2022年3月30日水曜日

2022.03.30 わが友に贈る

いよいよ新年度。
この1年を振り返り
なすべきことの整理を。
足元固める万全の準備が
新たな勝利の因となる!

呵責謗法滅罪抄 P1126
『日蓮だにも是くの如く侍るに前後も弁へざる女人なんどの各仏法を見ほどかせ給わぬが何程か日蓮に付いてくやしとおぼすらんと心苦しかりしに、案に相違して日蓮よりも強盛の御志どもありと聞へ候は偏に只事にあらず、教主釈尊の各の御心に入り替らせ給うかと思へば感涙押え難し』

【通解】
日蓮でさえも、このようであるのに、物事の前後もつきかねる女人等、仏法を理解していないあなた方が、どれほどか日蓮に付き従ったことを後悔しているかと思うと、実に心苦しかったのである。しかし案に相違して日蓮よりも強盛の信心であると聞き、これは全くただごとではない。教主釈尊があなた方の心に入り替わられたのではないか、と思えて感涙押えがたいほどであった。

名字の言 花は太陽に向かって咲く 2022年3月30日
花の本当の美しさを知るには、上から見なければならない、と論じたのは思想家・内村鑑三だった。理由は"草木は人に見られようとして咲くのではない。生命の源である太陽に向かって、あたかもその恩に報いるように花を開くからだ"と▼そして"それは花だけではなく、人も同様である"と、内村は言及した(『内村鑑三著作集』岩波書店)。人生の真実の輝きは、周囲の評判よりも、支えてもらった恩に報いる中にあろう▼中学・高校時代に不登校を経験した男子部員。気遣う周囲の人たちに応えたいと思うものの、当時、状況を変えられない自分にふがいなさを感じる日々が続いた▼そんな中、池田先生の言葉に出合う。「たとえ諸君が、自分で自分をだめだと思っても、私はそうは思わない。全員が使命の人であることを疑わない」。彼は"自分以上に僕の可能性を信じ抜いてくれる池田先生、そして家族や同志がいる"と実感し、奮い立った。その後、通信教育で大学を卒業し、小学校教諭に。「全ての悩みは、人生開花のための滋養にできると確信します」と語る▼気候は暖かく、花々が咲き誇る時季。総本部の桜も満開になった。報恩に徹する人生も、時が来れば、必ず自分らしく花開く。

寸鉄 2022年3月30日
池田先生の青年室長就任の日。若師子よ一切を担い立て!共戦の誇り高く
中国方面「師弟正義の日」わが胸に燃える開拓魂。勇敢に希望の対話を拡大
人を育てるには、君自身が戦うこと—戸田先生。率先の奮闘で突破口開け
転入出の友に温かな声掛けを。新天地での創価家族の絆は支え。共に飛躍
レジ袋流通量が半減と。持続可能な未来へ一歩ずつ。意識と行動の変革を

〈社説〉 2022・3・30 深刻な人道危機を憂慮
◇同苦と利他の精神で対話を
ウクライナでの戦火がいまだに止まない。
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、国外避難者が380万人を超える一方、国内で避難生活をしている人は650万人を数え、国内で避難できずにとどまっている人は1300万人に上ると推定される。
"第2次世界大戦後の欧州における最大の人道危機"といわれる深刻な事態だ。
戦火の中、難民・避難民の支援に奔走する国連や各国の市民団体など、関係者の献身に深い敬意を表したい。
また、即時停戦と部隊の撤退へ向け、関係諸国と国連のさらなる外交努力を強く念願するとともに、一刻も早い終息を一層、真剣に祈りたい。
ウクライナから避難している人の約9割は、女性と子どもである。紛争が起これば、しわ寄せはそうした人々や高齢者、病床の人に及び、争いの数だけ、故郷を追われる難民も増えていく。
世界の難民・避難民は昨年6月時点で既に8400万人を超えていた。
国連難民高等弁務官として奔走した故・緒方貞子さんは、難民の増加に危機感を募らせ、たびたびメッセージを発信していた。
「日本には人道大国になってもらいたい、(中略)キーワードは『ソリダリティー(連帯)』だと思っています。遠い国の人びとに対して連帯感が持てるかどうかが鍵です」(『私の仕事』朝日文庫)
創価学会はこれまでに、紛争の爪痕が残る地域での難民への支援活動を後押しするとともに、各種展示を国内外で開催し、難民救援へ世論を啓発。
一方で、国家や民族の差異を超えた「地球民族主義」の思想に根差した友好対話を世界に広げてきた。
その根底は、仏法の人間主義を基調とした、苦しむ人への同苦の心と他者を敬い慈しむ利他の精神にほかならない。
2018年にノーベル平和賞を受賞した、アフリカ・コンゴ民主共和国の婦人科医デニ・ムクウェゲ氏のドキュメンタリー映画が、今月から日本で公開されている。
その最後に氏は、来日した際に感化を受けた日本語を紹介していた。
「RITA(利他)。これこそ、私が大切にしたい社会の価値なのです。世界中の人にRITAの考え方をもってほしい」(趣旨)
困難の壁は厚いが、身近な対話から、平和と人道の連帯を社会の基底部に築きゆく挑戦を続けていきたい。
同時に即時停戦、即時撤退を重ねて訴えるものである。

☆希望の指針——池田先生の指導に学ぶ 未来の宝
◇皆が偉大な使命の人
連載「希望の指針——池田先生の指導に学ぶ」では、テーマごとに珠玉の指導・激励を掲載します。今回は折々の指導から、未来部への励ましの言葉を紹介します。

◇友情は自分から
「相手が自分のことを思ってくれる」から友情なのではない。「相手が裏切らない」間だけ友情が成り立つのでもない。「自分が相手を思う」からこそ、友情なのです。たとえ相手に裏切られても「自分が裏切らない」なら、友情なのです。
(『希望対話』〈普及版〉、47ページ)

◇青春に失敗なし
青春に、取り返しのつかないことなど絶対にない。むしろ、青春の失敗とは、失敗を恐れて挑戦しないことです。また、自分で自分をあきらめてしまうことです。
(『青春対話1』〈普及版〉、42ページ)

◇明日勝てばいい
たとえ、1度は負けても、次に勝てばいい。今日負けても、明日勝てばいい。100戦して99回負けたとしても、最後に勝てば勝利なのです。
(『未来の翼』、136ページ)

◇「諸君を信じる」
たとえ諸君が、自分で自分をだめだと思っても、私はそうは思わない。全員が使命の人であることを疑わない。だれが諸君をばかにしようと、私は諸君を尊敬する。諸君を信じる。
(『青春対話1』〈普及版〉、44ページ)

◇心を決めて挑戦
勉強は苦手だなあ、好きな科目がないなあと思っている人も、心を決めてまず一つ、じっくり挑戦してみると、必ずわかるようになります。そうすれば、がんばることが楽しくなる。
(『希望の虹』、26ページ)

◇「ありのまま」で
「ありのまま」になやみ、祈り、また胸をはって挑戦していく——そうすることで、自分の心がみがかれる。心の中の宝物が光っていく。きみの、あなたの「いいところ」が、必ず見えてくるのです。
(『希望の虹』、68ページ)

◇名著は人類の財
名著は人類の共通の財産です。それを心に刻んでおくことは、どんな人とも自在に語り合える力になります。
(『未来対話』、183ページ)

◇自ら選んできた
親子の縁は不思議であり、深い意味がある。みんな、偉大な使命を果たさんがために、自分の親を選んで生まれてきたんだ。
だからこそ、親を大切にすることは、生まれてきたこと、生きることへの感謝の表れです。親孝行しようという心は、自身の生命を大きく開くことになるのです。
(『未来対話』、106ページ)

◇負けずにバネに
人間、だれでも、何かコンプレックスをもっている。「あの人が……」と思うような人でも、もっている。要は、それに「負けない」ことだ。
どんなコンプレックスがあっても、それをバネにし、じっとこらえて「今に見ろ!」と自分を励ましながら進むのです。
(『青春対話2』〈普及版〉、340ページ)

◇悩みは成長の印
成長しようとする人には、必ず苦しみやなやみの嵐が吹き荒れます。成長しているからこそなやむのです。その時は、とてもつらいかもしれないけれど、なやみは自分自身が大きく成長している証明なのです。
(『希望の虹』、118ページ)

◇就職はスタート
就職は自分を発掘するための「スタート」であって、決して「ゴール」ではない。あせる必要はない。あせらず、休まず、へこたれずに、大切な自分の一生の坂を上っていくのです。
(『青春対話1』〈普及版〉、110ページ)

2022年3月29日火曜日

2022.03.29 わが友に贈る

陰で黙々と支える
誉れの同志がいる。
仏に等しい尊き人だ。
その陰徳に陽報は厳然!
皆で感謝と称賛を!

月満御前御書 P1110
『譬えば雷の音耳しいの為に聞く事なく日月の光り目くらの為に見る事なし』

【通解】
たとえば、雷の音も耳の聞こえない人には聞こえないし、日月の光りも盲目の人には見ることができない。

名字の言 初代・中村吉右衛門が肝に銘じたこと 2022年3月29日
歌舞伎「熊谷陣屋」に登場する源氏の武将・熊谷直実は、初代・中村吉右衛門の当たり役だった。吉右衛門は常に肝に銘じたという。自分は何度も直実を舞台で演じたが、当の直実本人が、このしぐさをし、言葉を発したのは「一生に一度しかない」出来事なのだ、と(小宮豊隆『中村吉右衛門』岩波書店)▼技巧が光る円熟の演技を見せようとするより、この時、ここで"一生に一度"しかなかった直実の思いに肉薄する。それでこそ「本当の心情」が表現できるのだろう▼多宝会の女性から便りを頂いた。手紙は「わが家の杏の花も咲き始めました」と結ばれていた▼彼女は昨年、夫を亡くした。励ます同志に「大丈夫よ」と気丈に振る舞ってはいたが、言い知れぬ悲しみもあったに違いない。明るく自身を鼓舞するように友と力強く広布に歩み続けた。そんな中、身も心も上向いた、その視線の先に見えた"杏の花"。それは例年の春の情景とは違って見えたろう。手紙の結びは、人生の一つの冬を勝ち越えた、彼女の今の心情を物語っていた▼先日、彼女から改めて電話があった。「人生は、一生に一度しかない『今』を生きること。全てが一期一会の出来事です。この瞬間瞬間を大事に生きていきます」

寸鉄 2022年3月29日
広布は一対一の膝詰めの対話から—戸田先生。縁した一人を断じて味方に
東京・目黒の日。激戦を勝ち越え、光る師弟城。仏法は勝負!新たな峰へ
「南無妙法蓮華経は福智の二法なり」御書。福徳と智慧の泉は強盛な祈りに(新1104・全792)
防災バッグ・停電対策の備えなしが6割—調査。教訓は実践に移してこそ
子の交通事故、飛び出しが3割と。"止まる・見る・待つ"等を家庭で確認

☆創価大学・女子短期大学卒業式への池田先生のメッセージ
一、わが誉れの創価大学48期生、短大36期生、ならびに通信教育部の皆さん、さらに大学院生、そして世界各国・各地域の尊き留学生の皆さん、コロナ禍等の艱難の冬を越え、誇り高き青春凱歌の卒業、誠におめでとう!
本日、授与される栄光の学位記を、どうか、共に試練を勝ち越えてきた、ご家族と分かち合ってください。皆さんとご家族が、いよいよ未来へ「学の光」に包まれ、何ものにも負けず勝ち栄えていく証しだからであります。
幾重にも心を砕き、一人一人の大学生活を支え励まし続けてくださった教員の先生方、職員をはじめ関係者の方々、本当にありがとうございます!

一、私が、20世紀最高峰の歴史学者トインビー博士と対談を開始したのは、1972年、創価大学開学の翌年であります。以来50年、世界の知性との対話に全て創大創立者として臨んできました。文明と文明を結ぶ橋を架け、人類の未来を照らす普遍の英知を、不二の君たちに託すためであります。
トインビー博士のご紹介で語らいを重ねたローマクラブ創設者のペッチェイ博士と論じ合ったビジョンを、今日は改めて申し上げたい。
すなわち、今こそ、地球環境の緊迫した状況を十分に踏まえた「新たな生命の哲学」を構築し、平和と非暴力を根底とした「知恵の柱」を確立することだ、と。
そして博士と私は、どんなに困難な時代にあっても、決して打ちひしがれない希望がある。それは、一人一人の人間が、いまだ開発されていない学習能力や人間性、創造性、団結力など最も奥深い資質を、「人間革命」によって発揮することだ。そこにこそ、人類の幸福を勝ち開く逆転劇があると一致しました。
この理想へ断固と不屈の挑戦を貫いていくのが、我らの大連帯なのであります。

◇勇気・誠実・忍耐で自身の足元から世界市民のネットワークを
一、皆さん自身が、これから躍り出る使命の職場で、地域で、社会で、若き創価の「知恵の柱」として、胸を張って生き生きと逞しく価値創造の光を放ってください。
そして、皆さんに最大の信頼を寄せる善意の民衆と心を一つに、「人間革命」のパイオニアとして、自らの足元から平和・文化・教育の世界市民のネットワークを、勇気に燃え、誠実に忍耐強く、創り広げていただきたいのであります。
アフリカの環境の母マータイ博士は、あの大らかな笑顔で語られました。"何かを変えたいならば、自分自身から変えましょう! 未来は、今この時から生まれます"と。
最後に、創立50周年を堂々と飾ってくれた皆さん方に満腔の感謝を込め——

艱難に
 勝る教育
  なきゆえに
 賢者の君たち
  凱歌の大道征け

と贈ります。
私の無上の宝である皆さんの健康と幸福、友情と和楽、そして何があっても負けじ魂光る希望と勝利の人生を、私は妻と祈り抜いてまいります。お元気で!

☆共生の地球社会へ〜仏法の英知に学ぶ テーマ:女性の権利の向上
登場人物
【娘・ミライさん】好奇心旺盛な女性部員。世の中の出来事について、父・ホープ博士と語り合うことを楽しみにしている。
【父・ホープ博士】勉強熱心な壮年部員。毎月1回、家族と一緒に教学を研さんしている。「博士」はニックネーム。本業は会社員。

◇差異を超えて認め合う時代を
ミライ 米ニューヨークの国連本部で「国連女性の地位委員会」が開催されているね(今月25日まで)。

ホープ 各国政府代表者が、性差別の課題と、解消に向けた行動を協議・決議する場なんだ。SGI(創価学会インタナショナル)の代表も参加しているよ。議論の中では、気候変動や防災といった分野で、女性が果たす役割も確認されているね。

ミライ 女性と少女の人権保障をうたった、1995年(平成7年)の「北京宣言」から27年たった今も、男女平等の実現には課題があるよね。
男女平等がどれだけ実現できているかを数値化した「ジェンダー・ギャップ指数」によると、日本は156カ国中で120位だったね(2021年、世界経済フォーラム)。
SDGs(持続可能な開発目標)が普及する中で、「ジェンダー平等」について意識する人も増えてきたんじゃないかな。

ホープ ジェンダーとは、「社会的・文化的につくられた性差」の意味だね。
長い歴史の中で、女性は虐げられ、尊厳を冒されてきた。そういう事実は、いまだに世界中にあるんだ。
例えば、近年においても、年間1200万人もの18歳未満の女性が、結婚を強いられているといわれているんだ(2018年、国連児童基金〈ユニセフ〉)。
新型コロナウイルスの影響で、学校が休校し、女性への家庭内暴力が増加したり、女性の家庭内労働が大幅に増えたりするなど、ジェンダーの不平等がさらに拡大しているとの指摘もあるよ。

◇成仏観の大転換
ミライ 悲しい歴史を転換し、女性の権利が向上する時代をつくりたいと、心から思うよ。
ところで、仏法では女性の成仏をどう説いているの?

ホープ 法華経以外の経典では、女性は成仏できないとされていたんだ。法華経以前に説かれた爾前経には、「改転の成仏」といって、女性が男性に生まれ変わらないと成仏できないと説かれていたんだよ。

ミライ そんな差別があったなんて……。

ホープ 法華経提婆達多品では、「竜女」が周囲に即身成仏の姿を見せたんだ。
同品では、竜女が「変成男子(変じて男子と成って)」(法華経409ページ)と、いったん、男性の姿に変わったと記されているけど、池田先生は、この意義について教えてくださっているよ。
「変成男子は、舎利弗をはじめ、成仏は男性に限られると思い込んでいた人々に対して、竜女が成仏したことを、分かりやすく示すための方便にすぎないでしょう。男性にならなければ成仏できないという意味ではないのです」(『法華経の智慧』)
法華経が説く女人成仏は、即身成仏、女性の身そのままで成仏できるということなんだ。

ミライ 当時からしたら、成仏観の大転換だっただろうね。

ホープ 旧来の価値観を打ち破り、女人成仏を明かしたのが法華経。その真意は一切衆生の成仏であり、一番苦しんでいる人を幸福にすることにあるんだ。
日蓮大聖人は「一代聖教の中には法華経第一、法華経の中には女人成仏第一なり」(新1738・全1311)と仰せだよ。
大聖人は、男女の成仏の可能性について差別を設けていないことが分かるね。
さらに、大聖人は法華経に基づいて、従来の仏教の女性観でもある「三従(親・夫・子に従う)」を明確に否定されているんだ(新1264・全934)。大聖人御在世の時代背景からすれば、画期的なことだったといえるね。

◇皆が対等な人
ミライ 大聖人が掲げられた、万人の生命の尊厳を社会に展開しようと、創価学会はこれまで、女性をテーマとする講演会や展示などを開催してきたね。
創価学会女性平和委員会は今、子どもの権利に関する意識啓発の一環として、中高生世代の子どもを対象にしたオンラインアンケートを推進しているよ(本年8月まで。こちらからアンケートにアクセスできます)。

ホープ 昨年11月に制定された「創価学会社会憲章」には、「あらゆる形態の差別に対し反対する」「ジェンダー平等の実現と女性のエンパワーメントの推進に貢献する」と掲げられているね。

ミライ 性別や生まれなど、一切の差異を超えて、誰もが尊い存在であるという精神を広めていきたいと強く思うよ!

ホープ そうだね。一人一人の違いや特質を互いに認めつつも、それらが役割として固定化されないよう、また、差別につながらないよう、柔軟な視点が大切になってくるよね。
皆が対等な人として認め合えるよう、社会の課題を一つ一つ解決していこう。

◇御文
『一代聖教の中には法華経第一、法華経の中には女人成仏第一なり』(千日尼御前御返事、新1738・全1311)

◇メモ
女性門下・千日尼は、"女性は成仏できない"との当時の常識に悩みを抱きつつも、女人成仏を説く日蓮大聖人の励ましを心の支えにしていました。
大聖人は、この御文を通して、妙法を持つ女性が必ず幸福になることを訴えられています。
大聖人の励ましを胸に、多くの女性門下が信心を貫き、苦難を乗り越えていったのです。

◇[コラム:"いま"を知る]無意識の偏見
「男なんだから」「女性らしく」——こうした言葉は、時に相手を型にはめて、抑圧してしまう。性別や出自など、属性だけで人を正しく把握できるわけはない。
けれども誰もが、生まれ育った環境や時代の制約を受け、"あるべき像"を心に抱いている。特に、自身が知らない対象には、先入観が肥大してしまいがちだ。問題なのは、自分では気付かないまま、偏った見方や思い込みに陥る「無意識の偏見」(アンコンシャス・バイアス)にとらわれ、誰かを傷つけていないかという点だ。
仏法では、ありのままの真実を見ることを「如実知見」と説く。どんな人にも具わる、尊極な生命への温かいまなざしといえる。その平等な生命観を育む実践こそ、胸襟を開いた対話だ。
目の前の一人の「心音」に耳を傾け、相手をより深く知っていく。その積み重ねを通して、偏見が払われ、相手の心に届く言葉が紡ぎ出されるのだ。

2022年3月28日月曜日

2022.03.28 わが友に贈る

◇今週のことば
「仏種は縁より起こる」
対話の春風さわやかに
幸の仏縁を結びゆこう。
草の根の絆を強く広く!
平和の希望ここにありと。
(新1953・全1467)
2022年3月28日

生死一大事血脈抄 P1337
『日蓮が弟子の中に異体異心の者之有れば例せば城者として城を破るが如し』

【通解】
日蓮の弟子の中に異体異心の者があれば、それはたとえば、城の内部の者が城を破るようなものである。

名字の言 人間の心に宿る力 2022年3月28日
『人間をみつめて』は、精神科医の神谷美恵子氏が、ハンセン病療養所での診療体験を通して、生きることの本質を思索し記録した不朽の一書である▼偏見と差別を浴び、隔離され、尊厳を奪われた人々。その中でも、視力を失った患者たちが趣味や勉強のグループを作って活発に活動している姿に接して、氏は思った。苦しみをも建設的なものに転換する力が、人間の心には宿っている。一人では悩みの底に沈みかねない状況でも励まし合うことによって人は、他人を慰め、喜ばせることさえできるようになる——と▼鹿児島・徳之島の壮年は、35歳で学会に入会。島の広布に歩いた。ところが、入会40周年の一昨年、試練が襲う。長男をがんで亡くしたのだ▼やるせない思いが募った。無理もない。だが、同志がその気持ちにじっと耳を傾けてくれた。毎日のように声を掛けてくれる友もいた。創価家族の励ましが、凍えた心を温めた。"俺は息子の分まで島広布に生きる!"。壮年は生きる意味を見いだし、地区部長として、地区女性部長の長女と共に島を駆ける▼自分が一人を支える。支えられた一人が、また別の誰かの支えとなる。広宣流布とは、今いる場所で"励ましの連鎖"を広げることである。

寸鉄 2022年3月28日
団結がなければ戦には負ける—恩師。中心者と副役職が力合わせ皆で飛躍
「釈尊程の仏にやすやすと成り候なり」御書。広布に生き抜く人生こそ最極(新2068・全1443)
私は永遠の青春を私自身に誓う—ドイツ哲人。信心に引退なし。若々しい心で!
春の熱中症に注意。気温に体慣れず、起こり易く。水分・塩分補給小まめに
各地で出発する新社会人おめでとう!「誠実」こそ信頼築く鍵。振舞で光れ

〈社説〉 2022・3・28 可能性に満ちた新社会人へ
◇失敗を恐れず無敵の人生を
桜花舞う春本番を迎え、来月1日からは、いよいよ新社会人がスタート台に立つ。
昨年行われた、新社会人への意識調査によると、「仕事・職場生活をする上での不安は?」との問いに、「仕事についていけるか」が65・7%、「私生活とのバランスが取れるか」が36・7%で調査開始から過去最高だった(リクルートマネジメント2021年新入社員意識調査)。また、自分の強みとする姿勢・態度として「協働」等を挙げる一方、「自発」「試行」は大事だと思いつつも、苦手と考える人が多かった。
今年の新社会人も、同様の不安を抱く人は少なくないだろう。しかし、その中で社会に踏み出した皆さんである。失敗を恐れず挑戦してみる。その先に大きな成長があることを確信してほしい。
一足先に社会人となった先輩たちも、さまざまな現実の壁に立ち向かいながら成長をしてきた。
埼玉のある学生部員は、職場での異動後、慣れない仕事に毎日終電近くまで悪戦苦闘した。そんな中、毎朝1時間の唱題に挑戦。祈りを根本に生活リズムをつくることができ、仕事が順調に進むようになったことを実感した。
また、東京の学生部員は、社会人1年目で大きな仕事を任されることに。そのプレッシャーにくじけそうになったが、自分が成長するチャンスだと決意し、唱題根本に人一倍の努力と挑戦で、見事やり遂げることができた。
池田先生は新社会人に対し、「思うようにいかない時も、くさってはならない。上手くいかない時も、自分らしくベストを尽くしていけば、必ず、そこから次の道が開かれる。(中略)すべてが勉強だ。どんなことも、自分の成長の力に変えてみせる! そう肚を決めた青年は、無敵である」と呼び掛けている。
新型コロナウイルスの感染拡大から2年が経過した。今春、新出発する友は、学生時代の生活の大半をオンライン中心で送った世代である。入学当初に想像していたキャンパスライフではなかったかもしれない。
しかし、その状況に耐えて前を向き、飛躍の時を迎えた友は、厳冬を乗り越えた桜のように美しい花を咲かせ、社会に新たな息吹をもたらすだろう。そんな可能性に満ちた新社会人たちの成長と活躍を皆で応援していきたい。

