人の心に響くのは
誠意と熱意の対話だ。
自ら動いた分だけ
信頼と共感の輪が広がる。
さあ 友のもとへ!
経王御前御書 P1123
『如何に申さじと思うとも毀らん人には弥よ申し聞かすべし』
【通解】
どんなに、言うまいと思っても、妙法を毀る人には、いよいよ強く、言い聞かせなさい。
【先生の指導から】
そこに自他ともの幸福の道があると教えておられる。山越え、谷越え、歩いていくから、ハイキングはおもしろい。歩くのは大変だが、歩くから、いい景色を楽しみながら、目的地にたどり着ける。それを、飛行機でパッと行って帰っても、つまらない。人生も同じだ。仏道修行は、自分が自分らしく輝き、永遠の幸福を築く法則である。大変なようだが、苦難と戦うなかに偉大な人間になる道がある。大聖人のお言葉に間違いはない。金吾は、その仰せのままに純真な信心を貫き、大聖人に敵対する人間に立ち向かった。勇敢に、恐れなく、正義を叫びぬいた。四条金吾の名は、今も歴史に厳然と輝いている。
名字の言 墨が表現する真実の色 2022年5月7日
中国に「墨に五彩あり」という言葉がある。目に見える色は限りなくあるが、墨はあらゆる色を含んでいる、との意味という▼水墨による抽象表現で国際的に活躍した芸術家・篠田桃紅氏。107歳で亡くなるまで創作活動を続け、作品は大英博物館やニューヨークのメトロポリタン美術館などに収蔵されている▼氏は、夕日に染まる富士山の美しさを「絵の具で描き表すことは到底できない」と墨で描いた。「墨は目に見える色を、人の想像力で、心の色に置きかえることができる」「真実の色は、見たいと希う人の心のなかでしか、再び、会うことはできない」と(『一〇三歳、ひとりで生きる作法』幻冬舎文庫)▼目の前に広がる光景をどのように感じ、それをどう表現するか。同じ人が同じものを見ても心の在り方によって、描く作品に違いが生まれる。人生もまた同じだろう。苦境に立たされた時、"自分にはもう無理だ"と投げ出すのか、"よしやるぞ"と挑むのか。捉え方によって「心の色」は変わり、結果は大きく異なってこよう▼仏法では「心は工みなる画師のごとし」と説かれる。その心を磨く根本が信心だ。豊かな"心の五彩"で、人生という名のカンバスを彩り、わが栄光の名画を描きたい。
寸鉄 2022年5月7日
小さな仕事を完成できねば大きな仕事はできぬ—恩師。目前の課題に全力
中国青年部の日。正義は勝ってこそ光る。開拓の先陣を!勇敢な師子たれ
他者の幸せを願う人ほど"幸福感"が高く—研究。学会活動の正しさを証明
「手上げ横断」で事故減少と。大人も手を上げて—警察。命守る実践皆で
日本の携帯料金、世界で最安水準に。公明が推進。生活者目線の政策を更に
〈社説〉 2022・5・7 5・9「音楽隊の日」
◇試練の時代に響く希望の旋律
5月9日は「音楽隊の日」。その淵源は、1954年(昭和29年)の同日に行われた、青年部総登山での初出動にある。
池田先生の提案で音楽隊が結成されたのは同月6日。出動3日前のことだった。隊員はわずか十数人。楽器をそろえるだけでも困難を伴った。当日は激しい雨の中、番傘で楽器を守りながら、ずぶぬれになっての演奏だった。
「悪条件にひるんだら負けだ。悪条件だからこそ、成功すれば、歴史に輝く壮挙になる!」——そう闘志を燃やす奏者を前に、青年部の室長だった先生は渾身の指揮を。その学会歌の調べは参加した青年部員の士気を鼓舞した。
不屈の原点から68年。今や音楽隊は全国に100を超える楽団を擁する一大音楽集団に成長。吹奏楽、マーチング、合唱などの各種コンクールでは、幾度も全国大会で金賞、グランプリを受賞するなど、名実ともに日本一の音楽団体に発展を遂げた。
このコンクールへの挑戦を、全国に先駆けて開始したのは関西吹奏楽団だった。74年(同49年)の大阪府吹奏楽コンクールに初出場。3年後には、関西大会に出場し、全国大会まであと一歩と迫った。その後、直面したのが、79年(同54年)の池田先生の「会長辞任」の知らせだった。
同志の中に不安や戸惑いが広がる中、団員たちは歯を食いしばり、誓い合った。
"我らの勝利で、創価の偉大さを満天下に示してみせる!"
