医療・販売・物流はじめ
命と生活を守り続ける
尊き聖業に心から深謝!
携わる全ての方々の
健康・無事故を祈ります。
最蓮房御返事 P1343
『我等が居住して一乗を修行せんの処は何れの処にても候へ常寂光の都為るべし、我等が弟子檀那とならん人は一歩を行かずして天竺の霊山を見本有の寂光土へ昼夜に往復し給ふ』
【通解】
私たちが住んで、法華経を修行する所は、どんな所であれ、常寂光の都となるであろう。私たちの弟子檀那となる人は、一歩も歩むことなくして、天竺の霊鷲山を見、本有の寂光土へ昼夜に往復されるのである。
名字の言 「青」は精神を象徴する色 2021年4月30日
茨城の友から、青い花園の写真が届いた。直径3センチほどの花を咲かせた「ネモフィラ」が群生している▼国営ひたち海浜公園の丘一面に敷き詰められた約530万本が見頃を迎えたという。花言葉は「どこでも成功」。日当たりと水はけがよい場所なら、どこでも根付くことに由来するらしい。写真を見て納得した。何より空・海・花の青が見事に溶け合って美しい。世界の果てまで「青」が続いていくような気持ちになった▼ドイツの詩人ノヴァーリスが書いた『青い花』という未完小説がある。「大いなるもの」「無限なるもの」への憧れとして描かれた青い花を、主人公の青年が探し求め、成長していく物語だ。青は精神を象徴する色といわれる。心の広さや深さを、大空や大海に例えることも無関係ではあるまい▼池田先生は「青」という色に込められた精神を論じつつ、こうつづった。「精神の力とは、理想に向かって『断じて、あきらめない』力だ」「その限りないエネルギーは、万人の胸の奥に、ひろびろと広がっている」▼ネモフィラには、ほかに「清々しい心」との花言葉もある。どんな状況にあっても朗らかに、"理想"という花をわが胸に咲かせ続ける人こそ、永遠の「青春」を生きる人である。
寸鉄 2021年4月30日
「仏をば能忍と」御書。今こそ、試練に打ち勝つ不屈の底力と智慧を発揮
広布の先駆けをしようではないか—恩師。青年よ自身の"心の壁"破り進め
図書館記念日。活字文化は豊かな精神を育む光源「GW」は親子で繙く好機
豪雨招く「線状降水帯」の情報を気象庁が発表へ。災害の備え、常に意識し
食品ロスが推計開始以来最少と。無駄減らす工夫更に。「食は命」の哲理で
〈社説〉2021・4・30 5月3日、創価女子会館の開館15周年
◇女性の活躍は「心大歓喜」の源泉
「心大歓喜」とは法華経に繰り返し登場する言葉で、心の底からの大歓喜、との意である。
印象深いのは提婆達多品第12の一場面——ここでは若き竜女が師・釈尊に民衆救済を誓う。そして「我が成仏を観よ」と高らかに宣言し、舎利弗をはじめ疑念を抱く二乗の弟子らの前で、即身成仏の実証を現した。その姿に娑婆世界の衆生は「心大歓喜」し、無量の衆生もまた、彼女が説く法の恩恵に浴したことが示されている。
翻って今、創価の華・女子部が活躍する姿こそ、広宣流布の世界の「心大歓喜」の源泉にほかならない。かつて池田先生は、学会本部に長年置かれていたこの四字を記した「書」を、同部の発展を願って、創価女子会館(東京・信濃町)が誕生した記念に贈った。
同会館の開館は2006年5月3日。"創価の元日"ともいうべき日に、華陽姉妹の歓喜の笑顔と拍手に包まれてオープンした。
以来、15星霜。池田華陽会の結成や「池田華陽会御書30編」の決定、ロマン総会の開催——女子部は新たな誉れの伝統を築き、「女子は門をひらく」(御書1566ページ)の御文のままに、桜梅桃李の人華のスクラムを十重二十重に広げてきた。
09年6月4日には、池田先生ご夫妻が同会館を初訪問。その後も、幾度も足を運び、師弟の"誓春の道"を歩む全国・全世界の同志に励ましを送り続けた。
そして本年、先生ご夫妻のもとで、女子部・婦人部の結成70年の偉大なる歴史を昇華して、「女性部」が新生のスタートを切る。女性の社会進出、ライフスタイルや価値観の多様化という時代の変化を踏まえつつ、"婦女一体"の流れを一層強くし、より幅広い人材を糾合し、永遠に広布の「未来の門」を開くためである。
この報を受け、各地の華陽の友からも、喜びと決意の声が続々と寄せられている。「学会の永遠性を確立しゆく重大な歴史の転換点に居合わせた、使命の大きさを感じずにはいられません」「新しき時代を担う使命と誇りに燃えて、弾む生命で対話拡大に挑みます」
先の竜女一人の成仏は「挙一例諸」(一を挙げて諸に例す)——すなわち一切の女性、ひいては全人類を永遠の幸福境涯へと導く道を示している。「一人の女性」の勝利の姿が、周囲に希望を送り、社会をも変革する光となる。古今に変わらぬ方程式である。
☆ストーリーズ 師弟が紡ぐ広布史 第7回 神奈川にそびえる正義の大城 陽は昇る編
◇広布の「誓火」神奈川に燃える
聖教新聞が創刊されたのは、1951年(昭和26年)4月20日。創刊号の2面に「聖火鶴見に炎上」との見出しが躍り、弘教に先駆する鶴見支部の活躍が紹介された。
同年5月3日、戸田城聖先生が第2代会長に就任。鶴見支部の友は、この佳節を広布拡大で荘厳しようと奔走した。
当時、池田大作先生は何度も鶴見方面に足を運び、友と対話に駆けた。鶴見支部の婦人部員は、こう回想している。
「昭和二十五、六年の鶴見支部は、"新来者を池田青年に会わせる"という戦いによって、鎌倉、逗子、藤沢、横須賀にと、どんどん新入会者が増えていったのです」
鶴見に燃えた「聖火」の陰には、池田先生の激闘があった。
鶴見支部の歴史をはじめ、神奈川には、池田先生との共戦譜が幾つも刻まれている。なかでも、永遠の輝きを放つのが、第3代会長辞任後の"戦い"。それは、3点に集約できる。
1点目は、真実の同志との絆を強く、深く結び直すこと。
宗門僧らが池田先生に、"会合で指導してはならない""聖教新聞に出てはいけない"と制約をつけた79年(同54年)、先生は草創の友の訪問・激励に力を注いだ。一人への励ましから、師弟直結の新たな学会の建設を開始したのである。
同年4月20日、先生は横浜市旭区の会員宅へ。6月2日に鶴見区、9日に港北区の同志宅を訪れた。
22日には南区に足を運んだ。75歳の家主の壮年に、「20年も30年も、生きて、生きて、生き抜いてください。祈ってますから」と励まし、「私が名誉会長になろうと、師弟の絆は永遠に変わりません」と力を込めた。
7月2日、金沢区の友の家を訪問。友は草創期の文京支部・保土ケ谷地区で折伏に励んだ。
入会に導いた一人に、吃音に苦しむ青年がいた。ある時、"自分に自信を持ってほしい"と会合の司会役を頼んだ。青年は思い切って挑戦したが、言葉がつかえてしまう。会場から笑い声が聞こえると、友は叫んだ。
「なんで笑うんだ。彼が必死に宿命転換に挑んでいるのに、あまりにもひどいじゃないか」
青年は、友を「おやじ」と呼び、心から慕った。吃音を乗り越え、学会のリーダーに成長した。この青年をはじめ、友のもとからは多くの人材が育った。
友が妻と実らせた弘教は約250世帯。91歳の生涯を閉じるまで、師弟一筋に生きた。
9月29日、先生は南区の功労者宅へ。「昔、戦ったからいいのではない。今、戦わなければだめなんだよ」——広布拡大に挑み続ける心こそ、日蓮仏法の魂であると訴えた。
2点目は、自らの手で後継の青年を育成すること。
1980年(昭和55年)1月14日、四国4県の友が客船「さんふらわあ7」号で、神奈川文化会館に駆け付けた。池田先生は、遠来の友を励まし、船が見えなくなるまで見送った。
その後のこと。先生は「あすは『成人の日』だから青年に会いたいね」と。
翌15日、新成人の代表11人が神奈川文化会館に集った。先生は一人一人の状況を聞くと、その場で「大桜」「百福」などと認めた。懇談の後、皆で山下公園を散策し、記念のカメラに納まった。夕刻には、質問会を兼ねて食事も共にした。
女子メンバーから「使命とは何なのでしょうか」と質問が出た。先生は答えた。
「題目を唱え、御書を拝し、何があっても強く生きていきなさい。青春とは悩むもの。その中で、太陽を見いだそうと挑戦していけば、必ず使命の道が見えてきます」
「男の力とは」との男子メンバーの問いには、こう語った。
「どの分野でもいい。あの人にはかなわないという存在になりなさい」
先生は「お互い競い合うように、会うたびに成長していこう」と呼び掛けた。この師の励ましの心は、女子部の人材育成グループ「神奈川成人会」に受け継がれている。今年3月に41期生が結成され、希望の前進を開始した。
宗門の師弟分断の謀略が渦巻く中、先生は次代を担う青年たちを手塩にかけて育んだ。ある時には、「同じ人生ならば、私と一緒に、世界広布の大ロマンに生きようじゃないか」とも語っている。
神奈川は師が手作りで築き上げた「正義の青年城」である。
3点目は、近隣を大切にすること。
神奈川文化会館の誕生後、先生は「地域にしっかりと根を張っていこう」と、自ら近隣の店や中華街へ足を運び、あいさつに回った。
80年1月、先生は会館から徒歩10分ほどのフランス料理店「かをり」に向かった。
板倉敬子さん(現社長)の案内でエレベーターへ。緊張していた板倉さんに、先生は「若いおかみさんですね」と気さくに声を掛けた。たった一言だったが、板倉さんは、包み込むような温かさに魅了された。
先生の飾らない振る舞いに、どの従業員も先生の"ファン"になった。店を後にする先生に、コックは窓から顔を出し手を振った。先生は何度も振り返り、大きく手を振り返した。
この出会い以来、板倉さんは先生の書籍を読み始める。2000年(平成12年)、先生の写真集に感銘を受け、板倉さんは洋菓子のレーズンサンドを添えて手紙を届けた。後日、先生は感謝の言葉とともに、句を贈った。
「何という 天味 かをりの 女王かな」
誠実には、それ以上の誠実で応える。先生が紡いだ真心の糸は、色鮮やかな友情の織物を作り上げた。
1979年(昭和54年)5月27日、香峯子夫人が先生の名代として、神奈川区内の片倉第1大ブロック(当時)の婦人部総会に出席した。
会場に到着すると、夫人は「池田でございます。きょうは、よろしくお願いいたします」と丁重にあいさつした。
総会には、約50人の友が集っていた。質問会が行われると、次々と手が挙がった。
「先生は、お元気ですか? 新聞に先生のことを載せてください」と懇願する声に、夫人は笑みを浮かべ、「はい、元気ですよ。伝えておきます」と。
父親が脳梗塞で倒れた婦人がいた。香峯子夫人は、そのことを聞くと、「ご心配でしょうけど、どうか負けないで頑張ってください」と励ましを。
香峯子夫人の慈愛に、婦人は"必ず幸せになろう"と誓う。その後、父は社会復帰するまでに回復。総会から4年後には、未入会の夫が信心を始め、一家和楽をかなえた。
自宅に御本尊を安置できなかった友もいた。信心反対の夫に、「御本尊をいただきたい」との一言を発する勇気が出ないままでいた。
だが、この総会が転機となった。ほほ笑みを絶やさない香峯子夫人の姿に、目の前がパッと開けたように感じた。
夫と笑顔で接した。御本尊を迎えることができたのは、2年後のこと。夫婦そろって初めて題目を三唱した日、友の目は歓喜と感謝の涙であふれた。
総会では参加者全員に、「先生からのお土産」として、袱紗とメモ帳が贈られた。メモ帳には、「我並びに我が弟子」(御書234ページ)から「約束せし事を・まことの時はわするるなるべし」(同)までの、開目抄の有名な一節が記されていた。
香峯子夫人の励ましは、この日だけではなかった。後日、総会の中心者に手紙を届けたのである。
「人は様々であり、悩まれる時もあると思います。でも、そのような時こそ、自身の力のつく時と心に決めて、益々、広布の人材に成長なされますことを祈っております」
5月27日は今、「神奈川婦人部の日」として、友が師弟共戦を誓う原点となっている。
2017年(平成29年)9月21日、先生は神奈川文化会館を訪れた。
館内には、神奈川の歌「ああ陽は昇る」の歌詞が掲げてあった。それを見ながら、先生は香峯子夫人と歌を口ずさんだ。
♪この世悔いなく 暁鐘を
広布の友は 雲と涌く
このリズムをば 誰人も
讃え仰がん 限りなく
ああ陽は昇る
我等の同志にも
歌が誕生した1978年(昭和53年)8月、先生は歌詞に込めた思いを語った。
「『ああ陽は昇る』——ここに私は、万感の思いを込めました。神奈川の皆さんは、常に、何があろうが、わが胸に生命の太陽を輝かせ続けていただきたい」
「日蓮仏法は太陽の法門です。ゆえに、私たちも太陽の存在であらねばならない」
本紙創刊号の「聖火鶴見に炎上」との報道から70星霜。
きょうも新生の太陽が昇る。神奈川の友の心に、広布の「誓火」が赤く、熱く燃えている。
2021年4月30日金曜日
2021年4月29日木曜日
2021.04.29 わが友に贈る
心を動かすものは心だ。
「あの人を笑顔に!」
「この友に希望を!」と
祈りを込めて関わろう。
幸の花が咲き開くまで!
御義口伝巻上 P740
『我等が生老病死に南無妙法蓮華経と唱え奉るは併ら四徳の香を吹くなり』
【通解】
我らが生老病死に南無妙法蓮華経と唱え奉るのは、そのまま常楽我浄の四徳の香を吹くのである。
名字の言 創価大学の広報誌に掲載された対談 2021年4月29日
創価大学の広報誌「SUN」4月号に、アテネ五輪・女子マラソン金メダリストの野口みずきさんと創大駅伝部の榎木和貴監督の対談が掲載されていた。創大のホームページからも閲覧できる▼野口さんには、選手として転機になった出来事がある。実業団を退社し、4カ月もの間、無所属状態になった時のこと。受けていたサポートがなくなり、仲間と共に全てを自分たちでやるようになった▼それまでは「どこか他人任せな感じで練習に取り組んでいた」という野口さん。サポートのありがたさを再認識したことで、社会人としての自覚が生まれ、結果を出そうという気持ちが強くなった。この意識の変化から"考えて走る力"が養われ、自己ベストを次々と更新。大きな飛躍につながった▼環境が整っているからといって、成長できるとは限らない。それを生かせるかどうかは自分次第だ。良かろうが、悪かろうが、置かれた環境の「意味」を見いだし、目の前の課題を一つ一つ乗り越えていく。その積み重ねが、やがて確かな実りをもたらす▼先の対談で二人は"苦しい状況だからこそ見つけられる、成長への気付きがある"と語っていた。人はどんな試練も人生の財産にできる。全ては自分の心で決まる。
寸鉄 2021年4月29日
「日蓮が一門となりとをし給うべし」御書。地涌の誉れ胸に誓願の人生を
東京・大田の日。師弟源流の地に栄光の共戦譜を。智慧と勇気で凱歌を必ず
黄金週間。生活の乱れは色心に悪影響。賢き睡眠・食事・運動で健康を増進
通販の「お試し」が高額な定期購入に—被害相談5年で14倍。確認を徹底
新幹線の車いす席が3倍に。公明が推進。当事者の視点忘れず実現力で光れ
☆ストーリーズ 師弟が紡ぐ広布史 第6回 神奈川にそびえる正義の大城 雌伏の時編
◇絶対に信頼できる誉れの宝友
横浜港に面する山下公園が開園したのは、1930年3月15日。創価学会が創立された年と同じである。
公園の基礎になっているのは、関東大震災で生じた膨大ながれきだ。山下公園は荒廃から立ち上がる復興の象徴だった。
79年4月、この山下公園のすぐそばに、創価の正義の大城・神奈川文化会館が完成した。
同年1月1日、池田大作先生は神奈川の友にメッセージを贈り、友が「神奈川の御書」と定め、心に刻んでいた開目抄の一節を拝した。
「我並びに我が弟子・諸難ありとも疑う心なくば自然に仏界にいたるべし、天の加護なき事を疑はざれ現世の安穏ならざる事をなげかざれ、我が弟子に朝夕教えしかども・疑いを・をこして皆すてけんつたなき者のならひは約束せし事を・まことの時はわするるなるべし」(御書234ページ)
当時、宗門の僧らが全国で常軌を逸した学会批判を繰り返していた。先生は「この御聖訓を胸に、我が決めた信仰の道を堂々と進んでいって下さい」と訴え、「本年は、神奈川に文化会館が建ちますし、たびたびお邪魔するようになるかと思います」と、会館の誕生を心待ちにした。
先生が神奈川文化会館を初訪問したのは、79年4月13日。会館に到着してしばらくすると、先生は管理者室へ向かった。
脚光や喝采がなくとも、"ただ広布のために"との心で献身する——先生は、その人をサーチライトで照らすように探し、励ましを送ってきた。神奈川文化会館での激励行も、陰で広布に尽くす人から開始された。
翌14日、開館記念の勤行会が昼と夜の2回行われた。その両方に先生は出席。自ら司会を務める一幕があり、勤行会はさながら"大座談会"となった。
先生から一言を促された参加者が、次々とマイクの前に立った。「いま73歳です。生涯、広布の道を歩みます」と決意を述べる友。「長女が無事に結婚できてうれしい」と思わぬ近況報告をする婦人も。会場が笑いと祝福の拍手に包まれる。
草創の鶴見支部で活動に励んだ婦人は、感激のあまり、あふれる涙を抑えきれなかった。先生は「苦労したんだね」と優しく寄り添う。
場内には、牧口先生の「一人立つ精神」の書が掲げてあった。
「いかなる時でも、私たちが立ち返るべき原点は、初代会長の牧口先生が言われた"一人立つ精神"であり、広宣流布の大精神であります」
先生は神奈川の友に、"嵐"に揺るがぬ信心を貫くことを訴えた。
1979年4月24日、池田先生の会長辞任が発表された。突然の報に、怒りや悲しみの心情を、師への手紙に託す友が全国各地にいた。
先生は神奈川の婦人から届いた手紙に返事を書いた。辞任から5日後のことである。
「今回の辞任については、何卒、強盛なる信心で受けとめて下さい。そして、いやまして、信心の炎を燃やして、日本第一の御一家を築きあげて下さることを、私は、祈り待っております」
文面には、一人の女性を生涯、見守り、励まし続けようという真心があふれていた。
学会の草創期、夫は池田先生のもとで広布に駆けた。だが、胃がんで早くに亡くなる。婦人は"2人の子どもを立派に育てる"と涙を流して誓った。洋裁教室を開き、信心根本に家族一丸となって経済苦を乗り越えてきた。
先生は手紙をこう結んだ。
「これからも、いかなる時代の変遷があったとしても、厳とした、無上道の信心を透徹させて、迷いなき悠々たる、人生を送って下さい。亡き御主人には、毎日、追善の題目をおくっております。私は、いたって悠々と元気です。ともあれ、少しずつでも、必ず御書の拝読をされます様に」
師からの手紙は、婦人の「宝」となった。何度も何度も読み返して、誓いの道を歩み続けた。
手紙を受け取った20年後の99年、婦人は74歳の生涯を閉じる。御書を手に、地域で対話の花を咲かせ、皆から親しまれた。長男、長女も報恩の人生を歩んでいる。
79年5月3日、先生は創価大学での本部総会を終えると、神奈川文化会館へ向かった。
この日の読売新聞朝刊には、"最も尊敬する日本人"の意識調査が掲載されていた。第6位に、池田先生の名前が挙がっていた。現存する民間人では、第1位であった。
夜、神奈川文化会館に到着すると、先生は出迎えた友に、「私は元気だ。大丈夫だよ。創価学会は何も変わらない。安心しなさい」と。
師は何も変わっていない。師子王のごとく威風も堂々。友の目に決意が光った。
その後、先生は2枚の書をしたためた。「共戦」「誓」。「共戦」の脇書には次のように記されていた。
「五十四年 五月三日夜 生涯にわたり われ広布を 不動の心にて 決意あり 真実の同志あるを 信じつつ 合掌」
2日後の5日には、一気呵成に「正義」と筆を走らせ、脇書に「われ一人正義の旗持つ也」と書き上げた。
79年5月3日から6日までの4日間、山下公園や会館の周辺には、"一目でも先生にお会いしたい"と、何人もの同志が集ってきた。
先生は「県下から神奈川文化会館に集い来たってくれた、あの友も、山下公園から会館に向かって手を振ってくれた、この友も、私と妻の胸奥から永遠に離れることはありません」と。
出版コーナー(当時)では、アルバイトをしていた鎌倉の学生部員に、「初代、二代、三代の会長の魂を見失ってはいけないよ」と強調した。
「正義」の書をしたためた5月5日、会館へ来た5人家族に声を掛けた。母親に「御書を勉強してね」「どんな宿命にも負けないで頑張ってください」と励まし、父親、3人の娘と握手を交わした。
その日の夜、先生は館内にいた友と勤行・唱題。「嵐の時代こそ、若い力を信じていくしかない」と語り、青年たちに「一緒に戦おう」と呼び掛けた。
神奈川文化会館を出発する5月6日、先生は見送る友に「創価学会インターナショナル 会長 池田大作」の名刺を。到着した3日には、「記念に皆さんに」と言って、会館に居合わせた同志に「創価学会 会長 池田大作」の名刺を贈っていた。
世界広布の新たな船出は、神奈川から開始された。
5月31日、神奈川文化会館を見学に訪れた女子部員は、役員から「今すぐロビーに」と声を掛けられた。急いで向かうと、先生が青年たちと懇談していた。先生は「皆で一緒に勤行しよう」と。
女子部員は幼い頃、ポリオを患い、足が不自由になった。小学生の時、いじめに遭った。
勤行が終わると、先生は彼女に「君は本当に幸せな顔をしているね」と語り掛けた。さらに、「君の足は確かに不自由だけど、今が一番幸せだね」と。「今が一番幸せだね」を、先生は3回繰り返した。
師の言葉の真意を分かろうと、女子部員は地道に活動に励んだ。その挑戦の中で、「自分の励ましを必要としてくれる人がいる」という事実に気付いた。
過去に縛られるのでも、ましてや宿命の悲哀に泣くのでもない。今この瞬間を大切に、未来に向かって生きていく。婦人部に進出後も、師との出会いを胸に、車いすを走らせ、相模原の地で不屈の挑戦を重ね続けた。
神奈川文化会館が誕生した79年だけでも、じつに64日間にわたり、先生は同会館で広布の指揮を執った。草創の友の功労をたたえ、後継の青年の勇気を鼓舞した。「雌伏」から「雄飛」への時を創った。
「私は、いずこにもまして深き絆で結ばれた神奈川の同志と苦楽を分かち合ってきました。絶対に信頼できる誉れの宝友たちです」
これが、神奈川の友への一貫して変わらぬ師の心である。
【アナザーストーリー】
◇「神奈川よ、立ち上がれ」
1997年9月15日、神奈川・海外代表者協議会が神奈川文化会館で開催された。
席上、先生は万感の思いを語った。
「きょう私が申し上げたいことは、ひとつ。それは『神奈川よ、叫べ』『神奈川よ、立ち上がれ』ということに尽きる。
神奈川は、日蓮大聖人が広宣流布の大闘争をされた天地である。私が会長を勇退した後、その足で、ただちに神奈川を訪れたのも、その意義を噛みしめたかったのである。その心を知っていただきたい」
「立ち上がれ」との師子吼から20年の節目を迎えた2017年9月、神奈川は現在の10総県の布陣に発展した。
�東横浜総県(鶴見総区、神奈川総区、港北総区、緑区、都筑区、青葉区)
�南横浜総県(中区、南総区、港南総区、磯子総区、金沢総区、栄区)
�西横浜総県(保土ケ谷総区、旭総区、西区、戸塚総区、横浜栄光区、泉区)
�川崎総県(川崎総区、幸総区、中原総区、高津総区、宮前総区、多摩総区、麻生勇勝区)
�横須賀総県(横須賀平和県、横須賀正義県)
�湘南総県(藤沢県、茅ケ崎県、鎌倉県)
�相模原総県(相模緑総区、相模中央総区、相模南総区)
�大和総県(大和県、王者県)
�神奈川凱旋総県(平塚県、小田原県)
�神奈川太陽総県(厚木県、秦野旭日県)
2030年の栄光の峰を目指して、10総県の団結も固く、神奈川の友は今再び、師弟共戦の誓願に立ち上がる。
「あの人を笑顔に!」
「この友に希望を!」と
祈りを込めて関わろう。
幸の花が咲き開くまで!
御義口伝巻上 P740
『我等が生老病死に南無妙法蓮華経と唱え奉るは併ら四徳の香を吹くなり』
【通解】
我らが生老病死に南無妙法蓮華経と唱え奉るのは、そのまま常楽我浄の四徳の香を吹くのである。
名字の言 創価大学の広報誌に掲載された対談 2021年4月29日
創価大学の広報誌「SUN」4月号に、アテネ五輪・女子マラソン金メダリストの野口みずきさんと創大駅伝部の榎木和貴監督の対談が掲載されていた。創大のホームページからも閲覧できる▼野口さんには、選手として転機になった出来事がある。実業団を退社し、4カ月もの間、無所属状態になった時のこと。受けていたサポートがなくなり、仲間と共に全てを自分たちでやるようになった▼それまでは「どこか他人任せな感じで練習に取り組んでいた」という野口さん。サポートのありがたさを再認識したことで、社会人としての自覚が生まれ、結果を出そうという気持ちが強くなった。この意識の変化から"考えて走る力"が養われ、自己ベストを次々と更新。大きな飛躍につながった▼環境が整っているからといって、成長できるとは限らない。それを生かせるかどうかは自分次第だ。良かろうが、悪かろうが、置かれた環境の「意味」を見いだし、目の前の課題を一つ一つ乗り越えていく。その積み重ねが、やがて確かな実りをもたらす▼先の対談で二人は"苦しい状況だからこそ見つけられる、成長への気付きがある"と語っていた。人はどんな試練も人生の財産にできる。全ては自分の心で決まる。
寸鉄 2021年4月29日
「日蓮が一門となりとをし給うべし」御書。地涌の誉れ胸に誓願の人生を
東京・大田の日。師弟源流の地に栄光の共戦譜を。智慧と勇気で凱歌を必ず
黄金週間。生活の乱れは色心に悪影響。賢き睡眠・食事・運動で健康を増進
通販の「お試し」が高額な定期購入に—被害相談5年で14倍。確認を徹底
新幹線の車いす席が3倍に。公明が推進。当事者の視点忘れず実現力で光れ
☆ストーリーズ 師弟が紡ぐ広布史 第6回 神奈川にそびえる正義の大城 雌伏の時編
◇絶対に信頼できる誉れの宝友
横浜港に面する山下公園が開園したのは、1930年3月15日。創価学会が創立された年と同じである。
公園の基礎になっているのは、関東大震災で生じた膨大ながれきだ。山下公園は荒廃から立ち上がる復興の象徴だった。
79年4月、この山下公園のすぐそばに、創価の正義の大城・神奈川文化会館が完成した。
同年1月1日、池田大作先生は神奈川の友にメッセージを贈り、友が「神奈川の御書」と定め、心に刻んでいた開目抄の一節を拝した。
「我並びに我が弟子・諸難ありとも疑う心なくば自然に仏界にいたるべし、天の加護なき事を疑はざれ現世の安穏ならざる事をなげかざれ、我が弟子に朝夕教えしかども・疑いを・をこして皆すてけんつたなき者のならひは約束せし事を・まことの時はわするるなるべし」(御書234ページ)
当時、宗門の僧らが全国で常軌を逸した学会批判を繰り返していた。先生は「この御聖訓を胸に、我が決めた信仰の道を堂々と進んでいって下さい」と訴え、「本年は、神奈川に文化会館が建ちますし、たびたびお邪魔するようになるかと思います」と、会館の誕生を心待ちにした。
先生が神奈川文化会館を初訪問したのは、79年4月13日。会館に到着してしばらくすると、先生は管理者室へ向かった。
脚光や喝采がなくとも、"ただ広布のために"との心で献身する——先生は、その人をサーチライトで照らすように探し、励ましを送ってきた。神奈川文化会館での激励行も、陰で広布に尽くす人から開始された。
翌14日、開館記念の勤行会が昼と夜の2回行われた。その両方に先生は出席。自ら司会を務める一幕があり、勤行会はさながら"大座談会"となった。
先生から一言を促された参加者が、次々とマイクの前に立った。「いま73歳です。生涯、広布の道を歩みます」と決意を述べる友。「長女が無事に結婚できてうれしい」と思わぬ近況報告をする婦人も。会場が笑いと祝福の拍手に包まれる。
草創の鶴見支部で活動に励んだ婦人は、感激のあまり、あふれる涙を抑えきれなかった。先生は「苦労したんだね」と優しく寄り添う。
場内には、牧口先生の「一人立つ精神」の書が掲げてあった。
「いかなる時でも、私たちが立ち返るべき原点は、初代会長の牧口先生が言われた"一人立つ精神"であり、広宣流布の大精神であります」
先生は神奈川の友に、"嵐"に揺るがぬ信心を貫くことを訴えた。
1979年4月24日、池田先生の会長辞任が発表された。突然の報に、怒りや悲しみの心情を、師への手紙に託す友が全国各地にいた。
先生は神奈川の婦人から届いた手紙に返事を書いた。辞任から5日後のことである。
「今回の辞任については、何卒、強盛なる信心で受けとめて下さい。そして、いやまして、信心の炎を燃やして、日本第一の御一家を築きあげて下さることを、私は、祈り待っております」
文面には、一人の女性を生涯、見守り、励まし続けようという真心があふれていた。
学会の草創期、夫は池田先生のもとで広布に駆けた。だが、胃がんで早くに亡くなる。婦人は"2人の子どもを立派に育てる"と涙を流して誓った。洋裁教室を開き、信心根本に家族一丸となって経済苦を乗り越えてきた。
先生は手紙をこう結んだ。
「これからも、いかなる時代の変遷があったとしても、厳とした、無上道の信心を透徹させて、迷いなき悠々たる、人生を送って下さい。亡き御主人には、毎日、追善の題目をおくっております。私は、いたって悠々と元気です。ともあれ、少しずつでも、必ず御書の拝読をされます様に」
師からの手紙は、婦人の「宝」となった。何度も何度も読み返して、誓いの道を歩み続けた。
手紙を受け取った20年後の99年、婦人は74歳の生涯を閉じる。御書を手に、地域で対話の花を咲かせ、皆から親しまれた。長男、長女も報恩の人生を歩んでいる。
79年5月3日、先生は創価大学での本部総会を終えると、神奈川文化会館へ向かった。
この日の読売新聞朝刊には、"最も尊敬する日本人"の意識調査が掲載されていた。第6位に、池田先生の名前が挙がっていた。現存する民間人では、第1位であった。
夜、神奈川文化会館に到着すると、先生は出迎えた友に、「私は元気だ。大丈夫だよ。創価学会は何も変わらない。安心しなさい」と。
師は何も変わっていない。師子王のごとく威風も堂々。友の目に決意が光った。
その後、先生は2枚の書をしたためた。「共戦」「誓」。「共戦」の脇書には次のように記されていた。
「五十四年 五月三日夜 生涯にわたり われ広布を 不動の心にて 決意あり 真実の同志あるを 信じつつ 合掌」
2日後の5日には、一気呵成に「正義」と筆を走らせ、脇書に「われ一人正義の旗持つ也」と書き上げた。
79年5月3日から6日までの4日間、山下公園や会館の周辺には、"一目でも先生にお会いしたい"と、何人もの同志が集ってきた。
先生は「県下から神奈川文化会館に集い来たってくれた、あの友も、山下公園から会館に向かって手を振ってくれた、この友も、私と妻の胸奥から永遠に離れることはありません」と。
出版コーナー(当時)では、アルバイトをしていた鎌倉の学生部員に、「初代、二代、三代の会長の魂を見失ってはいけないよ」と強調した。
「正義」の書をしたためた5月5日、会館へ来た5人家族に声を掛けた。母親に「御書を勉強してね」「どんな宿命にも負けないで頑張ってください」と励まし、父親、3人の娘と握手を交わした。
その日の夜、先生は館内にいた友と勤行・唱題。「嵐の時代こそ、若い力を信じていくしかない」と語り、青年たちに「一緒に戦おう」と呼び掛けた。
神奈川文化会館を出発する5月6日、先生は見送る友に「創価学会インターナショナル 会長 池田大作」の名刺を。到着した3日には、「記念に皆さんに」と言って、会館に居合わせた同志に「創価学会 会長 池田大作」の名刺を贈っていた。
世界広布の新たな船出は、神奈川から開始された。
5月31日、神奈川文化会館を見学に訪れた女子部員は、役員から「今すぐロビーに」と声を掛けられた。急いで向かうと、先生が青年たちと懇談していた。先生は「皆で一緒に勤行しよう」と。
女子部員は幼い頃、ポリオを患い、足が不自由になった。小学生の時、いじめに遭った。
勤行が終わると、先生は彼女に「君は本当に幸せな顔をしているね」と語り掛けた。さらに、「君の足は確かに不自由だけど、今が一番幸せだね」と。「今が一番幸せだね」を、先生は3回繰り返した。
師の言葉の真意を分かろうと、女子部員は地道に活動に励んだ。その挑戦の中で、「自分の励ましを必要としてくれる人がいる」という事実に気付いた。
過去に縛られるのでも、ましてや宿命の悲哀に泣くのでもない。今この瞬間を大切に、未来に向かって生きていく。婦人部に進出後も、師との出会いを胸に、車いすを走らせ、相模原の地で不屈の挑戦を重ね続けた。
神奈川文化会館が誕生した79年だけでも、じつに64日間にわたり、先生は同会館で広布の指揮を執った。草創の友の功労をたたえ、後継の青年の勇気を鼓舞した。「雌伏」から「雄飛」への時を創った。
「私は、いずこにもまして深き絆で結ばれた神奈川の同志と苦楽を分かち合ってきました。絶対に信頼できる誉れの宝友たちです」
これが、神奈川の友への一貫して変わらぬ師の心である。
【アナザーストーリー】
◇「神奈川よ、立ち上がれ」
1997年9月15日、神奈川・海外代表者協議会が神奈川文化会館で開催された。
席上、先生は万感の思いを語った。
「きょう私が申し上げたいことは、ひとつ。それは『神奈川よ、叫べ』『神奈川よ、立ち上がれ』ということに尽きる。
神奈川は、日蓮大聖人が広宣流布の大闘争をされた天地である。私が会長を勇退した後、その足で、ただちに神奈川を訪れたのも、その意義を噛みしめたかったのである。その心を知っていただきたい」
「立ち上がれ」との師子吼から20年の節目を迎えた2017年9月、神奈川は現在の10総県の布陣に発展した。
�東横浜総県(鶴見総区、神奈川総区、港北総区、緑区、都筑区、青葉区)
�南横浜総県(中区、南総区、港南総区、磯子総区、金沢総区、栄区)
�西横浜総県(保土ケ谷総区、旭総区、西区、戸塚総区、横浜栄光区、泉区)
�川崎総県(川崎総区、幸総区、中原総区、高津総区、宮前総区、多摩総区、麻生勇勝区)
�横須賀総県(横須賀平和県、横須賀正義県)
�湘南総県(藤沢県、茅ケ崎県、鎌倉県)
�相模原総県(相模緑総区、相模中央総区、相模南総区)
�大和総県(大和県、王者県)
�神奈川凱旋総県(平塚県、小田原県)
�神奈川太陽総県(厚木県、秦野旭日県)
2030年の栄光の峰を目指して、10総県の団結も固く、神奈川の友は今再び、師弟共戦の誓願に立ち上がる。
2021年4月28日水曜日
2021.04.28 わが友に贈る
「難来るを以て安楽と
意得可きなり」御聖訓。
広布に生き抜けば
勇気と功徳が湧く。
悩みが喜びに変わる。
三三蔵祈雨事 P1469
『此は日本国の智者愚者一人もしらぬ事なり、しらんとをもはば日蓮が生きてある時くはしくたづねならへ』
【通解】
このことは日本国の智者・愚者は一人も知らないことである。知ろうと思うならば、日蓮が生きている時に詳しく訪ね習いなさい。
名字の言 "方便"に込められた愛情 2021年4月28日
幼い頃、激しい雷雨が起こると、「雷さまにおへそを取られるよ」と、よく親に脅かされた。不安でおなかを押さえる手に力を込めた思い出がある▼後に、その真意は「急な雨による気温の低下でおなかを冷やさないため」「背中を丸め、体勢を低くすることで落雷を避けるため」と親に教わった。説の真偽はともあれ、「雷さまにおへそを……」の"方便"は、子を思う親心だろう▼ある婦人部員は、高等部員の息子に信心を継承させたいと願っていた。そんな折、同居する祖母が一計を案じ、視力が落ちたように装い、孫の彼に言った。「代わりに聖教新聞を読み聞かせておくれよ」。当初は渋ったものの、音読を家族が笑顔で聞くのがうれしくて彼の日課になった▼ある日、祖母に「この池田先生の指導は大事だね。書き写しておくれ」と頼まれた。「自然も、人生も、厳しき冬を越えてこそ、春は美しい。苦難に鍛えられてこそ、金剛不滅の土台は築かれる」——彼が大書きした先生の言葉は、長く仏間に貼られた▼次第に彼も信心に励みだした。後年、社会人となり、悩みに直面した際も、この先生の指導を糧に勝ち越えた。彼は今、祖母に感謝している。方便に込められた愛情の深さを知ったからである。
寸鉄 2021年4月28日
立宗の日。烈々たる民衆救済の魂、創価の師弟に。立正安国の大道を勇んで
北陸から勝利開く挑戦を今!誓願に生き抜く同志は強し。石川・富山の日
友を思う慈悲から具体的な智慧が生まれる—恩師今日も目前の一人のため
熱中症警戒アラート運用開始。発信基に水分・塩分補給を。予防で守れる命
世界の軍事費、前年比で2・6%増。感染下で進む分断。人類結ぶ使命強く
〈社説〉 2021・4・28 きょう「立宗の日」
◇大聖人の誓願の大闘争に続け
きょう4月28日は立宗の日。建長5年(1253年)のこの日、日蓮大聖人は末法の全民衆を救う「南無妙法蓮華経」の題目を師子吼され、妙法流布に一人立たれた。以来、命に及ぶ迫害の連続を勝ち越え、民衆仏法の基盤を厳然と確立された。大聖人の崇高な御精神は、創価学会によって継承され、地涌の菩薩の陣列は全世界へと広まった。今こそ私たちは、御本仏の誓願の大闘争に学びたい。
立宗宣言に始まる大聖人の御闘争は、特定の宗派の排撃や、単に一宗一派のためといった狭小な次元のものでは断じてない。「但偏に国の為法の為人の為にして身の為に之を申さず」(御書35ページ)と仰せの通り、その根底には常に民衆救済への大慈悲が脈打っていた。念仏をはじめとする他宗への舌鋒鋭い破折も、その本質は、民衆を蔑視する、生命軽視の思想との闘争であることを銘記したい。
さらに立宗の際の「退転せじと願じぬ」(同200ページ)との誓いを生涯にわたって貫かれた。中でも、生きては帰れないといわれた極寒の佐渡にあって、衣食にも事欠く中、大聖人の言論闘争の炎はいや増して燃え盛った。「開目抄」「観心本尊抄」等の重書だけでなく、門下への御消息文を次々と認められた。絶体絶命ともいえる状況下で全民衆の幸福の大道を開く闘争を展開されたのである。
今、コロナ禍という未曽有の試練が続き、広宣流布の活動においても、思うようにいかないことも多い。しかし、「よからんは不思議」(同1190ページ)である。これまでも広布の道程が平坦であったためしはない。障魔の嵐が吹き荒れる中、池田先生を先頭に道なき道を切り開いてきたのが、"難こそ誉れ"の創価の歴史である。
池田先生はつづっている。
「『誓願』は、誰かが行動することを期待して事態の変化を待ちわびるような願望でも、状況が厳しくなった時に吹き飛んでしまうような約束でもない。どんな困難や試練が押し寄せても、どれだけ歳月や労力がかかっても、必ず成し遂げていく——自分の全存在を賭けた"生きる証し"の異名ともいうべきものに他なりません」
いかに状況が変化しようとも、大聖人直結の"戦う魂"をいよいよ燃え上がらせ、今いる場所で、勇気の挑戦を貫きたい。その積み重ねが必ず社会を変える。誓いは果たしてこそ誓いである。
☆御書の旭光を 第22回 対話は「如来の使い」の実践
〈御文〉
『法師品には若是善男子善女人乃至則如来使と説かせ給いて僧も俗も尼も女も一句をも人にかたらん人は如来の使と見えたり』(椎地四郎殿御書、1448ページ)
〈通解〉
法華経法師品第10には「もしこの善男子・善女人は、(私<釈尊>が滅度した後、法華経の一句でも説くなら)この人はすなわち如来の使いである」と説かれており、僧も俗も尼も女も、法華経を一句でも人に語る人は如来の使いであるというのである。
〈池田先生が贈る指針〉
広宣流布のため、立正安国のための対話が、いかに尊いか。
祈りを重ね、勇気を出して発する言葉の一つ一つが「仏の声」である。声を惜しまず、労苦をいとわず、誠実に語ること自体が「如来の使い」の実践だ。功徳は大きい。
確信の一言は、幸の種となり仏縁を結ぶ。共に境涯を開き、より良き社会を築く力となるのだ。
☆いのちの賛歌 心に刻む一節 病と向き合う 2021年4月18日
テーマ:病と向き合う
企画「いのちの賛歌 心に刻む一節」では、御聖訓を胸に、宿命に立ち向かってきた創価学会員の体験を紹介するとともに、池田先生の指導選集『幸福と平和を創る智慧』(以下、「指導選集」)の指導を掲載する。今回は「病と向き合う」をテーマに、東京都の壮年に話を聞いた。
◇御文
『日蓮其の身にあひあたりて大兵を・をこして二十余年なり、日蓮一度もしりぞく心なし』(辨殿尼御前御書、1224ページ)
◇通解
日蓮はその身に当たって、仏の大軍を起こして二十余年になる。その間、一度も退く心はない。
◇負けてなるものか
36歳で「がん」の宣告
攻め寄せる魔軍との、熾烈な己心の闘争。武井博さん(72)=東京・品川総区副総区長=は、36歳でがんを発症したあの日、一歩も退くまいと口を真一文字に結んだ。
◇
中学を卒業後、東京で就職。男子部では、輸送班、創価班で薫陶を受けた。