☆君も立て——若き日の挑戦に学ぶ 第14回「3・16」 "広布の印綬"を君たちに託す!
【後継の指針】
一、生涯にわたって、仏勅のわが学会と共に生き抜いていくこと
二、広宣流布の全責任を担って立つこと
(「随筆 新・人間革命」〈創価の戴冠式「3・16」〉)

◇私の側から離れるな
「さあ、これで、私の仕事は終わった。私は、いつ死んでもいいと思っている。大作、あとはお前だ。頼むぞ!」
第2代会長・戸田先生は、力を込めて30歳の池田先生に言った。1958年(昭和33年)3月1日、大講堂落慶の式典が終わった後、移動中のエレベーターでのことである。
「はい!」
池田先生の声が響いた。恩師が後事を委ねる師弟の決定的瞬間だった。
大講堂の建物から、戸田先生は池田先生に体を支えられながら出た。すると式典後も、青年たちが広場で、音楽隊の演奏とともに学会歌を合唱していた。
師と弟子は、その輪に入っていった。池田先生が指揮を執り、音楽隊の学会歌の演奏に合わせ、青年たちは力いっぱい歌った。戸田先生は満足そうに、その光景を見つめた——。
衰弱の度を増していた戸田先生が倒れたのは、前年11月のことだった。その後、肝硬変症による危機を脱し、2月11日の誕生日には快気祝いを行う。その前日、愛弟子に広布の重大な構想を語った。「あと7年で、300万世帯までやれるか?」
池田先生は、満々たる決意を述べた。
「はい、成就いたします。ますます勇気が湧きます。私は、先生の弟子です」
3月からは、1カ月で20万人が集う大講堂落慶の祝賀行事が静岡で行われ、青年室長の池田先生が運営の全責任を担った。万全の準備を進める中、こう日記に記している。
「本部にて輸送会議……�本日で大講堂落慶式の準備完了�明日、バス会社、鉄道関係に書類を回すこと�役員人事も決定す これで、自分もほっとする。(戸田)先生も安心してくださるであろう」(『若き日の日記』、1958年2月24日)
しかし、2月末、戸田先生はいよいよ医師を何度も呼ばねばならない状況になった。病あつき中で、愛弟子に言明した。
「大作、絶対に、私の側から離れるな。いいか、四六時中、離れるな!」
池田先生は、恩師の分身のごとく添いながら、運営の陣頭指揮を執った。

【「若き日の日記」1958年(昭和33年)4月1日から】
われらは、更に、
自己の信心を磨くべきである。
自己の建設をなすべきである——

◇心と心で結ばれた日
「(戸田)先生の命は、燃え尽きんとしていた。死の方向へと進んでいた。それを知るは、先生ご自身と、真正の弟子である私だけであった」——祝賀行事の期間中、池田先生は恩師の体が心配でならなかった。
しかし、戸田先生のもとをどうしても離れなければならないタイミングがあった。「大阪事件」の裁判である。
3月5日、病に伏す戸田先生は、大阪へ向かおうとする池田先生へ、毅然として言った。「最後は勝つ。金は金だ」「真実は必ず明らかになる」
——その言葉通り、4年後の1月25日、84回にわたる公判を終え、無罪判決を勝ち取る。
3月16日という日に、時の首相が来訪することが決定すると、戸田先生は池田先生に言った。「将来のために、広宣流布の模擬試験、予行演習となる式典をしよう」「この3月16日の式典を、"広宣流布の印綬"を君たちに託す儀式にしようと思っているんだよ。この式典の全責任は、君がもつのだ」
開催の発表が青年部に知らされたのは式典の数日前。突然のことではあったが、青年たちは、師匠のもとに、馳せ参じる誇りに燃えた。
「3・16」に向けて、池田先生の発案で用意されたのは、恩師に乗ってもらう「車駕」だった。
戸田先生は、青年たちのために「豚汁」を手配した。人数分を準備するには、豚汁を入れる大量の四斗樽が必要となることを聞くと、恩師自ら、会場近くの酒屋に電話を入れた。青年たちは、「椀と箸を持参せよ」と事前に徹底された意味を、当日、初めて知るのである。
「車駕」は、師匠の体を気遣う"弟子の真心の結晶"であり、「豚汁」は、青年を励ましたいとの"師匠の慈愛の発露"にほかならなかった。師弟の心と心で結ばれた日が「3・16」だった。
3月16日午前、時の首相から戸田先生のもとに電話が入った。そこで急きょ、式典の欠席の意向と、代理を出すことが伝えられた。表向きは"外交上の問題"であったが、側近から横やりが入ったのが本当の理由だった。詫びを述べる首相に対し、戸田先生は怒りを震わせた。
「私に詫びよと言っているのではない。詫びるのは、青年たちにだ!」
戸田先生は、青年の期待を裏切ることに誰よりも心を痛めたのである。
そして意を決した。
「だれが来なくとも、青年と大儀式をやろうではないか!」
午後零時40分、男女青年部の精鋭6000人が集い、歴史的な"広宣流布の記念式典"が開幕した。司会である池田先生の、満々たる声が会場に響いた。
戸田先生は、自力で立ち上がることもできなかったが、渾身の師子吼を放った。
「われわれには、広宣流布を断じてなさねばならぬ使命がある。それを今日、私は、君たち青年に託しておきたい」
創価学会が「宗教界の王者」であることを宣言し、青年部に広布の印綬を託したのである。

◇青年の伝統の節目に
3月16日以降、戸田先生が布団から起き上がることはほとんどなくなり、愛弟子と広布の未来を語り合う日々が続いた。この時、恩師は「うんと生きるんだぞ。そして、世界に征くんだ」と、世界広布の理想を池田先生に委ねた。
祝賀行事が幕を閉じようとしていた3月29日には、戸田先生は宗門の腐敗について言及し、「一歩も退いてはならんぞ。……追撃の手をゆるめるな!」と、邪悪と戦い抜くことを示した。池田先生は、この遺言を青年部の厳訓としていくことを誓った。
恩師亡き後、歴史的な「3・16」の意義を深く理解し、正しく伝えることができたのは、池田先生以外にいなかった。
ある時には、式典当日の豚汁の調理で残った豚の皮を使い、ペンケースを作って、青年の代表に贈呈した。「"絶対に、亡き恩師の心を忘れるな、生涯、学べ、生涯、戦い続けよ"との思いをこめて」——池田先生はその心境を述べている。
1959年(昭和34年)3月16日には、青年にこう語った。
「毎年、3月16日を青年部の伝統ある節目にしていこう」「この日を、広宣流布への記念の節にしていこう。青々とした麦のような青年の季節たる3月に、師のもとに青年部が大結集したことに、不思議な意義があるんだよ」
第3代会長に就任する年の「3・16」には、次のように記した。
「この日を、永久の広布実現の日の、開幕とすべきなりと、青年部幹部に残す」「化儀の広布の大式典は、一日にして終了するものではない」(同、1960年3月16日)
「3・16」は、未来にわたる"後継の節"であり、"広布実現への開幕の日"——池田先生は、「3・16」を過去の歴史にしてはならないと、戦い続けた。そして、広布の上げ潮で「3・16」を迎え、「3・16」から新たな峰へと向かう"後継の不滅のリズム"を刻み残したのである。
61年(同36年)3月16日、池田先生は青年部の第1回音楽祭に出席。東西冷戦が激化する中、大国の武力でも権力でもなく、"学会員の前進"こそが世界に平和をもたらすただ一つの道であると強調した。そして、「3・16」記念式典後の戸田先生の言葉を引用し、呼び掛けた。
「我々は、戦おうじゃないか!」
広布の闘争は、不幸に覆われた社会の闇を、仏法の人間主義の光で照らし続けていく間断なき戦いだ。その後継の誓いに燃え、新たな飛躍のドラマをつづりゆく"目標点"また"出発点"となるのが、「3・16」なのである。

☆御書と未来へ 第9回 全民衆の幸福と安穏を
〈御文〉
『法華経一部を色心二法共にあそばしたる御身なれば、父母六親、一切衆生をもたすけ給うべき御身なり。』〈土籠御書、新1639・全1213〉

〈通解〉
(あなたは)法華経一部を色心の二法にわたって読まれたのであるから、その功徳で父母、親族、一切衆生をも救済される御身である。

〈池田先生が贈る指針〉
艱難の時こそ「まことの時」である。苦境に負けず信力・行力を奮い起こせば、無窮の仏力・法力が涌現する。妙法の大功徳は生死を超えて、父母、親族はもとより一切衆生にまで及ぶと仰せである。
「広宣流布」即「立正安国」の大道を貫く我らは、全民衆の幸福と安穏を、いよいよ強盛に異体同心で祈り抜こう!

2022年3月27日日曜日

2022.03.27 わが友に贈る

信心継承の要諦は
「家族で一緒に勤行する」
「学会の庭で育てる」
「わが子を信じ抜く祈り」
後継の宝にエールを!

崇峻天皇御書 P1170
『たとひ上は御信用なき様に候へどもとの其の内にをはして其の御恩のかげにて法華経をやしなひまいらせ給い候へば偏に上の御祈とぞなり候らん、大木の下の小木大河の辺の草は正しく其の雨にあたらず其の水をえずといへども露をつたへいきをえてさかうる事に候』

【通解】
たとえ主君は法華経を信仰していないようであっても、その御恩のおかげで法華経を供養しておられるのであるから、その功徳はひとえに主君の病気平癒のための祈りとなるでしょう。
大木の下の小さな木や、大河のほとりの草は、直接雨にあたることがなく、直接水を得ることがなくても、自然に露を伝え、水気を得て栄えるのである。あなたと御主君との関係も、このとおりです。

名字の言 今春、新天地に赴く友へ 2022年3月27日
書棚にある1冊の本をめくっていると、中に手作りのしおりが挟んであった。それは数十年前の大学の卒業式当日、母校を巣立つ卒業生全員に在校生から贈られたものだった▼1枚のしおりを目にした瞬間、心は卒業の"あの日"に返った。そして、各地で出会った人々との思い出が走馬灯のように浮かんだ▼山梨県に住む多宝会の友に、ある日、1人の男性から電話があった。男性は、かつて友が夫妻して東京で支部長・婦人部長(当時)を務めていた時、同じ地域で学会活動に励んだ、当時の男子部部長だった。「聖教新聞に懐かしい笑顔を見つけ、あまりにうれしくて」とのこと▼山梨へ転居して以来、その男性とは久しぶりの会話だった。しかし、広布の苦楽を共にした同志との語らいは、空白の数十年を瞬時に埋めた。友と男性は、それぞれの地で信心の成長を刻むことを約束した▼池田先生は語る。「各地にその(=広布拡大)思い出をもっている人は幸せである。どこにも、心許せる同志がいるし、それが無量無辺の福徳を積んでいる証でもあるからだ」と。これまで暮らした地で創価の友と奮闘の日々を重ね、そして今春、新天地に赴く友もいるだろう。師の言葉をそのまま、はなむけに贈りたい。

寸鉄 2022年3月27日
「一念三千も『信』の一字より起こり」御書。どんな時も題目。活路は開く!(新1011・全725)
「華陽カレッジ」が各地で賑やかに!信心とは希望朗らかに負けない青春を
創価の平和活動こそ宗教のあるべき模範—アメリカ博士。共生哲学を地域へ世界へ
今日から絵本週間。良書は心の"ごちそう"。親子で豊かな情操育む好機に
増加する大麻摘発。7割が20代以下と。未来奪う魔物に家庭でも警鐘強く

☆いのちの賛歌 心に刻む一節 テーマ:冬は必ず春に
◇御文
『ただ一えんにおもい切れ。よからんは不思議、わるからんは一定とおもえ。』(聖人御難事、新1620・全1190)

◇通解
ただいちずに思い切りなさい。良いことがあるのは不思議であり、悪いことがあるのが当然と考えなさい。

◇覚悟を決めて立ち向かう 妻の病、多額の借金
北海道砂川市。佐藤法広さん(61)=大空知総県副総県長(大空知北県総合長兼任)=と妻・初江さん=中空知栄光圏女性部長=は、この地で生まれ育った。郷土を舞台に、二人三脚で演じてきた波乱の人生ドラマとは——。
      ◇
「おやじの代から、ここで塗装業を営んできました」
法広さんの言葉に、腕一本で勝負してきた誇りがにじむ。
高校を卒業後、父親の塗装店で働き始めた。22歳で初江さんを入会に導き、結婚。初江さんが長女の妊娠中、子宮筋腫を患うも、夫婦して祈り、乗り越える中で信心の確信を深めた。4人の子宝にも恵まれた。
法広さんが34歳の時、自宅兼店舗を構えて独立した。決して裕福なわけではなかったが、家の中は、いつも子どもたちの笑い声があふれ、にぎやかな毎日だった。
学会では、夫婦で地域の中心者となり、雨の日も雪の日も、友を励まして回った。
ところが、初江さんが41歳の時、子宮がんが見つかる。
初江さんは「"がん"という病名にショックを受けました。まさか、でした」と振り返る。「でも、"絶対に乗り越えてみせる"と祈りが定まった時、不安は消えていきました」
手術で子宮を全て摘出。検査の結果、転移もないと分かった。
安堵したのもつかの間。翌年の春先、法広さんの仕事の取引先が相次いで倒産した。多額の借金を背負うことになった。
法広さんは唇をかむ。「妻が病魔を乗り越えたと思ったら、今度は経済苦。なぜなんだと。せっかく長女が創価大学に合格したのに、入学金が用意できない。生活すらままならない。どうすればいいんだと悩みました」
幸い、長女の進学は奨学金などで何とかめどが立った。
その後、寝る間を惜しんで働き、資金繰りしながら、夫婦で懸命に祈ったが、仕入れ先などへの支払いが滞るように。二人で頭を下げて回った。
子どもたちは育ち盛りだったが、食費から何から、切り詰めた。光熱費すら払えない時もあった。しかし、宿命の嵐は容赦なかった。
2007年(平成19年)、支部婦人部長(当時)だった初江さんに、乳がんが見つかったのだ。すでにリンパ節にも転移していた。
「これでもか」と妻を襲う病魔のしぶとさに、たじろぐ法広さん。見かねた学会の先輩が叱咤した。
「治るに決まってるべや。あんたの心がやられてんだぞ。戦ってんのは、奥さんだべや!」
法広さんは「戦いに挑む前に、『もうダメだ』と心が引いていた。それを見抜かれたんです」と語る。この時に拝した御聖訓が、「よからんは不思議、わるからんは一定とおもえ」(新1620・全1190)との一節だった。
「心に響きました。もとより人生は、苦難の連続。そう腹が決まると、燃えました。"この信心で全て乗り越えてみせるぞ!"って」
夫婦で「今こそ、信心の偉大さの証明を」と一念を定め、猛然と祈った。広布に戦う中で、初江さんは手術と抗がん剤治療に挑んでいった。法広さんも、変わらず信頼してくれる顧客や仕入れ先への恩返しの思いで、自らの仕事に一段と力を注いだ。
厳冬のような人生に、希望の春の陽光が徐々に差し始める。
5年後、治療を終えた初江さんは「寛解」の診断を受けることができた。そして、法広さんの仕事も軌道に乗り、10年以上かけて借金を完済した。
子どもたちも、長女に続いて次女と次男が創価大学を卒業。長男は社会で奮闘するなど、それぞれが使命の人生行路へ進んでいくことができた。
「池田先生と同志の皆さまの励ましによって、勝てました」と初江さん。法広さんも、うなずきながら話してくれた。
「『ただいちずに思い切りなさい』と仰せの通り、信心に"いちず"になること。それしかないんです。覚悟を決めて立ち向かう。人生はその連続です」
初江さんは、生活苦の渦中にいた当時を「何を食べて、どう暮らしていたのか、全く思い出せないんです。よく生きていけたなって」と振り返る。
「地域の同志の祈りや、諸天の働きのような周囲の支え。創価学会にいたから、乗り越えられたんだと思います」
人生は順風の日ばかりではない。逆風どころか、嵐に直面することさえある。
その時に、どうするか。法広さんは確信を込めて語る。
「大変な時にこそ、信心を疑わずに貫けるかどうかです。『よからんは不思議、わるからんは一定』(新1620・全1190)なんだと心を定めて、ぶれずに信心を貫く。すると、困難を乗り越える生命力が、ふつふつと湧いてくるんです」
初江さんが言葉を継ぐ。
「御本尊と池田先生、そして学会を疑わないこと。その心根が、『よからん』の人生を開いていくんだと思います」
池田先生は語っている。
「魔を打ち破って成仏を遂げるか、魔に負けて迷妄の人生を送るか。人生における仏法の意義は、究極するところ、この根本的な勝負に勝つことにあるのです」
「それぞれの使命の人生には"苦難"が必ずあります。
しかし、心さえたしかであれば、信心さえ揺るがなければ、乗り越えられない困難はありません。打ち勝てない試練はありません。
人間にはもともと、計り知れない力が具わっています。
それが久遠元初自受用身の力だ。だから、戦えば戦うほど、自分自身の力が引き出せる。
信心は、その秘宝を引き出す力です」(池田大作先生の指導選集〈中〉『人間革命の実践』)
置かれた環境を嘆くのでも、目の前の状況に流されるのでもない。
ただ、心を定めて信心で挑んでいく。その先に、必ず勝利の春が訪れることを、佐藤さん夫妻の朗らかな笑顔は、教えてくれている。

[教学コンパス]
飛行機の巨体が空に浮かび上がるのは、離陸時の加速によって受ける強烈な向かい風を、翼で揚力に変えているから。実は着陸時にも、向かい風を捉えて機体のバランスを取りながら、滑走路を目指すという。それは人生にも通じよう。行く手を阻むような「向かい風」も、自分次第で、大いなる飛躍の力にしていける。本企画の取材で体験談を伺うたび、その確信をますます強くする。
日蓮大聖人は「大風吹けば求羅は倍増するなり」(新1545・全1136)と仰せだ。「求羅」という想像上の虫は、大風に吹かれるほど、その身が大きくなるという。試練の逆風も宿命の暴風も、全て自身の境涯を大きく開く好機としていけるのが、創価の希望の哲学にほかならない。池田先生は「障魔が競うのは、必ず勝てるという瑞相だ」と。苦難の「向かい風」にあえて挑んでこそ、いかなる困難にも負けない自分自身へと、飛躍を遂げることができる。そのための不屈のエンジンが、御本尊への透徹した「信」である。

2022年3月26日土曜日

2022.03.26 わが友に贈る

誰にもその人にしか
果たせない使命がある。
"一人の百歩前進よりも
百人の一歩前進を"と
異体同心の歩みを!

如説修行抄 P502
『かたきは多勢なり法王の一人は無勢なり今に至るまで軍やむ事なし』

【通解】
敵は多勢である。法王(仏)の使いは日蓮一人であり、多勢に無勢である。今に至るまで軍はやむ事がなく、戦いの連続である。

名字の言 映画「ドライブ・マイ・カー」の台詞"平和の軸線" 2022年3月26日
広島の平和公園内にある原爆ドームと慰霊碑。その二つの建造物を結ぶ直線は"平和の軸線"と呼ばれる。この言葉が、日本作品として史上初めて、米アカデミー賞の4部門にノミネートされた映画「ドライブ・マイ・カー」で、台詞として用いられ、注目されている▼軸線を考案したのが、建築家の丹下健三氏。原爆ドームは当初、取り壊されることも検討された。氏は平和公園の設計に際し、慰霊碑の先にドームが見えるようにした。被爆した建物を、二度と核兵器を使用しないためのシンボルに変えたのである▼平和は訪れるものではなく、実践的に創り出すもの——これが氏の平和に対する態度だった。だからこそ、被爆の悲惨な記憶を継ぎ、人々がそれぞれに平和を希求し、祈ることを大切にした▼御書に「過去と未来と現在とは三つなりといえども、一念の心中の理なれば無分別なり」(新711・全562)と。過去と未来——両者を結ぶ"軸線"を描くのは、今を生きる私たちである。核兵器の廃絶も、どこか彼方にあるのではない。私たちの意志の線上にある▼縁する人と友好を育むことが、平和の"線"を描き出す。その線が幾重にも結ばれてこそ、世界平和という"面"が浮かび上がる。

寸鉄 2022年3月26日
広布の大行進に遅れるな—戸田先生。さあ5・3へ信心のギアを上げよう!
各地で男子部大学校生が大会。後輩を自分以上の人材に。先輩の奮闘光る
世界の運命を決めるのは個々の人間—作家。今こそ一対一の対話の波を!
春休み、子や孫と語らう好機。信仰の喜びを継承。妙法の大河も"一滴"から
1日の歩数多いほど疾病リスク減少と。足を動かす学会活動は健康の源泉

☆ロータスラウンジ——法華経への旅 第34回 妙荘厳王本事品第二十七
■大要
仏教以外の教えを信じる妙荘厳王を仏法に導いた、浄徳夫人と浄蔵・浄眼の二人の子の姿を通して、法華経を弘める功徳が述べられています。有名な妙荘厳王の物語です。それでは内容を追ってみましょう。

その時、釈尊は人々に告げます。
「憙見という時代の光明荘厳という世界に、雲雷音宿王華智仏という仏がいた」
——その時代のことです。
妙荘厳王には、浄徳という夫人と、浄蔵と浄眼という、二人の子どもがいました。
その子どもたちは、菩薩道を修行して、大神通力、福徳、智慧を具え、菩薩の境涯を得ていました。
その時、雲雷音宿王華智仏は、妙荘厳王や人々を仏法に導きたいと願います。
そこで、浄蔵と浄眼の二人の子は、母の浄徳夫人に相談します。
「どうか母上も、仏のもとに行きましょう。私たちも、法華経の説法を聴きたいのです」
母は答えます。
「仏法以外の教えを信じている父上のもとへ行って、『一緒に、仏の説法を聴きに行きましょう』と言いなさい」
二人は嘆きます。
「私たちは、法王の子ども(仏弟子)であるのに、こんな邪見の家に生まれてしまった!」
母が励まします。
「あなたたちは、父上のことを思いやってあげなさい。そして、父上のために神変(神通変化)を現して見せてあげなさい。
父上がそれを見たら、きっと心が晴れ晴れとして、すばらしいと思われるでしょう。
そうすれば、皆で仏さまのもとへ行くことを許してくれるでしょう」
早速二人は、父のもとへ行きます。
空中に高く昇ったまま、自由自在に歩き回ったり、寝て見せたり、体から水を出し、火を出し、大空に満ちるような巨大な姿になったり、小さくなって見せたりします。
さらに、空中で消えたかと思うと、たちまち地上に現れ、水に飛び込むみたいに地面に飛び込み、あるいは水の上を大地を歩くように歩いて見せたりしました。
神変を目の当たりにした父は、大歓喜し、合掌して、子どもたちに言います。
「いったいお前たちは、だれを師匠にして、こんな力を得たのか。いったい、だれの弟子になったのか」
二人が答えます。
「今、広く法華経を説いておられる雲雷音宿王華智仏こそ、私たちの師匠です。私たちは、その弟子です」
父は言います。
「お前たちの師匠に、ぜひ、お会いしたい。一緒に行こう!」
二人の子どもは、空中から降りて、母のもとへ行き、合掌して伝えます。
「父上は、仏法を信じ、覚りを求める心を起こしました。どうか仏のもとへ行き、修行することを許してください」
母は言います。
「仏のもとで、修行することを許します。それは、仏に会うことが難しいからです」
そこで二人の子どもは、父と母に語ります。
「どうか一緒に、雲雷音宿王華智仏のもとへ行きましょう。仏に会うことができるのはまれなことであるのに、今、私たちは宿福深厚なので、仏法に巡り合うことができたのですから」
父である妙荘厳王は群臣を、母の浄徳夫人と子どもである二人の王子も、それぞれの眷属を引き連れて、共に仏のもとへ行きます。
その時、雲雷音宿王華智仏は、妙荘厳王のために法を説きます。
王は、すばらしい仏の説法に大歓悦して、夫人と共に大変に価値のある首飾りを、真心の供養としてささげます。すると、仏は大光明を放ちます。
それを見た王は、"仏の身は希有である"と思います。
その時、雲雷音宿王華智仏は、人々に告げます。
「この王は未来に成仏して、娑羅樹王仏となるだろう」
すぐに王は国を弟に譲り、一族と共に仏道に専念します。王は、その後、八万四千年にわたって法華経を修行します。
三昧(心を統一した境涯)を得た妙荘厳王は空に昇り、仏に言います。
「この二人の子は、私の善知識です。私を救いたいと思って、私の家に(子どもとして)生まれてきたのです」
その時、雲雷音宿王華智仏は、妙荘厳王に言います。
「その通りである。善知識は、大因縁である。
仏法に導いて、最高の覚りを得る心を起こさせてくれるのだ」
妙荘厳王は、空中から降りて、仏の無量百千万の功徳を賛嘆して、合掌して語ります。
「仏の法は、不可思議で妙なる功徳を具足し、成就しています。その教えと戒を行ずれば、安穏にして、快くなれます。
私は、今日よりは二度と、自分の心の言いなりにはなりません。二度と邪見、驕慢、怒り、諸悪の心を起こしません」
——ここまでが妙荘厳王にまつわる説話です。
釈尊は、人々に告げます。
「この話の真意は、なんであろうか。妙荘厳王は、どうして他の人のことであろうか。今の華徳菩薩である。浄徳夫人は光照荘厳相菩薩、二人の子どもは薬王菩薩、薬上菩薩である」
釈尊が妙荘厳王本事品を説く時、八万四千の人々は、汚れを離れて、真理を見る清らかな力を得ます。


【『法華経の智慧』から】 どれほど宿縁が深いか
人のせいにする愚痴の心がある分だけ、宿命転換は遅れる。「自分の宿命だ。自分の人生だ。まず自分が人間革命していこう」と決めて、苦しくとも、悲しくとも、御本尊に祈りきっていけば、必ず道は開ける。

明るく、伸び伸びと、自分らしく活躍していけばいいのです。それが自体顕照です。自分の生命そのものを光らせていくのです。(中略)
他人をうらやんで生きるのは爾前の生き方です。「自分はこれで行くんだ」と決めて生きるのが法華経です。虚像ではなく、実像の自分で勝負していくのが信心です。それが「妙荘厳王」の意義なのです。

今、世界広宣流布の真っただ中に生を受けたのがわれわれです。どれほど宿縁が深いか。どれほどの使命があるか。仏法に偶然はないのです。まさに「我れ等は宿福深厚にして、仏法に生まれ値えり」です。この厳粛な事実を自覚すれば、欣喜雀躍です。歓喜がほとばしり出る。(普及版〈下〉「妙荘厳王本事品」)

【コラム】 宿福深厚
"仏に巡り合うことは、3000年に1度開花する優曇華を見ることや、1000年に1度海上に浮かび上がる一眼の亀が浮木にあうことくらい難しい。しかし、宿福深厚(仏との宿縁が深く厚い)なので、正法と巡り合うことができた"——と、「妙荘厳王本事品」には記されています。
3000年、1000年という時間は、人間の寿命から比べれば、はるかに長い時間です。この一生で仏法に巡り合うことは、それほど難しく、希だということです。
今、仏法に巡り合い、妙法を受持できたことは、まさに宿縁の深さであり、使命の大きさのゆえといえます。それを思う時、自身の福運のありがたさに感謝と喜びがあふれてきます。
本年は、日蓮大聖人の御聖誕から800年——最高無二の哲学を持ち、希有の師匠と同じ時代に生きられる不思議さに思いをはせ、歓喜の前進を開始しましょう。

2022年3月25日金曜日

2022.03.25 わが友に贈る

季節の変わり目だ。
一日の寒暖差に注意。
疲れをためないよう
賢明に体調を整えよう。
きょうも健康第一で!

