新聞休刊日
御義口伝巻下 P788
『始めて我心本来の仏なりと知るを即ち大歓喜と名く所謂南無妙法蓮華経は歓喜の中の大歓喜なり』
◇希望の明日へ
「もっとも難しい勝利」とは何か。それは、"自分に勝つ"こと以外にない。試験でも何でも、"自分に勝つ"という努力をしない人が勝てるわけがない。良い成績もとれるはずがない。天才、秀才といっても、努力の結晶である。すべて"自分"で決まる。自分らしく、まっしぐらに、力をつけていくことだ。"人の三倍、五倍やろう"と決めて、努力する 生ことだ。
平3・10・18
☆四国新聞特別寄稿 中国陝西省歌舞劇院高松公演に寄せて
「人生 相知るを貴ぶ」−友情こそをかけがえのない宝とした唐の大詩人・李白の言葉です。
1300年前、シルクロード最大の世界都市・長安(現在の陝西省西安市)で、この李白たちと貴き友誼を結んだのが、遣唐留学生の阿倍仲麻呂でした。19歳で海を渡り、玄宗皇帝らの信任を得て、54年間、中国の大地に不滅の足跡を残しました。
この仲麻呂を主役として、唐王朝の最高峰の舞と調べを再現するステージが、陝西省歌舞劇院の楽舞詩「長安の月」です。
「曲は口から離れず、拳は手から離れず」を合言葉に、歌と踊りのたゆまぬ鍛錬に徹し抜いている人間芸術の粋であります。
5月より民音の招へいで始まった全国公演は好評を博し、月末は高知県、愛媛県、6月1日には香川県の県都・高松市で開催されます。四国新聞社はじめ、関係者の御尽力に厚く御礼申し上げます。
日本へ帰国の途についた仲麻呂の船の遭難を聞き、李白は慟哭し、友の高潔な人格を「明月」に替えて偲びました。それほど強く美しい心の絆が、両国の一衣帯水の歴史には輝いているのです。
今年は日中国交正常化から40年。国と国の友好といっても、人と人の信頼によって築かれます。
観音寺市出身の大平正芳元首相は、当時、外務大臣として「互いの言葉に信を置き、言葉を行為によって裏書きする」との信念で、中国側との交渉に臨まれました。
国交正常化が結実した折、周恩来総理が日本側に贈った『論語』の一節「言必ず信あり。行い必ず果たす」は、まさに大平先生たちの信義を讃えるものです。
周総理に私がお会いした1ヵ月後の昭和50年1月、大平先生と「日中平和友好条約」の早期締結について語り合った時も、お二人の深い心の共鳴が伝わってきました。
のちに首相として西安市を訪れた大平先生が、力いっぱい小旗を振って歓迎してくれた少年少女の健康で明るい笑顔こそ、日中親善と世界平和の象徴なりと強調されていたことも、忘れられません。
草の根の人間外交が光る香川では、7月にも「日中交流ウィーク」が実施されると伺いました。高松空港と上海を結ぶ定期便も好調な搭乗率を続けていると、四国新聞で報道されております。
私が知る高松市の御夫妻は、長年、中国からの留学生たちを温かく迎えて、「日本のお父さん、お母さん」と慕われてきました。「一人の青年を大切にすることは百人との友好にも通じます」と、清々しく微笑んでおられます。
時の国際情勢がどうあれ、誠実な民衆の心の往来がある限り、日中の「金の橋」は盤石です。
奇しくも、香川県は陝西省と友好提携を結ばれてきました。歌舞劇院の方々も「香川公演は、わが故郷に帰る思いで最高の舞台にします」と張り切っておられます。
千古の香しい友誼の明月に思いを馳せるとともに、万代までも照らす平和友好の旭日が昇りゆく「文化の交流」「青年の交流」をと、私は願ってやみません。
2012年5月30日