2021年8月12日木曜日

2021.08.12 わが友に贈る

他者を思いやる想像力が
同苦への第一歩となる。
自身の境涯も広がる。
真心の振る舞いで
温かな共生の社会を!

佐渡御書 P958
『心は法華経を信ずる故に梵天帝釈をも猶恐しと思はず』

【通解】
心は、法華経を信ずるがゆえに、梵天・帝釈をも、恐ろしいとは思わない。

名字の言 一枚の絵、一つの言葉に込められた被爆者の思い 2021年8月12日
広島平和記念資料館に展示された一枚の絵に来館者が見入っていた。赤く焼けただれた死体の山。左隅に添え書きがある。"絵に描いても話をしても万分の一も表すことはできません"▼作者は被爆当時41歳、作画年齢は70歳だった。その間、29年。「過去」の惨劇を顧み、「未来」のために絵筆を握ったのだろう。被爆者の心に触れ、「現在」を生きる来館者は何を思っただろうか▼広島の男子高等部員が、真剣に勤行するようになった。きっかけは被爆証言の聞き取りをしたこと。「二度と思い出したくない。でも……」と、被爆した女性部員が重い口を開いてくれた▼爆心地から3キロの場所で被爆。人々がずるむけた皮膚をぶら下げながら歩く光景は、地獄のようだった。最後に婦人は「平和が一番ですよ」と。その心を知った彼は感想を記した。「平和のために、自分自身が変わっていこうと思います」。婦人の証言と彼の感想は『75——未来へつなぐヒロシマの心』(第三文明社)に収録されている▼未来に希望を託すため、慟哭の記憶と向き合った被爆者。一枚の絵、一つの言葉に込められた思いを「想像」することが、新たな自身を「創造」する力となる。心が変われば、時代を超えて平和への誓いは生き続ける。

寸鉄 2021年8月12日
法華経を信ずる人は幸いを万里の外より集むべし—御書。題目の人は強し
教育本部原点の日。未来の宝育む友の使命は大。どこまでも子の幸福願い
学会は平和求める民衆の連帯を対話で広げてきた—学長。草の根運動益々
世界の気温上昇、想定より10年前倒しと。人類の協調と取り組み加速更に
花火でのやけどに注意。消毒液使用直後は引火の恐れも。互いに声掛けを

☆「世界を照らす太陽の仏法」に学ぶ 第10回 挑戦と応戦
◇聖人御難事
『彼のあつわらの愚癡の者ども・いゐはげまして・をどす事なかれ、彼等にはただ一えんにおもい切れ・よからんは不思議わるからんは一定とをもへ、ひだるしとをもわば餓鬼道ををしへよ、さむしといわば八かん地獄ををしへよ、をそろししと・いわばたかにあへるきじねこにあえるねずみを他人とをもう事なかれ』(御書1190ページ18行目〜1191ページ2行目)

◇池田先生の講義から
妙法を正しく実践すれば、難が起きます。だが、広布ゆえの大難は、成仏という境涯を勝ち取るためである。(中略)
功徳は、さまざまな形で表れます。その時には理不尽としか思えない試練でも、後になってみれば、それが幸福の道を開く契機となっている場合もある。絶体絶命の窮地に思えても、強盛なる信心に立てば、それによって真実の大功徳をつかむことができる。この甚深の法理を大聖人は教えられているのです。
◆◇◆
状況がどうあれ、怯まない。自ら決めた道を断じて進む。この強き一念の信心に立つとき、無限の智慧と勇気がわき、一切の勝利が切り開かれていく。悩みや宿命を、断固として転換できるのです。
◆◇◆
苦難が、自身を成長させるのです。宿命を転換し、幸福と勝利の大空ヘと自身を上昇させていく「向かい風」になるのです。
◆◇◆
新たな「時」が来ました。
「師子王の仏法」を世界が待っています。
「創価の師弟」の本舞台の開幕です。
さあ、一人一人が、いやまして「師子王の心」を取り出し、幸福と勝利の師弟の大陣列を、さらに強く、さらに大きく、さらに重層的に、威風も堂々と築き上げていこうではありませんか!
(「大白蓮華」2015年11月号から)

広崎 高司 総兵庫長
◇強盛な信心で常勝の大陣列を!
兵庫が勝てば 関西が勝つ!
関西が勝てば 世界が勝つ!