御義口伝巻下 P784
『桜梅桃李の己己の当体を改めずして無作三身と開見すれば是れ即ち量の義なり』

【通解】
桜は桜、梅は梅、桃は桃、李は李と、おのおのの当体を改めずに、そのままで無作三身と開きあらわしていくことが即ち無量義の「量」の意義である。

名字の言 名球会入りした野球選手が「最も尊敬する人」 2022年3月25日
プロ野球2022年の公式戦がいよいよ、きょう開幕する。好ゲームが展開されることを期待したい▼かつて、2000本安打を放って名球会入りした野球選手を取材したことがある。新しいバットを握ると、1ミリ以下のごくわずかな太さの違いでも、すぐに気付くという話を聞き、驚いた▼「最も尊敬する人は?」との質問に対し、彼が挙げたのは華やかなプロの先輩や有名人ではなく、用具職人、打撃投手、グラウンドの整備員、試合の記録を取るスコアラーなど陰で支えてくれる人たちだった。「この方々がいるからこそプレーができる。本当に大切な存在」と。一流選手の感性は鋭い。その根っこに、「感謝の心」があることを知り、深く感動した▼先日、新入会の夫妻が支部の集いで決意を語った。「皆さんの生き方に学び、二人で出発します!」。会合の役員、会場の提供者、本紙の配達員、励ましの対話に地道に歩く友……。学会には、称賛や見返りなど求めず、目立たないところで生き生きと使命を果たす友がたくさんいる。そうした姿に共感し、夫妻は入会を決めた▼陰の労苦を誇りとする心。そして、陰で奮闘する人を尊ぶ心。この心の絆を強めながら前進することが、広布の「生命線」である。

寸鉄 2022年3月25日
「地涌の菩薩のさきがけ日蓮一人なり」御書。仏意仏勅の大闘争に勇躍邁進(新1790・全1359)
東京・江東「師弟勝利の原点の日」。報恩の魂は脈々。圧倒的拡大今こそ
妙法を持つ女性の輝く姿には百の説法も敵わぬ—恩師。地域を照らす太陽
巨大地震、早期避難で死者8割減も可能と。日頃から避難経路などを確認
公立小で教職員を増員—22年度予算。公明が主張。教育の充実に希望の未来

☆ヒーローズ 逆境を勝ち越えた英雄たち 第17回 勇気のランナー
〈チェコの陸上選手 エミール・ザトペック〉
ゴールに飛び込む前に諦めて 自分に疑いを抱いてはならない。

自身の最高峰を目指し、限界に挑む人の姿ほど、心を打つものはない。スポーツには、その感動を生み出す力がある。
陸上競技に、かつて10年以上にわたって長距離界のトップに君臨し、複数の種目で世界記録を18度も塗り替えた人物がいた。
チェコ(当時チェコスロバキア)のエミール・ザトペック(1922—2000年)である。
荒々しい呼吸で、後続をけん引するように走ることから、付いたあだ名は「人間機関車」。だが彼は、決して"機関車"や超人だったわけではない。専門家から見れば、その脚力はとても世界に通用するものではなかったという。
華々しい活躍を支えた「圧倒的な走力」——それは「圧倒的な練習量」によって磨かれた。
練習時には真っ先にグラウンドへ行き、いつも最後まで残るのがザトペックだった。速さと持久力を鍛えるため、短距離走を反復するトレーニングを実践。「人間、ゴールにとびこむまえに決してあきらめたり、自分に疑いを抱いてはならぬ」との信念で、常に全力を尽くすことを心掛けた。
その中で次々と自己ベストを更新。国内外の大会で優勝し、五輪ではロンドン(1948年)の1万メートルに続き、ヘルシンキ(52年)の5000メートル、1万メートル、マラソンの3種目で金メダルに輝く快挙を成し遂げたのである。
一方、中距離には「1マイル(約1609メートル)」という種目がある。この競技では長年、「4分」の記録の壁が立ちはだかっていた。
その壁を初めて破ったのが、ロジャー・バニスター(1929—2018年)。米ライフ誌が"過去1000年で最も功績を残した世界の100人"に選んだ唯一のアスリートであり、英オックスフォード大学に学んだ医学生である。
当時の陸上界では、人間の潜在能力と努力をもってしても「1マイル3分台」を出すのは無理というのが定説だった。それに疑問をもったバニスターは、医学の勉強に励みながら、科学的知見に基づいたトレーニングに取り組んだ。
"自分がもつ精神と身体のエネルギーを一滴残らず4分の間に解放する"——わずか数秒、コンマ数秒を削るため、人が一生かけて歩く以上の距離を1年で走った。
そして、その「時」は訪れた。
挑戦開始から1年以上が過ぎた1954年5月、ついにバニスターは競技会で「3分59秒4」というタイムをたたき出す。すると、その直後から"自分にもできる"と、3分台で走り切るランナーが次から次に現れた。
彼が壊した"4分の壁"——それは、幾多の中距離選手を打ちのめしてきた"諦めの壁"だった。

〈箱根駅伝の創設者・金栗四三〉
失敗は成功の基にして、雨降って地固まる日を待つのみだ。

偉大な栄光の陰には、必ずといっていいほど苦難や挫折のドラマがある。「日本のマラソン王」と呼ばれる金栗四三(1891—1983年)も、試練を味わい、乗り越えた一人であった。
金栗は1912年、日本人初のオリンピック選手としてストックホルム大会のマラソンに出場。国内予選会では大記録を出したものの、世界のスピードに圧倒された上、極度の緊張と猛暑などの悪条件により、途中棄権してしまう。
翌日、彼は悔しさをにじませながら、日記にこう決意を記した。
「しかれども失敗は成功の基にして、また他日その恥をすすぐの時あるべく、雨降って地固まるの日を待つのみ。人笑わば笑え」
さらに「粉骨砕身してマラソンの技を磨き」とつづり、次大会での雪辱を固く心に期した。だが、選手としてのピークにあった4年後のベルリン五輪は第1次世界大戦の影響で中止に。それでも金栗は世界への夢を諦めず、同時に次代を担う後進の育成にも情熱を注いでいく。その中で生まれた一つが、今日に至る「箱根駅伝」である。
五輪の失敗を飛躍の力に変え、陸上のみならず、日本スポーツの夜明けを開く立役者の一人となった金栗。先日閉幕した北京冬季五輪・パラリンピックや昨年の東京五輪・パラリンピックにおける日本人選手の活躍、そして、新春の箱根路を駆けた創価大学をはじめとする学生ランナーたちの奮闘を思う時、いかなる事業にも、その礎には先駆者の労苦があることを忘れてはなるまい。

〈若き日の池田先生の誓い〉
妙法の青年革命児よ、真っしぐらに、進みゆけ。
山を越え、川を越え、谷を越えて。
"走れメロス"の如くに。
厳然と、師は見守っているぞ。

池田先生は、若き日の日記につづっている。
「妙法の青年革命児よ、白馬に乗って、真っしぐらに、進みゆけ。山を越え、川を越え、谷を越えて。"走れメロス"の如くに。厳然と、師は見守っているぞ」と。
書いた日は1956年(昭和31年)3月29日。"まさかが実現"の勝利を果たすことになる「大阪の戦い」の真っただ中であった。
『走れメロス』(太宰治著)は友のため、正義のために走り抜いた一人の青年の物語。先生は恩師の構想を師弟の誓願として、行く先々で同志を鼓舞しながら、広布の"限界の壁""不可能の壁"を決然と打ち破っていった。
さらに先生は、創価の若き「正義の走者」たちに、「勇気のランナー」たる先人たちの人生を通して励ましを送ってきた。
ザトペックを通しては——
「青春の道は、決して途中では決まらない。自分自身を信じ抜き、負けじ魂を燃やして、最後の最後まで走り抜く人に、栄冠は輝くのです」(2017年6月4日、高等部結成53周年記念大会へのメッセージ)
バニスターを通しては——
「勝負の世界は、"心の壁"との戦いです。(中略)最高の努力をするために、心を強める最高の祈りをするのです。限界まで努力したら、また祈って限界を突破する努力を重ねていくのです。大事なことは、具体的に、そして強盛に祈ることです。的を狙わずに弱々しく矢を放っても当たらない。何とかなるだろうでは、何ともなりません。『何としても!』という、ひたぶるな祈りこそが、実を結ぶ。全身全霊をかけた祈りが、御本尊に通じないわけがないのです」(「未来対話『夢の翼』」第6回)
金栗四三を通しては——
「転ぶことだってある。何度転んでも、また立ち上がる若人こそ勝利者だ。創価の不屈の負けじ魂は、自分だけではなく、一緒に走る仲間や、あとに続く後輩たちを励まし、明日へ希望を広げていける。ゆえに、目先のことに一喜一憂することなく、苦しい時ほど勇気に燃えて、前へ前へ進むことです」(18年11月17日、創価学園「英知の日」へのメッセージ)
きょう3月16日は「広宣流布記念の日」。後継の誓い新たに、弟子が走り出す日である。

2022年3月24日木曜日

2022.03.24 わが友に贈る

女性の連帯こそ
平和と希望の象徴だ。
誓春の道を歩む
池田華陽会の友を
皆で支え励まそう!

異体同心事 P1463
『異体同心なれば万事を成し同体異心なれば諸事叶う事なしと申す事は外典三千余巻に定りて候』

【通解】
異体同心であれば万事を成就し、同体異心であれば何事もかなうことはない。このことは外典三千余巻に定まっている。

名字の言 命名から50年の「青年桜」 2022年3月24日
東京でも20日に桜が開花。総本部の「青年桜」にも、淡い花びらが顔をのぞかせる▼この桜は樹齢80年以上ともいわれ、1953年秋に学会本部が信濃町に移転した時には既に植わっていた。名は「青年」だが、風格十分の老大木。戸田先生、池田先生のもと、幾多の風雪を越えて、学会が世界宗教へと開花した歴史を知る"生き証人"である▼後継の月・3月は青年の飛躍が頼もしい。一方、老境に入りながら、なお青年の心で師弟の誓いに生きる大先輩たちの姿に心打たれた。出席した都内の座談会で、85歳の壮年が、33年間本紙を購読した地域の友人を入会に導いた喜びを語っていた。49番目の折伏という▼壮年の原点は49年前の池田先生との記念撮影会。全員で将来の希望を書こうという師の提案に「実業家」と記した。私鉄沿線に小さな時計店を開業して59年。実業家とまではいかないが、店はサロンのように人々が相談に立ち寄る、地域のオアシスになった。「来年は原点から50年。50世帯目を目指します!」との決意に、老若男女が大拍手を送った▼青年桜は冬の寒さと、自らの老いとも戦い、今年も勝って咲いた。その姿が創価の歴戦の英雄たちと重なる。池田先生による命名から50年の春爛漫である。

寸鉄 2022年3月24日
年齢はどうあれ一日一日進歩する人が青年—牧口先生。若々しい心で前進
福井師弟原点の日。関西の北の砦と光る大人材城 新時代の常勝の共戦譜を
桜前線が北上中。生命が躍動する喜びの春。我らは語らいの花を爛漫と!
自転車の危険運転、取締強化へ—警察庁。携帯の操作厳禁。車両の意識で
日本のアレルギー対策を支えたのは公明—医師。命守る政策実現の柱たれ

☆忘れ得ぬ旅 太陽の心で 第19回 仙台
◇東北に光る「励ましの城」
雪舞うも
 寒風あれども
  宮城は
 花の咲く日を
  心に忘れじ

一番、苦労した人が、一番、幸福になる。
言い尽くせぬ苦難を耐え抜き、勝ち越えた人間と郷土こそが、永遠に輝きわたる希望と歓喜と勝利の春に包まれる——。
これが、私が敬愛してやまない東北の友と共有する悲願であり、確信であり、決心です。
仙台ゆかりの俳人・阿部みどり女は詠いました。
「風強く きりりと晴れて 雪の山」
私には、あの蔵王連峰のごとく「きりりと」胸を張る東北の宝友たちの負けじ魂が思われてなりません。
厳しい試練の冬の先には、桜梅桃李の花また花が咲き薫る東北の春が来ます。厳寒の冬を知るからこそ、春の慈愛の温かさがわかる。春の喜びを、命の限り謳い上げる。
その香しく、麗しき花園は、まさに私と妻の大切な大切な友人である東北の母たち、女性たちのスクラムそのものです。
あの日、犠牲になられた皆様方、さらに、その後、お亡くなりになったすべての方々のご冥福を祈らない日はありません。そして、亡き方々の分までもと、生きて、生きて、生き抜いてこられた尊き皆様方が、健康と安穏とご多幸の日々であられるように、強く強く祈念し続けております。
人を支え、人に支えられ、共々に、一歩一歩、前を向いて歩んでこられた東北の方々に、私は最敬礼せずにはいられません。東北に光る、人間として何よりも崇高な「心の財」は、限りない励ましとなって、世界、未来を照らしてくれています。

◇絶対の信頼
〈戸田先生と池田先生が仙台の青葉城址を訪れた折、戸田先生は「永遠に崩れぬ人材の城を」と。恩師から託された大志のまま、池田先生は東北中を駆け巡り、人材の城を築いてきた〉

少年時代に庄内地震(一八九四年)のなかを生き抜き、仙台の春を深く愛した哲学者・阿部次郎は語りました。
「一人の人が出来得る限りに於いて善くなることは、直ちに社会の全体をよくすることである」と。
本当に、その通りだと思います。
ですから、一人を大切にし、一人を励まして、一人を育てていくことは、最も地道でありながら、最も確実な社会の建設でありましょう。
わが創価教育の創始者・牧口常三郎先生も、東北の教育力に注目され、東北大学をはじめ、仙台や石巻の小中学校、高等女学校、学校診療所なども、丹念に視察しておりました。
弟子である戸田城聖先生も、幾たびとなく仙台の友人たちのもとへ足を運んでいます。寒い冬にも、病身を押して東北への旅路に就いたほど、先生の友を愛する思いは強かったのです。
仙台のラジオ局でインタビューを受けた際、「仙台の方々に望むことは」との問いに、「一日も早く幸福に」と答えておりました。
私も、師と仰ぐ戸田先生にお供して、よく仙台に伺いました。上野発の夜行列車で出発し、仙台発の夜行列車で帰京したことも懐かしい。「いざという時、絶対に信頼できるのが、東北の友である」と、恩師と私はいつも語り合ってきました。

◇共に希望の春を
〈東北随一の青葉城の石垣は、多くの石がほぼ隙間なく、絶妙に組み合わされている。同様に、一人ももれなく大切にする東北の心の絆こそ、励ましの希望の城である——池田先生は友の不屈の歩みをたたえてやまない〉

戸田先生が激励され、私もよく知る仙台の婦人は語っていました。石巻とも縁の深い方です。
「東北人の武器は粘り強さと、一歩も引かない責任感です。その力が、いよいよ一番必要な時代に入ったと思います」
この女性も、青春時代から、結核を患うなど病気との闘いの連続でした。結婚後も貧窮に苦しみ、姑との折り合いがうまくいかないこともあり、あらゆる悩みに翻弄されて、絶望していたといいます。
そのなかで「冬は必ず春となる」「わざはひ(禍)も転じて幸となるべし」との希望の哲学を学んでいきます。
私は、この婦人に和歌を贈りました。
「昇りゆく 朝日の幸を 身に受けて
 君よ 舞いゆけ 劇の如くに」
婦人は、狭い四畳の自宅に友を招き、また、自ら友のもとを訪れて、一緒に悩んで泣いたり、笑いころげたりしながら、人のため、地域のために尽くす活動を積み重ねていきました。そして、病気や貧乏に負けていた心は、いつしか吹き飛んでいったのです。
婦人にとって最も嬉しいことは、励ました友が、皆、境涯を大きく開いて、立派になっていくことです。
東北には、こうした励ましの母たちが、何と尊く光っていることでしょうか。共に悩み、共に泣き、一緒に祈ってくれる。自らの体験を語り、絶対に乗り越えられると勇気を贈ってくれる——。
東北の温もりは、母たちの心の温もりです。
大震災の困難にあっても、地域の宝の女性たちありて、東北復興の「励ましの城」は築かれています。

〈池田先生は、それぞれの舞台で地域に貢献する東北の青年の姿を紹介。仙台出身の詩人の言葉に託し、東北の友への期待を重ねて呼び掛けた〉

希望の春は、英知と力を合わせて苦難に挑みゆく青年たちの心に、たくましく芽ばえています。
恩師も私も愛誦した、仙台生まれの詩人・土井晩翠は、繰り返し、若い世代を激励しました。
「正しく 強く 朗らかに」と。
仙台の古称は「千代」です。愛する大東北に、「正しく強く朗らかに」伸びゆく青年たちと共に、世界が"千代の希望"と仰ぎ見る「人材の城」がそびえ立つ日を、私は信じてやみません。

若々しく
 また 仲の良き
   東北城
(『忘れ得ぬ旅 太陽の心で』第2巻所収)

2022年3月23日水曜日

2022.03.23 わが友に贈る

「さいわいは心より
いでて我をかざる」
感謝の人は幸せ!
報恩の心に
無量の福運が輝く。
(新2037・全1492)

清澄寺大衆中 P895
『恩をしらぬ人となりて後生に悪道に堕ちさせ給はん事こそ不便に候へ』

【通解】
恩を知らない人間となって、後生に悪道に堕ちられることがかわいそうでならない。

名字の言 東北の皆さまの無事と幸福を祈ります 2022年3月23日
選抜高校野球大会の熱戦が続いている。19日に行われた阪神甲子園球場での開会式は感染防止のため、大会初日に出場する6校が参加。他校は地元で事前に収録した行進の模様が、映像で紹介された▼多くの出場校の選手たちは、木々の緑まぶしい景色の中をりりしく行進する。その中で、福島・只見高校の野球部員は、背丈を超す雪の壁の間を一歩一歩、踏み締めるように歩いていた。豪雪という逆境の中を力強く進む彼らの雄姿が誇らしく見えた▼同じ日の本紙に、先日の地震で被災した東北の様子が掲載された。現地の友に聞くと、被害が出た一般道には通行規制がかかり、リーダーは迂回しながら、メンバーの激励に奔走しているという▼道路や水道、交通網といったインフラも、懸命な復旧作業が続く。日常生活を取り戻すには、散乱、破損した物品の片付けなど、まだ時間がかかるだろう。それでも「悲嘆せず、力強く前へ進んでいきましょう」と励まし合う同志の姿に、強靱な負けじ魂を見る思いである▼"自分たちの奮闘が、必ず誰かの希望になる"ということを、私たちは何度も何度も、東北の友に教わってきた。だからこそ、皆の無事と幸福を祈らずにはいられない。共戦の同志として。

寸鉄 2022年3月23日
「一人として仏にならざるはなし」御書。妙法の力は偉大。確信強く前へ!(新2157・全1573)
中部女性部の日。希望を広げる対話の花が満開!勝利の一番星を皆の手で
学会は人の幸福と社会を善くする為にある—牧口先生。勇気で仏縁を拡大
朝の思考が一日の感情を決める—専門家。祈りは具体的に。爽快な勤行を
寒暖差疲労に留意。軽い運動が解消に効果—医師 聡明な生活リズム心掛け

☆輝きの瞬間 3月の広布史
◇1966年3月5日 壮年部の結成記念日
3月は、広布の黄金柱・壮年部の結成月である。
1966年3月5日、学会本部(当時)で壮年部の結成式が行われた。池田先生は、「頼みとなるのは皆さんです。壮年部が大きく成長し、堅固な広宣流布の構えができるならば、わが創価学会は永久に盤石です」と語った。
日蓮大聖人の時代、在家の中心となって活躍したのは、四条金吾や富木常忍など、壮年信徒である。また、初代会長の牧口先生は57歳で入信。第2代会長の戸田先生が出獄し、広布に一人立ったのは45歳の時であった。両先生が広布の戦を開始したのは、壮年時代である。
壮年部の結成を祝して、先生は「大白蓮華」に「妙法の名将」と題する巻頭言を寄せた。そこでは、"妙法の名将"の資格として、�御本尊への絶対の確信�難事をも成し遂げゆく力�社会の全てに通暁した世雄�後輩を育成していく熱意�人間性豊かな包容力ある指導者�旺盛な責任感と計画性——が論じられた。
結成から3年後の69年3月16日、東京・日本武道館で第1回壮年部総会が開催された。席上、先生は烈々たる気迫で、47分間にわたる講演を行った。
その中で、"「3・16」は、我々こそが広布実現の決意を深く固めていく日である"と訴えた。「広宣流布記念の日」を節目として、壮年が立ち上がることを呼び掛けたのである。
この時の思いを、先生は後に述べている。
「広宣流布を荘厳する決定打を放つのは、わが壮年部だ。生涯をかけて師弟の道を貫き、『霊山一会儼然未散』の創価の世界を守り抜き、地涌の誓願を果たし切る存在なのだ」
3月の異称である「弥生」には「(草木が)いよいよ生い茂る」との意味がある。あの地この国に今、"いよいよ"との意気に燃え、青年の心で広布拡大に挑戦する壮年がいる。この黄金柱が林立しているがゆえに、学会は強い。いかなる烈風にも揺るがない。

