諸法実相抄 P1360
『日蓮一人はじめは南無妙法蓮華経と唱へしが、二人三人百人と次第に唱へつたふるなり、未来も又しかるべし』
◇希望の明日へ
人生には、さまざまな花がある。富の花や、名声の花に酔いしれる人も多い。権勢の花や、安逸の花に溺れる人も少なくない。しかし、それらの花は、無常の移ろいを免れることはできない。また、自己満足の閉ざされた喜びのみで消え去ってしまう場合も多い。いくら華やかであっても、虚飾に彩られたものは、決して長続きはしない。また、人生の深き価値の結実もありえない。だが、たとえ地味であっても、正しき信仰に徹していくなかで咲かせた、わが生命の花は、何物にも侵されることはない。永遠にして尊極なる成仏の境界へと、必ず実を結んでいく。三世永遠の幸福の実をつけることができる。それは、自分のみにとどまることなく、民衆の大地に、蘇生と歓喜と希望の種子を、かぎりなく蒔き、広げていくことができるのである。