を控えた婦人部員は「みんなの声が聞けて、安心した」と。「地区で集まることの大切さを改めて感じます」と中田総県婦人部長。それでも参加できない人もいる。「一人も寂しい思いをさせない。感染対策をした上で、玄関先で会う一対一の励ましにも徹しています」と。

2020年9月13日日曜日

2020.09.13 わが友に贈る

◇今週のことば
地涌の青年の連帯こそ
世界平和の「柱」
生命尊厳の「眼目」
地球民族の「大船」なり。
若き熱と力の大結集を!
2020年9月13日

一谷入道御書 P1326
『此の法門を申し始めしより命をば法華経に奉り名をば十方世界の諸仏の浄土にながすべしと思い儲けしなり』

【通解】
この法門を申し始めてから、命を法華経に差し上げ、名を十方世界の諸仏の住所である浄土に流そうと覚悟していた。

名字の言 木工芸作家「傷を"木の個性"と捉えて」 2020年9月13日
足を踏み入れると、すがすがしい木の匂いに包まれる。創作活動50年となる木工芸作家の個展を訪ねた。歌う女性と音符、勇壮な桜島……。ケヤキやニガキなど、木の特徴を生かした作品群に目を奪われた▼以前は高品質の屋久杉を使用した作品が主だったが、創作を続ける中で、木と向き合う姿勢が変わったという。"材料に頼らず、見向きもされないような木を、この手で蘇生させたい"と▼一般的に亀裂や虫食いの穴がある木は、木工芸では不用とされる。だが作家は「そうした傷を"木の個性"と捉えています」。年2回の個展では、必ず新作を発表する。「素材が備える"個性"を、いかに"魅力"に転換していくか。毎回が自分への挑戦です」▼傷をマイナスと見れば、素材の価値はゼロになる。反対に、傷から"唯一無二の個性"を見いだすことができれば、その素材に新たな可能性が生まれる。物事の価値は捉え方によって大きく異なる。人生に通じる大切な視点だろう▼御聖訓に「苦楽ともに思い合せて南無妙法蓮華経とうちとなへゐさせ給へ」(御書1143ページ)と。苦しい時も楽しい時も、成長の好機と捉えて挑戦を重ねたい。その前進が自身の胸中に、どんな銘木にも負けない"信念の大木"を育んでいく。(誼)

寸鉄 2020年9月13日
「信心だけは命を懸けてやって悔いがない」恩師。創立90周年を私の勝利で
青年が夢抱く時、歴史は動く—作家。広布の理想胸に総会へ!あと2週間
東京富士美で日本の美を紹介する新展示。豊かな心育む芸術と対話の秋に
自転車通勤増で問われるマナー。信号停止や車道通行等、車両の意識持ち
孤独な高齢者は死亡率が高い—調査。仲良き絆は宝。我らは声を掛け合い

〈社説〉 2020・9・13 15日は「ドクター部の日」
◇社会を照らす慈悲の体現者
「ウイルスが嫌うのは『人のやさしさ』」——政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会のメンバーで川崎市健康安全研究所の岡部信彦所長は、Webサイト「感染症・予防接種ナビ」で、こうコメントしている。氏は本紙インタビュー(8月29、30日付)にも登場した。
マスクの着用、フィジカルディスタンス(身体的距離)の確保、手洗い励行など感染症対策の根幹には、自身はもとより他人を感染させないという「利他の視点」がある。また、感染者らへの偏見、差別といった「心の感染」の深刻化を防ぐためにも、この視点は極めて重要だ。文部科学省は先月25日に、子どもや教職員、地域住民等を対象にした緊急のメッセージを発表。児童・生徒や学生に送られたものには、「思いやり」「励まし」「温かく」などの文言が記載されている。
"心身ともに有効なウイルス対策"の前提には、人間性を代表する資質ともいえる「優しさ」が欠かせない。
「ドクター部の日」の淵源となった1975年(昭和50年)9月15日の同部の総会で、池田大作先生は語った。
「他人の懊悩、苦しみを分かちもち、共に歩み、その苦を解決してこそ、初めて、本当の意味で、他を思いやったことになるといえます」「泥まみれの実践と、あふれる正義感、エネルギーに満ちあふれた生命であってこそ、初めて『優しさ』を、現実のものとすることができるといってよい」
今、この師の言葉のままに、ドクター部の友は、慈悲の精神の体現者として社会をリードする。
ある青年医師は、感染症患者の治療に従事。朝は歩いて来院した軽症者が、昼には酸素吸入、夜には人工呼吸器が必要になるほど重症化する事例を目の当たりにした。創価青年医学者会議のメンバーでもある彼は、"救えるはずの命が救えない"ような事態は絶対に避けなくてはならないとの思いから、軽症・無症状者が療養するホテルへ、重症化の目安が分かるパルスオキシメーター(動脈血中酸素飽和度測定器)の配備の必要性を強く訴えた。結果、この声に公明党が迅速に動き、訴えから4日後には、厚生労働省が宿泊施設に適切な数を備え付けることを表明。これを受け、各自治体も積極的に配備に動きだした。7月24日付の読売新聞では、「装着させる自治体が増えている」と報じられた。
人々の生命と健康を守るため、困難の壁にも慈悲の心で立ち向かうドクター部の友。強き使命感を胸に、医療現場で日々、尊い尽力を重ねる"戦うドクター部"に、心からの感謝とエールを送り、友の無事・健勝を祈りたい。

☆小説「新・人間革命」学習のために 「中南米」編
◇新しき開拓の朝だ! 中南米のあの地、この地に 人間勝利の栄光の旗を!
小説『新・人間革命』の山本伸一の激励・指導などを紹介する「My Human Revolution(マイ・ヒューマン・レボリューション)」。今回は「中南米」編を掲載する。次回は「欧州」編を11日付2面に掲載の予定。挿絵は内田健一郎。

◇地涌の菩薩の使命果たす人生を!
<1965年(昭和40年)8月、伸一はメキシコ支部長のラウロ・イワダテと懇談。「メキシコが大好きになった」と語る彼に訴える>

「自分のいるところが好きにならなければ、そこで、使命を果たし抜いていくことはできません。いやだなという思いがあれば、どこかへ行きたい、日本へ帰りたい、という心が働き、すぐに逃げ腰になってしまい、本当の仕事はできないものです。自分が、そこを好きになれる"良さ"を見つけることから、価値の創造は始まっていくといえます。
(中略)戸田先生が夢にまで見られたメキシコを、私は大発展させたいんです。三年後には、オリンピックがありますが、それまでに、盤石な広宣流布の基盤を築きましょう。イワダテさん、時は"今"ですよ。
あなたがメキシコに渡って四十年。それは、なんのための歳月であったか。仏法の眼から見れば、すべて、メキシコの広布に立ち上がる準備期間だったんです。
いよいよ、これからが人生の本舞台です。やりましょう! 戦いましょう! メキシコに真実の幸福の風を起こすために」
イワダテは、頬を紅潮させて頷いた。(中略)
「イワダテさん、人の一生には限りがあります。その限りある人生をなんのために使うかです。自分の小さな幸福を追い求めるのも人生です。しかし、あなたには、メキシコの広宣流布に生き、この国の人びとを幸福にしていく使命がある。御書に照らして考えるならば、あなたは、そのために、地涌の菩薩として出現したんです。どうか、メキシコの民衆の、幸福と平和のパイオニアとして、また、リーダーとして、生涯、広宣流布に生き抜いてください」
(第10巻「幸風」の章、158〜160、163ページ)

◇最も苦労した人が誰よりも幸せに
<74年(同49年)3月、学会への誤解があり、ビザが発行されず、伸一のブラジル訪問は中止となる。翌月、ブラジル理事長の斎木安弘は、アメリカのサンディエゴに滞在中の伸一を訪ね、現地の様子を伝える>

斎木は、喜々として報告した。
「先生のブラジルへのご訪問がなくなったことをメンバーに伝えました時には、皆、悔し涙にむせびました。しかし、『先生がいらっしゃらないからといって、泣いているような弱虫でどうする! 私たちの手で、文化祭を大成功させるのだ。それでこそ真の弟子じゃないか!』と語り合いました。
そして、みんなが"先生、見ていてください"との思いで、懸命に挑戦しました。
文化祭は大成功でした。出席した各界の来賓も、感動し、学会への理解を深めております。また、みんなが、あらゆる機会に、学会の正義と真実を、勇気をもって語り抜いてきました。そうしたなかで、オザスコ市のように、市をあげて先生の平和行動を賞讃するケースも出てまいりました」
伸一は、斎木の顔を見つめて言った。
「みんな、さぞかし悔しかっただろう。辛かっただろう……。しかし、そのなかで立ち上がった。ブラジルはきっと大発展するよ。二十一世紀の"世界広布の雄"となることは間違いない!」
経文には「未来の果を知らんと欲せば其の現在の因を見よ」(御書231ページ)とある。
今、いかなる決意で、どう行動しているのか——それによって、未来の結果は決定づけられていくのだ。
誰よりも労苦を背負いながら、黙々と広宣流布のために戦う。その人こそ、誰よりも強く、誰よりも幸せになり、誰よりも栄光をつかむのだ。それが、因果の理法である。
(第19巻「陽光」の章、233〜234ページ)

◇知恵と努力で「不屈の勝利王」たれ
<93年(平成5年)2月、伸一はアルゼンチンの首都ブエノスアイレスで、集った友に語る>

「ひとたび太陽が東天に昇れば、その大光は遍く全世界を照らす。同様に日本に聖誕された大聖人の『太陽の仏法』は、全地球の全民衆を赫々と照らし、妙法の大慈悲の光を注いでいきます。そして、この大聖人の仏法の世界性、普遍性を見事に証明してくださっているのが、アルゼンチンの皆様の活躍です。(中略)
アルゼンチンのことわざに『太陽は皆のために昇る』とあります。
(中略)大聖人は『皆のために』——末法万年のすべての民衆のために、大法を説き残された。信仰しているか、信仰していないかによって、人間を偏狭に差別するものでは決してありません。どうか皆様は、心広々と、太陽のように明るく、アルゼンチンの全国土、全民衆に希望の光彩を送っていただきたい。
(中略)人生は、悩みとの戦いです。大事なことは、自分にのしかかる、さまざまな苦悩や問題を、いかに解決していくかです。『悩み』を越えた向こう側にある『勝利』に向かって、知恵を絞り、努力を重ねることです。もし、こんな悩みがなければ——と現実を離れ、夢を見ているだけの生き方は、敗北です。どうすれば、今の課題を乗り越え、価値と勝利に変えていけるか——常に、その前向きな努力をなす人が『勝つ人』なんです。
自分の一念が、そのまま人生となる——この真理を、見事なる勝利の劇で証明する『名優』であっていただきたい。また、周囲にも『自信』をもたせる『励ましの人』であっていただきたい」
伸一は、アルゼンチンの同志が一人も漏れなく「不屈の勝利王」であってほしかった。
(第30巻<下>「誓願」の章、366〜368ページ)

