引き続く残暑に警戒。
水分補給や冷房活用など
熱中症対策を怠らず。
困難を乗り切る活力も
賢明な体調管理から!
船守弥三郎許御書 P1445
『法華経を行ぜん者をば諸天善神等或はをとことなり或は女となり形をかへさまざまに供養してたすくべし』
【通解】
法華経を行ずる者を、諸天善神等は、あるいは男性となり、あるいは女性となり、形を変えて、さまざまに供養して助ける。
名字の言 東京五輪——柔道躍進の立役者・井上康生男子監督 2021年8月28日
過去最多となる58個のメダルを獲得した東京五輪の日本選手団。とりわけ活躍が光った競技が、男女共に金メダルを量産した柔道だろう▼躍進の立役者は、井上康生男子監督だ。9年前、男子が史上初めて金メダルゼロに終わったロンドン大会の後、"お家芸"の再建を託され、34歳の若さで監督に就任。旧来の精神論頼りではなく、データ分析に基づいた練習を取り入れるなど、柔軟な発想で「自立した選手の育成」を目指した▼"自分の時はこうだった"と現役時代の経験を押し付けず、一人一人に合った指導を心掛けたとも。勝てば選手の手柄、負ければ監督の責任——この"共に戦う姿勢"が自立心と信頼を育み、日本柔道の復活は成し遂げられた▼スポーツの世界に限らず、いかなる事業も現状や過去の成功に安住したままでは、時代の波に取り残される。中心者の意識変革はもとより、一人一人が主体者となって行動を起こしてこそ、新たな前進の渦が生まれよう▼「何事も受け身で、人に言われて動いていれば、つまらないし、勢いも出ない」「能動か、受動かによって、心の燃焼度、充実度は、全く異なる」と池田先生はつづる。変化を待つ傍観者ではなく、変化をつくる価値創造の人でありたい。
寸鉄 2021年8月28日
座談会は全員が主役だ。不思議な縁の同志と称え合い立正安国の誓い固く
葛飾・広布師弟原点の日。試練の今こそ本領発揮。鉄壁の団結で勝ち進め!
「人生のゴールは50代からだ。愉快に忍耐強く」恩師。誉れの使命の道を
災害時の冷静な対応、日頃の訓練が重要と。避難経路歩くなど体で覚えて
高血圧症、30年で倍増と。減塩等、食生活見直しを。健康は努力の積み重ねに
〈社説〉 2021・8・28 あす「国際部の日」
◇危機に輝く英知と哲学の連帯
国内で2回目の新型コロナワクチン接種を終えた人が、全体の4割を超えた。
先日、職域接種で2回目を済ませた在日外国人の友が、「自分は幸運だったが、職域接種がなく日本語が不得手な外国人は苦労している」と語っていた。
自治体によって対応は異なるが、基本的に接種券は日本語であり、医療機関や保健所との連絡も日本語。異国での感染拡大の中で不安を感じている人も多いはずだ。
そうした中、首都圏在住で英語を話す海外メンバーの集い「東京インタナショナル・グループ(TIG)」の友が、青年部の国際部員と連携し、ワクチン接種予約のサポートを始めた。
未曽有の危機にあって、創価の励ましのネットワークがここでも光っている。
国際部の友はあす29日、「部の日」53周年を迎える。
淵源は、1968年(昭和43年)8月29日、池田先生が通訳・翻訳に携わる友を激励したことにある。
3年後に国際部が結成され、現在、通訳翻訳部、国際ボランティア部、国際交流部、在日外国人部からなる国際本部へと発展。世界広布の使命を胸に、国内外で活躍する。
神奈川県のある男子部国際部の友は、世界の識者と対談を重ねる池田先生の姿に感銘を受け、国際分野での仕事を目指すように。
大手電機メーカーの国際部門で世界各国を飛び回る多忙な日々でも、男子部大学校の分区団長として大学校生の育成に心を尽くした。
信心根本に製品開発に挑んだ結果、発表した電気自動車を世界中のメディアが紹介。その後、国家資格である技術士試験に合格し、仕事と博士課程での研究の両立に挑戦する。