◇1982年3月22日 関西青年平和文化祭
1979年4月24日、池田先生の第3代会長辞任が発表された日の夜、若き日の先生が恩師にささげた和歌が、大阪の緊急本部長会で読み上げられた。
「古の 奇しき縁に 仕へしを 人は変れど われは変らじ」
"私たちの師匠は永遠に池田先生!"——師弟の絆を引き裂こうとする、卑劣な悪僧らへの、堂々たる関西の宣言だった。
反転攻勢が本格的に開始された81年秋、大阪を訪れた先生に、文化祭の開催に向けて、関西の青年が語った。
「『学会ここにあり、創価の師弟は健在なり!』と、満天下に示す舞台にいたします!」「10万人の青年がお待ちしております!」
迎えた82年3月。文化祭1日目の21日は、雨天のため中止となった。会場の大阪・長居陸上競技場(当時)の地元の同志は、ぞうきんやバケツを持って集まり、グラウンドや競技場周辺の水たまりを、懸命にかき出した。無事故・大成功へ向け、全員が心を一つにした。
翌22日、爽やかな青空が広がった。文化祭は鮮やかな人文字とファンファーレで開幕した。
関西の友は、会長辞任の烈風の中、弘教に挑み、新たな青年部員が数多く誕生していた。その不屈の折伏精神は、文化祭の冒頭、新会員1万人の行進となって結実した。皆、第1次宗門事件の渦中に入会した男女青年部員であった。
バックスタンドに描き出される人文字では、「大阪の戦い」や「大阪大会」など、先生と関西の歴史をたどる人間絵巻が繰り広げられていった。
そして、今も語り継がれる"不滅の六段円塔"。円塔が立ち上がると、「関西魂」との人文字が踊った。反転攻勢の文化祭の象徴となった。
関西の同志は草創期から少しも変わらない、師弟常勝の魂を、創価の人間主義を、全身全霊で表現した。その後、中部、宮城、埼玉、沖縄などでも文化の祭典が開催された。第1次宗門事件の鉄鎖を断ち切り、学会は21世紀へと大きく飛翔を開始したのである。

◇1977年3月11日〜13日 福島県訪問
「みちのく」に新生の春が告げられた——1977年3月11日、池田先生は、郡山市に完成したばかりの福島文化会館(当時)を訪問した。本年で45周年の佳節を迎える。
前年の76年末から続く強い寒波の影響により、東北地方の農家は苦境に立たされた。先生は自然環境の猛威によって、試練の渦中にあった友のもとへ駆け付けた。
11日に行われた開館記念勤行会で先生は、69年10月の福島総合本部幹部会で提案した「希望に燃えて前進する福島」「生活闘争に勝利の福島」「生命力豊かな信仰の福島」との3指針を確認。創価の同志には、克服できない苦境など絶対にないと訴えた。
翌12日に開かれた2回目の勤行会では、地理的にも、広布の未来展望の上からも、福島は限りない発展の可能性を秘めた国土であると強調。功徳と福運が咲き薫る理想郷の建設を、と呼び掛けた。
福島滞在の最終日となる13日には、東北6県の代表幹部会に出席。どんな困難にも負けない東北の同志の粘り強さをたたえた。
その後、「3・16」の意義を込めた福島県青年部の記念集会が行われた。先生は「次の広宣流布の流れは、青年につくってもらう以外にない。そして、さらに若い世代が、次のもっと大きな拡大の流れをつくる。その永続的な戦いが広宣流布なんです」と述べ、福島青年部に万感の期待を寄せた。
3日間の激励行で、先生は「創価之山桜」などの揮毫を認め、東北の友に贈った。後年、"桜"の字に込めた思いについて記した。
「いかなる試練や苦難の冬が続こうとも、我らは胸張り耐え抜いて、断固として咲き誇るのだ! 『法華経を信ずる人は冬のごとし冬は必ず春となる』(全1253・新1696)という希望の大哲理を社会へ、世界へ、未来へ示していくのだ!」
「ずってもはっても(何があっても)負げでたまっか!」——東北の友が積み重ねてきた軌跡は、人間の不屈の力を示す"希望の鑑"として、未来を照らし続ける。

◇1986年3月21日 白樺会の日
このほど、女性部の看護者の集いである「白樺会」が、これまでの女子部の「白樺グループ」と一体となって、新出発した。
同グループは、1969年6月6日に結成された。厳しい環境にあっても、凜として立つ、白樺の木の強く、美しいたたずまいが、看護に従事する女性たちに重なると、池田先生が命名した。
以来、白樺の友は、職場で、広布の舞台で、共に励まし合いながら、前進してきた。
第3代会長辞任の翌月の79年5月、白樺の友が先生のもとに駆け付けた。その時の様子が随筆に記されている。
「『先生!』『先生!』と、数人の"白樺"の乙女たちが駆け寄ってきた。そして、一人の友が、涙を浮かべながら言い放った。
『先生、お元気ですか!』
一途な声であった。一緒にいたメンバーたちも、祈るような真剣な顔でその様子を見つめていた。
『私は、元気だよ!』
そう答えると、皆の笑顔がほころんだ」
"白樺"は、どこまでも師弟直結を貫いてきた。
白樺グループ出身者が、婦人部でも活躍していくようになり、86年3月21日、待望の「白樺会」が発足した。その記念の集いがまさに開始する時、先生は会場後方から入場。大歓喜の中、先生の導師で勤行が始まった。会合中、先生は何度も「大事な人たちだ」と語り、日々の労苦を心からねぎらった。
5月には関西にも白樺会が結成され、その後、全国へと広がっていった。研修や健康対談など、白樺の友への師の激励は尽きない。
97年3月の結成記念の集いに、先生はメッセージを寄せた。
「大変なご苦労がいっぱいあることでしょうが、皆さま方の、ひとことひとこと、また、そして一つ一つの振る舞いが、一人の人間に生きる希望をどれほど与えているのか」
「私も、人々を救っていくという意味で、白樺会の一員になったつもりで、一日一日を戦ってまいります」

2022年3月22日火曜日

2022.03.22 わが友に贈る

自分だからこそ
語れる人がいる。
寄り添える人がいる。
地涌の使命を胸に
友に幸の声を届けよう!

御義口伝巻上 P716
『我等が頭は妙なり喉は法なり胸は蓮なり胎は華なり足は経なり此の五尺の身妙法蓮華経の五字なり』

【通解】
我らの頭は妙である。のどは法である。胸は蓮である。腹は華である。足は経である。この五尺の身が妙法蓮華経の五字の当体である。

名字の言 冬来りなば春遠からじ 2022年3月22日
作家の伊集院静さんがかつて、本紙でこんな話を紹介していた。北国では桜が咲き始めようかという時季に、どか雪が降ることがある。その摂理を知る一婦人がこう言った。「ドーンと最後の雪が降れば、ようやく春が来るんだべ。いい雪なんだ」▼71年間、美容師として活躍し続けてきた女性部員がいる。幾たびも、厳冬のような試練に見舞われた。亡夫が多額の借金をつくった時、御聖訓「いかなる乞食にはなるとも、法華経にきずをつけ給うべからず」(新1583・全1163)を何十回、何百回と拝読し、"負けてなるものか"と闘志を湧き立たせた。約10年かけて負債を完済し、美容室を守り抜いた▼大病を患った際、懸命に唱題を重ねると、"この病が私を強くしてくれる"と確信が込み上げた。見事に克服してからは、「困難にありがとう」「苦労にありがとう」が口ぐせになった▼感謝と喜びで100世帯以上に弘教してきた彼女は、今年91歳。青年さながらの笑顔で語る。「信心で悩みを乗り越えるとね、パーッと幸福境涯が開かれるの。ワクワクするわよ」▼冬来りなば春遠からじ——それを示してくれる先輩が、広布の庭のここかしこに輝いている。実に誇らしく、実にありがたい。

寸鉄 2022年3月22日
どんな大業も地道な努力の積み重ねに—戸田先生 今日も"自分に勝つ"一歩
関西男子部の日。圧巻の6段円塔40周年。若き力で新たな常勝の歴史開け
未来部担当者の尊き奮闘に感謝。創立100周年へ! 後継の鳳雛育む使命は大
広く衆生を利益すること滞り有るべからず—御書 勇気即慈悲。対話の渦を(新728・全574)
国連・世界水の日。自然環境の保護は待ったなし。"地球益"の為に足元から

☆栄光の共戦譜 第3回 1962年(昭和37年)「勝利の年」
◇多くの友をつくり、正義の拡大を
池田先生の第3代会長就任60周年を記念して発刊された年譜『栄光の共戦譜』には、黄金の"師弟の足跡"がとどめられている。本連載では、年譜を1年ごとに追いながら、現在の広布の活動に通じる"学会の原点"を確認していく。第3回は、「勝利の年」と銘打たれた1962年(昭和37年)を掲載する。

◇「1・25」大阪事件の無罪判決
1957年(昭和32年)7月3日、池田先生は、事実無根の選挙違反容疑で大阪府警に逮捕された。大阪事件である。背景には、民衆勢力として台頭する学会を陥れようとの、権力の謀略があった。
7月3日は、軍部政府の弾圧と戦い抜いて投獄された戸田先生が、45年(同20年)に出獄した日でもあった。
恩師は、大阪へと向かう愛弟子に言った。「お前が死ぬようなことになったら、私も、すぐに駆けつけて、お前の上にうつぶして一緒に死ぬからな」
池田先生は誓った——。"戸田先生の弟子らしく、私は、力の限り戦う"
17日に出獄した池田先生を待ち受けていたのは、4年半にわたる過酷な法廷闘争だった。58年(同33年)3月5日、池田先生は、裁判のために大阪に行くことを恩師に告げた。戸田先生は、衰弱する体を布団から起こし、毅然として言った。
「裁判は、容易ならざる戦いになるだろう」「しかし、最後は勝つ。金は金だ」「真実は必ず明らかになる。悠々と、堂々と、男らしく戦うんだ」
恩師の言葉通り、池田先生は84回の公判を経て、62年(同37年)1月25日、「大阪事件」の無罪判決を勝ち取る。それは、先生と共に戦い抜いた関西の同志の勝利であり、創価の勝利でもあった。
無罪判決の前夜、先生は兵庫で開催された関西の男子部幹部会に出席し、大阪事件のえん罪の構図と権力の魔性に言及。幹部会終了後、駆け寄ってきた青年たちに語った——一人一人が力をつけ成長することだ! 多くの友をつくり、正義の陣列を拡大することだ! そして広宣流布の戦いに勝って、世間をあっと言わせる時代を創ることだ!
この「戦い続ける心」こそ、「1・25」に刻まれた魂である。

◇「1・27」東洋学術研究所発足 「3・8」学芸部結成
1962年(昭和37年)は、東西冷戦の真っただ中であった。前年、「ベルリンの壁」が築かれ、この年の10月には「キューバ危機」が勃発。米ソの衝突は寸前で回避されたものの、世界が核兵器の脅威に怯えていた。
池田先生は、世界を不戦へと導くため、"文化交流"の潮流を広げゆくことを深く心に期した。
61年(同36年)のアジア訪問の際に提案し、62年1月27日に発足したのが「東洋学術研究所」(現・東洋哲学研究所〈東哲〉)である。学会が設立する文化・教育機関の先駆けとして、東洋をはじめ世界の思想・哲学・文化を多角的に研究する機関が誕生した。
以来、東哲は法華経を中心に、世界の宗教や思想、文化の研究を推進。環境問題、平和、人権、生命倫理など、地球的問題群の解決への道を探究し続けてきた。世界の学術機関等と交流を重ね、文明間・宗教間の対話を進めるとともに、「法華経写本シリーズ」の発刊等を通して、仏教の原典研究の発展に寄与している。
同年3月8日には、学術・芸術の担い手である「学芸部」(後の学術部、芸術部)の結成式が行われた。先生は、学術部には「唱題による知恵を根本として知識を活用してほしい」と訴え、芸術部へは「信心を根本に自らの職業で伸び伸びと活躍を」と激励した。
池田先生は、文化の重要性を述べている。「文化は固有性とともに共感性をもち、民族、国家、イデオロギーの壁を超えて、人間と人間の心を結ぶ"磁石"の働きをもっている」
師匠の手によって"文化の華"の種子が蒔かれてから60星霜——。平和の礎となる文化と友情のさらなる大輪を咲かせゆくことは後継の私たちの使命である。

◇「8・31」御義口伝講義を開始
「混迷せる現代思想の革命は、この大思想による以外ないと確信する」——池田先生の『御義口伝講義』の「序」の一文である。
1962年(昭和37年)7月、先生と学生部との懇談の折、"ぜひ御書講義を"と学生部から要請があった。先生は「よし、やろう!」「一緒に勉強していこう」と快諾。8月31日、学生部の代表への「御義口伝」講義がスタートした。
当時の学生の間には、いわゆる"60年安保"闘争の挫折に伴う喪失感が漂っていた。そうした状況の中で、先生は日蓮仏法が社会建設の哲理であることを示したのである。
先生の講義は、御書の拝し方といった教学の基本姿勢から、仏法の生命観まで縦横無尽に展開した。「私が、みんなに厳しく指導するのは、仏法の因果の理法が厳しいからです」——。講義は、厳粛な中にも深い慈愛がこもっていた。
翌年9月からは、1年にわたって、関西で「百六箇抄」の講義を実施。64年(同39年)11月、京大生・関西以西の代表への「御義口伝」講義を開始するとともに、12月には中部で「諸法実相抄」の講義を行っている。師匠の渾身の講義は、創価後継の精鋭たちを鍛える人間教育の場となったのである。
先生は、受講生たちに語った。
「私は、戸田先生から、十年間、徹底して、広宣流布の原理を教わった。師匠は原理、弟子は応用だ。今度は、将来、君たちが私の成したことを土台にして、何十倍も、何百倍も展開し、広宣流布の大道を開いていってほしい」
「御義口伝」に「普賢菩薩の威神の力」(新1085・全780)と。仏法は、創価の普賢菩薩たる学生部の力で広まる——これが広布の方程式である。

◆年表◆
1962年
〈1月24日〉
関西指導(〜25日。大阪、兵庫)

〈1月25日〉
大阪事件裁判の第84回公判で無罪判決(大阪地裁)
裁判は4年半に及ぶ
検察は控訴せず、無罪が確定

〈1月27日〉
東洋学術研究所(現・東洋哲学研究所)の発足式(東京)
東洋を中心に世界の文化、宗教、民族性を研究し、文明間の相互理解、人類の平和に寄与することを目指す

〈1月29日〉
中東・アジア訪問(〜2月12日。イラン、イラク、トルコ、ギリシャ、エジプト、パキスタン、タイ、香港)
バンコク(2月11日)、香港(12日)の支部結成を発表

〈3月8日〉
学芸部(後の学術部、芸術部)結成式(東京)

〈3月16日〉
第2回青年部音楽祭(東京)

〈4月17日〉
青年部主催による初の柔剣道大会(東京)

〈5月3日〉
第24回本部総会(東京)
海外から130人を超えるメンバーが参加

〈5月8日〉
東北本部幹部会(宮城)

〈6月15日〉
北海道地区部長会

〈6月18日〉
長野指導(〜19日)

〈6月20日〉
和歌山・九州指導(〜24日。和歌山、大分、福岡)

〈7月17日〉
沖縄指導(〜19日)

〈7月22日〉
第5回学生部総会(東京)

〈8月1日〉
第1回教育部全国大会(東京)
創価教育学の研究、教育体験を発表する雑誌出版を提案
翌9月に機関誌「灯台」が発刊される〈後に第三文明社から、教育雑誌として刊行〉

〈8月4日〉
富士吹奏楽団結成式(静岡)

〈8月31日〉
学生部の代表に「御義口伝」の講義を開始(東京)

〈9月13日〉
公明政治連盟第1回全国大会(東京)
"大衆と共に語り、大衆のために戦い、大衆のなかに死んでいく"政治家のあり方を語る。後の公明党の立党の精神となる

〈9月16日〉
九州指導(〜17日。熊本、大分)

〈9月23日〉
青年部第4回全国体育大会「若人の祭典」(神奈川)

〈10月6日〉
青年部主催の第1回関西音楽祭(兵庫)

〈10月14日〉
青年部の第1回文化祭(東京。15日、神奈川)

〈11月3日〉
教学部助師・講師昇格試験の会場で受験者を激励(東京)

〈11月27日〉
第31回本部幹部会で300万世帯の達成を発表(東京)

〈12月2日〉
第10回女子部総会(東京)

〈12月9日〉
第11回男子部総会(東京)

2022年3月21日月曜日

2022.03.21 わが友に贈る

◇今週のことば
新入会の宝友を大切に。
進学・就職・転居など
新出発の同志へ応援を。
共に「人間革命」の春だ。
創価桜の道を足元から!
2022年3月21日

四条金吾殿御返事 P1180
『此の法門につきし人あまた候いしかどもをほやけわたくしの大難度度重なり候いしかば一年二年こそつき候いしが後後には皆或はをち或はかへり矢をいる、或は身はをちねども心をち或は心はをちねども身はをちぬ』

【通解】
この法門についた人は数多くいるけれども、公私ともに大難がたびたび重なってきたので、一年、二年はついてきたものの、後々には、皆、あるいは退転し、あるいは反逆の矢を射た。また、あるいは身は堕ちなくても心は堕ち、あるいは心は堕ちなくても身は堕ちてしまった。

名字の言 人類史に残る巨悪を為した人間。それは…… 2022年3月21日
ベルリン郊外のヴァンゼー湖畔で15人のナチス政権の高官が集まったのは80年前のことだった。会議のテーマは"ユダヤ人問題の最終的解決"。「ヴァンゼー会議」と呼ばれる、その会議以降、ホロコースト(大虐殺)が加速したとも指摘される▼会議の詳細な議事録が残されている。作成したのはアイヒマン。ナチス親衛隊の大将からユダヤ人の大量移送の計画・促進を命じられ、実行に移した人物である。戦後、国外に逃亡し、アルゼンチンに身を潜めていたが逮捕され、裁判にかけられる▼人類史に残る巨悪を為した人間——その実像は、考えることを放棄し、命令を淡々とこなす平凡な役人だった。彼はナチスに責任を押しつけ、言い訳に終始した。裁判を傍聴した哲学者のアーレントは「凡庸な悪」と論じた▼フランス文学者の鈴木道彦氏は、本紙で「凡庸さのもたらす悪を克服し、自分の属する民族の汚点をも正確に把握するには、ただ徹底して『考える』ほかに方法はない」と述べている。戦争の悲惨さを見つめ、"正義とは何か"を問い、考え続けることから、平和の芽は育まれよう▼差別も戦争も、人間の心から生まれる。その心を変革し、人間の善性を呼び覚ましていくことが、宗教の使命である。

寸鉄 2022年3月21日
春の彼岸。妙法の功徳を「回し向ける」事が回向。最高の追善は我らの題目
九州の日。"勝利の夏"へ火の国の勇者が総立ち!誇り高き先駆の対話拡大
東北青年部の日。不屈のみちのく魂は皆の希望!今こそ励ましの連帯固く
大学生の就職内定率が小幅改善と。未来創るのは若者。公明よ後押し更に
国際人種差別撤廃デー。万人尊敬の心を世界の潮流に。多様性輝く社会へ

〈社説〉 2022・3・21 あす関西青年平和文化祭40周年
◇師弟の信心が凝結した"青年の塔"
「その瞬間、人文字は、金地に深紅の字で、『関西魂』と描き出した。六段円塔は、雲一つない"常勝の空"に、人間と人間の勝鬨の太鼓を打ち鳴らしながら、そびえ立った」(「随筆 新・人間革命」)
1982年3月22日、第1回関西青年平和文化祭が、大阪・長居陸上競技場(当時)で行われた。
この年、創価学会は「青年の年」と掲げて前進。世界広布へ雄渾の指揮を執る池田先生と共に、全国の青年が勇んで立ち上がった。中でも関西は、"創価の師弟は健在なり"と満天下に示す!——その決然たる誓いに燃えていた。
大雨に見舞われた前日から一転し、晴天の下、10万人の若人が躍動した文化祭。オープニングを飾った新会員1万人の入場行進は、関西中に巻き起こった弘教の勢いを象徴した。現在の大阪女性部のリーダーも、この行進に参加した一人だ。そしてクライマックスは、至難とされた六段円塔だった。
関西文化会館には「六段円塔、立ちましたんやろか」という電話が相次いだ。誰もが固唾をのんで成功の時を待った。関西中の同志が、文化祭に携わる青年の成長を願い全力で応援した。激励のおにぎりを作り続けた婦人も、寒風の中での練習に石油ストーブを持って駆け付けた壮年もいた。異体同心の大連帯がそこにはあった。
あの日、そびえ立った六段円塔には、関西全同志の祈りと信心が凝結していた。それは、「大阪の戦い」以来受け継がれてきた"不可能を可能にする"闘魂の昇華であり、師に勝利を届けようとする一念の結晶だった。
この文化祭には、被爆都市である広島市と長崎市の市長も出席。平和の担い手としての青年たちのはつらつとした姿に、大きな期待を寄せた。その後、中部や埼玉などでも平和文化祭は開催され、創価の青年が立正安国の誓いを胸に、社会変革の人材として雄飛する機会ともなった。
当時の文化祭の出演者世代は、その後、各地の中核として21世紀の広布推進を担ってきた。今、次の世代に、師弟共戦の魂のたすきを確実につなぐことが重要だ。
「新しき時代の扉は青年によって開かれる」(小説『新・人間革命』第30巻〈下〉「誓願」の章)
混迷深き時代に、平和で安穏な世界を築くため、使命の舞台に躍り出る青年と共に、スクラムも固く、皆が青年の心で進みたい。

☆栄光の共戦譜 第2回 1961年(昭和36年)「躍進の年(青年の年)」
◇広布の伸展は青年の飛躍とともに
池田先生の第3代会長就任60周年を記念して発刊された年譜『栄光の共戦譜』には、黄金の"師弟の足跡"がとどめられている。本連載では、年譜を一年ごとに追いながら、現在の広布の活動に通じる"学会の原点"を確認していく。第2回は、「躍進の年(別名・青年の年)」と銘打たれた1961年(昭和36年)を掲載する。

◇1・28〜2・14 アジアへ平和旅
1961年(昭和36年)元日、学会本部で池田先生が新年のあいさつを行った後、戸田先生の和歌が紹介された。
「雲の井に 月こそ見んと 願いてし アジアの民に 日をぞ送らん」
翌日、池田先生は、恩師の墓前で、アジア訪問への決意を報告。そして1月28日、東洋広布を熱願した戸田先生の思いを実現するため、アジアへの平和旅に出発した。
2月14日までの18日間で、香港、セイロン(現・スリランカ)、インド、ビルマ(現・ミャンマー)、タイ、カンボジアの5カ国1地域を訪れる行程だった。当時、香港に10世帯の学会員がいたが、他の訪問地には、ほとんどいなかった。
1月28日、香港に降り立った先生は、早速、海外ではアジア初となる地区を結成。31日には、初めてインドの地を踏む。そして、幾万、幾十万の地涌の人材が誕生することを深く祈念する。さらに、ビルマを訪れ、この地で戦死した長兄をしのびつつ、日本人墓地で戦没者の追善法要を行い、恒久平和を誓う。
この訪問では、先生の"一対一"の激励行によって、アジア各地に平和の種が植えられていくとともに、重要な平和・文化構想も語られた。
「私は、必死になって、平和と文化の道を開こうとしているんです。私が東洋の哲学や民族、文化の研究機関をつくろうというのも、また、音楽の財団を設立しようというのも、そのためです」
その展望はやがて、東洋学術研究所(後の東洋哲学研究所)や民主音楽協会などの設立につながっていく。
日蓮大聖人は、"仏法西還"の未来記を御予言された。先生のアジア訪問は、仏の未来記を実現し、平和と文化の道を開く歴史的な第一歩となった。

