上半期の奮闘を
皆でたたえ合おう!
試練の中で積み重ねた
価値創造の歩みは
全てが人生の財となる。
盂蘭盆御書 P1430
『悪の中の大悪は我が身に其の苦をうくるのみならず子と孫と末へ七代までもかかり候けるなり、善の中の大善も又又かくのごとし、目蓮尊者が法華経を信じまいらせし大善は我が身仏になるのみならず父母仏になり給う、上七代下七代上無量生下無量生の父母等存外に仏となり給う』
【通解】
悪の中の大悪は、その報いの苦しみを、わが身に受けるだけでなく、子と孫と末代に七代までもかかるのである。善の中の大善もまた同じである。目連尊者が法華経を信じられた大善は、目連尊者自身が仏になっただけでなく、目連尊者の父母も仏になられたのである。また上七代、下七代、上無量生、下無量生の父母たちまでも、思いがけなく成仏されたのである。
名字の言 「食」を通して平和の尊さを知る 2020年7月31日
白いお米のおにぎりを、おなかいっぱい食べてみたい。それが太平洋戦争中のひいおじいちゃんの夢だったらしい。そんな話を小学生のひ孫たちが聞く。「少年少女きぼう新聞」8月号に掲載された漫画「ツボミチャン」の内容である▼「戦争になると白いお米ってなくなっちゃうのか」。子どもたちは戦時中の食生活を調べ、その悲惨さを思い知る。生きるために野草や虫さえ食べたこと。栄養不足で倒れる人もいたこと……一人の子がぽつりと言う。「戦争っていやだな」▼戦禍に苦しんだことはなくても、身近な「食」を通して平和の尊さをかみ締めることはできよう。平和なくして豊かな「食」はない。「食」は暮らしの基であり「命」。御書に「白米は白米にはあらず・すなはち命なり」(1597ページ)と仰せだ▼池田先生が60年前に第3代会長に就任した後、まず祈ったことは世界の平和、災害がないこと、そして「豊作でありますように」ということだった。庶民の幸福を願うゆえであり、「農業を大切にしない社会は、生命を粗末にする野蛮な社会となり、全ての面で行き詰まる」との信念からである▼今年は全国的に梅雨が長い。日照不足による農作物への影響も出ている。終戦75年の今夏、平和と豊作を一層強く祈りたい。(之)
寸鉄 2020年7月31日
広布に生き抜く志を持った人材を育てたい—恩師青年に全力の励ましを!
毎朝、本紙届ける「無冠の友」に感謝。激変の天候が続く夏、無事故最優先で
「此の土は本土なり」御書わが栄光の舞台はここ!誓いを定め恐れなく進め
長めの手洗いは熱を放出し熱中症予防にも有効。水分補給を含め油断せず
心身不調等訴える若者のSNS投稿急増—調査。周囲が声掛け絶やさずに
☆心に御書を 第62回 未来部員は輝く「宝塔」なり
〈御文〉
『日女御前の御身の内心に宝塔品まします凡夫は見ずといへども釈迦・多宝・十方の諸仏は御らんあり』(日女御前御返事、1250ページ)
〈通解〉
日女御前の御身の内に厳然と宝塔品はましますのである。凡夫には見えなくとも、釈迦、多宝、十方の諸仏はご覧になっているのである。
〈池田先生が贈る指針〉
未来部の育成は、令法久住の仏事だ。尊き担当者に感謝は尽きない。
仏眼で見れば、どの子の生命も「宝塔」である。全員が、妙法の当体だ。地涌の使命を自覚するとき、宝の可能性はダイヤのごとく輝きを増す。
一人の宝塔を開くことは、「世界広布」の未来を開くことだ。励ましの福徳は無量である。
共々に成長の夏を!
