青年とは「希望」の異名。
混迷の時代にこそ
大願に生き抜こう!
勇気と慈悲の対話で
世界市民の連帯を!
三世諸仏総勘文教相廃立 P564
『心の不思議を以て経論の詮要と為すなり、此の心を悟り知るを名けて如来と云う』
【通解】
心の不思議さをもって、仏教の経典と論の説く肝要とする。この不思議なる心を悟り知った人を、名付けて如来という。
名字の言 反響を呼ぶ映画「ウエスト・サイド・ストーリー」 2022年3月5日
新作映画「ウエスト・サイド・ストーリー」が反響を呼んでいる。1957年に初めて舞台上演され、4年後に映画化された。日本でも人気を誇った作品を、スティーブン・スピルバーグ監督が再映画化した▼明るく軽妙な歌やダンスに彩られてはいるが、単なる娯楽作品ではない。物語では、人種間の隔たりで対立する二つの非行少年グループが争い、若い命が犠牲になってしまう。どうすれば、異質な人間同士が分断や憎しみを乗り越え、心を結び合えるのか? 作品は大切な問いを投げ掛ける▼原作初演から65年を経て、その問いは、ますます切実で深刻なテーマになっている。では一体、解決の道はどこにあるのか▼「対話の選択」そのものが平和の勝利であり、人間性の勝利である——池田先生は透徹した信念で、誠実一路の対話を貫いてきた。「私は、国家、民族、宗教、イデオロギー、世代、性別、立場等の差異を超え、一個の人間として、あらゆる人びとと会ってきた」と。師の哲理と行動に呼応して地涌の友が立ち上がり、人間主義の連帯は全世界に広がった▼人類の安穏を強く強く祈りながら、一人を大切にする対話に挑もう。幸の連帯を広げよう。それこそが平和への最も確かな道と信じて。
寸鉄 2022年3月5日
御書「ひとすじにおもい切って」。正しい信心貫く人が必ず勝つ。日々前進(新1487・全1091)
壮年部結成記念日。創価の城を支えゆく黄金柱。新たな勝利の歴史を共に
愛知・豊橋の日。誠実の振る舞いで信頼を拡大。輝く民衆凱歌の一番星!
御本尊は己を知る明鏡—牧口先生。弛みなき唱題は生命の宝塔を顕す直道
配線器具が原因の火災が増加と。接続部に埃がたまってないか等、確認を
〈社説〉 2022・3・5 きょう壮年部の結成記念日
◇生涯、求道の人生たれ!
「いよいよ壮年が立つんだね。これで、本格的な広宣流布の時代が幕を開けるぞ」——池田先生のもと、56年前(1966年)のきょう、壮年部は結成された。
部のモットーは、「生涯求道」「職場で勝利」「地域貢献」。「求道の人生」には行き詰まりがない。また、仕事で勝っていくことが即、仏法の勝負の証しである。その心意気で、自身が住んでいる地域を愛し、栄えさせていく壮年部の使命は限りなく大きい。
この指針通りに生きた一人が、イギリスSGIの故リチャード・コーストン初代理事長である。
コーストンさんは、ロンドンのハロッズ・デパートの副総支配人、ダンヒル社の極東支配人などを歴任。英語版の小説『人間革命』を読み、"ここにこそ、求めてやまなかった平和の大哲学がある"と衝撃を受け、51歳の時に入会し、壮年部として活動を始めた。
現在、600近くの会場で座談会が開催される、イギリス広布の礎を築いた人物である。
女性の意見を大切にし、池田先生とトインビー博士の対談集を学ぶ青年部のグループの結成にも尽力。そこから多くの人材が育まれ、現在の欧州女性部長やイギリス理事長らが誕生している。
先生は、指導者のあるべき姿として、西欧の「ジェントルマンシップ」に言及し、リーダーは「紳士たれ」と呼び掛けてきた。勇気、自制心、高潔さを持ち、問題があれば自らが矢面に立ち、人々を守り、リードしていく。コーストンさんは、その模範であった。
"広布の黄金柱"たる壮年部は、「紳士たれ」との指導を胸に、自ら率先して対話拡大に挑むとともに、青年を励まし、広布勝利の最大の力となっていきたい。
