2021年8月2日月曜日

2021.08.02 わが友に贈る

◇今週のことば
「家に讃教の勤めあれば
七難必ず退散せん」
題目の師子吼で
地涌の大生命力を!
家庭に地域に社会にも。
2021年8月2日

御義口伝巻上 P710
『今日蓮等の類い南無妙法蓮華経と唱え奉るは生死の闇を照し晴して涅槃の智火明了なり生死即涅槃と開覚するを照則闇不生とは云うなり、煩悩の薪を焼いて菩提の慧火現前するなり』

【通解】
今、日蓮大聖人およびその門下が、南無妙法蓮華経と唱え奉ることは、生死の闇を照らし晴らし、涅槃の智火が明了に現われることである。すなわち生死即涅槃と開覚することを、文句では「照らすは則ち闇生ぜず」といっているのである。また、妙法を唱え奉ることは、煩悩の薪を焼いて菩提の慧火が現前することである。

名字の言 東京五輪の「ビクトリーブーケ」 2021年8月2日
熱戦が続く東京五輪。メダリストに副賞として贈られる「ビクトリーブーケ」には、東北3県の花が使用されている。福島県産のトルコギキョウもその一つ▼近年、産地となりつつあるのが、原発事故で全町避難を強いられた双葉郡浪江町。2017年、避難指示が段階的に解除されると、町をあげ、花き栽培の挑戦を始めた。地元の農家に県内外の若い新規就農者らも加わり、市場で高い評価を受けるまでに。未曽有の試練の中から誕生した花は今、勝利の象徴となった▼福島県浜通りのある男子部員は小学生の時、震災の津波で自宅が損壊し、住み慣れた場所を離れた。それでも、海が好きな気持ちは消えなかった。「故郷の海を守る」。それを自分の使命と決めた。今、潜水士として海中で港湾工事を行う。20歳となった今年、男子部大学校にも入校し、練磨の青春を送る▼池田先生はつづった。「人も、この一生に、ただ一つの花を咲かせるために生まれてきた」「自分にできることを、すべてした人。その人が『花』だ」と▼誰もが自分だけの使命の花を持つ。その種子は、苦難の中で根を張り、決意と挑戦の先に咲かせた花は、他の誰かを照らす光になる。トルコギキョウの花言葉の一つは「希望」である。

寸鉄 2021年8月2日
常に生きがい持って進め—牧口先生。立正安国の大願胸に。挑戦また挑戦
夏は友情育む好機。普段会えぬ友とも心通う語らいを。電話一つも大切に
毎日が新しい日なんだ—作家。生まれ変わった決意で!栄光開く一歩を今
食品衛生月間。食中毒が多い時期。手洗いや加熱調理等の基本を欠かさず
緊急事態宣言6都府県に拡大。自分は平気の過信禁物。感染対策を再徹底

〈社説〉 2021・8・2 7日まで「水の週間」
◇危機と戦う連帯を時代潮流に
操縦する飛行機が砂漠の真ん中に墜落。水を求め、3日間で200キロ以上さまよう。作家サン=テグジュペリは、その過酷な体験を著書『人間の大地』につづった。
友人と二人、懸命に支え合う中で遊牧民に救われ、九死に一生を得る。彼は、渇きから解放された喜びを、こう記す。「水よ、おまえは生命に必要な何かではない。おまえが生命そのものなのだ」「大地の腹に宿る至純の水よ、おまえはこの世の最大の富であり、しかも、この世で最もデリケートな富だ」(渋谷豊訳、光文社)
水の豊富な日本にいる私たちも、それを当たり前の自然の恵みとせず、この「最もデリケートな富」への感謝を忘れてはなるまい。
8月1日は「水の日」。水の貴重さと水資源開発の重要性について理解を深める意義があり、水の使用量が多く、水について関心が高まる8月の初日に設定された。今年で45回の節を刻む。
さらに7日までは「水の週間」として、国土交通省や地方公共団体等が連携し、例年、啓発行事や水と自然に親しむイベントを行ってきた。昨年来のコロナ禍の中で従来通りの開催は難しいが、工夫して取り組む地域も見られる。
この週間を機に水の大切さを心に留め、身近なところから、きれいな水を守る取り組みを始めよう。例えば、キッチンで食器を洗う前に油汚れを紙で拭き取るなどの工夫で、家庭排水による水質汚染を防げる。蛇口は小まめに閉めて、節水を心掛けたい。
2014年施行の「水循環基本法」で、「水の日」は健全な水循環の重要性について関心を深める日としても定められている。
海から蒸発し、雲になって運ばれ、雨となって降り注ぐ。その水循環が健全かつ穏やかであれば、生命を育む恵みの水となる。ところが近年は、台風や大雨による甚大な風水害が続発し、年々深刻の度を増している。そうした災害時には「自助」「共助」「公助」が必要となる。平時にこそ、防災グッズの点検や、近隣との声掛けを積極的に進めておきたい。
池田先生は、本年の「SGIの日」記念提言で、コロナ禍との戦いを通し、「『連帯して危機を乗り越える意識』を時代潮流に押し上げ、(中略)人類史転換への道を開くべきだ」と訴えた。民衆の連帯は命を守る鍵なのだ。今こそ、啓発の対話を広げよう。

