誰にもその人にしか
果たせない使命がある。
"一人の百歩前進よりも
百人の一歩前進を"と
異体同心の歩みを!
如説修行抄 P502
『かたきは多勢なり法王の一人は無勢なり今に至るまで軍やむ事なし』
【通解】
敵は多勢である。法王(仏)の使いは日蓮一人であり、多勢に無勢である。今に至るまで軍はやむ事がなく、戦いの連続である。
名字の言 映画「ドライブ・マイ・カー」の台詞"平和の軸線" 2022年3月26日
広島の平和公園内にある原爆ドームと慰霊碑。その二つの建造物を結ぶ直線は"平和の軸線"と呼ばれる。この言葉が、日本作品として史上初めて、米アカデミー賞の4部門にノミネートされた映画「ドライブ・マイ・カー」で、台詞として用いられ、注目されている▼軸線を考案したのが、建築家の丹下健三氏。原爆ドームは当初、取り壊されることも検討された。氏は平和公園の設計に際し、慰霊碑の先にドームが見えるようにした。被爆した建物を、二度と核兵器を使用しないためのシンボルに変えたのである▼平和は訪れるものではなく、実践的に創り出すもの——これが氏の平和に対する態度だった。だからこそ、被爆の悲惨な記憶を継ぎ、人々がそれぞれに平和を希求し、祈ることを大切にした▼御書に「過去と未来と現在とは三つなりといえども、一念の心中の理なれば無分別なり」(新711・全562)と。過去と未来——両者を結ぶ"軸線"を描くのは、今を生きる私たちである。核兵器の廃絶も、どこか彼方にあるのではない。私たちの意志の線上にある▼縁する人と友好を育むことが、平和の"線"を描き出す。その線が幾重にも結ばれてこそ、世界平和という"面"が浮かび上がる。
寸鉄 2022年3月26日
広布の大行進に遅れるな—戸田先生。さあ5・3へ信心のギアを上げよう!
各地で男子部大学校生が大会。後輩を自分以上の人材に。先輩の奮闘光る
世界の運命を決めるのは個々の人間—作家。今こそ一対一の対話の波を!
春休み、子や孫と語らう好機。信仰の喜びを継承。妙法の大河も"一滴"から
1日の歩数多いほど疾病リスク減少と。足を動かす学会活動は健康の源泉
☆ロータスラウンジ——法華経への旅 第34回 妙荘厳王本事品第二十七
■大要
仏教以外の教えを信じる妙荘厳王を仏法に導いた、浄徳夫人と浄蔵・浄眼の二人の子の姿を通して、法華経を弘める功徳が述べられています。有名な妙荘厳王の物語です。それでは内容を追ってみましょう。
◇
その時、釈尊は人々に告げます。
「憙見という時代の光明荘厳という世界に、雲雷音宿王華智仏という仏がいた」
——その時代のことです。
妙荘厳王には、浄徳という夫人と、浄蔵と浄眼という、二人の子どもがいました。
その子どもたちは、菩薩道を修行して、大神通力、福徳、智慧を具え、菩薩の境涯を得ていました。
その時、雲雷音宿王華智仏は、妙荘厳王や人々を仏法に導きたいと願います。
そこで、浄蔵と浄眼の二人の子は、母の浄徳夫人に相談します。
「どうか母上も、仏のもとに行きましょう。私たちも、法華経の説法を聴きたいのです」
母は答えます。
「仏法以外の教えを信じている父上のもとへ行って、『一緒に、仏の説法を聴きに行きましょう』と言いなさい」
二人は嘆きます。
「私たちは、法王の子ども(仏弟子)であるのに、こんな邪見の家に生まれてしまった!」
母が励まします。
「あなたたちは、父上のことを思いやってあげなさい。そして、父上のために神変(神通変化)を現して見せてあげなさい。
父上がそれを見たら、きっと心が晴れ晴れとして、すばらしいと思われるでしょう。
そうすれば、皆で仏さまのもとへ行くことを許してくれるでしょう」
早速二人は、父のもとへ行きます。
空中に高く昇ったまま、自由自在に歩き回ったり、寝て見せたり、体から水を出し、火を出し、大空に満ちるような巨大な姿になったり、小さくなって見せたりします。
さらに、空中で消えたかと思うと、たちまち地上に現れ、水に飛び込むみたいに地面に飛び込み、あるいは水の上を大地を歩くように歩いて見せたりしました。
神変を目の当たりにした父は、大歓喜し、合掌して、子どもたちに言います。
「いったいお前たちは、だれを師匠にして、こんな力を得たのか。いったい、だれの弟子になったのか」
二人が答えます。
「今、広く法華経を説いておられる雲雷音宿王華智仏こそ、私たちの師匠です。私たちは、その弟子です」
