◇今週のことば
「陰徳あれば陽報あり」
「無冠の友」をはじめ
たゆまぬ陰徳の同志に
感謝の題目と労いを。
尊き宝友に陽報燦たれ!
2020年7月20日
南条殿御返事 P1535
『あえてこれよりの心ざしのゆわきにはあらず、各各の御信心のあつくうすきにて候べし』
【通解】
あえてこちらの志が弱いためではない。あなた方の御信心が厚いか薄いかによるのである。
名字の言 ナチス収容所で生きる希望となったもの 2020年7月20日
精神科医のフランクルは、ナチス収容所の中で、絶望して自ら命を絶とうとした男性を救った。『夜と霧』(みすず書房)につづられている▼男性には、彼の帰りを外国で待ち続けている子どもがいた。その存在に気付かせると、男性は思いとどまったという。生きる希望を見いだしたからだ。"自分は一人ではない"という実感が、どれほど強く人を支えるか。示唆に富む話である▼「ぼくは、あの震災で大切なものを失いました。でも、もっと大切なものを学会で得ました」と語る青年がいる。9年前、東日本大震災で家も仕事も失った。単身で九州に移り、懸命に働く日々。疲れがたまった。徐々に孤独にさいなまれるように▼そんな彼を、同じ職場の学会員が懸命に励ました。「寂しい思いなんか、させんけんね」「君のこと、毎日毎日、祈っとるんよ」。その真心に打たれ、彼は入会した。男子地区リーダーとなった今、"次は自分が"と友の励ましに奔走する▼災害、病気、経済の苦境……。大きな試練に直面した時、大切なものを失った時、不安や心配事を自分だけで抱え込まなくていい。あなたにも私にも、幸福を祈ってくれている存在が必ずいる。決して一人ではない。強い強い創価家族の絆で結ばれているのだから。(実)
寸鉄 2020年7月20日
何のための人生かを会長の著作から学んだ—博士平和と幸福への前進共に
鳥取県婦人部の日。地域に希望の虹必ず!励ましの連帯広げる山光の太陽
学会と生きてごらん。悩みは全部功徳に変わる—恩師。不退の信心を貫け
感染が増加傾向。マスク、リスク高い所は避ける、間隔を空ける等の励行を
身近な人と語らうと感染の不安も和らぐと。電話一本も力。支え合う心で
☆心に御書を 第60回 「困難を乗り越える力」を社会へ
『日蓮が去ぬる文応元年太歳庚申に勘えたりし立正安国論今すこしもたがわず符合しぬ、此の書は白楽天が楽府にも越へ仏の未来記にもをとらず末代の不思議なに事かこれにすぎん』(種種御振舞御書、909ページ)
〈通解〉
(蒙古から日本を攻めるとの国書が送られたことで)日蓮が去る文応元年に勘えた立正安国論の予言が少しも違うことなく符合した。この安国論は、白楽天の楽府よりも優れ、釈迦仏の未来記にも劣るものではない。(このような予言の的中は)末法の世の不思議として、これを越えるものがあろうか。
〈指針〉
いかなる災難にも、我らは「立正安国」の旗高く立ち向かう。
御本仏が常にご一緒である。「四表の静謐」を共に祈る、全世界の地涌の宝友も頼もしい。
妙法の師子吼は無力感を打ち破る。大誠実の対話は不信を信頼へ、分断を連帯へ転ずるのだ。
生命尊厳の哲理の光で「困難を乗り越える力」を社会へ! 未来へ!
☆池田華陽会御書30編に学ぶ 妙一尼御前御消息 2020年1月11日
◇信心を貫き、"勝利の春"へ
今月は、「妙一尼御前御消息」を学びます。
池田先生は、本抄を拝してつづっています。
「厳冬のような逆縁も耐え抜いて、強盛に信心を奮い起こして戦い抜いていけば、勝利の花を爛漫と咲かせゆくことは絶対に間違いない。決まっていることなのです。だからこそ信心は貫き通すことです。途中で歩みを止めたり、疑いを起こして退いては何にもならない。歓喜の春を大確信して、地道に、弛みなく、朗らかに前進していくことが肝要なのです」
日蓮大聖人の「慈愛」と「確信」あふれる励ましを胸に刻み、「前進・人材の年」を出発していきましょう!
