皆で祈ろう。
励まし、讃えよう!
全員が宝の人だ。
広布の希望だ!
弥源太殿御返事 P1227
『只一心に信心おはして霊山を期し給へ』
◇希望の明日へ
長い人生行路、生活の行路において、"自ら勝ち取った幸福"だけが、真実の幸福である。与えられた幸福は、もろい。人の不幸のうえにつくった幸福には、陰りがともなう。結婚したから幸福か−−。そんなに簡単なら苦労はしない。結婚したゆえに不幸な人、一生、後悔する人は、たくさんいる。家を建てたから、社長になったから、代議士になったから幸福か−−。そんなものでは決まらない。婦人部は、もっと深い幸福を、絶対に崩れない幸福をつかみ取ってほしい。これを胸中に開くのが妙法の信心である。
☆わが教育者に贈る 青年から『共育』の新時代を
──宝の中の宝である子どもたちの生命を、絶対に守り抜くのだ。子どもたちを、断じて不幸にしてなるものか。子どもたちの幸福こそを第一義とするのだ──。
まさしく、乱世の真っ只中で、この師子吼をもって、創価教育は誕生したのであります。
昨年三月の東日本大震災によって、あまりにも多くの尊き命が奪われました。御家族の悲しみは、いかばかりか。私は、毎日、懇ろに追善回向の題目を送らせていただいております。
言語に絶する悲劇の中から、後世への教訓を留めることが、失われたかけがえのない命に報いることになるならば、「釜石の奇跡」と呼ばれる事例は、その一つでありましょう。教育界にも大切な大切な教訓を残してくれました。
岩手県釜石市では、津波によって多くの犠牲者が出ました。
この耐え難い被害に遭いながら、市内の小・中学校のほとんどの児童・生徒が、津波から逃れることができたのです。
これは、学校にいた児童・生徒はもちろん、下校していた子どもたちも、多くが自分自身で判断して高台に避難したことによるものです。ここ数年、繰り返し行われてきた「防災教育」の賜でした。
自らの力で自分たちの大切な命を守り、何かあっても互いに信じ、助け合いながら生き抜いていく──この「人間への信頼」「自立の心」を育むところに、人間教育の根幹があるといえましょう。
教育とは、大人が考える以上に子どもたちの心を錬磨していくものであると、「釜石の奇跡」は、あらためて気づかせてくれました。
さらに今、復興へ刻苦奮闘されている被災地の方々の励みとなっているのもまた、健気な子どもたちの明るい姿であると伺っております。
もとより、大震災が子どもたちにもたらした衝撃は、言い尽くせないでしょう。
しかし、それでもなお、子どもたちは太陽の心を輝かせて、家庭に地域に、希望を贈ってくれています。
「被災地の学校に、再び子どもたちの笑顔が戻り、楽しく賑やかな快活な声が響いている。その平凡な日常が、実は何よりも尊く、何よりも素晴らしいことであると、心新たに感動しました」
こう東北の教育者の方が、語っておられました。
子どもたちを慈しんでやまなかったインドの非暴力の英雄マハトマ・ガンヅーは、明言しております。
「もし私たちが、本当に世界の平和を実現したいと願うなら、それは子どもだちから始めなければならない」
「内なる灯火が輝くとき、それは全世界を照らす」というのです。
子どもたちの幸福の「内なる灯火」を一人一人、今日も明日も、ともしながら、世界の平和へ、希望の光を広げていく炎こそ、教育本部の皆様方の熱情でありましょう。