◇今週のことば
足どり軽く友のもとへ!
これが広布の王道なり。
「仏種は縁に従って起る」
快活に語り合い
仏縁も境涯も拡大を!
2016年05月09日
下山御消息 P349
『余法華経の第五の巻の勧持品を拝見したてまつれば末代に入りて法華経の大怨敵三類あるべし其の第三の強敵は此の者かと見畢んぬ、便宜あらば国敵をせめて彼れが大慢を倒して仏法の威験をあらはさんと思う』
☆四季の語らい
立派な生き方とは何か。第一に、今の信念の心を一生涯、変えないことである。どんなに、いい条件であっても、悪い条件であっても、我が道をまっすぐに歩むことである。背伸びする必要もないし、何があっても恐れる必要もない。状況に紛動されてはならない。
☆女性に贈ることば 五月九日
世間では、富や名声をもつ人ばかりが、もてはやされがちだ。しかし、本当の人間の価値とは、物質的な豊かさや名声のなかにあるのではない。
もちろん、誰もが裕福で、健康であってほしい。しかし、心の豊かさにこそ、最高の価値があることを忘れてはなるまい。
☆今日のことば365 五月九日
青春時代の友情は、ある意味で、恋愛の序曲であり、自らも人格を傾けるし、相手にも全人格的信頼を期待する。人間の尊さを知る上での貴重な一歩であり、それ自体は、かりにはかなく消えても、その経験は、一生を左右するほどのものである。真実の友情の経験をもたない人は、人間として不具となるといっても、私は、決して言いすぎではなかろうと思う。
☆5・3「創価学会の日」記念特集〈上〉
5・3「創価学会の日」を記念し、本紙では3回にわたり特集を行う。第1回は、ハーバード大学名誉教授で、著名な文化人類学者のヌール・ヤーマン博士にインタビュー。半世紀以上にわたり対話の力で人々を結んできた池田SGI会長の行動と、世界宗教として飛翔するSGIの運動の意義を聞いた。
——池田SGI会長はこれまで、世界規模で平和・文化・教育への貢献を続けてきました。その一つに、海外の大学・学術機関で行った32回の講演があります。博士はハーバード大学で文化人類学部長を務めていた1993年9月、SGI会長を招へいし、同大学での2度目の講演(「21世紀文明と大乗仏教」)の実現に尽力されました。
ヤーマン博士 当時、池田会長はすでに、世界の多くの知識人と対談をされていました。あれほど異なる思想家たちと語り合うことができる人物は、池田会長をおいてほかにいませんでした。
ゆえに私は、会長を再びわが大学に招待し、仏教が未来に果たす役割について伺いたいと考えたのです。事実、講演は深い思慮に富み、聴衆の胸を打つものでした。
ここで忘れてはならないのは、当時は創価学会が日蓮正宗と離別した直後であったということです。〈91年11月、宗門は学会に対し「破門通告書」を送付してきた〉
SGIが志向するヒューマニズム(人間主義)の確立において、転換点の時期であったといえます。
SGIが権威の鎖から解放され、完全な在家の団体へと発展を遂げたことは大きな意義を持つものです。私は2500年の仏教史における、新たなページの幕開けであったと思っています。その重要性は、時を経るごとに増していくでしょう。
——93年は、サミュエル・ハンチントン博士の「文明の衝突」論が国際社会を席巻していました。そうした状況下で、SGI会長が仏法の英知に光を当てた意義を、どうお考えですか。
博士 池田会長は、人類が争いや対立を避けねばならないことを明確に示しました。当時のアメリカの指導者たちが、その講演を聞かなかったことを誠に残念に思います。
「文明の衝突」論の影響もあり、社会には好戦的な雰囲気が生まれました。アメリカは後にアフガニスタンやイラクで武力を行使しましたが、その影響は今も残っています。中東の国々を破壊し、新たなイスラム過激組織の出現を招いたのです。
もしあの時、アメリカの指導者たちが池田会長の講演に真剣に耳を傾けていれば、こうした事態は避けられたかもしれません。現在の世界の状況を見るにつけ、会長が講演で語った、開かれた心による文明間対話がいよいよ大切になっているのです。
相手に耳を傾け、対話する努力を失ってしまえば、人間はいとも簡単に暴力の方向へと進んでしまいます。そして暴力は、新たな暴力の原因となります。