◇アンデス越えたり 我は勝ちたり
<93年(平成5年)2月、伸一は海外50カ国・地域目となるチリを初訪問。広布旅を振り返る>

思えば、どの国も、一つ、また一つと、全精魂を注いで歴史の扉を開く、真剣勝負の広布旅であった。
戸田城聖は、第二代会長に就任した翌一九五二年(昭和二十七年)の正月、「いざ往かん 月氏の果まで 妙法を 拡むる旅に 心勇みて」と詠んだ。(中略)
しかし、恩師は、一度も海外に出ることはなかった。伸一は、戸田の言葉を遺言として生命に刻み、師に代わって世界を回り、「太陽の仏法」を伝えてきた。
(中略)その海外訪問も、このチリの地で、いよいよ五十番目となるのだ。
彼の脳裏に和歌が浮かんだ。
「荘厳な 金色に包まれ 白雪の アンデス越えたり 我は勝ちたり」(中略)
チリSGI総会で伸一は、チリの各地で活動に励む同志の労苦を思いながら、「逆境に負けずに頑張り抜いてこられた皆様には、アンデスの山並みのごとく、限りなく功徳が積まれていくことは絶対に間違いない」と賞讃した。
さらに、このチリで、海外訪問は五十カ国・地域となったことを伝えた。三十三年前、富士の高嶺を仰ぎつつ、世界平和への旅を開始して以来、五大州を駆け巡ってきた。そして、日本とは地球のほぼ反対側にあり、「チリ富士」といわれるオソルノ山がそびえるチリを訪れたのである。伸一は、烈々たる気迫で呼びかけた。
「戸田先生は、さぞかし喜んでくださっているにちがいない。しかし、いよいよ、これからが本番です。常に皆様を胸中に描き、日々、共に行動している思いで、全世界を、楽しく朗らかに、駆け巡ってまいりたい!」
(第30巻<下>「誓願」の章、382〜383、386ページ)

2020年9月12日土曜日

2020.09.12 わが友に贈る

「行学の二道を
はげみ候べし」
教学は"信心の骨格"。
御書を心肝に染め
日々 実践しよう!

波木井三郎殿御返事 P1371
『既に法華経の為に御勘気を蒙れば幸の中の幸なり瓦礫を以て金銀に易ゆるとは是なり』

【通解】
すでにに法華経のために、御勘気をこうむったことは、これこそ幸いの中の幸いである。瓦礫をもって金銀にかえるというのは、このことである。

名字の言 「やる気のスイッチ」はどこにある? 2020年9月12日
小学生が脳研究者の池谷裕二さんに質問した。「ぼくの『やる気のスイッチ』はどこにあるんでしょう?」▼これが実は脳の中に存在する。その名は淡蒼球。ここが活発に働くと、やる気がみなぎるそうだ。だが困ったことに、このスイッチは自分の意思でオンにできない。脳の別の部位を刺激する必要がある。一つの方法は、とにかくまず「体を動かすこと」。やる気は出るまで"待つもの"ではなく、行動を起こすことで"迎えにいくもの"だという(『モヤモヤそうだんクリニック』NHK出版)。"始めたら半分終わったのと同じ"とよくいわれるが、それを裏付ける話だ▼歴史学者トインビー博士も朝食後、午前9時には必ず机に向かうことを習慣とした。「仕事をしたい気持ちになるのを待っていたのでは、いつまでも仕事はできないものです」と▼仏法では「色心不二」と説く。体(色)と精神(心)は不可分な関係であり、相互に作用し合うものと見る。妙法を信じ、実践することによって、無限の活力が全身にみなぎってくるのである▼「今朝もまた 題目となえ スイッチオン」。本紙の「新・生き生き川柳」に掲載された句である。御本尊の前に座ることから出発しよう。祈り、動けば、人生は力強く回転を始める。(之)

寸鉄 2020年9月12日
竜の口法難の日。死身弘法の魂は創価三代の師弟に厳然。連なる誉れ高く
御本尊への強い確信で一切に自信を持て—恩師。万人に仏の偉大な力あり
中部婦人部が記念月間。列島の要から幸の対話を拡大!共に勝利道を前進
子どもの約8割が家庭内で感染と。大人の努力が家族守る。緩みなく対策
家庭のプラごみが各地で急増。"巣ごもり"背景に。分別の順守等、皆で取組

☆小説「新・人間革命」学習のために 「北米」編
◇信仰とは 何ものにも勝ち乗り越えていく 人生行路のエンジンだ
10・2「世界平和の日」60周年を記念し、世界中の池田門下がオンラインでつながる「世界青年部総会」が来月27日に開催される。小説『新・人間革命』の山本伸一の激励・指導などを紹介する「My Human Revolution(マイ・ヒューマン・レボリューション)」では、特別企画をスタート。今回は、「北米」編を掲載する。次回は「中南米」編を9月4日付2面に掲載の予定。

◇布教は友の幸福願う慈悲の行為
<1963年(昭和38年)1月、山本伸一は、ハワイ・ホノルルでのハワイ支部の結成式を兼ねた大会で、自身の若き日の広布の闘争を通して指導する>

「私が入会した時、青年部員は、実質七人しかおりませんでした。私は、そのメンバーを見ながら、"いつの日か、日本一の最高最大の青年の集いにしていこう。誰がやらなくても私はやろう"と決意し、戸田先生に誓いました。
そして、今、学会は、男子部だけでも五十六万人となり、実際に、日本最大の青年集団となっています。使命を自覚した、真剣な一人がいれば、本物の師子がいれば、そこから、すべては広がっていきます。
さて、布教は、友の幸福を念じ、自分の信ずる最高の教えを、最高の生き方を教えていく、崇高な慈悲の行為です。ゆえに、布教をしていけば、真の友情と信頼が生まれます。さらに布教のなかにこそ、真実の仏道修行があり、人間革命がある。なぜならば布教は、自分の臆病な心や生命の弱さを打ち破るという、自己自身との戦いから始まるからです。
懸命に、わが友に仏法を語り抜いていくならば、歓喜がみなぎり、自身の境涯が開かれていきます。その時に、地涌の菩薩の大生命が、わが胸中に脈打っていくからです。この弘教のなかにこそ、自らの人間革命があり、自身の、さらに社会の宿命を転換し、永遠の幸福と平和を築きゆく直道があります。ゆえに、私は、ハワイに弘教の大法旗よ翻れと、訴えたいんです」
(第7巻「萌芽」の章、125〜126ページ)

◇唱題は無限の可能性開く原動力
<1月、伸一は、アメリカ・ニューヨークでのニューヨーク支部の結成大会となる総会に出席し、訴える>

「アメリカは自由の国であり、民主主義の国です。(中略)
しかし、自由であればあるほど、また、民主の理想に生きるならば、自分で自分を律して、自らの心を鍛え上げていかなければならない。そうでなければ、欲望の奴隷となり、見せかけの華やかさや、目先の利益だけを追い求め、真実の幸福とはほど遠い、人生となってしまう。
そうした弱い自分の心を、生命を鍛えて、人格を磨いていくことが人間革命であり、それなくしては、真実の幸福の軌道を邁進していくことはできません。そして、その人間革命を可能にする大哲理が、日蓮大聖人の仏法です。
ゆえに、人間の幸福につながる、自由の模範を築くうえからも、アメリカに、このニューヨークに、仏法を流布していく意義は、極めて大きいといえます。
一方、国際政治のうえでも、アメリカは西側陣営のリーダーです。それだけにアメリカの対応のいかんによって、昨年秋の"キューバ危機"のように、いつ、核戦争に発展するかわからないという、厳しい現実があります。そのアメリカに仏法を流布することは、核を廃絶する根本の哲学が広まることであり、世界平和の大潮流をつくることになります。(中略)
ケネディ大統領は、"ニューフロンティア"(新開拓)を訴えてきましたが、学会の精神も開拓にある。信心とは、自分自身の生命の開拓であり、無限の可能性の開拓であり、広宣流布の開拓です。
その原動力は唱題であり、強盛な祈りです。そして、果敢に、粘り強く、挑戦を重ねていくことです」
(第7巻「萌芽」の章、180〜182ページ)

◇差別撤廃のカギは「心の改革」に
<65年(同40年)8月、アメリカのロサンゼルスで、人種差別に端を発する暴動が勃発。これを受け、理事長の十条潔は、ロサンゼルスを訪問予定だった伸一に、渡航の延期を促す>

伸一は、きっぱりと言った。
「そういうわけにはいかないんだ。みんなの気遣いはありがたいし、気持ちもよくわかるが、私は、今こそ、ロスに行き、メンバーを全力で励まさなければならない。今こそ、アメリカの同志に、立ち上がってもらいたいんだ。
こうした騒ぎが、なぜ起こったのか。その原因は、不当な人種差別にあることは明白だ。
差別をなくすことは、黒人(アフリカ系アメリカ人)の悲願であった。また、心ある政治家も、差別の撤廃に取り組んできた。そして、黒人の公民権を保障する法律も、ようやく整ってきた。
しかし、法のうえで平等が定められても、依然として差別はなくならないのはなぜか。
差別は、人間の心のなかにあるからだ。法の改革から、人間の心の改革へ——アメリカ社会を、真実の自由と民主の国にしていくには、そこに向かって、進んでいかざるをえない」(中略)
「その人間の心の改革を、生命の改革を可能にするものは、断じて仏法しかない。
アメリカの野外文化祭が行われる八月十五日は、日本と時差はあるが、終戦二十周年の記念日だ。私は、この日を、民衆の本当の幸福と平和の哲学である仏法の旗を、アメリカの大地に、高らかに打ち立てる日にしたい」
(第10巻「幸風」の章、100〜101ページ)

◇広布の実践こそ世界平和の基盤
<81年(同56年)6月、伸一はカナダを訪問。トロントでのカナダ広布20周年記念総会の席上、各国で政府要人や有識者と会談を重ねてきた意義を語る>

「そこでは、人類にとって平和こそが最も大切であることを訴え続けてきました。
万人が等しく『仏』の生命を具えていると説く仏法こそ、生命尊厳を裏づける哲理であり、平和思想の根幹をなすものです。また、そこには、他者への寛容と慈悲の精神が脈動しています。(中略)
私は、政治家でも、外交官でも、また、経済人でもありません。しかし、平凡な一市民として、一個の人間として、仏法を根底に、平和実現のために対話を続けています。
それは、人間は等しく尊厳無比なる存在であると説く仏法の精神を、あらゆる国の人びとが共有し合い、国境を超えた友情の連帯を強めていくことこそ、最も確実なる平和への道であると確信するからです」
根が深く、しっかりしていてこそ、枝は伸び葉も茂る。平和運動も同じである。多くの人が平和を願い、平和を叫びはする。しかし、根となる哲理なき運動ははかない。私たち創価学会の平和運動には、生命の尊厳を説き明かした、仏法という偉大なる哲理の根がある。人間一人ひとりを「仏」ととらえる仏法の法理に立てば、絶対に人の生命を、生存の権利を奪うことなどできない。(中略)
この生命尊厳の法理を、つまり、妙法という平和の種子を、人びとの心田に植え続けていくことこそが広宣流布の実践であり、それが、そのまま世界平和の基盤になることを、伸一は強く確信し、実感していた。
(第30巻<下>「暁鐘」の章、34〜35ページ)