35歳で支部長に。創価の金看板を背負うからには、仕事でも広布の活動でも、全てで黄金の実証の旗を打ち立ててみせる——。そう決意を新たにし、奮闘していた時、体に異変が起きた。右の睾丸にチクチクとした痛みを感じるようになり、だんだんと肥大していったのだ。
それは、やがて握り拳ほどの大きさに。36歳の夏、ようやく都内の病院を訪れると、医師はひと目見るなり「よく、ここまで我慢しましたね」。すぐ入院することになり、検査の結果、「がん」の宣告を受けた。
武井さんは話す。
「ある程度は覚悟していたので、正直、『やっぱりそうか』という気持ちでした。家族は、医師から『転移していれば、もって3カ月』とも告げられていたようですが、私自身は詳しい病状を聞くのが怖かったので、あえて淡々と受け止めることにしたんです」
その後の精密検査で転移は見つからず、すぐに手術によって腫瘍のあった右精巣(睾丸)を摘除。抗がん剤と放射線による治療を受けた。
髪の毛は全て抜け落ち、吐き気に襲われて食事もままならなくなった。重く蓄積されていく倦怠感にも苦しんだ。闘う相手は目に見えない。不安と焦りが心を苛んだ。
病魔とせめぎ合う中、頭に浮かんだのが「日蓮一度もしりぞく心なし」(御書1224ページ)との一節だった。それは、武井さんが男子部時代、先輩から「何があっても、魔に負けるな。退転するな」と、人生の"骨格"を打ち込んでもらった御書でもあった。
「この一節の前の箇所で、日蓮大聖人は、第六天の魔王が十種の魔軍を率いて法華経の行者に襲い掛かってくると教えられています。仏と魔が、この娑婆世界を『取られまい』『奪おう』と争っている。その主戦場はどこかと言えば、自分自身の心の中です。だからこそ私は、病床で何度も"絶対に魔軍に負けてなるものか!"と自分自身に強く言い聞かせたんです。"必ず乗り越えて、再び広布の庭に舞い戻るぞ"と」
師匠の真心の激励と、見舞いに訪れる同志の温かさも、武井さんを鼓舞した。
やがて、3カ月間の入院治療を終え、職場復帰を果たす。地域の同志には、髪の毛がなくなった頭をなでて、笑顔を見せることができた。
しかし、武井さんの"闘い"は人知れず続いていたのだ。
腫瘍は摘除したとはいえ、かなり進行していたことと、30代という年齢を考えれば、「再発」の可能性は大きかった。
「むしろそこからが本当の闘いでした。毎回の検査が、見えない恐怖とのせめぎ合い。検査のたびに"使命を果たさせてください!"と祈り、"生かされたこと"に感謝しては、学会活動に励みました。信心で乗り越える——。それしかないですから」
全てが勝負だった。仕事も、復帰した当初は職場に「居場所がない」ところからの再出発。現実を受け止めながら、"信頼を取り戻してみせる"との決意を祈りに込めた。自動車部品販売会社の営業職として、任された仕事を、一つ一つ誠実にこなしていった。学会でも、常に広布の最前線を黙々と走り抜いた。
派手さはなくとも、堅実に、粘り強く己の使命を全うする。その背中に"いぶし銀"の意地も光った。
通院の頻度は、年々、減少。ついに48歳の時、医師から「もう通院の必要はありませんよ」と寛解を告げられた。その言葉を、武井さんは感慨深くかみ締めた。
武井さんは、がんとの闘病を勝ち越え、会社では定年まで営業部長として勤め上げた後、請われて契約社員となり、現在も後進の育成に携わる。
「手を抜かなかった。ただそれだけです。職場でも、学会でも、どの戦いも"ここで自分が倒れるわけにはいかない!"という覚悟でやってきました。何があっても、この信心と池田先生から離れない。御本尊を離さない。そうすることで、己心の魔の軍勢を抑え込む仏の力が湧き出てくるんです」
幾たびも"強敵"をねじり伏せてきた歴戦の誇りがにじむ。
「苦難のない人生はありません。現実は仏と魔との闘争です。だから、勝つためにこの信心が必要なんです。人生は、常に弱い自分との戦いです」
壮年部の愛唱歌「滝の詩」は、池田先生が青森・奥入瀬の滝の雄姿を詠んだ詩だ。
「滝の如く 激しく/滝の如く 撓まず/滝の如く 恐れず/滝の如く 朗らかに/滝の如く 堂々と/男は 王者の風格を持て」
ほとばしる信心の一念こそ、あらゆる苦難に打ち勝つ力にほかならない。
先生は語っている。
「前進していれば、当然、行き詰まる場合がある。その時は、いちだんと題目をあげ、行動することだ。そうすれば、また必ず大きく境涯が開けてくる。ふたたび前に進んでいける。この限りなき繰り返しが信心である。その自分との戦い、行き詰まりとの戦い、魔との闘争に、勝つか負けるか、それが"勝負"なのである。(中略)
絶対に私どもは、永遠に幸福になりゆく法則に従い、崩れざる常楽の世界をつくりゆかねばならない。これが仏法者の使命である」(「指導選集」第2部上巻)
何ものにも押しとどめられない滝の奔流。自らの胸中に、そうした信念が脈打っているかを、繰り返し問い、戦い続けること。その先にあるのが、大河のような堂々たる境涯なのだろう。
[教学コンパス]
がんサバイバー(患者や治療経験者)が治療後の社会生活で直面するさまざまな課題を、社会全体で協力して改善・解決することを目指す「がんサバイバーシップ」が近年、注目されている。その一つに、就労の問題がある。
昨今、がんを経験して社会復帰する人が増えている一方で、診断後に同じ仕事を続けるのが容易ではない現実もあり、自主退職や解雇される例のほか、職場復帰したものの、無力感や疎外感を抱いてしまう場合も少なくない。病と闘う方が、希望を持って再び輝ける包摂的な社会をいかに築くか。
民衆が塗炭の苦しみにあえいでいた鎌倉時代、日蓮大聖人が「立正安国論」で洞察されたのは、生命を軽視する思想のまん延こそ、不幸の原因ということだった。"誰人の生命にも無限の可能性がある"——この哲理を広げていくことが、多様な人が活躍する豊かな社会の土壌になろう。"誰も置き去りにしない"との信念で、「一人」に寄り添い、励ましを送る創価の運動は、計り知れない価値を持つ。
意得可きなり」御聖訓。
広布に生き抜けば
勇気と功徳が湧く。
悩みが喜びに変わる。
三三蔵祈雨事 P1469
『此は日本国の智者愚者一人もしらぬ事なり、しらんとをもはば日蓮が生きてある時くはしくたづねならへ』
【通解】
このことは日本国の智者・愚者は一人も知らないことである。知ろうと思うならば、日蓮が生きている時に詳しく訪ね習いなさい。
名字の言 "方便"に込められた愛情 2021年4月28日
幼い頃、激しい雷雨が起こると、「雷さまにおへそを取られるよ」と、よく親に脅かされた。不安でおなかを押さえる手に力を込めた思い出がある▼後に、その真意は「急な雨による気温の低下でおなかを冷やさないため」「背中を丸め、体勢を低くすることで落雷を避けるため」と親に教わった。説の真偽はともあれ、「雷さまにおへそを……」の"方便"は、子を思う親心だろう▼ある婦人部員は、高等部員の息子に信心を継承させたいと願っていた。そんな折、同居する祖母が一計を案じ、視力が落ちたように装い、孫の彼に言った。「代わりに聖教新聞を読み聞かせておくれよ」。当初は渋ったものの、音読を家族が笑顔で聞くのがうれしくて彼の日課になった▼ある日、祖母に「この池田先生の指導は大事だね。書き写しておくれ」と頼まれた。「自然も、人生も、厳しき冬を越えてこそ、春は美しい。苦難に鍛えられてこそ、金剛不滅の土台は築かれる」——彼が大書きした先生の言葉は、長く仏間に貼られた▼次第に彼も信心に励みだした。後年、社会人となり、悩みに直面した際も、この先生の指導を糧に勝ち越えた。彼は今、祖母に感謝している。方便に込められた愛情の深さを知ったからである。
寸鉄 2021年4月28日
立宗の日。烈々たる民衆救済の魂、創価の師弟に。立正安国の大道を勇んで
北陸から勝利開く挑戦を今!誓願に生き抜く同志は強し。石川・富山の日
友を思う慈悲から具体的な智慧が生まれる—恩師今日も目前の一人のため
熱中症警戒アラート運用開始。発信基に水分・塩分補給を。予防で守れる命
世界の軍事費、前年比で2・6%増。感染下で進む分断。人類結ぶ使命強く
〈社説〉 2021・4・28 きょう「立宗の日」
◇大聖人の誓願の大闘争に続け
きょう4月28日は立宗の日。建長5年(1253年)のこの日、日蓮大聖人は末法の全民衆を救う「南無妙法蓮華経」の題目を師子吼され、妙法流布に一人立たれた。以来、命に及ぶ迫害の連続を勝ち越え、民衆仏法の基盤を厳然と確立された。大聖人の崇高な御精神は、創価学会によって継承され、地涌の菩薩の陣列は全世界へと広まった。今こそ私たちは、御本仏の誓願の大闘争に学びたい。
立宗宣言に始まる大聖人の御闘争は、特定の宗派の排撃や、単に一宗一派のためといった狭小な次元のものでは断じてない。「但偏に国の為法の為人の為にして身の為に之を申さず」(御書35ページ)と仰せの通り、その根底には常に民衆救済への大慈悲が脈打っていた。念仏をはじめとする他宗への舌鋒鋭い破折も、その本質は、民衆を蔑視する、生命軽視の思想との闘争であることを銘記したい。
さらに立宗の際の「退転せじと願じぬ」(同200ページ)との誓いを生涯にわたって貫かれた。中でも、生きては帰れないといわれた極寒の佐渡にあって、衣食にも事欠く中、大聖人の言論闘争の炎はいや増して燃え盛った。「開目抄」「観心本尊抄」等の重書だけでなく、門下への御消息文を次々と認められた。絶体絶命ともいえる状況下で全民衆の幸福の大道を開く闘争を展開されたのである。
今、コロナ禍という未曽有の試練が続き、広宣流布の活動においても、思うようにいかないことも多い。しかし、「よからんは不思議」(同1190ページ)である。これまでも広布の道程が平坦であったためしはない。障魔の嵐が吹き荒れる中、池田先生を先頭に道なき道を切り開いてきたのが、"難こそ誉れ"の創価の歴史である。
池田先生はつづっている。
「『誓願』は、誰かが行動することを期待して事態の変化を待ちわびるような願望でも、状況が厳しくなった時に吹き飛んでしまうような約束でもない。どんな困難や試練が押し寄せても、どれだけ歳月や労力がかかっても、必ず成し遂げていく——自分の全存在を賭けた"生きる証し"の異名ともいうべきものに他なりません」
いかに状況が変化しようとも、大聖人直結の"戦う魂"をいよいよ燃え上がらせ、今いる場所で、勇気の挑戦を貫きたい。その積み重ねが必ず社会を変える。誓いは果たしてこそ誓いである。
☆御書の旭光を 第22回 対話は「如来の使い」の実践
〈御文〉
『法師品には若是善男子善女人乃至則如来使と説かせ給いて僧も俗も尼も女も一句をも人にかたらん人は如来の使と見えたり』(椎地四郎殿御書、1448ページ)
〈通解〉
法華経法師品第10には「もしこの善男子・善女人は、(私<釈尊>が滅度した後、法華経の一句でも説くなら)この人はすなわち如来の使いである」と説かれており、僧も俗も尼も女も、法華経を一句でも人に語る人は如来の使いであるというのである。
〈池田先生が贈る指針〉
広宣流布のため、立正安国のための対話が、いかに尊いか。
祈りを重ね、勇気を出して発する言葉の一つ一つが「仏の声」である。声を惜しまず、労苦をいとわず、誠実に語ること自体が「如来の使い」の実践だ。功徳は大きい。
確信の一言は、幸の種となり仏縁を結ぶ。共に境涯を開き、より良き社会を築く力となるのだ。
☆いのちの賛歌 心に刻む一節 病と向き合う 2021年4月18日
テーマ:病と向き合う
企画「いのちの賛歌 心に刻む一節」では、御聖訓を胸に、宿命に立ち向かってきた創価学会員の体験を紹介するとともに、池田先生の指導選集『幸福と平和を創る智慧』(以下、「指導選集」)の指導を掲載する。今回は「病と向き合う」をテーマに、東京都の壮年に話を聞いた。
◇御文
『日蓮其の身にあひあたりて大兵を・をこして二十余年なり、日蓮一度もしりぞく心なし』(辨殿尼御前御書、1224ページ)
◇通解
日蓮はその身に当たって、仏の大軍を起こして二十余年になる。その間、一度も退く心はない。
◇負けてなるものか
36歳で「がん」の宣告
攻め寄せる魔軍との、熾烈な己心の闘争。武井博さん(72)=東京・品川総区副総区長=は、36歳でがんを発症したあの日、一歩も退くまいと口を真一文字に結んだ。
◇
中学を卒業後、東京で就職。男子部では、輸送班、創価班で薫陶を受けた。
35歳で支部長に。創価の金看板を背負うからには、仕事でも広布の活動でも、全てで黄金の実証の旗を打ち立ててみせる——。そう決意を新たにし、奮闘していた時、体に異変が起きた。右の睾丸にチクチクとした痛みを感じるようになり、だんだんと肥大していったのだ。
それは、やがて握り拳ほどの大きさに。36歳の夏、ようやく都内の病院を訪れると、医師はひと目見るなり「よく、ここまで我慢しましたね」。すぐ入院することになり、検査の結果、「がん」の宣告を受けた。
武井さんは話す。
「ある程度は覚悟していたので、正直、『やっぱりそうか』という気持ちでした。家族は、医師から『転移していれば、もって3カ月』とも告げられていたようですが、私自身は詳しい病状を聞くのが怖かったので、あえて淡々と受け止めることにしたんです」
その後の精密検査で転移は見つからず、すぐに手術によって腫瘍のあった右精巣(睾丸)を摘除。抗がん剤と放射線による治療を受けた。
髪の毛は全て抜け落ち、吐き気に襲われて食事もままならなくなった。重く蓄積されていく倦怠感にも苦しんだ。闘う相手は目に見えない。不安と焦りが心を苛んだ。
病魔とせめぎ合う中、頭に浮かんだのが「日蓮一度もしりぞく心なし」(御書1224ページ)との一節だった。それは、武井さんが男子部時代、先輩から「何があっても、魔に負けるな。退転するな」と、人生の"骨格"を打ち込んでもらった御書でもあった。
「この一節の前の箇所で、日蓮大聖人は、第六天の魔王が十種の魔軍を率いて法華経の行者に襲い掛かってくると教えられています。仏と魔が、この娑婆世界を『取られまい』『奪おう』と争っている。その主戦場はどこかと言えば、自分自身の心の中です。だからこそ私は、病床で何度も"絶対に魔軍に負けてなるものか!"と自分自身に強く言い聞かせたんです。"必ず乗り越えて、再び広布の庭に舞い戻るぞ"と」
師匠の真心の激励と、見舞いに訪れる同志の温かさも、武井さんを鼓舞した。
やがて、3カ月間の入院治療を終え、職場復帰を果たす。地域の同志には、髪の毛がなくなった頭をなでて、笑顔を見せることができた。
しかし、武井さんの"闘い"は人知れず続いていたのだ。
腫瘍は摘除したとはいえ、かなり進行していたことと、30代という年齢を考えれば、「再発」の可能性は大きかった。
「むしろそこからが本当の闘いでした。毎回の検査が、見えない恐怖とのせめぎ合い。検査のたびに"使命を果たさせてください!"と祈り、"生かされたこと"に感謝しては、学会活動に励みました。信心で乗り越える——。それしかないですから」
全てが勝負だった。仕事も、復帰した当初は職場に「居場所がない」ところからの再出発。現実を受け止めながら、"信頼を取り戻してみせる"との決意を祈りに込めた。自動車部品販売会社の営業職として、任された仕事を、一つ一つ誠実にこなしていった。学会でも、常に広布の最前線を黙々と走り抜いた。
派手さはなくとも、堅実に、粘り強く己の使命を全うする。その背中に"いぶし銀"の意地も光った。
通院の頻度は、年々、減少。ついに48歳の時、医師から「もう通院の必要はありませんよ」と寛解を告げられた。その言葉を、武井さんは感慨深くかみ締めた。
武井さんは、がんとの闘病を勝ち越え、会社では定年まで営業部長として勤め上げた後、請われて契約社員となり、現在も後進の育成に携わる。
「手を抜かなかった。ただそれだけです。職場でも、学会でも、どの戦いも"ここで自分が倒れるわけにはいかない!"という覚悟でやってきました。何があっても、この信心と池田先生から離れない。御本尊を離さない。そうすることで、己心の魔の軍勢を抑え込む仏の力が湧き出てくるんです」
幾たびも"強敵"をねじり伏せてきた歴戦の誇りがにじむ。
「苦難のない人生はありません。現実は仏と魔との闘争です。だから、勝つためにこの信心が必要なんです。人生は、常に弱い自分との戦いです」
壮年部の愛唱歌「滝の詩」は、池田先生が青森・奥入瀬の滝の雄姿を詠んだ詩だ。
「滝の如く 激しく/滝の如く 撓まず/滝の如く 恐れず/滝の如く 朗らかに/滝の如く 堂々と/男は 王者の風格を持て」
ほとばしる信心の一念こそ、あらゆる苦難に打ち勝つ力にほかならない。
先生は語っている。
「前進していれば、当然、行き詰まる場合がある。その時は、いちだんと題目をあげ、行動することだ。そうすれば、また必ず大きく境涯が開けてくる。ふたたび前に進んでいける。この限りなき繰り返しが信心である。その自分との戦い、行き詰まりとの戦い、魔との闘争に、勝つか負けるか、それが"勝負"なのである。(中略)
絶対に私どもは、永遠に幸福になりゆく法則に従い、崩れざる常楽の世界をつくりゆかねばならない。これが仏法者の使命である」(「指導選集」第2部上巻)
何ものにも押しとどめられない滝の奔流。自らの胸中に、そうした信念が脈打っているかを、繰り返し問い、戦い続けること。その先にあるのが、大河のような堂々たる境涯なのだろう。
[教学コンパス]
がんサバイバー(患者や治療経験者)が治療後の社会生活で直面するさまざまな課題を、社会全体で協力して改善・解決することを目指す「がんサバイバーシップ」が近年、注目されている。その一つに、就労の問題がある。
昨今、がんを経験して社会復帰する人が増えている一方で、診断後に同じ仕事を続けるのが容易ではない現実もあり、自主退職や解雇される例のほか、職場復帰したものの、無力感や疎外感を抱いてしまう場合も少なくない。病と闘う方が、希望を持って再び輝ける包摂的な社会をいかに築くか。
民衆が塗炭の苦しみにあえいでいた鎌倉時代、日蓮大聖人が「立正安国論」で洞察されたのは、生命を軽視する思想のまん延こそ、不幸の原因ということだった。"誰人の生命にも無限の可能性がある"——この哲理を広げていくことが、多様な人が活躍する豊かな社会の土壌になろう。"誰も置き去りにしない"との信念で、「一人」に寄り添い、励ましを送る創価の運動は、計り知れない価値を持つ。
2021年4月27日火曜日
2021.04.27 わが友に贈る
「まことの信心」は
逆境の時こそ試される。
強盛な祈りを根本に
価値を創造しゆく
「負けじ魂」の人たれ!
減劫御書 P1466
『智者とは世間の法より外に仏法を行(おこなわ)ず、世間の治世の法を能く能く心へて候を智者とは申すなり』
【通解】
智者は、世間の法と別のところに仏法を行ずることはない。世間の治世の法を十分に心得ている人を、智者というのである。
名字の言 著名な音響設計家が重視する「一体感」 2021年4月27日
東京・赤坂のサントリーホールは「世界のなかで最も有名なコンサートホールの一つ」と評される。ステージの周囲360度を客席が囲む、ヴィンヤード(ぶどう畑)型のホールである▼同ホールの音響を設計したのは、豊田泰久氏。アメリカのウォルト・ディズニー・コンサートホールなどを手掛けた著名な音響設計家だ▼氏が設計で重視するのは「一体感」。例えば、ドイツのエルプフィルハーモニー・ハンブルクは、舞台と客席の距離が30メートル以内になるように設計されている。氏は、ホールの音がクリアに鳴るかどうかは「奏者の顔が見えるか、という視覚と結びついています」と語る。「見えることは、聞こえることにつながる」と(石合力著『響きをみがく』朝日新聞出版)▼目と耳で聞く——人との対話も同じことが言える。ふとした表情やしぐさが語る"声"に耳を傾け、その奥にある思いをくみ取る。そうすれば、ただ話を聞くよりも、心の距離はぐっと縮まる▼「書は言を尽さず言は心を尽さず事事見参の時を期せん」(御書1012ページ)。長引くコロナ禍で会うことが難しい場面も多いが、ビデオ通話など、顔を合わせる工夫はできる。真剣な祈りで知恵を湧き立たせ、"心の一体感"を広げよう。
寸鉄 2021年4月27日
「ほむれば弥功徳まさる」御書。互いに体験を語れ。広布に進む歓喜は伝播す
「GW」の目標を明確に。聡明に友情を結び広げる絶好機。電話・OLも活用
右往左往するな—恩師。できる事から全精魂を。"未来までの物語"綴ろう
コロナ禍で人との繋がりをより重視—7割が回答励ましの連帯の真価発揮
睡眠6時間以下は認知症の危険増。積み重ねが鍵。"まだ若い"との油断排し
☆第3回本部幹部会・婦人部希望総会 永石婦人部長の話
◇新たな歴史を開く前進!
一、5・3「創価学会の日」記念本部幹部会、婦人部結成70周年記念「希望総会」の開催、大変におめでとうございます。
池田先生・奥さまのもと、希望あふれる「女性部」発足の発表に、感動と感謝でいっぱいです。本当にありがとうございます(拍手)。
5・3「創価学会母の日」から婦人部が、11・18「創価学会創立記念日」には、女子部も共に「女性部」となる。これ以上の喜びはありません。
結成より70年。池田先生は、誰よりも婦人部、女子部を大切にし、幸福を祈り、育んでくださいました。一人一人に送ってくださった励ましの数は計り知れず、感謝は尽きません。
ある時は、現実の苦闘の中にある婦人部に、「一番、大変な時が、一番、深く戦える。その時に、永遠の大福運を積めるのです」と希望の励ましを。ある時は、青春を懸けて皆の幸福に尽くす女子部をたたえ、"皆で女子部を大切にし、尊敬していく伝統をつくろう"と呼び掛けられました。
そして、共に行動し、共に成長する"婦女一体"の前進を喜んでくださり、次のようにご指導くださいました。
"ある時は、母娘のごとく、ある時は、姉妹のごとく、大事なことは、何でも話せる、何でも相談できる、そして励まし合っていける、希望と和楽の園を築いていくことだ。この模範の婦女一体の前進を、地域に、そして全国・全世界に広げてこそ、広宣流布は着実に、重層的に伸展していくのだ"と。
一、思えば、初代会長・牧口先生は、"女性こそ、未来における理想社会の建設者"とうたい、20世紀初頭に、いち早く女性のための通信教育を推進されました。
戸田先生は、「広宣流布の実現は、女性の力で決まる」と、会長就任直後に婦人部を、続いて女子部を発足されました。
その全てを受け継がれた池田先生は、"『生命の尊厳』『平和の文化』を育む女性の役割は大きい。一人の女性の前進は、新たな歴史を開く力である"と、女性の力を信じ、たたえ続けてくださっています。その期待に応えたいと、自他共の幸福に生きる創価の女性のスクラムは、社会を動かし、世界を変える連帯となって広がったのです。
一、御書に「大闇をば日輪やぶる」(1114ページ)とあります。
私たち婦人部は、闇を打ち破る太陽となって題目を響かせ、全ての人を慈愛で包み、勇気と希望を送っていこうではありませんか。
さあ、本日の「希望総会」から、朗らかに対話を広げ、広布拡大に大勝利し、女子部と共に希望勝利の新時代を築いてまいりましょう!
☆第3回本部幹部会・婦人部希望総会 大串女子部長の話
◇結成70周年を勝利し「11・18」へ
一、池田先生・奥さまのもと、女子部結成70周年という佳節を刻むこの年に、「女性部」という大きな出発を切らせていただけることに、感謝の思いでいっぱいです。
先生に築いてきていただいた"婦女一体"の流れの中で迎える「女性部」の発足。それは、信心の先輩である婦人部の皆さまと共に、そして、同世代の宝の仲間と共に、より一層広布拡大に挑み、人材が躍動していける道であると確信しています。
一、先生は女子部に教えてくださいました。
「女子部の一人一人には洋々たる未来が広がっている」「一人の女性を立派に育てていけば、幾百人、幾千人の勝利につながる。一人の人材を見つければ、一万人の勝利になるのである」と。
学会創立100周年、そして、さらにその先の広宣流布の未来を担う女子部世代の前進が、永遠に師弟勝利の門を開く。その勝利を誓うのが、このたびの「女性部」の発足であると感じています。
女子部の皆さん! 「女性部」という新たな出発を切る千載一遇の今この時に居合わせた誇りを胸に、いまだかつてない祈りと拡大に挑んでいきましょう。
そして、大勝利の結果をもって師匠にお応えし、「7・19」女子部結成70周年、そして「11・18」を迎えてまいりましょう。
逆境の時こそ試される。
強盛な祈りを根本に
価値を創造しゆく
「負けじ魂」の人たれ!
減劫御書 P1466
『智者とは世間の法より外に仏法を行(おこなわ)ず、世間の治世の法を能く能く心へて候を智者とは申すなり』
【通解】
智者は、世間の法と別のところに仏法を行ずることはない。世間の治世の法を十分に心得ている人を、智者というのである。
名字の言 著名な音響設計家が重視する「一体感」 2021年4月27日
東京・赤坂のサントリーホールは「世界のなかで最も有名なコンサートホールの一つ」と評される。ステージの周囲360度を客席が囲む、ヴィンヤード(ぶどう畑)型のホールである▼同ホールの音響を設計したのは、豊田泰久氏。アメリカのウォルト・ディズニー・コンサートホールなどを手掛けた著名な音響設計家だ▼氏が設計で重視するのは「一体感」。例えば、ドイツのエルプフィルハーモニー・ハンブルクは、舞台と客席の距離が30メートル以内になるように設計されている。氏は、ホールの音がクリアに鳴るかどうかは「奏者の顔が見えるか、という視覚と結びついています」と語る。「見えることは、聞こえることにつながる」と(石合力著『響きをみがく』朝日新聞出版)▼目と耳で聞く——人との対話も同じことが言える。ふとした表情やしぐさが語る"声"に耳を傾け、その奥にある思いをくみ取る。そうすれば、ただ話を聞くよりも、心の距離はぐっと縮まる▼「書は言を尽さず言は心を尽さず事事見参の時を期せん」(御書1012ページ)。長引くコロナ禍で会うことが難しい場面も多いが、ビデオ通話など、顔を合わせる工夫はできる。真剣な祈りで知恵を湧き立たせ、"心の一体感"を広げよう。
寸鉄 2021年4月27日
「ほむれば弥功徳まさる」御書。互いに体験を語れ。広布に進む歓喜は伝播す
「GW」の目標を明確に。聡明に友情を結び広げる絶好機。電話・OLも活用
右往左往するな—恩師。できる事から全精魂を。"未来までの物語"綴ろう
コロナ禍で人との繋がりをより重視—7割が回答励ましの連帯の真価発揮
睡眠6時間以下は認知症の危険増。積み重ねが鍵。"まだ若い"との油断排し
☆第3回本部幹部会・婦人部希望総会 永石婦人部長の話
◇新たな歴史を開く前進!
一、5・3「創価学会の日」記念本部幹部会、婦人部結成70周年記念「希望総会」の開催、大変におめでとうございます。
池田先生・奥さまのもと、希望あふれる「女性部」発足の発表に、感動と感謝でいっぱいです。本当にありがとうございます(拍手)。
5・3「創価学会母の日」から婦人部が、11・18「創価学会創立記念日」には、女子部も共に「女性部」となる。これ以上の喜びはありません。
結成より70年。池田先生は、誰よりも婦人部、女子部を大切にし、幸福を祈り、育んでくださいました。一人一人に送ってくださった励ましの数は計り知れず、感謝は尽きません。
ある時は、現実の苦闘の中にある婦人部に、「一番、大変な時が、一番、深く戦える。その時に、永遠の大福運を積めるのです」と希望の励ましを。ある時は、青春を懸けて皆の幸福に尽くす女子部をたたえ、"皆で女子部を大切にし、尊敬していく伝統をつくろう"と呼び掛けられました。
そして、共に行動し、共に成長する"婦女一体"の前進を喜んでくださり、次のようにご指導くださいました。
"ある時は、母娘のごとく、ある時は、姉妹のごとく、大事なことは、何でも話せる、何でも相談できる、そして励まし合っていける、希望と和楽の園を築いていくことだ。この模範の婦女一体の前進を、地域に、そして全国・全世界に広げてこそ、広宣流布は着実に、重層的に伸展していくのだ"と。
一、思えば、初代会長・牧口先生は、"女性こそ、未来における理想社会の建設者"とうたい、20世紀初頭に、いち早く女性のための通信教育を推進されました。
戸田先生は、「広宣流布の実現は、女性の力で決まる」と、会長就任直後に婦人部を、続いて女子部を発足されました。
その全てを受け継がれた池田先生は、"『生命の尊厳』『平和の文化』を育む女性の役割は大きい。一人の女性の前進は、新たな歴史を開く力である"と、女性の力を信じ、たたえ続けてくださっています。その期待に応えたいと、自他共の幸福に生きる創価の女性のスクラムは、社会を動かし、世界を変える連帯となって広がったのです。
一、御書に「大闇をば日輪やぶる」(1114ページ)とあります。
私たち婦人部は、闇を打ち破る太陽となって題目を響かせ、全ての人を慈愛で包み、勇気と希望を送っていこうではありませんか。
さあ、本日の「希望総会」から、朗らかに対話を広げ、広布拡大に大勝利し、女子部と共に希望勝利の新時代を築いてまいりましょう!
☆第3回本部幹部会・婦人部希望総会 大串女子部長の話
◇結成70周年を勝利し「11・18」へ
一、池田先生・奥さまのもと、女子部結成70周年という佳節を刻むこの年に、「女性部」という大きな出発を切らせていただけることに、感謝の思いでいっぱいです。
先生に築いてきていただいた"婦女一体"の流れの中で迎える「女性部」の発足。それは、信心の先輩である婦人部の皆さまと共に、そして、同世代の宝の仲間と共に、より一層広布拡大に挑み、人材が躍動していける道であると確信しています。
一、先生は女子部に教えてくださいました。
「女子部の一人一人には洋々たる未来が広がっている」「一人の女性を立派に育てていけば、幾百人、幾千人の勝利につながる。一人の人材を見つければ、一万人の勝利になるのである」と。
学会創立100周年、そして、さらにその先の広宣流布の未来を担う女子部世代の前進が、永遠に師弟勝利の門を開く。その勝利を誓うのが、このたびの「女性部」の発足であると感じています。
女子部の皆さん! 「女性部」という新たな出発を切る千載一遇の今この時に居合わせた誇りを胸に、いまだかつてない祈りと拡大に挑んでいきましょう。
そして、大勝利の結果をもって師匠にお応えし、「7・19」女子部結成70周年、そして「11・18」を迎えてまいりましょう。
2021年4月26日月曜日
2021.04.26 わが友に贈る
◇今週のことば
志あるところ道あり。
今しかできない事も
今こそできる事もある。
仏の異名は「開道者」
智慧と執念で道を開け!
2021年4月26日
四条金吾殿御返事 P1143
『法華経を持ち奉るより外に遊楽はなし現世安穏後生善処とは是なり、ただ世間の留難来るともとりあへ給うべからず』
【通解】
法華経を受持する以外に遊楽はない。法華経薬草喩品第五にある「現世は安穏にして後に善処に生ず」とは、このことをいうのである。ただ世間の種々の難が襲ってきても、とりあってはいけない。
名字の言 一本の鉛筆で線を引いたら、どのくらいの長さになるのか? 2021年4月26日
一本の鉛筆を最後まで使い切るとして線を引いた場合、どれくらい書けるだろう? 何と50キロ! サインペンは700メートル、ボールペンは1・5キロというから桁違いの長さだ▼小川洋子さんの近著『そこに工場があるかぎり』(集英社)で知った。鉛筆工場の方のすてきな言葉も紹介されていた。「減った分だけ、何かを生み出しているんですよ。子どもたちが勉強をして、夢をかなえてゆく。それを担っているのですから、鉛筆は素晴らしいなと思います」▼鉛筆がわが身を削り、黒い線となった分だけ、新しい未来が創られる。小欄の原稿も、今はパソコンで文字を入力するが、ひと昔前は原稿用紙に鉛筆で書いていた。記者が書いた原稿に、編集責任者が鉛筆などで直しを入れ、小欄は誕生する▼鉛筆への見方が一変した。御書に「餓鬼は恒河(=ガンジス川)を火と見る・人は水と見・天人は甘露と見る」(1050ページ)とあるように、同じ物を見ても、見る人の境涯で見え方は全く異なってくる▼「(才能ある人物は)生きる時代を照らすべく炎を上げる宿命を負った流星なのだ」(北澤真木訳)とは、鉛筆を作ったナポレオンの言。流星のごとく完全燃焼し、時代を照らした英雄は5月、没後200年を迎える。
寸鉄 2021年4月26日
利他の心で人々結ぶ学会こそ社会の誇り—日本の識者。孤独防ぐ激励益々
長野の日。いざという時に立つのが信州の伝統。皆が混迷の闇晴らす太陽
希望総会の配信に感動と決意広がる。さあ仲良き連帯で女性の世紀を牽引
「八のかぜにをかされぬを賢人」御書。全ての苦難を成長の糧に。祈り強く
コロナ禍の悩み—1位は交流機会の減少と。一本の電話も友情育む契機に
〈社説〉 2021・4・26 ヤングケアラー 初の全国調査
◇介護を担う子 周囲にも
家族の世話や介護をしている子どもたちがいる。現在、30代のある男性は、中学生の頃から母親の看病をしてきた。父親は転勤でいないため、子どもたちが担うことに。そのため、彼は高校の部活動を休みがちになった。
母親の状態は悪化し、自身で食事が取れず、寝たきりに。男性は大学進学を諦め、つきっきりで面倒を見る日が続いた。後に大学に入学したものの、就職後も、母親のそばにいることを選び、職を変えた。(澁谷智子編『ヤングケアラー わたしの語り』)
こうした、大人でも大変なケアの責任を引き受け、家族の世話や介護などを行っている18歳未満の子どもを「ヤングケアラー」という。このほど、初となる全国調査の結果が発表された。それによると、公立中学2年生の5・7%、公立の全日制高校2年生の4・1%が「世話をしている家族がいる」と回答。1学級に1〜2人のヤングケアラーがいる可能性を示す結果となった。
親子で介護していたり、幼いきょうだいの面倒を見ていたりする場合もあり、状況は千差万別だが、問題点の一つとして、学校生活や勉強への影響が挙げられる。学業の遅れや、友人関係が希薄になり孤立することも。進学や就職に影響を及ぼすこともあるという。
調査の検討委員会座長を務めた立正大学の森田久美子教授は、「最初は家族の手伝いだったのが、そのうち、頼りにされるようになり、役割が固定し、ケアの担い手となることが多い」と話す。
行政でも支援の動きが広がりつつあり、国でも支援策をまとめる方針だが、ケアを家庭だけの問題とせず、教職員、知り合い、親族等が、ケアを担う子どもに早期に気付き、ヘルパー等の福祉サービスにつなげることも必要だろう。
地域では、どう関われるのだろうか。森田教授は「気付きが大切」と指摘する。"あの子は、平日の昼間に、なぜ家にいるんだろう"という関心や"父親が病気で大変らしい"という情報からでよい、気に掛け、見守ってもらいたい。そして、ケアを担う子どもが助けを求める時には、気持ちを聞き、寄り添い、「君は一人ではないよ」と味方になってほしいと。
私たちの周囲には、家族の手伝いが生活の中心になっている子どもがいる。身近なところから力になれることを考えていきたい。
☆第3回本部幹部会・婦人部希望総会 原田会長のあいさつ
一、5・3「創価学会の日」を慶祝する「第3回本部幹部会」、ならびに婦人部結成70周年を記念する「希望総会」の開催、大変におめでとうございます(拍手)。
広宣流布、立正安国の諸活動を、最も推進してくださっている婦人部の皆さまに、心からの感謝と御礼を申し上げます。
そして、本日を飾るにふさわしい発表から、この希望総会をスタートさせていただきたいと思います。
◇永遠に広布拡大の「未来の門」を
一、これまで池田先生は「21世紀は『女性の世紀』である」と早くから語られ、21世紀を目前にした2000年の年末には、婦人部・女子部が連携して進む道を明確に示してくださり、全国各地に女性最高協議会が発足いたしました。以来、「わが"婦女一体"の麗しい連帯がある限り、学会は永遠に未来の門を開いていける」と、婦人部・女子部を温かく見守り、数多くの激励を送り続けてくださいました。
婦人部・女子部ともに、結成70周年という意義深き節目を迎えた本年は、学会創立100周年への「勝負の10年」の出発であり、今こそ池田先生のもとで「学会の永遠性」を確立すべき大事な時であります。
そこで、婦女一体の流れをより強くし、これまで以上に幅広い女性の連帯で、広布拡大と発展を目指していくために、このたび、池田先生にもご了承をいただき、「婦人部」と「女子部」を新たに「女性部」として、出発を切ることになりました。婦人部・女子部の皆さん、大変におめでとうございます(拍手)。
一、「女性部」発足の第1段階として、本年の5月3日に、現在の「婦人部」の名称を「女性部」へと変更することからスタートします。
その際、各階層の「婦人部長・副婦人部長」の役職名も、全て「女性部長・副女性部長」に変更します。たとえば、最前線の地区婦人部長は「地区女性部長」、地区副婦人部長は「地区副女性部長」に変更となります。
次に第2段階として、本年の11・18「創価学会創立記念日」を期して、現在の女子部も加えて「女性部」とし、全世代の女性の連帯を育む組織を構築していきます。
女子部も含めて「女性部」となった際は、既婚・未婚を問わず、20代までを「池田華陽会」、30代から40代を「ヤング白ゆり世代」とします。その上で、組織活動や役職などの詳細については、11月18日を期して発表することといたします。
◇"同世代の触発"と"幅広い世代の協力"
一、今や、社会進出によって働く女性が増加し、学会の中でも社会の第一線で、多彩な分野で活躍する女性が、一段と増えてまいりました。
ライフスタイルや価値観が多様化する中、「同世代での触発」と「幅広い世代が協力しての励まし」の両方が、これまで以上に重要となっています。
池田先生は、23世紀をも展望する「七つの鐘」構想を発表された2000年12月、20世紀最後の本部幹部会で、「日本の社会も、また創価学会も、女性の力が、もっと伸び伸びと発揮できるようになれば、もっと全体が勢いを増し、もっと良い方向へ進んでいくことは間違いない」と強調されました。
まさに今回の「女性部」の結成の眼目は、これまで以上に、一人一人が力を発揮できる体制をつくること、そして、同世代で触発し合い、また、幅広い世代が協力して励まし合いながら、新しい人材を増やし続け、永遠に未来の門を開いていくことにあります。
戸田先生のもとで生まれた婦人部・女子部が、結成70周年を節目に、池田先生のもとで「女性部」へと生まれ変わることとなりました。新たな出発を皆で最大にお祝いするとともに、この喜びを勢いに変えて、「勝負の10年」を開く本年の連続勝利へ、走り抜いてまいりましょう(拍手)。
☆聖教新聞創刊70周年 談話 萩本直樹代表理事
◇読者・配達員・支えてくださる全ての方々に感謝
聖教新聞はきょう、創刊70周年を迎えることができました。読者の皆さまをはじめ、「無冠の友」、新聞長、通信員、販売店、また、印刷、資材、輸送、広告など本紙を支えてくださっている全ての方々に心より感謝申し上げます。
昨年来のコロナ禍にあって、「何を発信するか」が改めて問われています。聖教新聞では感染症に関する正確な情報と幅広い視点を提供するために、青年部の代表と医学者との会議の内容をはじめ、識者へのインタビューや体験記事を通して試練を生き抜く視座を提示する「危機の時代を生きる」、奮闘する海外の同志の模様を伝える「世界の友は今」など、各種企画に取り組んできました。
ありがたいことに、多くの反響を頂いております。今後とも、仏法の生命観・社会観に根差し、懸命に生きる庶民に希望を届ける「人間の機関紙」としての使命を果たし抜いてまいります。
池田先生は聖教新聞の創刊の原点を、小説『新・人間革命』第14巻「大河」の章で詳細につづられています。
最大の苦境の渦中で悠然と広布の未来を展望された戸田先生と池田先生。その師弟の対話から誕生したことが、私たちの最大の誇りです。この峻厳な創刊の原点は、時代がいかに変わろうとも、永遠に忘れてはならないと心に期しています。
2ページ建ての旬刊(10日に1度)、5000部から出発した聖教新聞は、「日本中、世界中の人に読ませたい」との戸田先生の熱願を実現しようとされる池田先生の闘争によって、今日まで発展を続けてきました。現在、聖教電子版には206カ国・地域からアクセスがあり、海外52カ国・地域で90の姉妹紙誌が発行されています。
創刊70周年を記念して、今月13日付からは紙面を大幅にリニューアルしました。カラー紙面が倍増の8カ面となり、全体の文字も大きく、読みやすくしました。
これからも「師弟の言論城」の誇りを胸に、希望を送る紙面の制作に全力を挙げてまいります。
志あるところ道あり。
今しかできない事も
今こそできる事もある。
仏の異名は「開道者」
智慧と執念で道を開け!
