2020年8月26日水曜日

2020.08.26 わが友に贈る

「全員が使命の人なり!」
そう決めて祈っていけば
皆の長所も見えてくる。
新しい人材の活躍こそ
新時代を開く鍵だ!

富木殿御返事 P978
『若し悩乱する者は頭七分に破れ供養すること有らん者は福十号に過ぐ』

【通解】
もし悩まし乱す者は頭が七つに破れ、供養する者は福徳が仏に供養するよりもまさる。

名字の言 キング博士の「夢」と創価の「地球民族主義」 2020年8月26日
アメリカ公民権運動の指導者キング博士が「ワシントン大行進」で歴史的演説を行ったのは、1963年8月のこと▼演説の有名な一節がある。「私には夢がある。それは、いつの日か……かつて奴隷だった人の子孫と、奴隷の主だった人の子孫が、兄弟として同じテーブルに座るようになること」。57年の時を経た今、博士の「夢」はどれだけかなっただろう▼いまだ世界には、不信と対立の暗雲が垂れ込めている。パグウォッシュ会議のスワミナサン元会長は警告した。「若い人の心の中に、早い段階で"憎悪の種"が植えられてしまえば、それが増幅され、暴力の実行者となってしまう」。ゆえに元会長は、世界規模で青年たちの心に"信頼と友情の種"をまき、兄弟・姉妹のように結び付ける池田先生のリーダーシップに絶大な信頼を寄せてきた▼SGIでは、紛争の絶えない地域の出身者同士が、同じ場所で平和を祈ることもある。その事実を知り、驚嘆する識者も多い▼「人間を信じる」——口にするのは簡単だが、この姿勢を貫くのは難しい。しかし、思想・宗教、国家、民族などあらゆる差異を超えて心を結ぶ哲理と行動が、今ほど求められている時はない。「地球民族主義」を掲げて進む私たちの使命は大きい。(実)

寸鉄 2020年8月26日
学会員の振る舞いに心の深さ感じる—日本の学者混迷の世に励ましの光を
きょう北陸の日。さあ皆で一歩前進の希望拡大!誓願に生きる同志は強し
未来部の各種コンクールの締切迫る。関わった分だけ成長。最後まで応援
教学は分かる事よりも変わる事—恩師。学生部よこの決意で実力試験へ!
喉が渇く前に水分補給—これ脱水症の防止法と。健康も活動も先手必勝で

☆忘れ得ぬ旅 太陽の心で 第7回 ボストン
月刊誌「パンプキン」誌上の池田先生の連載エッセー「忘れ得ぬ旅 太陽の心で」を紹介する本企画。今回は「ボストン——未来を開く"学の都"」〈2012年10月号〉を掲載する(潮出版社刊の同名のエッセー集から抜粋)。アメリカ独立運動の起点ともなったボストンは、多くの名門学府が並び立ち、人類の未来を創り開く俊英を陸続と生み出してきた。そこに脈打つ朗らかな楽観主義の精神に学び、「今から」「今いる場所から」「自分から」新たな社会を創造しゆく挑戦を開始していきたい。

おお!
なんという爽やかな青空
なんという眩き太陽の光
なんという鮮やかな緑の森

生きとし生けるすべてが
生まれ変わったような
新鮮な朝——

初めてアメリカ東海岸のボストンを訪れた一九九一年の秋。私は、朝の喜びから始まる詩を詠み、友に贈りました。
朝の光には、万物を蘇らせる奇跡の力が秘められています。人間にとって、学ぶことは、朝の光のように、魂に夜明けをもたらす蘇生の力を持っています。
まさしく「学は光」「学は太陽」なのです。
この清新なる知性の光彩に満ちた"学の都"こそ、ボストンと言ってよいでしょう。

市内にはボストン大学、マサチューセッツ大学、近郊にはハーバード大学、マサチューセッツ工科大学、タフツ大学など、名門学府が並び立っています。ここから、何人もの大統領が躍り出て、ノーベル賞受賞の大学者も陸続と誕生してきました。
世界より英才が集い来たり、学び鍛えて、再び世界へと舞い飛ぶ。ボストンは、ダイナミックに躍動する人材の城として、人類の未来を創り開く俊英を生み出し続けています。
ボストン生まれのケネディ大統領は、折々に語っていました。
「真に幸福な人々とは平和をつくる人である」「いくら歳をとっていても、逆にどんなに若くても、私たちはみな、世の中の役に立てるはずだ」と。
ボストンには、賢明に、はつらつと、幸福と平和の連帯を広げゆく友がたくさんいます。