2020年9月11日金曜日

2020.09.11 わが友に贈る

足下を掘れ
そこに泉がある!
目の前の人を大切にする
懸命な祈りと行動から
限りない知恵が湧く。

兵衛志殿御返事 P1108
『二人一同の儀は車の二つのわの如し鳥の二つの羽のごとし』

【通解】
二人が団結した姿は車の両輪のようなものである。鳥の二つの羽のようなものである。

名字の言 歌と共に永遠の師弟旅へ 2020年9月11日
そのメロディーや歌詞に触れただけで、当時の記憶、情景がありありとよみがえる——そんな「思い出」が詰まった歌を、誰しも持っているのではないだろうか▼映画監督の黒澤明氏は小学校時代を思い起こすと、その頃に歌っていた「海」「鯉のぼり」などの唱歌を自然と口ずさんでいたという。「不思議だね、音楽っていうのは。タイムマシーンみたいにそのときに連れていってくれるんだ」と氏は述べている(黒澤和子著『回想 黒澤明』中公新書)▼草創以来、学会の前進は、常に歌と共にあった。自身の広布の歴史の中で、師と共に、同志と共に歌った、忘れ得ぬ一曲がある方も多い▼先日、世界青年部歌「Eternal Journey with Sensei!〜永遠の師弟旅〜」が誕生した。「先生 あなたの誓いを必ず果たします」——未来へと向かう弟子の誓願が込められたこの歌が、世界中の若き池田門下に追い風を送っている▼9月27日の「世界青年部総会」を目指し、世界青年部歌を朗らかに歌いながら、自身の「人間革命の目標」の達成へ、勢いよく前進したい。挑戦し抜いたその歩みは、「宝の思い出」として、歌と共に一人一人の胸中深くに刻まれる。それは将来、いつでも立ち返ることのできる、不滅の原点となろう。(値)

寸鉄 2020年9月11日
一人一人が固く手を結べば広布は進む—戸田先生わが「地区」を常勝の城に
「道理と申すは主に勝つ物なり」御書。青年よ誠実第一で「世雄」と光れ!
「米同時テロ」から19年。分断から協調の時代へ。信念の対話で平和の砦を
適度な運動で死亡リスク低下—研究。食事・睡眠と併せて賢く健康づくり
流行後に精神的不安示す検索増加と。身近な絆が支えに。励ましの声強く

〈社説〉 2020・9・11 あす「宇宙の日」
◇あくなき挑戦が新時代開く
「宇宙飛行士の仕事とは、ひと言でいえば『挑戦』です」(『宇宙から学ぶ』岩波新書)。スペースシャトルに日本人として初めて搭乗した毛利衛さんが、自身の体験を通し、つづった言葉だ。
あす9月12日は「宇宙の日」。国際宇宙年の1992年の同日、毛利さんがシャトルで飛び立ったことから定められた。今年は日本初の人工衛星「おおすみ」の打ち上げ50周年でもある。宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、この機に小・中学生の作文・絵画コンテストを開催したり、関連施設で行事を行ったりと啓発の裾野を広げている。
毛利さんの宇宙飛行は、当初の予定から4年以上遅れた。86年にスペースシャトル「チャレンジャー号」の痛ましい爆発事故が起きたため、米航空宇宙局(NASA)による徹底した安全確保を待たなければならなかったのだ。
子どもの頃からの夢だった宇宙飛行。訓練はストップし、いつ飛行できるか、見通しさえ立たない。つてはなかったが、研究者として宇宙関連の研究に従事しようと、大学等を訪れる。断られても交渉を続けるうち、計画が採用され、実績を残せた。障害にぶつかるたびに挑戦を重ねたことが、夢の実現につながっていったという(前掲書)。
中学・高校生が、スペースシャトルに搭載されたカメラを地上から遠隔操作して地球の写真を撮る「アースカム」。毛利さんが2回目に宇宙飛行をした2000年、搭乗したシャトルで、日本から初めて「アースカム」への参加があった。その1校が関西創価学園(大阪・交野市)で、撮影の舞台がシャトルから国際宇宙ステーション(ISS)に移っても、60回以上にわたり参加し続けている。参加した生徒たちは「"宇宙飛行士の視点"で撮影する貴重な経験になりました」「地球の環境と平和を守る使命を実感しました」等と、地球を違った目で見るようになった感動を語っている。
宇宙から見れば、地球に国境線などない。気候変動、異常気象、コロナ禍など、未曽有の危機に直面する今、私たちは人類益に立って連帯し、平和構築への挑戦を粘り強く重ねていくべきである。
池田先生は小説『新・人間革命』で、人類初の月面着陸を成し遂げたアポロ11号に触れ、その立役者である"ロケットの父"フォン・ブラウン博士を、こう評している。「宇宙旅行という、博士の大きな夢を実現させる力となったのは、何があっても、絶対にやめないという、この"貫徹精神"にあります」(第24巻「人間教育」の章)
人類の幸福へ、創価の師弟による挑戦の貫徹こそ、新時代を開く希望となる。

☆四季の励まし 人を育てる聖業に未来がある 2020年9月6日
【写真の説明】青々と茂る木々の葉が、陽光に照り映える。スプリンクラーから水が勢いよく噴き出し、緑草に降り注いでいた。1996年(平成8年)6月、池田大作先生がアメリカ・デンバーで撮影した。
今月27日にオンラインで開催される「世界青年部総会」。青年部は今、「世界の友と"広布の誓火"拡大月間」(同27日まで)を驀進するなか、総会に向けて、SNSや電話などを活用し、勇気の対話に果敢に挑戦している。
世界青年部総会まで残り3週間。「わが家」「わが地域」の青年部・未来部の友が一人でも多く視聴できるよう、真心の励ましを送っていきたい。「広布後継の大樹に育ちゆけ!」と祈りながら——。

◇池田先生の言葉
青年を育てることは、
未来を育てることである。
人材育成の温かな光を、
さらに
社会に広げていきたい。
人を見つけていこう、
人を育てていこう、
そのための種を
蒔いていこう——
この一念があるところ、
人材は育っていく。

若き純真な心に
確かに刻印されるのは、
先輩の何気ない
人生の指針であり、
信心の
励ましの言葉である。
何らかの人間的な
触れ合いのなかで、
信仰者として、
また後継者としての
あり方を教え、
全力で
励ましていくことが
肝要なのである。

育てるといっても、
形式ではなく、
大事なのは
相手を思う心の深さだ。
後継の友を、弟・妹、
また、わが子と思って、
真心で接していくのだ。
何があろうと、
生涯、不退転の信心を
貫いていけるように、
たとえ一時は
信仰から遠ざかることが
あったとしても、
必ずまた同志と共に
進んでいけるように——
この根本の一点を
忘れてはならない。

先輩やリーダーが自ら
労苦の汗を流すことだ。
人々に尽くし、
勇気と希望を広げる
人材の手本を
自分が示す以外にない。
生まれ変わった決意で、
自身の人間革命に
挑戦しゆくのだ。

青年を愛し、
青年に学ぶ人は、
永遠に若い。
人間を育てる聖業には
限りない未来が
あるからだ。
新しい人材を
育てる人こそ、
真の人材である。

☆9月度座談会拝読御書 三三蔵祈雨事
◇拝読御文
『夫れ木をうえ候には大風吹き候へどもつよきすけをかひぬれば・たうれず、本より生いて候木なれども根の弱きは・たうれぬ、甲斐無き者なれども・たすくる者強ければたうれず、すこし健の者も独なれば悪しきみちには・たうれぬ』(御書全集1468ページ1行目〜3行目)

◇[池田先生の指針から] 人間革命の輝きが未来への光源
日蓮大聖人を根本の師と定め、互いに支え励まし、「広宣流布」と「人間革命」を成し遂げていく和合の世界——それが、牧口先生、戸田先生が命を賭して築かれた創価学会です。
現代にあって、師と同じ心に立ち、万人の仏性を開く「励まし」の世界を広げゆく創価学会こそ「善知識」の集いにほかなりません。
大聖人は「志有らん諸人は一処に聚集して御聴聞有るべきか」(御書970ページ)と、正法を学ぶ集いを重視されています。
また法華経の随喜功徳品第十八には、法華経を聴く会座に「一緒に行きましょう」と友を誘って参加する功徳、その会座で、後から来た人が座れるよう、席をつめてあげる功徳は絶大であると説かれています。
「仏の如く互に敬うべし」(同1383ページ)です。日々の学会活動で「友を大切にする」ことは、その一つ一つが、仏意に適った正法の実践なのです。
性格も境遇も異なる同志と共に進むことは、面倒で大変だと思う場面もあるかもしれません。
特に若い人のなかには、「組織」というものを煩わしく感じ、一人でいるほうが、自由で気楽だと考える人もいるかもしれない。(中略)
しかし、その風潮が、異なる個性を生かし合い、讃え合う、人間的な度量を鍛える機会を奪っている。そのため他者の痛みが理解できず、自分の怒りをコントロールできず、わずかな気持ちのすれ違いや誤解を修復できず、暴力、孤立、絶望、自死へと追いやったり、追いやられたりしている——この現実を、だれもがなんとかしなければと願っているのではないでしょうか。(中略)
自身の人間革命に挑戦し、水の流れるごとき信心を貫くことが大切です。
その鍛錬の場が、創価学会です。
私たちの「人間革命の輝き」が、かけがえのない善知識の世界を築き、時代の闇を照らす「未来への光源」となっていくのです。(『勝利の経典「御書」に学ぶ』第15巻)

◇学会の同志こそ最高の"善き友"
[キーワード1] 善知識を自ら求める
本抄は、建治元年(1275年)もしくはその翌年に、日蓮大聖人が身延で著され、駿河国(静岡県中央部)富士上方西山郷に住んでいた西山殿に送られたお手紙です。
拝読御文では、悪世末法で仏道修行を全うし、成仏するための要諦が説かれています。
樹木の「強き支え」や、弱い人間を強く支える「たすける者」は、「善知識」を譬えています。「善知識」とは「善き友」の意で、人を仏道に導き入れ、信心を励まし、支えてくれる師匠や同志を指します。仏教用語で「知識」とは、友人、知人を意味します。
人の心は揺れ動きやすいものです。大聖人は、頑健な者でも独りであれば倒れてしまうと仰せです。
だからこそ必要になるのが、信心を触発し、常に正しく仏道に導いてくれる善知識です。反対に、人を正法から退転させる働きをする存在が「悪知識」です。
大聖人は本抄で、"末法においては、悪知識は大地を微塵に砕いた数よりも多く、善知識は爪の上に乗るわずかな土よりも少ない"と仰せです。
末法においては、悪知識にたぶらかされることなく、会いがたい善知識を自ら求めていくことが大切になるのです。
そうした求道心を持ち、同志と共に信心を錬磨する学会員こそ、善知識そのものであるといえます。