「先生の著作を学び学会活動に全力で取り組めば、自信と生命力がみなぎり、何をやりたいかが明確になります」と。
池田先生は小説『新・人間革命』第7巻「早春」の章に、学会員こそ「本当の意味での国際人」であり、「国際人として最も大事なポイントは、利己主義に陥ることなく、人びとを幸福にする哲学をもち、実践し、人間として尊敬されているかどうかである」とつづる。
グローバル化する社会にあって語学が大切なのは当然だが、差異を超え、他者に思いを寄せる人間力が最重要であろう。
その英知と哲学を兼ね備えた国際本部の友を先頭に、周囲に励ましを送る真の国際人の連帯をさらに広げ、危機の時代を乗り越えていきたい。
☆いのちの賛歌 心に刻む一節 世雄と光る 2021年8月17日
テーマ:世雄と光る
企画「いのちの賛歌 心に刻む一節」では、御聖訓を胸に、宿命に立ち向かってきた創価学会員の体験を紹介するとともに、池田先生の指導を掲載する。今回は「世雄と光る」をテーマに、岐阜県の壮年に話を聞いた。
◇御文
『御みやづかいを法華経とをぼしめせ、「一切世間の治生産業は皆実相と相違背せず」とは此れなり』(檀越某御返事、1295ページ)
◇通解
宮仕えを法華経の修行と思いなさい。「一切世間の治生産業は皆、実相と違背しない」と説かれているのは、このことである。
◇信心を自らのど真ん中に
4坪から県内有数企業へ
平光勝治さん(79)=岐阜大勝県主事=は、岐阜県内で、建築金物や精密板金の設計・製作・販売などを手掛ける会社を創業。水害や経済危機などの幾多の荒波を乗り越えて、県内有数の企業へと発展させた。
◇
「子どもの頃は、絵に描いたような貧乏暮らしでね」
平光さんが15歳の時に父親が他界。中学校卒業後、地元の金属加工会社で見習工として働き始めた。信心に巡り合ったのは、18歳の時だった。
「先に入会していた母親と、地域の男子部員の熱意に心を動かされたんだ」
20歳になると、長兄が営んでいた牛乳販売店の一隅を借りて、腕一本で独立した。胸にあったのは、「御みやづかいを法華経とをぼしめせ」(御書1295ページ)の一節。自らの職場こそが、仏法勝負の舞台——そこに職人魂を熱くした。
「俺の仕事で、この信心の偉大さを世に示してみせるぞって」
中途半端を嫌う職人かたぎ。仕事も学会活動も"やる"と決めたからには、とことん打ち込んだ。
わずか4坪の工場で、主に看板やステンレスの流し台を製作する下請けからのスタート。損得勘定は二の次で仕事に真剣に向き合い、多忙の合間を縫うように、広布の活動にも駆けた。
誠実な働きぶりは評判を呼び、注文が次々と舞い込んだ。
結婚と同時に自宅兼工場を新築し、従業員を雇用。その後も業績は堅調に伸展し、1973年(昭和48年)、現在の本社所在地に工場を新設した。
しかし、思いもよらない試練が平光さんを襲う。
76年(同51年)9月。台風17号の影響で岐阜県内でも豪雨が続き、長良川の堤防が決壊。濁流が街をのみ込んだのだ。
当時、平光さんは男子部のリーダーとして同志の救援活動に当たっていた。家人や従業員は避難していて無事だったものの、数日後、水に漬かりながら工場へ行くと、機械は全て水没していた。
「これでは工場は稼働できない。会社をどうするか。従業員たちの生活をどうするか……」。泥水の中で立ち尽くすしかなかった。
"いや、創価学会の看板を背負った俺が、こんなことで負けてはだめだ!"。拳を握り締めて顔を上げた。
水が引いた後、黙々と機械を洗浄して修理を重ね、数カ月後に工場を再開。遅れを挽回しようと、従業員たちと心一つに、できる仕事に力を注いだ。
そうした地道な姿に、人知れず、信頼は付いてきた。
それまで受けていた下請けの仕事から、徐々に元請けへ。新たな機械も導入でき、経営を水害前よりも安定した軌道に乗せることができた。
ところが水害から3年後、平光さんの会社を再び困難が襲う。