2021年4月26日
四条金吾殿御返事 P1143
『法華経を持ち奉るより外に遊楽はなし現世安穏後生善処とは是なり、ただ世間の留難来るともとりあへ給うべからず』
【通解】
法華経を受持する以外に遊楽はない。法華経薬草喩品第五にある「現世は安穏にして後に善処に生ず」とは、このことをいうのである。ただ世間の種々の難が襲ってきても、とりあってはいけない。
名字の言 一本の鉛筆で線を引いたら、どのくらいの長さになるのか? 2021年4月26日
一本の鉛筆を最後まで使い切るとして線を引いた場合、どれくらい書けるだろう? 何と50キロ! サインペンは700メートル、ボールペンは1・5キロというから桁違いの長さだ▼小川洋子さんの近著『そこに工場があるかぎり』(集英社)で知った。鉛筆工場の方のすてきな言葉も紹介されていた。「減った分だけ、何かを生み出しているんですよ。子どもたちが勉強をして、夢をかなえてゆく。それを担っているのですから、鉛筆は素晴らしいなと思います」▼鉛筆がわが身を削り、黒い線となった分だけ、新しい未来が創られる。小欄の原稿も、今はパソコンで文字を入力するが、ひと昔前は原稿用紙に鉛筆で書いていた。記者が書いた原稿に、編集責任者が鉛筆などで直しを入れ、小欄は誕生する▼鉛筆への見方が一変した。御書に「餓鬼は恒河(=ガンジス川)を火と見る・人は水と見・天人は甘露と見る」(1050ページ)とあるように、同じ物を見ても、見る人の境涯で見え方は全く異なってくる▼「(才能ある人物は)生きる時代を照らすべく炎を上げる宿命を負った流星なのだ」(北澤真木訳)とは、鉛筆を作ったナポレオンの言。流星のごとく完全燃焼し、時代を照らした英雄は5月、没後200年を迎える。
寸鉄 2021年4月26日
利他の心で人々結ぶ学会こそ社会の誇り—日本の識者。孤独防ぐ激励益々
長野の日。いざという時に立つのが信州の伝統。皆が混迷の闇晴らす太陽
希望総会の配信に感動と決意広がる。さあ仲良き連帯で女性の世紀を牽引
「八のかぜにをかされぬを賢人」御書。全ての苦難を成長の糧に。祈り強く
コロナ禍の悩み—1位は交流機会の減少と。一本の電話も友情育む契機に
〈社説〉 2021・4・26 ヤングケアラー 初の全国調査
◇介護を担う子 周囲にも
家族の世話や介護をしている子どもたちがいる。現在、30代のある男性は、中学生の頃から母親の看病をしてきた。父親は転勤でいないため、子どもたちが担うことに。そのため、彼は高校の部活動を休みがちになった。
母親の状態は悪化し、自身で食事が取れず、寝たきりに。男性は大学進学を諦め、つきっきりで面倒を見る日が続いた。後に大学に入学したものの、就職後も、母親のそばにいることを選び、職を変えた。(澁谷智子編『ヤングケアラー わたしの語り』)
こうした、大人でも大変なケアの責任を引き受け、家族の世話や介護などを行っている18歳未満の子どもを「ヤングケアラー」という。このほど、初となる全国調査の結果が発表された。それによると、公立中学2年生の5・7%、公立の全日制高校2年生の4・1%が「世話をしている家族がいる」と回答。1学級に1〜2人のヤングケアラーがいる可能性を示す結果となった。
親子で介護していたり、幼いきょうだいの面倒を見ていたりする場合もあり、状況は千差万別だが、問題点の一つとして、学校生活や勉強への影響が挙げられる。学業の遅れや、友人関係が希薄になり孤立することも。進学や就職に影響を及ぼすこともあるという。
調査の検討委員会座長を務めた立正大学の森田久美子教授は、「最初は家族の手伝いだったのが、そのうち、頼りにされるようになり、役割が固定し、ケアの担い手となることが多い」と話す。
行政でも支援の動きが広がりつつあり、国でも支援策をまとめる方針だが、ケアを家庭だけの問題とせず、教職員、知り合い、親族等が、ケアを担う子どもに早期に気付き、ヘルパー等の福祉サービスにつなげることも必要だろう。
地域では、どう関われるのだろうか。森田教授は「気付きが大切」と指摘する。"あの子は、平日の昼間に、なぜ家にいるんだろう"という関心や"父親が病気で大変らしい"という情報からでよい、気に掛け、見守ってもらいたい。そして、ケアを担う子どもが助けを求める時には、気持ちを聞き、寄り添い、「君は一人ではないよ」と味方になってほしいと。
私たちの周囲には、家族の手伝いが生活の中心になっている子どもがいる。身近なところから力になれることを考えていきたい。
☆第3回本部幹部会・婦人部希望総会 原田会長のあいさつ
一、5・3「創価学会の日」を慶祝する「第3回本部幹部会」、ならびに婦人部結成70周年を記念する「希望総会」の開催、大変におめでとうございます(拍手)。
広宣流布、立正安国の諸活動を、最も推進してくださっている婦人部の皆さまに、心からの感謝と御礼を申し上げます。
そして、本日を飾るにふさわしい発表から、この希望総会をスタートさせていただきたいと思います。
◇永遠に広布拡大の「未来の門」を
一、これまで池田先生は「21世紀は『女性の世紀』である」と早くから語られ、21世紀を目前にした2000年の年末には、婦人部・女子部が連携して進む道を明確に示してくださり、全国各地に女性最高協議会が発足いたしました。以来、「わが"婦女一体"の麗しい連帯がある限り、学会は永遠に未来の門を開いていける」と、婦人部・女子部を温かく見守り、数多くの激励を送り続けてくださいました。
婦人部・女子部ともに、結成70周年という意義深き節目を迎えた本年は、学会創立100周年への「勝負の10年」の出発であり、今こそ池田先生のもとで「学会の永遠性」を確立すべき大事な時であります。
そこで、婦女一体の流れをより強くし、これまで以上に幅広い女性の連帯で、広布拡大と発展を目指していくために、このたび、池田先生にもご了承をいただき、「婦人部」と「女子部」を新たに「女性部」として、出発を切ることになりました。婦人部・女子部の皆さん、大変におめでとうございます(拍手)。
一、「女性部」発足の第1段階として、本年の5月3日に、現在の「婦人部」の名称を「女性部」へと変更することからスタートします。
その際、各階層の「婦人部長・副婦人部長」の役職名も、全て「女性部長・副女性部長」に変更します。たとえば、最前線の地区婦人部長は「地区女性部長」、地区副婦人部長は「地区副女性部長」に変更となります。
次に第2段階として、本年の11・18「創価学会創立記念日」を期して、現在の女子部も加えて「女性部」とし、全世代の女性の連帯を育む組織を構築していきます。
女子部も含めて「女性部」となった際は、既婚・未婚を問わず、20代までを「池田華陽会」、30代から40代を「ヤング白ゆり世代」とします。その上で、組織活動や役職などの詳細については、11月18日を期して発表することといたします。
◇"同世代の触発"と"幅広い世代の協力"
一、今や、社会進出によって働く女性が増加し、学会の中でも社会の第一線で、多彩な分野で活躍する女性が、一段と増えてまいりました。
ライフスタイルや価値観が多様化する中、「同世代での触発」と「幅広い世代が協力しての励まし」の両方が、これまで以上に重要となっています。
池田先生は、23世紀をも展望する「七つの鐘」構想を発表された2000年12月、20世紀最後の本部幹部会で、「日本の社会も、また創価学会も、女性の力が、もっと伸び伸びと発揮できるようになれば、もっと全体が勢いを増し、もっと良い方向へ進んでいくことは間違いない」と強調されました。
まさに今回の「女性部」の結成の眼目は、これまで以上に、一人一人が力を発揮できる体制をつくること、そして、同世代で触発し合い、また、幅広い世代が協力して励まし合いながら、新しい人材を増やし続け、永遠に未来の門を開いていくことにあります。
戸田先生のもとで生まれた婦人部・女子部が、結成70周年を節目に、池田先生のもとで「女性部」へと生まれ変わることとなりました。新たな出発を皆で最大にお祝いするとともに、この喜びを勢いに変えて、「勝負の10年」を開く本年の連続勝利へ、走り抜いてまいりましょう(拍手)。
☆聖教新聞創刊70周年 談話 萩本直樹代表理事
◇読者・配達員・支えてくださる全ての方々に感謝
聖教新聞はきょう、創刊70周年を迎えることができました。読者の皆さまをはじめ、「無冠の友」、新聞長、通信員、販売店、また、印刷、資材、輸送、広告など本紙を支えてくださっている全ての方々に心より感謝申し上げます。
昨年来のコロナ禍にあって、「何を発信するか」が改めて問われています。聖教新聞では感染症に関する正確な情報と幅広い視点を提供するために、青年部の代表と医学者との会議の内容をはじめ、識者へのインタビューや体験記事を通して試練を生き抜く視座を提示する「危機の時代を生きる」、奮闘する海外の同志の模様を伝える「世界の友は今」など、各種企画に取り組んできました。
ありがたいことに、多くの反響を頂いております。今後とも、仏法の生命観・社会観に根差し、懸命に生きる庶民に希望を届ける「人間の機関紙」としての使命を果たし抜いてまいります。
池田先生は聖教新聞の創刊の原点を、小説『新・人間革命』第14巻「大河」の章で詳細につづられています。
最大の苦境の渦中で悠然と広布の未来を展望された戸田先生と池田先生。その師弟の対話から誕生したことが、私たちの最大の誇りです。この峻厳な創刊の原点は、時代がいかに変わろうとも、永遠に忘れてはならないと心に期しています。
2ページ建ての旬刊(10日に1度)、5000部から出発した聖教新聞は、「日本中、世界中の人に読ませたい」との戸田先生の熱願を実現しようとされる池田先生の闘争によって、今日まで発展を続けてきました。現在、聖教電子版には206カ国・地域からアクセスがあり、海外52カ国・地域で90の姉妹紙誌が発行されています。
創刊70周年を記念して、今月13日付からは紙面を大幅にリニューアルしました。カラー紙面が倍増の8カ面となり、全体の文字も大きく、読みやすくしました。
これからも「師弟の言論城」の誇りを胸に、希望を送る紙面の制作に全力を挙げてまいります。
2021年4月25日日曜日
2021.04.25 わが友に贈る
手洗い・消毒・マスク着用
身体的距離の確保など
感染予防の基本を徹底!
大変な時だからこそ
友への励ましは一段と!
四条金吾殿御返事 P1143
『苦をば苦とさとり楽をば楽とひらき苦楽ともに思い合せて南無妙法蓮華経とうちとなへゐさせ給へ、これあに自受法楽にあらずや、いよいよ強盛の信力をいたし給へ』
【通解】
苦を苦と悟り、楽を楽と開き、苦楽ともに思い合わせて南無妙法蓮華経と唱えきっていきなさい。これこそ、自受法楽ではないですか。ますます強盛な信心をしていきなさい。
☆先生の指導
「法楽」とは、生きていること自体、存在していること自体に具わる確固たる安楽です。妙法と一体の大いなる生命力を満喫し、楽しむのです。自分自身が妙法の楽しみを受ける自受法楽の道は、この唱題以外にないと仰せなのです。
このような意義をもつ唱題行において、絶対に忘れてはならないことは、「妙法蓮華経とは自分自身のことである」という一点です。
この一点を忘れたら、いかに題目を唱えても、大聖人の教えられた唱題行とはかけ離れたものに陥ってしまいます。
名字の言 「今が知恵の出しどころ!」。ある壮年の挑戦 2021年4月25日
自動車修理工場を営む壮年宅に伺った。時節柄、大変な経営状況かと案じていたが、「いやー、史上最高に忙しい毎日ですよ」と順調そうなので、ほっとした▼聞けば"感染症に負けじ"と唱題に励み、以前にも増して顧客や友人・知人と、こまやかに連絡を取るようになったという。感染防止対策を講じながら相手と会い、電話やSNSでも「最近どうですか?」「何でも言ってください」と誠実に"御用聞き"を重ね、迅速に対応した。すると仕事が倍増したそうだ▼「うちは大企業のような資金はありませんが、小回りと気配りは負けません。今が知恵の出しどころ!」。意欲満々の笑顔に元気を頂いた▼同じ日、飲食店に入ると、近くのテーブルにいた二人連れの会話が聞こえてきた。「コロナで、どうにもこうにもならん」「誰か、何とかしてくれんかな……」。単純な比較は禁物だが、同じ試練に直面しても、心一つで捉え方は百八十度変わると感じた▼人生は、いつか、どこかで、誰かが幸せにしてくれるものではない。どんな苦境にあっても、強く祈り、勇気を出して挑戦を重ねれば、活路は開ける。ピンチさえチャンスに転じていける。「変毒為薬」の信仰の尊さを、改めて実感した一日だった。
寸鉄 2021年4月25日
相手に耳を傾ける会長の姿は対話の模範—博士。聞き上手こそ絆結ぶ一歩
江戸川「師弟勝利の日」。「信心の横綱」の誇り高く東京凱歌へ!突破口開け
生きた言葉の響きには心に染み入る力が—詩人。一本の電話も精魂込めて
各地で配達員永年表彰。尊き献身に深謝!朝一番の言論戦に福徳は燦然と
国連記念日。人類の連帯が危機克服の鍵。我らは足元から共生の思潮拡大
☆第3回本部幹部会・婦人部希望総会 池田先生のメッセージ
◇「女性の希望の世紀」を朗らかに 世界第一の桜梅桃李のスクラムで
◇学会は「女性の幸福勝利」こそ第一なり
一、わが婦人部・女子部の結成70年の偉大なる歴史を昇華して、颯爽と「女性部」の誕生、誠におめでとう!(大拍手)
日蓮大聖人は、「一代聖教の中には法華経第一・法華経の中には女人成仏第一なり」(御書1311ページ)と仰せであります。
ゆえに、我ら学会家族には、母たち・女性たちの「幸福勝利」こそ第一なり、であります。
戸田先生は、しみじみと語られました。
「いったい世界のどこに、民衆のために憂え、21世紀から末法万年尽未来際の世界を論じている女性がいるだろうか。あなたたちは、久遠の約束のもとに、選ばれて、ここにいるのだ」と。
御本仏が一切を御照覧であり、牧口・戸田両先生も見守っておられます。
どうか、安心して、いよいよ明るく誇り高く、いよいよ仲良く朗らかに、世界第一の「桜梅桃李」のスクラムを組んで、「女性の希望の世紀」すなわち「生命尊厳と平等そして平和の世紀」を創り光らせていってください。
◇創刊70年「世界の聖教」への発展に感謝 価値創造の言論革命を一段と
一、1951年4月20日、戸田先生は第2代会長就任に先駆けて、聖教新聞を創刊され、「民衆そして青年による言論革命」の鐘を打ち鳴らされました。
創刊満70年に当たり、尊き「無冠の友」をはじめ、聖教を支え、担い、広げてくださっている全ての方々に、心より御礼を申し上げます。
日本中、世界中の人に読ませたいとの師弟の祈りが結集して、今や聖教電子版は、じつに世界206カ国・地域というロマンあふれる広がりとなっています。
御聖訓には、妙法を弘めゆく文字の力、言論の力について——
「法華経の一字は、大地のようなものです。万物を生み出します。法華経の一字は、大海のようなものです。あらゆる川の流れを納めます。法華経の一字は、日月のようなものです。全世界を照らします。この法華経の一字が変じて仏となるのです」(同1263ページ、趣意)と記されております。
この壮大なる価値創造の力用を、わが地涌の青年部は、聖教新聞ならびに世界の姉妹紙誌と共に、一段と発揮していただきたい。
◇我らの「5・3」から凱歌の行進
一、今月の座談会では、日蓮大聖人の立宗宣言を偲び、諫暁八幡抄の一節を拝読し合いました。これは、創立の父・牧口先生が御書に線を引き、大切にされていた御金言であります。
すなわち——建長5年(1253年)4月28日の「立宗の日」から今月に至るまで「日蓮は、他事は一切ない。ただ妙法蓮華経の七字五字を日本国の一切衆生の口に入れようと励んできただけである。これはちょうど、母親が赤子の口に乳をふくませようとする慈悲と同じである」(同585ページ、趣意)と。
この大聖人の大慈大悲にして忍難弘通の大闘争を、そのまま現代世界に受け継いでいるのが、我ら創価学会の慈折広宣流布なのであります。
なかんずく、広布の母たち・女性たちが、自らの宿命と祈り戦いながら、悪口罵詈にも負けず、慈悲と勇気と忍耐で一人一人に太陽の仏法を語り切り、伝え抜いてきたからこそ、今日の平和・文化・教育の大連帯があることを、ゆめゆめ忘れてはなりません。
巡り来る5月3日「創価学会の日」「創価学会母の日」を期して、新生「女性部」と共々に、この学会精神の真髄を、今再び燃え上がらせ、妙法の大良薬の功力を、わが友にも、わが地域にも、わが国土にも満々と漲らせていこうではありませんか!
感激の同志と、異体同心、師弟不二の凱歌を断固と誓い合って、私のメッセージといたします(大拍手)。
☆聖教新聞創刊70周年 談話 原田稔会長
◇師弟の大闘争に貫かれた70年
かつて池田先生は語られました。
「私は、戸田先生から、十年間、徹底して、広宣流布の原理を教わった。師匠は原理、弟子は応用だ」
1962年(昭和37年)8月から始まった「御義口伝」講義で、私が学生部時代にいただいた、忘れ得ぬご指導です。
その12年前の8月、戸田先生は、若き日の池田先生に語られました。
「学会もいつか、なるべく早い機会に新聞をもたなければならんな」——50年(同25年)8月24日、戸田先生の事業が暗礁に乗り上げ、絶体絶命に陥る中で交わされたこの師弟の語らいが「聖教新聞創刊原点の日」の淵源となりました。
障魔の嵐の中で、師が示された「原理」。その見事な弟子の「応用」の実証こそ、"世界一の「教団の機関紙」"に発展した今日の聖教新聞です。
創刊から70年、誰よりも筆を振るい、詩歌や写真を提供し、紙面レイアウトから印刷・輸送・配達にまで心を砕き続けてくださった池田先生に、満腔の感謝をささげずにはいられません。
私自身、小説『人間革命』の連載が開始された時期に、担当記者をさせていただいたことは生涯の財産です。
その聖教に、池田先生の記事が掲載されない時代がありました。
忘恩と反逆の徒による陰険な画策によって、1年以上もそうした状況が続いた80年(同55年)7月26日、先生は神奈川の地で小説『人間革命』の連載再開を決断されました。先生は、当時の担当記者に言明されました。
「このままでは、学会員があまりにもかわいそうだ。多くの同志が『今の機関紙を見ても、何の希望も見いだせない。勇気も出ない』と言ってきている。大切な学会員を守る責務がある。元気を出せるように励ます責任もある。会員を絶対に守り抜くんだ。私は、断固として、矢面に立って戦う!」
この決然たる宣言から、先生は破邪顕正の言論闘争を再び開始され、邪悪の鉄鎖を断ち切り、世界広布の大道を切り開いてくださいました。
読者に希望と勇気を送る。会員を徹底して守り、励ます。正義のために矢面に立って戦う——先生が紙面を通して、示し続けてくださった「聖教魂」を、わが「原理」として、新しい時代に即して見事に「応用」することこそ、聖教の制作を受け継ぐ池田門下の絶対の責務である。そして、その責任を果たす先に、必ずや世界広布のさらなる躍進もあると確信しています。
読者の皆さま、「無冠の友」をはじめ、聖教に携わってくださる全ての方々に心から感謝し、創刊80周年へ、必ずや一層充実した紙面をお届けする決意です。
身体的距離の確保など
感染予防の基本を徹底!
大変な時だからこそ
友への励ましは一段と!
四条金吾殿御返事 P1143
『苦をば苦とさとり楽をば楽とひらき苦楽ともに思い合せて南無妙法蓮華経とうちとなへゐさせ給へ、これあに自受法楽にあらずや、いよいよ強盛の信力をいたし給へ』
【通解】
苦を苦と悟り、楽を楽と開き、苦楽ともに思い合わせて南無妙法蓮華経と唱えきっていきなさい。これこそ、自受法楽ではないですか。ますます強盛な信心をしていきなさい。
☆先生の指導
「法楽」とは、生きていること自体、存在していること自体に具わる確固たる安楽です。妙法と一体の大いなる生命力を満喫し、楽しむのです。自分自身が妙法の楽しみを受ける自受法楽の道は、この唱題以外にないと仰せなのです。
このような意義をもつ唱題行において、絶対に忘れてはならないことは、「妙法蓮華経とは自分自身のことである」という一点です。
この一点を忘れたら、いかに題目を唱えても、大聖人の教えられた唱題行とはかけ離れたものに陥ってしまいます。
名字の言 「今が知恵の出しどころ!」。ある壮年の挑戦 2021年4月25日
自動車修理工場を営む壮年宅に伺った。時節柄、大変な経営状況かと案じていたが、「いやー、史上最高に忙しい毎日ですよ」と順調そうなので、ほっとした▼聞けば"感染症に負けじ"と唱題に励み、以前にも増して顧客や友人・知人と、こまやかに連絡を取るようになったという。感染防止対策を講じながら相手と会い、電話やSNSでも「最近どうですか?」「何でも言ってください」と誠実に"御用聞き"を重ね、迅速に対応した。すると仕事が倍増したそうだ▼「うちは大企業のような資金はありませんが、小回りと気配りは負けません。今が知恵の出しどころ!」。意欲満々の笑顔に元気を頂いた▼同じ日、飲食店に入ると、近くのテーブルにいた二人連れの会話が聞こえてきた。「コロナで、どうにもこうにもならん」「誰か、何とかしてくれんかな……」。単純な比較は禁物だが、同じ試練に直面しても、心一つで捉え方は百八十度変わると感じた▼人生は、いつか、どこかで、誰かが幸せにしてくれるものではない。どんな苦境にあっても、強く祈り、勇気を出して挑戦を重ねれば、活路は開ける。ピンチさえチャンスに転じていける。「変毒為薬」の信仰の尊さを、改めて実感した一日だった。
寸鉄 2021年4月25日
相手に耳を傾ける会長の姿は対話の模範—博士。聞き上手こそ絆結ぶ一歩
江戸川「師弟勝利の日」。「信心の横綱」の誇り高く東京凱歌へ!突破口開け
生きた言葉の響きには心に染み入る力が—詩人。一本の電話も精魂込めて
各地で配達員永年表彰。尊き献身に深謝!朝一番の言論戦に福徳は燦然と
国連記念日。人類の連帯が危機克服の鍵。我らは足元から共生の思潮拡大
☆第3回本部幹部会・婦人部希望総会 池田先生のメッセージ
◇「女性の希望の世紀」を朗らかに 世界第一の桜梅桃李のスクラムで
◇学会は「女性の幸福勝利」こそ第一なり
一、わが婦人部・女子部の結成70年の偉大なる歴史を昇華して、颯爽と「女性部」の誕生、誠におめでとう!(大拍手)
日蓮大聖人は、「一代聖教の中には法華経第一・法華経の中には女人成仏第一なり」(御書1311ページ)と仰せであります。
ゆえに、我ら学会家族には、母たち・女性たちの「幸福勝利」こそ第一なり、であります。
戸田先生は、しみじみと語られました。
「いったい世界のどこに、民衆のために憂え、21世紀から末法万年尽未来際の世界を論じている女性がいるだろうか。あなたたちは、久遠の約束のもとに、選ばれて、ここにいるのだ」と。
御本仏が一切を御照覧であり、牧口・戸田両先生も見守っておられます。
どうか、安心して、いよいよ明るく誇り高く、いよいよ仲良く朗らかに、世界第一の「桜梅桃李」のスクラムを組んで、「女性の希望の世紀」すなわち「生命尊厳と平等そして平和の世紀」を創り光らせていってください。
◇創刊70年「世界の聖教」への発展に感謝 価値創造の言論革命を一段と
一、1951年4月20日、戸田先生は第2代会長就任に先駆けて、聖教新聞を創刊され、「民衆そして青年による言論革命」の鐘を打ち鳴らされました。
創刊満70年に当たり、尊き「無冠の友」をはじめ、聖教を支え、担い、広げてくださっている全ての方々に、心より御礼を申し上げます。
日本中、世界中の人に読ませたいとの師弟の祈りが結集して、今や聖教電子版は、じつに世界206カ国・地域というロマンあふれる広がりとなっています。
御聖訓には、妙法を弘めゆく文字の力、言論の力について——
「法華経の一字は、大地のようなものです。万物を生み出します。法華経の一字は、大海のようなものです。あらゆる川の流れを納めます。法華経の一字は、日月のようなものです。全世界を照らします。この法華経の一字が変じて仏となるのです」(同1263ページ、趣意)と記されております。
この壮大なる価値創造の力用を、わが地涌の青年部は、聖教新聞ならびに世界の姉妹紙誌と共に、一段と発揮していただきたい。
◇我らの「5・3」から凱歌の行進
一、今月の座談会では、日蓮大聖人の立宗宣言を偲び、諫暁八幡抄の一節を拝読し合いました。これは、創立の父・牧口先生が御書に線を引き、大切にされていた御金言であります。
すなわち——建長5年(1253年)4月28日の「立宗の日」から今月に至るまで「日蓮は、他事は一切ない。ただ妙法蓮華経の七字五字を日本国の一切衆生の口に入れようと励んできただけである。これはちょうど、母親が赤子の口に乳をふくませようとする慈悲と同じである」(同585ページ、趣意)と。
この大聖人の大慈大悲にして忍難弘通の大闘争を、そのまま現代世界に受け継いでいるのが、我ら創価学会の慈折広宣流布なのであります。
なかんずく、広布の母たち・女性たちが、自らの宿命と祈り戦いながら、悪口罵詈にも負けず、慈悲と勇気と忍耐で一人一人に太陽の仏法を語り切り、伝え抜いてきたからこそ、今日の平和・文化・教育の大連帯があることを、ゆめゆめ忘れてはなりません。
巡り来る5月3日「創価学会の日」「創価学会母の日」を期して、新生「女性部」と共々に、この学会精神の真髄を、今再び燃え上がらせ、妙法の大良薬の功力を、わが友にも、わが地域にも、わが国土にも満々と漲らせていこうではありませんか!
感激の同志と、異体同心、師弟不二の凱歌を断固と誓い合って、私のメッセージといたします(大拍手)。
☆聖教新聞創刊70周年 談話 原田稔会長
◇師弟の大闘争に貫かれた70年
かつて池田先生は語られました。
「私は、戸田先生から、十年間、徹底して、広宣流布の原理を教わった。師匠は原理、弟子は応用だ」
1962年(昭和37年)8月から始まった「御義口伝」講義で、私が学生部時代にいただいた、忘れ得ぬご指導です。
その12年前の8月、戸田先生は、若き日の池田先生に語られました。
「学会もいつか、なるべく早い機会に新聞をもたなければならんな」——50年(同25年)8月24日、戸田先生の事業が暗礁に乗り上げ、絶体絶命に陥る中で交わされたこの師弟の語らいが「聖教新聞創刊原点の日」の淵源となりました。
障魔の嵐の中で、師が示された「原理」。その見事な弟子の「応用」の実証こそ、"世界一の「教団の機関紙」"に発展した今日の聖教新聞です。
創刊から70年、誰よりも筆を振るい、詩歌や写真を提供し、紙面レイアウトから印刷・輸送・配達にまで心を砕き続けてくださった池田先生に、満腔の感謝をささげずにはいられません。
私自身、小説『人間革命』の連載が開始された時期に、担当記者をさせていただいたことは生涯の財産です。
その聖教に、池田先生の記事が掲載されない時代がありました。
忘恩と反逆の徒による陰険な画策によって、1年以上もそうした状況が続いた80年(同55年)7月26日、先生は神奈川の地で小説『人間革命』の連載再開を決断されました。先生は、当時の担当記者に言明されました。
「このままでは、学会員があまりにもかわいそうだ。多くの同志が『今の機関紙を見ても、何の希望も見いだせない。勇気も出ない』と言ってきている。大切な学会員を守る責務がある。元気を出せるように励ます責任もある。会員を絶対に守り抜くんだ。私は、断固として、矢面に立って戦う!」
この決然たる宣言から、先生は破邪顕正の言論闘争を再び開始され、邪悪の鉄鎖を断ち切り、世界広布の大道を切り開いてくださいました。
読者に希望と勇気を送る。会員を徹底して守り、励ます。正義のために矢面に立って戦う——先生が紙面を通して、示し続けてくださった「聖教魂」を、わが「原理」として、新しい時代に即して見事に「応用」することこそ、聖教の制作を受け継ぐ池田門下の絶対の責務である。そして、その責任を果たす先に、必ずや世界広布のさらなる躍進もあると確信しています。
読者の皆さま、「無冠の友」をはじめ、聖教に携わってくださる全ての方々に心から感謝し、創刊80周年へ、必ずや一層充実した紙面をお届けする決意です。
2021年4月24日土曜日
2021.04.24 わが友に贈る
晴れやかな本部幹部会・
婦人部希望総会を視聴し
勢いよく出発しよう!
栄光の「5・3」から
さらなる勇気の前進を!
開目抄下 P231
『順次生に必ず地獄に堕つべき者は重罪を造るとも現罰なし一闡提人これなり』
【通解】
順次生に、かならず地獄へ堕つべき悪業の因縁をもっているものは、現世に重罪をつくっても現罰がない。一闡提人はこれである。
名字の言 青年が20年間、大切にしている「しおり」 2021年4月24日
その昔、嵐が来ると植木屋の親方は得意先の庭を見て回った。嵐の後には瓦職人が手掛けてきた家々の屋根の無事を確かめに歩いたという▼それは顧客への義理立てではなく、「自分の仕事に対する誠意」と評論家の長谷川如是閑は記した。心と行動が強く結び付く「誠意」は仕事というより生活全体で養われる精神だ、とも(『くらしの伝統』主婦の友社)▼ある青年は手作りのしおりを大切にしている。20年前、創価大学に進学する際、未来部育成を担当していた青年部の先輩から贈られたものだった▼その先輩は家庭の事情で大学進学を断念した。"ならば、わが地域から英知の人材を送り出そう"と未来部員を励まし、成長を祈った。「役割だから」ではなく、「純粋な信念ゆえ」だろう。その行動は担当者を終えた後も続いた▼先日、青年が先輩と久方ぶりに再会をした。手には、あの日のしおり。そこには先輩の自筆で「民衆に学び続ける人は、行き詰まらない」との池田先生の言葉が。実は、励ましてきた後輩たちの頑張る姿に学んだ先輩も、一念発起し、働きながら創価大学の通信教育部を卒業していた。師の言葉通りに生きる先輩の実証が、今も皆を励ましていた。誠意が光る人生は美しい。(城)
寸鉄 2021年4月24日
「此を去って彼に行くには非ざるなり」御書。今、ここで勝つ為の仏法なり
常勝大阪・師弟誓願の日。徹底した激励に関西魂は脈動!鉄壁の人材城築け
日毎に今日より進んだ者となれ—詩人。われらは心新たに人間革命の道を
ネット中傷の投稿者開示が容易に—改正法成立。言葉の暴力許さぬ社会に
公明推進の高等教育無償化で進学率上昇と。格差埋める政治を押し進めよ
☆御書の旭光を 第21回 聖教は未来を照らす光
〈御文〉
『梵音声一切経と成って一切衆生を利益す、其の中に法華経は釈迦如来の書き顕して此の御音を文字と成し給う仏の御心はこの文字に備れり』(四条金吾殿御返事、1122ページ)
〈通解〉
梵音声(仏の声)が一切経となって一切衆生を利益するのである。その中でも法華経は、釈迦如来の御志を書きあらわして、釈迦如来の御音を文字となされたのであり、仏のお心はこの文字にそなわっている。
〈池田先生が贈る指針〉
仏典の文字は、万人を救う仏の祈りの結晶である。この妙なる文字の力を体現するのが、我らの聖教新聞だ。
創刊70年、「活字の力」で逆境に打ち勝つ勇気を送り、「映像の力」で人類を結ぶ民衆運動の真実を伝えてきた。
乱世なればこそ、生命力と笑顔あふれる聖教を掲げ、未来を照らす価値創造の智慧の光を!
☆「世界を照らす太陽の仏法」に学ぶ 第1回 一念の変革
新企画「紙上教学研さん『世界を照らす太陽の仏法』に学ぶ」では、各地のリーダーが、御書の御文と、「大白蓮華」に連載された池田先生の講義を教材に、勝利への要諦を語ります。第1回は、「一念の変革」をテーマに塩出総広島長が登場します。
◇三世諸仏総勘文教相廃立
『心の一法より国土世間も出来する事なり、一代聖教とは此の事を説きたるなり此れを八万四千の法蔵とは云うなり是れ皆悉く一人の身中の法門にて有るなり、然れば八万四千の法蔵は我身一人の日記文書なり、此の八万法蔵を我が心中に孕み持ち懐き持ちたり我が身中の心を以て仏と法と浄土とを我が身より外に思い願い求むるを迷いとは云うなり此の心が善悪の縁に値うて善悪の法をば造り出せるなり』(御書563ページ16行目〜564ページ1行目)
◇池田先生の講義から
自分が行動しても、それが本当に世界をよりよく変えられるのだろうか?
自分の力だけでは、何もすることができないのではないだろうか?
こうした無力感や諦めを打ち破って、"世界を変える主役は、汝自身なり!"と、真実に目覚めるように教えたのが仏法です。
「総勘文抄」には、「心の一法より国土世間も出来する事なり」と仰せです。一念の変革によって、この現実世界を変えていけると明かされています。変えることができないように思える国も、世界も、所詮、人間の集まりであり、人間の心がつくってきたものです。
だからこそ、社会や国土の変革の起点は、人間自身の心の変革にあるのです。「我身一人の日記文書」ゆえに、全ては一人の人間革命から始まるのです。
(中略)
人間と人間を結ぶために何よりも大切なのは、対話を続けることです。私たちが、法華経の修行の鑑である不軽菩薩のように、目の前の一人また一人と、諦めずに対話を貫くことは、自身の仏性を呼び覚まし、相手の仏性を呼び覚ますことでもあります。
(『人間革命の宗教』から)
◇塩出大作 総広島長 世界を変える主役は、汝自身!
「妙法の/轟きわたる/広島に/右に左に/幸の花咲け」
かつて池田先生が詠まれたお歌です。草創の先輩方は、原爆で焦土となった広島の大地に、幸福の花々を咲かせながら、師と共に平和の楽土建設へ駆けてこられました。
私は信心強盛な両親のもと、3人兄弟の末っ子として育ちました。10歳の時、本部総会で来県された先生と、広島文化会館で初めての出会いを。最敬礼して未来部に接してくださる先生の姿が心に焼き付いています。広島は私にとって師弟の誓いの天地なのです。
池田先生は、国土変革の原理を明かされた「三世諸仏総勘文教相廃立」の一節を通し、一念の変革から現実世界を変えていけることを講義されています。今こそ、先生の指導を学び、友情の拡大へ勇んで行動していきましょう。
◇我が身の日記文書
御文では「心の一法」つまり、一念によって、さまざまな国土の相違が生じてくると教えられています。釈尊一代の膨大な教えも、結局はこのことを説いたものであり、全て釈尊の身に当たる法門であるから「我身一人の日記文書」と仰せになっているのです。
先生はこの御文について、「変えることができないように思える国も、世界も、所詮、人間の集まりであり、人間の心がつくってきたものです。だからこそ、社会や国土の変革の起点は、人間自身の心の変革にあるのです」と述べられています。
結婚後、3年ほどして授かった第1子が重い心臓病で誕生しました。手術の前日、池田先生から慈愛あふれるご伝言が。一心不乱に題目を唱え、学会活動にまい進しました。子は40日間闘い抜き、使命の人生を全うしました。当時は方面男子部長でしたが、この間、多くの同志が子どものために題目を送ってくれました。
こんなにも温かな人間の集いは、ほかにない!——この経験を通して、どこか"分かったつもり"になっていた学会の温かさを、心の底から実感。学会の世界を築いてくださった先生への尽きせぬ感謝があふれました。まさに自身の一念が変わった時、心の景色が一変したのです。命を懸けて、わが子が仏法の偉大さを教えてくれたのだと感じられてなりません。その後、誕生した次男は後継の道を真っすぐ進み、今年、アメリカ創価大学に進学します。
どんな人も無限の可能性を秘めた宝の人であると尊敬し、最後まで励まし抜く。こうした先生の命を削る激闘によって、自他共の幸福のために祈り、行動する麗しい連帯が育まれてきたのです。先生が築かれた創価の世界を断じて守り、広げていく——この思いが私の原動力となっています。
◇希望にあふれ広布開拓
創立100周年までの10年を決する勝負の本年。今度は弟子が立ち、立正安国と人間革命の実証を示す時です。
私たちが対話拡大に挑むに当たっても、先生が示された"一念の変革が地域を変える"との原理は同じです。
時に、"あの人は話を聞いてくれないのではないか"と躊躇することもあるでしょう。しかし、そこには、環境や世間の喧騒などに紛動されている「迷い」があります。その迷いを打ち破るのが誓願の一念を込めた題目です。自分の心一つで国土の変革をもたらせるとの哲理に立てば、全ては自らの境涯革命の戦いに帰着します。私たちこそ"地域の灯台""日本の柱"との自覚に立ち、"あの人にも、この人にも語りたい"と、心を広げれば、広布の舞台は限りなく広がっていきます。広島を平和の楽土へと変えることは必ずできるのです。
先生は講義の中で、次のようにも、つづってくださっています。
「自分の力だけでは、何もすることができないのではないだろうか? こうした無力感や諦めを打ち破って、"世界を変える主役は、汝自身なり!"と、真実に目覚めるように教えたのが仏法です」
本年は中国広布の源流である山口開拓指導から65周年。自らの未踏の原野を切り開く思いで、縁する全ての人に希望の語らいを広げ、平和を築く"師弟共戦の日記文書"を共々につづっていきましょう。
◇メモ
本抄は略して「三世諸仏総勘文抄」「総勘文抄」とも呼ばれる。
題号の意は、釈尊の教えの違いを立て分け、方便の教えを廃して法華経を立てることが三世の全ての仏の総意である、ということである。
本抄では、仏の内心の覚りをそのまま説いた法華経こそ、真実の教えであることが示されている。
今回学ぶ御文では、この仏の覚りから一切の諸法が現れてくることを、言葉をもって衆生に教えようとしたのが八万四千の法蔵であると御教示されている。
婦人部希望総会を視聴し
勢いよく出発しよう!
栄光の「5・3」から
さらなる勇気の前進を!
開目抄下 P231
『順次生に必ず地獄に堕つべき者は重罪を造るとも現罰なし一闡提人これなり』
【通解】
順次生に、かならず地獄へ堕つべき悪業の因縁をもっているものは、現世に重罪をつくっても現罰がない。一闡提人はこれである。
名字の言 青年が20年間、大切にしている「しおり」 2021年4月24日
その昔、嵐が来ると植木屋の親方は得意先の庭を見て回った。嵐の後には瓦職人が手掛けてきた家々の屋根の無事を確かめに歩いたという▼それは顧客への義理立てではなく、「自分の仕事に対する誠意」と評論家の長谷川如是閑は記した。心と行動が強く結び付く「誠意」は仕事というより生活全体で養われる精神だ、とも(『くらしの伝統』主婦の友社)▼ある青年は手作りのしおりを大切にしている。20年前、創価大学に進学する際、未来部育成を担当していた青年部の先輩から贈られたものだった▼その先輩は家庭の事情で大学進学を断念した。"ならば、わが地域から英知の人材を送り出そう"と未来部員を励まし、成長を祈った。「役割だから」ではなく、「純粋な信念ゆえ」だろう。その行動は担当者を終えた後も続いた▼先日、青年が先輩と久方ぶりに再会をした。手には、あの日のしおり。そこには先輩の自筆で「民衆に学び続ける人は、行き詰まらない」との池田先生の言葉が。実は、励ましてきた後輩たちの頑張る姿に学んだ先輩も、一念発起し、働きながら創価大学の通信教育部を卒業していた。師の言葉通りに生きる先輩の実証が、今も皆を励ましていた。誠意が光る人生は美しい。(城)
寸鉄 2021年4月24日
「此を去って彼に行くには非ざるなり」御書。今、ここで勝つ為の仏法なり
常勝大阪・師弟誓願の日。徹底した激励に関西魂は脈動!鉄壁の人材城築け
日毎に今日より進んだ者となれ—詩人。われらは心新たに人間革命の道を
ネット中傷の投稿者開示が容易に—改正法成立。言葉の暴力許さぬ社会に
公明推進の高等教育無償化で進学率上昇と。格差埋める政治を押し進めよ
☆御書の旭光を 第21回 聖教は未来を照らす光
〈御文〉
『梵音声一切経と成って一切衆生を利益す、其の中に法華経は釈迦如来の書き顕して此の御音を文字と成し給う仏の御心はこの文字に備れり』(四条金吾殿御返事、1122ページ)
〈通解〉
梵音声(仏の声)が一切経となって一切衆生を利益するのである。その中でも法華経は、釈迦如来の御志を書きあらわして、釈迦如来の御音を文字となされたのであり、仏のお心はこの文字にそなわっている。
〈池田先生が贈る指針〉
仏典の文字は、万人を救う仏の祈りの結晶である。この妙なる文字の力を体現するのが、我らの聖教新聞だ。
創刊70年、「活字の力」で逆境に打ち勝つ勇気を送り、「映像の力」で人類を結ぶ民衆運動の真実を伝えてきた。
乱世なればこそ、生命力と笑顔あふれる聖教を掲げ、未来を照らす価値創造の智慧の光を!