[キーワード2] 広宣流布の最前線へ
天台大師は「摩訶止観」で、善知識を三つに分類しています。
�外護——仏道修行者を守ってくれる存在であり、修行の善き理解者。
�同行——志を同じくして、日々、切磋琢磨し合う存在。
�教授——正しい法を教え示してくれる、修行の先達となる存在。
創価学会の活動と照らし合わせると、�世界の識者からの賛同、�よき同志、�偉大な師匠、これら「三種」が全て具わっていることが分かります。
創価の友が"あの励ましがあったからこそ——"と、師匠や同志の支えに感謝を語る姿こそ、学会が"善知識の集まり"であることの証しです。
当然、成仏は各人の信心の実践によってなされるものです。人を頼ることなく、仏道修行を自ら貫く覚悟が求められることはいうまでもありません。
その上で障魔の働きに紛動されることなく、個人の成仏の完成を補うために組織や仲間が不可欠なのです。ゆえに、「正しい信心の組織」である学会から離れず、信心に励むことが大切となります。
コロナ禍にあって、直接的な交流に制約が伴うようになって半年がたちました。誰もが分断と孤立の不安に直面し続ける今こそ、同志を御本尊の前へ、広宣流布の最前線へと導く励ましがより重要になっています。
「勤行をしましょう」「題目を唱えましょう」「御書を学びましょう」——皆でこう呼び掛け、信心を深め合えるよう、善知識の自覚を胸に前進していきましょう。

2020年9月10日木曜日

2020.09.10 わが友に贈る

「如蓮華在水」の妙法だ。
泥沼に輝く白蓮のごとく
清らかな信心を貫こう!
困難な現実を変えゆく
不撓不屈の挑戦劇を!

佐渡御勘気抄 P891
『仏になる道は必ず身命をすつるほどの事ありてこそ仏にはなり候らめとをしはからる、既に経文のごとく悪口罵詈刀杖瓦礫数数見擯出と説かれてかかるめに値い候こそ法華経をよむにて候らめと、いよいよ信心もおこり後生もたのもしく候、死して候はば必ず各各をもたすけたてまつるべし』

【通解】
仏になる道は、かならず命を捨てるほどのことがあってこそ仏になるであろう、と思われる。すでに法華経の経文に「この経を弘める者は悪口され、ののしられ、刀で斬られ、杖で打たれ、瓦や小石を投げられ、たびたび所を追われる」と説かれている通りの難にあってきたことこそ法華経を身読したことになると、いよいよ信心も起こり、後生もたのもしく思われる。死んでいったとしても、かならず一人一人の弟子を助けてさしあげましょう。

名字の言 父親を奮い立たせた、きょうだいの「ままごと」 2020年9月10日
幼いきょうだいが、ままごとをしていた。お母さん役の妹は、お父さん役の兄を会社に送り出すと食器を洗い始めた。すると出掛けたばかりの"お父さん"が「ただいま」とすぐに帰宅した▼これには訳がある。家で母親が家事をするのは日頃から目にしている。だが父親が職場で頑張っている姿は見たことがなかった。だから演じられないのだ▼裏返せば、「実際に見たこと」は、幼い子どもの心や頭に残るということ。その後、ままごとは父母が「今日は会合ですよ」「地区の○○さんに会えるかな」などと言って出掛ける場面へと続いた。兄と妹は、両親が同志を励ます姿を見ていたのだろう。友と語らうシーンでは「とにかく、お題目ですよ」という言葉を口にした——この話は、この子らの父である壮年部員から十数年前の出来事として聞いた▼壮年は最近、大病を克服した。発症した時、あの日の「ままごと」の情景が頭に浮かび、決意したという。"この病魔との闘いを、父親の私がどんな信心の姿勢で乗り越えたかということも、子どもたちはじっと見ている"と。そして壮年は勝利の実証を示した▼直面した試練に屈することなく、不退の信心で勝ち越えていく——その懸命な姿を通して、信心は継承されていくのだろう。(白)

寸鉄 2020年9月10日
平和哲学広げる創価の女性が増えれば世界は良くなる—博士。地域の灯台
神奈川が記念月間。正義の天地で戦う誉れ。連帯固く立正安国の対話へ!
日蓮仏法は万人が宇宙大の生命力を発揮する教え—恩師。題目は勝利の力
マスクのポイ捨て増加。感染リスクに加え環境に悪影響も。正しく廃棄を
公明の当事者目線の対応に感謝—障がい者団体。悩める声に行動で応えよ


☆新時代を築く 題目は無限の希望の力なり 2020年9月5日
今この時、世界の青年部が、新しき歌声とともに、新しき前進を開始した。
若き英知は、従来の形式に囚われず、創意工夫を凝らして自在に闊達に開拓できる。
思えば、1954年(昭和29年)の9月、奥多摩の氷川で青年部の野外研修を行ったことも、新しい挑戦であった。
戸田先生のもと、キャンプファイアを囲んで歌い上げた学会歌の響きが熱く蘇る。
師弟の思い出深き氷川には、東京青年研修道場が立つ。
新装なった25年前の9月。青梅総区をはじめ第2総東京の天地で奮闘する尊き同志をねぎらい讃え、語り合った。
「地元の名産」を尋ねると、皆、遠慮したのか、少し間を置いて「美味しいこんにゃく!」と。明るい笑いがはじけた。
そこで私は、「題目の名産地にしようよ! 広布の理想郷を創ろう!」と申し上げた。
以来、わが友は、題目第一で愛する地域に貢献し、信頼を広げ、人材を育て、仲良く郷土の繁栄を築いている。
「南無妙法蓮華経は師子吼の如し・いかなる病さはりをなすべきや」(御書1124ページ)
題目の人は断じて負けない。日本中、世界中に、妙法の偉大な功力の証明者がいる。題目は無限の希望の力なり。
ブラジル婦人部の合言葉は「ムイト・マイス・ダイモク(もっと題目を)!」。
「不可能を可能にする」祈りで一切を勝ち越えてきた。
コロナ禍にあって、不退の婦人部を先頭に、全世界の宝友が一段と力強く唱える題目は、まさしく天文学的数字に及ぶ。この大功徳は人類まで大きく深く包むに違いない。
* * *
1956年(昭和31年)の9月、あの「"まさか"が実現」の大阪の戦いに続き、戸田先生は「大作、転機の先駆けとして新たな広布の開拓を頼む!」と言われた。
「はい、やらせていただきます!」——この師弟の呼吸から、歴史に輝く「山口開拓指導」が始まった。
そして今、わが不二の青年が、新たな世界広布の開拓を颯爽と繰り広げている。
「大悪大善御書」に曰く、「上行菩薩の大地よりいで給いしには・をどりてこそいで給いしか」(1300ページ)。
地球社会の大地に躍動する若き地涌のスクラムにこそ、不安を打ち払う「勇気」があり、誰も置き去りにしない「連帯」がある。未来を開く「レジリエンス(困難を乗り越える力)」があるのだ。
創価家族の題目の師子吼をいやまして轟かせ、「世界青年部総会」を21世紀の大いなる希望の転機と輝かせよう!
* * *
台風10号が厳重に警戒される中、沖縄・奄美・九州、また韓国をはじめ各国各地の無事安穏を強盛に祈っています。

☆質問BOX 仏法の魅力をどのように伝えればいいでしょうか?
【回答】
仏法の素晴らしさを伝えるのに、"このようにすべきである"というような、決まったものはありません。友人の幸せを祈っていく中で、一人一人が自分の思いを率直に語っているのが創価学会の仏法対話です。
戸田先生は「折伏すれば信用が残る」と語られました。たとえ仏法の教義が伝わらなくても、友への真心は必ず届いていきます。
池田先生は「難しく考える必要はない。信心に励む中で自らが実感する体験や喜び、確信を、飾らずにありのまま伝えていけばよいのです」と語っています。
自身が日々の学会活動の中で感じた、喜びや感動を伝えれば、それが仏法対話となります。相手を思いやる真剣な唱題を根本に、自分らしく語っていきましょう。

☆未来部育成のページ 「9・23」少年少女部結成55周年 記念座談会
◇真剣さと情熱が人を育てる
少年少女部は、今月23日に結成55周年を迎える。今回の未来部育成のページでは、佐保少年部長、角田少女部長が、初代少年部長の森田康夫参議会議長と第6代少女部長の尾高千絵副女性未来本部長に、結成時の池田先生の思いや、先生とメンバーとの思い出などを聞いた。
真っ白なキャンバス
▲佐保
高等部、中等部に続き、1965年9月23日に小学1年生から4年生までの男女による少年部が結成されました(当時、5・6年生は中等部に所属)。

●森田
当時、池田先生から"少年少女の心というのは真っ白なキャンバスなんだ。それにどういう絵を描くか、あるいは描かせるかは、リーダーの一念にかかっている"という趣旨のご指導を受け、重大な責任を感じました。
そして、先生は少年部に勤行や勉強をすることなど五つの指針をくださいました。全国の部員はその指針の実践や毎月の部員会参加に挑戦していきました。

◆尾高
私も小学3年の時に入会した後、毎月の部員会に参加しました。勤行の導師をすると、不慣れでも担当者や親御さんたちが褒めてくれ、うれしかった思い出があります。
また、皆で劇をしたり、学会歌を歌ったりして、その中で学会精神を学んでいきました。

●森田
結成の翌年の1月3日には、先生が少年部のためにと「ヒマラヤ杉」を植樹してくださいました。
成長が早く、真っすぐに伸びる木です。皆が学会精神を受け継いで、大きく成長してほしいとの師の願いが込められています。

◇僕は"根っこ"になる
★角田
さらに先生のご提案で、同年5月5日には「富士少年合唱団」「希望少女合唱団」が発足しました。

●森田
先生の手によって文化活動も活発になり、歌や劇などを披露する「希望祭」も始まりました。
また先生は、夏季講習会の折などに参加した少年少女部員とよく記念撮影をしてくださったほか、キャンプファイアやシュプレヒコールなどをしてくださったこともあります。

◆尾高
70年1月には「小学生文化新聞」(当時)に長編詩「大いなる希望」が掲載されました。
そこにはこうあります。「君たちよ/大木となれ/力と福運の葉を茂らせよ/勝利の花を爛漫と咲かせ/実を結べ/僕は 根っこになる/根は見えない/見えなくてもよいのだ/君たちよ/壮大な大殿堂をつくりゆけ/人類のために/未来のために」——。
小学生だった私は感動し、心に刻み付けるように暗唱しました。

★角田
広布のため、世界の平和のために貢献する人を育てようという、先生の深いお心が伝わってきます。

◇学会の未来は君たちが
●森田
長編詩発表の前日の1月2日、先生は20人の少年少女部員を激励されました。年齢を聞かれ、「今から20年たったら、みんなは32歳だね。私が32歳の時、何をしたか、知っている人?」と尋ねられました。
そして「私は32歳で会長になったのです」「20年後、今度は、君たちの肩に学会が乗るんだよ。その時、臆病になって、逃げ出すようなことがあっては絶対にいけない。君たちは、厳然と学会を背負って立っていきなさい」と力強く言われました。
当時はいわゆる言論問題の渦中です。一部の政治家やマスコミが、学会に対して悪意ある中傷を繰り返していました。その中でのご指導です。後継の弟子を思う、師の並々ならぬ気迫を感じます。

