2021年6月17日木曜日

2021.06.17 わが友に贈る

何のために生きるのか。
広布の使命を自覚すれば
無限の力が湧き上がる。
地涌の誇りを分かち合う
信心の励ましを共に!

四信五品抄 P342
『罰を以て徳を推するに我が門人等は福過十号疑い無き者なり』

【通解】
一国の仏罰の厳しさをもって、われらの功徳の大きさを推察すれば、わが門下の人々が「十の尊称をもっておられる仏を供養するよりも、はるかに勝る福徳」を得ることは疑いない。

名字の言 「威服」ではなく「心服」させる 2021年6月17日
三国志に「七縦七擒」という言葉がある。諸葛孔明が反乱軍と戦い、敵将の孟獲を7回捕らえるが、そのたびに釈放。ついに孟獲は釈放されても孔明のもとを去らなかった――▼この故事から、相手を本当に従えるには心服させなければならないという意味に使われる。牧口常三郎先生は大著『人生地理学』で、権威をもって従わせる「威服」ではなく「心服」させる時代の到来を見つめていた▼法華経に説かれる「六難九易」。仏の滅後に法華経を受持し弘通することの困難さを、六つの難しいことと九つの易しいことを比べて示す。九易の一例を挙げると、枯れ草を背負って大火に入っても焼けないこと。無理難題だが、それよりも友の幸福を願って正しい教えを語り、相手の心を動かしていくことの方が難しい▼確かに至難だが、心は必ず変化する。相手の心を動かすのは、こちらの大誠実であり、相手を思う真心の対話である。そして、「一人」の心を動かすことが「万人」の心を動かすことになる。世界192カ国・地域に広がった創価の希望の連帯は、その証しにほかならない▼御聖訓に「一は万が母」(御書498ページ)と。私たちが「一対一の対話」を重ねた分だけ、広布の勢いは加速する。

寸鉄 2021年6月17日
肉声こそ最大の言論じゃないか―戸田先生。友の心揺さぶる信念の声強く
足立が反転攻勢!庶民の王者の底力示す時は今。断固攻め抜き勝ち鬨を!
北区の友が渾身の拡大戦執念で押し捲り大金星を堂々の凱旋を総立ちで!
茨城の日。立正安国の祈り深く前進。敢闘精神を発揮し正義の対話に全力
信号機ない横断歩道での事故注意。歩行者優先の運転を。思いやり忘れず

〈社説〉 2021・6・17 「人と会う」ことが持つ力
◇心に火ともす全人格的関わり
オンラインでの会議やリモートワークなど、コロナ禍にあって仕事の形態は大きく変わった。地方創生や働き方改革の観点からも、場所を問わずに仕事が進められる利点は大きい。一方で「会話の間合いが合わない」「一体感を抱きづらい」という声も少なくない。
仕事で高い業績を上げるチームには、どんな共通点があるのか――そんな視点から数多くの職種を分析した研究によると、高い業績を上げるチームでは、メンバー間に5~10分程度の短い会話が頻繁に起こる。また会話中、うなずきや身ぶり手ぶりで互いの体がよく動くのも特徴だという(矢野和男著『予測不能の時代』草思社)。
短い雑談や身ぶり手ぶりを交えるやりとりは、オンラインでは起こりづらい。一体感の薄さや会話の間合いへの違和感は、コミュニケーションにおいて、情報以外の伝達も大切であることの証左だ。
コロナ禍の中、これまで私たちは、感染症対策を徹底した上での訪問・激励や、オンラインを併用した活動の模索など、創意工夫を重ねてきた。"広布の歩みを止めてなるものか"との挑戦を通じてあらためて気付かされたのは「人が人と会う」ことが持つ、圧倒的な力だったのではないだろうか。
作家の佐藤優氏は著書で"生き方は、単なる知識ではなく、全人格的な関わりを通じて、初めて伝えられる"との池田先生の指針を紹介している(『地球時代の哲学』潮新書)。誰かに会う時、私たちは無意識に相手の表情や、一挙手一投足から思いをくみ取り、互いに敬意を届け、感動を分かち合う。再会までの相手の人生を想像することもあろう。会うこと、生命に触れることは、それだけで言葉を超える何かを伝える。それゆえに、心から理解し合える友情を育むような"全人格的交流"の発火点ともなるのだ。
「苦悩し、呻吟する庶民の心に、誰が希望の光を注ぐのか。誰が勇気の火をともすのか――その使命を担ってきたのが創価学会である」(小説『新・人間革命』第26巻)と池田先生は綴っている。
その使命に生きる時、いつの時代も私たちは「人と会う」ことを真っ先に思い浮かべる。人の心に火をともすのは人なのだ。人との身体的距離が広がり、心の触れ合いさえも失いかねない今こそ、自他共の心を変革する「会う」ことの力を、もう一度思い返したい。