かつて池田先生が兵庫に贈ってくださった万感込もる長編詩の一節です。
1991年(平成3年)10月15日、先生が開館間もない兵庫池田文化会館を初訪問されました。
翌16日の兵庫県総会で、先生は、「聖人御難事」の一節を拝し、人間の真価は苦難の中で明らかになることを教えてくださいました。
以来、本年で30周年となる10・15「兵庫の日」の佳節を、立正安国の凱歌で勝ち飾るべく、どのような状況となっても、強き信心の一念に立つことを教えられた、先生の講義を胸に刻み、勇んで打って出てまいりましょう。

◇最悪の状況の中で
「聖人御難事」は、「熱原の法難」の渦中に認められました。権力の不当な迫害と戦う農民門下に対し、決定した信心を貫くよう、最大の激励がつづられています。
先生は本抄の講義の中で、「絶体絶命の窮地に思えても、強盛なる信心に立てば、それによって真実の大功徳をつかむことができる」と記されています。
困難な戦いの中でこそ、深い信心の原点を築くことができる。そのことを教えていただいたのが、阪神・淡路大震災での救援活動でした。
1995年(平成7年)1月17日。あの日の朝に見た光景は忘れられません。道の真ん中に倒れた高層マンション。ガラスが割れて、くの字に曲がったビル。道路はうねり、底の見えない亀裂がいくつも走っている。まるで映画のワンシーンのような情景の中で、兵庫池田文化会館は厳然とそびえ立っていました。
当時、兵庫県の男子部長だった私は、駆けつけてくれた男子部員と共に、混乱の中、同会館を拠点として救援物資の仕分けや発送に取り組みました。心の中では"これからどうなってしまうんや""なんで兵庫だけがこんな目に"と、さまざまな思いが交錯していました。
発災から2日目の朝だったと記憶しています。
幹部の方から、池田先生の"できることは何でもしてあげたい"との、同志を思う熱き思いを伺いました。
その時、思ったのです。
"ああ、先生が兵庫の同志と一緒に戦ってくださっている。これで絶対に勝ち越えられる!"と。
一気に視界が開けるような思いでした。以来、関西をはじめ、全国・全世界の同志から応援をいただきながら、救援活動に当たりました。
当時はただ無我夢中で復興のために動いていましたが、今思い返すと、最悪の状況の中で、峻厳な師弟の魂を生命の奥底に刻み込ませていただいたのだと思います。
いかなる状況にあろうとも、師弟不二の一念さえあれば、必ず勝利を開いていけると確信します。

◇真髄の生き方
日蓮大聖人は、「聖人御難事」の中で、「各各師子王の心を取り出して」(御書1190ページ)、「月月・日日につより給へ・すこしもたゆむ心あらば魔たよりをうべし」(同)と仰せです。
コロナ禍の今、世界中の同志が師子王の心を取り出し、不屈の信心で試練に立ち向かっています。
世界の同志と共に、励ましの絆を強めながら、立正安国・立正安世界の実現へ、さらに力強く進んでいきたい。
講義ではさらに、「厳しい試練が襲い来るたびに、『自分が強くなるチャンスだ!』と、喜び勇んで立ち向かっていく——これが学会精神です。仏法の真髄の生き方です」と教えてくださっています。
この「真髄の生き方」を一人一人が体現していく時は今です。
"環境が人間に試練を与える時、その挑戦に屈服せず、雄々しく応戦しゆく、たくましき社会から、新しい文明が生み出される"——震災の年の10月、世界中の同志が神戸に集って開催された「21世紀兵庫希望総会」で、池田先生が教えてくださった、トインビー博士の洞察です。
環境が変化を続けるからこそ、題目を根本に、変化に翻弄されない生命力を満々とたたえることが大切です。そして、縁する友と絆を結び、強めていく。そうやって不屈の挑戦を貫く時、一人一人が人間革命し、自身の宿命転換を成し遂げ、かつてない新たな広布と立正安国の勝利が築かれると確信します。
さあ、「仏縁拡大の夏」です。
「『常勝』とは、苦難に屈せず、逆境に打ち勝ち続ける生命に輝く栄冠である」との兵庫に対する師匠の熱きご期待に応え、どんな困難にも喜び勇んで立ち向かい、新たな常勝のドラマをつづってまいりましょう!

◇メモ
「聖人御難事」では、苦境に置かれた門下に対し、大聖人のように、「師子王の心」を取り出し、月々日々に強盛な信心を貫いていくよう励まされている。