▲佐保
先生は同年6月から各地で結成されていく未来会でも将来を見据えて厳愛の指導をされています。その中には少年少女部員もいました。
小説『新・人間革命』第14巻「大河」の章に当時のことが描かれています。

◆尾高
少女部長の時、私もそうした先生の心に触れました。
83年の7月26日、九州研修道場(当時)で先生は、九州の少年少女部員に、獄死した牧口先生の正義を宣揚された戸田先生の話をされ、「一度決めたことはやり抜く。実現する。これが学会精神です。弟子の道です。私もそうしてきた。いざという時に臆病な皆さんになってもらいたくない」と言われました。
その後、メンバーは立派な青年リーダーに育ち、その姿に私は、情熱をもって真剣にメンバーに当たっていくことの大切さを学びました。

◇一個の人格として尊重
▲佐保
先生は「未来部を育成するうえで大切なのは、相手を一個の『人格』として尊重することである。決して、子どもだからといって、"こんなことは、わからないだろう"とか、"これくらい、いいだろう"とか、安易な対応をしてはならない」と、つづられています。

★角田
私も東京創価小学校の卒業式で初めて池田先生にお会いした時のことが原点になっています。
先生は「諸君しかない。私は毎日、真剣に祈っています。妻と共に」「皆さんも、私の後に続いてもらいたい」と、温かく包み込むように呼び掛けてくださいました。

●森田
先ほどの20人は互いに励まし合い、20年後に弁護士や大手百貨店で最年少の課長になるなど、大きく成長して師のもとに集い合いました。
未来会だった少年少女部員も今は50、60代。師の正義を宣揚しようと今も社会の多様な分野で活躍しています。その胸に深く刻まれた先生の命が、今も光り輝いていることは間違いありません。

◇一人に光を当てる
●森田
学会の永遠性を確立するために、先生は今も未来部に力を入れてくださっています。学会創立90周年の今年から100周年までの10年は、その総仕上げとなる大事な時です。

◆尾高
子どもも社会の状況も変化しています。今はコロナ禍の中でもあり、いろいろな制限もあります。
ですが、先生が「子どもたち一人ひとりに光を当て、一人を十人にも、百人にも匹敵する黄金の人材と輝かせていける時代である」と言われている通り、未来部の担当者の方々は知恵を絞ってメンバーに励ましを送り続けてくださっています。

▲佐保
メンバーの年齢が最も若い少年少女部は、最も長く学会の未来を担っていく使命の大きな組織です。
メンバーへの関わりが、学会の未来を創っているのだと自覚し、どんな状況にあっても、一人一人とつながり、師の心を伝えていきたいと思います。

★角田 メンバーは池田先生の思いを真っすぐに感じ、ありのままに先生の素晴らしさを語ってくれます。まさに"真っ白なキャンバス"そのものです。
この世界的な危機の中でも、「コロナ終息を祈っています」という声や、夏の各種コンクールの力作がたくさん寄せられ、たくましく成長しているのだと感じます。
無限の可能性を秘めたメンバーのために、さらに勇気と希望の励ましを送っていきます。

2020年9月9日水曜日

2020.09.09 わが友に贈る

他者を尊重し
心からたたえよう。
互いに認め合うことで
「安心の絆」が結ばれる。
皆が輝く共生の社会を!

御義口伝巻上 P742
『今日蓮等の類い南無妙法蓮華経と唱え奉るは大風の吹くが如くなり』

【通解】
今、日蓮大聖人およびその門下が、南無妙法蓮華経と唱え折伏していく、その姿というものは、大風の吹くようなものである。

名字の言 世界的文学作品のある共通点 2020年9月9日
ユゴーの『レ・ミゼラブル』とデュマの『モンテ・クリスト伯』。恩師・戸田先生が青年に読ませた二つの文学作品には共通点がある▼それは、主人公が投獄されていること。『レ・ミゼラブル』のジャン・バルジャンは、家族のためにパンを盗み、裁判で有罪を宣告された。『モンテ・クリスト伯』のエドモン・ダンテスは無実の罪にもかかわらず、尋問のみで孤島の牢獄に送られた▼思えば、ドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』やトルストイの『復活』など、今も読み継がれる文学には、裁判のシーンが書かれているものが少なからずある。この点について、"裁判にこそ、社会の矛盾が最も映し出されるため"と指摘する識者もいる▼優れた文学には、主人公の内面に焦点を当てるのと同時に、社会の不平等を鋭く洞察したものが多い。小説『人間革命』『新・人間革命』にもまた、山本伸一が無実の罪で逮捕・投獄された「大阪事件」の裁判を通して、社会の歪み、権力の本質がつづられている▼同書は、魂の翼を広げることを促す「人生の教科書」であり、共生の時代を開く方途を示した「未来を照らす明鏡」である。新聞連載の完結から8日で2年。人間主義の文学の系譜に連なった、後世に残る世界的作品になるに違いない。(芯)

寸鉄 2020年9月9日
『新・人間革命』から人間の持つ力の重要性感じる—博士。前進・勝利の糧に
45周年の女子学生部の日福智の青春を朗らかに!今こそ希望の連帯を拡大
婦人部・香城会の日。笑顔と真心の尊き行動。その労苦は全て一家の福運と
接触アプリで通知受けた人は検査無料。導入多いと精度も高く。活用皆で
感染症に熱中症…命守る救急医療関係者の献身に感謝!きょう「救急の日」

☆心に御書を 第70回 共々に今日も「一歩前進」!
〈御文〉
『仏の名を唱へ経巻をよみ華をちらし香をひねるまでも皆我が一念に納めたる功徳善根なりと信心を取るべきなり』(一生成仏抄、383ページ)

〈通解〉
仏の名を唱え、経巻を読み、仏前に華を散らし、香をたくことも、その全てが、自分の一念に収まっている功徳善根であると信心をとっていくべきである。

〈池田先生が贈る指針〉
広布への行動は全て、わが生命の功徳善根となり、子孫末代の繁栄を開く。一点の無駄もない。
ゆえに朝の勤行から、一日の目標を明確に祈ろう! 自らの人間革命、家族・同志・友人の健康幸福、さらに社会・国土の安穏まで、今の一念から希望と勝利の波動を起こせる大仏法だ。
今日も大確信に胸張り「一歩前進」を!

☆「世界を照らす太陽の仏法」に学ぶ 第7回 健康長寿の信心〈上〉 高柳婦人部総合長
「紙上教学研さん『世界を照らす太陽の仏法』に学ぶ」では、今回から2回にわたり、「創価学会 永遠の五指針」の一つである「健康長寿の信心」について、高柳婦人部総合長と共に研さんします。(〈下〉は19日付に掲載の予定。前回は8月15日付に掲載。池田先生の講義は『創価学会 永遠の五指針』から引用)

病魔を恐れず、侮らず、
戦い挑む「強い信心」が、
仏界を力強く涌現させるのです。
病魔の「挑戦」に対し、
「応戦」していくのが、
私たちの信心です。

1 学会は「生命の安全地帯」
戸田先生が熟慮を重ね発表された「学会永遠の三指針」。2003年(平成15年)12月、池田先生は21世紀の広宣流布を展望し、2項目を加え、「SGIの永遠の五指針」の意義を込められました。今回はそのうち「健康長寿の信心」について学びます。

■ 池田先生の講義
生きることは「戦う」ことであり、「使命を全うする」ことです。勇敢に進み、堂々と使命を全うしながら人生の根源的苦悩を勝ち越えていくのが、日蓮仏法の目的です。
二十一世紀は「生命の世紀」です。
世界のいかなる地にあっても、人々が自身の生命の尊厳性を輝かせ、自他共に健康長寿の人生を生き生きと謳歌していく中にこそ、真の「幸福の世紀」、「平和の世紀」、「健康の世紀」が実現していきます。私どもの創価の仏法運動は、そのためにこそあります。
牧口先生の持論は、「幸福の第一条件は健康である。健康のためには、活動を第一とする」でした。学会は「生命の安全地帯」なのです。同志と共に、広宣流布のために活動することが、どれほど健康長寿の活力となり、幸福の源泉になっていることか。
—◆—
創価三代の会長が、広布の遠大なビジョンと共に、一人ももれなく幸福を築くために、永遠不変の信心の根本目的を留められたことに深い意義を感じます。
健康で長寿でありたいとは、万人に共通する一番の願いです。コロナ禍の今、病気のみならず、経済苦や子育て・教育環境の変化、人間関係の不和等のストレスに加えて、膨大な情報にさらされ不安が増大している現実があります。
生命力を奪い、分断を画策するのが魔の所為だと考えると、生命力を強める祈り、自他共の幸福を真に願い、励まし合う学会の世界がいかに重要か。一人も置き去りにしない"生命の安全地帯"の学会の中で、健康長寿の信心を貫いていきたいと思います。

2 一日でも長く生き抜く!
先生は生命の尊さについて、御文を通して教えられています。

【御文】
『命と申す物は一身第一の珍宝なり一日なりとも・これを延るならば千万両の金にもすぎたり(中略)而して法華経にあわせ給いぬ一日もいきてをはせば功徳つもるべし』(可延定業書、御書986ページ1行目〜14行目)

【現代語訳】
命というものは、わが身にとって第一の珍しい宝である。たとえ一日であっても、寿命を延ばすなら、千万両の金にもまさるのである。(中略)その上、法華経にあわれたのである。一日でも長く生きていらっしゃるなら、それだけ功徳が積もるのである。

■ 池田先生の講義
人間にとって生命ほど尊いものはありません。その点について「命と申す物は一身第一の珍宝なり」と仰せです。また、「一日の命は三千界(=大宇宙)の財にもすぎて候なり」「命は三千にもすぎて候」とも述べられています。そして、「法華経にあわせ給いぬ一日もいきてをはせば功徳つもるべし」と励まされています。
ここで生命の尊さについて強調されているのは、「一日でも長く、断じて生き抜いていきなさい」と、尼御前に、病と闘う勇気を湧きたたせ、"生き抜く意志"を呼び起こされるためと拝されます。
—◆—
尊敬する先輩が病気になったと聞き、衝撃を受けた時のことは、今でも忘れられません。病名は悪性リンパ腫でした。
「なぜ、がんなのか!」「なぜ私なのか!」——容赦なく襲い掛かる病気と死への不安と苦悩。先輩は、題目しかないと思っても、どうしても悲観的な祈りになってしまったと語っています。
そんな時に池田先生から励ましの色紙を頂戴したのです。「堂々と 生き抜け 勝ち行け 病魔をも 笑い飛ばして 長寿の 王女と」と。
悲しもうと思えば、いくらでも悲しめる。悲劇のヒロインにも簡単になれる。しかし先生の"堂々と""病魔をも笑い飛ばして"とのお歌に、ふつふつと希望とエネルギーが湧き、病と闘う最高の秘術は信心、題目しかないと、生命の底から確信できたそうです。
そして、師弟不二の強き祈りで、病魔に挑む題目闘争を開始。重ねて先生から頂いた「病気に対して臆病ではいけない。負けるようではいけない。ともかく朗らかにいきなさい。生きていて苦しんだのでは損をする。何があっても朗らかにゆくことが大事です」との指導を抱き締めて、手術、抗がん剤投与に臨みました。
医師も本当に驚く回復ぶりで、見事にがんを克服。今も、大病を乗り越えた体験と先生の励ましを多くの同志に語り、使命に生き抜いていらっしゃいます。

