リーダーの責務。
会員のため 広布のため
誠実で温かな
行動の人であれ!
千日尼御返事 P1319
『故阿仏房の聖霊は今いづくにかをはすらんと人は疑うとも法華経の明鏡をもつて其の影をうかべて候へば霊鷲山の山の中に多宝仏の宝塔の内に東むきにをはすと日蓮は見まいらせて候』
◇希望の明日へ
相撲にしても、柔・剣道にしても、万事にわたり、強敵に勝ってこそ、力も磨かれ、段もあがっていく。いわんや、何の"苦難"も"試練"もない仏道修行などありえない。さまざまな難に勝ってこそ、悪しき宿命の生命も磨かれ、成仏への大道を進むことができる。大聖人の御聖訓通りの法戦であれば、難があることはむしろ当然である。それによって成仏ができ、広宣流布が進んでいくことを思えば、何も恐れることはない。むしろ、これほどありがたいことはない。
▽「地区」こそ広布拡大の要!地区部長・婦人部長の皆様の健康と勝利祈る
☆随筆 我らの勝利の大道No.57 8月24日の誓い
六十四年前、あの最初の出会いの折、私は戸田先生に感謝を込めて、即興の一詩を捧げた。
「夜明け前の混沌に
光 もとめて
われ 進みゆく……」
プライス博士は、この詩を通し、「一つの状況から、よりよき状況へ向かおうとする明白な希望」を感じ取ってくださった。
博士は語っておられる。
「混沌を前にして不安を覚え、歩みをとめてしまうか。あるいは、未来を信じて前へと進みつづけるか──その差は、自身の可能性に対する信があるかないか、にかかっております。
さらに、善は必ず悪に勝つ、と信ずることができれば、また一歩、前進できるのです」
深く、また温かなご理解をいただき、光栄である。
法華経には、「地涌の菩薩」が登場する。
敷衍すれば、いかなる混沌の世にあっても、人間生命の可能性を信じ、正義の勝利を信じ抜いて、民衆の大地に勇んで躍り出る希望の存在といってよい。
重苦しい無力感や窮屈な閉塞感が漂う時代だからこそ、我らは地涌の生命力を呼び覚ましていくのだ。
なお、この六月には、ホイットマン生家協会のウィリアム・ウォルター会長をはじめ先生方が、この大詩人の名前を冠する尊き「文学の英雄賞」を贈ってくださった。私は、この栄誉を敬愛するアメリカをはじめ世界百九十二力国・地域の同志と分かち合わせていただきたい。ホイットマンの雄々しき獅子吼を胸に!
「試練が大きければ勝利も大きい」と。
ホイットマンが若さ弟子ホラス・トローベルに語った言葉が蘇る。
「私は、いつもは表に現れない、忘れられたような陰の人びとに、大きな尊敬の念を持っている。
結局は、そのような目立たない無名の人たちが一番偉いんだよ」
誰が見ていようが、いまいが、人のため、法のため、社会のために、尊き汗を流しながら歩き、働き、戦う。正義を叫びに叫び、一人また一人と、平和の連帯を広げていく。
その庶民に勝る「偉人」はいない。
この庶民が勝つ時代、庶民が凱歌をあげる時代こそ、ホイットマンも夢見た未来ではないだろうか。
その未来を、弟子のトローベルも、共に見つめていたに違いない。
ホイットマンは彼に全幅の信頼を寄せた。
「私はいよいよ君の若いはつらつたる肉体と精神に、私自身を任せようという心持ちになっている」
「(その重要な理由は)君が私を理解しており、単に熱心だけでなく、権威をもって私を代表してくれることを頼めるからだ」
トローベルが五十代半ばのホイットマンに初めて出会ったのは、十五歳の頃であった。そして交友を深めるにつれ、師匠の手足となって、喜び勇んで東奔西走した。さらに無数の悪口や無理解に晒され続けている師を支え、その真実を宣揚するために奮闘していったのである。
"師のために"行動することを最大の誇りとし、誉れとして──。その誠実一路の生き方は、詩人の逝去後も全く変わらなかった。