それまでにない程の猛練習を重ね、翌80年(同55年)には、音楽隊史上初めて、全日本吹奏楽コンクールに出場し金賞を受賞した。
翌年、第3回関西総会に出席した先生は、関西吹奏楽団が奏でる「嗚呼黎明は近づけり」にあわせて、扇を手に勇壮な舞を披露。その後も、各地の音楽隊が奏でる学会歌と共に、日本中・世界中に平和の連帯を広げてきた。
逆境の時こそ一歩踏み出し、試練の中で希望の光彩を放つ音楽隊の使命は、感染症の拡大や深刻な国際情勢など不安が広がる現代にあって、一層輝きを増している。
池田先生はつづっている。
「音楽隊は、皆、私のかけがえのない戦友である。いかなる嵐にも絶対に怯まぬ、不敗の楽団なのである」
文化の闘士を先頭に、共々に勝利の歴史を打ち立てていこう。
☆忠北大学「名誉教育学博士号」授与式 池田先生の謝辞
◇開拓の人材の大河を世界へ 対話と交流の大海原を進め
◇教育こそ価値創造の源泉
一、世界の大学には、それぞれに尊き創立の物語があり、気高き建学の歴史があります。私は大学の創立者として、その一つ一つを合掌する思いで、学んでまいりました。
なかんずく、1951年の9月、開学の一歩を踏み出された貴・忠北大学の足跡には、感激そして感涙を禁じ得ません。
民衆が引き裂かれ、塗炭の苦しみにあった動乱のただ中で、郷土の心ある方々が「今こそ、未来をリードする人材の育成が急務である」との切なる願いを、米一升、麦一升に込めて大学建設のため寄贈されたことが淵源であると伺っております。
そして熾烈な戦火に屈せず、平和と正義を願う父母たちの声に後押しされて、果断に大学の建設を開始されたのであります。
なんと崇高な、なんと荘厳なる原点でありましょうか。
この精神を厳然と受け継いでこられた、「真理の殿堂」「正義の使徒」「開拓の旗手」たる名門学府から、光栄にも、私は名誉教育学博士号を授与賜りました。
本日、このように、苦楽を共にしてきた、敬愛してやまない韓国の友人方と一緒に拝受できますことは、何よりの喜びであります。
金銖甲総長はじめ諸先生方、誠に誠にありがとうございました(大拍手)。
◇清州ゆかりの長編詩歌 「源の深き水は日照りに乾かず」
一、貴大学が聳え立つ、ここ風光明媚な忠清北道の清州の天地は、世界史に不滅の光彩を放つ、15世紀の名君・世宗大王が、「訓民正音」(後のハングル)創製の最後の作業を行ったとされる文化の都であります。
大王は、"世界三大鉱泉"の一つとたたえられる椒井の薬水で眼を癒やし、心身に活力を漲らせて、大業の総仕上げに打ち込まれたのであります。
「訓民正音」を用いた長編詩歌「龍飛御天歌」の名高い一節は、この椒井を謳ったものと伝えられております。すなわち、「源の深き水は ひでりに乾かず 川をなし海にいたるなり」と。
一、本日は、このロマンあふれる史跡をしのびつつ、貴大学の校風に学び、簡潔に3点、申し述べさせていただきます。
第一に、「教育という価値創造の源泉を満々と!」ということであります。
清州の地は、1377年、現存する世界最古の金属活字本が刊行されたことでも有名であります。
貴大学は、この文化の遺産を誇り高く継承し、創造的なチャレンジ精神として止揚されています。
まことに教育こそ、若き生命が一人一人、自分らしく価値創造の力を尽きることなく汲み取り、幸福な人生を自在に開いていくための源泉であります。これは、私たち創価教育の創始者であり、戦時中、平和と人道に殉じた牧口常三郎先生の信念でもありました。
過酷な"ひでり"のような様相を呈する時代であるからこそ、学生を大切にして、創造的生命を育む大学は、まさに限りなき希望の泉であります。
この点、貴大学は、学生の満足度でも常に最高峰の模範と光る、人間教育の最高学府なのであります。
一、第二に申し上げたいのは、「開拓の人材の大河を滔々と!」ということであります。
貴大学の憲章には「逡巡なき勇気で新たな世界を開拓する」と誇らかに掲げられております。
そして目指すべき人材の六大力量として、「創意性」「ヒューマニズム」「能動性」「共同体意識」「グローバル」「専門性」という指標を明快に示されていることを、私は広く世界の青年たちに伝えたいのであります。
本年の入学式で、金総長は慈父のごとく新入生に語りかけられました。
「時には耐え難い苦痛が訪れ、眠れぬ夜を過ごすこともあるでしょう。しかし賢明な人は、苦難や困難さえも、自身を成長させる機会へ転換できるのです」と。心に染み入る励ましです。
韓国の友人たちと私が命に刻んできた大先哲の金言にも、「賢者はよろこび愚者は退く」とあります。
コロナ禍や悲惨な紛争の拡大、地球規模の気候変動など、山積する人類の危機を打開し、突破しゆくために、この不撓不屈の開拓力に満ちた若き人材の大河を、私たちはいよいよ滔々と流れ通わせていきたいと思うのであります。
◇"戸田大学"で学んだ世宗大王の業績 「智慧を広げるためには人の話を多く聞け」
一、第三に、「対話と交流の大海原を洋々と!」と、申し上げたい。
貴大学が創立された71年前、私が人生の師と仰ぐ戸田城聖先生は、「文化の大恩」深き貴国の民衆の苦悩に、深く強く胸を痛めておりました。
愛する祖国の安穏をひたぶるに祈る貴国の一人の母を最大にたたえながら、東洋そして地球民族の平和へ、香しき白ゆりをシンボルとする、新たな女性の連帯を結成したのも、この年であります。
この恩師から一対一の薫陶を受けた「戸田大学」で、私は世宗大王の偉大な業績と思想についても学んだのであります。
現代に響く世宗大王の箴言に、こうあります。
「智慧を広げるには、まず必ず人の話を多く聞き、耳を傾けることであり、智慧を増やすには、本を読む以上のことはない」
いやまして世界は、開かれた対話を要請しております。相互に敬い、学び合う文化・教育の交流を大海原のごとく洋々と広げていかねばなりません。
貴大学の素晴らしき校歌に、「正義の松明掲げた学問の殿堂 世紀の鐘が響くところ」とあります。
今日より私も、誉れ高き貴大学の一員として、尊敬する先生方と共に、また敬愛する韓国の宝友と共に、「人間教育の世紀」へ凱歌の暁鐘を高らかに打ち鳴らしていく決心であります。
最後に貴・忠北大学の無窮の栄光、さらに清州市そして忠清北道はじめ大韓民国の永遠の平和と繁栄を心よりお祈り申し上げ、私の謝辞とさせていただきます。
テダニ・カムサハムニダ!(韓国語で「誠にありがとうございました!」)