2016年3月19日土曜日

2016.03.19 わが友に贈る

「負けない人」に
最後の栄冠は輝く。
挑戦し続ける中に
充実の人生がある。
力強く信念の道を歩め!

新池御書 P1443
『有解無信とて法門をば解りて信心なき者は更に成仏すべからず、有信無解とて解はなくとも信心あるものは成仏すべし』

☆四季の語らい
「小事が大事」である。一番、身近なことが、一番、大切なのである。

☆女性に贈ることば 三月十九日
観念だけでは、真に人間を育てることはできません。実際に体を動かし、汗を流し、ともに泣き、ともに笑い−−そうした人間同士の打ちあいのなかでこそ、人は磨かれていくものです。

☆今日のことば365 三月十九日
物事がわけがわからなくなったときには、原点にもどって、素朴に素朴にと考えれば、意外と本質が明らかになるものです。それを入れ物の小さい頭で、溢れているのも気づかずに、更に詰め込んで考えようとするから、みんな問題の本質がどこかへ逃げていってしまうのだ。

☆ウズゲン工科教育大学「名誉博士号」授与式から SGI会長の謝辞
私は、今、詩心あふれる貴・キルギス共和国が生んだ20世紀の民衆詩人・トコムバエフ先生の至言を、しみじみと思い起こしております。
それは、「友情の法則に従い、我らは強靱となる。世界に、友情ほど確実なものは断じてない」という言葉であります。
私たちが、偉大な教育者であられるムルズブライモフ博士を創大祭・白鳥祭にお迎えしたのは、12年前の秋でありました。以来、博士と結んだ、かけがえのない黄金の友情は、いよいよ輝きを増しております。とともに、博士との友情によって、貴国の学術教育界との交流は一段と大きく開かれ、次代の世界市民の連帯を幾重にも広げることができたのであります。
このたびも博士は、若き英邁なアクマタリエフ学長、また、本学の誉れの卒業生である伊藤先生とご一緒に、新たな出会いを心広々と刻んでくださいました。
光栄にも、本日、シルクロードの要衝たるキルギス共和国に輝く知性の殿堂・ウズゲン工科教育大学より、私は最上に意義深き名誉博士の学位を賜りました。
この栄誉を、私は、わが不二の創大生、短大生をはじめ、全世界の創価後継の青年たちと一緒に、人類を結ぶ友情と平和のシルクロードを、さらに開きゆく決意を込めて、謹んで拝受させていただきます。誠に誠に、ありがとうございました。
尽きせぬ感謝を込めて、ここでは貴国の偉大な精神性に学びつつ、未来を照らす「人間教育」の指標を3点、確認させていただきたいと思います。