☆いのちの賛歌 心に刻む一節 病と向き合う
◇強き心で幸福をつかむ
長い人生の途上では誰しも、予期せぬ試練に直面することがある。悩みや葛藤の中にあって、困難に挑む勇気の源泉となるのが、日蓮大聖人の仏法である。新企画「いのちの賛歌 心に刻む一節」では、御聖訓を胸に、自らの宿命に立ち向かってきた創価学会員の体験をルポ形式で紹介。池田先生の指導選集『幸福と平和を創る智慧』(以下、『指導選集』)から指導を掲載する。今回は「病と向き合う」をテーマに、愛知県の婦人に話を聞いた。
◇御文
『妙楽大師のたまはく「必ず心の固きに仮りて神の守り則ち強し」等云云、人の心かたければ神のまほり必ずつよしとこそ候へ』(乙御前御消息、1220ページ)
◇通解
妙楽大師は「必ず心が固いことによって神(諸天善神)の守りは強い」と言われている。心の堅固な者には神の守りが必ず強いというのである。
◇2度の苦難。その時——
医師から突然の宣告を受けた時、人は何を思うだろう。胸に去来するものは、さまざまだ。
◇
栗橋哲子さん(72)=愛知・豊橋総県副婦人部長=は、幼少期に一家で入会。27歳の時、縁あって男子部だった夫・幸男さん(76)=地区幹事=と結ばれ、幸せをかみ締めていた。
結婚から1年が過ぎたある日、不正出血に気付いた。病院で検査すると、医師から思いもよらないことを告げられた。
「残念ですが、この状態では子どもはできません。諦めてください」
その瞬間、栗橋さんは、頭の中が真っ白になったという。
「『なぜですか?』と聞くのが精いっぱいで。そこからどうやって家に帰ったのかも分かりません。ただ"御本尊様、なんでですか?""池田先生、なんでですか?"と、何度も心でさけびました。もう、心がどうにかなりそうでした」
青春時代から広布に駆け、自分なりに信心の確信もあると思っていたが、現実は「受け止めきれませんでした」。題目をあげていても、涙が止まらない毎日だった。
ある時、婦人部の先輩が、御書の「人の心かたければ神のまほり必ずつよしとこそ候へ」(1220ページ)との一節を引いて、こう励ましてくれた。
「絶対に大丈夫。医師がなんと言っても、私たちには御本尊様があるじゃない! あなた自身が強くなることよ」
自分が強くなる——栗橋さんは、目の前がぱっと開けたように感じたという。
「"そうだ! これまで池田先生と一緒に戦ってきた自分が、負けるはずがない"って思えたんです。自分が強くなって、なにがあっても『幸せになりました』と先生に報告できる人生を歩もうって。この時から、祈りが真っすぐに定まりました」
前を向けるようになった栗橋さんは、ひたぶるに祈りを重ねながら、広布の最前線に身を置いた。
そんなある日、驚いたことに、妊娠が判明した。その後、無事に長男・映志さん(43)=地区幹事=を授かることができた。御本尊の功力を、かみ締めずにはいられなかった。
以来、栗橋さんは報恩感謝を胸に、家族で力を合わせて広布に励んできた。
ところが10年前、病が見つかる。検査の結果は、子宮体がんだった。
「もちろん不安はありました。けれど、不思議と動揺はなかったです。医師の言葉を聞いた瞬間、"よし! この信心で受けて立とう"って思えたんです。夫も『題目しかないね』って」
この時、脳裏に浮かんだのは、かつて婦人部の先輩から教えてもらった御書の一節だったそうだ。
「その御文の続きに、こうあります。『あなたの昔からの信心の深さは言い尽くせない。だが、それよりもなお一層、強盛に信心をされるべきである』(同ページ、通解)と。信心に『これでいい』ということはない。『終わり』はないんです。"そうだ! これでまた題目をあげられる!"って、感謝の気持ちがわき上がりました」
自身の細胞の一つ一つを奮い立たせるように、家族一丸となって猛然と題目をあげた。師匠と同志の温かな励ましが、心の隅にあった不安までも吹き飛ばしてくれた。
2010年(平成22年)8月、臨んだ長時間の手術は成功し、腫瘍のあった子宮と卵巣を全て摘出した。その後も定期的に検査を続け、2年前に「完治」を告げられた。
「宿命を乗り越えられたのは、そこから逃げずに立ち向かったから。結局、人生は試練の連続なんだと思います。苦難に直面するたび、題目をあげて心を奮い立たせ、挑み抜く。これ以外に道はありません。偉大な師匠、そして同志と共に、使命の『この道』を歩み続ける日々が、私にとって最高の幸せです」