◇10・4〜23 初の欧州訪問
池田先生が初の欧州訪問に旅立ったのは、1961年(昭和36年)10月4日。翌5日、デンマークのコペンハーゲンにその第一歩をしるした。東西冷戦の対立の溝が深まり、ドイツのベルリンが「壁」で分断された直後だった。
8日、先生は西ベルリン(当時)を訪れると、建造されたばかりの「ベルリンの壁」へ。「ブランデンブルク門」を仰ぎながら同行の友に語った。
「30年後には、きっと、このベルリンの壁は取り払われているだろう……」
先生の言葉は、単なる願望ではなかった。"分断の壁"を取り除き、平和のために戦おうとの、断固たる決意にほかならなかった。
その後、先生は民族やイデオロギーを超えて、世界の指導者と粘り強い対話を重ねながら、「平和」と「連帯」の潮流を広げていった。そして、28年後の89年(平成元年)11月、「ベルリンの壁」は、東西ベルリン市民の手によって壊されたのである。
61年の初の欧州訪問では、先生は20日間で、デンマーク、西ドイツ(当時)、オランダ、フランス、イギリス、スペイン、スイス、オーストリア、イタリアの9カ国を歴訪。パリの凱旋門、ウィンザー城、ベートーベンの墓碑、サン・ピエトロ大聖堂などの歴史的建造物も視察した。
2度の世界大戦をはじめ、絶えず戦火の舞台となってきた欧州に"ヒューマニズム"の種子をまく開道の旅路だった。
先生は古代ローマの遺跡を訪れた際、「ローマの 廃墟に立ちて 吾思う 妙法の国 とわにくずれじ」と詠んだ。
今、欧州では16万人を超える地涌の陣列が、仏法のヒューマニズムの輪を広げ、一人一人の心に、崩れざる"人間共和の永遠の都"の建設に挑んでいる。

◇11・5 男子部総会 11・12 女子部総会
「躍進の年」と銘打たれた1961年(昭和36年)5月3日、池田先生は男女青年部の幹部と懇談し、こう語った。
「青年の大飛躍の節にするために、今日を出発点として、今年を『青年の年』としたいと思うが、どうだろうか」
先生は自らが、"青年の一人"との思いで、青年部の真っただ中に入り、若人たちに激励を送り続けた。
11月5日、先生が「青年部の室長としての最後の仕事」と位置付けていた"10万結集"の男子部総会が開催された。
"10万結集"は、54年(同29年)に戸田先生が「国士訓」を発表し、「青年よ、一人立て! 二人は必ず立たん、三人はまた続くであろう。かくして、国に十万の国士あらば、苦悩の民衆を救いうること、火を見るよりも明らかである」と呼び掛けて以来、青年部の室長だった池田先生の大きな誓いであった。
恩師との誓いを果たし、男子部総会の会場となった東京・国立競技場で、先生は力説した。「諸君が、それぞれの立場で、全民衆の幸福のため、広宣流布のために、大仏法の正義を証明する、人生の勝利者になっていただきたい」
11月12日には、「原水爆禁止宣言」の発表の場である神奈川・三ツ沢の競技場で、8万5千人の女子部総会が行われ、「次の時代の女性指導者は、最高の哲学をもった皆さんである」と訴えた。
先生は、当時の総会を振り返りながら、「青年の魂とは何か。偉大な目標に挑む気概だ。自ら求めて、新たな戦いを起こす覇気と行動力だ」と述べている。
学会が飛躍する時、そこには必ず青年の躍進がある——。それは、戸田先生の弟子として、さらには第3代会長就任後も、池田先生が示してきた広布の不変の方程式である。

◆年表◆
1961年
<1月8日>
九州3総支部結成大会(福岡)

<1月28日>
アジア訪問(〜2月14日。香港、セイロン、インド、ビルマ、タイ、カンボジア)
香港でアジア初の地区を結成(28日)
仏法西還の意義をとどめ、インド・ブッダガヤで「東洋広布」の石碑を埋納(2月4日)

<2月19日>
東北方面の支部結成大会(〜23日。宮城、青森、秋田)

<3月8日>
関西3総支部合同幹部会(大阪)

<3月16日>
青年部第1回音楽祭(東京)

<4月2日>
戸田先生の四回忌法要(東京)

<4月3日>
上越指導(〜4日。群馬、新潟)

<4月12日>
関西・中部指導(〜16日。大阪、三重、愛知、岐阜)

<4月22日>
中国指導(〜24日。岡山、島根、広島)

<5月3日>
第23回本部総会(東京)
会長就任1年で61支部から139支部に発展・拡大

<5月7日>
九州・関西指導(〜11日。福岡、京都、奈良、兵庫)

<5月14日>
沖縄総支部結成大会

<5月17日>
東北3総支部合同結成大会(福島)

<5月19日>
言論部結成式
正義の言論を展開する使命を語る(東京)

<6月10日>
教育部の結成式が行われる(東京)
中部指導(〜12日。愛知)

<6月17日>
関西指導(〜18日。京都、大阪)

<6月27日>
第14回本部幹部会で200万世帯の達成を発表(東京)

<10月4日>
初の欧州訪問(〜23日。デンマーク、西ドイツ、オランダ、フランス、イギリス、スペイン、スイス、オーストリア、イタリア)
東西対立の象徴であるベルリンの壁を視察(8日)

<11月5日>
第10回男子部総会で、戸田先生の遺訓である「国士10万」の結集(東京・国立競技場)

<11月12日>
第9回女子部総会で8万5千人が結集(神奈川・三ツ沢の競技場)

<11月20日>
東北本部の落成入仏式。「新世紀の歌」が発表される(宮城)

<12月16日>
大阪事件裁判の第83回公判で最終陳述を行う(大阪)

2022年3月20日日曜日

2022.03.20 わが友に贈る

真の「喜び」とは
「自他共に喜ぶことなり」
その第一歩は友の話を
聞くことにある。
座談の花を幾重にも!
(新1061・全761)

持妙法華問答抄 P465
『されば持たるる法だに第一ならば持つ人随つて第一なるべし、然らば則ち其の人を毀るは其の法を毀るなり其の子を賎しむるは即ち其の親を賎しむなり』

【通解】
それゆえ持たれる法さえ第一ならば、持つ人もまた第一なのである。そうであれば、その人を毀るのはその法を毀ることである。その子を賎しむのは即ちその親を賎しむことである。

名字の言 幸せの形は変わっていく 2022年3月20日
認知症になった母、支える父を撮影したドキュメンタリー映画「ぼけますから、よろしくお願いします。」——実の娘であり、監督でもある信友直子さんが広島の聖教文化講演会で語った。「現実を受け入れた時、多くの"贈り物"に気付けました」▼父は90代半ばで家事をするように。母は料理ができなくなっても、「夕飯は何が食べたい?」と尋ねる。多くのことを忘れても、母の心には家族への変わらぬ愛情があった。信友さんの「幸せの形は決まったものではなく、変わっていきます」との言葉が印象的だった▼山口県のある壮年部員は、かつて宗教に否定的だったが、先に信心した妻が明るくなっていく姿を見て入会。信心の姿勢など、全てを教わった。その妻が認知症を患い、要介護4になった▼妻は徐々に記憶を失っていく。しかし、信心で磨いた明るさは失わなかった。「また信心を教わった」と壮年。介護の合間を縫って活動に励み、短歌を詠むようにもなった。その一首に「側に居て くれるだけでも 我れ嬉しい 辛き介護も 妻ぞや居れば」と▼それまでの形とは違っても、妻と生きた時間に、壮年は深く感謝する。幸福とは、信心で築く「心の宝」であることを、夫妻の姿に教わった。

寸鉄 2022年3月20日
題目を日に日に身に染め生命に刻め—恩師。これ勝利の鉄則。朗々と出発
「一念三千は抜苦与楽なり」御書。激励の達人に。同志を想う心は必ず通ず(新1076・全773)
長崎の日。皆が平和建設の主人公。今こそ勇敢に希望と正義の哲理を語れ
北陸女性部の日。誓願に生き抜く人は強し!今日も励ましの陽光を地域へ
"自分は若い"と思う心が健康寿命を保つ—教授。青年の気概で溌剌と挑戦

☆創価学園卒業式への池田先生のメッセージ
◇"学び"と"負けじ"の希望博士に
一、晴れの卒業、誠におめでとう!
いつにもまして苦労や辛抱が多いなか、皆、本当によく頑張り通しました。卒業それ自体が、偉大な青春の勝利です。
辛労を尽くして守り支えてくださった、ご家族の方々、また教員の先生方、職員ならびにご関係の方々に、心から御礼とお祝いを申し上げます。

◇価値創造の青春の新時代へ
一、わが卒業生一人ひとりの尊き奮闘と見事な成長を喝采し、私は桜の花吹雪で皆さんを包みゆく思いを込めて、贈りたい言葉があります。
それは、私が若き日から敬愛してきた、スイスの大教育者ペスタロッチが自ら創立した学園の生徒たちの新たな出発の日に語りかけた励ましです。
すなわち、「諸君は強い力を持っている。諸君は、自らが考え、自らが信ずる以上に、この時代に必要な大なる力を持っている」(四本忠俊訳「学園講演集」、『ペスタロッチ全集第三巻』所収、玉川大学出版部)と——。
私も全く同じ信頼の心で皆さんを見つめています。世界に開かれた、この学園で、時代の試練に怯まず忍耐強く勉学を貫いた皆さんは、実は、自分が思っている百千万億倍もの大いなる力を蓄え、秘めているのです。
この力を、いよいよ磨き鍛え、そして、いよいよ発揮し価値創造していくのが、皆さんのこれからの青春の新時代です。ゆえに私は、信ずる君たちよ、"学び"と"負けじ"の「希望博士」たれと申し上げたい。
希望は人生の宝です。私にとって、かけがえのない希望は、学園であり、学園生の君たちです。いかに時代の闇が深くとも、学園生と共に、社会へ、世界へ、未来へ、幸福と平和への希望の光を広げゆくのが、私の人生です。
希望は、学びから生まれます。学び続ける努力の中で、輝きを放ちます。人類の直面する難題に立ち向かう君たちの学びこそ、希望の旭日なのです。
そして、何があっても絶対に屈しない、何度倒れようとも必ず立ち上がる、負けじ魂の創価の連帯たくましく、苦難に挑む21世紀の世界の友を、限りない希望と勇気でつないでいただきたいのであります。

一、創価教育100周年、さらに学園創立100周年の栄光の未来を託す皆さんに——

わが命
 誉れの大樹の
  学園生
 天まで伸びゆけ
  希望の柱と

と贈ります。
そして、卒業生とご家族に、健康の花、福徳の花、勝利の花よ、爛漫と咲き薫れ!と祈り、祝福のメッセージとします。

☆御書と未来へ 第8回 語ろう! 地涌の誇り高く
〈御文〉
『今、末法に入りぬ。地涌出現して弘通あるべきことなり。』(治病大小権実違目、新1330・全996)

〈通解〉
今は末法に入った。地涌の菩薩が出現して(本門の法華経を)弘通するはずである。

〈池田先生が贈る指針〉
日蓮大聖人の御聖誕満800年の今、男子部大学校生を先頭に、広宣の若人が澎湃と大法弘通に挑んでいる。地涌出現の使命も深き陣列だ。
慈折広布の対話に、勇気も誠実も英知も忍耐も全て含まれる。これほどの青春錬磨の修行はない。語った分、仏種が蒔かれ、信用が残る。
地涌の誇りに胸張り、真心と確信の声を!

2022年3月19日土曜日

2022.03.19 わが友に贈る

近隣の人々との絆こそ
幸福と繁栄の礎だ。
日頃の声掛けを大切に!
わが地区・ブロックから
安心のネットワークを!

御義口伝巻上 P724
『御義口伝に云く一門とは法華経の信心なり車とは法華経なり牛とは南無妙法蓮華経なり宅とは煩悩なり自身法性の大地を生死生死と転(め)ぐり行くなり』

【通解】
御義口伝には、次のように仰せである。一門とは法華経の信心のことであり、車とは法華経、大白牛車の牛とは南無妙法蓮華経である。また、宅とは煩悩を意味する。自身法性の大地とは、成仏という。永遠の生命を覚知した絶対の幸福境涯であり、生死生死と転り行くとは、その永遠の幸福境涯の上に立って、いっさいの生活をしていくことである。

名字の言 手塚治虫氏を訪ねた藤子不二雄 2022年3月19日
「藤子不二雄」の合作ペンネームで知られる藤本弘さんと安孫子素雄さん。漫画家を目指していた高校3年の時、2人で手塚治虫氏を訪ねた思い出を、安孫子さんがかつて、本紙インタビューで語っていた▼仕事中の氏から"待つ間、これでも見ていて"と数百ページもの原稿を渡された。それは2人が何度も読んだ作品だったが、見覚えのある場面が全くない。氏に聞くと、当初、描いた1000ページの大半を削って作品にした。それは本に載らなかった部分とのこと。氏の努力のすさまじさに衝撃を受け、本気で"漫画家になろう"と心を決めたという▼「文章は『氷山の一角』だ」と先輩に言われたことがある。書き手として、どれほど物事を深く強く感じ、思い、真剣に考えてきたかという豊かな体験に支えられてこそ、読むに値する文が書ける。水面下に心の格闘という大きな氷塊があってこそ、文として水面にその一角が現れるとの教えだった▼人の心を動かす力の根源は、目には見えない部分にあるのだろう。振る舞いや発言も、本質は当人の心根の表れである▼根を深く張るほどに、大樹は高く伸び、枝葉を広げて育つ。信心も、陰徳を積む地道な実践があってこそ、人生を開いていける。

寸鉄 2022年3月19日
「この身を法華経にかうるは、石に金をかえ」御書 大確信で宿命転換の劇を(新1227・全910)
福岡・筑紫総県の日。先駆の勇者が力走!対話の花咲く"桜前線"は我らから
東京「千代田の日」50周年 本陣に輝く誓願の人材城一騎当千の闘魂で前進!
マルチ商法被害の相談、20・30代が半数と。絶対に儲かる等の甘言に警戒
プラごみ削減へ国際協定創設へ—国連。一人一人が青き地球を守る主役と

〈社説〉 2022・3・19 3・21「白樺会の日」
◇声とまなざしに心を込めて
「『白樺の人』と聞くと/誰もが安心する」。池田先生の詩の一節である。明後21日は「白樺会の日」。1986年(昭和61年)のこの日、看護の仕事に携わる女性部の集い「白樺会」が結成された。
白樺の木は伐採後の荒れ地や山火事の後でも真っ先に姿を現し、他の植物が生い茂る環境へと一変させる。まさに人々の生命力を引き出し、「抜苦与楽」の慈悲の看護に徹する友の姿そのものである。
先月、新たに齋藤委員長が誕生し、これまでの女子部「白樺グループ」と一体となって新出発した。
齋藤委員長は語る。「白樺の勝利が全ての勝利につながります。強く温かい白樺姉妹の絆で"未来の宝"である皆さんと共に、"いのちこそ宝"の生命尊厳の世界を築いていきたいと思います」
少子高齢化や医療環境の変化に伴い、看護者に求められる役割は多様化している。依然として厳しい労働環境の中、白樺の友は生老病死を見つめ、目の前の一人の仏性を信じ、三世の生命に題目を送り続ける。自分自身も悩みを抱え、疲れ果て、投げ出したくなる時もある。それでも患者のもとへ向かうのは「命こそが尊極の宝だと知っているからです」と友は語る。
新型コロナウイルスの感染拡大によって、素手で患者に触れることが難しくなった。フェースシールドとマスクで顔が覆われ、笑顔を見せることもままならない。だからこそと、友はその声に、そのまなざしに、唱題で蓄えた生命力と心を込める。
呼吸器内科で務める友も、その一人。一日中、防護服をまとい、吹き出る汗を拭う余裕すらなく、救命の場に立ち会う。ウイルスへの恐怖で泣きながら防護服を着る若い看護師を抱きかかえるように励まし、共に患者のもとへ。祈りを込めて接すると、顔をこわばらせていた患者も、いつしか笑顔に変わっていた。「病める人/心の傷ついている人を/私の使命感として/私は堕落させない」——池田先生の指針を胸に、白樺の使命に生き抜く。その姿に憧れて、彼女の長女は今春、看護学校の門をくぐる。
「一人の生命を守り、慈しむ心は、そのまま、強き"平和の心"となる」と先生はつづった。不安渦巻く時代にあって、目の前にいる人の心に希望の灯をともし、平和の心を広げる白樺の友へ、きょうも感謝の祈りをささげたい。

☆第8回本部幹部会・第2回青年部幹部会 池田先生の指針——広布と未来を開くのは青年
◇三代の魂 受け継ぐ陣列を
◇戸田先生「誠実であれ! 策や要領ではない」
皆さま方のお力によって、今、世界の広宣流布の新時代は、一日一日と、目覚ましく前進している。こんなに勢いよく発展している教団は、ほかにあるだろうか。大変なことである。
世界でも、数限りない人々が、創価学会のことを知り、共感を寄せている。各国の指導者も、多くの人々がSGIに理解を示してくださっている。そして、大きな波動が、年を経るごとに、世界中に広がっている。
末法において正法を弘める戦いは、有名な項羽と劉邦(沛公)の戦いにも勝ると日蓮大聖人は仰せである(全218・新95)。
また御聖訓にいわく。
「この20年あまりの間、ひととき、片時も心の安らかだったことはない。源頼朝が平家と戦った7年間でも、そのなかには暇はあったであろう」(全1514・新1848、通解)
どんなに激しい合戦も、合間に、しばし休息をとることはあった。だが、大聖人の広宣流布の大闘争には、一日、片時たりとも、心安らぐ時はなかった。熾烈な戦いの連続であった。
大聖人は、仏法の平和の大哲学で、全人類を救わんとする、壮大なスケールの闘争を続けられた。これこそ、世界の広宣流布をしゆく、大聖人の「戦う息吹」である。
この戦う魂を、牧口先生、戸田先生、そして私が、そのまま受け継いできた。大聖人の息吹で戦ってきたゆえに、学会はここまで世界的に発展したのである。
学会は、三代会長の時代までにおいて、一切の完璧な基盤ができ上がった。
三代の師弟は、大聖人直結の真の広宣流布の血脈を継承してきた。この偉大なる魂があるからこそ、何があっても、学会は微動だにしないのである。
本当に大聖人に直結し、広宣流布を進めてきた指導者は、牧口先生、戸田先生、私の三代の会長である。三代の会長は皆、牢に入り、命がけで戦ってきた。大聖人が仰せになられた三類の強敵、三障四魔と、敢然と戦ってきた。これが、法華経の行者の魂である。皆さまも、この創価の師弟を中心にして生きぬいてもらいたい。
本年(=2007年)は学会創立77周年。創価の三代の77年の戦いは、「師弟不二」であるがゆえに、「異体同心」であるがゆえに、勝ってきたのである。これからも、学会は勝たねばならない。そうでなければ、人類の平和な未来はないからである。
戦う「名誉」と「栄光」と「福運」は、無上の永遠なる価値である。どうか一緒に、広宣流布のために頑張っていただきたい。頼みます!

◇温かな励ましで
「捨つる命は 惜しまねど 旗持つ若人 何処にか」
これは、戸田先生が獄中で作詞された、「同志の歌」の一節である。
戦争中の法難の際、牧口先生を"大人"たちは裏切った。大人は、ずるい。その心は、利害であり、世間体だった。自己中心であり、保身だった。一方、青年は「信ずる」心が強い。そして「まっしぐら」である。
ゆえに、戦後ただ一人、広宣流布に立ち上がられた戸田先生は、「青年だ」「青年を待っているのだ」と、口癖のようにおっしゃっていた。
1947年(昭和22年)の8月14日。私は、戸田先生と初めてお会いした。当時、戸田先生は47歳。私は19歳であった。あの日のことは、今でも鮮明に覚えている。以来、10年以上にわたって、先生のもとで厳しく訓練していただいた。先生は、ご自身より28歳も若い私に、広宣流布の命運をかけてくださった。未来の一切を託されたのである。
戸田先生は、創価の青年群の中心に、私を据えられた。縦横に青年の力を発揮させた。だから、学会は大発展してきた。
この戸田先生と私の「師弟」が起点となって、地涌の陣列が大きく拡大していった。その大発展の力こそ、「青年が大事だ」「青年を大切にしよう」との戸田先生の一念であった。
もちろん、青年には訓練が必要である。しかし、何よりも、"学会のため、地域のため、日本の平和、世界の平和のために働いてもらいたい。大きく伸びてもらいたい"——そういう祈りをもって青年を育てていくことだ。慈愛の心で、温かく励ましていくことだ。
きょうは、このことを改めて決議したいと思うが、どうだろうか。(=賛同の大拍手)
また、たとえ年配であっても、大事なことは、「心」が若々しいかどうかである。
牧口先生は70歳を超えても「われわれ、青年は」と言われた。信心をしている私の魂は、永遠に青年だ、との心意気である。全員が「青年の心」で進んでまいりたい。
学会は、青年を起用し、青年の活力で前進していく。その上で、青年部の皆さんは、壮年部・婦人部(当時)の先輩方の心をよく知り、実践していただきたい。勝手気ままになったり、いい気になるようなことがあってはならない。
それでは、親を大切にしないで、自分だけ自由奔放に生きるようなものだ。いよいよ、これからが大事である。

◇次の学会を頼む
結びに、戸田先生の遺言のご指導を青年部に捧げたい。
「世法で、また国法で、だれが一番、立派か。そんなことは問題ではない。仏法の上で、だれが一番、立派かということが大問題なのだ」
広宣流布の最前線で戦う、わが創価の同志が、一番、立派なのである。真剣な第一線の学会員こそが、一番、偉大なのである。これが戸田先生の思想である。
戸田先生は、「青年よ、誠実であれ! 策や要領ではいけない!」とおっしゃった。このとおりに私も進んできた。
さらに、こう遺言された。「青年の成長なくして広宣流布も、時代の未来も開けない」「次の学会を、青年部、よろしく頼むよ!」と。
今、青年部は、一番大事な時を迎えた。
上げ潮から、引き潮になり、また上げ潮になっていくように、時代は、大きく回転している。
わが創価学会は、ひと回りも、ふた回りも、大きな土台を持った「新しい段階」へと発展していく幕が開かれたのだ。若き青年部の君たちが大活躍していく、そのための舞台は、ほぼつくり終わり、その形が、ほぼ見えてきた。
あとは、この大劇場で、青年部の諸君が乱舞して、次の大きな学会を、世界平和の不滅の基盤となる学会を、いかなる嵐にも揺るがぬ勝利の学会をつくっていくのだ。青年部の諸君、頼むよ!
戸田先生は青年に烈々と叫ばれた。
「一番かわいい青年たちに、自分の思想を全部、託したい」
「師匠の話を全身で受け止めなさい!」
「次の時代は、君ら青年がやる以外にないのだから、しっかり頼むぞ!」
長時間ありがとう!