☆誓いをつなぐ 第5回 兵庫・中央神戸総県
◇戦おう! 幸福になるために
屛風のような六甲の山並みが瀬戸内海に迫り、その間を帯のように、神戸の市街地が東西に伸びる。古来、ここは大輪田泊や福原京など、貿易の拠点や政治の中心地であり、近代以降、アジア有数の貿易港、西洋文化の玄関口として発展を遂げてきた。
中央神戸総県(大野木総県長、藤本女性部長)の広布の舞台は、市の中央と北部に位置する3区。兵庫総区、神戸北総区、長田総区である。
池田先生が神戸を初めて会合で訪れたのは1957年(昭和32年)3月16日。
以来、この港町を舞台に、幾たびも励ましのドラマが刻まれてきた。
66年(同41年)9月3日、市内で行われた記念撮影会。9000人の参加者との二十数回に及ぶ撮影だったが、先生は一回一回、マイクを手に取って励ました。その真情を後につづった。
「焦点は、同志一人ひとりである。私と一対一の、師弟の歴史を、決意の原点を、どれだけ一人ひとりの同志につくり、生命に残してあげられるかである。私は真剣であった。その一回一回、その一瞬一瞬、渾身の励ましを送り続けた」
"一対一の師弟の絆"――ここに関西の誇りがあり、神戸の魂がある。

◇長田文化会館へ
とりわけ、中央神戸総県の友が原点とする、忘れ得ぬ歴史がある。2000年(平成12年)2月29日。池田先生が長田文化会館を訪れた一日である。
香港への平和旅から、そのまま21日に大阪入りした池田先生は、続いて兵庫を訪問。名誉学位記の授与式や本部幹部会等に臨んだ。29日は、諸行事の最終日に当たっていた。
先生が、当初は予定になかった長田文化会館を訪れたのは午後3時半。そこには、婦人部の友が一連の行事の無事故・成功を祈念しようと集まっていた。
突然の訪問に驚き、沸き立つ同志に、先生は語り掛けた。「本当に大変でした。よくがんばってくださいました」
――さかのぼること5年。1995年(同7年)1月17日の阪神・淡路大震災で、最も甚大な被害にあった地域の一つが長田区であった。
先生は発災直後、兵庫の幹部に「リーダーが嘆いてはいけない」「最前線で激励するのだ」と伝言。海外訪問の出発を延期し、激励の指示を次々と送った。
師の励ましに奮起した同志は、自ら被災しながらも、救援物資の運搬に奔走するなど、不眠不休の救援活動を展開した。長田文化会館も発災直後から避難者を受け入れ、文字通り地域の「安心の灯台」となってきた。

◇大形京子さん
"あの長田に先生が"――感動が電撃のように全兵庫、いな全関西を駆け巡った。
当時、区の婦人部長として先生を迎えたのが大形京子さん(総県副女性部長)。
60年(昭和35年)、リウマチを患っていた母と共に入会した大形さんは70年(同45年)11月、教育部員として参加した神奈川研修道場での会合で、先生から直接、激励を受けていた。
「結婚したばかりだった私に、『夫婦共に信心を貫かなければ、君自身が苦労するよ』と厳愛のご指導でした。その言葉を指針として、夫婦で広布に歩んできました」
97年(平成9年)、長田区の婦人部長となり折伏に力走。復興への歩みの中、区で"ブロック1"の弘教も果たした。夫の好道さん(故人)は当時、副支部長として奮闘。5人の子どもも皆、後継の道を進んだ。
長田文化会館の3階へ階段を上る途中、先生は大形さんに言った。「御主人の役職は何になったの?」
30年前のことを覚えていたのである。
大形さんは「激務の合間を縫っての激励行の中で、ここまで一人のことに心を砕かれる先生のご慈愛に、感動が込み上げました」と振り返る。
あれから21年。師に直接、教えてもらった「一人を励ます」実践を続け、地域では自治会役員として信頼を広げる。「いくつになっても広布一筋で、苦しむ人々を救い続けます」