◇本抄について
本抄は、建治元年(1275年)5月、日蓮大聖人が身延で認められ、鎌倉の女性門下である妙一尼に与えられました。
大聖人が、竜の口の法難、佐渡流罪という大難に遭われ、多くの門下が退転する中にあって、妙一尼とその夫は、所領没収などの弾圧に屈せず、法華経の信仰を貫きました。
その後、大聖人は佐渡流罪を許されましたが、その知らせを聞く前に夫は亡くなってしまいます。しかし妙一尼は、病弱な幼子を抱え、自身も体が強くない中、毅然と信仰に励み、大聖人のもとへ、お仕えする従者を送るなど、師匠を守りました。
本抄で大聖人は、妙一尼の悲しみに寄り添いながら、心からの励ましを送られています。
◇御文
『法華経を信ずる人は冬のごとし冬は必ず春となる、いまだ昔よりきかず・みず冬の秋とかへれる事を、いまだきかず法華経を信ずる人の凡夫となる事を、経文には「若有聞法者無一不成仏」ととかれて候』(御書1253ページ16行目〜17行目)
◇通解
法華経を信じる人は冬のようです。冬は必ず春となります。
昔より今まで、聞いたことも見たこともありません。冬が秋に戻るということを。また、今まで聞いたこともありません。法華経を信じる人が仏になれず凡夫のままでいることを。
経文には、「もし法を聞くことができた者は、一人として成仏しない者はいない」(法華経方便品)と説かれているのです。
◇」[解説] "試練の冬"が自身を磨く
本抄の冒頭、大聖人は、妙一尼の夫が亡くなる時、どれほど残る家族を気に掛けていたであろうかと仰せです。
さらに、釈尊も入滅の時まで、数々の悪業を積んだ阿闍世王を心配していたことを挙げ、"夫はさぞ、家族のことが心残りであったに違いない"と、重ねてその心中をしのばれます。
続いて、夫にとってもう一つ気掛かりだったのは、流罪となった大聖人のことであろうと述べられます。大聖人の身を案じていた、夫の立派な信心が拝察されます。
そして大聖人は、健気に生き抜く妙一尼に温かな励ましの言葉をつづられます。
「法華経を信ずる人は冬のごとし」——法華経を持つ人にとって、"試練の冬"すなわち難は避けられません。
しかし、"どんなに寒い冬も必ず暖かい春となり、冬が秋に逆戻りすることはない"という自然の法則のように、法華経を信じる人がいつまでも苦しみの境涯を流転することはありません。"法華経を聞いて信受した人は、一人ももれなく成仏する"と経文に記されている通りです。
そして、信仰ゆえの弾圧にも負けず、信心を貫いた亡き夫の成仏は絶対に間違いないと、妙一尼を包み込むように励まされました。
私たちの生命には、いかなる"試練の冬"も、必ず"勝利の春"へと開いていくことのできる、偉大な仏の生命が具わっています。
大事なことは、そのことを疑わず、信心根本に苦難に立ち向かえるかどうかです。
ゆえに大聖人は、妙一尼が「凡夫の心」、つまり「迷いの心」を打ち破って前進できるよう、励まされました。弟子の心に、決して消えない"信心の希望の炎"を灯される、限りない慈愛を拝することができます。
冬を耐え抜いた桜が、春に見事な花を咲かせるように、私たちも今、いかなる悩みや苦難の中にあっても、題目を唱え、忍耐強く前進していく先に、必ず"勝利の花"が咲き薫ります。
さらにいえば、どんな時も、御書と池田先生の指導を心に刻みながら歩む、「負けない青春」の一歩一歩は、すでに偉大な勝利の姿です。
♪厳しき冬にも 春の光彩を 先生の励まし わが胸光らせ——池田華陽会歌「華陽の誓い」を朗らかに歌いながら、希望輝く華陽姉妹と共に、師弟勝利の大道を歩んでいきましょう。
★池田先生の講義から