2022年3月18日金曜日

2022.03.18 わが友に贈る

大きな地震の後の余震に
十分に警戒しよう!
家具類の転倒防止や
避難場所・安否連絡方法
の確認など備えを万全に。

御義口伝巻上 P725
『今日蓮等の類い南無妙法蓮華経と信受領納する故に無上宝聚不求自得の大宝珠を得るなり』

【通解】
いま日蓮と弟子檀那が南無妙法蓮華経と信じ唱えるが故に、自ずから求めずして、これ以上ない大宝珠を得るのである。

名字の言 少女部員が描いたカラフルな魚 2022年3月18日
尾ひれは赤・黄・青の3色。頭部や胴部も、白やピンクや紫と多色多彩——この鮮やかな魚は、第36回「少年少女希望絵画展」(創価文化センター)で展示されている絵の中にいる▼タイトルは「カラフルなおさかなたち」。小学1年生の少女部員が描いたものだ。中心となる魚の周りにも彩り豊かな魚が泳いでいる。大人が描こうと思っても、こうした大胆な色使いは、なかなかできないだろう▼子どもの絵の素晴らしさは「汚れがなく、偏見もない『純粋さ』」にあると、世界的な絵本画家のワイルドスミス氏は語った。大人の芸術家は多くのものを見過ぎて、固定観念に縛られている。一方、子どもたちの感受性は豊かで発想も自由自在。全ての芸術家が子どもをうらやむのは「この純粋さに、あこがれるから」という▼御書に「浄土といい穢土というも、土に二つの隔てなし、ただ我らが心の善悪によると見えたり」(新317・全384)と。もっと子どものまなざしに学べたなら、世界はどれほど美しく変わるだろうか▼先の少女は絵の説明文に書いた。「みんなでなかよくいっしょにおよいでる。いろは、みんなちがうけれど、みんな生きものです」。差異にこだわり、いがみ合う大人への警句でもある。

寸鉄 2022年3月18日
創価の師弟に一生を懸けていけ—戸田先生。広宣流布即世界平和へ邁進!
福井県女性部の日。希望の清風を友へ、地域へ。対話の"春一番"は私から
東京・杉並の日。「創価の名門」は全てに勝つ。青年を先頭に模範の先陣を!
人の繋がりが希薄になった—54%。対面でも電話でも心通わす励まし更に
まん延防止等措置が全面解除へ。感染リスク低減の予防策を引き続き徹底

〈社説〉 2022・3・18 「彼岸」の意義を考える
◇妙法の祈りこそ幸福開く鍵
今月21日は「春分の日」。日本では、この時節は「春の彼岸会」があり、先祖供養や墓参などが行われる。
そもそも仏教では、迷いに満ちた現実世界を「此岸」に、そして仏道修行によって得られる覚りの境涯を「彼岸」に譬える。
日蓮大聖人の仏法では、成仏の根源の法である南無妙法蓮華経を唱え、妙法流布に生き抜くことで、この一生のうちに誰もが彼岸に至る、すなわち成仏の境涯を開くことができると教える。
さらに、その功徳は先祖や故人にまで回らし向けることができると説く。
ゆえに、私たちが日々、実践する自行化他の唱題行こそ、故人をも含めた、自他共の成仏を実現しゆく最高善の実践なのである。
こうした追善回向の本義の上から、大聖人が、死別の悲哀に沈む門下を励まされる御聖訓は、御書の随所に見られる。
夫を亡くした上野尼御前には、「故人は法華経の行者であったので、即身成仏は疑いありません。それでも、つい嘆いてしまうのが凡夫の習いですが、聖人ですら嘆くことはあるものです。何としても追善供養を心ゆくまで励まれるのがよいでしょう」(新1835・全1506、趣意)と仰せだ。
包み込むような言葉に、尼御前はどれほど安心し、心強く思っただろう。
その後、祈りを重ね、信心を深めていった尼御前は、子どもたちを広布の人材に育て上げ、一族の幸福の基盤を築く。
本紙連載の「いのちの賛歌」で取り上げてきた信仰体験でも、大切な人との死別を経験した同志の話がある。
もちろん、悲しみの様相は一様ではないが、深い悲哀を抱えながらも「亡き人の分まで」と祈り抜き、それぞれの「幸せ」を見いだしている姿には、多くの感動の声が寄せられている。
池田先生は語る。
「追善の祈りも、妙法の祈りであれば、立派な仏道修行になるのです。御本尊の前では、何も飾る必要はない。嬉しいときは嬉しいままに、悲しいときは悲しいままに、ありのままの自分で御本尊を拝していくことです」
「何があろうと唱題し抜いた人が、真の勝利を得るのです」
故人へと思いをはせる時節。何があっても妙法の祈りを貫く生き方こそ、故人のみならず、今を生きる私たちの幸福をも開く鍵であると、深く銘記したい。

☆第8回本部幹部会・第2回青年部幹部会への池田先生のメッセージ
一、ここ宿縁ふかき神奈川の天地で、1979年(昭和54年)の5月、私は「正義」「共戦」と認めました。この書を真っ先に見せたのは、誰であったか? それは、青年です。若き愛弟子たちです。
私は祈りを一つに、皆と勤行をし、語りかけました。
「苦難の時こそ、私は青年を育てる。青年と共に戦う。嵐の時代こそ、若き正義の力を信ずる以外にない。これが創価の師弟の心です」と。
その折の丈夫と乙女たちの誓いに燃えた瞳は、今も忘れません。
そして、今日ここに、「広宣流布」即「世界平和」への誓願を高らかに歌い上げた君たちの地球を結ぶ正義・共戦のスクラムを、私は心から讃えたい。
皆、本当にご苦労さま! また、青年の成長と勝利を祈り抜き、陰に陽に応援してくれている学会家族の皆さん、いつもいつもありがとう!(大拍手)

◇大法弘通の聖火を後継の君に
一、日蓮大聖人が御書に引かれた「貧女の一灯」という仏教説話があります。
祇園精舎にいる釈尊に、名だたる王や長者らが供養した多くの灯火は、一夜明けると全て消えていた。ところが、無名無冠の一人の女性が捧げた灯火だけは、須弥山を吹き抜けるような風にも決して消えずに、まばゆい光を放ち続けていたのである。
それは、なぜか。清らかな真心を尽くし、広く一切衆生を救いたいと、大きな誓いの心で灯された火であるからだ、というのであります。
思えば、聖教新聞の創刊第1号に躍動した見出しは、「聖火鶴見に炎上」でありました。この横浜の鶴見に輝き出た、草創の同志の生命の光彩であります。尊き創価の母たち女性たちが、不退の信心で今日まで灯し抜いてきた慈折広布の聖なる火こそ、いかなる烈風にも消えない「大福運の一灯」なりと、御本仏は御照覧くださるに違いありません。
そして、この大法弘通の聖火を誇り高く受け継ぎ、一人ひとりの心に語り伝えているのが、藍より青き後継の君たちです。それは、永遠に尽きない希望の光を友に贈る、不軽菩薩の人間尊敬の実践なのであります。

一、混迷が深まる危機の時代にあって、特に青年世代の間には、先の見えない不安や孤独感、無力感などが、重苦しく垂れ込めているでしょう。
だからこそ、創価の若人の勇気と誠実の声が、どれほど強く、どれほど明るく、どれほど温かく、友の生命を蘇生させることか、計り知れません。
大聖人は若き南条時光に、仏に成る道は特別なことではないとして、譬えば「寒さに凍えた人に火を与えることである」(新1918・全1574、通解)と教えられました。
御義口伝に示されているように、妙法を唱えゆくならば、「煩悩即菩提」「生死即涅槃」という究極の智慧の炎を現して、薪を焼くがごとく、どんな青春の悩みも、どんな社会の難題も、必ずや新たな価値創造へのエネルギーに転ずることができる。そして、生老病死の苦悩の闇をも、自他共に明々と常楽我浄へ照らし晴らすことができるのであります。

◇妙法こそ人類を安穏に導く大良薬
一、御聖訓には、民衆に幾多の苦難が次々に襲いかかる「闘諍堅固の時」は、「法華経の大良薬をもってこの大難をば治すべし」(新694・全550)との一節があります。
妙法は、一切衆生すなわち全人類を分け隔てなく、「幸福」と「平和」へ導く大良薬なのであります。
戸田先生は「地球民族主義」の構想に、いずこの国の民衆も不幸の淵に追いやられることがあってはならないとの念願を込められました。どの国の民衆も、求めてやまないものは、「幸福」であり、「平和」であります。試練が大きければ大きいほど、創価の若き世界市民の熱と力をいやまして結集し、「我此土安穏」——地涌の我らが集い合った、この星を安穏にしていく師弟不二の祈りを強めながら、「立正安国の対話」を貫いていただきたい。

◇人間革命の勇舞を世界の友と
一、40年前、青年と21世紀の広布の山を登攀し始めた折に記した三つの書を、巡り来る「三月十六日」を前に、改めて君たちに贈ります。
「創価後継丈夫」
「青春幸乃瞳」
「生命光彩乃曲」
であります。
浅きを去って深きに就く「創価後継の丈夫」たちよ、そして「青春幸の瞳」光る華陽姉妹よ、世界192カ国・地域の異体同心の全宝友と共々に人間革命の勇舞を広げ、地球民族の心と心に「生命光彩」の平和の交響曲を奏でゆこうと申し上げ、私のメッセージといたします。

2022年3月17日木曜日

2022.03.17 わが友に贈る

地道に続けてきた努力は
決して無駄にならない。
必ず勝利の花は咲く!
鍛えの青春の道を
力の限り走り抜こう!

三世諸仏総勘文教相廃立 P563
『心の一法より国土世間も出来する事なり』

【通解】
心という一法から国土の違いも出てくるのである。

名字の言 がばい元気な社長さん 2022年3月17日
スキーのインストラクターをしている友が語っていた。「雪山で転ぶのは当たり前。だから転ばないようにすることより、まず上手な転び方から教えるんです。その後、どう立て直すかが大切ですから」。人の生き方にも通じよう▼佐賀県に「がばい(ものすごく)元気な社長さん」と話題の壮年がいる。建設業を営み65年。若い時、働き過ぎて体調を崩した。連帯保証人を安請け合いして裏切られたことも。不況で会社が倒れた際、泣き崩れる妻を見て、胸が締め付けられた▼転んでも転んでも、壮年は信心で立ち上がった。御聖訓「人の地によって倒れたる者の、返って地をおさえて起つがごとし」(新697・全552)を胸に強く祈り、努力を積み重ね、見事、以前の何倍もの規模に事業を再建した▼想像もつかない逆転劇に、信心の醍醐味がある。壮年は「学会と共に歩めばね、失敗もよか薬になる。貧乏だって愉快な貧乏になるばい」と笑う。81歳の現在も、はつらつと働き、学会活動に励む。これまでの苦闘は全て、"今"を彩る人生の名場面となっている▼人生に起伏はつきもの。試練や悩みに屈せず、前に前に進み続ければ全てが財産になる。それを教えてくれる同志に接すると勇気百倍になる。

寸鉄 2022年3月17日
創価学園で卒業式。「何のため」の原点胸に。負けじ魂の翼で未来に羽ばたけ
「善知識に値うことが第一のかたきこと」御書。さあ感謝の心で座談会へ(新1940・全1468)
学会と共に進めば今の悩みは全部功徳に—恩師。多宝の同志の体験が証明
子どものSNS犯罪被害防止—閲覧制限の活用が有効と。家庭で必ず確認
公明は政権に安定感生み出す存在—学長。今こそ国民のために死力尽くせ

☆四季の励まし 青年よ 平和の地球を築け 2022年3月13日
◇池田先生の言葉
創価の大理想は、
世界の平和である。
民衆の安穏であり、
人類の幸福だ。
それを、
我らは広宣流布と呼ぶ。

学会家族の
前進の大目的は、
全人類の幸福と、
地球の平和という
遠大にしてロマンあふれる
ドラマの実現だ。
これは、師から弟子へ、
親から子へ、
世代から世代へと
語り継がれ、
受け継がれていく
大叙事詩である。

世界を変えるのは、
青年の行動である。
何度、倒れようとも、
また、たくましく
立ち上がって
挑戦し抜いていく
不退転の行動力である。

世界第一の信仰を持ち、
「平和の地球」の
未来を創るという、
人間として
最も尊き使命に生きる
創価の青年たちこそ、
人類の希望である。

青年のスクラムは、
未来を守る
平和の城塞となる。
ゆえに、全精魂を注いで
青年を育成するのだ。
青年を育むことは、
希望を育むことだ。

「3・16」——それは、
世界中の創価の青年が、
民衆の勝利と
平和の建設という
価値創造へ、
誓願に燃え立つ日である。

地上から「悲惨」の二字を
なくしたい——
これが恩師・戸田先生の
熱願であり、
我ら師弟の
立正安国の使命である。
「立正安国」とは、
何よりも尊厳な生命を、
暴力的に侵し、
奪い去るものとの
戦いでもある。
民衆の目から
悲嘆や絶望の涙を拭い、
幸福と平和の世界を創る
大挑戦なのだ。

【写真説明】ハイグローブからタプロー・コートへ、初夏のイギリスを車は走る。青空の浮雲も、木々の緑も、飛ぶように過ぎ去っていく。1994年(平成6年)6月、池田大作先生が車中からシャッターを切った。この日、ハイグローブにあるチャールズ皇太子の私邸に招かれ、青年の育成などを語り合った。
花のつぼみが膨らみ、木々が芽吹く3月は、学会にとっても「青年の月」「後継の月」である。64年前の3月16日、戸田城聖先生は池田先生をはじめとする青年たちに広布のバトンを託した。
我らの大願は「世界広布」即「世界平和」。深き祈りと決意で、足元から挑戦を始めたい。

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2022年3月16日水曜日

2022.03.16 わが友に贈る

自身の胸中に「広布への
熱情が燃えているか」を
常に問い掛けよう!
魂の炎のバトンを継ぐ
決意と出発の日々を!

種種御振舞御書 P919
『此の国の亡びん事疑いなかるべけれども且く禁をなして国をたすけ給へと日蓮がひかうればこそ今までは安穏にありつれどもはうに過ぐれば罰あたりぬるなり』

【通解】
この国が滅びることは間違いないけれども、(かわいそうなので)しばらく、それを止めて、「国を救いたまえ」と日蓮がひかえていたからこそ、今までは安穏だったのである。しかし、迫害が限度を超えたので罰があたってしまったのである。

名字の言 「春がすみ」と「富士」 2022年3月16日
寒さが和らいだ晴れの日の朝。ふと遠くを見ると、凍てつく日にはくっきり見えていた山々がかすんでいた。季節の移ろいを告げる「春がすみ」だ▼植物の蒸散などによって大気中の水蒸気量が増え、微細な水滴が空気中に漂うことで遠くの景色がかすんで見えるようになる。学術的に明確な定義があるわけではなく、偏西風に乗って大陸から飛来する黄砂が原因となる場合もある▼64年前の3月16日も、富士の頂は「春がすみ」で隠れていたという。この日に行われた"広宣流布の記念式典"で、戸田先生は青年部に広布のバトンを託した。午後2時半、式典を終えた恩師が車駕で会場を後にする時には、王者の富士が威容を現していた▼富士は古くから「不二」とも書かれた。恩師と不二の池田先生の闘争があってこそ、私たちは今、「3・16」の意義を心に刻むことができる。師匠と不二の信心を目指し、いかなる烈風にも揺るがぬ不動の自身を築いていく挑戦の中に、「3・16」の精神は脈動する▼池田先生は詠んだ。「見るもよし 見ざるもよしと 我は立つ 不二の誓いを 貫く誉れよ」。見えても見えなくても、富士はそこにそびえ立っている。師との誓いを貫く人こそ誉れの人間王者である。

寸鉄 2022年3月16日
3・16広宣流布記念の日。師との誓い胸に勇躍前進 青年が全責任を担い立て
題目は利剣。題目は宝刀。題目で勝つのだ—恩師。不屈の祈りで勝利の舞を
人格を磨くには世の荒波に揉まれよ—文豪ゲーテ。社会部の友よ"世雄"と光れ!
20代前半が孤独感高く—調査。長引く感染禍も因と。絆強める対話、今こそ
SDGs情報源、新聞やテレビ最多。持続可能へ本紙も紙面の充実を益々

〈社説〉 2022・3・16 きょう「広宣流布記念の日」
◇後継の責任と使命を担う
きょう3月16日は「広宣流布記念の日」。1958年のこの日、戸田先生のもとに男女青年部6000人が集った。「頼むぞ、広宣流布を!」——これは、師匠から青年たちへ、広布の全責任と使命のバトンを託す儀式であった。
以来64年。師の構想を全て実現してきた池田先生と、共戦の同志によって、広布の大城は築かれてきた。それは、師弟の精神を継ぐ「人材の流れ」による勝利だといえる。ゆえに先生は、幾度となく「人材を育てよ」と語られた。そして、その要諦を「後輩のために、自分は勇んで踏み台になる。自分を凌ぐ後輩を育成しよう」との心だと指導されている。
先日、青年部幹部会の意義を込めた本部幹部会が開かれた。この日を目指し戦ってきた青年世代。全国で弘教と人材の拡大に努める男子部や池田華陽会、学生部のメンバーの活躍を、本紙でも紹介した。彼らが使命に立ち上がるきっかけは何だったのか。ほぼ全ての友に共通していたのが「先輩・同志の存在」だ。「あの人が」「あの励ましが」と一様に口にした。
"本幹"では、3000人による合唱が披露されたが、その一人一人の後ろにも、励まし続けた同志の存在があったことだろう。
神奈川のある男子部メンバーは、友人を入会決意に導いて合唱の収録に臨んだ。2月、郷里の京都で対話の場を持つことに。先輩が車を出してくれ、別の先輩も駆け付けてくれた。その真心と紹介者の輝く姿に触れ、先日、友人は入会を果たした。支えてきた先輩は、実は、仕事での悩みなどが重なり、メンバーとなかなか向き合えずにいた。しかし、後輩の奮闘を懸命に後押しすることで、自身が変わるきっかけをつかむことができ、心から友に寄り添える自分へと成長することができた。
「鏡に向かって礼拝をなす時、浮かべる影また我を礼拝するなり」(新1071・全769)との御金言の通り、相手の仏性を信じ、祈り、励ますこと、それ自体が、自らの仏の生命を輝かせることになる。この触発によって生まれる感動と歓喜の波及によって、広布は進むのだ。
池田先生は、「3・16」とは「広宣流布を永遠不滅ならしめる、弟子たちの新たな誓いの日」と示されている。広布の大業は、"自分以上の人材に"と、目の前の友を励ましゆく一歩から始まる。

☆桂冠詩人は詠う 勇気の舞 凱歌の行進� 第4回 友情と平和
◇使命に走り抜く君を讃えたい!
君の 広布という
永遠の平和への戦いは!
その君の魂は!
星のごとく
はるか多くの人々に
輝いているのだ。

王者のごとく
喜びに満ちながら
君も私も
最上の人生の常道を
歩み たどりゆくのだ。

多くの卑しき栄誉を
誇りとする人間になるより
汝自身が汝自身を
高く評価してゆける
高貴なる思想を
広めゆけ!

その君の
静かなる決意は
はるか後世まで
栄光の歌声とともに
限りなく残りゆくのだ。

私も君も
幾度となく
あの暴風雨の試練に
立ち向かったことを
誇りとしたい。

◆◇◆

我らには
新しい世紀の鐘の音が
鳴り響いている。
そして
そこには常に
高らかな笑い声が
勝利と栄光の音楽のように
聞こえてくる。

私は讃えたい。
君の決意と目的と
使命に走り抜く
勇敢なる
強い不屈の情熱と意志を!

私は
君との友情を
永遠の誇りにしたい。

利害からの友情もある。
気が合うからという
友情もある。
同じ故郷であり
同じ学校であるからという
友情もあるだろう。
しかし
私たちの友情は
全生命と全生命との友情だ。

それは
崇高な使命を持った
友情であり
正義に向かっての
命懸けの戦いの
繋がりである。
さらには
偉大な人類の進歩のために
革命の魂を連動し合った
友情である。
そして
勇気ある行動の
勇敢なる闘士の
友情である。

その友情には
一点の曇りもない。
疑いもない。

◆◇◆

燦然たる星は
君の頭上で
誉め讃えながら光る。
君は
青春の真っ盛りである。
君は
人生の最高潮である。

君の前途は
僚友の賞讃を浴びながら
平和的成功と勝利に包まれ
羨望の念に打たれながらの
拍手喝采を受けるに違いない。

君は
かの偉い将軍たちの
戦功とは違い
また
栄誉ある大統領とも違い
バッジを胸に
威丈高の政治家とも違い
ひたすら
愛する友人のために
いかなる
非難と誹謗の中でも
悠然として
果敢に戦う!

その友を
私は
心から誇りとするのだ。

開花する総本部の「青年桜」を、池田先生が撮影した(2019年3月、東京・信濃町で)。先生はかつて「青年桜」に言及し、「冬の木には花が潜んでいるとは見えないけれども、春が巡り来れば咲き薫る。仏界の涌現も同じである」「何があっても、強盛な祈りと実践で、妙法の無限の力を発揮し、不可能を可能にしていくのだ」と同志に呼び掛けた

2022年3月15日火曜日

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2022.03.15 わが友に贈る

新聞長はじめ
本紙拡大に尽力される
全ての方に心から感謝!
生命尊厳の哲理を広げる
民衆運動を力強く!

顕立正意抄 P537
『各薬王楽法の如く臂を焼き皮を剥ぎ雪山国王等の如く身を投げ心を仕えよ、若し爾らずんば五体を地に投げ・身に汗を流せ、若し爾らずんば珍宝を以て仏前に積め若し爾らずんば奴婢と為つて持者に奉えよ』

【通解】
各々、薬王のように臂を焼き、楽法梵志のように皮を剥ぎ、雪山童子のように身を投げ、須頭檀王のように心から仕えるべきである。もし、そうでなければ、五体を地に投げ、身に汗を流すべきでる。もし、そうでなければ、珍宝を仏前に積むべきである。もし、そうでなければ奴婢となって持者に仕えるべきである。

名字の言 東日本大震災後、東北の同志と約束し合ったこと 2022年3月15日
教育者の知人に聞いた。何かが達成できない時、思わず口にする言葉で、似ていても、心の向きが全く逆になるものがある。それは「何でできないんだろう」と「どうしたらできるんだろう」だ、と▼前者には自分には"できない"という先入観と諦めの気持ちがにじみ、後者には"やってみせる"という自身の可能性を信じ抜く信念と執念を感じる。失敗の原因究明は大事だが、どんな状況でも、できる方途を見いだそうとする前向きな気持ちが、より価値的な結果を生む場合がある▼2011年の東日本大震災からしばらくして、東北の同志と約束し合ったことがある。当時はまだ物資が足りず、苦しい避難生活が続いていた。それでも「『どうして○○がないんだ』『なぜ、○○ができないんだ』を禁句にしよう」と▼すると、今まで以上に家族をいたわるようになれた。避難先で知り合った人たちと協力し合えるようになった。学会では皆で知恵を出しては、訪問・激励や座談会などの仕方に工夫を凝らした。そして小さくも尊い"広布前進の一歩"を互いにたたえ合った▼あの日からの11年——それは「本当の幸福」「未来を開く力」など、人生において大切なことを、東北の友に学び続けた歳月でもある。

寸鉄 2022年3月15日
自分が変わり成長し、責任を持てば一切に勝利—恩師。幹部が突破口開け
本部幹部会の配信は今日まで。一人でも多くの友と飛躍の春を!共に出発
頂上への登攀に楽な道などない—偉人ヘレン・ケラー。苦闘も人生の宝。地道に一歩ずつ
コロナ禍で中高年の36%が体重増加—調査。健康が第一。食事・運動を賢く
ウクライナに寄付—大使館騙る偽メール横行。不審な内容は無視。冷静に

☆第8回本部幹部会・第2回青年部幹部会 原田会長のあいさつ
◇広布の飛躍へ「たくましき前進」
一、「第8回本部幹部会」ならびに「第2回青年部幹部会」の開催、誠におめでとうございます(拍手)。
はじめに、ウクライナ危機を巡っては、多くの人々の生命と尊厳と生活が、戦闘によって脅かされるという悲惨な事態が続いており、憂慮に堪えません。私どもは、生命尊厳の哲理を信奉する仏法者として、一日も早い事態の終息と、人々の安全と平和の回復を、日々、より強く、祈っていきたいと思います。
また、今回のことで、ウクライナから国外に逃れた難民が増え続けており、報道では、すでに100万人を大きく超える、かつてない規模になっております。こうした状況に鑑み、学会として、難民・避難民の皆さんへの人道支援の立場から、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)へ寄付を行うことを決定いたしましたので、皆さまにご報告申し上げます。

一、さて、過日、中央社会協議会ならびに各都府県の社会協議会が開催され、今夏に実施される参議院議員選挙における比例区の公明党、ならびに、埼玉、東京、神奈川、愛知、大阪、兵庫、福岡の各選挙区で公認の7人について、これを支持することを決定いたしました。
第2代会長・戸田城聖先生は、学会が政治参加するに当たり、その真情を語られました。「私の心を忘れぬ者は、政治革新を成し遂げ、民衆のための偉大なる政治家に育つだろうが、私利私欲にむしばまれていけば、広宣流布を破壊する魔の働きになってしまうだろう」「私は、獅子がわが子を谷底に突き落とす思いで、弟子たちを政界に送り出そうとしているんだ」と。
公明党の全議員が今再びこの原点に立ち返り、衆望を担いうるに足る政治家へと人間革命してもらいたい。日に日に新たに緊張感をもってこれを誓い、一点の曇りもなく果たしゆく一日一日であってもらいたい。そうであればこそ、私たちも全力で支援してまいりたい。

