2012年6月2日土曜日

2012.06.02 わが友に贈る

誉れの地区部長
地区婦人部長の
尊き奮闘に感謝!
皆様の笑顔の前進が
広布の未来を開く!

撰時抄 P265
『法華経をひろむる者は日本国の一切衆生の父母なり章安大師云く「彼が為に悪を除くは即ち是れ彼が親なり」等云云、されば日蓮は当帝の父母念仏者禅衆真言師等が師範なり又主君なり』

◇希望の明日へ
何の分野であれ、"一流"への道は、甘いものではない。他の人も真剣である。ぎりぎりまで努力している。しかも、他の人と同じ程度のことをしていたのでは、成功はおぼつかない。「心血、人の千倍」−−私は、ある芸術家に、こう書いて激励しようとしたことさえある。ともあれ、"超一流"の実証とは、つねに人々が想像もつかないほどの心血を注ぎゆく、努力と鍛えの結晶以外にはありえない。
昭63・4・22

☆アメリカ創価大学 第8回卒業式へメッセージ
一、わが生命の無上の宝である、アメリカ創価大学の8期生の皆さん!
そして、大学院生の皆さん!
栄光と勝利と希望の卒業式、誠におめでとうございます。
4年前、私は8期生の皆さんの入学に際して、東洋では古来、「八」には「開く」という意義があることを紹介しました。
皆さんは、「世界市民のリーダー」の揺藍たる、このキャンパスで、本当によく学び抜いて、多様性豊かなリベラルアーツ(一般教養)教育の伝統を、さらに広々と、さらに晴れ晴れと、未来へ開いてくれました。
SUAの輝く「第2の10年」の開幕を見事に告げてくれた、わが8期生の皆さんに、私は創立者として最大の感謝を申し上げます。
送り出してくださった、ご家族の方々、支えてくださった、ご友人の方々にも、心よりお喜びを申し上げます。
また、学生たちを、わが子の如く慈しみ、育ててくださった教員・職員の方々に、厚く御礼を申し上げます。
さらに、大切な後輩たちの祝福に遠路をいとわず駆けつけてくれた卒業生の皆さん、そして新時代の建設を担う在学生の皆さん、本当にありがとう!

一、はつらつたる8期生の新出発にあたり、私はまず−−「誇り高く栄光の航路を切り開け!」と申し上げたい。
きょう、皆さんは、大好きな母校を巣立ちます。しかし、いずこに羽ばたこうとも、皆さんはアメリカ創価大学と一体です。いついかなる時も、母校は、皆さんに最大のエールを強く熱く送り続けております。
早いもので、英国の大歴史学者のトインビー博士と私が、人類の未来を展望して対談を開始してより、この5月で40年となります。
博士とベロニカ夫人も、それぞれに青春時代に学んだ母校を一生涯、大切にされていた麗しい姿が、私には、懐かしく思い起こされます。
博士との連日の対談の合間を縫って、私と妻がケンブリッジ大学に伺うと、その翌日、ベロニカ夫人は満面の笑みで迎えてくださり、「私の母校を訪問してくださったことを、心より感謝申し上げます」と言われたのであります。
トインビー博士は、パブリックスクールの母校ウィンチェスター校から「私は生涯の宝を三つもらって出た」と語っておられました(山口光朔・増田英夫共訳『回想録I』)。
一つは、教育を授けてくれた創立の原点。一つは、尊敬と賞讃に値する恩師の存在。
そして一つは、生涯の友との親密で永続的な友情であります。
ここに、トインビー博士の不挑不屈の「探究」と「創造」の大きな支えがありました。
偉大な使命の人生航路には、それだけ激しく厳しく、試練の嵐が襲いかかってくることは、必定であります。
しかし、皆さん方には、誉れの母校という母なる魂の港があります。建学の精神という確固たる羅針盤があります。そして、良き恩師と良き学友という揺るぎない心の絆があります。
どうか、いかに荒れ狂う怒濤も断固として乗り越え、栄光の未来に向かって、前人未到の航路を切り開いていつていただきたいのであります。

