◇今週のことば
座談会こそ仏の会座
安心と希望の泉なり。
「仏種は縁に従って起る」
心を結ぶ語らいで
地域に勇気の伝播を!
2021年4月11日
千日尼御前御返事 P1313
『日本国の一切の女人を扶けんと願せる志はすてがたかるべし』
【通解】
日本国の一切の女人を救おうと願った志を無視することはできないであろう
名字の言 育成は「見る」「聴く」「受け入れる」 2021年4月11日
優れた選手育成システムから次々と世界的な名手を生み出すスペインサッカー。なかでも、最も堅実な育成組織を持つと評されるチームがビジャレアルだ▼トップリーグを戦う同チームの下部組織では、コーチ陣が脳科学や行動科学などをもとに「アスリート・センタード・コーチング」に取り組む。つまり選手を中心に置いた「見る」「聴く」「受け入れる」指導方法だ▼例えば、全体ミーティングで黙っている選手。一対一で話すと、しっかりとした考えを持っているが、自信がなくて発言しなかったことなどが分かった。同チームで選手の育成に携わってきた、Jリーグ常勤理事の佐伯夕利子氏は「沈黙は思考ゼロではない」と語る。「静かにしていることや、無言であることに、もっと意識を向けよう」と(『教えないスキル』小学館新書)▼自分の考えや感情を言葉にして表現する人もいれば、しない人もいる。だからこそ、それぞれの性格や状況に応じた判断が必要だ。相手の様子を「見る」。話を「聴く」。思いを「受け入れる」——人材育成とは"その人らしさ"を尊重する「関わる側」の姿勢で決まる▼どこまでも一人に寄り添い、"心の声"にまで耳を澄ませよう。「聞き上手は、判断力に富む人」とはエジプトの格言である。(銘)
寸鉄 2021年4月11日
学会員の姿から一人一人が秘める偉大な力を確信—学者。民衆蘇生の太陽
未来部の日。能力を発揮させれば皆が優等生に—先師。この心で激励益々
「恐るべきは無気力、ただこれのみ」詩人。活力の源は題目!今日も朗々と
医学部志望、コロナ禍で増と。命守らんとの若者頼もし。我らも周囲の為
飲食店で感染広げる主因は店ではなく客の行動—専門家。飛沫対策緩めず
〈社説〉 2021・4・11 あす「世界宇宙飛行の日」
◇平和の哲学を技術革新の要に
1961年4月12日、ロシアのある村に、宇宙から一人の男が舞い戻った。ぼうぜんと見つめる婦人と少女に、男はヘルメットを脱いで叫んだ。「仲間ですよ、同志、仲間です」。気が付いた別の作業員たちが、「ユーリー・ガガーリン! ユーリー・ガガーリン!」と叫びながら建物から駆け寄り、兄弟のように抱き合った(朝日新聞社訳『地球の色は青かった』)。この宇宙飛行士こそ、108分間で地球を一回りしたユーリー・ガガーリンである。彼が人類初の有人宇宙飛行を成功させた4月12日は、「世界宇宙飛行の日」に定められている。
「飛んだ! 飛んだぞ、ひとりで!」「お前は、自分の欲するすべての目標に到達することができるのか(中略)——できるとも」「誓い! それは動かすことのできない、大きな容量をもつ言葉である」。前掲の手記には、訓練を経て、宇宙に飛び立つまでの青年ガガーリンの言葉が鮮烈に刻まれている。
「まだ」60年、という驚きもあろう。今や、国際宇宙ステーションでは宇宙飛行士たちが国籍を超えて協働したり、遠く離れた天体に正確に探査機を送って岩石を持ち帰ったり、火星や月の次世代開発計画が進んだりしている。たった60年で、宇宙開発は飛躍的な進歩を遂げた。
かつて池田先生と対談集『宇宙と地球と人間』(潮出版社)を編んだロシアの宇宙飛行士、アレクサンドル・セレブロフ博士が、同書で人間交流に関する興味深いエピソードを語っている。
同博士がアメリカの青少年宇宙会議「YAC」の招聘で、ロシア側の一員として会議に参加した時のこと。YACの議長はベトナム戦争に参加したヘリコプターの元パイロットだった。一方、ロシア側にも退役軍人がいて、彼を撃ち落とそうとした人物だったことが分かった。退役軍人らは議長の自宅に招かれる。議長の父親は「息子の命を奪おうとされた敵方のパイロットとは、いやはや、なんと歓迎申し上げればよいのやら……」。そして彼らを尊敬すべき客として迎えた。
池田先生は、かつての敵同士が「青少年たちに宇宙への夢や視野を与えようと行動する同志」となったことを称賛し、「戦争から平和への偉大なる転換の劇を見る思いです」と語った。宇宙への視座は、人類に地球平和への哲学を育んでいくはずだ。同書の末尾にはこうある。「宇宙は尊い。地球は尊い。人間は尊い。さらに、生命は尊い。限りなく尊い」
私たちは、時代がどんなに変わろうとも、技術がどんなに進もうとも、この平和の哲学を断じて叫びきっていかなくてはならない。子どもや孫の世代が、国境を越えて更なる友情を広げゆくために。
☆創価大学創立50周年記念特集 創立者と歩んだ栄光の50年
〈1964年〉
創価大学「設立構想」発表
〈1971年〉
開学(経済・法・文学部)
〈1972年〉
創大学生歌が完成
〈1975年〉
大学院修士課程開設
日本で初めて新中国から国費留学生を受け入れる
初の学術交流協定を香港中文大学と締結(現在は62カ国・地域、225大学と交流を結ぶ)
〈1976年〉
経営・教育学部、通信教育部、別科開設
〈1977年〉
大学院博士課程開設
〈1978年〉
中央図書館開館
〈1985年〉
創価女子短期大学開学
〈1991年〉
池田記念講堂完成