一、2月の本部幹部会では、総兵庫女性部の「ひまわり合唱団」がブラジルSGIの愛唱歌「サウダソン・ア・センセイ(ようこそ、先生)」を見事に歌い上げてくださいました。この歌には、時間も場所も超えて、師匠と共戦しゆく、師弟不二の精神が脈動しています。
1964年、ブラジルに軍事政権が誕生すると、創価学会も監視対象となり、74年には池田先生の入国さえ阻まれました。直前に訪問中止の報を電話で伝えられ、嗚咽するブラジルの友に、先生は、こう指導されます。
「ブラジルは、今こそ立ち上がり、これを大発展、大飛躍の因にして、大前進を開始していくことだ」「長い目で見れば、苦労したところ、呻吟したところは、必ず強くなる。それが仏法の原理だよ」と。
そして開催されたブラジルでの世界平和文化祭。ブラジルの青年たちは先生のご指導を胸に、悔し涙をぬぐい、来賓たちを前に感動のステージを繰り広げ、先生の名代となって、学会の偉大さを示しきりました。その日は、くしくも3月16日と17日。まさにブラジル池田門下生にとっての「3・16」——「広宣流布の模擬試験」となったのであります。
以来、ブラジルの友は地域に根を張り、粘り強く信頼を勝ち得て、デマや偏見を打ち破り、学会への理解と共感を広げていきました。そうした中で誕生した歌が、「サウダソン・ア・センセイ」であります。
作詞・作曲を担当したのは、ハンセン病を患う友でした。施設に入院しながら、しかも現実には、いまだ軍事政権下で先生が入国することすら許されない状況にありながら、友は、「先生! あなたをブラジルに迎えることができ、私たちの夢は叶いました」と歌ったのです。
ブラジルの同志は、あの「3・16」の誓願を胸に、日々、先生をお迎えし、日々、先生と共に戦ってきた。だからこそ生まれ、だからこそ歌われたのが、「サウダソン・ア・センセイ」だったのではないでしょうか。
一人一人の立正安国の行動が、やがて一国をも変え、1984年、ついに先生のブラジル訪問が18年ぶりに実現。今度は歓喜の涙をぬぐおうともせず、「サウダソン・ア・センセイ」を歌い叫ぶ友を前に、先生は語られます。
「これまでに、どれほどの労苦と、たくましき前進と、美しい心と心の連携があったことか。私は、お一人お一人を抱擁し、握手する思いで、感謝を込め、涙をもって、皆さんを賞讃したいのであります」
いまだコロナ禍が猛威を振るい、お一人お一人、仕事や生活も大変な状況にあると思います。しかし、苦労し、呻吟した分、組織も、人も、強くなります。その苦労をバネへと転じる力こそ、「たくましき前進」と、「美しい心と心の連携」にほかなりません。
「3・16」に当たり、私たちは弟子として、師匠への誓いを新たにし、今一重、異体同心のスクラムを固め直して、立正安国と人間革命の完勝へ、たくましき前進を開始してまいりたい。

◇「3・16」から異体同心の団結固く
一、広布の伸展に魔の出来は必定である以上、私たちは魔に付け入る隙を与えぬよう、用心に用心を重ねていかねばなりません。
例えば現在、オンラインの普及で、情報の共有が質量共に飛躍的に向上し、それが一人一人の成長と組織の発展につながっていることは、大変に素晴らしい変化です。その一方で、転送が容易なSNSでは一度、誤った情報や不適切な情報が拡散してしまうと取り返しがつかないため、十分な注意が必要です。
特に、地区などの組織でのSNSグループは、学会活動の一環として、中心者のもと、いわば公式に設けているものです。したがって、そこには組織連絡やメンバー間でのやりとり、学会本部や聖教新聞社などから公式に発信されたもの以外の情報や、人づての情報は、流さないようにしていきたい。
そもそもネット上にあふれる情報には、真偽や是非の検証ができないものも多く、中には学会利用や学会破壊をたくらむ人物が、その本性を隠して、学会員の関心を引こうと発信しているケースも、まま見受けられます。「魔の働きは分断」と心して、団結固く、学会と広布の前進を守っていきたいと思います。
御書には「はるの野の千里ばかりにくさのみちて候わんに、すこしきの豆ばかりの火をくさひとつにはなちたれば、一時に無量無辺の火となる」(新1704・全1231)と仰せであります。
一人の祈り、一人の行動、一人の誠実な声から、広布拡大の炎は、燎原の火のごとく広がっていきます。
さあ、「3・16」から「4・2」「5・3」へ、全員が青年の心で、日本中に飛躍の拡大を成し遂げてまいろうではありませんか。

2022年3月14日月曜日

2022.03.14 わが友に贈る

新聞休刊日

御義口伝巻下 P781
『此の文までにて経は終るなり当の字は未来なり当起遠迎とは必ず仏の如くに法華経の行者を敬う可しと云う経文なり』

【通解】
この文までで、法華経の説法は終わる。「当」の字は未来を意味し、末法をさす。「当起遠迎」とは、末法において、法華経の行者をば、必ず仏の如くに敬っていきなさいとの経文である。

☆第8回本部幹部会への池田先生のメッセージ
一、ここ宿縁ふかき神奈川の天地で、1979年(昭和54年)の5月、私は「正義」「共戦」と認めました。この書を真っ先に見せたのは、誰であったか? それは、青年です。若き愛弟子たちです。
私は祈りを一つに、皆と勤行をし、語りかけました。
「苦難の時こそ、私は青年を育てる。青年と共に戦う。嵐の時代こそ、若き正義の力を信ずる以外にない。これが創価の師弟の心です」と。
その折の丈夫と乙女たちの誓いに燃えた瞳は、今も忘れません。
そして、今日ここに、「広宣流布」即「世界平和」への誓願を高らかに歌い上げた君たちの地球を結ぶ正義・共戦のスクラムを、私は心から讃えたい。
皆、本当にご苦労さま! また、青年の成長と勝利を祈り抜き、陰に陽に応援してくれている学会家族の皆さん、いつもいつもありがとう!(大拍手)

◇大法弘通の聖火を後継の君に
一、日蓮大聖人が御書に引かれた「貧女の一灯」という仏教説話があります。
祇園精舎にいる釈尊に、名だたる王や長者らが供養した多くの灯火は、一夜明けると全て消えていた。ところが、無名無冠の一人の女性が捧げた灯火だけは、須弥山を吹き抜けるような風にも決して消えずに、まばゆい光を放ち続けていたのである。
それは、なぜか。清らかな真心を尽くし、広く一切衆生を救いたいと、大きな誓いの心で灯された火であるからだ、というのであります。
思えば、聖教新聞の創刊第1号に躍動した見出しは、「聖火鶴見に炎上」でありました。この横浜の鶴見に輝き出た、草創の同志の生命の光彩であります。尊き創価の母たち女性たちが、不退の信心で今日まで灯し抜いてきた慈折広布の聖なる火こそ、いかなる烈風にも消えない「大福運の一灯」なりと、御本仏は御照覧くださるに違いありません。
そして、この大法弘通の聖火を誇り高く受け継ぎ、一人ひとりの心に語り伝えているのが、藍より青き後継の君たちです。それは、永遠に尽きない希望の光を友に贈る、不軽菩薩の人間尊敬の実践なのであります。

一、混迷が深まる危機の時代にあって、特に青年世代の間には、先の見えない不安や孤独感、無力感などが、重苦しく垂れ込めているでしょう。
だからこそ、創価の若人の勇気と誠実の声が、どれほど強く、どれほど明るく、どれほど温かく、友の生命を蘇生させることか、計り知れません。
大聖人は若き南条時光に、仏に成る道は特別なことではないとして、譬えば「寒さに凍えた人に火を与えることである」(新1918・全1574、通解)と教えられました。
御義口伝に示されているように、妙法を唱えゆくならば、「煩悩即菩提」「生死即涅槃」という究極の智慧の炎を現して、薪を焼くがごとく、どんな青春の悩みも、どんな社会の難題も、必ずや新たな価値創造へのエネルギーに転ずることができる。そして、生老病死の苦悩の闇をも、自他共に明々と常楽我浄へ照らし晴らすことができるのであります。

◇妙法こそ人類を安穏に導く大良薬
一、御聖訓には、民衆に幾多の苦難が次々に襲いかかる「闘諍堅固の時」は、「法華経の大良薬をもってこの大難をば治すべし」(新694・全550)との一節があります。
妙法は、一切衆生すなわち全人類を分け隔てなく、「幸福」と「平和」へ導く大良薬なのであります。
戸田先生は「地球民族主義」の構想に、いずこの国の民衆も不幸の淵に追いやられることがあってはならないとの念願を込められました。どの国の民衆も、求めてやまないものは、「幸福」であり、「平和」であります。試練が大きければ大きいほど、創価の若き世界市民の熱と力をいやまして結集し、「我此土安穏」——地涌の我らが集い合った、この星を安穏にしていく師弟不二の祈りを強めながら、「立正安国の対話」を貫いていただきたい。

◇人間革命の勇舞を世界の友と
一、40年前、青年と21世紀の広布の山を登攀し始めた折に記した三つの書を、巡り来る「三月十六日」を前に、改めて君たちに贈ります。
「創価後継丈夫」
「青春幸乃瞳」
「生命光彩乃曲」
であります。
浅きを去って深きに就く「創価後継の丈夫」たちよ、そして「青春幸の瞳」光る華陽姉妹よ、世界192カ国・地域の異体同心の全宝友と共々に人間革命の勇舞を広げ、地球民族の心と心に「生命光彩」の平和の交響曲を奏でゆこうと申し上げ、私のメッセージといたします(大拍手)。

2022年3月13日日曜日

2022.03.13 わが友に贈る

◇今週のことば
「修行のふかきは
いよいよあおきがごとし」
従藍而青の青年と
「3・16」の誓いの出発だ。
仏縁拡大の座談会から!
(新1834・全1505)
2022年3月13日

百六箇抄 P856
『法自ら弘まらず人法を弘むる故に人法ともに尊し』

【通解】
法が自然と弘まっていくことはない。人が法を弘めていく故に、人も法もともに尊いのである。

名字の言 アグネス・チャンさんが歌い続ける理由 2022年3月13日
「全宇宙の/あらゆる宝よりも/尊いものがある。/それは/私たちの生命である」。池田先生が詠んだ長編詩「平和を! 平和を! そこに幸福が生まれる」の一節だ▼先日、行われたある支部の家族総会では、この長編詩を朗読。詩から作られたアグネス・チャンさんの歌「そこには 幸せが もう生まれているから」を、参加者が即席で練習した手話で"合唱"した▼感染予防のため、声は出さずに。「それでも、一人一人の今の気持ちを、歌を通して皆で分かち合いたいと思って」と支部長。コロナ禍での日々を思い返して涙ぐむ女性、真剣な表情で手を動かす壮年……。"合唱"には、世界の平和とコロナ禍の一日も早い終息を願う心があふれていた▼アグネスさんは今年、日本デビュー50周年。今もステージに立つ思いをこう語っている。「海も国境も、人の憎しみをも超えて、歌は人の心の中に入って、心をつなぐことができると信じています。だからこそ、私はこの"平和の歌"を命を懸けて残していきたい」▼「歌う」の語源の一つに「訴う」とある。心から心へ、自らの思いを訴える——私たちは、目の前の一人と心をつなぐ語らいに挑みたい。そこに、世界平和の種がまかれると信じて。

寸鉄 2022年3月13日
地域に尽くす創価の青年の志が今の社会に必要—ブラジル元大臣。頼もしき人材群
東京・品川「広布誓願の日」。源流の地から励ましの春光を!幸の陣列拡大
「各各、師子王の心を取り出だして」御書。勇敢に正義を語れば必ず響く!(新1620・全1190)
14歳〜18歳の大麻摘発が最多と。命の破壊の"入り口"に。危険性の周知急務
低接種率は変異株を招くリスクと。途上国支援、国際枠組みCOVAXを通じ着実に

第8回本部幹部会の配信開始
第8回本部幹部会・第2回青年部幹部会の全国配信が、SOKAチャンネルVOD(ビデオ・オン・デマンド)で、3/12午前9時から始まる。
会館や個人会場(配信の会場と時間等は各県・区で決定)に加え、「モバイルSTB」でも視聴可能(インターネットを通してダウンロードが必要)。「SOKAnet会員サポート」での配信期間は、3/12午後4時から15日(火)まで。こちら(https://www.sokanet.jp/recommend/honkan202203/)からアクセス可能
◇SOKAチャンネルVOD スピーチ番組が追加
また、SOKAチャンネルVODに、池田先生のスピーチを収録した番組「青年の成長が広布と未来を開く」(8分、番組コード=AG12)が加わった。第8回本部幹部会で上映されたもの。
※VODが利用できる会館等や「モバイルSTB」で視聴可能。「モバイルSTB」で視聴する際は、インターネットを通してダウンロードが必要です。「SOKAnet会員サポート」では、VODの同番組は視聴できません。

☆みんなで学ぶ教学 第26回 令法久住
◇後継の青年は希望の存在
仏法を未来にわたって弘めていくためには、持ち伝える後継の存在が不可欠となります。今回の「みんなで学ぶ教学」は、「令法久住」がテーマです。3・16「広宣流布記念の日」を目指し、仏法対話に挑戦する新入会者のカツヤくんに、多くの同志から応援が届きました。ユタカ支部長も激励に訪れたようです。

ユタカ 頑張っているね!
友人に真心が伝わるように、私もしっかりと祈っているよ。

カツヤ ありがとうございます。男子部や地区の皆さんから、メールやSNS、電話などで、とても多くの応援や励ましの声をいただいて、びっくりしています。

ユタカ 後継の青年が、「3・16」を目指して仏法対話に挑戦しているんだから、皆で応援するのは当然だよ。

カツヤ 皆さんの激励に、胸が熱くなりました。そういえば、創価学会では青年をとても大切にしていますよね。

ユタカ もちろんだよ! 青年は、一人一人が「令法久住」を担い立つ、大切な人材だからね。

カツヤ 「令法久住」ですか? 初めて聞きました。

ユタカ そうかもしれないね。
法華経の見宝塔品第11に記されている文で、「法をして久しく住せしめん」と読むんだ。未来永遠にわたって、妙法が伝え弘められていくようにすることなんだよ。

カツヤ 未来永遠にですか……。
壮大な話ですね。

ユタカ いくら仏法が偉大であっても、それを受け継いで、弘めていく後継の人がいなければ、"仏の願い"である「令法久住」は、途絶えてしまうんだ。
日蓮大聖人は門下に「あなたのことは、絶えず法華経、釈迦仏、日天子に祈っている。それは、あなたが法華経の命を継ぐ人だと思うからである」(新1590・全1169、通解)とつづられているんだ。大聖人も、末法の広布を継ぐ門下を大切にされていたんだよ。

ユタカ 創価の三代の師弟は、"仏の願い"を受け継ぎ、世界の平和のため、人々の幸福のために、「令法久住」の道を開いてきたんだ。
私も、青年時代に「3・16」を目指して、全力で学会活動に挑んだよ。その中で立てた"後継の誓い"のままに、今も走り抜いているんだ。

カツヤ ユタカ支部長の、広布に懸ける情熱の源泉は、青年時代の誓いと学会活動にあったのですね。感動しました。

ユタカ 池田先生は「世界の未来は、君たちに託すしかない。皆さんは、大切な使命の人です」と、青年への期待を繰り返しつづられている。
カツヤくんたち青年は、後継のバトンを受け継ぐ希望の存在なんだよ。

カツヤ 後継のバトンを……。なんだか燃えてきました。さらなる決意で、信心根本に成長していきます!

ユタカ これからも、皆で応援しているからね! 私も"青年の心"で、友人に仏法の素晴らしさを伝えていくよ。

☆質問BOX 創価学会は、なぜ記念日を大切にするのでしょうか?
創価学会の記念日には、師弟不二の歴史が刻まれているからです。一つ一つの記念日を大切にし、学んでいけば、三代会長の精神に触れ、自身の信心の糧とすることもできるのです。
そのために、記念日を"節目"として、広布の目標を立てて挑んでいくことは、学会の伝統となっています。3・16「広宣流布記念の日」から4・2「第2代会長戸田城聖先生命日」、そして、5・3「創価学会の日」へ——。自身に打ち勝つたびに勢いを増す"人間革命のリズム"によって、どこまでも成長していくことができるのです。
池田先生は「大事なことは、その淵源に立ち返り、歴史と精神を子々孫々にまで伝え、毎年、新しい決意で出発していくことです」とつづっています。記念日は、"学会精神に立ち返る日"でもあり、決意新たに"出発する日"でもあるのです。

2022年3月12日土曜日

2022.03.12 わが友に贈る

信心とは無限の勇気。
強き祈りと行動で
限界の壁を破ろう!
自身の一念の変革が
勝利の突破口を開く!

顕謗法抄 P452
『後世を願はん人は一切の悪縁を恐るべし一切の悪縁よりは悪知識ををそるべしとみえたり』

【通解】
後世を願う人は、一切の悪縁を恐れるべきである。一切の悪縁よりは悪知識を恐れるべきである。

名字の言 被災の記憶や教訓を伝える「震災遺構」 2022年3月12日
地震によって壊れた建物など、被災の記憶や教訓を後世に伝える構造物を「震災遺構」という。来月、東北の津波被災3県の震災遺構が全て完成する見込みだ▼遺構の一つ、福島県浪江町の請戸小学校を先日、訪れた。校舎の1階は津波にのまれた。2階の6年生教室の黒板には、当時の児童らと共に、復興支援で駆け付けた友の思いも記されていた。「一緒に頑張ろう」「何度でも来ます」▼福島県の男子部員は、小学校の卒業式を目前に震災に遭った。自宅を津波が襲う。原発事故のため県外で始まった中学校生活。炊き出しのボランティアの人、声を掛けてくれた友達、学会の同志……。多くの人と出会い、寄り添われる中で彼は前を向いた。"今度は僕が励ます番"と、故郷の役場で働く夢もできた▼挑んだ一昨年の試験は不合格。心が折れそうになるたび、"あの時"支えてくれた方々の真心を思い返して机に向かった。昨秋、合格し、来月から故郷での新生活が始まる。彼は「この1年が自分の思いを本物にしてくれました」と▼建物の復興が着実に進む一方で、後世に何を伝え、残すことができるか——。被災された方々だけでなく、今を生きる全ての人たちが向き合わなければならないテーマである。

寸鉄 2022年3月12日
今日から青年幹。皆で会館・配信等で視聴し勇躍前進!新たな人材を結集
東京・喜多区女性部の日。語った分、希望は広がる。"喜び多き"対話の春到来
黙々と正しい道を歩み続けよう—詩人。広布貢献の日々こそ自他の幸福道
「いかに心にあわぬこと有りとも、かたらい給え」御書。団結が広布の命綱(新1594・全1172)
SNSの中傷対策を強化「侮辱罪」に懲役刑—閣議決定。健全な環境今こそ

〈社説〉 2022・3・12 国際バカロレアの学習者像
◇時代の活路開く自身の変革を
「国際バカロレア(IB)」は、スイスのジュネーブに本部を置くIB機構が提供する教育プログラムである。
ブラジル創価学園「高校の部」は、IB機構の認定校だ。明2023年に開校予定の「創価インターナショナルスクール・マレーシア」も、IB機構の教育プログラムを導入する。
国際的な視野を持つ人間の育成を目指すIBは、10項目の「学習者像」を掲げる。
「探究する人」「信念をもつ人」「心を開く人」などのほかに、「挑戦する人」がある。
英語のホームページを見て驚いた。
「Challengers」ではなく、「Risk—takers」となっている。直訳は「危険を冒す人」だ。
それは、リスクを顧みない「無謀」「蛮勇」を意味するのではない。
挑戦には失敗や挫折など、何かしらのリスクが生じる場合がある。それを十分に検討した上で、"やる"と決めたなら、果敢に行動に移す。それが「挑戦する人」の真意であり、「国際人」としての欠かせない要件であろう。
「挑戦する人」の項目に、次の一文がある。
「私たちは、不確実な事態に対し、熟慮と決断力をもって向き合います。ひとりで、または協力して新しい考えや方法を探究します」
未曽有のコロナ禍で社会を覆う不安と混乱、また突然の戦火による世界情勢の激変など、私たちは今まさに「不確実な事態」に直面している。
この危機と「熟慮」「決断力」をもって向き合い、解決へ向けて国際的に「協力」することが求められている。
現代は「変動性・不確実性・複雑性・曖昧性」の英語の頭文字を取り、「VUCAの時代」ともいわれる。
今後、その傾向は、ますます強まることが予想される。だからこそ、国際的な視野を培い、豊かな人間性を育む教育の重要性は、さらに増していくだろう。
米国の経済学者・ガルブレイス博士は、世界的な大ベストセラーとなった著書『不確実性の時代』で、「指導者はその時代の不安と対決できなければいけません。さらに、問題が変化するに応じて、自分も変わらなければならないのです」(斎藤精一郎訳)と論じている。
変化に伴うリスクを避けるのではなく、その変化に応戦する自身の変革に踏み出す——それは、時代の活路を開く「挑戦」である。

☆御書根本の大道 池田大作先生の講義に学ぶ 第5回 師子王の魂
◇上野殿御返事
『とにかくに、法華経に身をまかせ信ぜさせ給え。殿一人にかぎるべからず、信心をすすめ給いて、過去の父母等をすくわせ給え。
日蓮、生まれし時よりいまに一日片時もこころやすきことはなし。この法華経の題目を弘めんと思うばかりなり。』(新1891・全1557)

◇勇気の指標 著作から
どこまでも根本の師匠・大聖人と共に生き抜くこと、戦い抜くことを勧められています。師と共に、自分の信心を常に前へ進めるのです。
◆◇◆
どこまでも強盛にして一筋で、また素直であることです。
自身の宿命転換を願い、広宣流布の実現を祈って、身命を惜しまず戦うところに、必ず幸福勝利の人生を開くことができる。生涯、素直に信心を貫き通した人が勝利の人です。最後に勝つ人です。ここに信心の極意があります。
苦闘の中でこそ、真の人間が鍛え上げられます。
苦闘の中でこそ、強靱な鋼の意志が育つのです。
苦闘の中でこそ、人生の真実の涙を知ることができます。
そして、苦闘の中にこそ、偉大な人間革命があるのです。
◆◇◆
今、二十一世紀の大空を照らして昇りゆく旭日は何か。そのまばゆい希望の暁の光こそ、わが直系の門下である創価の青年です。
さあ「青年学会」の勝利へ、私と共に戦おう! 三世に師弟共戦の大道を進もう! いかなる嵐をも勝ち越えて!