3 病魔に負けない信心
先生は常々、病気になることが信心の敗北ではないと指導されます。誰しも病気になる。病気そのものではなく、病魔や病苦に断じて負けてはならない、と教えてくださっています。

■ 池田先生の講義
病魔を恐れず、侮らず、戦い挑む「強い信心」が、仏界を力強く涌現させるのです。病魔の「挑戦」に対し、「応戦」していくのが、私たちの信心です。
病気になることが不幸なのではありません。病苦に負けてしまうことが不幸なのです。
仏にも、「少病少悩」といって、病や悩みがあります。しかし、常に生命は健やかです。心はいつも強く、皆を包み、励まし、希望を送っていく境涯を築き上げているからです。

今、病気を抱えている友も、御書を拝し、大聖人の仰せの通りに、題目の音声で病に立ち向かっていくことです。その一念がすでに病魔を打ち破っているのです。
—◆—
これまで先生が、病気の方々をどれほど励まし抜かれてきたことか。その「激励」という名の「闘争」は、私たちの想像をはるかに超えています。
先生ご自身、医師から30歳まで生きられないと言われたお体でした。『私の履歴書』や『若き日の日記』を読むと、いかに病魔・死魔との戦いの日々であられたか、胸を痛打される思いです。
その先生が祈りに祈り抜いて、広布の大闘争を重ねられて、今の世界宗教の創価学会を築いてくださったのです。会長就任60周年に当たり、満腔の感謝と決意でいっぱいになるのは、私一人ではないと思います。
講義で綴られた「病魔を恐れず、侮らず、戦い挑む『強い信心』が、仏界を力強く涌現させるのです」との一節が、今この時に、いかに重要であるかと痛感します。
私自身が生命に刻んでいる先生の宝の指針に、こうあります。
「私が青春時代から好きだったゲーテの言葉を贈りたい。『生きているあいだは、いきいきとしていなさい』(手塚富雄著『いきいきと生きよ——ゲーテに学ぶ』講談社現代新書)。いい言葉だ。簡単なようで深い哲学が込められている。(中略)『生き生きと』進むのだ! たとえ病気になっても、心は生き生きと!——絶対に負けてはいけない。戦う心まで病魔に食い破られてはならない」
何があっても強盛な祈りを根本に、心の健康を保ち、一日一日を生き生きと生きていきましょう。

4 必ず変毒為薬してみせる
病魔に打ち勝つ信心の姿勢について先生が語られています。

■ 池田先生の講義
病魔にも「断固として打ち勝つ」と決めていくことが肝心なのです。
大聖人は、さらに、「このやまひは仏の御はからひか・そのゆへは浄名経・涅槃経には病ある人仏になるべきよしとかれて候、病によりて道心はをこり候なり」(御書1480ページ)と、病気という試練の意味を示されています。
決定した信仰に立てば、病を契機として「道心」を起こして仏になれる。ゆえに病をも「仏の境涯を開くチャンス」と捉えて、「必ず信心で乗り越えてみせる」と覚悟を決めることです。そのためにも、周囲の励ましが大切です。励ましによって立ち上がることができるからです。
—◆—
「このやまひは仏の御はからひか」「病によりて道心はをこり候なり」——この御文でどれほど多くの人が、悲嘆を希望に変えて病を乗り越えてきたことでしょうか。
小説『新・人間革命』第29巻「力走」の章に、がんと診断された関西の婦人リーダーの報告を受け、先生がすぐに手紙を書いて激励される様子が綴られています。
「長い人生と長い法戦のうちにあって、さまざまな障魔があることは当然です。断固、病魔を打ち破って、また生き生きと、共に学会の庭で勇み活躍されますように、私たちは待っております」
"活動ができなくても、お題目は唱えられる。皆の分まで同志の幸福を祈ってください。それが使命です"——無念の涙にくれていただけに、師の大激励に、目の前がパーっと開けていく思いだったそうです。
折しも第1次宗門事件の渦中でもあり、同志の一人一人が退転せず幸福の道を歩めるよう必死に祈る中で、病に打ち勝つ大生命力を涌現させ、がんも克服されていきました。この錦宝会(全国では多宝会)の母は今も元気に、ヤング白ゆり世代の友に語り継いでくださっています。
「病気、経済、人間関係等、人生の苦悩は尽きません。それらの悩みは実は、自分の心の中にある弱気や卑屈さ、諦めという無明との戦い。しかし私たちの生命は宝塔であり宇宙大! 自分の中にいっぱい詰まっている福運をどう引き出すか、そのために御本尊に真剣に祈るのです」と。この宝を引き出す究極の力が信心であり、師弟であると確信します。

■ 池田先生の講義
牧口先生は、弟子たちを励まされました。
「"この病気を、必ず変毒為薬してみせるぞ、健康という大福運、大功徳を開くのだ"と確信し、決意して信心を続けていくことが大事だ。そのとき、病気が治るだけではなく、全快したときには、以前よりも健康になるのが、変毒為薬の妙法である」と。
これが仏法の真髄です。ゆえに「心こそ大切」です。どこまでも「戦う心」を、水の流れる如く持続していくことが肝要なのです。

さらなる研さんのために
本連載で学ぶ講義「世界を照らす太陽の仏法」は、『創価学会 永遠の五指針』に収められています。本社刊。713円(税込み)。全国の書店で発売中。聖教ブックストアへの電話でも注文できます(0120-983-563、平日9時〜17時)。コンビニ通販サイト「セブンネットショッピング」「HMV&BOOKS online」での注文、受け取りも可能。電子書籍でも好評発売中。

2020年9月8日火曜日

2020.09.08 わが友に贈る

平和の世紀の建設こそ
若人の使命だ。
生命尊厳の哲学を
時代精神へと高めゆく
草の根の挑戦を一段と!

善無畏三蔵抄 P890
『仮令強言なれども人をたすくれば実語軟語なるべし、設ひ軟語なれども人を損ずるは妄語強言なり、当世学匠等の法門は軟語実語と人人は思食したれども皆強言妄語なり、仏の本意たる法華経に背く故なるべし』

【通解】
たとえ、強い言葉であっても、人を救えば真実の言葉であり、柔らかい言葉である。たとえ、柔らかい言葉であっても、人を害すれば偽りの言葉であり、強言である。今の時代の学者たちの法門は、柔らかな言葉、真実の言葉であると人々は思っておられるけれども、みな強い言葉、偽りの言葉である。仏の本意である法華経に背いているからである。

名字の言 アメリカの教科書に掲載された婦人部員の被爆体験 2020年9月8日
「ヒマワリのような笑顔」と評判の快活な婦人がいる。75年前に広島で、母の胎内で被爆し、その2カ月後に生まれた▼紫斑病など後遺症との壮絶な闘いが続いた。就職、結婚など人生の節目に、どれほどつらい思いをしたことか。ある時は交際していた男性が「君に元気な子が産めるのか……」と言い、去っていった。悔しかった。苦しかった。だが彼女は学会に出合い、希望を見いだした。幸せな結婚をし、3人の子に恵まれた。そして「平和の語り部」になった▼ある留学生が婦人の体験を聞き、価値観を一変させた。「これまで母国が核兵器を持っていることが誇りでした。でも、それは恥なんだと気付きました。私も核の廃絶に尽くしたい」と。彼女の被爆体験はアメリカの大学生向け教科書にも掲載され、若者たちの心に訴え続けている▼人生を懸けて平和の道を開いてきた先輩方にお会いすると、大切なことを教えられる。宿命をも使命に変える信仰の尊さ、赤裸々な体験の持つ力……。人を差別することの罪深さも▼きょう、第2代会長・戸田城聖先生の「原水爆禁止宣言」発表から63周年を迎えた。恩師の遺訓を心肝に染め、平和創造への新たな挑戦を始めたい。道なきところに道をつくった草創の同志の心を継いで。(誠)

寸鉄 2020年9月8日
9・8ロシア初訪問の日。分断から協調へ—歴史開いた師の人間外交に続け
宮崎の日。試練に負けぬ太陽の民衆連帯。今こそ励ましの声強め団結固く
総埼玉が記念月間。新時代の広布開拓へ勇躍前進師弟の勝利の歴史つづれ
青年の心を揺さぶるのは青年の叫び—恩師。世界の友と心一つに対話拡大
チャイルドシート「使って良かった」8割。義務化20年。命守る為、必ず使用

〈社説〉 2020・9・7 あす原水爆禁止宣言発表の日
◇青年を先頭に核兵器なき世界を
世界で軍拡競争が始まりつつある——先月、都内で開かれた記者会見で、国連事務次長兼軍縮担当上級代表の中満泉氏は強い懸念を示した。核兵器を保有する全ての国が、核の近代化を一段と進めている状況などを受けて認識を述べたものだ。際限のない暴力の連鎖に、時代を向かわせてはならない。
 
あす8日は、戸田城聖先生が1957年に、「遺訓の第一」として「原水爆禁止宣言」を発表した日。核兵器は世界の民衆の生存の権利を脅かすものであり、"絶対悪"であると断じた同宣言は、生命尊厳の仏法思想に基づく学会の平和運動の原点となっている。
 
宣言が発表された当時、水爆実験をはじめ核軍拡競争が激化していた。大国が大量破壊兵器の開発に明け暮れる様子を目の当たりにした戸田先生は、宣言で、"核兵器を使用した者は極刑に"と、あえて強い言葉で、そうした動きを糾弾した。それは、核兵器使用の奥に存在している"自分の欲望を満たすためには、他者を殲滅しようとも構わない"という思想にくさびを打ち込むためであった。
 
人間生命の魔性ともいえる、その思想自体を直視し決別することなくして、一度、形になってしまった兵器を完全に消し去ることは難しい。核兵器との戦いは一面、この人間生命を変革する闘争であり、核兵器問題が誰にとっても他人事でない理由の一つもここにある。
 
先の会見で中満氏は、62年のキューバ危機の翌年に「部分的核実験禁止条約」が調印されたことを例に挙げ、安全保障環境が悪化していることは、核軍縮ができない理由にはならないと訴えた。目下「核兵器禁止条約」も、発効に必要な50カ国の批准にあと6カ国(6日現在)と迫った。現状を変える力は、市民社会、なかんずく私たち一人一人の意志だ。
 