☆「世界を照らす太陽の仏法」に学ぶ 第1回 一念の変革
新企画「紙上教学研さん『世界を照らす太陽の仏法』に学ぶ」では、各地のリーダーが、御書の御文と、「大白蓮華」に連載された池田先生の講義を教材に、勝利への要諦を語ります。第1回は、「一念の変革」をテーマに塩出総広島長が登場します。
◇三世諸仏総勘文教相廃立
『心の一法より国土世間も出来する事なり、一代聖教とは此の事を説きたるなり此れを八万四千の法蔵とは云うなり是れ皆悉く一人の身中の法門にて有るなり、然れば八万四千の法蔵は我身一人の日記文書なり、此の八万法蔵を我が心中に孕み持ち懐き持ちたり我が身中の心を以て仏と法と浄土とを我が身より外に思い願い求むるを迷いとは云うなり此の心が善悪の縁に値うて善悪の法をば造り出せるなり』(御書563ページ16行目〜564ページ1行目)
◇池田先生の講義から
自分が行動しても、それが本当に世界をよりよく変えられるのだろうか?
自分の力だけでは、何もすることができないのではないだろうか?
こうした無力感や諦めを打ち破って、"世界を変える主役は、汝自身なり!"と、真実に目覚めるように教えたのが仏法です。
「総勘文抄」には、「心の一法より国土世間も出来する事なり」と仰せです。一念の変革によって、この現実世界を変えていけると明かされています。変えることができないように思える国も、世界も、所詮、人間の集まりであり、人間の心がつくってきたものです。
だからこそ、社会や国土の変革の起点は、人間自身の心の変革にあるのです。「我身一人の日記文書」ゆえに、全ては一人の人間革命から始まるのです。
(中略)
人間と人間を結ぶために何よりも大切なのは、対話を続けることです。私たちが、法華経の修行の鑑である不軽菩薩のように、目の前の一人また一人と、諦めずに対話を貫くことは、自身の仏性を呼び覚まし、相手の仏性を呼び覚ますことでもあります。
(『人間革命の宗教』から)
◇塩出大作 総広島長 世界を変える主役は、汝自身!
「妙法の/轟きわたる/広島に/右に左に/幸の花咲け」
かつて池田先生が詠まれたお歌です。草創の先輩方は、原爆で焦土となった広島の大地に、幸福の花々を咲かせながら、師と共に平和の楽土建設へ駆けてこられました。
私は信心強盛な両親のもと、3人兄弟の末っ子として育ちました。10歳の時、本部総会で来県された先生と、広島文化会館で初めての出会いを。最敬礼して未来部に接してくださる先生の姿が心に焼き付いています。広島は私にとって師弟の誓いの天地なのです。
池田先生は、国土変革の原理を明かされた「三世諸仏総勘文教相廃立」の一節を通し、一念の変革から現実世界を変えていけることを講義されています。今こそ、先生の指導を学び、友情の拡大へ勇んで行動していきましょう。
◇我が身の日記文書
御文では「心の一法」つまり、一念によって、さまざまな国土の相違が生じてくると教えられています。釈尊一代の膨大な教えも、結局はこのことを説いたものであり、全て釈尊の身に当たる法門であるから「我身一人の日記文書」と仰せになっているのです。
先生はこの御文について、「変えることができないように思える国も、世界も、所詮、人間の集まりであり、人間の心がつくってきたものです。だからこそ、社会や国土の変革の起点は、人間自身の心の変革にあるのです」と述べられています。
結婚後、3年ほどして授かった第1子が重い心臓病で誕生しました。手術の前日、池田先生から慈愛あふれるご伝言が。一心不乱に題目を唱え、学会活動にまい進しました。子は40日間闘い抜き、使命の人生を全うしました。当時は方面男子部長でしたが、この間、多くの同志が子どものために題目を送ってくれました。
こんなにも温かな人間の集いは、ほかにない!——この経験を通して、どこか"分かったつもり"になっていた学会の温かさを、心の底から実感。学会の世界を築いてくださった先生への尽きせぬ感謝があふれました。まさに自身の一念が変わった時、心の景色が一変したのです。命を懸けて、わが子が仏法の偉大さを教えてくれたのだと感じられてなりません。その後、誕生した次男は後継の道を真っすぐ進み、今年、アメリカ創価大学に進学します。
どんな人も無限の可能性を秘めた宝の人であると尊敬し、最後まで励まし抜く。こうした先生の命を削る激闘によって、自他共の幸福のために祈り、行動する麗しい連帯が育まれてきたのです。先生が築かれた創価の世界を断じて守り、広げていく——この思いが私の原動力となっています。
◇希望にあふれ広布開拓
創立100周年までの10年を決する勝負の本年。今度は弟子が立ち、立正安国と人間革命の実証を示す時です。
私たちが対話拡大に挑むに当たっても、先生が示された"一念の変革が地域を変える"との原理は同じです。
時に、"あの人は話を聞いてくれないのではないか"と躊躇することもあるでしょう。しかし、そこには、環境や世間の喧騒などに紛動されている「迷い」があります。その迷いを打ち破るのが誓願の一念を込めた題目です。自分の心一つで国土の変革をもたらせるとの哲理に立てば、全ては自らの境涯革命の戦いに帰着します。私たちこそ"地域の灯台""日本の柱"との自覚に立ち、"あの人にも、この人にも語りたい"と、心を広げれば、広布の舞台は限りなく広がっていきます。広島を平和の楽土へと変えることは必ずできるのです。
先生は講義の中で、次のようにも、つづってくださっています。
「自分の力だけでは、何もすることができないのではないだろうか? こうした無力感や諦めを打ち破って、"世界を変える主役は、汝自身なり!"と、真実に目覚めるように教えたのが仏法です」
本年は中国広布の源流である山口開拓指導から65周年。自らの未踏の原野を切り開く思いで、縁する全ての人に希望の語らいを広げ、平和を築く"師弟共戦の日記文書"を共々につづっていきましょう。
◇メモ
本抄は略して「三世諸仏総勘文抄」「総勘文抄」とも呼ばれる。
題号の意は、釈尊の教えの違いを立て分け、方便の教えを廃して法華経を立てることが三世の全ての仏の総意である、ということである。
本抄では、仏の内心の覚りをそのまま説いた法華経こそ、真実の教えであることが示されている。
今回学ぶ御文では、この仏の覚りから一切の諸法が現れてくることを、言葉をもって衆生に教えようとしたのが八万四千の法蔵であると御教示されている。
2021年4月23日金曜日
2021.04.23 わが友に贈る
何ものにも紛動されない
不動の自己を築くのが
日蓮仏法の真髄だ。
今こそ信心の炎を燃やし
広布の道を進もう!
上野殿御返事 P1577
『仏の説いての給はく火に入りてやけぬ者はありとも大水に入りてぬれぬものはありとも大山は空へとぶとも大海は天へあがるとも末代悪世に入れば須臾の問も法華経は信じがたき事にて候ぞ』
【通解】
仏が説いて次のように言われた。たとえ火に入っても焼けない者があろうと、大水に入っても濡れない者があろうとも、大山が空へ飛ぶ事があろうとも、また大海が天へ上がるようなことがあろうとも、末法の悪世に入れば、たとえ少しの間でも法華経を信ずる事は難事なのであると。
名字の言 SGIと出あった著名な看護師 2021年4月23日
人間を信じ抜く——この姿勢を貫くことがどれほど困難か。長年、紛争地帯で医療活動を行った著名な看護師の半生がつづられた『クレア・バーチンガー自伝』(潮出版社、西田佳子訳)を読み、痛感した▼著者のバーチンガーさんは、戦場で負傷者を搬送するため、敵対する双方の司令官と何度も停戦交渉をした。親しく接すれば、誰もが家族を愛し、思いやりがあり、平和を望んでいることが分かった▼それが戦争で、言語に絶する残酷な経験をするうちに、人間が信じられなくなり、"暴力の実行者"と化してしまう。この連鎖を根本から断ち切る道は一体、どこにあるのか▼「光に満ちた世界への扉が開かれたような感じ」。SGIと出あった感動をバーチンガーさんはそう表現する。万人に仏性があると説き、どんな負の感情も智慧と慈悲に転じる仏法の哲理と実践。人の内面を変革し、やがて社会をも変えていく人間革命の連帯。それが池田先生のリーダーシップで世界に広がっている。この事実を知り、「私のなかにあった絶望が希望に変わった」と▼今ほど、互いの差異を超え、平和の道を開く方途が求められている時はない。「地球民族主義」を掲げて日々、友情と信頼を広げる私たちの使命は大きい。(実)
寸鉄 2021年4月23日
「法華経の兵法」で進め。"いざ"という時こそ強き祈りで。不退の信心貫け
三重県婦人部の日。女性の世紀の先頭走者!今日も元気で希望の声を発信
東京・北区栄光の日。創価の北極星はいつも煌々!智慧と勇気で断固勝利を
良書は世界への扉。読めば夢が広がる。心を育む。きょう「子ども読書の日」
「変異株」にも基本が有効と。3密回避、手洗い、マスクで互いの命守ろう
〈社説〉2021・4・23 きょうから「こどもの読書週間」
◇"私の本"を見つける応援を
新年度が始まって3週間が過ぎた。新しい生活が始まった子どもたちも、環境に慣れつつあるかもしれない。
『魔女の宅急便』で知られる作家の角野栄子さんは、小学1年生の子や孫に買ってあげるなら、ぜひ薦めたいものがあるという。それは「本棚」だ。
小さなものでいい。自分で読んで、好きになった"私の本"を一冊ずつ入れていく。時がたつにつれて本棚の内容は変わるが、本当に大事に思う本は残っていくもの。「その人の、その時が、その本の中に入っている」「成人になる頃には、自分だけの本棚ができあがっているはずだ」と(『「作家」と「魔女」の集まっちゃった思い出』、角川書店)。思いが詰まった本を集めた本棚は、かけがえのない宝箱となろう。
きょうから「こどもの読書週間」(5月12日まで)。変化の多い、先の見えない時代だからこそ、読書を通して、子どもたちに、自分で考え、自分なりの答えを見いだす力を養ってほしい。
昨年の第9回「きぼう作文コンクール」の読書感想文部門で入賞した少女部員。彼女が選んだ本は、リサ・クライン・ランサム著『希望の図書館』(松浦直美訳、ポプラ社)。戦後のアメリカで、母を亡くし、差別に苦しむ黒人の少年が、自分と同じ名前を持つ黒人の詩人の言葉と出合い、勇気を得て、成長していく物語である。
彼女は、この本が心を大きく広げてくれたとして、こうつづっている。「"本を読む大切な目的"に気が付いた。本を読むことは、自分の楽しみだけのためではない。人の心に寄りそえる、思いやりの心を深めていくためだ」と。
読書は自分では経験できないことを追体験でき、喜びや感動とともに、苦労や心の痛みにも触れることができる。それが心を豊かに耕し、精神の骨格を築いていく。
池田先生は語っている。「読書は『一生の財産』です。何ものにも代えがたい『心の栄養源』です。そして、読書は『万学の基礎』でもある。すべての学問の、基礎的な力を養うものとなるのです。読む力なくして、学問はありえません。読みぬく忍耐力なくして、学力の向上はない」
来る大型連休は、親子で読書に親しむ好機としたい。子どもたちが"私の本"を見つけ、"自分だけの本棚"をつくる応援をしよう。
☆不二の旅 第6回 池田先生と信越
◇不撓不屈の大城を
池田先生が各方面の友に贈ったスピーチや指針を、各地での激励の写真と共に掲載する「不二の旅」。第7回は、不撓不屈の魂で共戦の歴史を築いてきた、信越での激励行を紹介する。
・長野研修道場での青年部代表研修会で、参加者に温かな眼差しを注ぐ。この折、"「信濃ここにあり!」で勢いよく進もう"と望んだ(2008年8月)
・"水の信心"で信行学の実践を——松本平和会館の自由勤行会で同志を励ます池田先生(1982年8月、松本市内で)
・長野県総会で"信州人の伝統である「負けじ魂」を発揮し、勝利の人生を"と念願。4・26「長野の日」の淵源となった(1974年4月、長野市の長野市民体育館で)
・威風堂々たる人材城を築きゆけ——池田先生が長野研修道場でしたためた「人材の城」(1984年7月)
・新潟広布35周年を記念する新潟県総会・音楽祭で、池田先生が新潟県旗を手に。緑地に稲穂があしらわれ、中央には朱色で「勇気」の文字が(1991年5月、新潟池田文化会館で)
・"白鳥の湖"として知られる新潟の瓢湖(ひょうこ)で、居合わせた同志一人一人に声を掛け、激励する池田先生(1983年4月、現・阿賀野市で)
・池田先生が新潟の長岡会館を初訪問。豪雪地帯の労苦をねぎらいつつ、"厳しい環境でこそ強き人が育つ"等と期待を寄せた(1985年9月、長岡市内で)
・1983年に新潟の同志に贈られた「勇気」の二字。同年4月に池田先生が出席した新潟県総会が、4・14「新潟県の日」の淵源に
◇信越の友に贈った指針
正義を貫けば、迫害される。これが歴史の常だ。
その時に、知らん顔して戦わない。自分だけ、いい子になる。そういう、ずるい、だらしのない人間が、どれだけ民衆を苦しめてきたことか。
だからこそ私は、若い人を育てたい。青年から革命するのだ。
欺瞞と嫉妬と忘恩をはねのけ、同志のため、後継の友を育てるために、私は生きて生きて生き抜いていく。これが今の決心だ。
信越は、青年革命の模範となっていただきたい。
真実の師弟の歴史を叫ぶのだ。永遠に増上慢とは戦うのだ。それが日蓮大聖人の教えであるからだ。
信越の同志は、粘り強い。威張らない。傲慢がない。そこに偉大さが光っている。
晴れの日も、吹雪の時も、何があっても変わらずに、信義の道を誠実に歩んでいる。
恩師・戸田先生は、よく言われていた。
「仏勅をこうむって戦えば、仏の使いである。仏の使いは、仏と同じ力をもっているのである」
信越の皆さんは、この大確信に燃えて、わが生命の偉大なる仏の力を発揮し、広宣流布の師弟の大道を歩み抜いていただきたい。
戦おう! 正義を護るために。
いい人生を生きよう。私と一緒に!
「長野を見よ!」
「新潟を見よ!」
そう満天下に示しながら、堂々たる人材城を築いてもらいたい。
時は今だ。正義が勝つ新時代を開くのだ。「信越よ立ち上がれ!」と万感の期待を込めて叫びたい。
(信越代表者会議<2008年8月>でのスピーチから抜粋)
不動の自己を築くのが
日蓮仏法の真髄だ。
今こそ信心の炎を燃やし
広布の道を進もう!
上野殿御返事 P1577
『仏の説いての給はく火に入りてやけぬ者はありとも大水に入りてぬれぬものはありとも大山は空へとぶとも大海は天へあがるとも末代悪世に入れば須臾の問も法華経は信じがたき事にて候ぞ』
【通解】
仏が説いて次のように言われた。たとえ火に入っても焼けない者があろうと、大水に入っても濡れない者があろうとも、大山が空へ飛ぶ事があろうとも、また大海が天へ上がるようなことがあろうとも、末法の悪世に入れば、たとえ少しの間でも法華経を信ずる事は難事なのであると。
名字の言 SGIと出あった著名な看護師 2021年4月23日
人間を信じ抜く——この姿勢を貫くことがどれほど困難か。長年、紛争地帯で医療活動を行った著名な看護師の半生がつづられた『クレア・バーチンガー自伝』(潮出版社、西田佳子訳)を読み、痛感した▼著者のバーチンガーさんは、戦場で負傷者を搬送するため、敵対する双方の司令官と何度も停戦交渉をした。親しく接すれば、誰もが家族を愛し、思いやりがあり、平和を望んでいることが分かった▼それが戦争で、言語に絶する残酷な経験をするうちに、人間が信じられなくなり、"暴力の実行者"と化してしまう。この連鎖を根本から断ち切る道は一体、どこにあるのか▼「光に満ちた世界への扉が開かれたような感じ」。SGIと出あった感動をバーチンガーさんはそう表現する。万人に仏性があると説き、どんな負の感情も智慧と慈悲に転じる仏法の哲理と実践。人の内面を変革し、やがて社会をも変えていく人間革命の連帯。それが池田先生のリーダーシップで世界に広がっている。この事実を知り、「私のなかにあった絶望が希望に変わった」と▼今ほど、互いの差異を超え、平和の道を開く方途が求められている時はない。「地球民族主義」を掲げて日々、友情と信頼を広げる私たちの使命は大きい。(実)
寸鉄 2021年4月23日
「法華経の兵法」で進め。"いざ"という時こそ強き祈りで。不退の信心貫け
三重県婦人部の日。女性の世紀の先頭走者!今日も元気で希望の声を発信
東京・北区栄光の日。創価の北極星はいつも煌々!智慧と勇気で断固勝利を
良書は世界への扉。読めば夢が広がる。心を育む。きょう「子ども読書の日」
「変異株」にも基本が有効と。3密回避、手洗い、マスクで互いの命守ろう
〈社説〉2021・4・23 きょうから「こどもの読書週間」
◇"私の本"を見つける応援を
新年度が始まって3週間が過ぎた。新しい生活が始まった子どもたちも、環境に慣れつつあるかもしれない。
『魔女の宅急便』で知られる作家の角野栄子さんは、小学1年生の子や孫に買ってあげるなら、ぜひ薦めたいものがあるという。それは「本棚」だ。
小さなものでいい。自分で読んで、好きになった"私の本"を一冊ずつ入れていく。時がたつにつれて本棚の内容は変わるが、本当に大事に思う本は残っていくもの。「その人の、その時が、その本の中に入っている」「成人になる頃には、自分だけの本棚ができあがっているはずだ」と(『「作家」と「魔女」の集まっちゃった思い出』、角川書店)。思いが詰まった本を集めた本棚は、かけがえのない宝箱となろう。
きょうから「こどもの読書週間」(5月12日まで)。変化の多い、先の見えない時代だからこそ、読書を通して、子どもたちに、自分で考え、自分なりの答えを見いだす力を養ってほしい。
昨年の第9回「きぼう作文コンクール」の読書感想文部門で入賞した少女部員。彼女が選んだ本は、リサ・クライン・ランサム著『希望の図書館』(松浦直美訳、ポプラ社)。戦後のアメリカで、母を亡くし、差別に苦しむ黒人の少年が、自分と同じ名前を持つ黒人の詩人の言葉と出合い、勇気を得て、成長していく物語である。
彼女は、この本が心を大きく広げてくれたとして、こうつづっている。「"本を読む大切な目的"に気が付いた。本を読むことは、自分の楽しみだけのためではない。人の心に寄りそえる、思いやりの心を深めていくためだ」と。
読書は自分では経験できないことを追体験でき、喜びや感動とともに、苦労や心の痛みにも触れることができる。それが心を豊かに耕し、精神の骨格を築いていく。
池田先生は語っている。「読書は『一生の財産』です。何ものにも代えがたい『心の栄養源』です。そして、読書は『万学の基礎』でもある。すべての学問の、基礎的な力を養うものとなるのです。読む力なくして、学問はありえません。読みぬく忍耐力なくして、学力の向上はない」
来る大型連休は、親子で読書に親しむ好機としたい。子どもたちが"私の本"を見つけ、"自分だけの本棚"をつくる応援をしよう。
☆不二の旅 第6回 池田先生と信越
◇不撓不屈の大城を
池田先生が各方面の友に贈ったスピーチや指針を、各地での激励の写真と共に掲載する「不二の旅」。第7回は、不撓不屈の魂で共戦の歴史を築いてきた、信越での激励行を紹介する。
・長野研修道場での青年部代表研修会で、参加者に温かな眼差しを注ぐ。この折、"「信濃ここにあり!」で勢いよく進もう"と望んだ(2008年8月)
・"水の信心"で信行学の実践を——松本平和会館の自由勤行会で同志を励ます池田先生(1982年8月、松本市内で)
・長野県総会で"信州人の伝統である「負けじ魂」を発揮し、勝利の人生を"と念願。4・26「長野の日」の淵源となった(1974年4月、長野市の長野市民体育館で)
・威風堂々たる人材城を築きゆけ——池田先生が長野研修道場でしたためた「人材の城」(1984年7月)
・新潟広布35周年を記念する新潟県総会・音楽祭で、池田先生が新潟県旗を手に。緑地に稲穂があしらわれ、中央には朱色で「勇気」の文字が(1991年5月、新潟池田文化会館で)
・"白鳥の湖"として知られる新潟の瓢湖(ひょうこ)で、居合わせた同志一人一人に声を掛け、激励する池田先生(1983年4月、現・阿賀野市で)
・池田先生が新潟の長岡会館を初訪問。豪雪地帯の労苦をねぎらいつつ、"厳しい環境でこそ強き人が育つ"等と期待を寄せた(1985年9月、長岡市内で)
・1983年に新潟の同志に贈られた「勇気」の二字。同年4月に池田先生が出席した新潟県総会が、4・14「新潟県の日」の淵源に
◇信越の友に贈った指針
正義を貫けば、迫害される。これが歴史の常だ。
その時に、知らん顔して戦わない。自分だけ、いい子になる。そういう、ずるい、だらしのない人間が、どれだけ民衆を苦しめてきたことか。
だからこそ私は、若い人を育てたい。青年から革命するのだ。
欺瞞と嫉妬と忘恩をはねのけ、同志のため、後継の友を育てるために、私は生きて生きて生き抜いていく。これが今の決心だ。
信越は、青年革命の模範となっていただきたい。
真実の師弟の歴史を叫ぶのだ。永遠に増上慢とは戦うのだ。それが日蓮大聖人の教えであるからだ。
信越の同志は、粘り強い。威張らない。傲慢がない。そこに偉大さが光っている。
晴れの日も、吹雪の時も、何があっても変わらずに、信義の道を誠実に歩んでいる。
恩師・戸田先生は、よく言われていた。
「仏勅をこうむって戦えば、仏の使いである。仏の使いは、仏と同じ力をもっているのである」
信越の皆さんは、この大確信に燃えて、わが生命の偉大なる仏の力を発揮し、広宣流布の師弟の大道を歩み抜いていただきたい。
戦おう! 正義を護るために。
いい人生を生きよう。私と一緒に!
「長野を見よ!」
「新潟を見よ!」
そう満天下に示しながら、堂々たる人材城を築いてもらいたい。
時は今だ。正義が勝つ新時代を開くのだ。「信越よ立ち上がれ!」と万感の期待を込めて叫びたい。
(信越代表者会議<2008年8月>でのスピーチから抜粋)
2021年4月22日木曜日
2021.04.22 わが友に贈る
一日の激しい気温差に
十分に注意しよう。
適切な食事・運動・睡眠等
規則正しい生活が
自身の免疫力を高める。
一昨日御書 P183
『仏の出世は専ら衆生を救わんが為なり』
【通解】
仏がこの世に出現されたのは、ひとえに生きとし生けるものを救うためである。
名字の言 あすから「こどもの読書週間」 2021年4月22日
あす23日は「子ども読書の日」。「子どもの読書活動の推進に関する法律」によって制定され、本年で20回目だ▼福島県教育委員会が先月、発表した調査では、1カ月の平均読書冊数は小学生12冊、中学生2・8冊、高校生1・6冊。また1カ月間の読書が0冊と答えたのは、小学生1・3%、中学生16%、高校生40・9%で、学年が上がるほど読書離れが進む結果となった▼高校生の1日のインターネット利用時間は4時間超というデータも(内閣府調査)。時間は有限。その時間はSNSや動画、ゲームなどに費やされ、本にまで手が伸びなくなるのも一因だろう▼ネットで情報をつかむのもいいが、人生を変えるほどの「学び」を得るのに、本に勝る媒体はない。特に、読み継がれてきた古典に、外れは少ない。「良き本を読むことは、良き人生を創り、良き人生を生きていくこと」と池田先生は語る▼人間は本来、知りたい、学びたい存在である。本に触れるきっかけを上手につくってあげたい。それにはどうするか。高校生までを対象にした、本年の「こどもの読書週間」(23日〜5月12日)の標語は「いっしょに よもう、いっぱい よもう」。時間を工夫し、大人が5分でも10分でも本を読む姿を見せることだ。(誼)
寸鉄 2021年4月22日
寸暇を惜しんで、題目をあげるのだ!—戸田先生大情熱の祈りで活路開け
「年は・わかうなり福はかさなり候べし」御書。多宝会は"幸齢社会"の鑑
地球の日。心の変革こそ持続可能な未来築く鍵。依正不二の智慧を世界に
警官装い銀行カード持ち去る詐欺相次ぐ。都内で年7億円。絶対渡すな
公明は科学的知見重視し確保を推進—名誉教授。生命守る政治更に加速を
〈社説〉 2021・4・22 きょう「アースデー」
◇価値創造の行動で変革を!
ダイエットで成功する秘訣の一つが、「今の自分の体質を知る」ことであるという。これは、自分に合った方法で実践することができるからだ。何事も「変革」が求められている時には、「現状を知る」ことが重要という一つの事例といえよう。
世界は今、まん延する新型コロナウイルスだけでなく、地球温暖化や水・食糧問題などさまざまな問題に直面している。環境問題にあっては温暖化が進むことにより、集中豪雨、干ばつ、熱波などの異常気象を引き起こすことになっている。それだけでなく、動植物などの生態系にも厳しい影響を及ぼしている。
きょう22日は「アースデー」。1970年、全米各地で2000万人以上の人々が集い、環境問題の解決を訴えたのを端緒として世界に啓発の裾野が広がってきた。
日本政府は昨年末、2050年に温室効果ガス排出を実質ゼロとする「カーボンニュートラル」の実現に向けた実行計画「グリーン成長戦略」を発表した。
また、脱プラスチックへの先駆けの取り組みとして昨年7月にレジ袋有料化が施行。開始より半年以上がたち、スーパーでのレジ袋辞退率は80%にまで上ったことが環境省のとりまとめで分かった。小さな行動の変化の積み重ねが、大きな変化につながることを示していよう。
こうした取り組みの効果もあり、30年までの温室効果ガス排出削減目標について「13年比45%減」へ大幅に上げる方針で調整するなど期待が高まる。
一方、30年へ向けては、国際社会の指標「SDGs(持続可能な開発目標)」の推進も重要である。17の目標には「気候変動に具体的な対策を」や「海の豊かさを守ろう」などが掲げられており、目標にひもづけられた169のターゲットの中にも細かく温暖化防止への取り組みが挙げられている。
仏法では「依正不二」を説く。「依報」は環境であり、「正報」は人間自身を意味する。人間と環境は、切り離すことのできない関係にある。環境をより良く変えていく主体は、私たち自身に他ならないのだ。
地球環境のために、自分も何かができる!——この一人一人の意識変革を起点として、環境問題の現状を正しく知り、危機の時代を乗り越える価値創造の一歩を踏み出していきたい。
☆ヒーローズ 逆境を勝ち越えた英雄たち 第6回 シモン・ボリバル
〈シモン・ボリバル〉
たじろがず、信念をもって戦うのだ。
人間がなしうる最も素晴らしいことは
人に光を与える仕事である。
ある人いわく。「彼は人種を解放し、大陸を目覚めさせ、諸国民の自覚を促した」と。
またいわく。「彼は太陽のように氷を解かし、万物を豊かにし、光を与え焦がす力を持つ」と。
「彼」の名はシモン・ボリバル。「人間がなしうる最も素晴らしいことは人に光を与える仕事である」——この確信のままに、コロンビア、ベネズエラ、ペルー、エクアドル、ボリビアを独立へと導いた「南米の解放者」の一人である。
日本ではなじみが薄いが、ラテンアメリカでボリバルの存在を知らない人は、ほとんどいない。その功績を顕彰して建てられた像は、南米各国の至る所で見ることができる。
「たじろぐことは、敗北すること」「信念をもって戦い抜く民衆は、最後に必ず勝つ」
彼が残した言葉は、今に通じる人生哲学として、不朽の輝きを放ち続ける。
ボリバルは1783年7月、スペインの植民地支配下にあったベネズエラのカラカスで生まれた。幼少期に相次ぎ両親を亡くすが、少年時代に出会った一人の教師から大きな啓発を受ける。同国が生んだ大教育者のシモン・ロドリゲスである。
師のもとで心身を鍛錬した彼は、自らの見聞を広げるため、海を渡りスペインへ(99年)。叔父の友人で、カラカス出身のヘロニモ・デ・ウスタリス侯爵宅にある膨大な書物を読みあさり、あらゆる知識を習得した。侯爵は、イスパノアメリカ(=アメリカ大陸のスペイン語圏諸国)がいずれ植民地支配から離脱する日が訪れるとの信念を語るなど、ボリバルの精神形成に影響を及ぼしたといわれる。
さらにこの時期、ボリバルは現地で出会った女性と結婚。だが幸せな日々は長く続かず、祖国に戻って数カ月後、妻は黄熱病で帰らぬ人になってしまう。
後にボリバルは述べている。
「もし妻を失っていなかったなら、私の人生は別のものになっていただろう。将軍ボリバルにも、解放者にもなっていなかっただろう」
逆境が人を鍛える。試練が魂を強くする。悲嘆に暮れる中、彼は再び欧州へ向かった。それは「南米解放」へと立ち上がる誓願の旅路となった。
〈シモン・ボリバル〉
指導者は他人の意見に耳を傾けよ。
栄光とは命令することではなく、
偉大な善徳を実践することである。
1804年、マドリードに到着したボリバルは、妻の家族に遺品を届けた後、師と仰ぐロドリゲスとパリで再会する。
ロドリゲスは、ベネズエラの独立計画に関与した疑いによって逮捕・投獄され、釈放後に祖国から亡命していた。
再び巡り合った師弟は、イタリアへの旅に出る。それはボリバルにとって、新たな知識を身に付ける喜びの日々となった。
翌年、ローマを訪れた時のこと。「永遠の都」を望む「モンテ・サクロの丘」に立ち、ロドリゲスはボリバルに言った。
「イスパノアメリカを解放するときが到来した。君はそれをしなければならない」
「大切なことは、行動を起こすことである」
弟子は答えた。
「祖国のために、私は誓います。スペインの権力によって私たちがつながれている鎖を断つまで、私の腕に休息を、私の心に安らぎを与えないことを」
やがて帰国したボリバルは、若き指導者の一人として決然と行動を開始する。祖国の独立と共和国の樹立に向け、人種、年齢、性別などの違いを問わず、幅広い人材を糾合。集会で独立を促す演説を行い、ベネズエラの人々に「団結」を訴えた。
だが解放への道は決して平坦ではなかった。1812年、独立戦争が始まり、共和国の司令官に就いたボリバルだったが、仲間に裏切られ、亡命を余儀なくされる。
その後も幾度となく試練に襲われた。それでも彼は不屈の闘争を貫き、最初の戦いから12年後、ついに南米5カ国に自由をもたらしたのである。
ボリバルには「一人立つ勇気」があり「一人を大切にする心」があった。それこそが「自由と栄光の達成」という目標を成し遂げる力となったに違いない。
彼は述べている。
「強さのない所に徳はなく、勇気のない所に栄光はない」
「栄光とは命令することではなく、偉大な善徳を実践することである」
「私が毎日他人の意見を聞きながら、苛立つことがないのは、指導者たる者はいかに厳しい真実であっても、他人の意見に耳を傾けるべきだからであり、意見を聞いた後は、誤りを生み出す欠点を正すためにそこから学ばねばならない」
独立戦争の終結から6年後、ボリバルは47歳という若さで、激動の生涯を終えた。"ラテンアメリカよ、永遠なれ!"——この理想は、後世にまで大きな影響を与えている。
〈シモン・ボリバルを語る池田先生〉
「勇気は不幸に終止符を打つ」
大切なのは「勇気」である。
"あと一歩""もう一歩"と
自身の限界を乗り越えて
進むところに勝利の道は開ける。
池田先生は青春時代からボリバルを尊敬し、彼が解放した国々と深い友好を結んできた。
ペルー、コロンビア、ベネズエラ、ボリビアからは国家勲章が叙勲されるなど、ボリバルの精神と共鳴する平和建設への貢献に、惜しみない称賛が寄せられている。
1993年2月には、コロンビア政府の招へいで同国を初訪問。相次ぐテロ事件により、国内に非常事態宣言が出されていたが、危険を顧みることなく信義を貫いた。
滞在中、先生は首都ボゴタにある「シモン・ボリバルの家」へ。庭に面した壁には、亡くなる1週間前に彼が残した遺言がとどめられていた。
「私の最後の願いは祖国の幸福にある」と。
出迎えたディアナ・トーレス館長に、先生は述べている。
「(47歳で亡くなったボリバルは)短い一生と言えるかもしれません。しかし、人間は、『どれだけ生きたか』以上に『どれだけの仕事を残したか』が大事です。私の恩師も、決して長い人生とはいえませんでした(58歳で逝去)。しかし永遠の業績を残しました」
また、ボリバルについて、これまで何度も紹介してきたことに言及し、「彼の『哲学』には永遠性があります。今なお、すべての指導者にとって価値があります」とも語っている。
その後も先生は、ボリバルの生涯や言葉を通して、世界の友に指針を贈り続けてきた。
「ボリバルは訴えた。
『勇気によって、不幸に終止符を打つことができる』(中略)
大切なのは『勇気』である。"あと一歩""もう一歩"と自身の限界を乗り越えて進むところに勝利の道は開ける」(2003年10月10日、各部代表協議会でのスピーチ)
「『私は困難を恐れなかった。それは、大いなる事業への情熱に燃えていたからだ』
『団結しよう、されば我らは無敵となる』
深き信念と情熱が、歴史を切り開く。大事業を成し遂げる力となる。そして大切なのは『団結』である。心を合わせることだ。我らは、永遠に『異体同心の団結』で勝利したい」(06年3月21日、春季彼岸勤行法要でのスピーチ)
限界を突破する勇気を!
心を一つにする団結を!
ここに広布の方程式があることを忘れまい。
——南米の独立を実現する直前、人生最大の窮地に立たされたボリバルは、ただ一言、こう叫び、同志を鼓舞したという。
「勝利するのだ!」
十分に注意しよう。
適切な食事・運動・睡眠等
規則正しい生活が
自身の免疫力を高める。
一昨日御書 P183
『仏の出世は専ら衆生を救わんが為なり』
【通解】
仏がこの世に出現されたのは、ひとえに生きとし生けるものを救うためである。
名字の言 あすから「こどもの読書週間」 2021年4月22日
あす23日は「子ども読書の日」。「子どもの読書活動の推進に関する法律」によって制定され、本年で20回目だ▼福島県教育委員会が先月、発表した調査では、1カ月の平均読書冊数は小学生12冊、中学生2・8冊、高校生1・6冊。また1カ月間の読書が0冊と答えたのは、小学生1・3%、中学生16%、高校生40・9%で、学年が上がるほど読書離れが進む結果となった▼高校生の1日のインターネット利用時間は4時間超というデータも(内閣府調査)。時間は有限。その時間はSNSや動画、ゲームなどに費やされ、本にまで手が伸びなくなるのも一因だろう▼ネットで情報をつかむのもいいが、人生を変えるほどの「学び」を得るのに、本に勝る媒体はない。特に、読み継がれてきた古典に、外れは少ない。「良き本を読むことは、良き人生を創り、良き人生を生きていくこと」と池田先生は語る▼人間は本来、知りたい、学びたい存在である。本に触れるきっかけを上手につくってあげたい。それにはどうするか。高校生までを対象にした、本年の「こどもの読書週間」(23日〜5月12日)の標語は「いっしょに よもう、いっぱい よもう」。時間を工夫し、大人が5分でも10分でも本を読む姿を見せることだ。(誼)
寸鉄 2021年4月22日
寸暇を惜しんで、題目をあげるのだ!—戸田先生大情熱の祈りで活路開け
「年は・わかうなり福はかさなり候べし」御書。多宝会は"幸齢社会"の鑑
地球の日。心の変革こそ持続可能な未来築く鍵。依正不二の智慧を世界に
警官装い銀行カード持ち去る詐欺相次ぐ。都内で年7億円。絶対渡すな
公明は科学的知見重視し確保を推進—名誉教授。生命守る政治更に加速を
〈社説〉 2021・4・22 きょう「アースデー」
◇価値創造の行動で変革を!