◇誓願を貫く本門の弟子に 岩田健児 九州青年部長
広布後継の「3・16」が目前です。
また今日は、池田先生が初めて九州をご訪問いただいた記念日です。
九州青年部は今、男子部大学校生、学生部のビクトリー・リーダーを先頭に、弘教拡大に驀進しています。
目指すは2030年の「5・3」。一人一人が「広宣流布の胸中の旗」を打ち立て、誇り高き先駆の魂が燃え上がる九州青年部を築くため、先頭に立って戦ってまいります。

◇決して止めない
今回学ぶ「上野殿御返事」を私が初めて拝したのは、20年ほど前。ちょうど学生部で折伏に挑んでいた時でした。当時、地元の友人と共に勤行し、唱題できたものの、その後、連絡がつかなくなってしまいました。
落胆しましたが、本抄を拝し、"広布の戦いを決して止めない"と決め、諦めることなく彼の幸福を祈ろうと、唱題を重ねました。
今月の青年部幹部会を目指し、週1回は仏法対話をと、縁する全ての人に勇気の拡大に挑んでいた本年1月、一本の電話が。20年前に対話した彼でした。
聞けば"仕事で悩み、実は、あの時に教えてくれた題目を唱えているんだ"とのこと。本当に驚きました。と同時に、これほど下種の大切さを痛感したことはありません。今、彼と"同盟唱題"を行いながら、彼が悩みを乗り越えていけるよう励ましを送っています。
御文の、「殿一人にかぎるべからず」との一節について、先生は講義の中で、私たちが信心を貫くことは、「この人生で巡りあう無数の縁ある人々を救っていくことになるのである」とつづられています。
どんな苦難にぶつかっても、思うようにいかない状況に陥ったとしても、師匠と共に、学会と共に、誓願の大道を貫いていこう!——戦いの中で、改めて深く命に刻んでいます。

◇"マンツーマン"で
本抄を、日蓮大聖人が南条時光へ送られた時、時光はまさに二十歳の青年でした。
当時は、「熱原の法難」が本格化し始めた頃。大聖人は冒頭から、御自身が受けてこられた迫害の意義を記され、戦う師子王の魂を、時光に打ち込まれています。"法華経のゆえに、これだけの大難を受け、厳然と勝ち越えてきたのは、私しかいないではないか!"と。
こうした本抄の烈々たる御金言について、池田先生は、「本物の信仰を教えたい、師匠と共に大願に生きる人生の価値を教えたい、との青年への限りない期待と鍛錬とも拝されます。そして、それに応える青年門下の誓願と奮闘——この師弟の中にこそ、広宣流布の脈動があるのです」と講義されています。
眼前に迫った青年部幹部会へ、九州の青年部は、誓いも固く、御書根本に対話拡大へと奮闘しています。
熊本総県では、「マンツーマン教学運動」と銘打ち、部長や副部長などのリーダーが、メンバーと一対一で教学を研さんする運動を展開。
週1回を目安に、勉強会を開き、大聖人の御生涯や基礎教学を学び合う中で、「これほどの苦難の連続を、大聖人は乗り越えられてきたんですね。自分も苦しい時、絶対に逃げずに立ち向かいます」「教学というと"カタい"イメージを勝手に持っていましたが、こんなに楽しいものなのですね! 次回が待ち遠しいです」などの声が寄せられています。
研さんの中で歓喜が生まれ、広宣流布と人間革命に立ち上がる友が続々と誕生しています。

◇期待に応える時は今
昨年12月、九州にとって忘れ得ぬ原点である、長編詩「青年よ 二十一世紀の広布の山を登れ」の発表から40周年の佳節を刻みました。先生は、「随筆『人間革命』光あれ」で、この歴史に触れ、つづってくださいました。
「今再び、我らの前には『大いなる広布の山』がある。学会創立百周年の二〇三〇年へ、さらに二十二世紀の民衆勝利を開くために、越えてゆかねばならぬ山だ」「この山を登攀したならば、見える限りの世界がすべて君たちのものだ! その所願満足の歓喜の法戦こそ、無上道の人生であり、青春であるがゆえに、私はすべてを本門の君たちに託したい!」
師匠のあふれんばかりのご期待にお応えする時は、今をおいてほかにありません。
「熱原の法難」で先頭に立って門下を護り、正義の旗を掲げ抜いた時光のごとく、先駆を使命とする九州青年部が先頭に立ち、拡大に走り、圧倒的な弘教の金字塔で師匠にお応えしていきます。

◇メモ
「上野殿御返事(刀杖難の事)」は、弘安2年(1279年)4月の御執筆である。冒頭から、日蓮大聖人御自身が堪え忍ばれた「種々の大難」に言及され、中でも「命をすつる程の大難」として、「竜の口の法難」と「小松原の法難」という「刀の難」を挙げられている。さらに法華経の第5の巻の文と御自身との関係を大難と仏法流布の上から明かし、末法を救済する自身の御心境を示された。また、南条時光に信心の心構えを教えられている。

2022年3月11日金曜日

2022.03.11 わが友に贈る

積み上げた「心の財」は
いかなる苦難にも
絶対に壊されない。
最も苦労した人こそ
最も幸福になる仏法だ。

崇峻天皇御書 P1173
『中務三郎左衛門尉は主の御ためにも仏法の御ためにも世間の心ねもよかりけりよかりけりと鎌倉の人人の口にうたはれ給へ』

【通解】
「四条金吾は、主君の御ためにも、仏法の御ためにも、世間に対する心がけも立派であった、立派であった」と鎌倉の人々から言われるようになりなさい。

名字の言 男子未来部員が車の運転免許を取得した理由 2022年3月11日
今年も東北各地で「ど根性ひまわり」の種をまく準備が進んでいる。東日本大震災の被災地で、がれきの中に芽吹いたひまわりから数えて12世へと育つ種である▼東北文化会館の敷地内には毎年、少年少女部の合唱団メンバーが中心となって種をまいてきた。今や震災後に生まれた団員も多い。ただ、何年たとうが、わが郷土の復興と大切な人々の幸福、平和を願う心は、厳然と受け継がれている▼時の経過は、物事を風化させる。だが一方で"ろ過"する力もあるように思う。何度も濾すことで、純度を高め、物事の意味を深化させる——そう感じる話を聞いた▼今月、高校を卒業した男子未来部員が車の運転免許を取った。取得の理由はこうだ。11年前の震災直後、彼の一家は県外に避難した。そんな中、信心強盛な祖母は、離ればなれになった同志に連絡しては、「必ず変毒為薬して再会しましょうね」と励まし続けた。その姿に彼は"会いたい同志の元へ祖母を送り届けるのが僕の役割"と決めた。小遣いを貯金しアルバイトに励んだ。彼は決意を現実のものとし、車の助手席に祖母を乗せ、ハンドルを握る▼世代を重ね、毎年咲く、ど根性ひまわりの大輪が、未来部の友に重なる。開花が待ち遠しい。

寸鉄 2022年3月11日
東日本大震災から11年。東北の"福光"の歩みこそ世界の希望。共に未来へ
小樽問答記念日。正義の師子吼に勝るものなし! 後継の勇者よ先陣を頼む
「岐阜の日」50周年。堅塁中部の要の人材城。誓願胸に立正安国の対話拡大
平和には差異を認め称え合う「寛容の心」が必要—ホールディング博士。人類共生の時は今
学会が国連機関通じ人道支援。一日も早い事態の終息と安全へ、祈り深く

〈社説〉 2022・3・11 東日本大震災11年
◇"あなた"の言葉こそが福光
作家の柳美里さんが手掛けた戯曲「町の形見」。俳優と共に出演しているのが、福島県南相馬市のお年寄りたちである。方言指導のために呼ばれた住民たちが、役者らの問い掛けに応じ、自らの人生を語りだす。鮮やかな震災前の記憶、現在の避難生活、人生を一変させた「3・11」。実際に被災した8人の声を通して紡ぎ出されていく。柳さんは語る。「沈黙の中から感情を救い出し、言葉を揺り動かすことができるのは、自分自身の声しかないのではないか」と。
福島県のある池田華陽会メンバーが震災に遭ったのは小学2年の時。家族で避難した体育館のテレビで目にしたのは、海外の人々が救援に駆け付け、国や民族の違いを超えてエールを送る姿だった。座談会に行けば、いつも優しい「学会のおじちゃん、おばちゃんたち」がいた。"この経験を埋もれさせたくない"と思った。その後、被災地の子どもを対象にした海外交流プロジェクトに参加。英語で体験を伝える努力を重ねる中、彼女には国際線のキャビンアテンダントという夢ができた。コロナ禍により延期になっていた渡航が許可され、来月、オーストラリアの学校に進む。「一人でも多くの人を笑顔にしたい。それが私にできるあの日の"恩返し"です」
人を意味する英語の「person」はラテン語に由来し、「per(〜を通じて)」と「sonus(音、声)」の二つを合わせたものとされる。人間とは「音や声を通じて語りかける主体」と。それはまた「話す相手」「他者」の存在を前提としている(『福島はあなた自身』福島民報社)。
人は他者と関わり、響き合う中で生きていける——発災から4018日間、東北の同志の実感だ。想像を絶する喪失感に直面した時、全てを包み込んでくれる師匠がいた。傍らで寄り添い、一緒に涙を流してくれる友がいた。離れた地から、わが事のように祈りを送り続ける同志も。一人が立ち、"声"を上げるまでには、必ず誰かの存在がある。そうして織りなされた「福光の言葉」が、次は他者を支える希望へと変わっていく。
御聖訓に「言と云うは、心の思いを響かして声を顕すを云うなり」(新713・全563)と。この11年を生き抜いてきた"あなた"だから届けられる「3・11」がある。私たちだから開ける人間主義の未来がある。

☆3月度座談会拝読御書 妙一尼御前御消息
◇御文
『法華経を信ずる人は冬のごとし。冬は必ず春となる。いまだ昔よりきかずみず、冬の秋とかえれることを。いまだきかず、法華経を信ずる人の凡夫となることを。経文には「もし法を聞くことあらば、一りとして成仏せざることなけん」ととかれて候。』(御書新版1696ページ1行目〜3行目、御書全集1253ページ16行目〜17行目)

[池田先生の指針から]信仰は"永遠の幸福の翼"
"冬"は、すばらしい"春"のための充電と鍛えの時である。その時にこそ、永遠に崩れぬ「成仏」へのエネルギーは蓄えられ、宇宙大の広がりを秘めた生命活動の力が培われていく。
しかも、そのエネルギーは、難にあえばあうほど大きさを増す。そして、正しき法にのっとった人は、だれもが必ず"春の時"を迎えることができる。
しかし逆に、"冬"のたいへんな時に、信心の向上のための世界から逃げたり、疑ったりして、十分に力と福運を蓄えておかなければ、すべてが中途半端となってしまう。ましてや「満足」の人生を、送ることはできない。
"冬"の間にこそ、どう戦い、どれほど充実した時を過ごすか。必ず来る"春"を確信し、どう深く生きるかである。時いたれば、自然界には花咲く春が間違いなく訪れる。それが生命と宇宙のリズムである。(中略)
正しき信仰とは"永遠の幸福の翼"である。苦難を乗り越えるたびに福運を積み、境涯を高めていける。今世において一生成仏すれば、三世永遠に「所願満足」の生命の"大空"を悠々と羽ばたいていくことができる。これが仏法の法理であり、生命のリズムなのである。(池田大作先生の指導選集〈上〉『幸福への指針』)
◇ ◇ ◇
一字一句でも耳にした人は一人も残らず成仏に至る——これが法華経の偉大な力だ。
妙法を聞いた人が、すぐに発心しなくても、決して落胆することはない。妙法を語れば、必ず仏縁は結ばれ、相手の生命の仏性は、既に揺り動かされているからだ。
私たちが対話した分だけ、幸と希望のスクラムは大きく広がる。さあ、勇気凜々と行動を! 楽しく朗らかに!(本紙2017・2・2付、「御書と歩む 池田先生が贈る指針」)

◇希望を胸に蘇生の活路開く
[キーワード�]不屈の挑戦の人に
『日蓮大聖人御書全集 新版』の「序」に、池田先生は「どんなに厳しい『生老病死』の苦に直面しても、御書に触れれば、『胸中の肉団』から元初の太陽が赫々と昇り、『冬は必ず春となる』との希望の指針のままに、『常楽我浄』へ蘇生の活路を開きゆけるのだ」と寄せています。
草創以来、多くの学会員が「冬は必ず春となる」との一節を胸に刻み、"蘇生のドラマ"をつづってきました。
本抄を与えられた妙一尼は、信仰ゆえの弾圧にも屈せず、夫と共に信心に励んでいました。そんな妙一尼に、悲しみが訪れます。夫は、大聖人が佐渡流罪から赦免されたのを知る前に、亡くなってしまったのです。
頼みの夫に先立たれ、幼い病気の子らを抱え、生活も楽ではなかったと思われます。「生老病死」の苦に直面しても、妙一尼は、師への求道心を燃やして佐渡や身延へと従者を送り、純粋な信心を貫いていました。
大聖人は、試練に立ち向かう妙一尼に、亡き夫の成仏は間違いないとの確信と希望の励ましを送られたのです。
桜の花芽は夏に形成され、秋に休眠します。この花芽は、冬の寒さに鍛えられるように低温が刺激となって目覚め、成長が促されるといいます。
苦難の底にいる時は、先の見えない苦しさを感じるかもしれません。しかし、桜の花芽が厳寒の季節に成長を開始するように、人生の冬の時にこそ、信仰を深め、生命を強く鍛え上げることができます。
不屈の挑戦の人に"人間革命の春"が訪れるのです。

[キーワード�]全ての友に仏縁を
拝読御文にある「もし法を聞くことあらば、一りとして成仏せざることなけん」とは、法華経方便品第2の文です。この文は、本抄だけでなく、他にもいくつかの御書で、門下への励ましとして記されています。
"もし法を聞くことがあれば、一人として成仏しない人はいない"との一節からは、法華経の功力の偉大さとともに、"一切衆生を必ず成仏させる"との、仏の熱願が伝わってきます。
大聖人は、この仏の大願を実現するため、末法の全民衆を救いゆく、「南無妙法蓮華経」の題目を確立されました。その大慈悲の御精神で、時の権力者にも、真正面から仏法を説き、あらゆる大難を悠然と見下ろされながら、万人の成仏を開きゆく偉大な御生涯を歩まれたのです。
この大聖人の御精神に連なり、人々に等しく具わる仏性を呼び覚ましていくのが、広宣流布の実践です。
私たちは、日々の生活の中で、多くの人と出会います。その全ての人に幸福の種を植える対話に挑んできたからこそ、創価の連帯は世界中に広がったのです。
池田先生は「ともすれば一度ぐらい話をしただけで、"あの人はだめだ""この人は無理だ"と思い込んでしまう。でも、人の心は刻々と変わる。いや、執念の対話で、断じて変えていくんです」とつづっています。
一人も残らず成仏を開くことができる——真心は必ず伝わります。心軽やかに、関わる全ての人に仏縁を広げていきましょう。

2022年3月10日木曜日

2022.03.10 わが友に贈る

祈りを込めた言葉
真心を尽くした言葉は
必ず相手の胸中に響く!
信心の体験と確信を
大切な友に語りゆこう!

月水御書 P1199
『法華経は一日の所作に一部八巻二十八品或は一巻或は一品一偈一句一字或は題目ばかりを南無妙法蓮華経と只一遍となへ或は又一期の間に只一度となへ或は又一期の間にただ一遍唱うるを聞いて随喜し或は又随喜する声を聞いて随喜し是体に五十展転して末になりなば志もうすくなり随喜の心の弱き事二三歳の幼穉の者のはかなきが如く牛馬なんどの前後を弁へざるが如くなりとも、他経を学する人の利根にして智慧かしこく舎利弗目連文殊弥勒の如くなる人の諸経を胸の内にうかべて御坐まさん人人の御功徳よりも勝れたる事百千万億倍なるべきよし経文並に天台妙楽の六十巻の中に見え侍り』

【通解】
法華経は一日のつとめに一部八巻二十八品、あるいは一巻、あるいは一品・一偈・一句・一字、あるいは題目ばかりを南無妙法蓮華経とただ一遍唱え、あるいは一生の間にただ一度唱え、あるいはまた一生の間にただ一遍唱えるのを聞いて隨喜し、あるいはまた、その隨喜する声を聞いて隨喜し、このように五十展転して、おわりになれば志も薄くなり、隨喜の心の弱いことは、二・三歳の幼子がはかないように、牛馬などが前後をわきまえないのと同じようにはかなくなっても、他の経を修学する人で、利根の智慧も深く、舎利弗・目連・文殊・弥勒のような、諸経の胸中に浮かべておられる人々の御功徳よりも、勝れていることは百千万億倍であると、法華経や天台・妙楽の著した六十巻の書物の中に明かされている。

名字の言 便りに添えられた"福寿草" 2022年3月10日
福島県から2通の"春の便り"が届いた。一つは県北部の相馬郡新地町の婦人、もう一つは郡山市の壮年から。11年前の東日本大震災による津波と原発事故で被災された方である▼温かな文面に添えられた写真は、偶然だが両者ともに黄色の花を咲かせた福寿草だった。花言葉は「幸せを招く」。婦人は「春一番の幸せの便りを送ります。震災直後、心に刻み付けた御文は『冬は必ず春となる』(新1696・全1253)。私たちの人生は、その通りになりました」と▼壮年は「仮設住宅に住んで間もない頃、近所の方が分けてくださった福寿草——毎年、春の訪れを知らせてくれます」。最近、震災の風化をひしひしと感じるという。「絶対に忘れてほしくない」。こう訴える彼は、語り部として震災の教訓を伝え続ける▼春の花々が咲き始める今の時季は、七十二候の「桃始笑」(3月10〜14日ごろ)。花の固いつぼみが少し開くことを「ほころぶ」という。これには、硬かった表情が和らいで笑顔になる意味も。だから「笑」を「咲く」と読ませるようだ▼被災者の"最後の一人"が笑顔になる日まで、私たちは今、できることを続けたい。私たちの心は、いつも困難に立ち向かう皆さまと共にある。

寸鉄 2022年3月10日
「わとうども二陣三陣つづきて」御書。一人立つ友から広布の劇は始まる(新1227・全911)
民衆万年の幸福の確立が学会の使命—戸田先生。一対一の対話こそが直道
農山漁村女性の日。尊き食と命守る農漁光部に感謝。健康と福徳を祈る!
血中酸素濃度計の粗悪品に消費者相談が急増と。不自然な安値等は要注意
防災対策、半数が未実施—調査。避難場所や備蓄品など気付いた時に確認

〈社説〉 2022・3・10 あすから「春の睡眠健康週間」
◇良質な睡眠で価値創造の日々
"一番大事に考えているのは、寝ることです"——米メジャーリーグで活躍する大谷翔平選手は、自身の心身の調整法について、こう語っている。
マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏は、クリエーティブな力を発揮するには7時間以上の睡眠が大切と語る。グーグルやナイキの本社には職場に昼寝のための部屋さえあるという。睡眠を重視するのは、それが従業員の創造性と生産性を高め、結果的に収益の向上にも成功しているからだが、経済効果以前に睡眠は「健康の基」であることを再確認したい。
11日から「春の睡眠健康週間」が始まる(25日まで)。これは、2011年に「睡眠健康推進機構」と「日本睡眠学会」が共同し制定したもの。毎年春と秋に実施されている。
日本で1日7時間以下の睡眠時間の人は約60%(厚生労働省の令和2年度健康実態調査)。日本人は睡眠時間が世界一短いという。コロナ禍における日常生活の変化で睡眠障害を訴える人も多い。
今年度の東京医療保健大学の「睡眠に関する調査」によると、37・8%の人が「睡眠の悩みが増加した」と回答。在宅勤務が増えた人では、70・2%の人が睡眠の悩みが増えているという。
睡眠不足は免疫力を低下させる。交通事故など重大な事故にも直結しかねない。では、良い睡眠をとるにはどうすればよいか。
一般的には、午前0時前の就寝が大切といわれる。午前中に太陽光を浴びることで体内時計が整う。就寝前のぬるめの温度の入浴は副交感神経が優位になり、良質な睡眠に効果的だ。寝る直前までスマホやテレビを見続けると、睡眠に導くメラトニンの分泌が抑えられてしまう。また、休日の寝だめは体内リズムを乱し、かえって不調を来してしまう場合もある。
池田先生は語る。「健康は智慧です。日々の生活の中で『睡眠をとること』は根幹の条件です。良い睡眠を目指していくためにも、聡明に工夫していきたい。夜は、できるだけ早く休むように心がけていく。そして、疲れをためない生活も、すべてわが信心の一念から起こる智慧の結晶です」
良質な睡眠のため、多忙な中でも、まず何か一つ実践してみよう。悪い習慣を何か一つやめてみよう。そこから新たな価値創造への一歩が開かれるだろう。

☆神戸代表幹部会——池田先生の初の兵庫指導65周年を記念
◇原田会長、永石女性部長が出席
池田大作先生の初の兵庫指導から65周年を記念する神戸代表幹部会が8日、神戸市の兵庫池田文化会館で開催された。
1957年(昭和32年)3月16日、若き池田先生は神戸市の御影公会堂での大会に出席。師弟の原点を刻んだ。
以来、65星霜——。兵庫そして神戸の友は今、眼前に迫った「3・16」を拡大の上げ潮で飾り、新たな常勝の金字塔を築こうと、意気軒高に前進する。
幹部会では、金澤主任副会長があいさつ。東神戸総県の岡田総県長が「異体同心の団結固く、広宣勝利の突破口を」と力説した。
中央神戸総県の水谷義春さんが、地道な訪問・激励で地区の壮年部の会合参加者が増加した喜びを報告。西神戸総県の田渕治代さんは担当地区で新しい人材が躍動する様子と、広布の戦いを通して家族と自身の病魔を打ち破った体験を語った。山内関西長、永石女性部長に続いて原田会長は、学会の永遠の焦点は「青年」であると強調。先輩は後輩を自分以上の人材に育てることが師恩に報いる道であると述べ、全リーダーが今いる使命の場所で青年を励ましながら、広宣流布即世界平和を実現しゆく対話に挑戦をと呼び掛けた。

☆勝ちゆく君へ 第26回 善縁を結べ! 自信満々と
◇体験に勝る雄弁なし
寒風に胸張り、新時代の二月闘争、本当に御苦労様!
折伏は、難事中の難事です。
70年前、思うように弘教が進まなくても、私たちは、「元気を出して!」「一緒に頑張りましょう!」と励まし合い、朗らかに壁を破りました。
今、最高の仏事に挑む若き友に届けと、題目を送っています。
日蓮大聖人は、「一切は現証にはしかず」(新1672・全1279)と仰せです。
体験に勝る雄弁なし、です。
肩肘張らず、ありのままに信心の喜びと確信を語ればよい。苦闘に負けず、明るく進む生き方自体が、仏法勝利の証しです。
誉れの男子部大学校生よ、善縁を自信満々と結びゆけ!

◇一対一の真心の励まし
新生・華陽会の皆さんが、「第1期生」との誇りも高く、"つながるプロジェクト"を各地で工夫して繰り広げています。
「一人の幸福のために」——この御本仏の大精神に直結する行動によって、創価の絆は地球を包む大連帯となりました。
御書新版で「衣食御書」に追補収録された御文には、「人のためによる火をともせば、人のあかるきのみならず、我が身もあかし」(新2150※新規収録)と説かれています。
一対一の笑顔の語らいが、希望の光となる。誠実と真心の言葉が、友の心を照らします。
不軽の振る舞いの灯を掲げて、皆が輝く誓春スクラムを、未来へつなげゆこう!
(創価新報2022年2月16日付より)

☆大学校生とナットクTALK テーマ:励まし 2022年2月27日
登場人物
中村区男子部大学校団長 20歳の時に入会。情熱に燃える新進気鋭のリーダー。35歳。
内藤ニュー・リーダー 男子部大学校4期生として入校した24歳。

Q.オンラインだけじゃダメですか?
A.状況に合わせて使い分けを

内藤ニュー・リーダー 中村さん、少しいいですか?

中村区男子部大学校団長 どうしたの、内藤君。

内藤 いや、それが小山部長から連絡があって、今度、感染防止対策を万全にした上で、直接話したいって言われて。電話とかオンラインでもいいんじゃないかなって思ったんですよね。

中村 なるほど。最近、オンラインの会合も増えているし、定着してきたよね。

内藤 座談会とかもオンラインで開催する時があるじゃないですか。オンラインであれば、場所の制約や移動時間もあまり考えなくていいから、すごくいいと思って……。

中村 確かに、オンラインのメリットはたくさんあるよね。ただ、小山部長が、直接話したいって言った気持ちも分かるんだ。

内藤 どうしてですか?

中村 内藤君、先日の指導会にオンラインで参加して、仕事の悩みを打ち明けてくれたよね。小山部長も参加していたから、それを聞いて、「なんとか内藤君を励ましたい」と思ったみたいなんだ。

内藤 そうなんですね。

中村 対面で会った方が相手の表情がより分かるし、「負けるな! 応援してるよ!」っていう思いを、直接、伝えたいと思ったんじゃないかな。対面の方が誤解なく伝わりやすいからね。

内藤 確かに、オンラインだと音声が途切れちゃったり、相手の表情が分からなかったりすることもあります。

中村 もちろん、オンラインでも激励できるし、対話もできる。対面に不安を感じる人もいるかもしれない。目的や状況に合わせて、オンラインや対面を柔軟に使い分けていくことが大事だと思う。

内藤 今の僕の状況を考えて、小山部長が励まそうと思ってくれた気持ちが、少し分かった気がします。

中村 学会活動の目的の一つは、「励ましを送ること」だと思う。日蓮大聖人は、遠く離れた地域にいる門下に「御身は佐渡国におわせども、心はこの国に来れり」「心こそ大切に候え」(新1746・全1316)とお手紙をつづられ、"どれほど距離が離れていても、心は常に一緒です"と励まされた。

内藤 大聖人のお言葉に、真心を感じます。

中村 池田先生は、「直接、会える、会えないではなく、私は、あらゆる機会を捉え、全精魂を注いで青年を励ました」と言われているよ。僕たちも、物理的に"会う・会わない"という次元を超えて、相手を思う「心」を大切にしながら、相手の状況に合わせて丁寧に励ましを広げていきたいね。