古代中国の哲人・孔子は、「四十にして惑わず」「五十にして天命を知る」と語ったが、まさしく壮年部の世代こそ、人生における最も重要な時代を迎えている。
『新・人間革命』第10巻「桂冠」の章で山本伸一は、「壮年になれば、人生は、あっという間に過ぎていきます。その壮年が、今、立たずして、いつ立ち上がるんですか!」「私もまた、壮年部です。どうか、皆さんは、私とともに、学会精神を根本として雄々しく立ち上がり、創価の城を支えゆく、黄金柱になっていただきたい」と。未曽有の危機の時代こそ、皆のために行動する壮年部の出番である。
☆いのちの賛歌 心に刻む一節 テーマ:世雄と光る
企画「いのちの賛歌 心に刻む一節」では、御聖訓を胸に、宿命に立ち向かってきた創価学会員の体験を紹介するとともに、池田先生の指導を掲載する。今回は「世雄と光る」をテーマに、東京都の壮年部に話を聞いた。
◇御文
『一念に億劫の辛労を尽くせば、本来無作の三身念々に起こるなり。いわゆる南無妙法蓮華経は精進行なり。』(御義口伝、新1099・全790)
◇通解
一念に、きわめて長遠の間にわたって尽くすべき辛労を尽くしていくなら、本来わが身に具わっている仏の生命が瞬間瞬間に現れてくる。いわゆる南無妙法蓮華経は精進行である。
◇祈りある人に負けなし
◇病苦と経済苦。どん底からの蘇生
東京都内。ビルが雑然と立ち並ぶ一角。北風裕道さん(59)=東京・江戸川池田区本部長=は、自身のオフィスが入るビルの6階で、一人、非常階段に立っていた。手すりを握り締め、下をのぞく。"ここから飛び降りれば、楽になるだろうか……"。唇をかみ締めた。
◇
1986年(昭和61年)、創価大学を卒業した北風さんは、紙パルプ関連の商社に入社した。27歳で妻・麻奈さん=支部女性部長=と結婚。職場では実績を重ね、30歳の時、最年少で海外事業所の責任者に抜てきされ、家族を伴い香港へ移り住んだ。
「当時は、何もかもが順調でした」
ところが33歳のある時、急激に体重が減り始め、全身に黄疸症状も現れた。
現地の病院で日本での検査を促され、緊急帰国。医師からは「あと1週間遅かったら死んでいた」と告げられた。免疫異常によって起きる自己免疫性膵炎で、重篤な糖尿病も合併していた。「完治の見込みはない」とも言われた。
"なんで俺が"。やり場のない悔しさが込み上げた。
治療が長期にわたることになり、北風さんは「会社に迷惑をかけたくない」と退職を願い出た。意を決して起業したのは、その数カ月後のこと。
「輸入商材を扱う事業が軌道に乗ると、売り上げは急激に伸びました。一方で、仕事の多忙さに流され、学会活動からは次第に遠ざかっていって……」
そんな折、98年、バブル崩壊のあおりで取引先や関連企業が次々と倒産。北風さんは、数億円の不渡り手形をつかまされた。35歳の時のことだった。
「病苦に、経済苦。押し寄せる怒濤のような宿命の重圧に、心がつぶれそうでした」
債権者の取り立てに追われる日々。次第に、死魔が心の隙間に忍び寄る。
会社は、従業員は、妻と子たちは——。気が付けば、非常階段に立ち、下をのぞいていた。ハッとした。
"こんなことをしても、家族や同志が悲しむだけだ"。力なく、その場にくずおれた。
すがるように学会の先輩に窮状を打ち明けると、「今こそ信心で戦うんだ! 一念を定めて祈るんだ!」と、厳しくも温かな励ましが。目頭を熱くした。
「思い上がっていたんですね。"俺の力だけで何でもやれる"って。信心で一から出直そうと腹を決めました」
仏壇の前に座り、寝る間を惜しんで題目を唱え抜いた。この時に拝した御聖訓が、「一念に億劫の辛労を尽くせば」(新1099・全790)から始まる一節だった。
"池田先生のため、広宣流布の使命を果たすため、断じて乗り越えてみせる!"——北風さんは、わが生命を妙法に染め抜くように祈りを定め、やれることは全てやった。