◇一歩を踏み出す
第一に、「きょうも学びの一歩を! 自身と人類の生命の潜在力を開発せよ」ということであります。
貴大学が屹立するウズゲンは、中世よりカラ・ハン朝の都として繁栄し、ロマン薫る偉大な文化を創出してこられました。
さらに、貴国で名高い、良質な米を産み出されていることでも知られております。
この悠久にして、豊穣なる「文明の十字路」にあって、青年の生命の大地を耕し、無窮の英知と創造力を引き出しておられるのが、貴・ウズゲン工科教育大学なのであります。
千年の昔、キルギスの大詩人・バラサグンは、「知恵とは、歓喜の中の歓喜なり。それは、行動によって、正義となり、幸福をもたらす」と謳い上げておりました。
尊敬してやまないムルズブライモフ博士は、まさしく、この歓喜あふれる「知恵」と「正義」と「幸福」の人間教育のスクラムを、若き日から、たゆまず拡大してこられたのであります。
博士は、ご自身の尊い尊い苦学の経験を踏まえられながら、温かく学生たちを支援し、力強く「生涯学習」のエールも送り続けておられます。
——一人一人がまだまだ「開発しきれていない潜在力」を秘めている。命ある限り、開かれた心で、いつでも何かを学んでいこうではないか、と。
生命を蹂躙する暴力が渦巻く現代世界にあって、学ぶことそれ自体が、自身と人類の生命を信じ、守り、いやまして尊厳ならしめていく挑戦であるといっても、決して過言ではありません。
ゆえに、私たちは、教師も学生も一体となり、世界の友と手を携えながら、きょうも、生き生きと張り切って、学びの一歩を踏み出していこうではありませんか!
第二に申し上げたいのは、「民衆と苦楽を共に! 正義の人材山脈を築きゆけ」という点であります。
私の大好きな貴国の箴言に、「魚の一生は湖と共に 勇者の一生は民衆と共に」とあります。
私が深く感銘するのは、貴大学で薫陶された英才たちが、愛する郷土をはじめ、社会でも、世界でも、民衆奉仕の活躍をなされていることです。
幾たびとなく語り合い、対談集を発刊した貴国の信念の大知性・アイトマートフ先生が語られていた一言が、私は忘れられません。
それは「才能とは責任感の異名なり」と。
大学では、何のために学ぶのか。
大学で身に付けた英知は、誰のために使うのか。
あくまでも、「民衆の幸福」のためであります。
この責任感に徹する時、真実の才能は行き詰まることなく、十全に発揮されるのでありましょう。
私が何よりもうれしいことは、わが創価教育の出身者が、毀誉褒貶の風などに紛動されることなく、それぞれの使命の道で、民衆と苦楽を共に断固として奮闘を貫いてくれていることであります。
共々に「正義の人材山脈」を築きゆく創価同窓の友に、私は、トコムバエフ先生の獅子吼を贈りたい。
すなわち「私は民衆の幸福を謳う、その幸福を守りゆくために! そして、敵の砲弾には、山となって立ちはだかり、精神の力によって、この民衆の幸福を守り抜くのだ」と。

◇忍耐は黄金なり
第三として、「不屈の勇気で前進を! 粘り強く勝利の峰を制覇せよ」と申し上げたい。
幾多の文明の栄枯盛衰を越えて、誇り高く生き抜いてこられたキルギスの民は「不屈の精神を具えた民族」と賞讃されています。
格言の宝庫たるキルギスには、「忍耐——それは黄金なり」とも、「正真正銘の人間であるならば、鋼鉄の如く強くあれ」ともあります。
ムルズブライモフ博士も、「強靱なる鋼鉄」という素晴らしい意義のお名前を持っておられます。
あの東日本大震災より5年、わが東北の友は、まさに「鋼鉄」の如く不屈の精神で、復興に進み抜いてこられました。
きょうは、東北から、わが大学に学び、希望の旭日の光を放ってくれている皆さんも出席してくれております。
本当にありがとう! 送り出してくださった、ご家族にもくれぐれもよろしくお伝えください。
アクマタリエフ学長は、常々、愛する学生たちに対して、「ひとたび始めたら恐れるな!」と励まされ、「あらゆる障害を乗り越えて、すべてを勝ち取れ!」と勇気づけておられます。
創価の負けじ魂とも響き合っております。
貴国の大空高く聳え立つ天山山脈の最高峰は、その名も「勝利峰」。「勝利の峰」であります。
我らは、友のため、父母のため、社会のため、そして、人類の未来のために、敬愛するキルギスの青年たちと共々に、断固として青春と人生の「勝利の峰」へ、邁進していこうではありませんか!
ウズゲンの天地には、貴国の伝説の大英雄・マナスの像が立ち、若人の前途を見守っています。
終わりに、世界の宝の叙事詩「マナス」の一節に、私たちの心意気を託させていただきます。
「前進する者は勝利する。
勇敢なる者は立ち止まってはならない。
勇敢なる者は断じて勝利するのだ。
勇敢なる者を勝利の喇叭が呼ぶ。
勇敢なる者を前進させよう!」と。
キルギス共和国、万歳! ウズゲン工科教育大学、万歳! と叫び、私の謝辞とさせていただきます。
チョン・ラフマット!(キルギス語で「誠にありがとうございました!」)