相手の声に耳を傾け
心ゆくまで語り合う。
この納得と共感から
広布への決意が生まれる。
目の前の一人を大切に!
蓮盛抄 P153
『止観に云く「師に値わざれば邪慧日に増し生死月に甚し稠林に曲木を曵くが如く出づる期有こと無けん」云云』
【通解】
摩訶止観に「師にあわなければ邪な智慧が日ごとに増し、生死の苦しみは月ごとに甚だしい。密林に曲がった木を曳くように、生死の苦しみから出る時期がない」とある。
名字の言 励ましの"時"を逃さず 2021年8月19日
広島県内で高速道路を走行していると、突然の豪雨に見舞われた。13日朝のことだ。サービスエリアに避難した後、道路は封鎖された▼途方に暮れていた時、近くの店の従業員が声を掛けてくれた。「大丈夫ですか」。東京の友人からもSNSで連絡が届いた。「ニュースを見ました。題目を送ります!」。励ましには、直接・間接を問わず"時"こそ肝心なのだと、感謝が込み上げた▼小説『新・人間革命』第16巻「羽ばたき」の章には「昭和四十七年七月豪雨」の場面が描かれている。秋田県では、山本伸一が出席予定だった記念撮影会が安全を考慮して中止に。空いたスケジュールの使い方を幹部が問うと、伸一は答えた。「記念撮影会はなくなったが、私は、秋田へは行きます!」▼「何事にも、時がある。今こそ、生命を削る思いで、秋田の同志を激励すべき時なんです」。44歳の伸一は現地で陣頭指揮を執り、被災した他県の同志にも電報を打った。電光石火の激励に、友は再起を誓った▼各地で観測史上最多の大雨による被害が出ている。直接会いに行くことは危険を伴う場合も。ならば電話やメール、SNSなどで励ましを送りたい。その真心が被災者の勇気を呼び覚まし、復興への一歩となる。
寸鉄 2021年8月19日
「声もをしまず唱うるなり」御書。苦難の時こそ題目。変毒為薬の祈りを
人材は見つけ育てるもの—戸田先生。人材は必ずいる。今日も激励、地道に
未来部の各種コンクール締切迫る。挑戦の心育む夏に。宝の友を皆で応援
高齢者は屋内でも熱中症に注意。水分・塩分補給と空調活用。周囲で声掛け
世界人道デー。生命尊厳、万人平等の思潮を今こ拡大。一対一の対話更に
☆御書カフェ 華陽姉妹の語らい 今まで生きて有りつるは此の事にあはん為なりけり 2021年8月8日
◇御文
『今まで生きて有りつるは此の事にあはん為なりけり』(弥三郎殿御返事、1451ページ)
◇通解
自分が今まで生きながらえてきたのは、このことに遭うためである。
◇教えて
大事な「今」を、悔いなく頑張り抜きたいです。
◇池田先生の指導
青春にも、人生にも、正念場があります。勝負所があります。
その時に、負けじ魂を明々と燃やして戦えば、大きな未来が開かれます。勇気があれば、自分で希望を創り出せるのです。
強く朗らかに友と励まし合い、「心の財」を積みながら、勝利の劇を綴りゆこう!(2020・7・15付、「創価新報」掲載の「池田先生が語る青年への指針〈勝ちゆく君へ〉」)
◇ ◆ ◇
私は、恩師・戸田城聖先生の誓いと戦いを、すべて受け継ぎ、一人立ち上がった。
どんな広宣流布の闘争でも、常に先陣を切った。大変なところや、皆が避けるところに、勇んで飛び込んで、勝利の実証を示してきた。ゆえに、何も恐れるものはない。後悔もない。
青年部の諸君は、この誇り高き後継の道を、胸を張って晴れ晴れと進んでいただきたい。そして、「私は勝った! 我らは勝った!」と満天下に言いきれる青春を、勇敢に走りきっていただきたいのだ。(『勝利の人間学』)
☆紙上セミナー 仏法思想の輝き 四国ドクター部長 橋口淑夫
◇地元密着の開業医
四国ドクター部長 橋口淑夫
【プロフィル】はしぐち・よしお 徳島大学医学部を卒業。徳島市内で「橋口内科クリニック」を開業。66歳。1964年(昭和39年)入会。徳島市在住。副圏長。
◇心のこもった医療を
もうすぐ、お盆の時期を迎え、お休みをとる方もいると思います。
しかし、私たちの命を支える心臓には、"休み"がありません。心臓は、1分間に約60〜80回、1日に約10万回、拍動を繰り返して血液を全身に送り続けています。1日に送り出す血液量は、ドラム缶約40本分。重さ200〜300グラム、握りこぶし大の心臓は、とても働きものなのです。
心臓は繊細でもあります。初恋の時のドキドキ感。妻に怒られると分かった時の恐怖感(笑い)——緊張することで自律神経が働くため、鼓動が激しくなります。
そんな心臓にとって、夏の暑さは大敵です。脱水症状によって血栓ができ、心筋梗塞を発症する事例が見受けられます。尿量が少なくなったり、尿の色が濃くなったりしたら、脱水の疑いがあります。