現在のコロナ禍によって得た教訓が、日常の"かけがえのなさ"と地球規模の危機への備えであるならば、核兵器の存在ほど正反対のものはない。世界が新しい社会のビジョンを描いていく今こそ、人類を滅ぼしかねない兵器を持ち続けることは必要なのか改めて問いたい。
 
池田先生は2009年9月8日に発表した提言で「世界を分断し、破壊する象徴が核兵器であるならば、それに打ち勝つものは、希望を歴史創造の力へと鍛え上げる民衆の連帯しかない」と述べた。その中核を担うのは青年である。
 
今月6日には「青年不戦サミット」が開催され、今月27日には、10・2「世界平和の日」60周年を記念して「世界青年部総会」が行われる。青年を先頭に、不戦と恒久平和を築く民衆のスクラムを、いよいよ地球規模に広げていきたい。

☆忘れ得ぬ旅 太陽の心で 第8回 山梨
月刊誌「パンプキン」誌上の池田先生の連載エッセー「忘れ得ぬ旅 太陽の心で」を紹介する本企画。今回は「山梨——生き甲斐あふれる友情の里」〈2014年6月号〉を掲載する(潮出版社刊の同名のエッセー集から抜粋)。秀麗な富士を仰ぐ甲斐国・山梨は、創価の師弟の魂が深く刻まれた天地。そこには、人間の温もりをたたえた伝統文化が息づき、「人は石垣 人は城」との団結の心が光っている。社会全体が大きな苦難に直面する今、地域の友との絆を一段と強めながら、悠然と「慈愛に生きる人生」を歩んでいきたい。富士のごとくに——。

幸せの
 不動の姿の
   富士の山

富士は動じない。いかなる烈風が吹き荒れようとも、悠然とそびえ立っています。その姿は、いつも無言のうちに励ましを送ってくれます。
山梨の友人たちと語り合ったことがあります。「富士を間近に仰ぎながら、人生の春夏秋冬を飾りゆけることは、なんと幸せでしょうか。世界中の人が羨ましく思うでしょう」と。
わが恩師・戸田城聖先生も、秀麗な富士が見守る河口湖や山中湖の畔で、青年たちと研修を行い、薫陶してくださいました。
「青年よ、富士のごとくあれ!」
——恩師のその一言には、万巻の書を凝縮させたような指針が含まれていました。
心に富士を抱いた青春は強い。
それは、尊敬する師匠また父母という不動の大山を、心から離さない人生に通ずるかもしれません。
私は山梨を訪れる折々に、富士と親しく対話する思いで、言い知れぬ敬愛と感謝を込めて、カメラを向けてきた一人です。

◇苦労は生命の財宝
〈山梨は「名水の里」として知られ、古くからの「交通の要衝」でもある。池田先生は、この自然豊かな天地に暮らす人々と、地域の魅力について語り合ったことを述懐し、"苦労こそ宝"との思いで、誠心誠意、社会に尽くしてきた友の姿を紹介する〉
 
お国自慢を尋ねるなかで、地元の友が異口同音に誇りとしていたのは、山梨の「文化力」です。
歴史を振り返っても、古来、学ぶ気風が盛んで、江戸時代、徽典館をはじめとする学舎や塾には、武家も庶民も共に通い、当時の身分制度を超えた向学の輪が培われていました。また、歌舞伎や俳諧の集いなども興隆し、皆が一緒に楽しみ、文化の喜びを分かち合ったといいます。
笛吹市出身の俳人・飯田蛇笏は「人温」すなわち「人間の心にのみ存するところのあたゝかさ」を強調していました。「人を思い、人を愁い、人を親しみ、人を嘆ずる」ことこそ、詩情あふれる文化の源泉であるとしたのです。
山梨の文化には、何とも言えない人間の温もりが湛えられていると言ってよいでしょう。
私の妻の友人は、小さな頃に母を亡くし、父も病に倒れ、働きながら弟妹たちの面倒を見てきました。職場の人間関係等、悩みは尽きませんでした。
しかし、良き友とのスクラムのなかで、「自分は不幸だ」と思う愚痴の心を、きっぱり断ち切ろうと決めました。
「苦労こそ自分の持ち味であり、生命の財宝ではないか。それを発揮して、もっと悩んでいる人たちを励まそう!」と。
ガタガタの自転車に乗ってデコボコ道を歌声も高らかに、また、わが子を背負って歩きに歩いて、友のもとへと駆けつけました。その行動の日々を通して、笑い声の絶えない幸福の家庭、和楽の地域を、創り、広げてきたのです。
共感し合い、励まし合って、目の前の課題を一つ一つ勝ち越えていく仲よき絆こそ、「平和の文化」の美しき花づなでありましょう。
大月市生まれの文豪・山本周五郎は、「どんな状態になっても人間はひとりではなく、いつも人間どうしの相互関係でつながれている」と語っていました。
とりわけ、文豪が光を当てたのは、「縁の下の力持ち」となって皆を支えている存在です。「人眼につかぬところに働いている人々の心労を想え」との信念であったのです。
いずこの世界にあっても、陰で皆のために尽くしている尊い人材がいます。その労苦を知り、その人に感謝し、讃えていくことこそ、真の文化の心ではないでしょうか。

◇人のために動く
〈池田先生は、山梨の「人のために動く」心の美しさを最大に称賛。活字文化への貢献など、山梨の特色に触れつつ、子どもたちを慈しみ、地域の人々を家族のように大切にする生き方をと望んだ〉
山梨には、たくさんの日本一があります。
日本一の収穫量を誇るブドウ、モモ、スモモなどの果物の栽培には、来る日も来る日も、多くの女性の献身が込められています。
山梨は人口百万人あたりの図書館数でも日本一です。学校では朝の時間に行う「朝読」、家庭でも親子による「家読」を進め、絆が強まっているといいます。
思えば、朗らかな「赤毛のアン」の物語の訳者として有名な、甲府出身の村岡花子さんは、"父母も、子どもも一緒になって楽しむ書物を、愛する母国の家庭に献げたい"と願い続け、敗戦後の暗い社会でも喜びの物語を届けてきました。
村岡さんは最愛の子を失われています。しかし、その最も深い悲しみと向き合うなかで、見いだしたものがあります。
「一度燃やされた貴い母性の火を、感傷の涙で消し去ろうとは決して思いません。高く、高く、その炬火(たいまつ=編集部注)をかかげて、世にある人の子たちのために、道を照らすことこそ私の願いであります」と。
瞳輝く子どもたちに、希望の大空へと飛翔する翼を贈りたい。一生の幸福の土台となる、最高の精神の滋養を贈りたい。その母の願いが、時代を超えて、心を打つ希望の言葉を紡いできたのです。
かつて山中湖にほど近い場所で、麗しい母子連れと出会い、その幼い二人のお子さんに童話の本をプレゼントしたことがあります。
お母さんは、その後、甲府市で地域貢献のボランティア活動に多く取り組むとともに、「読み聞かせ」の活動も開始しました。
やがて原因不明で予後不良の病に罹り、"いつまで生きられるのか?"という不安と闘いながらも、「どんなことがあっても、子どもたちのために読み聞かせを続ける」と、いっそう活動に励んできました。
そして、このお母さんは、「命ある限り、使命に生き抜き、子どもたちの心にもっともっと夢と希望と勇気を育んでいきたい」と力強く語られていました。
地域の子どもたちを我が子のごとく、地域の友を我が家族のごとく大切に——慈愛に生きる人生は、皆に慕われる母なる富士であり、勝利の最高峰なのです。

嵐にも
 厳と泰然
  富士の山
 君もかくあれ
  我もかくある

(『忘れ得ぬ旅 太陽の心で』第1巻所収)

2020年9月7日月曜日

2020.09.07 わが友に贈る

◇今週のことば
「仏種は縁に従って起る」
真心と智慧で縁を結び
幸の仏種を広げよう!
語れば境涯が開ける。
勇気と希望の連鎖を。
2020年9月7日

阿仏房尼御前御返事 P1308
『浅き罪ならば我よりゆるして功徳を得さすべし、重きあやまちならば信心をはげまして消滅さすべし』

【通解】
浅い罪であるならばこちらから許して功徳を得させるべきである。重い過失であるならば信心を励ましてその重罪を消滅させるべきである。

名字の言 作家・遠藤周作氏が、大学の入試問題を解いてみると…… 2020年9月7日
「作者はこの人物のどんな心を表現しようとしたのか、次の中から選べ」。ある大学の入試問題で、作家・遠藤周作氏の作品が引用された▼その問題を、氏が実際に解いてみた。氏は選択肢の全てが「正しい」と感じたという。「人間の心なんて、それほど単純なものじゃない。複雑な感情が絡みあっているわけで、一つの答だけで表せるものじゃない」(『らくらく人間学』青春出版社)▼仏典に「梵天勧請」という説話がある。釈尊は悟りを開いた後、すぐに説法を始めたわけではない。"悟りを説いても、人々は理解できず、そしるだろう"とためらった。この時、梵天が姿を現し、逡巡する釈尊に、3度にわたって説法を勧める。それによって釈尊は決意し、民衆救済へと旅立った▼池田先生と世界的な仏教学者・チャンドラ博士は、対談集『東洋の哲学を語る』で、この「梵天勧請」について、釈尊自身の"生命内奥"の葛藤が表現されたもの、との見解で一致した。仏であっても迷い、苦悩することがある。ましてや、人間の心ほど移ろいやすいものはない▼広布も人生も、「自分自身との戦い」の連続だ。いかなる苦難にも紛動されない"強い心"を育むために、私たちの信仰はある。日々、わが「人間革命」の挑戦を重ねたい。(江)

寸鉄 2020年9月7日
青年部がオンライン不戦会議。核兵器は絶対悪—恩師の遺訓は後継に脈々
いよいよ・はげまして法華経の功徳を得給うべし—御書。強き祈りで出発
鹿児島の日。負けじ魂が歴史回天の師子の誉れ。共に立正安国の福光拡大
逆境に意味を見いだす人はストレスに強い—精神科医。学会員の姿と共鳴
停電復旧時の通電火災に注意。水に濡れた機器は使うな。配線も確認必ず

☆四季の励まし 新たな挑戦で生命は躍動 2020年8月30日
【写真の説明】青き湖上を走る一隻の遊覧船。湖面に広がる航跡は、勝利(ビクトリー)の「Vサイン」を描いていた。青森と秋田にまたがる広大な十和田湖。1994年(平成6年)8月、池田大作先生が青森側の瞰湖台からカメラに収めた。
この訪問の折に開催された第1回青森県総会で、池田先生は語った。「境涯の開拓を途中でやめれば、本当の幸福はない。貫いた人が勝つ。不屈の人が勝つ」
間断なき挑戦の積み重ねが、"人生勝利の扉"を開く。さあ、創価学会創立90周年の「11・18」へ、永遠の師弟旅へ、心新たに船出しよう。

◇池田先生の言葉
偉業を成し遂げる力はなにか。
それは、強き責任感である。
「わが理想を断じて実現する」との
強固な一念である。
「一人立つ」深き決意から、
無限の力が湧き出ずる。