一、次に申し上げたいことは、「勇気凛々と人類の心を結びゆけ!」ということであります。
本日は、ご多忙のなか、偉大な文化人類学者であり、私たちのかけがえのない友人であるヌール・ヤーマン博士が卒業生を見守ってくださり、これほどの喜びはありません。
ヤーマン博士と私は、対談集『今日の世界 明日の文明』の冒頭を、博士の故郷トルコの700年前の民衆詩人エムレの詩から開始しました。
「世界は 私の生命の支えである
世界中の人びとは
私と同じ民族なのだ」と。
この詩さながらに、世界に広々と友情を結び、多様な地球民族の調和の道を示し続けてこられたのが、ヤーマン博士であられます。
博士は語っておられました。
「これからの時代は、世界の人びとが思想、文化、習慣等の差異をこえて、心を大きく開き、人類の共通の英知であるヒューマニズムの共感のネットワークを大きく広げていくべきだと思います。まさに、それは、現代のルネサンス運動、すなわち、歴史上、世界の思想、文化がその根底において育んできた多様なヒューマニズムを、尊重しあい、共有しあうグローバルな共生運動とならなければなりません」
博士と私は、人間を偏見や排他性から開放し、全人類的な思考に高める力は「教育」にあるとの点で一致いたしました。
そして、その中でも、博士が"人類の理想を実現できるかどうかの鍵をにぎる大学"と限りない期待を寄せてくださっているのが、わがアメリカ創価大学なのであります。
この全米屈指の「多様性あるリベラルアーツ大学」に学んだ皆さんこそ、人類の未来を照らす英知の旭日であります。
「山と山は相会わず、人と人は相会う」とは、博士と私が語り合ったトルコのことわざであります。
どうか、皆さんは"開かれた心"と"開かれた知性"を、伸びやかに、また誠実に発揮しながら、世界を舞台に黄金の出会いを重ねながら、人類の心を結び合わせていただきたいのであります。

一、そして最後に、「粘り強く希望の種を蒔け! 勝利の木を植えよ!」と申し上げたい。
学問も、社会も、人生も、ある意味では、苦悩との連続闘争といえるかもしれません。思うにまかせぬ逆境に立たされた時に、どうするか。勝負は、その一念で決まるといっでも過言ではないでしょう。
私と妻の忘れ得ぬ友人で、いつの日か、アメリカ創価大学に訪問することを楽しみにされていた「アフリカの環境の母」ワンガリ・マータイ博士は、ご自身の信条として、「困難の際にも、あきらめず、何かしらの行動を起こすこと。くじけそうになったら、私はまず土を掘り、木を植えます」と語られていました。
「創価」とは、あきらめない「勇気」の異名です。ゆえに「創価」とは、無限の「希望」であります。だからこそ「創価」とは、絶対の「勝利」なのであります。
どうか、苦しい時も、つらい時も、宝の友と励まし合いながら、粘り強く、希望の種を一つ一つ蒔き、勝利の木を一本一本、植えていってください。私も、愛する君たちのために、いよいよ元気で、未来への種を蒔き、木を植え続けていく決心であります。
大切な大切な、わが卒業生が、一人ももれなく輝かしい健康と幸福と勝利の人生を飾りゆかれることを、私は妻と共に祈り抜いてまいります。

一、終わりに、私が青春時代に愛読し、恩師・戸田先生と共に語り合ったルソーの『エミール』の一節を贈り、祝福のメッセージといたします。
「勇気なくして幸福はありえず、戦いなくして徳はありえない」(樋口謹一訳、『ルソー全集第7巻』)と。
わが8期生、万歳!
わが卒業生、万歳!
わが永遠の「希望の光」の君たち、万歳!
(2012.05.29 聖教新聞掲載)