ガンジーが言ったように、目的は手段を正当化するのではなく、使用された手段こそが、達成された目的の性質を決定づけるものなのです。
◇比類なき業績
——SGI会長はヤーマン博士をはじめ、異なる文化や宗教を背景に持つ識者と対話を重ねてきました。
博士 池田会長ほど宗教間対話を実践してきた人物は、世界に類を見ないでしょう。各分野の巨人たちと、人類が直面する諸問題について語り合ってきた功績は大きい。
その中でも私は、イラン出身のテヘラニアン氏との対談を高く評価しています。国際社会で今、存在感を増すイランの知識人との語らいは他に例を見ないものであり、そこに先見性を感じるのです。
私自身、池田会長との出会いを通して、会長の聡明さと崇高な目的観、そして強靭な意志に感銘を受けた一人です。驚くべきは、偉大な知性の人である池田会長が、SGIという世界的な団体を自らの生涯のうちに築きあげたことです。
優れた知性と開かれた心に、これほど世界規模の行動が伴うのは、極めてまれなことです。
——SGI会長は教育を「最後の事業」と語り、創価教育の学舎を各地に創立しました。博士はこれまで、日本の創価学園や創価大学、アメリカ創価大学を訪問し、学生たちと交流されました。
博士 真に平和を目指すのであれば、そのプロセスは教育に基づくものでなくてはなりません。私は創価学会が、教育団体として出発した点を高く評価しています。
学生たちとの交流は心温まるものでした。創価学園では、生徒が流暢な英語で質問してくれましたが、とても知的で啓発に満ちたものであったのを覚えています。
創価の学舎には、対話の気風があふれていました。対話が平和建設に不可欠であることは、歴史を見ても明らかです。争い合っている相手にも怒りや憎しみの理由があり、それに国家のリーダーが耳を傾けていれば、20世紀の戦争の歴史は、違うものになっていたはずです。
私は、池田会長の世界への貢献は「対話」「平和」「核兵器廃絶」の3つの分野に顕著であると考えますが、創価の学舎には、その精神がはっきりと脈打っています。
教育それ自体が、今日のテロリズムをはじめとする暴力に対する、最も確かで唯一の解決の方途を指し示しているといえるでしょう。
◇仏教史上の壮挙
——SGIの活動の根幹は、目の前の一人を大切にする対話の実践にほかなりません。その実践を自ら示してきた池田SGI会長のリーダーシップのもと、SGIの連帯は192カ国・地域にまで発展しました。
博士 驚くべき事例であり、仏教史における壮挙です。
日蓮正宗との決別によって、SGIは、より民衆に開かれた団体となりました。伝統に縛られるのではなく、宗教間対話を重んじ、他の信条の人々をも包み込む存在へと発展を遂げてきたのです。
言い換えれば、たとえキリスト教徒であろうと、イスラム教徒であろうと、その人はSGIを通じて仏教を理解し、そのなかで自らの思想と仏教との共通性を見いだすことができるのです。他者から学び、自らを深めるそのプロセスは、地球規模の「教育プロジェクト」であるともいえるでしょう。
——博士は、他の宗教を尊重し、手を取り合おうと努力する世界宗教の姿を「崇高なヒューマニズム」と表現され、SGIに期待を寄せられています。
博士 ヒューマニズムは、全ての宗教が持っています。しかし同時に、どの宗教にも"部族性"は存在し、ともすれば排他的になってしまうのです。
「崇高なヒューマニズム」とは、特定の宗派を超えたヒューマニズムです。私たちは地球規模で、このヒューマニズムを高めていかねばなりません。
かつて世界には、紀元前200年から紀元後600年ごろの中央アジアなどを例として、異なる宗教が共存した時代がありました。キリスト教、仏教、イスラム、ヒンズー教などが、互いに影響を与え合っていた時代です。
しかし、やがて中央アジアでは人々や思想の交流が途絶え、シルクロードは衰退していきました。宗教の共存の時代は、植民地主義に取って変わられることになったのです。
今また、SGIの発展によって、新たな時代に至りました。それは宗教と宗教が出あいを結ぶ対話の時代、平和の時代といえます。ここにSGIの最も重要な貢献があります。
池田会長によって築かれたSGIの運動が、幾世代にもわたって発展しゆくことを念願してやみません。