ダイエットで成功する秘訣の一つが、「今の自分の体質を知る」ことであるという。これは、自分に合った方法で実践することができるからだ。何事も「変革」が求められている時には、「現状を知る」ことが重要という一つの事例といえよう。
世界は今、まん延する新型コロナウイルスだけでなく、地球温暖化や水・食糧問題などさまざまな問題に直面している。環境問題にあっては温暖化が進むことにより、集中豪雨、干ばつ、熱波などの異常気象を引き起こすことになっている。それだけでなく、動植物などの生態系にも厳しい影響を及ぼしている。
きょう22日は「アースデー」。1970年、全米各地で2000万人以上の人々が集い、環境問題の解決を訴えたのを端緒として世界に啓発の裾野が広がってきた。
日本政府は昨年末、2050年に温室効果ガス排出を実質ゼロとする「カーボンニュートラル」の実現に向けた実行計画「グリーン成長戦略」を発表した。
また、脱プラスチックへの先駆けの取り組みとして昨年7月にレジ袋有料化が施行。開始より半年以上がたち、スーパーでのレジ袋辞退率は80%にまで上ったことが環境省のとりまとめで分かった。小さな行動の変化の積み重ねが、大きな変化につながることを示していよう。
こうした取り組みの効果もあり、30年までの温室効果ガス排出削減目標について「13年比45%減」へ大幅に上げる方針で調整するなど期待が高まる。
一方、30年へ向けては、国際社会の指標「SDGs(持続可能な開発目標)」の推進も重要である。17の目標には「気候変動に具体的な対策を」や「海の豊かさを守ろう」などが掲げられており、目標にひもづけられた169のターゲットの中にも細かく温暖化防止への取り組みが挙げられている。
仏法では「依正不二」を説く。「依報」は環境であり、「正報」は人間自身を意味する。人間と環境は、切り離すことのできない関係にある。環境をより良く変えていく主体は、私たち自身に他ならないのだ。
地球環境のために、自分も何かができる!——この一人一人の意識変革を起点として、環境問題の現状を正しく知り、危機の時代を乗り越える価値創造の一歩を踏み出していきたい。
☆ヒーローズ 逆境を勝ち越えた英雄たち 第6回 シモン・ボリバル
〈シモン・ボリバル〉
たじろがず、信念をもって戦うのだ。
人間がなしうる最も素晴らしいことは
人に光を与える仕事である。
ある人いわく。「彼は人種を解放し、大陸を目覚めさせ、諸国民の自覚を促した」と。
またいわく。「彼は太陽のように氷を解かし、万物を豊かにし、光を与え焦がす力を持つ」と。
「彼」の名はシモン・ボリバル。「人間がなしうる最も素晴らしいことは人に光を与える仕事である」——この確信のままに、コロンビア、ベネズエラ、ペルー、エクアドル、ボリビアを独立へと導いた「南米の解放者」の一人である。
日本ではなじみが薄いが、ラテンアメリカでボリバルの存在を知らない人は、ほとんどいない。その功績を顕彰して建てられた像は、南米各国の至る所で見ることができる。
「たじろぐことは、敗北すること」「信念をもって戦い抜く民衆は、最後に必ず勝つ」
彼が残した言葉は、今に通じる人生哲学として、不朽の輝きを放ち続ける。
ボリバルは1783年7月、スペインの植民地支配下にあったベネズエラのカラカスで生まれた。幼少期に相次ぎ両親を亡くすが、少年時代に出会った一人の教師から大きな啓発を受ける。同国が生んだ大教育者のシモン・ロドリゲスである。
師のもとで心身を鍛錬した彼は、自らの見聞を広げるため、海を渡りスペインへ(99年)。叔父の友人で、カラカス出身のヘロニモ・デ・ウスタリス侯爵宅にある膨大な書物を読みあさり、あらゆる知識を習得した。侯爵は、イスパノアメリカ(=アメリカ大陸のスペイン語圏諸国)がいずれ植民地支配から離脱する日が訪れるとの信念を語るなど、ボリバルの精神形成に影響を及ぼしたといわれる。
さらにこの時期、ボリバルは現地で出会った女性と結婚。だが幸せな日々は長く続かず、祖国に戻って数カ月後、妻は黄熱病で帰らぬ人になってしまう。
後にボリバルは述べている。
「もし妻を失っていなかったなら、私の人生は別のものになっていただろう。将軍ボリバルにも、解放者にもなっていなかっただろう」
逆境が人を鍛える。試練が魂を強くする。悲嘆に暮れる中、彼は再び欧州へ向かった。それは「南米解放」へと立ち上がる誓願の旅路となった。
〈シモン・ボリバル〉
指導者は他人の意見に耳を傾けよ。
栄光とは命令することではなく、
偉大な善徳を実践することである。
1804年、マドリードに到着したボリバルは、妻の家族に遺品を届けた後、師と仰ぐロドリゲスとパリで再会する。
ロドリゲスは、ベネズエラの独立計画に関与した疑いによって逮捕・投獄され、釈放後に祖国から亡命していた。
再び巡り合った師弟は、イタリアへの旅に出る。それはボリバルにとって、新たな知識を身に付ける喜びの日々となった。
翌年、ローマを訪れた時のこと。「永遠の都」を望む「モンテ・サクロの丘」に立ち、ロドリゲスはボリバルに言った。
「イスパノアメリカを解放するときが到来した。君はそれをしなければならない」
「大切なことは、行動を起こすことである」
弟子は答えた。
「祖国のために、私は誓います。スペインの権力によって私たちがつながれている鎖を断つまで、私の腕に休息を、私の心に安らぎを与えないことを」
やがて帰国したボリバルは、若き指導者の一人として決然と行動を開始する。祖国の独立と共和国の樹立に向け、人種、年齢、性別などの違いを問わず、幅広い人材を糾合。集会で独立を促す演説を行い、ベネズエラの人々に「団結」を訴えた。
だが解放への道は決して平坦ではなかった。1812年、独立戦争が始まり、共和国の司令官に就いたボリバルだったが、仲間に裏切られ、亡命を余儀なくされる。
その後も幾度となく試練に襲われた。それでも彼は不屈の闘争を貫き、最初の戦いから12年後、ついに南米5カ国に自由をもたらしたのである。
ボリバルには「一人立つ勇気」があり「一人を大切にする心」があった。それこそが「自由と栄光の達成」という目標を成し遂げる力となったに違いない。
彼は述べている。
「強さのない所に徳はなく、勇気のない所に栄光はない」
「栄光とは命令することではなく、偉大な善徳を実践することである」
「私が毎日他人の意見を聞きながら、苛立つことがないのは、指導者たる者はいかに厳しい真実であっても、他人の意見に耳を傾けるべきだからであり、意見を聞いた後は、誤りを生み出す欠点を正すためにそこから学ばねばならない」
独立戦争の終結から6年後、ボリバルは47歳という若さで、激動の生涯を終えた。"ラテンアメリカよ、永遠なれ!"——この理想は、後世にまで大きな影響を与えている。
〈シモン・ボリバルを語る池田先生〉
「勇気は不幸に終止符を打つ」
大切なのは「勇気」である。
"あと一歩""もう一歩"と
自身の限界を乗り越えて
進むところに勝利の道は開ける。
池田先生は青春時代からボリバルを尊敬し、彼が解放した国々と深い友好を結んできた。
ペルー、コロンビア、ベネズエラ、ボリビアからは国家勲章が叙勲されるなど、ボリバルの精神と共鳴する平和建設への貢献に、惜しみない称賛が寄せられている。
1993年2月には、コロンビア政府の招へいで同国を初訪問。相次ぐテロ事件により、国内に非常事態宣言が出されていたが、危険を顧みることなく信義を貫いた。
滞在中、先生は首都ボゴタにある「シモン・ボリバルの家」へ。庭に面した壁には、亡くなる1週間前に彼が残した遺言がとどめられていた。
「私の最後の願いは祖国の幸福にある」と。
出迎えたディアナ・トーレス館長に、先生は述べている。
「(47歳で亡くなったボリバルは)短い一生と言えるかもしれません。しかし、人間は、『どれだけ生きたか』以上に『どれだけの仕事を残したか』が大事です。私の恩師も、決して長い人生とはいえませんでした(58歳で逝去)。しかし永遠の業績を残しました」
また、ボリバルについて、これまで何度も紹介してきたことに言及し、「彼の『哲学』には永遠性があります。今なお、すべての指導者にとって価値があります」とも語っている。
その後も先生は、ボリバルの生涯や言葉を通して、世界の友に指針を贈り続けてきた。
「ボリバルは訴えた。
『勇気によって、不幸に終止符を打つことができる』(中略)
大切なのは『勇気』である。"あと一歩""もう一歩"と自身の限界を乗り越えて進むところに勝利の道は開ける」(2003年10月10日、各部代表協議会でのスピーチ)
「『私は困難を恐れなかった。それは、大いなる事業への情熱に燃えていたからだ』
『団結しよう、されば我らは無敵となる』
深き信念と情熱が、歴史を切り開く。大事業を成し遂げる力となる。そして大切なのは『団結』である。心を合わせることだ。我らは、永遠に『異体同心の団結』で勝利したい」(06年3月21日、春季彼岸勤行法要でのスピーチ)
限界を突破する勇気を!
心を一つにする団結を!
ここに広布の方程式があることを忘れまい。
——南米の独立を実現する直前、人生最大の窮地に立たされたボリバルは、ただ一言、こう叫び、同志を鼓舞したという。
「勝利するのだ!」
2021年4月21日水曜日
2021.04.21 わが友に贈る
御書は人生の羅針盤。
学び深めた教学は
魂の滋養となる!
自身の弱さに打ち勝つ
揺るがぬ土台となる!
十字御書 P1491
『我等凡夫はまつげのちかきと虚空のとをきとは見候事なし、我等が心の内に仏はをはしましけるを知り候はざりけるぞ』
【通解】
私たち凡夫は、まつげが近くにあるのと虚空が遠くにあるのとは見ることができない。私たちの心の中に仏がおられるのを知らないでいたのである。
名字の言 「活字が笑っている」——校閲マンの名言 2021年4月21日
春本番。草木が勢いよく芽吹き、若葉輝くにぎやかな山の様子を「山笑う」と言う。都心から山は見えないが、公園の木々や街路樹がほほ笑んでいるように見える▼次元は異なるが、「活字が笑っている」という言葉が本社にある。刊行物にミスがあってはならない。一字一句の誤りをも見逃さない担当者を校閲マンと呼ぶが、先の言葉は文章の中に潜むミスが目に映るさまを端的に表現した、ベテラン校閲マンの名言▼本紙の特長の一つに、ルビ(振り仮名)が多いことがある。ルビは漢字より小さいので、校閲マンは拡大鏡を駆使しながら確認する。先のベテラン校閲マンは、ルビも含めて至難とされる単行本一冊の「誤植なし」の金字塔を打ち立てた▼新聞は取材記者、紙面のレイアウト担当者、印刷や輸送を担う方など、多くの人が関わって誕生する。何より、配達をしてくださる皆さまありて読者のもとに届く。きょうも無事故の配達、本当にありがとうございます!▼超高齢社会をふまえた大文字化、カラー紙面の倍増を柱とした紙面刷新が始まった。「新聞をつくろう。機関紙をつくろうよ。これからは言論の時代だ」とは、戸田先生の言葉。創刊の原点を忘れず、希望の日々を開く言論を紡ぎたい。(側)
寸鉄 2021年4月21日
人を思いやる会長の姿は最高の模範—博士。一人を大切に。皆もこの心で
「只信心の二字」御書。祈り抜いた人は必ず勝つ—大確信で試練に毅然と
愛媛青年部の日。勇気の対話で友情の輪を!熱き志胸に勝利の自分史綴れ
「人ごと意識」の広がりが染再拡大の一因—学者「自分は平気」の油断禁物
子の近視は脳の発達にも悪影響—医師。スマホの使用等、親子で規則決め
☆Switch(スイッチ)——共育のまなざし 不登校という「山」を親子で共に〈池田先生の励ましの言葉から〉
◇心がふわりと大空へ上がるまで
子育てや教育の視点をスイッチ(転換)する意味を考える企画「Switch——共育のまなざし」。今回は、かつて池田先生が創価の教育者や婦人部の代表と「不登校」を巡って語り合った内容から、励ましの言葉を抜粋します。(編集・構成=大宮将之)
◇「共戦」の決意を
〈わが子が不登校になった時、どうすればいいのか——そんな母親たちの声に、池田先生は答えます〉
やはり、一つ言えることは、「焦らないで、長い目で見ていこう」ということです。これが、大切な根本の姿勢だと思います。子どもによって、それぞれ原因や背景が違う。育てられ方も、気質とか素質、習慣も学校の状況も異なる。「こうすればいい」という一律の方法は、ありえないと言っていい。
だからこそ、母親がじっくりと構えて、我が子をよく見ていくのです。"学校に行けない、行きたいのに体がいうことをきいてくれない"という我が子の「叫び」に応えていけるのは、何といっても、お母さんです。お母さんも我慢の時です。耐える時です。長期戦の覚悟で、我が子と「共戦」の決意をしてください。
その信念が大切です。その上で、「1年や2年、遅れてもいいではないか」というくらいの楽観主義で、大らかに進んでいただきたい。
〈それは、父親にも通じる点でしょう。特に「学校に行くのが当たり前だった」時代を過ごし、「競争社会」を生きてきた大人にとっては"不登校の捉え方"の転換が必要です。先生は語りました〉
時代はどんどん変化しているのです。「競争社会」から「実力社会」へ、そして21世紀には、必ず「人道社会」へと動き始めることでしょう。これは、牧口先生が大著『人生地理学』に記された卓見です。人道的な行動が、価値を持つ時代です。子どもに対しても、社会全体が、人道的にやさしく包み込むことが必要でしょう。「不登校の体験が人生の大きな宝になった」「家族の絆が強くなった」「学ぶことの本当の意味が分かった」という多くの体験も聞いています。
不登校になったからといって、子どもを責めたり、自分の子育てが悪かったと嘆いても問題解決にはならない。貴重な体験をしていると思ってください。
人生に意味のないことなど何もないのですから。
◇気球に例えるなら
〈不登校はどんな人にも起こりうるものです。「決して、恥じたり、臆することはありません」と池田先生は語ります〉
今の社会は、「否定する」「序列をつける」ことなど、「自信」を失わせる方向にばかり力が働いています。その結果、少なからずの子どもたちが、「自分はダメな人間だ」と思い込まされている。
ある不登校の娘さんがいました。お母さんは、ふとしたことから、机の上の娘さんのノートを目にしたのです。そこには、「こんなつらいめにあうんだったら、なんで産んだんだ!……お母さんなんてキライ。皆キライ。後は死ぬだけ」と。
学校に行けないことを認めない社会が、子どもたちを追い詰めている。
自分は「なぜ、生まれたのか」「なぜ、学校に行かなければいけないのか」。成績のためでもない。お金もうけのためでもない。いい大学に行ったり、いい会社に入ることが、どれだけ意味があるのか。学校も親も、この「なぜ」に答えてくれない。
〈それが、子どもたちの心に「不安」や「怒り」、そして「不信感」を募らせているのかもしれません。そればかりか、一方的に大人の期待を背負わされている……池田先生は言葉を継ぎました〉
「気球」を例にとれば、嵐や大雨などの圧力をうけると、「気球」は「グニャ」と押しつぶされて、フラフラと落下して壊れてしまうでしょう。子どもたちが、ストレスによって学校に行けなくなるのも、まさに同じような状態です。しかし、地上にしっかりした「基地」があれば、傷んだところを修理することもできるし、ガスを補給することもできる。
やりなおせばいい
〈子どもたちにとっての「安心の基地」——それこそ家庭にほかなりません〉
そう、親子の「信頼関係の絆」こそが、子どもたちに「生命のエネルギー」を注ぎ込むパイプなのです。家族の信頼に包まれて、子どもたちは、傷ついた「心」を癒し、失った「自信」を回復していきます。"何のため"という目的観も確立してくるはずです。
反対に、その信頼のパイプが詰まっていたり、途中で切れて、つながっていなかったら、子どもたちは、エネルギーを失って、学校どころではなくなってしまうでしょう。
親と子の間に「信頼」と「安心」のパイプがつながった時、ちょうど、気球にガスが注ぎ込まれるように、子どもの心はどんどんふくらんでいきます。そして、いっぱいになると、自然にフワリと大空に上がっていきます。
子どもたちには、もともと上昇していく力があるのです。本来、持っているのです。"よい子"だとか"悪い子"だとか決めつけるのでなく、「あなたは、あなたのままでいい」「ありのままでいい」と、子どもたちの存在そのものを認めてあげることです。それでいいのです。
〈不登校は決して子育ての「失敗」ではありません。子育てに「手遅れ」もありません。もし愛情や信頼が足りなかったと親が気付いたなら、そこから「やりなおせば」いい——先生は語りました〉
私も青春時代、病弱で苦しい思いをしました。結核が悪化し、十代の後半は、まさに、寝汗と咳の連続。しかし、戦時中の世の中の雰囲気は、青年が家で休んでいたりすれば、それだけで「気合いが入っていない」といった感じで見られた(笑い)。
それでも、体が弱かった分、一日を大切に懸命に生きた。また、「人生とは」「生命とは」といった大事な問題に、考えをめぐらせることができたのです。
失敗から、学べばいいのです。偉大な発明も、すべて、何千何百という失敗から生まれたのですからね。
敗北者とは、失敗をした人ではなく、失敗を恐れて、何も挑戦できない人のことをいうのです。
失敗を認めない、「やりなおし」を認めないような社会が、実は不登校を生んでいる。根本は、そこから変えていかなければいけないのです。
◇一歩一歩、進めば
〈親がわが子の可能性を信じ抜いて笑顔でいる限り、家庭は安心の居場所になります。親の変化や成長は、必ず子どもの心にも伝わっていきます〉
そうです。不登校をきっかけに、「家族の信頼の絆が強まった」となればいいのです。不登校という「山」を、ともに登っていってください。その過程が大事なのです。「もっとすばらしい人間」になるためのチャンスと、とらえるのです。
〈「学校に通うこと」自体が目的ではありません。「学ぶこと」が目的であり、自分も他人も幸せにできるための力をつけることこそ、教育の本来の目的でしょう。池田先生は呼び掛けました〉
学びは一生です。人間は、死ぬまで学び続けるのです。ゆえに一歩一歩でいい。どうしても学校に行けなければ、家で一歩一歩、進むのです。一歩一歩、進めば、悩みの向こうから、必ず何かが見えてきます。お母さんも、そしてお父さんも、家族の皆が、お子さんといっしょに進んでください。
歩みを止めなければ、必ず勝利の日が来るのですから。
学び深めた教学は
魂の滋養となる!
自身の弱さに打ち勝つ
揺るがぬ土台となる!
十字御書 P1491
『我等凡夫はまつげのちかきと虚空のとをきとは見候事なし、我等が心の内に仏はをはしましけるを知り候はざりけるぞ』
【通解】
私たち凡夫は、まつげが近くにあるのと虚空が遠くにあるのとは見ることができない。私たちの心の中に仏がおられるのを知らないでいたのである。
名字の言 「活字が笑っている」——校閲マンの名言 2021年4月21日
春本番。草木が勢いよく芽吹き、若葉輝くにぎやかな山の様子を「山笑う」と言う。都心から山は見えないが、公園の木々や街路樹がほほ笑んでいるように見える▼次元は異なるが、「活字が笑っている」という言葉が本社にある。刊行物にミスがあってはならない。一字一句の誤りをも見逃さない担当者を校閲マンと呼ぶが、先の言葉は文章の中に潜むミスが目に映るさまを端的に表現した、ベテラン校閲マンの名言▼本紙の特長の一つに、ルビ(振り仮名)が多いことがある。ルビは漢字より小さいので、校閲マンは拡大鏡を駆使しながら確認する。先のベテラン校閲マンは、ルビも含めて至難とされる単行本一冊の「誤植なし」の金字塔を打ち立てた▼新聞は取材記者、紙面のレイアウト担当者、印刷や輸送を担う方など、多くの人が関わって誕生する。何より、配達をしてくださる皆さまありて読者のもとに届く。きょうも無事故の配達、本当にありがとうございます!▼超高齢社会をふまえた大文字化、カラー紙面の倍増を柱とした紙面刷新が始まった。「新聞をつくろう。機関紙をつくろうよ。これからは言論の時代だ」とは、戸田先生の言葉。創刊の原点を忘れず、希望の日々を開く言論を紡ぎたい。(側)
寸鉄 2021年4月21日
人を思いやる会長の姿は最高の模範—博士。一人を大切に。皆もこの心で
「只信心の二字」御書。祈り抜いた人は必ず勝つ—大確信で試練に毅然と
愛媛青年部の日。勇気の対話で友情の輪を!熱き志胸に勝利の自分史綴れ
「人ごと意識」の広がりが染再拡大の一因—学者「自分は平気」の油断禁物
子の近視は脳の発達にも悪影響—医師。スマホの使用等、親子で規則決め
☆Switch(スイッチ)——共育のまなざし 不登校という「山」を親子で共に〈池田先生の励ましの言葉から〉
◇心がふわりと大空へ上がるまで
子育てや教育の視点をスイッチ(転換)する意味を考える企画「Switch——共育のまなざし」。今回は、かつて池田先生が創価の教育者や婦人部の代表と「不登校」を巡って語り合った内容から、励ましの言葉を抜粋します。(編集・構成=大宮将之)
◇「共戦」の決意を
〈わが子が不登校になった時、どうすればいいのか——そんな母親たちの声に、池田先生は答えます〉
やはり、一つ言えることは、「焦らないで、長い目で見ていこう」ということです。これが、大切な根本の姿勢だと思います。子どもによって、それぞれ原因や背景が違う。育てられ方も、気質とか素質、習慣も学校の状況も異なる。「こうすればいい」という一律の方法は、ありえないと言っていい。
だからこそ、母親がじっくりと構えて、我が子をよく見ていくのです。"学校に行けない、行きたいのに体がいうことをきいてくれない"という我が子の「叫び」に応えていけるのは、何といっても、お母さんです。お母さんも我慢の時です。耐える時です。長期戦の覚悟で、我が子と「共戦」の決意をしてください。
その信念が大切です。その上で、「1年や2年、遅れてもいいではないか」というくらいの楽観主義で、大らかに進んでいただきたい。
〈それは、父親にも通じる点でしょう。特に「学校に行くのが当たり前だった」時代を過ごし、「競争社会」を生きてきた大人にとっては"不登校の捉え方"の転換が必要です。先生は語りました〉
時代はどんどん変化しているのです。「競争社会」から「実力社会」へ、そして21世紀には、必ず「人道社会」へと動き始めることでしょう。これは、牧口先生が大著『人生地理学』に記された卓見です。人道的な行動が、価値を持つ時代です。子どもに対しても、社会全体が、人道的にやさしく包み込むことが必要でしょう。「不登校の体験が人生の大きな宝になった」「家族の絆が強くなった」「学ぶことの本当の意味が分かった」という多くの体験も聞いています。
不登校になったからといって、子どもを責めたり、自分の子育てが悪かったと嘆いても問題解決にはならない。貴重な体験をしていると思ってください。
人生に意味のないことなど何もないのですから。
◇気球に例えるなら
〈不登校はどんな人にも起こりうるものです。「決して、恥じたり、臆することはありません」と池田先生は語ります〉
今の社会は、「否定する」「序列をつける」ことなど、「自信」を失わせる方向にばかり力が働いています。その結果、少なからずの子どもたちが、「自分はダメな人間だ」と思い込まされている。
ある不登校の娘さんがいました。お母さんは、ふとしたことから、机の上の娘さんのノートを目にしたのです。そこには、「こんなつらいめにあうんだったら、なんで産んだんだ!……お母さんなんてキライ。皆キライ。後は死ぬだけ」と。
学校に行けないことを認めない社会が、子どもたちを追い詰めている。
自分は「なぜ、生まれたのか」「なぜ、学校に行かなければいけないのか」。成績のためでもない。お金もうけのためでもない。いい大学に行ったり、いい会社に入ることが、どれだけ意味があるのか。学校も親も、この「なぜ」に答えてくれない。
〈それが、子どもたちの心に「不安」や「怒り」、そして「不信感」を募らせているのかもしれません。そればかりか、一方的に大人の期待を背負わされている……池田先生は言葉を継ぎました〉
「気球」を例にとれば、嵐や大雨などの圧力をうけると、「気球」は「グニャ」と押しつぶされて、フラフラと落下して壊れてしまうでしょう。子どもたちが、ストレスによって学校に行けなくなるのも、まさに同じような状態です。しかし、地上にしっかりした「基地」があれば、傷んだところを修理することもできるし、ガスを補給することもできる。
やりなおせばいい
〈子どもたちにとっての「安心の基地」——それこそ家庭にほかなりません〉
そう、親子の「信頼関係の絆」こそが、子どもたちに「生命のエネルギー」を注ぎ込むパイプなのです。家族の信頼に包まれて、子どもたちは、傷ついた「心」を癒し、失った「自信」を回復していきます。"何のため"という目的観も確立してくるはずです。
反対に、その信頼のパイプが詰まっていたり、途中で切れて、つながっていなかったら、子どもたちは、エネルギーを失って、学校どころではなくなってしまうでしょう。
親と子の間に「信頼」と「安心」のパイプがつながった時、ちょうど、気球にガスが注ぎ込まれるように、子どもの心はどんどんふくらんでいきます。そして、いっぱいになると、自然にフワリと大空に上がっていきます。
子どもたちには、もともと上昇していく力があるのです。本来、持っているのです。"よい子"だとか"悪い子"だとか決めつけるのでなく、「あなたは、あなたのままでいい」「ありのままでいい」と、子どもたちの存在そのものを認めてあげることです。それでいいのです。
〈不登校は決して子育ての「失敗」ではありません。子育てに「手遅れ」もありません。もし愛情や信頼が足りなかったと親が気付いたなら、そこから「やりなおせば」いい——先生は語りました〉
私も青春時代、病弱で苦しい思いをしました。結核が悪化し、十代の後半は、まさに、寝汗と咳の連続。しかし、戦時中の世の中の雰囲気は、青年が家で休んでいたりすれば、それだけで「気合いが入っていない」といった感じで見られた(笑い)。
それでも、体が弱かった分、一日を大切に懸命に生きた。また、「人生とは」「生命とは」といった大事な問題に、考えをめぐらせることができたのです。
失敗から、学べばいいのです。偉大な発明も、すべて、何千何百という失敗から生まれたのですからね。
敗北者とは、失敗をした人ではなく、失敗を恐れて、何も挑戦できない人のことをいうのです。
失敗を認めない、「やりなおし」を認めないような社会が、実は不登校を生んでいる。根本は、そこから変えていかなければいけないのです。
◇一歩一歩、進めば
〈親がわが子の可能性を信じ抜いて笑顔でいる限り、家庭は安心の居場所になります。親の変化や成長は、必ず子どもの心にも伝わっていきます〉
そうです。不登校をきっかけに、「家族の信頼の絆が強まった」となればいいのです。不登校という「山」を、ともに登っていってください。その過程が大事なのです。「もっとすばらしい人間」になるためのチャンスと、とらえるのです。
〈「学校に通うこと」自体が目的ではありません。「学ぶこと」が目的であり、自分も他人も幸せにできるための力をつけることこそ、教育の本来の目的でしょう。池田先生は呼び掛けました〉
学びは一生です。人間は、死ぬまで学び続けるのです。ゆえに一歩一歩でいい。どうしても学校に行けなければ、家で一歩一歩、進むのです。一歩一歩、進めば、悩みの向こうから、必ず何かが見えてきます。お母さんも、そしてお父さんも、家族の皆が、お子さんといっしょに進んでください。
歩みを止めなければ、必ず勝利の日が来るのですから。
2021年4月20日火曜日
2021.04.20 わが友に贈る
師子吼とは「師弟共に
唱うる所の音声」。
時代の闇を晴らす
勇気の言論で
幸福勝利の大道を!
四条金吾殿御返事 P1192
『ただ心こそ大切なれ』
【通解】
ただ心こそ大切である。
名字の言 創刊70周年を迎えた本紙が伝え続けたいこと 2021年4月20日
名著『インドの発見』は、インド初代首相のネルーが書いた。独立前、9度目となる投獄の渦中、わずか5カ月で書き上げた▼同書は単なる"文化史"ではない。他国の圧制に苦しむ同胞が、インドの偉大な歴史と国民性を再認識して、自身の尊厳と祖国の誇りを取り戻してほしいとの思いが込められている▼きょう、創刊70周年を迎えた本紙は、日蓮大聖人の仏法の深遠さ、創価学会の偉大さ、師弟の世界の崇高さを伝え続けてきた。その真実を知り、自身の無限の可能性に目覚めた友は、信心で宿命を転換し、蘇生の人生を開いてきた▼先の本にネルーは記した。「生きた哲学は今日の問題に答えなければならぬ」(飯塚浩二訳)。この一文は、本紙に見る同志の人生勝利の姿が、創価の哲学の正しさを証明していることとも重なる▼中国・北宋の詩人、黄庭堅はうたった。「但だ観よ百歳の後 伝わる者は公侯に非ず」——百年後を見よ、伝えられて残る名は、今をときめく、地位ある公爵・侯爵ではない、と。「誰であるか」よりも「何を成したか」で人生の価値は決まる。本紙は創刊以来、三代会長と共に生きる庶民を紙面で紹介し、たたえ、広布史を刻んできた。この精神はこれからも変わらない。(白)
寸鉄 2021年4月20日
本紙、きょう創刊70周年。全読者、配達員、通信員、支えて下さる皆様に感謝
日本中の人にこの新聞を読ませたい—師弟共戦の誓い新たに紙面の充実へ
聖教電子版に206カ国から接続。世界的スケールの哲学運動。求道の志尊し
「千代田区婦人部の日」。東京に励ましの対話拡大友の心に希望の陽光を!
平和の術教えるのは女性の使命—偉人。一人を大切にする創価の連帯こそ
〈社説〉 2021・4・20 きょう聖教新聞創刊70周年
◇苦難に負けない哲学を発信
「聖教新聞には"人間に焦点を当てた希望のドラマ"がつづられており、毎日、安心して読むことができます」
「友人読者から『不安をあおる報道が多い中で、今一番知りたかった内容だった』と、感動と感謝の声が寄せられました」
コロナ禍の中で、聖教新聞は何を発信すべきか——この一年、「危機の時代を生きる」シリーズでは、各界の識者インタビューや学術部員による寄稿、青年部と医学者による会議の詳報など、確かな根拠に基づいた情報や知恵を伝えてきた。
また、各国・地域のリーダーに聞く、感染症と向き合う中での活動の模様を「世界の友は今」で紹介。エッセンシャルワーカー(社会の維持に不可欠な仕事の従事者)をはじめ、多様な人々の信仰体験を連日、掲載している。
紙面を通して、どうすれば友を元気づけ、笑顔にできるか、まさに試行錯誤の真っ最中ではあるが、多くの読者から反響をいただき、感謝に堪えない。
きょう20日、本紙は創刊70周年を迎えた。1951年(昭和26年)4月20日の創刊以来、聖教は着実に発展。今や海外の姉妹紙誌は90に及び、「聖教電子版」には世界206カ国・地域からアクセスがある。
この間、活字の大きさや画像の質の向上など紙面の改善を重ねてきた。
この13日付からは4カ面だったカラー紙面を8カ面に倍増。活字もさらに大きくなった。
早速、多くの好評の声が届いている。引き続き、紙面内容のいっそうの充実に力を入れていきたい。
池田先生は、昨年の創刊記念日に際し、聖教の使命について、こうつづっている。
「人類が未曽有の脅威に直面している今日、わが聖教には、『変毒為薬』と『価値創造』の英知を発信する大いなる使命がある。人間への『励まし(エンカレッジ)』と『内発的な力の開花(エンパワーメント)』を促す言葉を紡ぎ、苦難に負けない民衆の心と心をつなぐ柱とならねばならない」
本紙を配達してくださる「無冠の友」をはじめ、通信員、新聞長の皆さま、印刷、輸送、販売店など支えてくださる全ての皆さまに心からの感謝をささげつつ、これからも"人間の機関紙"として、苦難に負けない哲学、民衆をつなぐ希望の言論を発信しゆく使命を果たし抜いていきたい。
☆御書の旭光を 第20回 深き縁の同志と勝利を開け
〈御文〉
『一切の諸人之を見聞し志有らん人人は互に之を語れ』(法華行者逢難事、967ページ)
〈通解〉
全ての門下たちは、この書状を見聞きして、志ある人々は、互いにこのこと(=日蓮大聖人こそ経文通りの迫害を受けている末法の法華経の行者であること)を語りなさい。
〈池田先生が贈る指針〉
大難の中、佐渡の地から門下一同へ送られた御聖訓である。
御本仏直結の志で共に学び語り、共に祈り戦う。この信心の絆を世界中に結び、広布を断行してきたのが、創価学会である。
我らの地区は、宿縁深き同志が集う"さながら霊鷲山"だ。この最極の人間共和の会座から、人生に勝利の力を! 社会に安穏の光を!
☆池田華陽会御書30編 一生成仏抄
◇生命を輝かせる挑戦を
今月は「一生成仏抄」を学びます。池田先生は語られました。
「厳しき現実のなかで、『人間らしく生きたい』『よりよく生きたい』と、心の奥底で願い、行動しているのが人間です。その『人間の祈り』への答えが宗教です。祈りが先にあって宗教が生まれたのです。
この人間の祈りに対する日蓮大聖人の答えは何か。人生に対するいかなる態度を教えられているか。それこそが、ひとことで言えば『一生成仏』です」
一人一人が、この一生において、自らの生命の底力を発揮し、最高に輝かせ切っていく「一生成仏」の信心を学び、師弟栄光の「5・3」へ、唱題根本に、幸福勝利を開いていきましょう。
◇本抄について
本抄は、建長7年(1255年)に著され、富木常忍に与えられたと伝えられています。建長5年(1253年)4月28日の「立宗宣言」から間もない御著作であり、日蓮仏法の根幹である「唱題行」の意義が法理と実践の面から述べられています。
題号の「一生成仏」とは、私たちが、この一生のうちに偉大な仏の境涯を開きあらわすことです。
日蓮大聖人は、「南無妙法蓮華経」の題目を唱え、広布に励むことが一生成仏の直道であると明かされ、深き信心と持続の唱題により、誰もが自分の中に、広大な仏の生命と智慧を輝かせていけることを教えられています。
◇御文
『譬えば闇鏡も磨きぬれば玉と見ゆるが如し、只今も一念無明の迷心は磨かざる鏡なり是を磨かば必ず法性真如の明鏡と成るべし、深く信心を発して日夜朝暮に又懈らず磨くべし何様にしてか磨くべき只南無妙法蓮華経と唱へたてまつるを是をみがくとは云うなり』(御書384ページ3行目〜5行目)
◇通解
たとえば、曇っている鏡も磨いたならば、輝く玉のように見えるようなものである。
今の私たちの一念が、無明におおわれて迷いの心である時は磨いていない鏡であり、これを磨けば必ず法性真如の明鏡となるのである。強く信心を起こして、日夜朝暮に怠ることなく磨いていきなさい。
では、どのようにして磨くのか。ただ南無妙法蓮華経と唱えること、これが磨くということである。
◇解説
いかなる時も、可能性は無限であるとの信念を失わず、勇敢に自らの人間革命に挑んでいくのが信心です。
日蓮大聖人は本抄の冒頭、人々が仏の最高の覚りである「無上菩提」(御書383ページ)を得て、揺るがぬ幸福を築く原理を示されました。そこで、私たちの生命の重要な真実である「衆生本有の妙理」(同ページ)を明かされています。
「衆生本有の妙理」とは「あらゆる人々に仏の生命が本来的に具わっている、という不可思議な真実」との意味です。一人の人間の「内」に、どんな苦悩も根本から解決する「法」、つまり、無限の力を発見したのが仏法です。
大聖人は、それを「観ずべし」、すなわち"あなた自身の生命に見ていきなさい"と述べられ、幸福を築く無限の力が"自分の中"にあることを教えられています。
さらに、この妙理こそ「妙法蓮華経」であると明かされ、題目を"唱える"ことが、「衆生本有の妙理を観ずる」、つまり、自身に具わる妙法の偉大な力を、見いだし、涌現させる実践であることを示されました。
掲げた御文の直前では、「衆生」と「仏」の違いに言及し、両者は別々の存在ではなく、一人の生命状態が、「迷い」であるか、「悟り」であるかの違いであると仰せです。そして、この迷いの生命を、覚りの生命へと変革する「唱題行」の在り方を示されるのが、今回の拝読御文です。
はじめに"曇って何も映らない鏡も、磨けば輝く"との譬えを示され、私たちの生命も同じであると述べられます。無明という根本の迷いに覆われた苦悩の生命は「磨かざる鏡」のようなものであり、"磨く"という実践によって、真実の覚りの生命である「明鏡」と輝くのです。
ここで、生命を磨く実践において大切な点を、二点挙げられています。
一つは「深く信心を発して」、つまり、自分の中に、仏の生命があるとの"深い信心"を起こすこと。もう一つは「日夜朝暮に又懈らず」、つまり、日々たゆむことなく、磨く実践を"持続"することです。
この二点を踏まえ、では、どうやって生命を磨くのか——。"ただ「南無妙法蓮華経」と唱える。これが磨くということである"と結論され、唱題し抜くことで、必ず無明を打ち破り、最高の智慧と生命力を発揮していけることを示されました。
自身の仏の生命を確信する——。それは、いつも「今よりもさらに成長できる」「さらに強くなれる」との希望の一念で御本尊に題目を唱え、自らの生命に最善の変化を起こしながら、挑戦の人生を歩むことです。日々の勤行・唱題で生命を磨き、朗らかに勝利を築いていきましょう。
◇池田先生の指針から
「一生成仏」とは、この現実の今世において成仏することです。
成仏と言っても、何か固定的な到達点のことではない。現実のまっただなかで苦闘する、その姿のままで、仏の境涯を開くのです。
苦悩する境涯から仏の境涯へ、そして仏の境涯から現実の変革へとつねに出発していく"信心の強さ"。戦い続ける"信心の強さ"。そこにしか仏界はない。(普及版『法華経の智慧』上)
◇ ◆ ◇
自分の可能性を大きく開花させるために大事なことは何か。
それは、「自分の持てる力を、全部、出し切っていこう」と情熱を燃やし、たゆまず努力を重ねることです。力を出し切れば、昨日の自分より必ず一歩前進できる。自分の可能性に気付くことができる。「やればできる」と自信がもてる。その源泉が、日々の勤行・唱題なのです。(中略)
唱題すること自体が、自分自身の「無限の可能性」を見つめ、引き出していく姿なのです。(『未来の翼』)
研さんのために
〇…「一生成仏抄」講義、『池田大作全集』第34巻所収(聖教新聞社)
唱うる所の音声」。
時代の闇を晴らす
勇気の言論で
幸福勝利の大道を!
四条金吾殿御返事 P1192
『ただ心こそ大切なれ』
【通解】
ただ心こそ大切である。
名字の言 創刊70周年を迎えた本紙が伝え続けたいこと 2021年4月20日
名著『インドの発見』は、インド初代首相のネルーが書いた。独立前、9度目となる投獄の渦中、わずか5カ月で書き上げた▼同書は単なる"文化史"ではない。他国の圧制に苦しむ同胞が、インドの偉大な歴史と国民性を再認識して、自身の尊厳と祖国の誇りを取り戻してほしいとの思いが込められている▼きょう、創刊70周年を迎えた本紙は、日蓮大聖人の仏法の深遠さ、創価学会の偉大さ、師弟の世界の崇高さを伝え続けてきた。その真実を知り、自身の無限の可能性に目覚めた友は、信心で宿命を転換し、蘇生の人生を開いてきた▼先の本にネルーは記した。「生きた哲学は今日の問題に答えなければならぬ」(飯塚浩二訳)。この一文は、本紙に見る同志の人生勝利の姿が、創価の哲学の正しさを証明していることとも重なる▼中国・北宋の詩人、黄庭堅はうたった。「但だ観よ百歳の後 伝わる者は公侯に非ず」——百年後を見よ、伝えられて残る名は、今をときめく、地位ある公爵・侯爵ではない、と。「誰であるか」よりも「何を成したか」で人生の価値は決まる。本紙は創刊以来、三代会長と共に生きる庶民を紙面で紹介し、たたえ、広布史を刻んできた。この精神はこれからも変わらない。(白)
寸鉄 2021年4月20日
本紙、きょう創刊70周年。全読者、配達員、通信員、支えて下さる皆様に感謝
日本中の人にこの新聞を読ませたい—師弟共戦の誓い新たに紙面の充実へ
聖教電子版に206カ国から接続。世界的スケールの哲学運動。求道の志尊し
「千代田区婦人部の日」。東京に励ましの対話拡大友の心に希望の陽光を!
平和の術教えるのは女性の使命—偉人。一人を大切にする創価の連帯こそ
〈社説〉 2021・4・20 きょう聖教新聞創刊70周年
◇苦難に負けない哲学を発信
「聖教新聞には"人間に焦点を当てた希望のドラマ"がつづられており、毎日、安心して読むことができます」
「友人読者から『不安をあおる報道が多い中で、今一番知りたかった内容だった』と、感動と感謝の声が寄せられました」
コロナ禍の中で、聖教新聞は何を発信すべきか——この一年、「危機の時代を生きる」シリーズでは、各界の識者インタビューや学術部員による寄稿、青年部と医学者による会議の詳報など、確かな根拠に基づいた情報や知恵を伝えてきた。
また、各国・地域のリーダーに聞く、感染症と向き合う中での活動の模様を「世界の友は今」で紹介。エッセンシャルワーカー(社会の維持に不可欠な仕事の従事者)をはじめ、多様な人々の信仰体験を連日、掲載している。
紙面を通して、どうすれば友を元気づけ、笑顔にできるか、まさに試行錯誤の真っ最中ではあるが、多くの読者から反響をいただき、感謝に堪えない。
きょう20日、本紙は創刊70周年を迎えた。1951年(昭和26年)4月20日の創刊以来、聖教は着実に発展。今や海外の姉妹紙誌は90に及び、「聖教電子版」には世界206カ国・地域からアクセスがある。
この間、活字の大きさや画像の質の向上など紙面の改善を重ねてきた。
この13日付からは4カ面だったカラー紙面を8カ面に倍増。活字もさらに大きくなった。
早速、多くの好評の声が届いている。引き続き、紙面内容のいっそうの充実に力を入れていきたい。
池田先生は、昨年の創刊記念日に際し、聖教の使命について、こうつづっている。
「人類が未曽有の脅威に直面している今日、わが聖教には、『変毒為薬』と『価値創造』の英知を発信する大いなる使命がある。人間への『励まし(エンカレッジ)』と『内発的な力の開花(エンパワーメント)』を促す言葉を紡ぎ、苦難に負けない民衆の心と心をつなぐ柱とならねばならない」
本紙を配達してくださる「無冠の友」をはじめ、通信員、新聞長の皆さま、印刷、輸送、販売店など支えてくださる全ての皆さまに心からの感謝をささげつつ、これからも"人間の機関紙"として、苦難に負けない哲学、民衆をつなぐ希望の言論を発信しゆく使命を果たし抜いていきたい。
☆御書の旭光を 第20回 深き縁の同志と勝利を開け
〈御文〉
『一切の諸人之を見聞し志有らん人人は互に之を語れ』(法華行者逢難事、967ページ)
〈通解〉
全ての門下たちは、この書状を見聞きして、志ある人々は、互いにこのこと(=日蓮大聖人こそ経文通りの迫害を受けている末法の法華経の行者であること)を語りなさい。
〈池田先生が贈る指針〉
大難の中、佐渡の地から門下一同へ送られた御聖訓である。
御本仏直結の志で共に学び語り、共に祈り戦う。この信心の絆を世界中に結び、広布を断行してきたのが、創価学会である。
我らの地区は、宿縁深き同志が集う"さながら霊鷲山"だ。この最極の人間共和の会座から、人生に勝利の力を! 社会に安穏の光を!