自身の使命を自覚し、
自らの一念を
「月月・日日に」刷新しながら、
新たな挑戦を続けていく。
そこには
「向上」「前進」の息吹があり、
生命の躍動がある。
その人こそ、
人間としての偉大な勝利者である。

人生は、ある意味で、
常に「行き詰まり」との戦いだ。
生きる限り、また、戦う限り、
必ず困難の壁が
立ちはだかるのは当然だ。
順風ばかりで
「行き詰まり」がないのは、
むしろ停滞の証しである。

苦しみをも悠々と見おろしながら、
わが胸中に永遠の崩れざる
「幸福の都」を開いていくのが、
この信心である。
境涯を開けば、幸福が開ける。
境涯が広がれば、幸福が広がる。
唱題はあらゆる苦しみを、
全て希望の前進への
エネルギーへと転じていく。
分かってみれば、
悩みは、
幸福に不可欠の糧でさえある。
ゆえに、自ら目標の山をつくり、
山を目指し、
山を乗り越えていくのが、
真の信仰者なのである。

信心の極意は
「いよいよ」の心である。
今の状況が良かろうが、
悪かろうが、前へ、前へ!
たゆまぬ挑戦また挑戦、
不屈の努力また努力こそ、
「人間革命」の道なのだ。

☆忘れ得ぬ瞬間 2002年10月特別講義 聡明な自分自身の建設を 創価女子短大生に創立者が贈った言葉
<本年、開学35周年を迎えた創価女子短期大学。創立者・池田先生は、折あるごとに、勉学や生活の指針を短大生に贈ってきた。2002年10月1日には、担当教員の了解を得て特別講義を行い、「学問と人生と幸福」について語った。同窓生、在学生、未来の短大生、そして全ての女性たちへの励ましとして紹介する。※上下2回に分けて掲載。�はあす5日付の予定>

すべての努力は、人生の宝です。一生の宝であり、幸福の宝です。
悠長に遊んで、ただ楽しめばいいという浅はかな青春を生きた人は、必ず、後悔します。後になって苦しむものです。人生は、そんな生やさしいものではありません。
山越え、谷越え、険難の峰を歩みながら、正しく強く、つくりあげていく人生——そこに幸福があるのです。建物をつくる場合も、毎日毎日、一生懸命、一日も欠かさず作業して、最後に、壮大なる大殿堂ができあがる。
人生も、同じです。
勉強は、幸福になるためです。人生の目的も、学問の目的も、幸福になるためです。
知識だけでは幸福はない。賢明に生きるためには智慧が必要です。知識は、智慧の水を汲み出すポンプです。智慧が幸福への近道なのです。
聡明な自分自身を築いていただきたい。社会にあって、「あの人は、さすがだ」といわれる人格をつくることです。皆と協調し、皆をリードし、皆から尊敬される人生を歩んでいってほしい。
そのために、この創価の学府で学ぶ一日一日が大事なのです。

◇良書に親しもう
<続いて話題は"良書との出合い"に移った。先生は、作家モーパッサンの小説を通して、「女性にとっての幸福」に言及した>
若き皆さんは、ぜひとも良書に親しんでいただきたい。心を豊かにする小説。味わい深い古典。世界的な大文学。これらを読むことは、青春時代の宝です。
現代は、低俗な言論が横行している。人の悪口を書いては、社会に迷惑をかける。人の不幸を喜びながら、じつは自分が不幸の道を転落していることを知らない——そう警告する識者は多い。
皆さんは、どこまでも幸福になる道を歩んでいくことです。
さて、フランスの作家モーパッサンに、『女の一生』と題する長編小説があります。主人公は、まだ二十歳前の乙女ジャーヌ。彼女は地方貴族の令嬢。世間の苦労も喧騒も知らずに育った。清純な美しさに輝いていた。
やがて彼女は、貴族の好青年と出会い、大勢の人に祝福されて結婚する。人生のすべての幸福を手にするかに見えた。
しかし、いざ、結婚してみると、心が通い合わない。夫には幻滅させられることばかり。
夫の裏切り。敬愛してやまない自分の母の死。そして夫の死。
ジャーヌは、いやな思い出を全部、忘れたかった。全身あげて一人息子のことに没頭した。それだけが楽しみだった。
それが災いしたのか、甘やかされ放題の息子は堕落していった。母親にお金をせがみ、莫大な資産を使い果たした。老いたジャーヌは、住み慣れた館も手放し、魂の孤独に打ち沈んだ。
ジャーヌには、自分のもとに託された孫娘がいた。幼い生命に愛情を注ぐことが、今の彼女の喜びであった——。(『女の一生』杉捷夫訳、岩波文庫)
これは、百年以上前の作品であり、価値観も社会も、今とは違う。しかし、人生とは、幸福とは何か、人間の魂を満たすものは何なのかという問いは、時代を超えたものといえましょう。

◇人間革命の哲学が必要
<"短大生は一人も残らず幸福になってもらいたい"——先生は、この最高にして最大の思いを伝えるとともに、「幸福の道」を開く"人間革命の哲学"の必要性を訴えた>
現実の人生は厳しい。複雑であり、不可解である。苦労しても、苦労しても、どうにもならない。幸福を追い求めながら、実際は不幸の連続——これが、多くの人生の縮図かもしれません。
宿命を嘆き、悲運を嘆くだけの人生。そんな人生を、私は、絶対に皆さんに歩ませたくない。
では、人生を方向転換させゆく根幹は、いったい、どこにあるのか。
そこに、どうしても、人間革命の哲学が必要になってくるのです。ここにしか、間違いのない人生の幸福・勝利の道はない。
人間を不幸から幸福へと革命していく。それが人間革命です。
人生を革命するのです。その偉大なる力は、すでに皆さん方の胸中にあるのです。
自分自身をつくることです。自分の中に、幸福の引力をもつことです。自分が幸福になり、一家も一族も、友人をも救っていけるのです。
一度しかない大切な人生です。一つまた一つ、努力を積み重ね、一歩一歩、乗り越えながら、最後に必ず所願満足の人生を晴ればれと勝ち取っていただきたい。
一人も残らず、幸福になっていただきたい。それが私の心からの願いです。そのための短大の二年間です。
創価女子短期大学には優秀で立派な先輩が、たくさんいます。活躍している様子や、社会で信頼され、評価されている知らせが数多く届いてきます。本当に、うれしいことです。
どうか皆さんは、最高峰の学府に学んでいることを誇りにしながら、最高に充実した青春の歴史をつづっていってください。

中国の「人民の母」と慕われた�穎超さんは、日中戦争のさなか、中国の女子学生に対して、こう叫びました。
「皆さんこそ『夜明けの鐘』であります。皆さんこそ『黎明の旭日』であります」(金鳳『�穎超伝』上、人民出版社<中国語版>)
�穎超さんの、この声が、どれほど、女子学生たちを勇気づけたことでしょう。声が大切です。とくに女性の声は、人々を元気づけ、明るく、にぎやかにしていく力をもっています。
�穎超さんは、十代のころから、勇んで革命の嵐のなかに飛び込んでいかれた。前も敵、後ろも敵。いつ逮捕されるか、わからない。いつ殺されるかも、わからない。そういう青春時代だったのであります。
そこで、私が皆さんに申し上げたいのは、「苦労を避け、やすきに流されるような青春時代であってはならない」ということです。皆さんは、みずから求めて、苦労をしていってください。そして、同じ苦労をするならば、「大きな理想」のために苦労してもらいたいのです。
自分の小さな殻に閉じこもるのではなく、「友のため」「社会のため」そして「人類のため」という大いなる理想を掲げて、学んでいってもらいたい。
そこに学問をする本当の意義もあるのです。また、目的が大きければ、それだけ自分も大きく成長できる。困難や障害にあったときにも、歯をくいしばって乗り越えていけるものです。
さらに、�穎超さんは、女子学生に訴えました。
「皆さんが光明をもたらすことを、苦しんでいる姉妹たちは、ひたすら待っているのです!」(同)
私もまた、「創価女子短期大学生の皆さんの成長を、後に続きゆく二十一世紀の姉妹たちが待っている」と強く訴えたいのです。
まずは、皆さんの身近なところから、ともに平和の方向へ、幸福の方向へと進みゆく、宝の学問と友情を大きく広げていってください。

◇6項目の指針
<ここで池田先生は、短大生への指針として、�穎超氏が若き女性に教えた"6項目のリーダーのあり方"を紹介。使命深き一人一人の成長を心から望んだ>
�穎超さんは、若き女性に対して、リーダーのあり方を六項目にわたって教えました。(『�穎超文集』人民出版社<中国語版>)
第一に「革命の理想を守りぬいてください」と言われました。
理想があるから青春です。理想があるから人生です。理想のない人は、寂しい。反対に、生涯、わが理想を求めて生きる人は、どんなに年をとっていても、心は永遠に青年です。
第二に「勇敢であってください」。人生の勝利の根本は、勇敢です。勇気です。とくに、女性は、男性以上に勇敢であっていただきたい。女性が勇敢であってこそ、「社会の平和」も「家庭の平和」も守られるのです。
また世界には、女性の大統領も、女性の学長もたくさんいます。私も多くの女性リーダーと語り合ってきましたが、どの方も、勇気の力で、わが道を切り開いた方々でした。
第三に「責任と真剣を忘れないでください」。責任感のある人は真剣です。真剣の人は強いです。真剣というのは、すごい魅力なんです。
第四に「忍耐と持続の人であってください」。勉強も忍耐です。スポーツも忍耐です。家の手伝いをするのも忍耐です。忍耐と持続によって得たものだけが、自身の不滅の宝となって輝くのです。
第五に「誠実と謙虚の人であってください」。
誠実といっても、たんなる「従順」とはちがいます。皆さんにとっては、一生懸命に勉強することが、誠実です。それが、教員に対する誠実であり、支えてくれるご両親に対する誠実です。
また謙虚といっても、「遠慮する」とか「自分は一歩引いて」というのではありません。学校では、学生として、真剣に生きる。家庭では、娘として、正直に生きる。また、結婚すれば、妻として、立派に生きる。自分が今いる、その場所で、その立場で、周囲と協調しながら、一生懸命に生きていく。それが謙虚です。
第六に、自分自身の幸福のため、栄光の人生を勝ち取るため、「たゆまぬ研鑽を続けてください」と叫ばれました。人生は、生涯、研鑽です。勉強です。
最後に、�穎超さんが十九歳で発表した詩を紹介して終わりたい。(一九二四年の「婦女日報」の創刊号に掲載)

◇題名は「実践の灯」。
「私たちは、実践の灯を掲げ、みずからの前途を照らし、一歩また一歩と前進するのだ」
「実践の灯を掲げる私たちは、わが紅の熱き血潮をもって、一滴また一滴とみずからの前途の道を染めていくのだ」(前掲『�穎超伝』上)
人生は、実践です。戦いです。前進です。二度とない青春時代です。だからこそ、自分が生きた証しとして、何かを残してください。何かを創り出してください。