工学部開設
〈1999年〉
本部棟完成
〈2004年〉
専門職大学院法務研究科(法科大学院)開設
〈2005年〉
創大男子寮歌「青春の城」、創大女子寮歌「希望の光」、短大学生寮歌「幸福の詩」が誕生
〈2006年〉
北京事務所を設置
〈2008年〉
専門職大学院教職研究科(教職大学院)開設
〈2009年〉
総合体育館完成
〈2010年〉
創立50周年に向けた創価大学グランドデザインを発表
GCP(グローバル・シティズンシップ・プログラム)開始
〈2013年〉
看護学部開設
中央教育棟完成
〈2014年〉
国際教養学部開設
文部科学省「スーパーグローバル大学創成支援」に採択(2018年、2021年の2回連続で、中間評価で最高の「S」を獲得)
〈2015年〉
工学部を「理工学部」に名称変更、「共生創造理工学科」を開設
〈2016年〉
タイ事務所、韓国事務所を設置
〈2017年〉
滝山国際寮(男子)、万葉国際寮(女子)が完成
〈2018年〉
フィリピン事務所を設置
〈2021年〉
創立50周年。同窓生が10万人に
☆創価大学で創立50周年祝賀の入学式 創大51・50期生、短大37・36期生が晴れの門出
◇池田先生が和歌とメッセージ贈る
創価大学の創立50周年を記念する入学式が2日午後、東京・八王子市の創大池田記念講堂で挙行された。創大51期生・短大37期生をはじめとする新入生、そして、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、昨年、入学式を開催できなかった創大50期生・短大36期生ら新2年生の式典が、それぞれ晴れやかに行われた。両式典には、創立者・池田大作先生が和歌とメッセージを贈り、最良の世界市民の学友とスクラムを組み、「強き生命力」と「たくましき智慧」の翼を鍛え広げてほしいと望んだ。
桜、レンギョウ、ツツジなどの美しい花々が競演する武蔵野のキャンパスに、今年も喜びに満ちた新入生の足音が響く。
新たな出発の希望と歓喜にあふれる中、この4月2日、創価大学は栄光の創立50周年を迎えた。
式典が始まる前、新入生たちが、構内に立つ一対のブロンズ像を見つめていた。その台座には「英知を磨くは何のため 君よそれを忘るるな」「労苦と使命の中にのみ 人生の価値は生まれる」との池田先生の指針が刻まれている。
1971年4月2日、1期生たちは、このブロンズ像の除幕に臨み、大学建設の先駆者としての誓いを新たにした。以来、半世紀——。同じ場所に立ち、瞳を輝かせる若人たち。
ある新入生が語っていた。「池田先生と代々の先輩方が心血を注ぎ、築いてくださった50年。その偉大な歴史の上に、新たな一歩を刻めることへの感謝を忘れず、時代を開く一人になりたい」
式典で紹介されたメッセージで、池田先生は語り掛けた。「わが創価教育の魂は、『従藍而青』であります」
半世紀にわたる創大の興隆も、まさに藍を何度も重ねて鮮やかな青に染め上げるように、一年一年、創大生が自らの舞台で積み上げてきた勝利の結実にほかならない。
近年の創大の発展は目覚ましい。世界市民教育に高い評価が寄せられるとともに、朝日新聞「EduA」が発表した「就職偏差値が上がった大学」ランキング(3月)の「主要企業の就職者が100人以上200人未満」のグループで、堂々の1位に。第33回社会福祉士国家試験(同月15日発表)では文学部の11人(既卒者1人含む)、第110回看護師国家試験(同月26日発表)では看護学部の79人が合格するなど、多くの民衆奉仕のリーダーを輩出している。
女子短大も、多文化共生の現代に不可欠なビジネススキルや語学力を培う環境が整う。各種資格試験へのサポート体制も充実し、「ビジネス文書技能検定」1級の個人表彰で、最優秀賞に当たる「文部科学大臣賞」を受賞した学生も誕生した。
◇2030年へ希望の出発
人類が試練と挑戦の時を迎えている今、新しき発想で、果敢な行動で、新たな「従藍而青」の未来を開きゆく友の使命は深い。
さあ、ここから、私から"若き創立者"として新たな歴史を——式典のフィナーレには、そんな若人たちの心意気が表れていた。
暗転した講堂内に、無数の光が浮かび上がる。「創大学生歌」の音楽に合わせて、一人一人がスマートフォンやライトを高く掲げて左右に振っていた。
いかなる暗闇でも、小さな一つの光から希望は生まれる。そこから未来が開ける。混迷の社会を照らす光に!——2030年へ、創大・短大生の新たな歩みが始まった。
2021年度生(創大51期生・短大37期生)の入学式典では、田代創大理事長が創立者のメッセージを紹介。池田先生と学生の共戦の歩みを収めた映像を視聴した後、新入生、在学生を代表して、�橋知里さん、ヤップ・チェンチンさん、池田久美子さん、水野李穂さん、中山七夕子さんが清新な決意を述べた。
馬場創大学長が、自らの可能性を信じ、不屈の努力を重ね続ける一人一人にと望んだ。
創大最高顧問の原田会長は、池田先生が創大の発展を願い、平和闘争の合間を縫って英オックスフォード大学などの名門学府を視察した歴史に言及。命を削って大学を建設してきた先生の心を継ぎ、次の50年を開く人材に成長をと呼び掛けた。
今年度は学部生1593人、通信教育部生542人、別科生および交換留学生64人、大学院博士前期課程および修士課程98人、博士後期課程13人、法科大学院生16人、教職大学院生6人、短大生144人が入学した。