☆四季の励まし 青年よ! 青空へ伸びゆけ 2021年7月25日
◇池田先生の言葉
青年は、希望の旭日だ。
いかなる暗闇も
鮮烈に打ち払う。
青年は、正義の宝剣だ。
いかなる邪悪も
厳然と断ち切る。
青年は、勝利の旗印だ。
いかなる激戦も
断固と勝ち開く。
わが創価学会には、
この若き熱と力が
沸騰している。

青春時代は、
失敗も財産だ。
苦労が宝になる。
うまくいかなくても、
くよくよせず、
また挑戦すればいい。
「当たって砕けろ」の心意気で、
勇気を持って、
臆さずに挑むのだ。
限界の壁を破るのが、
青年の特権だ。

若さとは、
「動く」ことである。
知恵を振り絞り、心を働かせ、
何かを為すことだ。
どんな境遇にあっても、
何とかしようという
挑戦の心を忘れないことだ。
その人の生命は若い。

妙法は、永遠の若さだ。
若さとは、
何ものにも屈せざる力だ。
雨が降ろうが、風が吹こうが、
晴れ渡る青空をめざして
伸びゆく力だ。
若さとは、
何ものも恐れぬ魂だ。
いかなる壁にも怯まず、
雄々しく突き破り、
乗り越える大闘争心だ。

キーワードは「友情」である。
主役は「青年」である。
「仲良くしよう」という
心を広げ、
新たな"時"を創るのだ。
青年が自らの行動で、
青年を糾合するのだ。
目の前の友と語らい、
友情を結ぶ。
最も地道で
最も確実な平和の王道が、
ここにある。

【写真説明】抜けるような青空に、クレヨンで描いたような鮮やかな白雲。1996年(平成8年)6月、池田大作先生がアメリカ・デンバーを初訪問した折、カメラに収めた一葉である。
先生は6月8日、名門デンバー大学から「名誉教育学博士号」を授与された。その後、ニューヨークで、キッシンジャー元国務長官ら要人と会見。カーネギーホールでの世界青年平和文化祭に出席し、寸暇を惜しんで青年を励ました。
男女青年部は今月、結成70周年を迎えた。「青年の月」7月から勝利を結実する秋へ——。後継の若き勇者と共に、広布の大空へ羽ばたこう。

☆共生の地球社会へ〜仏法の英知に学ぶ テーマ:生物多様性
登場人物
【ミライさん】好奇心旺盛な女子部員。世の中の出来事について、父・ホープ博士と語り合うことを楽しみにしている。
【ホープ博士】勉強熱心な壮年部員。毎月1回、家族と一緒に教学を研さんしている。「博士」はニックネーム。本業は会社員。

◇生命のつながりを未来へ
ミライ ニュースを見たよ! 奄美大島と徳之島、沖縄島北部、西表島の四つの地域が、「世界自然遺産」に登録されることになったね。

ホープ 明るいニュースだね。これらの地域は、イリオモテヤマネコやヤンバルクイナなど、国際自然保護連合(IUCN)が定める絶滅危惧種の生息地なんだ。国際的にも希少な固有種に代表される「生物多様性」を保全する上で、重要な地域であることが評価されたんだ。

ミライ 生物多様性?

ホープ 「生物多様性」とは、単に"生物の種類が多い"という意味ではなく、地球上の生き物たちの豊かな個性とつながりを意味する言葉だよ。「生態系」「種」「遺伝子」の多様性を保護する取り組みが、世界各地で始まっているんだ。

◇加速する種の絶滅
ミライ なぜ多様性が重要なの?

ホープ 地球上に生きている生き物たちが、直接的・間接的につながり合い、壮大な"生命の環"を織り成しているからだよ。
例えば、酸素の供給や、気温や湿度の調整、豊かな土壌の形成なども、生物多様性によってもたらされているんだ。
人類に欠かせない、穀類や魚、肉、野菜など、食料は生き物そのものだし、飲用水は森林がろ過したものだよ。また、医薬品の成分には、7万種もの植物が使われているんだ。

ミライ でも、どうして今、生物多様性が注目されているの? 人間の活動の影響で環境が破壊され、生物多様性が脅かされているから?