☆池田華陽会御書30編 一生成仏抄
◇生命を輝かせる挑戦を
今月は「一生成仏抄」を学びます。池田先生は語られました。
「厳しき現実のなかで、『人間らしく生きたい』『よりよく生きたい』と、心の奥底で願い、行動しているのが人間です。その『人間の祈り』への答えが宗教です。祈りが先にあって宗教が生まれたのです。
この人間の祈りに対する日蓮大聖人の答えは何か。人生に対するいかなる態度を教えられているか。それこそが、ひとことで言えば『一生成仏』です」
一人一人が、この一生において、自らの生命の底力を発揮し、最高に輝かせ切っていく「一生成仏」の信心を学び、師弟栄光の「5・3」へ、唱題根本に、幸福勝利を開いていきましょう。
◇本抄について
本抄は、建長7年(1255年)に著され、富木常忍に与えられたと伝えられています。建長5年(1253年)4月28日の「立宗宣言」から間もない御著作であり、日蓮仏法の根幹である「唱題行」の意義が法理と実践の面から述べられています。
題号の「一生成仏」とは、私たちが、この一生のうちに偉大な仏の境涯を開きあらわすことです。
日蓮大聖人は、「南無妙法蓮華経」の題目を唱え、広布に励むことが一生成仏の直道であると明かされ、深き信心と持続の唱題により、誰もが自分の中に、広大な仏の生命と智慧を輝かせていけることを教えられています。
◇御文
『譬えば闇鏡も磨きぬれば玉と見ゆるが如し、只今も一念無明の迷心は磨かざる鏡なり是を磨かば必ず法性真如の明鏡と成るべし、深く信心を発して日夜朝暮に又懈らず磨くべし何様にしてか磨くべき只南無妙法蓮華経と唱へたてまつるを是をみがくとは云うなり』(御書384ページ3行目〜5行目)
◇通解
たとえば、曇っている鏡も磨いたならば、輝く玉のように見えるようなものである。
今の私たちの一念が、無明におおわれて迷いの心である時は磨いていない鏡であり、これを磨けば必ず法性真如の明鏡となるのである。強く信心を起こして、日夜朝暮に怠ることなく磨いていきなさい。
では、どのようにして磨くのか。ただ南無妙法蓮華経と唱えること、これが磨くということである。
◇解説
いかなる時も、可能性は無限であるとの信念を失わず、勇敢に自らの人間革命に挑んでいくのが信心です。
日蓮大聖人は本抄の冒頭、人々が仏の最高の覚りである「無上菩提」(御書383ページ)を得て、揺るがぬ幸福を築く原理を示されました。そこで、私たちの生命の重要な真実である「衆生本有の妙理」(同ページ)を明かされています。
「衆生本有の妙理」とは「あらゆる人々に仏の生命が本来的に具わっている、という不可思議な真実」との意味です。一人の人間の「内」に、どんな苦悩も根本から解決する「法」、つまり、無限の力を発見したのが仏法です。
大聖人は、それを「観ずべし」、すなわち"あなた自身の生命に見ていきなさい"と述べられ、幸福を築く無限の力が"自分の中"にあることを教えられています。
さらに、この妙理こそ「妙法蓮華経」であると明かされ、題目を"唱える"ことが、「衆生本有の妙理を観ずる」、つまり、自身に具わる妙法の偉大な力を、見いだし、涌現させる実践であることを示されました。
掲げた御文の直前では、「衆生」と「仏」の違いに言及し、両者は別々の存在ではなく、一人の生命状態が、「迷い」であるか、「悟り」であるかの違いであると仰せです。そして、この迷いの生命を、覚りの生命へと変革する「唱題行」の在り方を示されるのが、今回の拝読御文です。
はじめに"曇って何も映らない鏡も、磨けば輝く"との譬えを示され、私たちの生命も同じであると述べられます。無明という根本の迷いに覆われた苦悩の生命は「磨かざる鏡」のようなものであり、"磨く"という実践によって、真実の覚りの生命である「明鏡」と輝くのです。
ここで、生命を磨く実践において大切な点を、二点挙げられています。
一つは「深く信心を発して」、つまり、自分の中に、仏の生命があるとの"深い信心"を起こすこと。もう一つは「日夜朝暮に又懈らず」、つまり、日々たゆむことなく、磨く実践を"持続"することです。
この二点を踏まえ、では、どうやって生命を磨くのか——。"ただ「南無妙法蓮華経」と唱える。これが磨くということである"と結論され、唱題し抜くことで、必ず無明を打ち破り、最高の智慧と生命力を発揮していけることを示されました。
自身の仏の生命を確信する——。それは、いつも「今よりもさらに成長できる」「さらに強くなれる」との希望の一念で御本尊に題目を唱え、自らの生命に最善の変化を起こしながら、挑戦の人生を歩むことです。日々の勤行・唱題で生命を磨き、朗らかに勝利を築いていきましょう。
◇池田先生の指針から
「一生成仏」とは、この現実の今世において成仏することです。
成仏と言っても、何か固定的な到達点のことではない。現実のまっただなかで苦闘する、その姿のままで、仏の境涯を開くのです。
苦悩する境涯から仏の境涯へ、そして仏の境涯から現実の変革へとつねに出発していく"信心の強さ"。戦い続ける"信心の強さ"。そこにしか仏界はない。(普及版『法華経の智慧』上)
◇ ◆ ◇
自分の可能性を大きく開花させるために大事なことは何か。
それは、「自分の持てる力を、全部、出し切っていこう」と情熱を燃やし、たゆまず努力を重ねることです。力を出し切れば、昨日の自分より必ず一歩前進できる。自分の可能性に気付くことができる。「やればできる」と自信がもてる。その源泉が、日々の勤行・唱題なのです。(中略)
唱題すること自体が、自分自身の「無限の可能性」を見つめ、引き出していく姿なのです。(『未来の翼』)
研さんのために
〇…「一生成仏抄」講義、『池田大作全集』第34巻所収(聖教新聞社)
2021年4月19日月曜日
2021.04.19 わが友に贈る
◇今週のことば
聖教と共に今日も前進。
「仏は文字に依って
衆生を度し給うなり」
励ましの言葉を広げ
人間革命の日記文書を!
2021年4月19日
報恩抄 P329
『日蓮が慈悲曠大ならば南無妙法蓮華経は万年の外未来までもながるべし』
【通解】
日蓮の慈悲が広大であるならば、南無妙法蓮華経は万年のほか未来の果てまでも流布するであろう。
名字の言 アイデアが生まれる最適な場所 2021年4月19日
古来、文章を練るのに最適な場所は「三上」といわれてきた。「馬上・枕上・厠上」の3カ所である▼現代では「電車」「寝室」「トイレ」になろうか。小欄も移動の車中で着想を得ることが少なくない。この三つの場面の共通点は「リラックスできる空間」といえよう。もちろん、すし詰めの満員電車だと事情は異なるが、環境を変えることで良いアイデアが浮かんだ経験は誰しもあるはずだ▼そんな話を先日、壮年部の友と交わしたら「じゃあ私は"四上"ですね」と返ってきた。四つ目は「畳の上」だという。「仕事や生活のことで行き詰まるたびに御本尊の前に座って、祈って、たくさん智慧を湧かせてきました」▼法華経方便品には「諸仏の智慧は甚深無量なり」と。日蓮仏法では「以信代慧」を説く。わが身に具わる仏に等しい智慧を「南無妙法蓮華経」の題目によって引き出していくのである。かつて池田先生は「祈りの姿勢」について語った。「自分らしく、ありのままの姿で御本尊の前に端座すればいいのです。そして苦しいことも、つらいことも、そのまま祈っていけばいい」▼月々日々に勤行・唱題から出発しよう。その積み重ねに、決して行き詰まることのない人生の価値創造の道がある。(恭)
寸鉄 2021年4月19日
「5・3」寿ぐ本部幹部会。さあ創価の元日から清新な決意で!勝利へ総立ち
地域で助け合う学会の絆は社会支える力—識者。危機の今こそ声掛け益々
皆に好かれる事から広布は始まるんだ—戸田先生誠実第一で周囲を味方に
忘れない勉強法—人に教えるつもりで学ぶ事と。学び伝える。行学も両輪
10分程度でも日光を直接浴びて—医師。心身健康のため。3密避けて賢く
☆御書の旭光を 第19回 新鮮な祈りから一日を出発
〈御文〉
『総じて此の法華経を強く信じまいらせて余念なく一筋に信仰する者をば影の身にそふが如く守らせ給ひ候なり』(上野殿御消息、1528ページ)
〈通解〉
総じて、この法華経を強盛に信じて、余念なく一筋に信仰する人を、(仏・菩薩・諸天等が)ちょうど影が身に添うように守護されるのである。
〈池田先生が贈る指針〉
強盛に題目を唱える人を、仏天は必ず守る。一切を良き方向へ導く働きが厳然と現れる。
ゆえに新鮮な祈りから一日を出発だ。今日もベストの価値創造をと一念を定め、具体的に祈念するのだ。一遍の題目にも無量の力がある。
奮闘する新社会人よ、妙法と共に青春を舞い征け! 勢いよくスタートダッシュを!
☆御書カフェ 華陽姉妹の語らい 久遠とははたらかさず・つくろわず・もとの儘と云う義なり 2021年4月10日
◇御文
『久遠とははたらかさず・つくろわず・もとの儘と云う義なり』(御義口伝、御書759ページ)
◇通解
久遠とははたらかさず、つくろわず、もとのままということである。
◇教えて
自分らしく広布の使命を果たしていきたいです。
◇池田先生の指導
真剣に妙法を唱え、法のため、人のため、社会のために行動するなかで、「本有無作」のありのままの凡夫の身に、偉大な仏の境涯を現していける。久遠元初のわが生命を旭日のように光り輝かせていけるのです。
「御義口伝」には、「久遠とははたらかさず・つくろわず・もとの儘と云う義なり」(御書759ページ)と説かれています。
気取りや見栄など、いらない。人と比べて、自分を卑下してもいけません。
最高に明るく伸び伸びと、自分らしさを発揮して、社会に貢献できるのが、正しき「自体顕照」の信仰です。(『御書と青年』)
◇ ◆ ◇
「広布の前進のために」「同志の幸福のために」とたゆまず祈り、心を定めていけば、私たちの一挙手一投足も必ず信心の触発となるはずだ。
共に語り、共に喜ぶ。共に充実した時間を過ごし、共々に戦い勝つ——心に積み重ねた、その福徳の歴史は、互いの人生を支える土台となる。(『随筆 輝く民衆の大城』)
☆紙上セミナー 仏法思想の輝き ドクター部医療技術部会委員長 郷野隆幸
【プロフィル】ごうの・たかゆき あん摩マッサージ指圧師。ごうの指圧治療院院長(東京都)。65歳。1955年(昭和30年)入会。東京都練馬区在住。副総区長。東京副ドクター部長。
楽観主義で健康人生を
「どうして、押したりもんだりするだけで、肩こりや腰痛が楽になるの?」と聞かれることがあります。
東洋医学では、人体の基礎的なエネルギーを「気」と言い、気が各臓器と密接に連携する道筋を「経絡」と呼びます。経絡上には気の出入口である「経穴」、つまり「ツボ」があります。どこか神秘的なイメージのあるツボ療法ですが、世界保健機関(WHO)が医学的根拠を基に効果を実証しているツボの数だけでも、私たちの体の中に361カ所あります。
ツボは、体の不調を知る目安であり、また、不調を改善するポイントにもなります。主に神経や血管が多く交差するところに存在するので、刺激すると血行が促進され、自律神経が整い、免疫力がアップするなどの働きが表れます。症状に合わせてツボを刺激することで、人間が本来持っている自然治癒力を引き出し、さまざまな症状の改善に効果を発揮します。
簡単セルフケア
季節の変わり目は、気圧の変化や寒暖差によって体に負荷がかかります。また、進学・進級や就職、職場の異動など、生活環境が変化する時期は、ストレスによって体のホルモンバランスが崩れがちです。すると、さまざまな不調が起こりやすくなります。
そこで今回は、体の調子を整えるために自分でもできる、簡単な指圧と代表的なツボを紹介します(※無理なツボ押しや、妊娠中の方、飲酒の前後での指圧は控えてください)。
はじめに押し方ですが、ツボに対して真っすぐ刺激を与える「垂直圧」が基本です。押す時は息を吐きながら、指が徐々に体に"沈み込んでいく"ように押します。
ここで取り上げるのは「労宮」「合谷」というツボ。
「労宮」は、自律神経を整え、心身の疲れに効きます。手を握った時、手のひらに中指と薬指の指先が当たるところの中間にあります。ストレスやイライラを抑え、胃腸の不調を改善し、血行促進によって肩や首のコリにも効きます。
「合谷」は、"万能のツボ"として有名です。手の甲側で、人さし指と親指の骨がぶつかる場所のくぼみの、人さし指寄りにあります。喉や歯の痛み、頭痛などの鎮痛作用があるほか、ストレスや眼精疲労、肌荒れ、便秘・下痢など、幅広い症状に効果があります。
次に、整腸を促すマッサージを紹介します。
実は今、感染症に立ち向かう上で、体を守る"免疫の最前線"として「腸」の役割が重視されています。さまざまな"外敵"と戦う免疫細胞の7割が腸でつくられ、ストレス緩和や幸福感をもたらす神経伝達物質「セロトニン」も、その9割が腸で生成されます。腸内環境を整えることで、免疫力が上がり、心身のバランスも整えていけます。
押し方は簡単。まず、両手の指をそろえて腹部に立てます。そのまま呼吸に合わせて、みぞおちから少しずつ移動させながら腹の上に「の」の字を書くように押し込みます。これを3周、繰り返します。食事の前後は避け、1日2回程度を毎日、持続してみてください。便秘や腰痛にも効果は抜群です。
◇"心のツボ"押し
仏法では「色心不二」と説き、肉体(色法)と精神(心法)が密接に影響し合っていると洞察します。「人間」という全体観に立って健康というものを考えた時、肉体だけではなく、心の働きも考慮すべきでしょう。
例えば、「喜び」「感謝」などの前向きな精神状態は人体の免疫系の働きを高めて健康を促進させ、逆に「怒り」「絶望」といったネガティブな状態は、免疫系の働きを低下させてしまうということを指摘する研究者もいます。
日蓮大聖人は「病によりて道心はをこり候なり」(御書1480ページ)と仰せです。病気という試練も、求道の心を起こす契機とし、より大きな境涯を開く糧としていく、前向きな楽観主義にこそ仏法者の生き方の真髄があります。
私自身、腰椎椎間板ヘルニアで手術を勧められ、入院を余儀なくされたことがありました。仕事もできず、経済的にも苦境に立たされました。
それでも、「南無妙法蓮華経は師子吼の如し」(同1124ページ)との御聖訓、そして池田先生の"題目の師子吼は無敵である"との励ましを胸に、"絶対勝利"の一念で祈り、病魔に挑みました。やがて、医師も驚くほど症状は好転し、再検査の結果、手術も投薬治療もすることなく「寛解」を告げられたのです。
この経験があったからこそ、仕事においても、患者さんの心に深く寄り添える自分自身に変わることができ、自らの境涯を開くことができたと感謝しています。
私は、前向きな「喜び」の心を"心のツボ"と呼んでいます。これを"押す"のは、御本尊への真剣な祈りです。題目をあげればあげるほど、心が前向きになり、元気になります。生命力が豊かになれば、心身の健康も促進されます。
最後に紹介する"心のツボ"は「笑い」です。皆で大いに笑い、今日も元気に過ごしましょう。さあ、大きく息を吸って……わっはっはっはっは!
◇[視点]真の歓喜とは
人生の道程には、さまざまな困難が起こります。むしろ、壁や悩みのない人生など、ありえないでしょう。
日蓮大聖人は、「苦楽ともに思い合せて南無妙法蓮華経とうちとなへゐさせ給へ」(御書1143ページ)と仰せです。目の前の苦も楽も、信心の高い境涯から悠々と見下ろし、強き祈りで、あらゆる苦悩を楽しみに変えていく。そうした深い生き方の中にこそ、真の歓喜があることを教えられています。
「何とかなる」という安易な楽観主義でも、「もうだめだ」という悲観主義でもない——信心の実践によって開かれる仏法のたくましき楽観主義とは、何があっても前向きの方向に捉え、逆風に勇敢に立ち向かっていく不屈の境涯のことなのです。
☆創立100周年へ 第3回本部幹部会 婦人部希望総会
◇婦人部と女子部で「女性部」発足へ
◇5月3日に婦人部の名称を変更 11月18日を期して女子部と一体に
栄光の5月3日「創価学会の日」を慶祝する第3回本部幹部会が18日午後、巣鴨の東京戸田記念講堂で開催された。6・10「部結成70周年」を記念する婦人部希望総会の意義を込めたもの。これには原田会長、長谷川理事長、永石婦人部長が各部の代表と出席。席上、婦人部と女子部が「女性部」として出発することが発表された。5月3日に婦人部の名称が「女性部」となり、11月18日を期して、両部が一体となる。池田大作先生はメッセージ(3面に掲載)を贈り、女性部の誕生を祝福。広布の女性たちを先頭に、慈悲と勇気と忍耐で「太陽の仏法」を語り切ってきた学会精神の真髄を今再び燃え上がらせ、妙法の大良薬の功力を地域へ世界へ満々とみなぎらせようと呼び掛けた。(2・3面に関連記事。全国配信は23日から29日<配信の会場と時間等は各県・区で決定>。同期間中、「モバイルSTB」「SOKAnet」でも視聴可能)
◇池田先生がメッセージ「地域へ世界へ太陽の仏法の功力を満々と」 原田会長、永石婦人部長が各部の代表と出席
創価の女性の「希望の世紀」が晴れ晴れと幕を開けた。
未明まで吹き荒れた春の嵐はやみ、新緑の東京に赫々と太陽が昇る。広宣流布の新生の船出を、諸天も寿ぐかのような青空が一面に広がった。
創価の元日である「5月3日」を祝賀し、師弟不二の「7月3日」へ凱歌の行進を誓い合う本部幹部会。「わが婦人部・女子部の結成70年の偉大なる歴史を昇華して、颯爽と『女性部』の誕生、誠におめでとう!」——池田先生がメッセージで呼び掛けると、講堂は万雷の拍手に包まれた。その模様を、初代会長・牧口常三郎先生と第2代会長・戸田城聖先生の肖像が厳然と見守っている。
幹部会では冒頭、原田会長があいさつし、「女性部」の発足を発表。戸田先生のもとで生まれた婦人部と女子部が、ともに結成70周年を迎える本年、池田先生のもとから女性部として出発することを、皆で最大に祝福したいと述べた。次いで大串女子部長、永石婦人部長が、女性部の発足へ、それぞれの部結成70周年を広布拡大の勝利の実証で飾る決意を語った。
——今年の5月3日は戸田先生の会長就任70周年。その陰には、事業の行き詰まりで窮地の恩師を一人支えた、若き池田先生の激闘があった。
戸田先生は就任直前の1951年(昭和26年)4月20日、聖教新聞を創刊。就任翌月の6月に、ただちに婦人部を、7月には、男子部と女子部を結成した。
終戦から6年。誤った思想のもと始められた戦争によって、多くの女性たちが家族を失い、時代に翻弄され、悲哀に泣いていた。その女性たちに、広宣流布の道に生きる中に、宿命転換と人間革命と幸福の道があることを指し示したのである。
1960年(昭和35年)5月3日、第3代会長に就任した池田先生は戸田先生の心のままに、日本中、世界中の創価の母と華陽の乙女に、たゆみない激励の光を送り続けた。「女性の希望の世紀」を展望し、麗しき"婦女一体"の連帯を温かく見守り続けてきた。
このたびの「女性部」の発足は、女性の社会進出、ライフスタイルや価値観の多様化という時代の変化を踏まえながら、これまでの"婦女一体"の流れを一層強くし、より幅広い人材を糾合し、永遠に広布の「未来の門」を開いていくためのものである。
歴史的な発表に当たって、次々と喜びの声が寄せられた。
「隆々たる人材の大河を築く使命を担う女性部の発足です。その発表の場に居合わせた私たちの使命は大きいと感じます。眼前の広布の山を必ず勝ち越え、私たちが加わる『11・18』を迎えます」(総東京女子部)
「新時代の到来に心が弾みます。戸田先生のもとで結成された婦人部・女子部が、池田先生・奥さまのもとで女性部として出発することに深い意義を感じています。先駆者の誇りを胸に、必ず新たな師弟勝利の金字塔を打ち立ててまいります」(関西婦人部)
◆◇◆
幹部会では、原田会長による「女性部」の発表、大串女子部長、永石婦人部長のあいさつの後、音楽隊・創価グロリア吹奏楽団と鼓笛隊・創価シャイニングスピリッツによる「母」の歌の祝賀演奏(事前収録)が披露された。
池田主任副会長が、池田先生のメッセージを紹介。次に、ベネズエラSGI(創価学会インタナショナル)のサラス理事長のあいさつ動画が放映された。同理事長は混迷する国内情勢の中でも、皆で励まし合いながら師弟共戦の前進を続ける、同SGIの奮闘の模様を述べた。
志賀青年部長は、立正安国の対話にまい進する各地の青年部の活動を報告した。
再び登壇した原田会長は、本年の11月18日を記念して発刊が予定されている、新版の御書全集の概要を紹介。さらに、学会創立100周年記念事業となる建設計画を発表した(ともに後日詳報)。
最後に、VOD番組「勇気こそ 栄光の『5・3』を貫く魂」を皆で視聴した。
聖教と共に今日も前進。
「仏は文字に依って
衆生を度し給うなり」
励ましの言葉を広げ
人間革命の日記文書を!
2021年4月19日
報恩抄 P329
『日蓮が慈悲曠大ならば南無妙法蓮華経は万年の外未来までもながるべし』
【通解】
日蓮の慈悲が広大であるならば、南無妙法蓮華経は万年のほか未来の果てまでも流布するであろう。
名字の言 アイデアが生まれる最適な場所 2021年4月19日
古来、文章を練るのに最適な場所は「三上」といわれてきた。「馬上・枕上・厠上」の3カ所である▼現代では「電車」「寝室」「トイレ」になろうか。小欄も移動の車中で着想を得ることが少なくない。この三つの場面の共通点は「リラックスできる空間」といえよう。もちろん、すし詰めの満員電車だと事情は異なるが、環境を変えることで良いアイデアが浮かんだ経験は誰しもあるはずだ▼そんな話を先日、壮年部の友と交わしたら「じゃあ私は"四上"ですね」と返ってきた。四つ目は「畳の上」だという。「仕事や生活のことで行き詰まるたびに御本尊の前に座って、祈って、たくさん智慧を湧かせてきました」▼法華経方便品には「諸仏の智慧は甚深無量なり」と。日蓮仏法では「以信代慧」を説く。わが身に具わる仏に等しい智慧を「南無妙法蓮華経」の題目によって引き出していくのである。かつて池田先生は「祈りの姿勢」について語った。「自分らしく、ありのままの姿で御本尊の前に端座すればいいのです。そして苦しいことも、つらいことも、そのまま祈っていけばいい」▼月々日々に勤行・唱題から出発しよう。その積み重ねに、決して行き詰まることのない人生の価値創造の道がある。(恭)
寸鉄 2021年4月19日
「5・3」寿ぐ本部幹部会。さあ創価の元日から清新な決意で!勝利へ総立ち
地域で助け合う学会の絆は社会支える力—識者。危機の今こそ声掛け益々
皆に好かれる事から広布は始まるんだ—戸田先生誠実第一で周囲を味方に
忘れない勉強法—人に教えるつもりで学ぶ事と。学び伝える。行学も両輪
10分程度でも日光を直接浴びて—医師。心身健康のため。3密避けて賢く
☆御書の旭光を 第19回 新鮮な祈りから一日を出発
〈御文〉
『総じて此の法華経を強く信じまいらせて余念なく一筋に信仰する者をば影の身にそふが如く守らせ給ひ候なり』(上野殿御消息、1528ページ)
〈通解〉
総じて、この法華経を強盛に信じて、余念なく一筋に信仰する人を、(仏・菩薩・諸天等が)ちょうど影が身に添うように守護されるのである。
〈池田先生が贈る指針〉
強盛に題目を唱える人を、仏天は必ず守る。一切を良き方向へ導く働きが厳然と現れる。
ゆえに新鮮な祈りから一日を出発だ。今日もベストの価値創造をと一念を定め、具体的に祈念するのだ。一遍の題目にも無量の力がある。
奮闘する新社会人よ、妙法と共に青春を舞い征け! 勢いよくスタートダッシュを!
☆御書カフェ 華陽姉妹の語らい 久遠とははたらかさず・つくろわず・もとの儘と云う義なり 2021年4月10日
◇御文
『久遠とははたらかさず・つくろわず・もとの儘と云う義なり』(御義口伝、御書759ページ)
◇通解
久遠とははたらかさず、つくろわず、もとのままということである。
◇教えて
自分らしく広布の使命を果たしていきたいです。
◇池田先生の指導
真剣に妙法を唱え、法のため、人のため、社会のために行動するなかで、「本有無作」のありのままの凡夫の身に、偉大な仏の境涯を現していける。久遠元初のわが生命を旭日のように光り輝かせていけるのです。
「御義口伝」には、「久遠とははたらかさず・つくろわず・もとの儘と云う義なり」(御書759ページ)と説かれています。
気取りや見栄など、いらない。人と比べて、自分を卑下してもいけません。
最高に明るく伸び伸びと、自分らしさを発揮して、社会に貢献できるのが、正しき「自体顕照」の信仰です。(『御書と青年』)
◇ ◆ ◇
「広布の前進のために」「同志の幸福のために」とたゆまず祈り、心を定めていけば、私たちの一挙手一投足も必ず信心の触発となるはずだ。
共に語り、共に喜ぶ。共に充実した時間を過ごし、共々に戦い勝つ——心に積み重ねた、その福徳の歴史は、互いの人生を支える土台となる。(『随筆 輝く民衆の大城』)
☆紙上セミナー 仏法思想の輝き ドクター部医療技術部会委員長 郷野隆幸
【プロフィル】ごうの・たかゆき あん摩マッサージ指圧師。ごうの指圧治療院院長(東京都)。65歳。1955年(昭和30年)入会。東京都練馬区在住。副総区長。東京副ドクター部長。
楽観主義で健康人生を
「どうして、押したりもんだりするだけで、肩こりや腰痛が楽になるの?」と聞かれることがあります。
東洋医学では、人体の基礎的なエネルギーを「気」と言い、気が各臓器と密接に連携する道筋を「経絡」と呼びます。経絡上には気の出入口である「経穴」、つまり「ツボ」があります。どこか神秘的なイメージのあるツボ療法ですが、世界保健機関(WHO)が医学的根拠を基に効果を実証しているツボの数だけでも、私たちの体の中に361カ所あります。
ツボは、体の不調を知る目安であり、また、不調を改善するポイントにもなります。主に神経や血管が多く交差するところに存在するので、刺激すると血行が促進され、自律神経が整い、免疫力がアップするなどの働きが表れます。症状に合わせてツボを刺激することで、人間が本来持っている自然治癒力を引き出し、さまざまな症状の改善に効果を発揮します。
簡単セルフケア
季節の変わり目は、気圧の変化や寒暖差によって体に負荷がかかります。また、進学・進級や就職、職場の異動など、生活環境が変化する時期は、ストレスによって体のホルモンバランスが崩れがちです。すると、さまざまな不調が起こりやすくなります。
そこで今回は、体の調子を整えるために自分でもできる、簡単な指圧と代表的なツボを紹介します(※無理なツボ押しや、妊娠中の方、飲酒の前後での指圧は控えてください)。
はじめに押し方ですが、ツボに対して真っすぐ刺激を与える「垂直圧」が基本です。押す時は息を吐きながら、指が徐々に体に"沈み込んでいく"ように押します。
ここで取り上げるのは「労宮」「合谷」というツボ。
「労宮」は、自律神経を整え、心身の疲れに効きます。手を握った時、手のひらに中指と薬指の指先が当たるところの中間にあります。ストレスやイライラを抑え、胃腸の不調を改善し、血行促進によって肩や首のコリにも効きます。
「合谷」は、"万能のツボ"として有名です。手の甲側で、人さし指と親指の骨がぶつかる場所のくぼみの、人さし指寄りにあります。喉や歯の痛み、頭痛などの鎮痛作用があるほか、ストレスや眼精疲労、肌荒れ、便秘・下痢など、幅広い症状に効果があります。
次に、整腸を促すマッサージを紹介します。
実は今、感染症に立ち向かう上で、体を守る"免疫の最前線"として「腸」の役割が重視されています。さまざまな"外敵"と戦う免疫細胞の7割が腸でつくられ、ストレス緩和や幸福感をもたらす神経伝達物質「セロトニン」も、その9割が腸で生成されます。腸内環境を整えることで、免疫力が上がり、心身のバランスも整えていけます。
押し方は簡単。まず、両手の指をそろえて腹部に立てます。そのまま呼吸に合わせて、みぞおちから少しずつ移動させながら腹の上に「の」の字を書くように押し込みます。これを3周、繰り返します。食事の前後は避け、1日2回程度を毎日、持続してみてください。便秘や腰痛にも効果は抜群です。
◇"心のツボ"押し
仏法では「色心不二」と説き、肉体(色法)と精神(心法)が密接に影響し合っていると洞察します。「人間」という全体観に立って健康というものを考えた時、肉体だけではなく、心の働きも考慮すべきでしょう。
例えば、「喜び」「感謝」などの前向きな精神状態は人体の免疫系の働きを高めて健康を促進させ、逆に「怒り」「絶望」といったネガティブな状態は、免疫系の働きを低下させてしまうということを指摘する研究者もいます。
日蓮大聖人は「病によりて道心はをこり候なり」(御書1480ページ)と仰せです。病気という試練も、求道の心を起こす契機とし、より大きな境涯を開く糧としていく、前向きな楽観主義にこそ仏法者の生き方の真髄があります。
私自身、腰椎椎間板ヘルニアで手術を勧められ、入院を余儀なくされたことがありました。仕事もできず、経済的にも苦境に立たされました。
それでも、「南無妙法蓮華経は師子吼の如し」(同1124ページ)との御聖訓、そして池田先生の"題目の師子吼は無敵である"との励ましを胸に、"絶対勝利"の一念で祈り、病魔に挑みました。やがて、医師も驚くほど症状は好転し、再検査の結果、手術も投薬治療もすることなく「寛解」を告げられたのです。
この経験があったからこそ、仕事においても、患者さんの心に深く寄り添える自分自身に変わることができ、自らの境涯を開くことができたと感謝しています。
私は、前向きな「喜び」の心を"心のツボ"と呼んでいます。これを"押す"のは、御本尊への真剣な祈りです。題目をあげればあげるほど、心が前向きになり、元気になります。生命力が豊かになれば、心身の健康も促進されます。
最後に紹介する"心のツボ"は「笑い」です。皆で大いに笑い、今日も元気に過ごしましょう。さあ、大きく息を吸って……わっはっはっはっは!
◇[視点]真の歓喜とは
人生の道程には、さまざまな困難が起こります。むしろ、壁や悩みのない人生など、ありえないでしょう。
日蓮大聖人は、「苦楽ともに思い合せて南無妙法蓮華経とうちとなへゐさせ給へ」(御書1143ページ)と仰せです。目の前の苦も楽も、信心の高い境涯から悠々と見下ろし、強き祈りで、あらゆる苦悩を楽しみに変えていく。そうした深い生き方の中にこそ、真の歓喜があることを教えられています。
「何とかなる」という安易な楽観主義でも、「もうだめだ」という悲観主義でもない——信心の実践によって開かれる仏法のたくましき楽観主義とは、何があっても前向きの方向に捉え、逆風に勇敢に立ち向かっていく不屈の境涯のことなのです。
☆創立100周年へ 第3回本部幹部会 婦人部希望総会
◇婦人部と女子部で「女性部」発足へ
◇5月3日に婦人部の名称を変更 11月18日を期して女子部と一体に
栄光の5月3日「創価学会の日」を慶祝する第3回本部幹部会が18日午後、巣鴨の東京戸田記念講堂で開催された。6・10「部結成70周年」を記念する婦人部希望総会の意義を込めたもの。これには原田会長、長谷川理事長、永石婦人部長が各部の代表と出席。席上、婦人部と女子部が「女性部」として出発することが発表された。5月3日に婦人部の名称が「女性部」となり、11月18日を期して、両部が一体となる。池田大作先生はメッセージ(3面に掲載)を贈り、女性部の誕生を祝福。広布の女性たちを先頭に、慈悲と勇気と忍耐で「太陽の仏法」を語り切ってきた学会精神の真髄を今再び燃え上がらせ、妙法の大良薬の功力を地域へ世界へ満々とみなぎらせようと呼び掛けた。(2・3面に関連記事。全国配信は23日から29日<配信の会場と時間等は各県・区で決定>。同期間中、「モバイルSTB」「SOKAnet」でも視聴可能)
◇池田先生がメッセージ「地域へ世界へ太陽の仏法の功力を満々と」 原田会長、永石婦人部長が各部の代表と出席
創価の女性の「希望の世紀」が晴れ晴れと幕を開けた。
未明まで吹き荒れた春の嵐はやみ、新緑の東京に赫々と太陽が昇る。広宣流布の新生の船出を、諸天も寿ぐかのような青空が一面に広がった。
創価の元日である「5月3日」を祝賀し、師弟不二の「7月3日」へ凱歌の行進を誓い合う本部幹部会。「わが婦人部・女子部の結成70年の偉大なる歴史を昇華して、颯爽と『女性部』の誕生、誠におめでとう!」——池田先生がメッセージで呼び掛けると、講堂は万雷の拍手に包まれた。その模様を、初代会長・牧口常三郎先生と第2代会長・戸田城聖先生の肖像が厳然と見守っている。
幹部会では冒頭、原田会長があいさつし、「女性部」の発足を発表。戸田先生のもとで生まれた婦人部と女子部が、ともに結成70周年を迎える本年、池田先生のもとから女性部として出発することを、皆で最大に祝福したいと述べた。次いで大串女子部長、永石婦人部長が、女性部の発足へ、それぞれの部結成70周年を広布拡大の勝利の実証で飾る決意を語った。
——今年の5月3日は戸田先生の会長就任70周年。その陰には、事業の行き詰まりで窮地の恩師を一人支えた、若き池田先生の激闘があった。
戸田先生は就任直前の1951年(昭和26年)4月20日、聖教新聞を創刊。就任翌月の6月に、ただちに婦人部を、7月には、男子部と女子部を結成した。
終戦から6年。誤った思想のもと始められた戦争によって、多くの女性たちが家族を失い、時代に翻弄され、悲哀に泣いていた。その女性たちに、広宣流布の道に生きる中に、宿命転換と人間革命と幸福の道があることを指し示したのである。
1960年(昭和35年)5月3日、第3代会長に就任した池田先生は戸田先生の心のままに、日本中、世界中の創価の母と華陽の乙女に、たゆみない激励の光を送り続けた。「女性の希望の世紀」を展望し、麗しき"婦女一体"の連帯を温かく見守り続けてきた。
このたびの「女性部」の発足は、女性の社会進出、ライフスタイルや価値観の多様化という時代の変化を踏まえながら、これまでの"婦女一体"の流れを一層強くし、より幅広い人材を糾合し、永遠に広布の「未来の門」を開いていくためのものである。
歴史的な発表に当たって、次々と喜びの声が寄せられた。
「隆々たる人材の大河を築く使命を担う女性部の発足です。その発表の場に居合わせた私たちの使命は大きいと感じます。眼前の広布の山を必ず勝ち越え、私たちが加わる『11・18』を迎えます」(総東京女子部)
「新時代の到来に心が弾みます。戸田先生のもとで結成された婦人部・女子部が、池田先生・奥さまのもとで女性部として出発することに深い意義を感じています。先駆者の誇りを胸に、必ず新たな師弟勝利の金字塔を打ち立ててまいります」(関西婦人部)
◆◇◆
幹部会では、原田会長による「女性部」の発表、大串女子部長、永石婦人部長のあいさつの後、音楽隊・創価グロリア吹奏楽団と鼓笛隊・創価シャイニングスピリッツによる「母」の歌の祝賀演奏(事前収録)が披露された。
池田主任副会長が、池田先生のメッセージを紹介。次に、ベネズエラSGI(創価学会インタナショナル)のサラス理事長のあいさつ動画が放映された。同理事長は混迷する国内情勢の中でも、皆で励まし合いながら師弟共戦の前進を続ける、同SGIの奮闘の模様を述べた。
志賀青年部長は、立正安国の対話にまい進する各地の青年部の活動を報告した。
再び登壇した原田会長は、本年の11月18日を記念して発刊が予定されている、新版の御書全集の概要を紹介。さらに、学会創立100周年記念事業となる建設計画を発表した(ともに後日詳報)。
最後に、VOD番組「勇気こそ 栄光の『5・3』を貫く魂」を皆で視聴した。
2021年4月18日日曜日
2021.04.18 わが友に贈る
未来部は一人ももれなく
世界の大いなる希望だ。
苦難の時代を勝ち越えて
勇気を広げる宝の人だ。
皆で最大のエールを!
三三蔵祈雨事 P1468
『夫れ木をうえ候には大風吹き候へどもつよきすけをかひぬればたうれず、本より生いて候木なれども根の弱きはたうれぬ、甲斐無き者なれどもたすくる者強ければたうれず、すこし健の者も独なれば悪しきみちにはたうれぬ』
【通解】
木を植える場合には、大風が吹いたとしても、強い支えがあれば倒れない。もともと生えていた木であっても、根が弱いものは倒れてしまう。たとえ、ふがいない者であっても、助ける者が強ければ、倒れない。少々強い者であっても、独りであれば、悪い道では倒れてしまう
名字の言 男子ゴルフの松山英樹選手が帰国後に語った言葉 2021年4月18日
ゴルフファンならずとも、快挙に喝采を送ったに違いない。男子ゴルフのマスターズ・トーナメントで松山英樹選手が初優勝。日本男子初のメジャー制覇を成し遂げた興奮は、なお冷めない▼マスターズへの初挑戦は10年前。東日本大震災が発生した直後だった。当時、松山選手は大学生。キャンパスのある仙台市が被災し、出場辞退も考えた。だが多くの励ましに背中を押され、参戦を決意。アマチュア選手として最高の成績を収め、ゴルフ人生の転機をつかんだ▼帰国後の会見で松山選手は語った。「10年前、大変な時に送り出してくれたという感謝の気持ちは忘れていません」。10年の経過が早いのか遅いのかは分からないが、東北の皆さんにいい報告ができて良かったと、震災から10年1カ月の日(11日)の優勝を笑顔で振り返った▼「感謝の心」は人を大きく成長させる。試練に直面した時、自らを支える力ともなる。反対に、その心を失ってしまえば、いつか行き詰まる。恩を忘れない生き方が人間を強くする▼「この人生における疑う余地のないただひとつの幸福は、他人のために生きることである」(小沼文彦訳編)とは、文豪トルストイの言葉。"誰かのため"との一念から未来は開かれる。(仁)
寸鉄 2021年4月18日
学会の家族の如き絆は健全な人間育む土壌—学者共に励まし、共々に成長
「師子の声には一切の獣・声を失ふ」御書。語った分正義は拡大。情熱込めて
運命を打開できる仏法だ—恩師。苦しい状況ほど題目。必勝の智慧ここに
大学会の日。青春の誓いは生涯貫いてこそ。使命の舞台で広布前進の劇を
相手の印象は表情や声の調子で決まると。今日笑顔忘れず爽やかに挨拶
☆池田先生と共に 希望・勝利の師弟旅 高き志で新時代を創れ 2021年4月10日
この4月20日、我らの聖教新聞は、晴れて創刊満70年を迎える。
「智者とは世間の法より外に仏法を行ず」(御書1466ページ)と説かれる通り、聖教は、「信心即生活」「仏法即社会」という真の「智者」の言論を、いよいよ正確に明快に、そして勇敢に誠実に世に送りゆくのだ。
正しい情報で、皆の命を守りたい。一人でも多く、安心と勇気を届けたい——。この一念を込めて、青年部は気鋭の医学者との会議を重ね、聖教で発信してくれている。世界の識者からの深い啓発の寄稿も、感謝に堪えない。
智勇冴える、わが学術部の論陣も、また見事である。
そして、日々献身してくださっている「無冠の友」の皆さま、通信員、拡大に奮闘される新聞長をはじめ、全国・全世界の宝友に心から御礼を申し上げたい。
本当にありがとう!
◇ ◆ ◇
青年の志が歴史を動かす。春4月、新たな出発をした若人たちの勇舞がすがすがしい。
戸田先生が18歳の時に綴られたエッセーの一節に——なぜ、汝は青年か?と聞かれたら、「望み」があるから!と答えたい、とある。
先生は、誰よりも青年として、一生涯、遠大な「望み」を貫き通された。そして、こよなく青年を愛され、誰もが大いなる希望を抱き、高き志を果たせるように導いてくださったのである。
師の熱情の結晶というべき「青年訓」は、聖教新聞が創刊されて半年後の1951年10月、第17号に発表された。
「新しき世紀を創るものは、青年の熱と力である」——その源泉となることこそ、先生が聖教へ託された「望み」であったのだ。
先生は終生、語り続けた。
「広宣流布の大事業は、新しい時代に応じた、新しい熱と力が、不可欠なのだ! それには、青年が立つことだ。青年の力を信ずることだ」と。
◇ ◆ ◇
日蓮大聖人は、若き南条時光へ、ひときわ多くのお手紙を送られ、薫陶された。「智者」の道、「賢人」の道、「師子王」の道を示していかれたのである。
三世の生命観から「一切衆生の恩」を明かされて、「生生世世に皆恩ある衆生なれば皆仏になれと思ふべきなり」(御書1527ページ)と教えられたこともある。
今、男女青年部の友が聖教新聞・電子版を活用しつつ、民衆の幸福と社会の安穏を祈って、「立正安国」の対話を積み重ねている。そして、幸と平和の仏縁を結んでいることを、どれほど御本仏は喜んでくださることであろうか。
◇ ◆ ◇
現代は、若者が希望や志を持ちにくい社会と憂慮されている。その中で同世代と地域に信頼の輪を広げ、一人一人の小さな声に耳を傾け、大きく糾合して、時代を変えゆかんとする創価の青年の挑戦は、何と尊く、何と力強いことか!
あの「青年訓」に示されたごとく、「忍辱のよろいを著、慈悲の利剣をひっさげて」、朗らかに前進してくれ給えと、私は祈り見守っている。
世界の大いなる希望だ。
苦難の時代を勝ち越えて
勇気を広げる宝の人だ。
皆で最大のエールを!