◇前田満晴さん
67年(昭和42年)3月29日、先生は六甲・有馬を車で訪問。「神戸北総区原点の日」となっている。
先生が魂魄をとどめた北区で活動する前田満晴さん(総区男子部書記長)は"学会2世"。両親ともに「重症筋無力症」と闘いながら、幼い満晴さんを連れて折伏に歩いた。
2007年(平成19年)10月、前田さんは第2回全国青年部幹部会に参加し、初めて先生との原点を刻む。感動を胸に仏法対話に挑戦し、翌月、弘教を実らせた。
仕事で行き詰まり、挫折を味わった時も、100万遍の題目に挑み、弘教を達成する中で、今の職場である障害者支援施設に再就職を果たす。
結婚後の妻の流産など、家族の宿命も題目と折伏で乗り越えてきた。「広布のため、先生のためにという誓願の祈りの偉大さを確信できました」
現在は施設でフロアリーダーを務め信頼を広げる。広布の庭では年間400回以上の訪問・激励を実践。一軒一軒のメンバーとの対話をノートに書き留め、徹底して友に寄り添う。
「常勝の誇りを胸に、師匠に応える新たな拡大の歴史を築きます!」

◇一緒に生きよう
震災復興のシンボル「鉄人28号」のモニュメント(神戸市長田区)
「湊川はどっち?」
2000年2月29日、長田文化会館3階の「常勝の間」に入った先生は、居合わせた友に聞いた。
湊川は楠木正成が最後の決戦に臨んだ地。正成の像は兵庫区の湊川公園に立つ。現在の新湊川は同会館のすぐ東を流れている。
正成と正行。父子の魂の継承をうたった"大楠公"は、恩師・戸田城聖先生が格別に愛し、青年に歌わせた思い出の曲である。
ピアノに向かった先生は、この曲を奏で始めた。
ゆったりと、しかし力強い響き。会場にはいつしか100人ほどの同志が駆け付けていた。
苦難を越えてきた友に、先生は語った。
「人生は戦いです。幸福になるための戦いです」
「どうか朗らかに! 朗らかな人には、だれもかなわない。そして忍耐をもって生き抜いていただきたい。一緒に人生を生きましょう!」
あの旋律、あの慈愛の声を思えば、限りない勇気が湧いてくる。
「先生と関西」の絆とは、すなわち「先生と私」の絆。こう決めた中央神戸の陣列から、新たな「常勝」の歴史は開かれる。

☆御書の旭光を 第35回 団結こそ無敵の力
〈御文〉
『今日蓮等の類南無妙法蓮華経と唱え奉る者は皆地涌の流類なり』(御義口伝、751ページ)

〈通解〉
今、日蓮とその弟子のように、南無妙法蓮華経と唱える者は、全て地涌の菩薩の流類なのである。

〈池田先生が贈る指針〉
創価の同志は、一人も残らず、偉大な使命を帯びて躍り出た地涌の菩薩だ。御本仏直系の我らの団結は、無敵の力で万事を成ずる。
この異体同心の要こそ経験豊かな副役職の宝友である。共に広布を誓い、不思議な宿縁で結ばれている。「自他彼此の心なく水魚の思を成して」、苦も楽も分かち合い、立正安国の共進を!

☆心に刻む御書 2021年の要文⑮ 三世諸仏総勘文教相廃立
【御文】
『言と云うは心の思いを響かして声を顕すを云うなり』(三世諸仏総勘文教相廃立、563ページ)

【通解】
言葉というのは心の思いを響かせて、声に表したものをいうのである。

【池田先生の指針】
リーダーは、いかなる状況にあっても、富士のごとく雄大な心で、晴れ晴れと胸を張って、同志を包み、励ましていってもらいたい。
話し方ひとつとっても、若々しく、歌を歌うような、生き生きとした声で語るのだ。心のこもった声は必ず、相手の胸に入る。
(中略)
決して、一方的であってはならない。
「いい話が聞けてよかったな」と、皆が満足し、清新な決意で出発できるような工夫をお願いしたい。
(聖教新聞2009年12月4日付、代表幹部協議会での池田先生のスピーチ)