新型コロナウイルスの感染が続く今夏も、マスクを着用するので、熱中症のリスクも高まります。日傘や帽子を積極的に使ったり、水分と塩分を小まめに補給したりするなど、暑さ対策を行いながら、健やかな生活リズムを整えてください。
◇蘇生する力
私が"町のお医者さん"として、生まれ育った地元にクリニックを開業して本年12月で30年。医師を志すきっかけとなったのは、ある開業医の存在でした。
1962年(昭和37年)、自宅で就寝中だった父の容体が急変。深夜にもかかわらず、近所の医師が駆け付けて、懸命に父の治療に当たってくれました。しかし、父は息を引き取ります。享年37。私が7歳の時でした。
その後、父の姉が、弟を亡くした悲しみに暮れる中、創価学会に入会。伯母から折伏されて、私たち一家も信心を始めました。後に母は肝臓を悪くしますが、信心をしていたおかげで明るい家庭に。子どもながらに私は、父の死や母の病もあって、医学に関心をもつようになりました。
そして、父をみとってくれた医師に倣って、"患者さんに寄り添う医師を目指そう"と生きる道を決め、題目を唱えるようになりました。
日蓮大聖人は、「妙とは蘇生の義なり蘇生と申すはよみがへる義なり」(御書947ページ)と仰せです。仏法には、人生の苦難を乗り越え、蘇生していく力が脈打っています。病苦と死苦、経済苦にも悩んだわが家でしたが、信心で全てを乗り越え、今があります。
3年前もそうでした。ある冬の朝、妻と一緒に週1日の聖教新聞の配達を終えた時、妻から「車の運転がおかしいよ」と指摘されました。自覚症状はなかったものの、すぐ救急病院を受診すると、脳梗塞が見つかったのです。入院翌日には右手がしびれ、字も書けず、箸も持てなくなるように。
しかし、信心していたからこそ悲観することなく、病に立ち向かえました。同志の励ましもあって、入院を10日間で終え、診療に復帰。受診が遅れていたら、後遺症をもたらしていたかもしれません。
患者の側に立ったことで、医療関係者への感謝を深めるとともに、"心を込めて患者さんに向き合おう"と決意を深める転機になりました。
◇人の輪の中へ
かつて池田先生は、ドクター部へ次の御文を贈ってくださいました。
「行学の二道をはげみ候べし、行学たへなば仏法はあるべからず、我もいたし人をも教化候へ」(御書1361ページ)
日蓮仏法では、信心の具体的な実践の「行」と、仏法哲理を研さんする「学」を、仏道修行の「両輪」として重んじています。
仏道修行に励むことで、苦しんでいる人の心に寄り添い、励ましを送ることができる——そんな思いでこの御文を拝し、時間をこじ開けるように創価学会の活動に挑戦してきました。
学会の座談会など、人の輪の中に飛び込んで感じるのは、人生の苦悩は多面的ということです。診察室だけでは知り得ない、発見ばかりでした。病を抱えながらも、喜々として「行学の二道」に励む方の信心に触れるたびに、私も勇気づけられました。
中学生だった長男が不登校になった時は、妻と共に真剣に題目を唱え、活動に挑戦。「一番苦しんでいるのは息子なんだ」——そう気付かされ、親として成長することで打開しようと祈りを深めました。乗り越えるまで歩んだ月日は、信心の原点です。
これまでの経験を通して、診察の際は、会話に「間」を置くようにしています。なぜなら患者さんは、言い残したり、聞きそびれたりすることがあるからです。
そして、患者さんが診察室を出る直前の、励ましの一言を大切にしています。たとえ大変な病でも、少しでも明るい気持ちで帰ってもらいたい——そんな思いで診察に励んでいます。
これからも、愛する地域の皆さんが「生きていて良かった」と安心してもらえるよう、心のこもった医療に全力を注いでいきます。
◇[視点]妙法は良薬
創価学会では、条件や環境に左右されることのない、幸福境涯を得ることを信仰の目的にしています。
橋口さんは、「学会員さんは、闘病中も前向きな方が多く、治療経過も良いと感じます」と語っていました。仏法は医学を重んじ、医学を生かしながら病気を治癒しようと考えます。治療の効果を引き出す上で大切なのは、患者自身の生命力です。
日蓮大聖人は、「法華経と申す御経は身心の諸病の良薬なり」(御書1015ページ)と仰せです。「病魔に打ち勝つ」と一念を定めて題目を唱えることで、豊かな生命力をみなぎらせ、病に負けない境涯を築くことができます。"妙法は最高の良薬"なのです。ゆえに、病をも自身の人生を輝かせる宝にしていけるのです。