三三蔵祈雨事 P1468
『夫れ木をうえ候には大風吹き候へどもつよきすけをかひぬればたうれず、本より生いて候木なれども根の弱きはたうれぬ、甲斐無き者なれどもたすくる者強ければたうれず、すこし健の者も独なれば悪しきみちにはたうれぬ』
【通解】
木を植える場合には、大風が吹いたとしても、強い支えがあれば倒れない。もともと生えていた木であっても、根が弱いものは倒れてしまう。たとえ、ふがいない者であっても、助ける者が強ければ、倒れない。少々強い者であっても、独りであれば、悪い道では倒れてしまう
名字の言 男子ゴルフの松山英樹選手が帰国後に語った言葉 2021年4月18日
ゴルフファンならずとも、快挙に喝采を送ったに違いない。男子ゴルフのマスターズ・トーナメントで松山英樹選手が初優勝。日本男子初のメジャー制覇を成し遂げた興奮は、なお冷めない▼マスターズへの初挑戦は10年前。東日本大震災が発生した直後だった。当時、松山選手は大学生。キャンパスのある仙台市が被災し、出場辞退も考えた。だが多くの励ましに背中を押され、参戦を決意。アマチュア選手として最高の成績を収め、ゴルフ人生の転機をつかんだ▼帰国後の会見で松山選手は語った。「10年前、大変な時に送り出してくれたという感謝の気持ちは忘れていません」。10年の経過が早いのか遅いのかは分からないが、東北の皆さんにいい報告ができて良かったと、震災から10年1カ月の日(11日)の優勝を笑顔で振り返った▼「感謝の心」は人を大きく成長させる。試練に直面した時、自らを支える力ともなる。反対に、その心を失ってしまえば、いつか行き詰まる。恩を忘れない生き方が人間を強くする▼「この人生における疑う余地のないただひとつの幸福は、他人のために生きることである」(小沼文彦訳編)とは、文豪トルストイの言葉。"誰かのため"との一念から未来は開かれる。(仁)
寸鉄 2021年4月18日
学会の家族の如き絆は健全な人間育む土壌—学者共に励まし、共々に成長
「師子の声には一切の獣・声を失ふ」御書。語った分正義は拡大。情熱込めて
運命を打開できる仏法だ—恩師。苦しい状況ほど題目。必勝の智慧ここに
大学会の日。青春の誓いは生涯貫いてこそ。使命の舞台で広布前進の劇を
相手の印象は表情や声の調子で決まると。今日笑顔忘れず爽やかに挨拶
☆池田先生と共に 希望・勝利の師弟旅 高き志で新時代を創れ 2021年4月10日
この4月20日、我らの聖教新聞は、晴れて創刊満70年を迎える。
「智者とは世間の法より外に仏法を行ず」(御書1466ページ)と説かれる通り、聖教は、「信心即生活」「仏法即社会」という真の「智者」の言論を、いよいよ正確に明快に、そして勇敢に誠実に世に送りゆくのだ。
正しい情報で、皆の命を守りたい。一人でも多く、安心と勇気を届けたい——。この一念を込めて、青年部は気鋭の医学者との会議を重ね、聖教で発信してくれている。世界の識者からの深い啓発の寄稿も、感謝に堪えない。
智勇冴える、わが学術部の論陣も、また見事である。
そして、日々献身してくださっている「無冠の友」の皆さま、通信員、拡大に奮闘される新聞長をはじめ、全国・全世界の宝友に心から御礼を申し上げたい。
本当にありがとう!
◇ ◆ ◇
青年の志が歴史を動かす。春4月、新たな出発をした若人たちの勇舞がすがすがしい。
戸田先生が18歳の時に綴られたエッセーの一節に——なぜ、汝は青年か?と聞かれたら、「望み」があるから!と答えたい、とある。
先生は、誰よりも青年として、一生涯、遠大な「望み」を貫き通された。そして、こよなく青年を愛され、誰もが大いなる希望を抱き、高き志を果たせるように導いてくださったのである。
師の熱情の結晶というべき「青年訓」は、聖教新聞が創刊されて半年後の1951年10月、第17号に発表された。
「新しき世紀を創るものは、青年の熱と力である」——その源泉となることこそ、先生が聖教へ託された「望み」であったのだ。
先生は終生、語り続けた。
「広宣流布の大事業は、新しい時代に応じた、新しい熱と力が、不可欠なのだ! それには、青年が立つことだ。青年の力を信ずることだ」と。
◇ ◆ ◇
日蓮大聖人は、若き南条時光へ、ひときわ多くのお手紙を送られ、薫陶された。「智者」の道、「賢人」の道、「師子王」の道を示していかれたのである。
三世の生命観から「一切衆生の恩」を明かされて、「生生世世に皆恩ある衆生なれば皆仏になれと思ふべきなり」(御書1527ページ)と教えられたこともある。
今、男女青年部の友が聖教新聞・電子版を活用しつつ、民衆の幸福と社会の安穏を祈って、「立正安国」の対話を積み重ねている。そして、幸と平和の仏縁を結んでいることを、どれほど御本仏は喜んでくださることであろうか。
◇ ◆ ◇
現代は、若者が希望や志を持ちにくい社会と憂慮されている。その中で同世代と地域に信頼の輪を広げ、一人一人の小さな声に耳を傾け、大きく糾合して、時代を変えゆかんとする創価の青年の挑戦は、何と尊く、何と力強いことか!
あの「青年訓」に示されたごとく、「忍辱のよろいを著、慈悲の利剣をひっさげて」、朗らかに前進してくれ給えと、私は祈り見守っている。
2021年4月17日土曜日
2021.04.17 わが友に贈る
皆が桜梅桃李の人材だ。
互いの長所を生かし
支え合っていこう!
強き団結で
共に人間革命の実証を!
最蓮房御返事 P1341
『日蓮末法の初の五百年に生を日域に受け如来の記文の如く三類の強敵を蒙り種種の災難に相値つて身命を惜まずして南無妙法蓮華経と唱え候は正師か邪師か能能御思惟之有る可く候』
【通解】
日蓮が末法の初めの五百年に生を日本に受け、如来の予言の通り、三類の強敵による迫害を受け、種々の災難にあって、身命を惜しまずに南無妙法蓮華経と唱えているのは、正師であるか邪師であるか、よくよくお考えいただきたい。
名字の言 「イチャリバチョーデー」の由来 2021年4月17日
「袖振り合うも多生の縁」とは、道行く人と袖が少し触れ合った程度の関係でも、過去世からの宿縁があるとの考え方。出会いの多い新年度だが、袖すらも触れ合うのが難しい世情だからこそ、一つ一つの縁を大切にしたい▼沖縄の心を表す言葉「イチャリバチョーデー(行き会えば、皆、きょうだい)」には続きがある。「ヌーフィダティヌアガ(何の隔てがあろうか)」。起源は1800年に初演された琉球の歌舞劇・組踊「大川敵討」の台詞にある。第2次大戦後、与那原町出身の前川朝昭氏が民謡「兄弟小節」の囃子詞に用い、歌ったことで広く知られた▼氏は大戦を生き抜いた後、行方知れずになっていた友人と再会した。同民謡の歌詞には、その喜びが込められている。「嵐世ぬ中ん 漕じ渡てぃ互に 又行逢る節ん あてる嬉しゃ(嵐の世の中を漕ぎ渡って、互いにまた出会える時節があるなんてうれしい)」▼"混迷の世を生きる苦しさに、何の隔てがあろうか"——「行き会えば、皆、きょうだい」の精神とは「同苦の心」ともいえよう▼「仏種は縁に従って起る」(御書1467ページ)。古い友人を大切に、新しい仏縁を結ぶ。いつの時代も、友情は喜びを倍にし、悲しみを半分にしてくれる。(踊)
寸鉄 2021年4月17日
会長は「広宣流布」という世界平和の展望示した—博士。未聞の大民衆運動
山形県婦人部の日。語れば元気に。歓喜が広がる。使命の天地で一歩前進!
「煩悩即菩提」の仏法だ。悩みは成長の糧。祈り、勝った体験が友の希望に
国内の温室効果ガス排出量が6年連続減。地球を守る変革の思潮更に強く
違法な仕事等に大学生や高校生を巻き込む勧誘多し。悪縁に惑わされるな
☆世界広布のわが舞台 第11回 人材育成グループでの経験を生かす——ペルー サン・ミゲル地区
今回は、南米ペルーの首都リマにあるサン・ミゲル地区を紹介します。コロナ禍の厳しい状況が続く中、同地区ではリーダーが工夫を凝らして未来部・青年部の育成に励んでいます。(記事=木村輝明、山科カミラ真美)
◇団地の隣に古代遺跡
ペルーの首都にして、約1000万人が暮らす同国最大の都市リマ。その中心部から南西に5キロほど離れた場所にあるのが、43に区分されたリマの行政区の一つ「サン・ミゲル区」である。
太平洋に面した同区には、ショッピングモールや大学機関などのほか、高層団地に隣接した古代遺跡「ワカ・ワンティナマルカ」がある。悠久の歴史のロマンが薫る地域だ。
同区を舞台に活動するペルーSGIのサン・ミゲル地区では今、オンライン会合への青年部・未来部の参加者が70人を超えるなど、若い力が躍動している。
◇学校閉鎖の中の知恵
ペルーでは新型コロナウイルスの感染拡大が収まらず、昨年3月に発出された国家緊急事態令が今も続く。
その影響を最も受けている一つが教育機関である。同国では、コロナ禍が始まって以来、小・中学校等での対面の授業が一度も行われていない。
支部未来部責任者として、未来部員を見守ってきたサムエル・ロマンさんは言う。「学校に行けない。友達に会えない。家から出られない。窮屈な状況下で頑張る子どもたちに、少しでも楽しい時間を過ごしてもらえないかと、皆で真剣に話し合いました」
教員でもあるロマンさんは、月に1度の未来部員会を、メンバーの創造力や主体性を育む集いにしようと、女子部の同責任者であるアンドレア・ハラさんらと、ユニークな企画を考案した。
「心の財」をテーマに、ぬいぐるみのライオンが仏法を語り合う寸劇、切り絵の工作企画、さらには知人のマジシャンに頼み込み、マジックを披露してもらうなど、創意工夫を重ねた。
気付けば、懸命な行動が実を結んだ。集いは大反響を呼び、当初の2倍近いメンバーが参加するように。
「毎回、会合を終えると、『次の会合はいつなの?』と、子どもたちから電話やSNSのメッセージがたくさん来るようになりました」
コロナ禍にあっても、同地区の友は豊かな知恵に根差した取り組みで、未来っ子に笑顔の花を咲かせている。
◇人に尽くす心を育む
ペルーでは、どのように師弟や信心の重要性を学んでいるのだろうか。
サン・ミゲル地区の男女地区リーダーに尋ねると、二人が挙げたのは「人材育成グループでの活動」だった。
エリダ・ベルナオーラ女子地区リーダーが白蓮グループの一員になったのは、2017年6月のこと。きっかけは、亡くなった父の存在だった。
創価教育の思想に感銘を受け、1969年に入会した父は、地域広布の草分けとして同志に尽くす人生を送っていた。「何があっても、広布の使命を果たすんだよ」と語っていた父の生前の姿を思い出し、彼女は同グループの一員になる。そして会館での任務や、中南米教学研修会などの役員に挑戦していった。
「白蓮の活動を通して、自分や家族など、身近な人のことしか考えなかった自分が、他者のために行動できるようになりました。何より、"友のために尽くす"という池田先生の心を体現できるようになったことが本当にうれしい。友人には、『私が笑顔でいられるのは、SGIの一員だからなんだよ』と、伝えています」
コロナ禍の現在も、白蓮グループではオンラインで、小説『新・人間革命』や御書の研さんを行い、人材育成に力を注いでいる。
4年前にSGIメンバーになったリカルド・レバサ男子地区リーダーは、入会から約1年後に創価班のメンバーに加わった。
「実は、自分から人に声を掛けるのが苦手だったんです。創価班の話を聞いて、そんな性格を変えたいと、志願しました」
同国では、創価班が会館警備や会合役員などを一手に担っている。
レバサ地区リーダーは研修期間に、先輩と共に任務に就く機会を得た。その際、彼の姿を目にした地域の同志が、さまざまな形で励ましてくれた。
こうした触れ合いの中で彼は、自分から周囲に声を掛けられるようになったという。「職場の同僚にも学会宣言をして、活動への理解を得ることができました。創価班で学んだ『一人立つ精神』を胸に、これからも会員厳護に尽くしていきたい」
◇青年の気概を忘れず
同地区の壮年・婦人部の友も、青年部時代の人材育成グループでの経験を、若い世代に語り継いでいる。
カルロス・ヨントップ地区部長が音楽隊に入隊したのは16歳の時だった。
「入隊間もない頃は、家計が厳しく、自宅から会館までの12キロの道のりを、学会歌を口ずさみながら、歩いて練習に通ったこともありました」
練習や指導会での研さんを通し、"人に勇気や希望を届けるために、何でもしよう"と心に決めた。
「責任を持って物事をやり遂げる大切さなど、社会で必要な力も音楽隊で鍛えていただき、逆境に負けず、最後の瞬間まで全力を尽くす生き方を学びました」
2002年には、東京でのSGI青年研修会に参加。池田先生に直接、ペルーの同志からの贈り物を手渡す機会を得た。「ペルーのメンバーからです」と品物を差し出すと、先生は"愛するペルーの同志によろしくお伝えください。どうかお元気で!"と、地区部長に万感の励ましを送った。
"何があっても先生の期待を裏切らない"と心に誓い、その後の人生を懸命に駆けてきたヨントップ地区部長。
一時は妻と別居し、離婚の危機に陥ったこともあるが、真剣に祈る中で状況は好転。再び一家和楽の家庭を築くことができた。後継の長男は昨年、音楽隊員になった。
バネッサ・アバント地区婦人部長は11歳で鼓笛隊に入り、フルートを担当した。
8年間の隊員生活で、最後の出動が忘れられない。3000人以上の観客の前で、池田先生の作詞した「母」のソロパートを演奏する大役を任せられた。
もともと人前に出ることも、演奏も苦手だった。だが8年間、懸命に先生の指導を学び、練習に励み抜く中で、一つ一つ克服することができた。集大成の舞台では、ノーミスで「母」を奏でた。
「鼓笛隊で先生の偉大さを学び、困難を恐れない自分に成長できました。このことが、私の人生の原点となっています」
人材育成グループでの活動を通し、師弟の精神を深め、宿命転換の実証を示してきた同地区の友。かつてない苦難の中にあっても、創価の励ましの連帯をたくましく広げている。
互いの長所を生かし
支え合っていこう!
強き団結で
共に人間革命の実証を!
最蓮房御返事 P1341
『日蓮末法の初の五百年に生を日域に受け如来の記文の如く三類の強敵を蒙り種種の災難に相値つて身命を惜まずして南無妙法蓮華経と唱え候は正師か邪師か能能御思惟之有る可く候』
【通解】
日蓮が末法の初めの五百年に生を日本に受け、如来の予言の通り、三類の強敵による迫害を受け、種々の災難にあって、身命を惜しまずに南無妙法蓮華経と唱えているのは、正師であるか邪師であるか、よくよくお考えいただきたい。
名字の言 「イチャリバチョーデー」の由来 2021年4月17日
「袖振り合うも多生の縁」とは、道行く人と袖が少し触れ合った程度の関係でも、過去世からの宿縁があるとの考え方。出会いの多い新年度だが、袖すらも触れ合うのが難しい世情だからこそ、一つ一つの縁を大切にしたい▼沖縄の心を表す言葉「イチャリバチョーデー(行き会えば、皆、きょうだい)」には続きがある。「ヌーフィダティヌアガ(何の隔てがあろうか)」。起源は1800年に初演された琉球の歌舞劇・組踊「大川敵討」の台詞にある。第2次大戦後、与那原町出身の前川朝昭氏が民謡「兄弟小節」の囃子詞に用い、歌ったことで広く知られた▼氏は大戦を生き抜いた後、行方知れずになっていた友人と再会した。同民謡の歌詞には、その喜びが込められている。「嵐世ぬ中ん 漕じ渡てぃ互に 又行逢る節ん あてる嬉しゃ(嵐の世の中を漕ぎ渡って、互いにまた出会える時節があるなんてうれしい)」▼"混迷の世を生きる苦しさに、何の隔てがあろうか"——「行き会えば、皆、きょうだい」の精神とは「同苦の心」ともいえよう▼「仏種は縁に従って起る」(御書1467ページ)。古い友人を大切に、新しい仏縁を結ぶ。いつの時代も、友情は喜びを倍にし、悲しみを半分にしてくれる。(踊)
寸鉄 2021年4月17日
会長は「広宣流布」という世界平和の展望示した—博士。未聞の大民衆運動
山形県婦人部の日。語れば元気に。歓喜が広がる。使命の天地で一歩前進!
「煩悩即菩提」の仏法だ。悩みは成長の糧。祈り、勝った体験が友の希望に
国内の温室効果ガス排出量が6年連続減。地球を守る変革の思潮更に強く
違法な仕事等に大学生や高校生を巻き込む勧誘多し。悪縁に惑わされるな
☆世界広布のわが舞台 第11回 人材育成グループでの経験を生かす——ペルー サン・ミゲル地区
今回は、南米ペルーの首都リマにあるサン・ミゲル地区を紹介します。コロナ禍の厳しい状況が続く中、同地区ではリーダーが工夫を凝らして未来部・青年部の育成に励んでいます。(記事=木村輝明、山科カミラ真美)
◇団地の隣に古代遺跡
ペルーの首都にして、約1000万人が暮らす同国最大の都市リマ。その中心部から南西に5キロほど離れた場所にあるのが、43に区分されたリマの行政区の一つ「サン・ミゲル区」である。
太平洋に面した同区には、ショッピングモールや大学機関などのほか、高層団地に隣接した古代遺跡「ワカ・ワンティナマルカ」がある。悠久の歴史のロマンが薫る地域だ。
同区を舞台に活動するペルーSGIのサン・ミゲル地区では今、オンライン会合への青年部・未来部の参加者が70人を超えるなど、若い力が躍動している。
◇学校閉鎖の中の知恵
ペルーでは新型コロナウイルスの感染拡大が収まらず、昨年3月に発出された国家緊急事態令が今も続く。
その影響を最も受けている一つが教育機関である。同国では、コロナ禍が始まって以来、小・中学校等での対面の授業が一度も行われていない。
支部未来部責任者として、未来部員を見守ってきたサムエル・ロマンさんは言う。「学校に行けない。友達に会えない。家から出られない。窮屈な状況下で頑張る子どもたちに、少しでも楽しい時間を過ごしてもらえないかと、皆で真剣に話し合いました」
教員でもあるロマンさんは、月に1度の未来部員会を、メンバーの創造力や主体性を育む集いにしようと、女子部の同責任者であるアンドレア・ハラさんらと、ユニークな企画を考案した。
「心の財」をテーマに、ぬいぐるみのライオンが仏法を語り合う寸劇、切り絵の工作企画、さらには知人のマジシャンに頼み込み、マジックを披露してもらうなど、創意工夫を重ねた。
気付けば、懸命な行動が実を結んだ。集いは大反響を呼び、当初の2倍近いメンバーが参加するように。
「毎回、会合を終えると、『次の会合はいつなの?』と、子どもたちから電話やSNSのメッセージがたくさん来るようになりました」
コロナ禍にあっても、同地区の友は豊かな知恵に根差した取り組みで、未来っ子に笑顔の花を咲かせている。
◇人に尽くす心を育む
ペルーでは、どのように師弟や信心の重要性を学んでいるのだろうか。
サン・ミゲル地区の男女地区リーダーに尋ねると、二人が挙げたのは「人材育成グループでの活動」だった。
エリダ・ベルナオーラ女子地区リーダーが白蓮グループの一員になったのは、2017年6月のこと。きっかけは、亡くなった父の存在だった。
創価教育の思想に感銘を受け、1969年に入会した父は、地域広布の草分けとして同志に尽くす人生を送っていた。「何があっても、広布の使命を果たすんだよ」と語っていた父の生前の姿を思い出し、彼女は同グループの一員になる。そして会館での任務や、中南米教学研修会などの役員に挑戦していった。
「白蓮の活動を通して、自分や家族など、身近な人のことしか考えなかった自分が、他者のために行動できるようになりました。何より、"友のために尽くす"という池田先生の心を体現できるようになったことが本当にうれしい。友人には、『私が笑顔でいられるのは、SGIの一員だからなんだよ』と、伝えています」
コロナ禍の現在も、白蓮グループではオンラインで、小説『新・人間革命』や御書の研さんを行い、人材育成に力を注いでいる。
4年前にSGIメンバーになったリカルド・レバサ男子地区リーダーは、入会から約1年後に創価班のメンバーに加わった。
「実は、自分から人に声を掛けるのが苦手だったんです。創価班の話を聞いて、そんな性格を変えたいと、志願しました」
同国では、創価班が会館警備や会合役員などを一手に担っている。
レバサ地区リーダーは研修期間に、先輩と共に任務に就く機会を得た。その際、彼の姿を目にした地域の同志が、さまざまな形で励ましてくれた。
こうした触れ合いの中で彼は、自分から周囲に声を掛けられるようになったという。「職場の同僚にも学会宣言をして、活動への理解を得ることができました。創価班で学んだ『一人立つ精神』を胸に、これからも会員厳護に尽くしていきたい」
◇青年の気概を忘れず
同地区の壮年・婦人部の友も、青年部時代の人材育成グループでの経験を、若い世代に語り継いでいる。
カルロス・ヨントップ地区部長が音楽隊に入隊したのは16歳の時だった。
「入隊間もない頃は、家計が厳しく、自宅から会館までの12キロの道のりを、学会歌を口ずさみながら、歩いて練習に通ったこともありました」
練習や指導会での研さんを通し、"人に勇気や希望を届けるために、何でもしよう"と心に決めた。
「責任を持って物事をやり遂げる大切さなど、社会で必要な力も音楽隊で鍛えていただき、逆境に負けず、最後の瞬間まで全力を尽くす生き方を学びました」
2002年には、東京でのSGI青年研修会に参加。池田先生に直接、ペルーの同志からの贈り物を手渡す機会を得た。「ペルーのメンバーからです」と品物を差し出すと、先生は"愛するペルーの同志によろしくお伝えください。どうかお元気で!"と、地区部長に万感の励ましを送った。
"何があっても先生の期待を裏切らない"と心に誓い、その後の人生を懸命に駆けてきたヨントップ地区部長。
一時は妻と別居し、離婚の危機に陥ったこともあるが、真剣に祈る中で状況は好転。再び一家和楽の家庭を築くことができた。後継の長男は昨年、音楽隊員になった。
バネッサ・アバント地区婦人部長は11歳で鼓笛隊に入り、フルートを担当した。
8年間の隊員生活で、最後の出動が忘れられない。3000人以上の観客の前で、池田先生の作詞した「母」のソロパートを演奏する大役を任せられた。
もともと人前に出ることも、演奏も苦手だった。だが8年間、懸命に先生の指導を学び、練習に励み抜く中で、一つ一つ克服することができた。集大成の舞台では、ノーミスで「母」を奏でた。
「鼓笛隊で先生の偉大さを学び、困難を恐れない自分に成長できました。このことが、私の人生の原点となっています」
人材育成グループでの活動を通し、師弟の精神を深め、宿命転換の実証を示してきた同地区の友。かつてない苦難の中にあっても、創価の励ましの連帯をたくましく広げている。
2021年4月16日金曜日
2021.04.16 わが友に贈る
新社会人の皆さん
信用こそ最大の宝だ。
「小さな約束も大切に」
「最後まで誠意を尽くす」
職場で光る存在に!
富木尼御前御返事 P975
『やのはしる事は弓のちからくものゆくことはりうのちから、をとこのしわざはめのちからなり』
【通解】
矢が飛ぶことは、弓の力です。雲が動くことは、竜の力です。男の行いは、女の力によるものです。
名字の言 「全ては俳句のタネ」——俳人の夏井いつきさん 2021年4月16日
俳句は「喜びの見つけ方」を教えてくれる——俳人の夏井いつきさんはこう語る。かつて、再婚した夫が肺がんと診断された。それでも夏井さんは夫の入院中に俳句を詠み続けた▼「蛍草コップに飾る それが愛」——病室での情景を一句詠むごとに前向きになれた。落ち込むような嫌なことでも、"貴重な体験"と捉えられるように。人生に起こる出来事を「全ては俳句のタネだと腹を括る。そこから新しいものの見方が生まれてくる」と(『夏井いつきの日々是「肯」日』清流出版)▼広島県に大規模土砂災害が起きたのは7年前。ある2人の婦人部員は、小学校で約1カ月の避難生活を送った。被災者の心労がピークに達した時、誰かが言った。「家に帰ってお茶したいね」▼それを聞いた2人は"今こそ皆が笑い合える地域にしよう"と、集会所を借りて"しゃべり場"を開催。「つきいちカフェ」と命名した集いを何年も重ねた今、住民同士のつながりは災害前より強固になった▼「悩みと喜びは、表裏一体です。この真理に目覚めるところに、真の人間の強さ、人生の深さがある」と池田先生は語る。どんな困難にも揺るがず、不屈の心で立ち向かう。そうすれば、全てを意味あるものに変えていける。(子)
寸鉄 2021年4月16日
広宣流布は一対一の膝詰め対話から—戸田先生。歓喜と納得の座談会皆で
香川女性の日。大誠実で一人への励ましを拡大!希望の春風を地域に送れ
人との交流が"コロナ鬱"防ぐ一番の鍵と。聡明に自分から声掛けの一歩を
2050年、寿命と「健康寿命」が一致と。生き方が問われる人生100年時代
叱らず気持ちを受け止める。この心が子の居場所に—識者。まず親が努力
☆不二の旅 第5回 池田先生と北陸
◇広布の誓願に生きよ
・北陸の歌「ああ誓願の歌」の大合唱が轟いた「第1回北陸平和文化祭」。池田先生は友の奮闘を心からたたえ、その躍動の姿をカメラに収めた(1984年8月26日、金沢市の石川県西部緑地公園陸上競技場で)
・富山創価学会結成16周年記念勤行会に出席。席上、「元初より/この日を待ちて/今ここに/富山の健児は/ついに立ちたり」と和歌を贈り、友を激励した(1976年11月14日、富山文化会館で)
・1984年8月25日、五箇山の富山研修道場(当時)を訪問した池田先生。現在、跡地には先生が北陸の友に贈った長編詩「山河遥か 北国の詩」の歌碑が設置されている
・池田先生が揮毫した「富山広布」。脇書には「五十一年十一月十四日」と。当時、先生は"広宣流布の福徳は後世永遠に光り輝く"と同志をたたえた
・1982年9月、6年ぶりに池田先生が北陸を訪問。「北陸広布開拓25周年記念勤行会」には、第1次宗門事件を勝ち越えた同志が朗らかに(石川文化会館で)。滞在中、先生は「誓」をはじめ、多くの揮毫を贈っている
・北陸広布を担う未来部・学生部の代表との記念撮影に臨む池田先生。「この写真は、必ず、一番模範の、歴史的な写真になるよ」と、万感の期待を寄せた(1984年8月、石川文化会館で)
・1982年9月にしたためられた「石川広布」。この折、池田先生は「師 生誕ノ地」との揮毫も。友の胸に師弟有縁の誇りが脈打つ
◇北陸の友に贈った指針
戸田先生が、しばしば、遺言のように語っていた言葉は何か。
それは「勇気」である。
「仏法の真髄は、慈悲であり、われわれにも慈悲は必要だけども、凡夫だから、なかなか慈悲はもてないものである。この慈悲に代わるのが勇気だ。
『人を救おう』『自分を向上させよう』『人間革命しよう』『日本を、世界を広宣流布しよう』という勇気だ。勇気をもって仏法を実践することが、慈悲に通じていくのである」
これが戸田先生の厳然たる指導であった。
有名人になる道。名声を得る道。社会的に高い地位に上る道。それは、いろいろあるだろう。
しかし「仏になる道」は、どこにあるのか。それは「広宣流布の拡大」にしかない。
大聖人の仏法は「広宣流布の信心」である。
信心即生活である。ゆえに、今がどれだけ厳しくとも、この広宣流布の信心さえ貫けば、すべての努力が生かされ、いくらでも生活の面で、また社会の面で、勝利し、成功していけるのである。
大事なのは、どんなことがあっても、宇宙大の大法則である信心に徹しゆくことだ。「広宣流布の道」から離れないことだ。自身の偉大な使命に生きぬいていくことだ。
そこにしか、真実の幸福の大道はないからである。
その上で、わが使命の舞台で、努力に努力を重ねて、「限界の壁」を突き破っていっていただきたい。
「勝ち負け」は時の運である。大事なのは、自分が前進したかどうかである。
「自分は、これだけやったんだ!」と言える人生は満足だ。満足は勝利である。
自身に勝ち、人生に勝利していく。そのための信心である。
この一生、毅然と、勇敢に、胸を張り、一日一日を、自分らしく進んでいっていただきたい。
(第13回本部幹部会・第3回北陸総会<2002年1月>でのスピーチから抜粋)
信用こそ最大の宝だ。
「小さな約束も大切に」
「最後まで誠意を尽くす」
職場で光る存在に!
富木尼御前御返事 P975
『やのはしる事は弓のちからくものゆくことはりうのちから、をとこのしわざはめのちからなり』
【通解】
矢が飛ぶことは、弓の力です。雲が動くことは、竜の力です。男の行いは、女の力によるものです。
名字の言 「全ては俳句のタネ」——俳人の夏井いつきさん 2021年4月16日
俳句は「喜びの見つけ方」を教えてくれる——俳人の夏井いつきさんはこう語る。かつて、再婚した夫が肺がんと診断された。それでも夏井さんは夫の入院中に俳句を詠み続けた▼「蛍草コップに飾る それが愛」——病室での情景を一句詠むごとに前向きになれた。落ち込むような嫌なことでも、"貴重な体験"と捉えられるように。人生に起こる出来事を「全ては俳句のタネだと腹を括る。そこから新しいものの見方が生まれてくる」と(『夏井いつきの日々是「肯」日』清流出版)▼広島県に大規模土砂災害が起きたのは7年前。ある2人の婦人部員は、小学校で約1カ月の避難生活を送った。被災者の心労がピークに達した時、誰かが言った。「家に帰ってお茶したいね」▼それを聞いた2人は"今こそ皆が笑い合える地域にしよう"と、集会所を借りて"しゃべり場"を開催。「つきいちカフェ」と命名した集いを何年も重ねた今、住民同士のつながりは災害前より強固になった▼「悩みと喜びは、表裏一体です。この真理に目覚めるところに、真の人間の強さ、人生の深さがある」と池田先生は語る。どんな困難にも揺るがず、不屈の心で立ち向かう。そうすれば、全てを意味あるものに変えていける。(子)
寸鉄 2021年4月16日
広宣流布は一対一の膝詰め対話から—戸田先生。歓喜と納得の座談会皆で
香川女性の日。大誠実で一人への励ましを拡大!希望の春風を地域に送れ
人との交流が"コロナ鬱"防ぐ一番の鍵と。聡明に自分から声掛けの一歩を
2050年、寿命と「健康寿命」が一致と。生き方が問われる人生100年時代
叱らず気持ちを受け止める。この心が子の居場所に—識者。まず親が努力
☆不二の旅 第5回 池田先生と北陸
◇広布の誓願に生きよ
・北陸の歌「ああ誓願の歌」の大合唱が轟いた「第1回北陸平和文化祭」。池田先生は友の奮闘を心からたたえ、その躍動の姿をカメラに収めた(1984年8月26日、金沢市の石川県西部緑地公園陸上競技場で)
・富山創価学会結成16周年記念勤行会に出席。席上、「元初より/この日を待ちて/今ここに/富山の健児は/ついに立ちたり」と和歌を贈り、友を激励した(1976年11月14日、富山文化会館で)
・1984年8月25日、五箇山の富山研修道場(当時)を訪問した池田先生。現在、跡地には先生が北陸の友に贈った長編詩「山河遥か 北国の詩」の歌碑が設置されている
・池田先生が揮毫した「富山広布」。脇書には「五十一年十一月十四日」と。当時、先生は"広宣流布の福徳は後世永遠に光り輝く"と同志をたたえた
・1982年9月、6年ぶりに池田先生が北陸を訪問。「北陸広布開拓25周年記念勤行会」には、第1次宗門事件を勝ち越えた同志が朗らかに(石川文化会館で)。滞在中、先生は「誓」をはじめ、多くの揮毫を贈っている
・北陸広布を担う未来部・学生部の代表との記念撮影に臨む池田先生。「この写真は、必ず、一番模範の、歴史的な写真になるよ」と、万感の期待を寄せた(1984年8月、石川文化会館で)
・1982年9月にしたためられた「石川広布」。この折、池田先生は「師 生誕ノ地」との揮毫も。友の胸に師弟有縁の誇りが脈打つ
◇北陸の友に贈った指針
戸田先生が、しばしば、遺言のように語っていた言葉は何か。
それは「勇気」である。
「仏法の真髄は、慈悲であり、われわれにも慈悲は必要だけども、凡夫だから、なかなか慈悲はもてないものである。この慈悲に代わるのが勇気だ。
『人を救おう』『自分を向上させよう』『人間革命しよう』『日本を、世界を広宣流布しよう』という勇気だ。勇気をもって仏法を実践することが、慈悲に通じていくのである」
これが戸田先生の厳然たる指導であった。
有名人になる道。名声を得る道。社会的に高い地位に上る道。それは、いろいろあるだろう。
しかし「仏になる道」は、どこにあるのか。それは「広宣流布の拡大」にしかない。
大聖人の仏法は「広宣流布の信心」である。
信心即生活である。ゆえに、今がどれだけ厳しくとも、この広宣流布の信心さえ貫けば、すべての努力が生かされ、いくらでも生活の面で、また社会の面で、勝利し、成功していけるのである。
大事なのは、どんなことがあっても、宇宙大の大法則である信心に徹しゆくことだ。「広宣流布の道」から離れないことだ。自身の偉大な使命に生きぬいていくことだ。
そこにしか、真実の幸福の大道はないからである。
その上で、わが使命の舞台で、努力に努力を重ねて、「限界の壁」を突き破っていっていただきたい。
「勝ち負け」は時の運である。大事なのは、自分が前進したかどうかである。
「自分は、これだけやったんだ!」と言える人生は満足だ。満足は勝利である。
自身に勝ち、人生に勝利していく。そのための信心である。
この一生、毅然と、勇敢に、胸を張り、一日一日を、自分らしく進んでいっていただきたい。
(第13回本部幹部会・第3回北陸総会<2002年1月>でのスピーチから抜粋)
2021年4月15日木曜日
2021.04.15 わが友に贈る
自分らしく自信満々と
仏縁を広げゆこう!
真心の言葉と振る舞いは
友情と幸福の種となり
やがて必ず実を結ぶ。
曾谷殿御返事 P1065
『白馬のなくは我等が南無妙法蓮華経のこえなり、此の声をきかせ給う梵天帝釈日月四天等いかでか色をましひかりをさかんになし給はざるべき、いかでか我等を守護し給はざるべきとつよづよとをぼしめすべし』
【通解】
白馬がいななくのは、我らが唱える南無妙法蓮華経の声である。この唱題の声を聞かれた梵天、帝釈、日月、四天等が、どうして、色つやを増し、輝きを強くされないはずがあろうか。どうして我らを守護されないはずがあろうかと、強く強く思われるがよい。
名字の言 魚は足がはやい? 2021年4月15日
「この魚は足がはやいから」と言って、母親がいそいそと台所で調理を始めた。それを聞いた幼い娘は目を丸くしている。「そのお魚さん、足が生えてるの?」▼駆けっこやマラソンを思い浮かべたのだろう。「足がはやい」という言葉には「食物の鮮度が落ちるのが早く、傷みやすい」との意味もある。「商品の売れ行きがよい状況」を表す際にも用いる。「足」を辞書で引くと、"ものごとの流れや変化""人の行動"を表現する語句でもあるようだ▼「妙法蓮華経」の五字を人間の五体に即して解釈すると、「経」は「足」に当たる。日蓮大聖人は「足は経なり」(御書716ページ)と仰せである。広宣流布のために歩くことが、法華経を持つことになると拝せよう▼もちろん「経」は足を動かすことだけではない。法を弘めるための全ての行動が「経」である。電話や手紙で友と心を結び、励ますこともしかり。大切なことは「具体的な実践」があるか否か。広布に尽くした分だけ、自身が尊極の妙法の当体として輝くのである▼歳月は人を待たず、季節は足早に過ぎていく。仮に思うに任せぬ状況であろうと、時間を腐らせてしまってはもったいない。「わが人生は常に今日が旬」と決め、挑戦の一日を生き生きと!(之)
寸鉄 2021年4月15日
「一身一念法界に遍し」御書。必死の祈りは通ず。「立正安世界」の大目標へ
神戸の日。常勝不屈の魂で今こそ希望の船出を!地域に励ましの大光拡大
幼児が液体芳香剤を誤飲する事故相次ぐ。管理は子の目線で。未然に防げ
金払えば優先接種できる—各地で不審電話。詐欺に騙されるな。声掛けを
公明党は誰一人取り残さない社会へ尽力—教授。生命と平和守る政策更に
〈社説〉 2021・4・15 連載「法華衆の芸術」が好評
◇近世絵画を開花させた信仰の力
今年1月から始まった本紙の連載「日蓮大聖人御聖誕800年慶祝 法華衆の芸術」(高橋伸城執筆、月曜日付12面・月2回)に、大きな反響が寄せられている。
「コロナ禍で自粛生活が続き、暗い気分になりがちですが、記事を読み、心の栄養になりました」
「"本物の芸術作品"には、数百年の時が過ぎても人の心を打つ力があるのでしょう」
本連載のねらいは、大聖人を慕った法華衆の絵師や職人らと、その作品を取り上げつつ、日本の美術史を辿り直そうというもの。毎回、一人の芸術家の生き方やエピソードを紹介するとともに、作風や画題について解説している。
安土桃山時代に活躍した、日本美術史に輝く最大画派の天才絵師・狩野永徳、そのライバルだった長谷川等伯、今も国際的に人気が高い「琳派」を確立した江戸期の画家・尾形光琳、日本が世界に誇る芸術家・葛飾北斎……。「法華衆と名画の関わりが、これほど深いとは知りませんでした」との読者の声も多数届いている。
その一方、欧州在住の読者からは「『日本の仏教というと、禅でしょう』という反応によく出合います」とあった。
国内外を問わず、日本の芸術作品が禅の影響を強く受けていると思う人は少なくないだろう。だが実際には、中・近世の美術史の中で重要な役割を担った流派、名作を遺した芸術家には、日蓮仏法の信者が多かった。
静嘉堂文庫美術館館長の河野元昭・東京大学名誉教授は、自身のブログ「饒舌館長」の中で「日蓮宗を抜きにして近世絵画を語ることはまったく不可能」と論じ、その理由について考察を加えている。
「日蓮の自己矜持とそこから生まれた現実対決的姿勢が、芸術家に必須の自由と自在を担保したのかもしれない」と。
河野・東大名誉教授はさらに、大聖人の革新性・革命的精神に着目し、「伝統的様式や表現に唯々諾々としたがう退嬰的精神から、彼らを解放した可能性も考えられてよいであろう」と綴っている。
古今東西の卓越した芸術作品には、作家の信仰心や豊かな精神性があふれている。
今回の連載は、豊潤な魅力をもつ日本の芸術文化を振り返りながら、思想と精神の力がひらく"アートの可能性"について考える契機ともなろう。
☆創価小学校入学式への池田先生のメッセージ
一、新1年生の皆さん、入学おめでとう! 創価の学びの城へ、ようこそ!
ご家族の皆さま、晴れの門出を心からお祝い申し上げます。
教員の先生方、職員の方々、人類の宝である未来からの使者を、どうか、よろしくお願いします。
友情を! 読書を! 世界へとつづく「虹の橋」をかけよう
一、皆さんは希望の太陽です。大空にかかる七色の虹のように、きょうから始まる小学校生活で、大きな大きな「虹の橋」をかけていってください。
一つめは「友情で光る虹の橋」です。
わが創価小学校は、仲よく、はげましあう友情の学びやです。
「おはよう」「ありがとう」と明るく元気に声をかけ合いながら、共に成長していってください。
二つめは「読書から広がる虹の橋」です。
よい本は宝箱です。ワクワクするような宝ものがつまっています。本に親しみ、楽しい心の冒険をしながら、ゆたかな知恵を広げていきましょう。
三つめは「世界へとつづく虹の橋」です。
皆さんが将来、はばたく舞台は全地球です。
自由に世界中の人と、心をむすんで平和をつくるために、勉強をがんばり、身体もきたえていってください。
一、虹は、雨がふったあとにあらわれます。つらいことがあっても、"負けじ魂"の太陽をかがやかせる人に、「勝利の虹の橋」はかかります。
私は、皆さんの健康と成長を祈り、一人一人の挑戦を見守っていきます(大拍手)。
☆創価学園入学式への池田先生のメッセージ
一、東京校は第54期生、関西校は第49期生の皆さん、春爛漫の創価教育の大城にようこそ! 本当におめでとう! 最優秀の英才を育み、送り出してくださったご家族の方々に、心から感謝とお祝いを申し上げます。
私の心を心とする先生方、職員の方々、新年度も、よろしくお願いいたします。
◇ゴルバチョフ氏 人生の要とは自分自身の力と使命を信じること
一、創価学園で学ぶということは、それ自体が、若き世界市民として地球社会の最高峰の知性と良識から大いなる期待を寄せられている誉れの青春であります。
世界を分断した冷戦を終結させ、20世紀を変えたロシアのゴルバチョフ元ソ連大統領も、学園生との出会いを宝とし、皆の活躍を楽しみに見守られています。
今日は、ゴルバチョフ氏との語らいを振り返りつつ、新入生の皆さんに「21世紀を変える英知のダイヤと輝け!」と申し上げたい。
ゴルバチョフ氏と私の10代は、第2次世界大戦の最中でした。氏は家族を支えて働くため、2年間も学校に通えず、休学の期間が終わっても「学校にはもう行かない」と決めたといいます。
その時、お母さんは何も言わず、苦労して、たくさんの本を集めてきてくれました。
ゴルバチョフ少年は、その本を手に取ると思わず引き込まれます。次々と読み進める中で、「学びの心」が燃え上がり、気づけば学校へも戻り、向学と探究の青春を歩み始めていったのです。
氏は、青年たちにエールを送っています。
「人生の要とは何か。
それは自分自身の力と使命を信じることにあります」と。
わが学園生は一人ももれなく、ダイヤモンドのように、最も強く最も美しく光る生命を持っています。その自分自身の限りない「力」と「使命」を揺るぎなく信じていただきたいのです。
落胆したり、自信をなくしたりする時もあるでしょう。しかしダイヤも、実は鉛筆の芯などと同じ炭素でできています。それが、大地の奥深くでの厳しい圧力や高温のもとで透明な眩い結晶となり、無数の原子が固く一つに結ばれて、比類なき宝石となっていくのです。皆さんの尊き貴き生命も同じです。
◇時代を変える英知と負けじ魂のダイヤたれ
一、さあ、今日から、壮大なる学問の世界に挑み、「英知のダイヤ」を!
