◇今週のことば
「行学の二道を
はげみ候べし」
新成人よ、希望前進を!
新任幹部よ、先駆常勝を!
幸と平和の大道を楽しく。
2022年1月10日
四条金吾殿御返事 P1151
『申すままにて候あいだいのり叶いたるやうにみえて候』
【通解】
(池上宗仲らの勝利について、日蓮大聖人の)言った通りにされたから、祈りが叶ったようです。
名字の言 新成人の友へエールを 2022年1月10日
池田先生は2007年1月、「全世界の新成人を祝福して、これから10年間、毎年、よき場所に、記念の植樹を」と提案した。以来、2016年まで毎年、国内外の学会施設から植樹する場所を選び、実施。1年目は東京牧口記念会館の敷地内にクスノキが植えられた▼成長は遅いが、やがて大木となるクスノキになぞらえ、進み方はゆっくりでも学問を大成させることを「楠学問」という▼2007年1月に新成人となり、現在35歳の男子部員がいる。彼は小学校教諭として奮闘し、学会では勇気の調べを送る音楽隊で活躍している▼今日まで彼が歩んだ道は険しかった。教員採用試験は9度目の挑戦で合格した。その間、最愛の母を病で亡くしている。先生は先の「新成人の木」を植える意義を語った。「苦労した人が、最後は勝利します。青年には、どんな苦難にも負けないでほしいと願って植樹したものです」。その言葉に彼の姿が重なる▼新成人は"大人の仲間入り"。仏法には「大人」との言葉がある。意味の一つは「大丈夫な人」。御聖訓の「浅きを去って深きに就くは、丈夫の心なり」(新612・全509)の精神のままに、使命の大道を心新たに歩みだした新成人の友へエールを送りたい。
寸鉄 2022年1月10日
秋田・師弟原点の日。雪の激励行40年の佳節。師の雄姿胸に新たな勝ち鬨を
各地で新出発の幹部会。「任命から3カ月が勝負」全員が新幹部との自覚で
「成人の日」おめでとう! 試練の時代に生きゆく皆さんは創立100周年の主役
日常生活に「悩みや不安」77%で過去最高—調査。抜苦与楽の励まし今こそ
110番の日。事件・事故など緊急時は迷わず利用を。相談事は「♯9110」へ
☆トインビー対談開始50周年 「生命論」を世界に開く第一歩
本年5月、池田先生と歴史学者のアーノルド・J・トインビー博士が、イギリスのロンドンで対談を始めてから50年を迎える。"現代の百科事典"とも評される2人の対談は、今こそ智慧の光を放つ。
「創価学会は生命論に始まり、生命論に終わるといってよい」——池田先生は1972年(昭和47年)秋の本部総会でこう述べ、戸田城聖先生の獄中の悟達にこそ「創価学会の原点があった」と強調した。
この年は、3年後に『二十一世紀への対話』(文藝春秋。英語版のタイトルは『生への選択』オックスフォード大学出版局)として発刊されるトインビー博士との対話が始まった年でもある。
◇「いかに人生を生きるべきか」
対談の初日。2人は語り合うべきテーマを三つ定めた。
一、人間とは何か。いかに人生を生きるべきか
二、世界平和を実現する方法
三、生命の根源
先生は語る。「この世の中で、ある分野で専門的に深い人はいるでしょう。しかし、その個々の学問・社会運動の根源となるもの、すなわち〈生命の尊厳とは何か〉とか〈人間とは何か〉について総体的・本質的な視点から見透かす人は少ない。私はこの"根源的なもの"をずっと探究し続けてまいりました。博士も同様と思いますが……」
博士は「実は私も、そこの点の話をだれかとしたかったのです」と。「私はまだ根源なるものをわかったわけではありませんが、このたびの対談でベストを尽くさせていただきます」
2年にわたる対話は、洋の東西を結ぶ生命論になった。人類は「宿命転換を、はたして成し遂げられるでしょうか」(『二十一世紀への対話[上]』聖教ワイド文庫、325ページ)——これは博士から先生への問いである。
とりわけ博士が注目していたのは、仏法で説かれる「菩薩」の生き方だった。
「単独で、じぶんひとりのために、涅槃に入るというだけでは不十分だということを、仏陀は身をもって説いた」。
また、人のために悩むほうが「悩みから自分自身を解放するよりもすぐれた道である」とも(「一歴史家の宗教観」、『トインビー著作集4』社会思想社)。
師匠の仏も弟子の菩薩も「この苦悩の多い世界にとどまるためにあえて安息の境地にはいろうとしないのである」(「現代宗教の課題」、同)——これが博士の大乗仏教観だった。
先生との対話は、国境や世代を超えて共有すべき"人としての道"を探る旅でもあった。
◇「対話に基づく民衆運動」を支える言葉
イギリスSGI副総合婦人部長などを歴任してきたバーバラ・ケイヒルさんは対談の翻訳スタッフとして力を尽くした。
「対談のテープ起こしを手伝った時、私は池田先生が話される視点にとても興味を持ちました」「なぜかというと、私はその時初めて、"創価学会の外側"で、"学会員ではない人"に対して、先生が仏法をどう表現されるのかを聞いたからです」と述懐する。「当時はまだ、ロンドンの私たちが英語で読むことのできる御書は、機関誌に載るわずかな部分だけでしたから」(『民衆こそ王者14』潮出版社)
例えば「十界論」。先生はトインビー博士の愛読書でもあるダンテの『神曲』に言及し、「地獄」「煉獄」「天国」と「十界」のそれぞれを並べて論じた(『二十一世紀への対話[下]』93ページ)。環境問題を巡っては「依正不二」を(同[上]70ページ)、「宿業と自由」がテーマになれば「人間革命」を語った(同[下]205ページ)。
一念三千、色心不二、生死不二。空仮中の三諦、同苦……先生は学会員になじみ深い言葉と道理を駆使しながら、「生きた宗教」の指導者として、地球的問題群の解決の道を探る挑戦を始めたのである。
翻訳スタッフの一人だったスー・ソーントンさんは、池田・トインビー対談こそ、池田先生が創価の連帯を"対話を基にした世界的な民衆運動の団体"に導くための最初の一歩になったと語る。
本格的に日蓮仏法の生命論を切り開く序章となった『二十一世紀への対話』。コロナ禍が続く現代において、本書からくみ取るべき智慧は多い。
◇翻訳された30言語の一覧
さまざまな言語に訳された池田・トインビー対談。同書の目次は「人間の動物的側面」から始まり「至高の人間的価値」で終わる。その中に77のテーマが論じられ、全編を通して「人はいかに生きるべきか」という問いに貫かれている