◇力を合わせて
〈池田先生はここで、2度目のハーバード大学講演にまつわる思い出を述懐。また、アメリカの知性のリーダーたちとの交友を通し、調和を生み出す「開かれた対話」で、今いる場所から「平和の文化」の創造へ出発しようと呼び掛ける〉

一九九三年の九月、ハーバード大学での二度目の講演に臨む前日、私は、ケネディ大統領の生家を訪問して在りし日を偲びました。
さらに、その近隣で、地域のリーダーとして活躍されている方のご自宅におじゃまして、友人やお子さんと楽しく談笑し、"自らの地域を、世界一、幸福な地域に!"と念願しました。
尊き友らは「積極的な挑戦」を合言葉に、生命尊厳の哲学を学び合いながら、仲良き社会貢献のスクラムで前進されています。
自分の生きる地域の共同体を、皆で対話し、力を合わせて、より善くする。ここに、アメリカに脈打ってきた民主主義の息吹があります。

目と耳と口の三重苦の障がいに屈せず、ハーバード大学ラドクリフ・カレッジで学び、福祉事業家として活躍したヘレン・ケラーは、「失敗は一生の充実を勝ち誇る勝利の証拠である」との信念を大事にしました。
何ごとにも断じて絶望することなく、たくましく道を切り開く、アメリカ精神の朗らかな楽観主義を、私は深く愛する一人です。
私は、ハーバード大学の隣接地に、平和研究機関の「ボストン二十一世紀センター」(現・池田国際対話センター)を創立しました。モットーとして「世界市民のネットワークの要たれ」「『文明の対話』の懸け橋たれ」「『生命の世紀』を照らす灯台たれ」と掲げました。
異なるものを結び、虹のような調和を生み出す原動力は、「開かれた対話」でありましょう。
その初代のリーダーの女性は、カーター政権時代、ホワイトハウスで公共政策を担当した知性です。「差異を認めるだけでなく、差異を讃え合う」という心で、世界一級の知性のネットワークを築き、今も颯爽と、平和のための英知の声を結集してくれています。
結局、人間を結ぶものは、人間です。ゆえに誠実な人格こそ、平和の柱なのです。
この女性が深い友好を培った一人が、ボストン郊外に在住の「平和研究の母」エリース・ボールディング博士でした。博士が亡くなる前、彼女に託すように語られた言葉があります。
「平和の文化は、放っておいては実現しません。自分がつくらなければ。一緒にやるのです」
「私たちが今いる場所からスタートするのです」
「私たちは"今"から逃げることはできません」
「あなた自身が、あなたが学んだことの実現でなければいけません。歩みを止めないで! 自身がやっていることに喜びを持って!」
「今から」「今いる場所から」「自分から」、喜び勇んで行動を起こしていく。ここに「平和の文化」を創造していく出発があると言えましょう。

◇自分を信じる
〈結びに池田先生は、新しい一日を、あせらず、また怠らず、自分自身の偉大な力を引き出す、挑戦と開拓の日々にと念願。日常の生活という最高の"学びのキャンパス"で、社会のために行動する人生の尊さを述べた〉

ボストン市庁舎を訪れ、首脳や市民の代表にご挨拶した時、私は、ボストンを故郷とする思想家エマソンへの敬愛の心を申し上げました。
エマソンは「自分自身を信ずることだ」と呼びかけています。また、「私たちの内部には、みずからそれと知らない、いいものが沢山ひそんでいる」というのです。
人間生命に秘められた、偉大な力を引き出す。
私たちの一日一日は、この勇敢な挑戦であり、冒険であり、開拓であると言えるかもしれません。その翼こそ、他者との交流のなかで学ぶことであり、社会のために行動することではないでしょうか。
現実の世界、日常の生活が、"学びのキャンパス"であり、"行動の広場"であることを、ボストンは今朝も清々しい光とともに、私たちに語りかけてくれています。
なごりの尽きないアメリカ訪問を終えるに当たり、私は感謝を込めて友に贈りました。

皆さまの
真心嬉しく
  帰国せむ
 昇れ人生!
  昇れアメリカ!

(『忘れ得ぬ旅 太陽の心で』第1巻所収)

※ケネディ大統領の言葉は『ケネディの信念』ニコラス・シュナイダー編、A・マタイス/粕谷友介訳(桂書房)、『勇気ある人々』宮本喜一訳(英治出版)。ヘレン・ケラーは『私の住む世界』岩橋武夫/遠藤貞吉共訳、岩橋武夫監修『ヘレン・ケラー全集』所収(三省堂、現代表記に改めた)。エマソンは『エマソン選集2 精神について』入江勇起男訳(日本教文社)、『エマソン選集3 生活について』小泉一郎訳(同)。