「唱題を重ねる中で"絶対に勝つ"という決意が"絶対に大丈夫"という確信に変わった途端、視野が、ぱっと広がりました」
唯一、倒産を免れた取引先があることが分かった。
覚悟を決めて社長と会い、事情を話した。「信用する北風君のためなら、力になるよ」。破格の条件で取引を再開でき、会社は窮地を脱することができた。
経営的には厳しい状況が続くも、学会の先輩から「宿命転換するには、折伏しかない」と再び激励され、北風さんは奮起。
以来、毎年のように折伏を実らせる中で、会社は危機的状況を打開していき、約20年かけて負債を完済した。今では、日用雑貨や健康関連商品の開発・販売など、多様な事業を手掛け、売り上げは右肩上がりを続ける。
また、医師から「治らない」と言われた病も、治療が奏功して症状が劇的に改善し、10年前には検査の数値が正常に。医師も驚嘆した。
「広布のためにと『一念に億劫の辛労』を尽くす時、仏の生命力が全身に湧き上がる。そうなれば、もう怖いものはありません。信心の利剣で断ち切れない宿命の鉄鎖など、絶対にありませんから」
北風さんは、経営者として社会の第一線で奮闘する中、広布の最前線でもリーダーとして、一歩も引かずに戦ってきた。これまで結実した弘教は34世帯。夫婦では40世帯以上となる。
「学会活動に励むことで、お金にきゅうきゅうとしていた自分から、同志や友人の幸福を心から祈れる自分へと変わることができました。気付けば、自らの悩みなどを悠然と見下ろせるような自分に、成長できていたんです」
どんな状況にも右往左往することがなくなった。目の前の仕事に力を尽くし抜く中で、取引先の企業と良好な関係を築き上げ、業績を安定させることができた。
開発した家庭用品が、毎年のように大ヒットし、さまざまなメディアなどで取り上げられて、うれしい悲鳴を上げるようにもなった。
「病苦と経済苦。あの"どん底"の日々を経験したからこそ、今がある。そう思えたことが、私にとって最高の信心の功徳だと思っています」
池田先生は語っている。
「人生の坂は、一直線に向上の道をたどるようなものでは、決してありません。
成功もあれば失敗もある。勝つときもあれば負けるときもあります。(中略)
その過程にあって、勝って傲らず、負けてなお挫けぬ、強靱な発条として働くのが、祈りなのであります。
ゆえに祈りのある人ほど強いものはない。我が強盛なる祈りに込めた一念が、信力、行力となってあらわれ、それと相呼応して仏力、法力が作動するのであります」(池田大作先生の指導選集〈上〉『幸福への指針』)
"人生の勝負"に挑み続けてきた北風さん。その瞳には、確固不動の誇りがにじむ。
「この信心で、私は命を救われました。その偉大な信心を教えてくださったのが、池田先生です。だから私は、師匠の大恩に報いるため、これからも広布に走り続けます」
[教学コンパス]
8000リットル。私たちの心臓が1日で全身へ送り出す血液量だ。1回の拍動による量はわずかでも、不断に繰り返すことで大変な量になる。一生に換算すると、20万トンタンカーが満杯になるほどの血液量とも。不断の積み重ねの偉業である。
日蓮大聖人は、「月々日々につより給え。すこしもたゆむ心あらば、魔たよりをうべし」(新1620・全1190)、「日蓮、一度もしりぞく心なし」(新1635・全1224)など、弛まぬ前進を繰り返し、呼び掛けられている。
広布も人生も同じである。常に、"もうこれくらいでいいだろう""これ以上はできない"と弱気になり、妥協しそうになる自分自身との戦いだ。そうした己心の魔に打ち勝つ原動力こそ、不断の祈りにほかならない。題目を積み重ねることで、自らの生命を妙法に染め上げ、何にも負けない自身へと必ず変革していける。大聖人は「今一重強盛に御志あるべし」(新1689・全1220)と。不断の祈りを"いよいよ"と重ねる中に、偉大な生命錬磨の道はある。