2019年11月15日金曜日

2019.11.15 わが友に贈る

御聖訓「仏の如く
互に敬うべし」
皆が主役の座談会。
一人一人の挑戦を称え
幸福と和楽の大行進を!

南条殿御返事 P1578
『法妙なるが故に人貴し人貴きが故に所尊しと申すは是なり』

【通解】
法が妙であるがゆえに、その法を持った人は貴い。人が貴いがゆえに、その人がいる所も尊い。

名字の言 2019年11月15日
 作家の武者小路実篤は長年、毎日のように書をしたため、絵を描いた。ただ、なかなか上達しなかったという。スケッチブックに、こんな自作評を記している。「デッサンは実にへたなり 勉強するつもり」(山口瞳「私の好きな」)▼謙遜を含んだ言葉だろうが、"不得手なものは不得手"と素直に認め、精進を重ねた実篤の、飾らない人柄が伝わってくる。日本を代表する文豪は、見えや体裁を気にする人ではなかった▼「こんなに元気が出る世界があったんですね!」。座談会に参加した青年が喜々として語っていた。老若男女、さまざまな職業や立場の人が集い、学び合う。成功談だけでなく、失敗談さえ明るく語り、励まし合う。人間味あふれる学会の温かさに感動し、青年は入会を希望した▼仏法では「無作」の生き方を大切にする。飾らず、繕わず、ありのままの姿で切磋琢磨するからこそ"本物の人間力"が磨かれる。その人間錬磨の最高の場が、今や世界中で開かれている「ザダンカイ」であり、日々の学会活動だ▼実篤が書いている。「色と云ふものはお互に助けあって美しくなるものだよ。人間と同じことだよ……どの色もいきなければ」(『武者小路實篤全集6』小学館)。団結こそ人生勝利への力である。(誠)

寸鉄 2019年11月15日
世界各地で進む教学研鑽確固たる哲学持つ賢者は強し。若師子よ繙け、学べ
地域部の日。師弟共戦で迎えた結成45年。大誠実で開拓続ける友、万歳!
「たすくる者強ければたうれず」御書。真心の祈りと励ましこそ希望の源泉
社会改革の道は只一つ、君が善良になる事—文豪我らは人間革命の大道を
蝶の仲間の4割が急減、生息環境の保全急務と。社会一体の取り組み急げ

☆ワールドトゥデイ 世界の今 歴史と文化の国・ポルトガル 2019年11月8日
◇"臆病の岬"を越える勇気
日本の約4分の1の国土に17の世界遺産があるポルトガルは、歴史と文化に彩られた国だ。日本が最初に出あった欧州の国であり、16世紀に鉄砲が伝来した。近年は日本人観光客も増えている。このポルトガルを池田大作先生が初訪問したのは54年前。本年は同国SGI(創価学会インタナショナル)が法人として認可されて10周年に当たる。池田先生の足跡が刻まれた首都リスボンと、その郊外を訪ね、同国広布の今を追った。(記事=西賢一、写真=中谷伸幸)

ゴトゴトと揺れながら走る市電。迷路のように続く石畳の路地。立ち並ぶ赤い屋根の家からは庶民的な雰囲気が漂い、そこで暮らす人々の息遣いが聞こえてくる。古き良きリスボンの街は、素朴で、不思議な魅力を醸し出していた。

その一角にあるポルトガル文化会館からテージョ川に沿って西へ進むと、巨大な建造物が姿を現す。エンリケ航海王子の没後500年を記念して造られた「発見のモニュメント」。1965年10月27日、ポルトガルに第一歩をしるした池田先生も訪れた場所だ。
大西洋に面し、大航海時代をリードしたポルトガル。この国を、世界に開かれた海洋国家へと発展させたのは、「海」という未知の領域に飛び込み、東洋に至る新航路を発見した、先人たちの「勇気」だった。
先生は"大航海"を成功させた同国の歴史を踏まえつつ、同行の友に訴えた。「広布の新航路を開くのは勇気だ。自身の心の"臆病の岬"を越えることだ」
当時、現地に学会員は一人もいなかった。だが、先生の深き祈りに呼びいだされるように、後に一人の日本人女性が核となり、広布の船出を開始。青年世代を中心に大きく弘教が進み、現在は大西洋上のアゾレス諸島やマデイラ諸島にもメンバーが誕生している。