どの御書の一節でもよい。悩みと格闘し困難と戦いながら、深く心に刻み、祈り、身で読みきっていく——これが、創価学会の「実践の教学」の真髄です。(中略)
世界の同志を常に励まし、勇気を鼓舞してくださる御金言——その代表的な一つが、今回、拝読する「妙一尼御前御消息」の「法華経を信ずる人は冬のごとし冬は必ず春となる」との一節です。
この一節の中に、日蓮大聖人の仏法の真髄である希望の哲学が凝結しているといっても過言ではありません。(『希望の経典「御書」に学ぶ』第2巻)
◇ ◆ ◇
法華経の信心は「冬」のようなものです。
その厳しい宿命転換の戦いがあって初めて「春」を到来させ、福運を築くことができる。ゆえに試練の冬を避けてはならない。
鍛錬の冬に挑戦しゆく勇気があれば、私たちは、成仏という「偉大な春」へ、広宣流布という「最高の春」へと、無限に前進していくことができます。(同)
研さんのために
○…『希望の経典「御書」に学ぶ』第2巻(聖教新聞社)
○…『人間革命の宗教』(同)
〈社説〉 2020・7・20 「月面着陸の日」に思う 2020年7月20日
価値創造の挑戦に限界なし
人類が初めて月に降り立って、きょう20日で51年(日本時間では21日)。今月10日には、文部科学省が米航空宇宙局(NASA)と「日米月探査協力に関する共同宣言」に署名した。日本人初の月面着陸にも、大きく可能性が開かれたといえよう。
月探査といえば、昨年公開された映画「アポロ11 完全版」(トッド・ダグラス・ミラー監督)の圧倒的な映像美を思い出す。これまで一般公開されていなかったアポロ計画の貴重な映像素材を、最新技術で鮮烈によみがえらせた作品だ。
緊張走る管制センターの様子、圧巻の月着陸・離陸、アクロバットを思わせる着陸船と司令船のドッキング、大気圏突入と司令船回収後の大喝采……。世界33カ国でテレビ中継され、数億人が見守ったという歴史的な数日間の模様が、インタビューやナレーションなどを一切介さず、臨場感をもって迫ってくる。
映像から強く感じるのは、どれほど多くの人たちがこの事業に情熱を注ぎ、使命を燃やしたか、という事実である。
アポロ11号の月面着陸後、アームストロング船長が放った言葉、「これは1人の人間にとっては小さな1歩だが…人類にとっては偉大な飛躍だ」(駐日アメリカ大使館公式マガジン訳)は有名だが、それに続く場面はより印象的である。今も月に残る銘板の文面を、彼が読み上げるのだ。「地球より来たる人類、月面に降り立つ」「全人類の平和のうちに」(字幕翻訳・池田彩加)
アポロ11号打ち上げの翌日17日、創価学園では、創立者・池田大作先生が第2回「栄光祭」に出席。学園生は創立者と共に、世界また宇宙に思いをはせ、心広々と未来に一歩を踏み出した。
当時、東西両陣営の対立は激しく、世界各地で紛争も絶えなかった。その中で池田先生は、アポロ11号の壮挙は、宇宙から見れば、人類は皆、同じ地球民族だ、という共通感情をもたらしたと指摘していた。分断や反目を超え、人類を結びゆく確かな価値観がどれほど大切か。
今、ウイルスと闘う未曽有の事態に、警戒心を保ちつつ臨む日々が続く。ある面で、当時と似た世相かもしれない。
池田先生は今月7日付の「随筆『人間革命』光あれ」で、こう呼び掛けた。
「我らは変化を厭うのではなく、若人を先頭に、現在の変化の中に、『人間の幸福と平和のために』という立正安国の精神性を打ち込んでいきたい。仏法の人間主義が一段と輝きを増す好機であり、我らの価値の創造に限界はない」
私たちは、全人類のための価値創造の戦いで、一歩も退かない。その使命を刻み直す、きょうの日としたい。