2021年4月12日月曜日

2021.04.12 わが友に贈る

新聞休刊日

千日尼御返事 P1318
『豊後房に申し候べし既に法門日本国にひろまりて候、北陸道をば豊後房なびくべきに学生ならでは叶うべからず九月十五日已前にいそぎいそぎまいるべし』

【通解】
あなたから豊後房に、次のようにお話しください。すでに法華経の法門は日本国に弘まってきた。北陸道を教化するのは豊後房の役目であるが、それも学問がないとできない事である。九月十五日以前に急ぎ急ぎ身延へ参りなさい。

☆創価大学創立50周年記念特集 キャンパスに脈打つ創立者の精神
〈学生第一の学びや〉
永遠に「学生が中心」である。「学生のための大学」である。この根本の精神が盤石であれば、創価大学は盤石である。

1960年代後半、社会には大学紛争の嵐が吹き荒れ、各地で学生と大学の衝突が起こっていた。
"大学は学生のためにあるべきだ"——池田先生は行き詰まった教育界に変革を起こすべく、創価大学の開学を2年早め、「学生第一」「学生中心」を掲げる理想の大学を、自らの手で創り上げていった。
学生に招待された第1回創大祭では、3時間以上掛けて全ての展示を観賞。第2回滝山祭では、手のまめをつぶしながら太鼓を叩いた。また、1期生の卒業を約1年後に控えた第3回創大祭では、約700人の企業の来賓らに直接名刺を手渡しながら、"創大生をどうかよろしくお願いします"と頭を下げた。
池田先生は断言している。
「創価大学も永遠に『学生が中心』である。『学生のための大学』である。この根本の精神が盤石であれば、創価大学は盤石である。創立者として、そのことを強く訴えておきたい」(2005年3月、第2回特別文化講座「革命作家・魯迅先生を語る」)
こうした創立者の指針を受け、創大では草創期から、学生主体の大学建設が進められてきた。
1974年には大学運営などを話し合う「全学協議会」が発足。ここでは、教員、職員、理事の代表、さらに学生代表が参加し、「学生の声」を反映させながらキャンパスの整備を進めている。
さらに入学式や卒業式、創大祭といった主要行事では学生が実行委員会や運営役員を組織し、企画から整理誘導の役員まで学生主体で行われる。時に意見をぶつけ合い、話し合いを重ねて心を一つに物事をつくり上げていく作業は、人格を鍛える人間教育の場となっている。

〈五大陸に広がる教育交流〉
諸君のために、新しき世界への道を開きます。世界を駆けめぐる私の胸中には、常に、心より信頼する君たちがいます。

「大作、創価大学をつくろうな」「世界第一の大学にしようではないか」——恩師・戸田先生から託された大学建設へ、池田先生は創価大学の創立前から、諸外国を訪れるたび、大学等の教育機関を視察。積極的に教育交流の道を切り開いてきた。
また、創大開学の翌1972年にトインビー博士と対談して以降、平和・教育・文化など幅広い分野で一級の知性との対話を開始する。74年には、米カリフォルニア大学ロサンゼルス校で講演。これまで海外の大学・学術機関で行った講演は、米ハーバード大学、フランス学士院などで32回に及ぶ。
池田先生は第4回入学式の折、世界を駆ける真情をこう語った。
「私は、私の信念として、諸君のためには、いかなる労苦も惜しまず、新しき世界への道を開いてまいりたいと思っております。私が、世界の人々のなかを駆けめぐるその胸中には、つねに大切な、そして心より信頼する諸君の存在があることを知っていただきたいのであります。どうか、諸君は、"点"と"点"とを"線"で結び、さらに、それを壮大な立体とした世界の平和像をつくりあげていってほしいのであります。これは、私の諸君に対する遺言と思ってください」(74年4月)
創大は74年1月に、香港中文大学と初の学術交流協定を締結して以来、モスクワ大学、タイ・チュラロンコン大学、北京大学と交流校を増やし、今では62カ国・地域の225大学まで拡大。これまで多くの学生が、留学や海外研修に飛び立っている。
また2001年に、経済学部がインターナショナル・プログラム(IP)を開講したのをはじめ、現在では、ほとんどの学部で"英語で専門分野を学べる授業"を開設。世界各地から集う留学生と机を並べて学ぶことができる。

〈民衆立の大学〉
大学は、大学に行けなかった庶民のためにある。民衆の幸福に尽くし抜く指導者が、陸続と巣立っていってこそ、「創価教育」の勝利である。

創価大学の開学前、無償で建設予定地を整地する青年たちの姿があった。彼らに真心の差し入れをした婦人もいた。自身は満足に学校で学べなかったが、大学の理念に共感し、その事業に参加したいと、生活を切り詰めて寄付を申し出た方々がいた——池田先生は折々に、開学の陰にこうした人々の労苦があったことを、創大生や教職員に訴えた。「創価大学に縁する全ての人は、創大は無名の民衆の応援でできた『民衆立の大学』であることを忘れないでほしい」
開学以来、創大生は、庶民の味方となれる力ある人材を目指し、切磋琢磨してきた。毎年のように難関の国家試験合格者が誕生。経済、学術、法曹、教育、政治、スポーツ、芸術、国際協力など、各分野の第一線で活躍している。
創大では、1973年から年齢や職業を問わず学べる"市民講座"として「夏季大学講座」を実施。76年には通信教育部を設置し、社会に根差し、広く民衆に教育の機会を開いてきた。
研究分野でも光を放っている。誰も置き去りにしない社会の建設へ、国連のSDGs(持続可能な開発目標)の推進に全学を挙げて、力を入れている。
また、創大の理工学部が中心となって推進する、アフリカ・エチオピアの湖に過剰繁殖する水草を有効活用しようとする国際共同研究は、「地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)」の研究課題に採択され、注目を集めている。
池田先生は随筆につづっている。「大学は、大学に行けなかった庶民のためにある。民衆の幸福に尽くし抜く指導者が、陸続と巣立っていってこそ、『創価教育』の勝利である」