◇一人の百歩より百人の一歩を
1965年の訪問の折、池田先生はリスボン郊外にも足を延ばしている。視察したのはケルース宮殿。"小ベルサイユ"と称される18世紀の建造物である。
それから半世紀以上が過ぎ、この地域にも支部が発足。「先生が来られたことが私たちの誇り!」と、地元のコスタ・オエステ支部の友は声を揃える。
「コスタ・オエステ」とは、ポルトガル語で「西海岸」の意。大西洋側の複数の都市が広布の舞台だ。町の景観が世界遺産のシントラ、修道院で有名なマフラ、そこから北へ100キロ以上離れたレイリアなど、活動エリアは広大。ケルース宮殿も支部内にある。
支部のメンバーは100人を超え、9割は婦人部・女子部。大半が活動者だという。出身地も多彩。欧州系、南米系、アフリカ系の同志が所属し、各国の知恵や工夫に学びながら皆で仲良く活動に励む。支部長のアンドレ・デジデリオさんはブラジル、女子部部長のブレンダ・アギラールさんはメキシコの出身だ。
2地区8グループの同支部。この1年で6人の新会員が加わり、新たに14人が支部、地区、グループのリーダーに任命されるなど、弘教と人材育成で同国広布をけん引する。
この勢いは、どのようにして生まれたのか。支部婦人部長のソニア・ラマーリョさんは「相手を信じて対話を重ねてきたからです」と言い切る。
「私が発心したように"あの人もこの人も必ず一緒に活動できる時が来る"と信じて祈り、関わり続けています。仏法は人と人、心と心を結ぶ哲学ですから」
さらに「私は少し張り切り過ぎるところがあるので(笑い)、一歩下がって、新しい人をもり立てようと心掛けています」とも。自らが「一人」立ち、目の前の「一人」を励まし、次の「一人」を信頼する——。一人を大切にする学会精神は世界共通である。

ラマーリョさんは、重量挙げ女子の元ポルトガル代表。97年に友人の紹介で入会した。ポルトガルは国民の9割がカトリック。それまでは学会の存在すら知らなかった。
兄弟の薬物依存、一家離散……。苦難の真っただ中で仏法に巡り合った。「本当に悲惨でした。だけど、そんな私でも変わることができたんです」
仕事と育児で多忙を極めながらも、ラマーリョさんは敢然と宿命に立ち向かった。信心して分かったのは「自分が太陽と輝けば、全てが輝くこと」。経済苦にも負けず、4人の子どもたちを立派に育て上げた。うち1人は兄の子だという。長年の悩みの種だった両親や兄弟との関係も改善。不可能を可能にする御本尊の功力を知り、5人の家族・親族が入会している。
そんな彼女の喜びは、自身に仏法を紹介してくれた友人の次男ジェウフェル・ガルシアさん(男子部部長)と同じ支部で活動できるようになったこと。「小学生だった彼が勤行を教えてくれたんです」とほほ笑む。
支部のモットーは「ポルトガル一の幸福支部に!」そして「一人の百歩前進より百人の一歩前進を!」。
それを象徴するように、先月13日夜には、池田先生の初訪問54周年を記念する座談会がシントラで開催され、会場に入りきれないほどの人々が詰め掛けた。
司会は男子部。彼が口にする、芝居のセリフのように洗練された一言一言が、参加者の気持ちを高める。仕事でインターネット番組を手掛けるデジデリオ支部長は記念映像を作成。全員で視聴し、誓いを新たにした。
その一方、10月の広布史をクイズ形式で学ぶコーナーでは、婦人部の友がユーモアを挟み、会合を盛り上げる。「今日は何の日か分かりますか?……私の孫が生まれた日です!」。知るよしもない答えに皆、拍手し、大爆笑。この後も、会友による体験発表や、会場提供者のファティマ・デジデリオさんの誕生日を祝うバースデーソングの合唱などがあり、座談会は時がたつのを忘れるほど、明るく楽しい集いとなった。
この日、ある友は語っていた。「私たちの集まりは、はたから見れば小さいものかもしれません。でも、その使命は誰も想像がつかないほど、果てしなく大きい——先生はこの広宣流布というロマンに生きる喜びをポルトガルにまで届けてくださいました。だからこそ、これからは師匠に何かしてもらうのではなく、弟子の手で世界広布を成し遂げる! そう決意しています」
かつて恩師・戸田先生は呼び掛けた。「大航海時代を開いたポルトガル人の勇気に学べ!」と。
新航路発見から500年。ポルトガルの同志には、当時の先駆者たちに勝るとも劣らない、"臆病の岬"を越えゆく勇気が、凜々とみなぎっている。