父は言います。
「お前たちの師匠に、ぜひ、お会いしたい。一緒に行こう!」
二人の子どもは、空中から降りて、母のもとへ行き、合掌して伝えます。
「父上は、仏法を信じ、覚りを求める心を起こしました。どうか仏のもとへ行き、修行することを許してください」
母は言います。
「仏のもとで、修行することを許します。それは、仏に会うことが難しいからです」
そこで二人の子どもは、父と母に語ります。
「どうか一緒に、雲雷音宿王華智仏のもとへ行きましょう。仏に会うことができるのはまれなことであるのに、今、私たちは宿福深厚なので、仏法に巡り合うことができたのですから」
父である妙荘厳王は群臣を、母の浄徳夫人と子どもである二人の王子も、それぞれの眷属を引き連れて、共に仏のもとへ行きます。
その時、雲雷音宿王華智仏は、妙荘厳王のために法を説きます。
王は、すばらしい仏の説法に大歓悦して、夫人と共に大変に価値のある首飾りを、真心の供養としてささげます。すると、仏は大光明を放ちます。
それを見た王は、"仏の身は希有である"と思います。
その時、雲雷音宿王華智仏は、人々に告げます。
「この王は未来に成仏して、娑羅樹王仏となるだろう」
すぐに王は国を弟に譲り、一族と共に仏道に専念します。王は、その後、八万四千年にわたって法華経を修行します。
三昧(心を統一した境涯)を得た妙荘厳王は空に昇り、仏に言います。
「この二人の子は、私の善知識です。私を救いたいと思って、私の家に(子どもとして)生まれてきたのです」
その時、雲雷音宿王華智仏は、妙荘厳王に言います。
「その通りである。善知識は、大因縁である。
仏法に導いて、最高の覚りを得る心を起こさせてくれるのだ」
妙荘厳王は、空中から降りて、仏の無量百千万の功徳を賛嘆して、合掌して語ります。
「仏の法は、不可思議で妙なる功徳を具足し、成就しています。その教えと戒を行ずれば、安穏にして、快くなれます。
私は、今日よりは二度と、自分の心の言いなりにはなりません。二度と邪見、驕慢、怒り、諸悪の心を起こしません」
——ここまでが妙荘厳王にまつわる説話です。
釈尊は、人々に告げます。
「この話の真意は、なんであろうか。妙荘厳王は、どうして他の人のことであろうか。今の華徳菩薩である。浄徳夫人は光照荘厳相菩薩、二人の子どもは薬王菩薩、薬上菩薩である」
釈尊が妙荘厳王本事品を説く時、八万四千の人々は、汚れを離れて、真理を見る清らかな力を得ます。
【『法華経の智慧』から】 どれほど宿縁が深いか
人のせいにする愚痴の心がある分だけ、宿命転換は遅れる。「自分の宿命だ。自分の人生だ。まず自分が人間革命していこう」と決めて、苦しくとも、悲しくとも、御本尊に祈りきっていけば、必ず道は開ける。
◇
明るく、伸び伸びと、自分らしく活躍していけばいいのです。それが自体顕照です。自分の生命そのものを光らせていくのです。(中略)
他人をうらやんで生きるのは爾前の生き方です。「自分はこれで行くんだ」と決めて生きるのが法華経です。虚像ではなく、実像の自分で勝負していくのが信心です。それが「妙荘厳王」の意義なのです。
◇
今、世界広宣流布の真っただ中に生を受けたのがわれわれです。どれほど宿縁が深いか。どれほどの使命があるか。仏法に偶然はないのです。まさに「我れ等は宿福深厚にして、仏法に生まれ値えり」です。この厳粛な事実を自覚すれば、欣喜雀躍です。歓喜がほとばしり出る。(普及版〈下〉「妙荘厳王本事品」)
【コラム】 宿福深厚
"仏に巡り合うことは、3000年に1度開花する優曇華を見ることや、1000年に1度海上に浮かび上がる一眼の亀が浮木にあうことくらい難しい。しかし、宿福深厚(仏との宿縁が深く厚い)なので、正法と巡り合うことができた"——と、「妙荘厳王本事品」には記されています。
3000年、1000年という時間は、人間の寿命から比べれば、はるかに長い時間です。この一生で仏法に巡り合うことは、それほど難しく、希だということです。
今、仏法に巡り合い、妙法を受持できたことは、まさに宿縁の深さであり、使命の大きさのゆえといえます。それを思う時、自身の福運のありがたさに感謝と喜びがあふれてきます。
本年は、日蓮大聖人の御聖誕から800年——最高無二の哲学を持ち、希有の師匠と同じ時代に生きられる不思議さに思いをはせ、歓喜の前進を開始しましょう。