ホープ 残念ながら、そうなんだ。生命が誕生してから40億年の間に、誕生した種の99%以上が絶滅したといわれているから、生物種の絶滅自体は珍しいことではないんだよ。
しかし、人類が存在する前より100倍から1000倍もの速さで生物種が絶滅しているんだ。そして、いうまでもなく、一度崩れた生態系は簡単には元に戻らない。
このように生態系の急激な変化が続くと、生態系に依存して生きている私たち人間への影響も必至だよ。食料や飲用水の不足が懸念されるほか、予期していなかった影響が出るかもしれない。

ミライ 地球上のあらゆる生命が、人間のために存在しているわけではないんだから、"自分たちの視点"だけで、この問題を捉えていてはいけない気がするね。

◇当事者の自覚で
ホープ 鋭い指摘だね。池田先生は、「仏法では、人間が地上の支配者であり、そのほかの生物や自然を、征服すべき対象とは考えません」(小説『新・人間革命』第5巻)と明確に示されているよ。
その考えの土台には、"森羅万象は支え合い、育み合って存在している"という、仏法の生命観があるからなんだ。
人と人、人と自然など、ありとあらゆるものが相互につながっているという関係性の哲学は、私たちが価値ある人生を歩むためにも重要な視点を提供しているね。

ミライ 私たち人間は、自然環境との相互依存性によって生かされているということと、生命の価値に優劣や序列はなく、等しく尊いということを、真摯に受け止めないといけないね。

ホープ その通りだね。生物多様性の問題は、私たち誰もが当事者なんだ。
けれども、現在の問題は、過去の人間の行為を映す"鏡"なんだから、今の自分には関係ないと、過去を恨んだり、無関心を決め込んだりする人もいる。
日蓮大聖人は、「過去の因を知りたいと思うなら、その現在の果を見なさい。未来の果を知りたいと思うなら、その現在の因を見なさい」(御書231ページ、通解)と仰せだよ。
ここで大切なのは、「現在」は新たな「未来」を創り出す出発点でもあるということだよ。困難な状況にあるからこそ、課題を乗り越えようと努力する人もいるよね。仏法では、この「現在」を「因」と捉えていく転換を大切にしているんだよ。

ミライ 未来の世代に、生命の豊かなつながりを残せるかどうかは、「今」にかかっているんだね。
身の回りで使っている製品が、どこで、どのように作られ、手元に届いたのか、調べてみようかな。その製品の環境への負荷を知ることで、今後、使い続けるか考え直せるかもしれないね。

ホープ 「人ごと」ではなく「自分ごと」として向き合う、具体的な一歩が大切だね。
池田先生は、こう語っているよ。
「わが生命と万物との妙なる連関性を深く自覚して、汝自身の生き方の変革、すなわち『人間革命』に挑んでいくならば、どれほど心広々と、壮大にして豊かな人生の道が開かれることでしょうか」
一人一人が思いの及ぶ範囲を広げ、生命のつながりに感謝し、多様性が輝く地球社会をつくっていこう。

◇御文
『過去の因を知らんと欲せば其の現在の果を見よ未来の果を知らんと欲せば其の現在の因を見よ』(開目抄、231ページ)

◇メモ
この御文では、経文を引かれ、過去・現在・未来の三世にわたる生命の連続性の中に、「原因」と「結果」の法則が貫かれていることを御教示されています。
つまり「現在」の一瞬の生命に、過去の因も、未来の果も含まれているのです。日蓮大聖人の仏法で大事なことは、"現在から未来"です。"今"をどうするか、ここが一切の出発点なのです。

[コラム:"いま"を知る]環境教育
エコシステム(生態系)という言葉が提唱されたのは1935年(昭和10年)。それ以前の1903年(明治36年)、初代会長・牧口常三郎先生は著書『人生地理学』で、自然と人間の関係について、自然環境が人間形成に及ぼす影響の重要性を訴えられている。
いわく、"慈愛、好意、友誼、親切、真摯、質朴等の高尚な心情の涵養は、郷里でなければ容易にはできない"——仏法の「依正不二」に通じる、牧口先生の先見性が光っている。
創価の環境教育は今日、ブラジルにも。"アマゾンを守ることで人類の生存を守る"との池田先生の構想のもと開設された、アマゾン創価研究所。ここでは、人間と自然の調和を目指し、現地の児童・生徒らを対象に「環境教育啓発プロジェクト」を実施してきた。
教育には人々の意識を変革する力がある。人間は開発の名のもとに、自然を破壊してきたが、自然を再生させていけるのも、人間である。