第2次オイルショックのあおりを受けて、受注が激減したのだ。社長の平光さんを先頭に、従業員総出で営業に駆けた。しかし、肩を落として帰社する日々が続く。
「"もうだめだ"という土俵際までいった」。会社の帳簿をにらみ、唇をかんだ。打開の知恵を絞ろうと仏壇の前に座り、しんしんと題目を唱えた。
ふと浮かぶ、従業員一人一人の顔。"ここで会社をつぶすわけにはいかない。もう一度、顧客へ誠意を尽くそう"。平光さんの心に、不屈の灯がともった。
後日、交渉を続けていた取引先の態度が軟化。「平光さんに全て任す」と言ってくれ、受注が増えたことで活路が開け、窮地を脱することができた。
諸天の加護を確信せずにはいられなかった。
平光さんの会社は、その後、バブル崩壊後の不況にも揺らぐことなく業績を伸ばし、現在、息子が受け継いでいる。
「仕事も人生も、変化の連続。だけど、心のど真ん中に信心を据えていれば、現実の変化に右往左往する必要はない。策や要領ではなく、迷わず信心で挑んでいけば、最後に必ず勝てる。それが、私がつかんだこの信仰の真髄です」
日蓮大聖人は、生活や社会の事象は「皆実相と相違背せず」(御書1295ページ)、すなわち、全て仏法そのものであることを教えられている。
「仕事も学会活動も、誰にも負けないぞと胸を張るくらい、常に情熱を込めてきた」と平光さんは頬を紅潮させる。
「御書にある通り、仕事や生活と信心とは、本来、切っても切り離せないもの。どちらかを頑張ればいいというものではないんです。むしろ、仕事や生活を"仏道修行"と捉えて、困難に粘り強く挑んでいく原動力が信心です。そして、苦労して道を開いてきた努力は全て、自身の境涯を開く糧にもなる。だから、仏法に無駄は何一つないんです」
ぶれない強さ。平光さんの、透徹した信心根本の生きざまに、その感を抱いた。
池田先生は語っている。
「長い人生である。その間には、自分の思ったようにいかないときもあるかもしれない。
しかし、私たちは『法華経に勝る兵法なし』の妙法を持っている。
途中の勝ち負けはどうであれ、最後は、法華経を持った人が、必ず勝つ。信心根本で生き抜いた人が、必ず勝つのである。それが仏法の大法則である。何の心配もいらない」
「仕事の姿勢には、その人の人生観も人間観も表れる。『何のために』生きるのかという一念が表れる。その最も深く、最も強く、最も正しい一念こそが、信心です。(中略)
『広宣流布』という世界一の大願に立って、自らの日々の仕事に全力で挑むこと——それが『御みやづかいを法華経』の心です」(池田大作先生の指導選集〈中〉『人間革命の実践』)
人は誰しも、世間から離れて生きることはできない。しかし、世間に翻弄される人生では不幸である。
現実の世の中において、雄々しく困難を乗り越え、勝利の姿を示していく——仏の異名は「世雄」である。
[教学コンパス]
IBMやウォルト・ディズニーなど「時代を超えて発展し続ける企業」を分析した米国の名著『ビジョナリー・カンパニー』(日経BP出版センター、山岡洋一訳)。同書で挙げられている項目の一つが、「決して満足しない」。永続する企業は「常に改善を進め、将来のために投資する終わりのない過程の結果、自然に成果が生まれてくる」と。成長への不断の挑戦に、不朽の組織を築く鍵がある。
御書には「月月・日日につより給へ・すこしもたゆむ心あらば魔たよりをうべし」(1190ページ)とある。成仏とは、己心の魔との絶えざる闘争にある。自らの弱い生命に挑み続けることで、苦難に負けない力強い仏界の生命をあらわしていけるのが、日蓮仏法だ。
「もう無理」という諦めや、「これくらいでいいだろう」という甘えを排し、前進し続けていけるかどうか。昨日より今日、今日より明日へ——常に原点を忘れず、「いよいよこれから!」と信心を貫き通す人の胸中にこそ、"わが人間革命"の不滅の勝利劇は刻まれる。