苦労している友に
励ましの声を!
太陽の笑顔を!
大変な時にこそ
春風のごとく。
兄弟抄 P1088
『設ひいかなるわづらはしき事ありとも夢になして只法華経の事のみさはぐらせ給うべしし』
◇希望の明日へ
どんなに立派そうに説法しても、だれもわからないのでは何にもならない。自己満足と権威のための説法にすぎない。それでは仏法ではない。人々を遠ざけ、かえって法を下げてしまう。感動しなければ、人は信じない。納得しなければ、人は本気で動かない。生活の現実に関係ない話に民衆は耳を貸さない。具体性がなければ、法のすばらしさもわからない。これでは大聖人の御遺命である広宣流布は、いつまでたってもできないのである。
☆随筆 我らの勝利の大道 No.44 「庶民の勝利が学会精神」◇一人一人が建設者「やればできる」と皆が自信をもち始め、新しい人材が躍進し始めるなかで、重要な跳躍台があった。昭和31年の4月8日、難波の大阪球場で行われた大阪・堺の連合総会である。
この日は雨であった。
だが、皆、降りしきる雨など物ともせず、『大難来りなば強盛の信心弥弥悦びをなすべし』(P1448)との御文を身で拝しつつ、意気軒昂の大総会を飾ったのである。この愛弟子たちの勇姿を、恩師も嬉しく見守ってくださった。
『各各師子王の心を取り出して・いかに人をどすともをづる事なかれ』(P1190)と仰せの如く、関西の全闘士が「師子王の心」を奮い立たせていったのだ。大阪支部の弘教は3月が5005世帯、4月が9002世帯と躍進した。
そして、戸田先生の会長就任5周年を迎えた5月、不滅の1万1111世帯の金字塔がそびえ立ったのである。
その一世帯一世帯に、誠実と慈愛の人間ドラマがあった。その一人ひとりが、濁世末法に妙法を弘め、証明しゆく尊き地涌の菩薩である。
折伏した人も、新たに入会した人も、全員が妙法の大功力を体得し、幸福になってもらいたい。地域と社会の依怙依託となってもらいたい──私は、そう祈り続け、励まし続けた。
ともあれ、人生に迷い、苦悩に沈んでいた民衆が、今や生きる喜びと自信をもち、毅然として頭を上げたのだ。社会の谷間で孤立していた庶民が明日への希望のスクラムを組んで、新たな社会建設の主役として胸を張って躍り出たのだ。
アメリカの仏教研究家クラーク・ストランド氏は、「学会における師弟の絆は、弟子に根底から自信を与え、成長させるものなのだ」と強調されていた。