「時」を逃すな!
「いつか」ではなく
「今」立ち上がる。
決意即行動の人が
勝利の扉を開く!
持妙法華問答抄 P464
『受けがたき人身をうけ値いがたき仏法にあひて争か虚くて候べきぞ、同じく信を取るならば又大小権実のある中に諸仏出生の本意衆生成仏の直道の一乗をこそ信ずべけれ』
【通解】
受けがたい人間として生をうけ、あいがたい仏法にあいながら、どうしてむなしくしていられましょうか。同じように信心をとるならば、大乗教、小乗教、権教、実教とあるなかで、諸仏が世に出現した目的の、あらゆる人びとを即身成仏させていける一乗の法です。
〈寸鉄〉 2019年11月3日
『新・人間革命』は会長の心学ぶ教科書—識者。ここに師弟の道。研鑽益々
創価文化の日。音楽隊・鼓笛隊が各地で希望の行進。妙音菩薩に皆が喝采
「人を幸福にするのはやはり最も確かな幸福だ」哲人。我らの折伏行こそ
悲観的な口癖は行動に表れると。人生は心一つ。今日も溌剌と挑戦の一歩
児童虐待防止推進月間。地域の絆固く、励まし強く。親子を孤立させずに
☆ワールドトゥデイ 世界の今 イタリアの「永遠の都」を訪ねて 2019年10月25日
◇ローマの道はつねに楽しく!
今月は池田先生の欧州初訪問の月(1961年)。各国に蒔かれた妙法の種は今、「ワン・ヨーロッパ」という理想の花となって全土に咲き薫っている。中でもイタリアは、欧州をリードする発展を遂げ、2016年に政府との間でインテーサ(宗教協約)が発効。社会から深い信頼が寄せられている。明年は同国に支部が結成されて50周年の佳節。その源流の地・首都ローマで活動する友を取材した。(記事=西賢一、写真=中谷伸幸)
名画のような景観が果てしなく広がる。数千年の時を経た今も、不朽の輝きを放ち続ける姿は、まさに「永遠の都」そのものだ。
文豪ゲーテは、若き日からの憧れだったローマにたどり着いた感動を、こう記した。「ぼくはついにこの世界の首都に到達した」「わが青春の夢という夢がいま生き生きと眼の前に見えるのだ」
古来、幾多の歴史が生まれ、多様な文化を育んできたローマ。同国の広布の潮流も、ここから始まった。
1961年10月19日、池田先生はイタリアを初訪問。ローマに第一歩をしるした。当時、出迎えた会員は、仕事で赴任していた壮年と、その夫人だけである。
この日を起点として、再び先生が訪れた63年には、同国初の地区がローマに結成。以来、会員数は水かさを増していき、7年後にはイタリア支部が発足した。
当初は日本人が中心だったが、徐々にイタリア人のメンバーが各地に誕生。拡大の原動力になったのは、人間主義の仏法哲学への共感と、信仰の確信が語られる座談会だった。
座談会は折伏の場として、60年代から毎月開催されるように。地道な励まし運動に取り組みながら、皆で朗らかに集い合う良き伝統になっている。
対話と座談会を軸に、同国には現在、10万に迫るスクラムが堂々と築かれている。
◇明るい集いに歓喜は湧く
ローマといえば、有名な古代遺跡や文化遺産が頭に浮かぶが、それらが残る旧市街は、直径5キロほどの円の中に収まる大きさに過ぎない。市域面積はイタリアの都市で最も広く、東京23区の2倍以上ある。
市内の会員数は約1万2000人。その中で特に弘教と人材の拡大が進むのが、主にエウルと呼ばれる地区を活動の舞台とするウニヴェルソ(宇宙)支部だ。
エウルは旧市街から車で約30分の所にある新都心。官公庁や文化機関のほか、オフィスや集合住宅が立ち並ぶ。いわゆる"ローマ"とは全く趣の異なる町だ。
このエウルを中心としたエリアは昨年、ウニヴェルソ支部を含む2支部から3支部へと発展。だが、支部長のブルーノ・ゾーヤさんが転居してきた10年前には、少人数のグループが一つあるだけだった。
支部は現在、2地区8グループの体制に。座談会の参加者数は80人に上る。さらに今年に入り、6人の新会員が誕生。「そのうち5人は壮年部の紹介です!」とゾーヤさん。少し慌てて、「もちろん、婦人部の皆さんの応援のおかげですよ」と言葉を継ぐと、隣にいたルイージャ・パンドルフォさん(支部婦人部長)はニッコリ。仲良き組織で見られる、麗しい光景だ。
"躍進の秘訣"を問うと、パンドルフォ婦人部長は「題目です」と一言。支部ではリーダーが心を合わせて祈り、一人一人の状況に応じた激励に力を注ぐ。それにより、仕事等で多忙なメンバーとも、よく連携が取れるようになり、一段と団結が深まった。
功徳の体験も続々と。ゾーヤ支部長はコントラバス奏者として活躍する傍ら、支部内にある中学校の音楽教員となり、広布の会場となる自宅も購入できた。
男子部部長のティツィアーノ・ガッロさんは入会4年。唱題根本に、勤務するアパレル会社で模範の営業成績を収めた。忙しい日々を支えるのは、小説『新・人間革命』に描かれた山本伸一の雄姿だという。
「小説を読むと、池田先生がそばで見守ってくださっているように感じ、負けじ魂が燃え上がります」
祈り励まし、『新・人間革命』を通して心で師と対話する——ここに、世界広布の勝利の方程式がある。
イタリアの座談会は原則、友人を招き、機関誌からヒントを得たテーマに沿って懇談的に行われる。
今月3日には、同支部のヴィルトゥ・ウニヴェルサーレ(普賢)グループの友が集い合った。会場は閑静な住宅街の一角。開会30分前から自由唱題が始まり、辺りが暗くなった午後8時、座談会はスタートした。
テーマは「信心について」。日常生活の中で、どのように信心を生かし、苦難を乗り越えてきたか——信仰歴の長短を問わず、それぞれが実感を込めて語っていく。
ある男子部員は学会活動を通し、何事も決めて祈って動く大切さを学んだという。「今年立てた"ワインソムリエになる"という目標に近づくことができました。祈ると挑戦する勇気が出るんです」と笑顔で。
家族の問題を抱える女子部員は、信心して困難と向き合えるようになった。「正直、悩みは尽きません。でも、悩みは自分を成長させてくれる——そう感謝できるようになったと思います」と感慨深げに話した。
会場には新来者の姿も。感想を聞かれると、瞳を輝かせて言った。「実は今、大きな壁に直面していますが、皆さんの体験が心に光をともしてくれました」
ふと気が付くと、もう終了時刻。ピタリと話し声は止み、司会が御礼を述べる。閉会後も名残を惜しむように語らいが続く。やがて両頬を交互に合わせるあいさつを交わし、参加者は充実の表情で帰路に就いた。
形式ばった堅苦しさなどはない。苦楽を分かち、何でも語り合える家族の集い。その伝統が息づいているからこそ、イタリアは発展を遂げているのだろう。
「ローマの道は つねに楽しく」とは、かつて池田先生がイタリアの友に贈った言葉である。楽しい所に人は集まり、明るい所に歓喜は湧く——。永遠の都・ローマには、その理想の道が大きく広がっている。