何があっても怯まず、何度でも立ち向かって、「負けじ魂のダイヤ」を!
さらに、世界一の創価の学友たちと励まし合い、切磋琢磨して、「青春王者のダイヤ」を、思い切り輝き光らせていってください。
そして、皆さんが担い立つ21世紀を、断じて「平和と人道の世紀」へと大転換していただきたいのです。
終わりに、新緑あふれる「武蔵野の哲学者の道」「交野の一本道」を共に歩みゆく思いで、未来の一切を信じ、託しゆく学園生の健康と大成長を祈って——
人類の
希望と光れ
学園生
君の英知で
平和の明日を
と贈り、祝福のメッセージとします(大拍手)。
仏縁を広げゆこう!
真心の言葉と振る舞いは
友情と幸福の種となり
やがて必ず実を結ぶ。
曾谷殿御返事 P1065
『白馬のなくは我等が南無妙法蓮華経のこえなり、此の声をきかせ給う梵天帝釈日月四天等いかでか色をましひかりをさかんになし給はざるべき、いかでか我等を守護し給はざるべきとつよづよとをぼしめすべし』
【通解】
白馬がいななくのは、我らが唱える南無妙法蓮華経の声である。この唱題の声を聞かれた梵天、帝釈、日月、四天等が、どうして、色つやを増し、輝きを強くされないはずがあろうか。どうして我らを守護されないはずがあろうかと、強く強く思われるがよい。
名字の言 魚は足がはやい? 2021年4月15日
「この魚は足がはやいから」と言って、母親がいそいそと台所で調理を始めた。それを聞いた幼い娘は目を丸くしている。「そのお魚さん、足が生えてるの?」▼駆けっこやマラソンを思い浮かべたのだろう。「足がはやい」という言葉には「食物の鮮度が落ちるのが早く、傷みやすい」との意味もある。「商品の売れ行きがよい状況」を表す際にも用いる。「足」を辞書で引くと、"ものごとの流れや変化""人の行動"を表現する語句でもあるようだ▼「妙法蓮華経」の五字を人間の五体に即して解釈すると、「経」は「足」に当たる。日蓮大聖人は「足は経なり」(御書716ページ)と仰せである。広宣流布のために歩くことが、法華経を持つことになると拝せよう▼もちろん「経」は足を動かすことだけではない。法を弘めるための全ての行動が「経」である。電話や手紙で友と心を結び、励ますこともしかり。大切なことは「具体的な実践」があるか否か。広布に尽くした分だけ、自身が尊極の妙法の当体として輝くのである▼歳月は人を待たず、季節は足早に過ぎていく。仮に思うに任せぬ状況であろうと、時間を腐らせてしまってはもったいない。「わが人生は常に今日が旬」と決め、挑戦の一日を生き生きと!(之)
寸鉄 2021年4月15日
「一身一念法界に遍し」御書。必死の祈りは通ず。「立正安世界」の大目標へ
神戸の日。常勝不屈の魂で今こそ希望の船出を!地域に励ましの大光拡大
幼児が液体芳香剤を誤飲する事故相次ぐ。管理は子の目線で。未然に防げ
金払えば優先接種できる—各地で不審電話。詐欺に騙されるな。声掛けを
公明党は誰一人取り残さない社会へ尽力—教授。生命と平和守る政策更に
〈社説〉 2021・4・15 連載「法華衆の芸術」が好評
◇近世絵画を開花させた信仰の力
今年1月から始まった本紙の連載「日蓮大聖人御聖誕800年慶祝 法華衆の芸術」(高橋伸城執筆、月曜日付12面・月2回)に、大きな反響が寄せられている。
「コロナ禍で自粛生活が続き、暗い気分になりがちですが、記事を読み、心の栄養になりました」
「"本物の芸術作品"には、数百年の時が過ぎても人の心を打つ力があるのでしょう」
本連載のねらいは、大聖人を慕った法華衆の絵師や職人らと、その作品を取り上げつつ、日本の美術史を辿り直そうというもの。毎回、一人の芸術家の生き方やエピソードを紹介するとともに、作風や画題について解説している。
安土桃山時代に活躍した、日本美術史に輝く最大画派の天才絵師・狩野永徳、そのライバルだった長谷川等伯、今も国際的に人気が高い「琳派」を確立した江戸期の画家・尾形光琳、日本が世界に誇る芸術家・葛飾北斎……。「法華衆と名画の関わりが、これほど深いとは知りませんでした」との読者の声も多数届いている。
その一方、欧州在住の読者からは「『日本の仏教というと、禅でしょう』という反応によく出合います」とあった。
国内外を問わず、日本の芸術作品が禅の影響を強く受けていると思う人は少なくないだろう。だが実際には、中・近世の美術史の中で重要な役割を担った流派、名作を遺した芸術家には、日蓮仏法の信者が多かった。
静嘉堂文庫美術館館長の河野元昭・東京大学名誉教授は、自身のブログ「饒舌館長」の中で「日蓮宗を抜きにして近世絵画を語ることはまったく不可能」と論じ、その理由について考察を加えている。
「日蓮の自己矜持とそこから生まれた現実対決的姿勢が、芸術家に必須の自由と自在を担保したのかもしれない」と。
河野・東大名誉教授はさらに、大聖人の革新性・革命的精神に着目し、「伝統的様式や表現に唯々諾々としたがう退嬰的精神から、彼らを解放した可能性も考えられてよいであろう」と綴っている。
古今東西の卓越した芸術作品には、作家の信仰心や豊かな精神性があふれている。
今回の連載は、豊潤な魅力をもつ日本の芸術文化を振り返りながら、思想と精神の力がひらく"アートの可能性"について考える契機ともなろう。
☆創価小学校入学式への池田先生のメッセージ
一、新1年生の皆さん、入学おめでとう! 創価の学びの城へ、ようこそ!
ご家族の皆さま、晴れの門出を心からお祝い申し上げます。
教員の先生方、職員の方々、人類の宝である未来からの使者を、どうか、よろしくお願いします。
友情を! 読書を! 世界へとつづく「虹の橋」をかけよう
一、皆さんは希望の太陽です。大空にかかる七色の虹のように、きょうから始まる小学校生活で、大きな大きな「虹の橋」をかけていってください。
一つめは「友情で光る虹の橋」です。
わが創価小学校は、仲よく、はげましあう友情の学びやです。
「おはよう」「ありがとう」と明るく元気に声をかけ合いながら、共に成長していってください。
二つめは「読書から広がる虹の橋」です。
よい本は宝箱です。ワクワクするような宝ものがつまっています。本に親しみ、楽しい心の冒険をしながら、ゆたかな知恵を広げていきましょう。
三つめは「世界へとつづく虹の橋」です。
皆さんが将来、はばたく舞台は全地球です。
自由に世界中の人と、心をむすんで平和をつくるために、勉強をがんばり、身体もきたえていってください。
一、虹は、雨がふったあとにあらわれます。つらいことがあっても、"負けじ魂"の太陽をかがやかせる人に、「勝利の虹の橋」はかかります。
私は、皆さんの健康と成長を祈り、一人一人の挑戦を見守っていきます(大拍手)。
☆創価学園入学式への池田先生のメッセージ
一、東京校は第54期生、関西校は第49期生の皆さん、春爛漫の創価教育の大城にようこそ! 本当におめでとう! 最優秀の英才を育み、送り出してくださったご家族の方々に、心から感謝とお祝いを申し上げます。
私の心を心とする先生方、職員の方々、新年度も、よろしくお願いいたします。
◇ゴルバチョフ氏 人生の要とは自分自身の力と使命を信じること
一、創価学園で学ぶということは、それ自体が、若き世界市民として地球社会の最高峰の知性と良識から大いなる期待を寄せられている誉れの青春であります。
世界を分断した冷戦を終結させ、20世紀を変えたロシアのゴルバチョフ元ソ連大統領も、学園生との出会いを宝とし、皆の活躍を楽しみに見守られています。
今日は、ゴルバチョフ氏との語らいを振り返りつつ、新入生の皆さんに「21世紀を変える英知のダイヤと輝け!」と申し上げたい。
ゴルバチョフ氏と私の10代は、第2次世界大戦の最中でした。氏は家族を支えて働くため、2年間も学校に通えず、休学の期間が終わっても「学校にはもう行かない」と決めたといいます。
その時、お母さんは何も言わず、苦労して、たくさんの本を集めてきてくれました。
ゴルバチョフ少年は、その本を手に取ると思わず引き込まれます。次々と読み進める中で、「学びの心」が燃え上がり、気づけば学校へも戻り、向学と探究の青春を歩み始めていったのです。
氏は、青年たちにエールを送っています。
「人生の要とは何か。
それは自分自身の力と使命を信じることにあります」と。
わが学園生は一人ももれなく、ダイヤモンドのように、最も強く最も美しく光る生命を持っています。その自分自身の限りない「力」と「使命」を揺るぎなく信じていただきたいのです。
落胆したり、自信をなくしたりする時もあるでしょう。しかしダイヤも、実は鉛筆の芯などと同じ炭素でできています。それが、大地の奥深くでの厳しい圧力や高温のもとで透明な眩い結晶となり、無数の原子が固く一つに結ばれて、比類なき宝石となっていくのです。皆さんの尊き貴き生命も同じです。
◇時代を変える英知と負けじ魂のダイヤたれ
一、さあ、今日から、壮大なる学問の世界に挑み、「英知のダイヤ」を!
何があっても怯まず、何度でも立ち向かって、「負けじ魂のダイヤ」を!
さらに、世界一の創価の学友たちと励まし合い、切磋琢磨して、「青春王者のダイヤ」を、思い切り輝き光らせていってください。
そして、皆さんが担い立つ21世紀を、断じて「平和と人道の世紀」へと大転換していただきたいのです。
終わりに、新緑あふれる「武蔵野の哲学者の道」「交野の一本道」を共に歩みゆく思いで、未来の一切を信じ、託しゆく学園生の健康と大成長を祈って——
人類の
希望と光れ
学園生
君の英知で
平和の明日を
と贈り、祝福のメッセージとします(大拍手)。
2021.04.14 わが友に贈る
わが地区・ブロックに
和楽と幸福の花園を!
この揺るがぬ大情熱が
地域広布の土台となり
万代の繁栄を築く!
四条金吾殿御返事 P1149
『阿闍世王或は夢のつげにより或は耆婆がすすめにより或は心にあやしむ事ありて提婆達多をばうち捨て仏の御前にまいりてやうやうにたいほう申せしかば身の病忽にいゑ他方のいくさも留まり国土安穏になるのみならず三月の七日に御崩御なるべかりしが命をのべて四十年なり』
【通解】
阿闍世王は夢の告げにより、あるいは耆婆がすすめるところにより、心におもいあたる節もあって、提婆達多を捨てて、釈尊の御前に参上し、さまざまに今まで犯した罪をおわび申し上げると、身体も病気もたちまちになおって、他国からの侵略もやみ、国内が平和になったばかりでなく、三月七日に崩御のはずであった寿命が四十年も生き延べられた。
名字の言 沖縄の旧暦3月3日の伝統行事「浜下り」 2021年4月14日
きょう14日は旧暦の3月3日。沖縄では、この日に「浜下り」と呼ばれる催しが行われる。女性たちが浜辺でごちそうを食べ、潮干狩りを楽しむもの▼季節の変わり目のこの時期、女性たちは病や災禍を払う思いを込め、水辺で健康を願った。現在は家族で海を楽しむなどの形に変化したが、数百メートル沖まで潮が引く大潮のこの日は、母なる海が災いを遠くへ流すと、先人たちは信じたのかもしれない▼沖縄のある婦人部員は青春時代、父の病などで経済苦の中、4人姉妹の長女として母を支えた。家計を助け、妹たちの成長を見届けて結婚。待望の娘を産んだ後、がんの宣告を受ける▼娘を抱いて祈りながら、婦人は母の姿を心に浮かべた。病弱ながらも、常に笑顔を絶やさず、働きづめで家族を守り抜いた母を思うと力が湧いた。がんの手術は成功し治療も奏功。亡き父の分まで強盛に信心を貫く母と共に、彼女は今、元気に広布に励む▼御聖訓に「母の恩の深き事大海還って浅し」(御書1527ページ)と。子を産み育て、一家を包む母は偉大だ。「浜下り」の日であるきょうは、沖縄ならずとも、女性たちの健康と安穏を願いつつ、母たちに感謝を伝える日であっていい。報恩の心を持つ人は苦難に負けない。(首)
寸鉄 2021年4月14日
座談会のような小単位の語らいは平和構築の力—博士。共々に友情拡大へ
新潟の日。大聖人有縁の天地に輝く人材城。立正安国の勝利の劇を勇敢に
「弥はげむべし・はげむべし」御書。試練の今こそ変毒為薬の時。祈り強く
全国どこでも大地震襲う可能性—予測。熊本地震5年。教訓生かし備えを
高齢者3割、外出自粛で認知機能低下—調査。体動かす習慣を。軽く見ず
〈社説〉 2021・4・14 きょう熊本地震から5年
◇苦難克服の体験を前進の糧に
熊本地震からきょうで5年を迎えた。2016年(平成28年)4月14日、16日の2度にわたる激震。人々は、励まし合いながら、復興の道を歩み抜いてきた。
5年の歳月を経て、建造物なども次々に再興。先月7日には、地震で崩落した阿蘇大橋の約600メートル下流に、新阿蘇大橋が開通した。近くを走る豊肥本線が全線で運転を再開したのは昨年8月。百花咲き競う春の阿蘇路を人々が行き交えるようになった。熊本城の天守閣の復旧工事も完了し、今月26日から一般公開が始まる。"熊本のシンボル"の再びの雄姿は、市民の大きな希望になるだろう。
甚大な被害を受けた益城町には新築の家が立ち並ぶ。さらに災害に強く住みよい町を目指し、住民の協力のもと、土地区画整理事業が続く。熊本城の完全復旧の予定は2038年度。まだ、仮住まいで生活再建途上の人もいる。
復興の歩みの中で、火の国の同志は、数々の変毒為薬の実証を示してきた。
益城町に住むある青年。先に信心していた妻を励ます婦人部の先輩の姿に、学会の温かさを実感。震災から半年後に入会した。震災で勤務先が焼け、転職を余儀なくされるが、同志の激励と懸命な唱題で、念願通りの再就職を勝ち取った。信心への確信を得た青年は男子部副部長に。創価班、本紙配達員としても奮闘。「自分を強くしてくれた池田先生と学会に恩返しを」と意気盛んだ。
阿蘇・西原村に住む女子部員は震災当時、高校3年生だった。教職を目指していたが、自宅が被災し、大学受験も不安の中での挑戦に。家族のように心配してくれる同志に応えようと奮起し、志望校に合格した。昨年はコロナ禍にあっての難しい教育実習をやり抜き、この春からは、母校の中学校の教壇に立っている。
苦難を糧として、新進気鋭の広布の人材が陸続と育っている。
池田先生からの「世界一の難攻不落の人材城・熊本よ、一切の苦難の坂を越え、勝利に輝け!」との呼び掛けに、熊本の同志は、実証をもって応え続ける。
熊本では昨夏、甚大な豪雨災害もあった。自然災害は、いつ、誰に襲ってくるか分からず、ひとごとではない。震災から5年の今、防災への備えを見つめ直すとともに、地域の友と心を寄せ合い、郷土復興へ前進していきたい。
☆男子部大学校4期生入校式への池田先生のメッセージ
◇満々たる生命力で正義の師子吼を!
わが4期生の諸君、誇り高き入校、誠におめでとう!
日蓮大聖人の御聖誕800年という今この時に、元初からの誓いを果たさんと躍り出た、不思議な使命を帯びた地涌の勇者こそ、君たち一人一人です。
大聖人が、どれほど喜び見つめておられることでしょうか。
諸君を待ちわびていた共戦の先輩たちと一緒に、私も大拍手を送っております。
揺れ動く世相にあって、辛労は絶えないでしょう。しかし、大聖人は、命に及ぶ大難の中で、厳然と、また悠然と仰せになられました。
「天晴れぬれば地明かなり法華を識る者は世法を得可きか」(御書254ページ)——すなわち"天が晴れるならば、地はおのずから明らかとなる。同様に、法華経を知る者は世間の法をも、おのずから得るであろう"と。
我らの男子部大学校は、この太陽の大仏法を学び行じ、月月・日日に、満々たる生命力を漲らせて、仕事で生活で、地域で社会で、赫々たる「価値創造の光」を放っていく希望の城です。どうか、どんな試練の闇も、わが「人間革命の光」で打ち破り、広布と人生の新たな勝利の夜明けを開いていってください。
「日蓮が一門は師子の吼るなり」(同1190ページ)です。さあ、正義の師子吼で、若き立正安国のスクラムを、朗らかに広げてくれ給え!
不二の愛弟子の健康と大活躍、そして大勝利を祈ります。
☆4月度座談会拝読御書 諫暁八幡抄
◇拝読御文
『今日蓮は去ぬる建長五年癸丑四月二十八日より今年弘安三年太歳庚辰十二月にいたるまで二十八年が間又他事なし、只妙法蓮華経の七字五字を日本国の一切衆生の口に入れんとはげむ計りなり、此れ即母の赤子の口に乳を入れんとはげむ慈悲なり』(御書全集585ページ1行目〜3行目、編年体御書1340ページ1行目〜3行目)
◇[池田先生の指針から] 時代を創る要諦は「行動」に
学会員が地涌の本領を発揮する時代を迎えました。末法の「長き闇を照す」(御書589ページ)人間群が誕生することを、世界が祝福して求めています。世界中でSGIメンバーが、はつらつと活躍し、新しい地球文明を創出する舞台が整いました。「仏法西還」の一大実証たる絢爛たる地涌の乱舞によって、「太陽の仏法」が世界を照らす新時代が到来したのです。
時代を創る要諦は、どこまでも行動です。
「太陽の仏法」といっても、その実像は、いかなる時、いかなる場所であっても、そこに悩み苦しんでいる人がいる限り、その人を励まし、蘇生させていく行動の中にあります。(「大白蓮華」2015年5月号、「世界を照らす太陽の仏法」)
◇ ◆ ◇
大聖人は、幸福の大道であるこの妙法を、末法の未来のために残してくださった。
御聖訓には、次のように仰せである。
「今日蓮は去ぬる建長五年癸丑四月二十八日より今年弘安三年太歳庚辰十二月にいたるまで二十八年が間又他事なし、只妙法蓮華経の七字五字を日本国の一切衆生の口に入れんとはげむ計りなり」(御書585ページ)
この妙法を弘め、全人類を不幸の流転から解き放ちたい——その願いのままに、大聖人は立宗宣言以来、日本そして世界への広布の道を開かれた。
また「日蓮もかくの如し、かかる身となるも妙法蓮華経の五字七字を弘むる故なり」(同1361ページ)とも記されている。
大聖人御自身への迫害も大難も、すべて妙法を弘めてきたためである。しかし、それによって、仏となり、未来への広宣流布の道を開くと思えば、喜びは計り知れない——と仰せになっておられる。(2005年2月「方面長協議会」でのスピーチ、『池田大作全集』第97巻所収)
◇仏法を語り広げ 社会を照らそう
[キーワード1] 広布の誓い貫く
建長5年(1253年)4月28日、日蓮大聖人は立宗を宣言され、法華経の肝心である「南無妙法蓮華経」こそ、末法の全民衆を救う大法であることを明かされました。
立宗時の御心境について、大聖人は「開目抄」で詳しく記されています。
——諸宗は人々を悪道に堕とす正法誹謗の教えを説いており、このことを知っているのは、ただ日蓮一人である。もし、このことを言い出すならば、種々の難が襲ってくるだろう。言わなければ、慈悲がないのに等しい(御書200ページ、趣意)、と。
大聖人は、深い思索を重ねられた末に、「今度・強盛の菩提心を・をこして退転せじと願じぬ」(同ページ)と、悪世末法の広宣流布に決然と立ち上がられたのです。
拝読御文では立宗以来、28年の間「他事なし」——つまり、一心に妙法流布の闘争を続けてきたと述懐されています。
大聖人は"万人の幸福の道を開くまで、何があっても退かない"との誓いを貫かれ、命に及ぶ迫害の連続を耐え忍ばれました。門下に対しても、「願くは我が弟子等・大願ををこせ」(同1561ページ)等、広宣流布の大願に生き抜くことを呼び掛けられています。
現代において、この御本仏の大願を受け継いだのが創価学会であり、なかんずく三代会長です。学会は、世界の平和と人類の幸福を実現するために、いかなる中傷や弾圧をも乗り越え、妙法を世界へ弘めてきました。大聖人の御闘争に連なる宿縁を深く自覚し、広布の誓いを果たす日々を歩んでいきましょう。
[キーワード2] 民衆への慈悲
大聖人は立宗された頃、「日蓮」と名乗られました。そのお名乗りには「太陽(日)」の意が拝されます。さらに諸御抄では、南無妙法蓮華経の仏法を「太陽」に例えられています。
太陽は万物を、分け隔てなく照らします。同じように、大聖人の仏法は、あらゆる人を救う大法なのです。
拝読御文での、「日本国の一切衆生の口に入れんとはげむ計りなり」との仰せから、全民衆に妙法を弘めようとの熱情が拝されます。その奥底には、母親が慈愛をもって赤子に乳をほどこすのと同じように、大慈悲の心が脈打っていたことが明かされています。
私たちがどんなに仏法を語っても、反対されたり、反発されたりする場合があります。それでも、真摯に語り続ける行動は、慈悲の表れにほかなりません。
一方で、相手に反対されるから話すことを諦める——それでは結局、無慈悲に通じてしまいます。
相手に話を聞いてもらえず、反論されることで、こちらが感情に左右されてしまいそうな時こそ、自身の小さな境涯の殻を打ち破る好機です。
"相手にどうすれば思いが届くのか"と、どこまでも慈悲の心で、智慧を湧かせ、勇気をもって仏法を語り抜いていくことが大切なのです。
今月20日は、聖教新聞創刊70周年の佳節です。戸田先生が、「日本中、世界中の人に読ませたい」と熱願した聖教新聞は今日、国内外へ仏法の哲理を届けています。
先行きの不透明な時代にあって、誰もが希望を求めています。「太陽の仏法」を持つ私たちが、対話を通して励ましを広げることで、社会を照らしていけるのです。
和楽と幸福の花園を!
この揺るがぬ大情熱が
地域広布の土台となり
万代の繁栄を築く!
四条金吾殿御返事 P1149
『阿闍世王或は夢のつげにより或は耆婆がすすめにより或は心にあやしむ事ありて提婆達多をばうち捨て仏の御前にまいりてやうやうにたいほう申せしかば身の病忽にいゑ他方のいくさも留まり国土安穏になるのみならず三月の七日に御崩御なるべかりしが命をのべて四十年なり』
【通解】
阿闍世王は夢の告げにより、あるいは耆婆がすすめるところにより、心におもいあたる節もあって、提婆達多を捨てて、釈尊の御前に参上し、さまざまに今まで犯した罪をおわび申し上げると、身体も病気もたちまちになおって、他国からの侵略もやみ、国内が平和になったばかりでなく、三月七日に崩御のはずであった寿命が四十年も生き延べられた。
名字の言 沖縄の旧暦3月3日の伝統行事「浜下り」 2021年4月14日
きょう14日は旧暦の3月3日。沖縄では、この日に「浜下り」と呼ばれる催しが行われる。女性たちが浜辺でごちそうを食べ、潮干狩りを楽しむもの▼季節の変わり目のこの時期、女性たちは病や災禍を払う思いを込め、水辺で健康を願った。現在は家族で海を楽しむなどの形に変化したが、数百メートル沖まで潮が引く大潮のこの日は、母なる海が災いを遠くへ流すと、先人たちは信じたのかもしれない▼沖縄のある婦人部員は青春時代、父の病などで経済苦の中、4人姉妹の長女として母を支えた。家計を助け、妹たちの成長を見届けて結婚。待望の娘を産んだ後、がんの宣告を受ける▼娘を抱いて祈りながら、婦人は母の姿を心に浮かべた。病弱ながらも、常に笑顔を絶やさず、働きづめで家族を守り抜いた母を思うと力が湧いた。がんの手術は成功し治療も奏功。亡き父の分まで強盛に信心を貫く母と共に、彼女は今、元気に広布に励む▼御聖訓に「母の恩の深き事大海還って浅し」(御書1527ページ)と。子を産み育て、一家を包む母は偉大だ。「浜下り」の日であるきょうは、沖縄ならずとも、女性たちの健康と安穏を願いつつ、母たちに感謝を伝える日であっていい。報恩の心を持つ人は苦難に負けない。(首)
寸鉄 2021年4月14日
座談会のような小単位の語らいは平和構築の力—博士。共々に友情拡大へ
新潟の日。大聖人有縁の天地に輝く人材城。立正安国の勝利の劇を勇敢に
「弥はげむべし・はげむべし」御書。試練の今こそ変毒為薬の時。祈り強く
全国どこでも大地震襲う可能性—予測。熊本地震5年。教訓生かし備えを
高齢者3割、外出自粛で認知機能低下—調査。体動かす習慣を。軽く見ず
〈社説〉 2021・4・14 きょう熊本地震から5年
◇苦難克服の体験を前進の糧に
熊本地震からきょうで5年を迎えた。2016年(平成28年)4月14日、16日の2度にわたる激震。人々は、励まし合いながら、復興の道を歩み抜いてきた。
5年の歳月を経て、建造物なども次々に再興。先月7日には、地震で崩落した阿蘇大橋の約600メートル下流に、新阿蘇大橋が開通した。近くを走る豊肥本線が全線で運転を再開したのは昨年8月。百花咲き競う春の阿蘇路を人々が行き交えるようになった。熊本城の天守閣の復旧工事も完了し、今月26日から一般公開が始まる。"熊本のシンボル"の再びの雄姿は、市民の大きな希望になるだろう。
甚大な被害を受けた益城町には新築の家が立ち並ぶ。さらに災害に強く住みよい町を目指し、住民の協力のもと、土地区画整理事業が続く。熊本城の完全復旧の予定は2038年度。まだ、仮住まいで生活再建途上の人もいる。
復興の歩みの中で、火の国の同志は、数々の変毒為薬の実証を示してきた。
益城町に住むある青年。先に信心していた妻を励ます婦人部の先輩の姿に、学会の温かさを実感。震災から半年後に入会した。震災で勤務先が焼け、転職を余儀なくされるが、同志の激励と懸命な唱題で、念願通りの再就職を勝ち取った。信心への確信を得た青年は男子部副部長に。創価班、本紙配達員としても奮闘。「自分を強くしてくれた池田先生と学会に恩返しを」と意気盛んだ。
阿蘇・西原村に住む女子部員は震災当時、高校3年生だった。教職を目指していたが、自宅が被災し、大学受験も不安の中での挑戦に。家族のように心配してくれる同志に応えようと奮起し、志望校に合格した。昨年はコロナ禍にあっての難しい教育実習をやり抜き、この春からは、母校の中学校の教壇に立っている。
苦難を糧として、新進気鋭の広布の人材が陸続と育っている。
池田先生からの「世界一の難攻不落の人材城・熊本よ、一切の苦難の坂を越え、勝利に輝け!」との呼び掛けに、熊本の同志は、実証をもって応え続ける。
熊本では昨夏、甚大な豪雨災害もあった。自然災害は、いつ、誰に襲ってくるか分からず、ひとごとではない。震災から5年の今、防災への備えを見つめ直すとともに、地域の友と心を寄せ合い、郷土復興へ前進していきたい。
☆男子部大学校4期生入校式への池田先生のメッセージ
◇満々たる生命力で正義の師子吼を!
わが4期生の諸君、誇り高き入校、誠におめでとう!
日蓮大聖人の御聖誕800年という今この時に、元初からの誓いを果たさんと躍り出た、不思議な使命を帯びた地涌の勇者こそ、君たち一人一人です。
大聖人が、どれほど喜び見つめておられることでしょうか。
諸君を待ちわびていた共戦の先輩たちと一緒に、私も大拍手を送っております。
揺れ動く世相にあって、辛労は絶えないでしょう。しかし、大聖人は、命に及ぶ大難の中で、厳然と、また悠然と仰せになられました。
「天晴れぬれば地明かなり法華を識る者は世法を得可きか」(御書254ページ)——すなわち"天が晴れるならば、地はおのずから明らかとなる。同様に、法華経を知る者は世間の法をも、おのずから得るであろう"と。
我らの男子部大学校は、この太陽の大仏法を学び行じ、月月・日日に、満々たる生命力を漲らせて、仕事で生活で、地域で社会で、赫々たる「価値創造の光」を放っていく希望の城です。どうか、どんな試練の闇も、わが「人間革命の光」で打ち破り、広布と人生の新たな勝利の夜明けを開いていってください。
「日蓮が一門は師子の吼るなり」(同1190ページ)です。さあ、正義の師子吼で、若き立正安国のスクラムを、朗らかに広げてくれ給え!
不二の愛弟子の健康と大活躍、そして大勝利を祈ります。
☆4月度座談会拝読御書 諫暁八幡抄
◇拝読御文
『今日蓮は去ぬる建長五年癸丑四月二十八日より今年弘安三年太歳庚辰十二月にいたるまで二十八年が間又他事なし、只妙法蓮華経の七字五字を日本国の一切衆生の口に入れんとはげむ計りなり、此れ即母の赤子の口に乳を入れんとはげむ慈悲なり』(御書全集585ページ1行目〜3行目、編年体御書1340ページ1行目〜3行目)
◇[池田先生の指針から] 時代を創る要諦は「行動」に
学会員が地涌の本領を発揮する時代を迎えました。末法の「長き闇を照す」(御書589ページ)人間群が誕生することを、世界が祝福して求めています。世界中でSGIメンバーが、はつらつと活躍し、新しい地球文明を創出する舞台が整いました。「仏法西還」の一大実証たる絢爛たる地涌の乱舞によって、「太陽の仏法」が世界を照らす新時代が到来したのです。
時代を創る要諦は、どこまでも行動です。
「太陽の仏法」といっても、その実像は、いかなる時、いかなる場所であっても、そこに悩み苦しんでいる人がいる限り、その人を励まし、蘇生させていく行動の中にあります。(「大白蓮華」2015年5月号、「世界を照らす太陽の仏法」)
◇ ◆ ◇
大聖人は、幸福の大道であるこの妙法を、末法の未来のために残してくださった。
御聖訓には、次のように仰せである。
「今日蓮は去ぬる建長五年癸丑四月二十八日より今年弘安三年太歳庚辰十二月にいたるまで二十八年が間又他事なし、只妙法蓮華経の七字五字を日本国の一切衆生の口に入れんとはげむ計りなり」(御書585ページ)
この妙法を弘め、全人類を不幸の流転から解き放ちたい——その願いのままに、大聖人は立宗宣言以来、日本そして世界への広布の道を開かれた。
また「日蓮もかくの如し、かかる身となるも妙法蓮華経の五字七字を弘むる故なり」(同1361ページ)とも記されている。
大聖人御自身への迫害も大難も、すべて妙法を弘めてきたためである。しかし、それによって、仏となり、未来への広宣流布の道を開くと思えば、喜びは計り知れない——と仰せになっておられる。(2005年2月「方面長協議会」でのスピーチ、『池田大作全集』第97巻所収)
◇仏法を語り広げ 社会を照らそう
[キーワード1] 広布の誓い貫く
建長5年(1253年)4月28日、日蓮大聖人は立宗を宣言され、法華経の肝心である「南無妙法蓮華経」こそ、末法の全民衆を救う大法であることを明かされました。
立宗時の御心境について、大聖人は「開目抄」で詳しく記されています。
——諸宗は人々を悪道に堕とす正法誹謗の教えを説いており、このことを知っているのは、ただ日蓮一人である。もし、このことを言い出すならば、種々の難が襲ってくるだろう。言わなければ、慈悲がないのに等しい(御書200ページ、趣意)、と。
大聖人は、深い思索を重ねられた末に、「今度・強盛の菩提心を・をこして退転せじと願じぬ」(同ページ)と、悪世末法の広宣流布に決然と立ち上がられたのです。
拝読御文では立宗以来、28年の間「他事なし」——つまり、一心に妙法流布の闘争を続けてきたと述懐されています。
大聖人は"万人の幸福の道を開くまで、何があっても退かない"との誓いを貫かれ、命に及ぶ迫害の連続を耐え忍ばれました。門下に対しても、「願くは我が弟子等・大願ををこせ」(同1561ページ)等、広宣流布の大願に生き抜くことを呼び掛けられています。
現代において、この御本仏の大願を受け継いだのが創価学会であり、なかんずく三代会長です。学会は、世界の平和と人類の幸福を実現するために、いかなる中傷や弾圧をも乗り越え、妙法を世界へ弘めてきました。大聖人の御闘争に連なる宿縁を深く自覚し、広布の誓いを果たす日々を歩んでいきましょう。
[キーワード2] 民衆への慈悲
大聖人は立宗された頃、「日蓮」と名乗られました。そのお名乗りには「太陽(日)」の意が拝されます。さらに諸御抄では、南無妙法蓮華経の仏法を「太陽」に例えられています。
太陽は万物を、分け隔てなく照らします。同じように、大聖人の仏法は、あらゆる人を救う大法なのです。
拝読御文での、「日本国の一切衆生の口に入れんとはげむ計りなり」との仰せから、全民衆に妙法を弘めようとの熱情が拝されます。その奥底には、母親が慈愛をもって赤子に乳をほどこすのと同じように、大慈悲の心が脈打っていたことが明かされています。
私たちがどんなに仏法を語っても、反対されたり、反発されたりする場合があります。それでも、真摯に語り続ける行動は、慈悲の表れにほかなりません。
一方で、相手に反対されるから話すことを諦める——それでは結局、無慈悲に通じてしまいます。
相手に話を聞いてもらえず、反論されることで、こちらが感情に左右されてしまいそうな時こそ、自身の小さな境涯の殻を打ち破る好機です。
"相手にどうすれば思いが届くのか"と、どこまでも慈悲の心で、智慧を湧かせ、勇気をもって仏法を語り抜いていくことが大切なのです。
今月20日は、聖教新聞創刊70周年の佳節です。戸田先生が、「日本中、世界中の人に読ませたい」と熱願した聖教新聞は今日、国内外へ仏法の哲理を届けています。
先行きの不透明な時代にあって、誰もが希望を求めています。「太陽の仏法」を持つ私たちが、対話を通して励ましを広げることで、社会を照らしていけるのです。
2021.04.13 わが友に贈る
激動の時代を勝つために
弛まぬ挑戦と自己変革を。
失敗を恐れず
躊躇することなく
日々一歩を踏み出そう!
下山御消息 P349
『余法華経の第五の巻の勧持品を拝見したてまつれば末代に入りて法華経の大怨敵三類あるべし其の第三の強敵は此の者かと見畢んぬ、便宜あらば国敵をせめて彼れが大慢を倒して仏法の威験をあらはさんと思う』
【通解】
私が法華経第五の巻の勧持品を拝見するに、末法に入って法華経の大怨敵である三類の強敵が必ず現れるであろうとあるが、その中の第三の強敵・僣聖増上慢こそは、この者(極楽寺良観)であると見定めたのである。折あらば、この国敵を責めて、その大慢の心を倒して、仏法の威力を現そうと思っていた。
名字の言 きょうから紙面を大幅に刷新 2021年4月13日
演劇評論家の戸板康二氏が、ある新聞で劇評の連載を持っていた時のこと。与えられた字数は、見出しを含めて800字。劇評を書くには字数にゆとりがなく、苦労が絶えなかった▼例えば「もう少しほしい」と7字で表現したい箇所を、「足りない」と3字短くする。ところが今度は切り捨てるような響きが出てしまう。悩みながら劇評の妙味を出すことに心を砕き続けたという(『午後六時十五分』三月書房)▼きょうから本紙は、紙面を大幅に刷新。カラー紙面が倍増し、文字が大きくなった。小欄の字数はあまり変わらないが、紙面全体では減少する。その分、レイアウトにも工夫を重ね、さらに充実した紙面作りに全力を注ぎたい▼限られた字数の中で意を尽くすには、自分の命を削るような真剣さ、ひたむきさが欠かせない。その志こそ、希望の言葉を紡ぐ源泉だ。「文は人なり」である▼一本の短い記事であっても、一枚の小さな写真であっても、誰かの魂を触発し、生きる勇気を鼓舞する力になる——それが聖教新聞の信念だ。常に創刊の原点に立ち返り、日々、自らの一念を刷新しながら、「人間の機関紙」の使命を果たす決意である。本紙を支えてくださる全ての方々への感謝を胸に。(芯)
寸鉄 2021年4月13日
青年と心を通わす会長の姿こそ私の手本—博士。後継育成へ師と同じ心で
徳島女性の日。婦女一体で友情の桜花を爛漫と!勝利の春開く正義の連帯
相手の心を知る—これが良き人間関係築く力と。「聞き上手」は名将の条件
まん延防止、各地で。基本は飛沫を散らさぬこと—医師。3密避け、着用徹底
高齢者へのワクチン接種開始。重症化予防に効果と。命守る選択を聡明に
☆人間主義の哲学の視座 第8回 対談集「20世紀の精神の教訓」に学ぶ�
テーマ:連帯
池田先生の著作から、現代に求められる視点を学ぶ「人間主義の哲学の視座」。ここでは、「連帯」をテーマに、旧ソビエト連邦のミハイル・ゴルバチョフ元大統領との対談集『20世紀の精神の教訓』(初版は1996年刊)をひもとく。
【池田先生】
「人間復興の世紀」へ突破口を開く
崇高にして不可避な私たちの責務
【ゴルバチョフ元大統領】
無数の庶民への尊敬を前提とする
新たなるヒューマニズムの時代を
◇至高の価値
日本語版で5章、17テーマからなる池田先生とゴルバチョフ氏の対談集。
文化的背景の異なる二人が、探り当てた共通の精神的価値——それは「人間の生命の尊厳」であった。
語らいを締めくくるテーマは「『人間復興の世紀』への指標」。両者の真情がそのまま表れている。
池田 人間の生命を手段化するような、いかなる思想もイデオロギーも宗教も、決して正当化されてはならないということは、この対談を通して、何回となく確認し合ってきたところです。
ゴルバチョフ 私も、あらゆる多様性と個別化の可能性を秘めた"生命"そのものが、至高の価値であり、すべてに対して唯一の原点であるべきだと考えます。
新しきヒューマニズム、人間存在の精神的価値は、人間自身のなかに求められるべきです。人間こそが、すべての尺度であり、あらゆる主義主張の真偽を見極めるうえでの、評価基準とならねばなりません。
◇我を礼拝する影
生命それ自体が価値であり、その価値を高めるための社会的制度や理論は"従"である。ゆえに、「人間の生命を犠牲にしてもよいという大義名分」「それを裏づける理論や理念」など存在しえない——氏はそう断言する。
だが現実に、生命は、時に目的遂行の"手段"として軽んじられてきた。対談では、戦争、殺人、暴力、そしてテロリズムの例が挙げられている。
テロの芽を断つためには、「無条件に否と断じていくこと」が肝要であると、先生と氏は確認し合った。
では、混沌とした時勢にあって、生命の尊厳という価値を中心に据える精神の力を、いかに鍛えていくのか。
氏は「人間が自分自身でありつづけること、自分らしくあることの権利を護るべき」であると述べ、それこそが「新しきヒューマニズム」の本質であると訴える。近代のヒューマニズムは、人間の特質や多様性から目をそらしてきた。これからは、少数意見を擁護するだけではなく、その中にある真実が普遍性と価値を有していると理解する必要がある——との論である。
こうした多様性の尊重を保障していくためのキーワードとして、先生は、御書の「鏡に向って礼拝を成す時浮べる影又我を礼拝するなり」(769ページ)との一節を紹介する。
池田 仏教における実践の眼目は、"他者"のなかに、「我を礼拝する影」をどのように見いだしていくかにあります。
なによりも重要であり、忘れてはならないポイントは、「我を礼拝する影」を鏡のなかに見いだそうとする以前に、その前提条件として、まずみずからが鏡に向かって礼拝しなければならない、ということです。なぜなら、「鏡に向かって礼拝を成す時」「我を礼拝する影」とは、「礼拝する我」の影であり、その寸分違わぬ投影であるからです。
ゴルバチョフ 人間は、人間自身と、より真剣に、より真摯に対峙する必要があると思います。人間の本質を、何か別のものとさしかえてしまおうとする試みは、すでに踏みとどまるべきときを迎えているように思われてなりません。
新たなるヒューマニズムを志向しゆくうえで、生命に対する宗教的敬虔さが、根本要件となることは明白なのです。
人類文明の依って立つべき大地は何か、それをどこに求めるべきか——この点こそ、生命を擁護し、本来の豊かな多様性を生かしていくために、今、私たちが知らなければならない課題といえましょう。
◇汝自身を知れ
「人間復興の世紀」の実現は、観念ではない。日々の生活を舞台とした、現実の挑戦だ。そして、その主体となるのは、国家や社会だけでなく、人間一人一人である。氏は語る。
「新たなるヒューマニズムは、勇気ある人生への尊敬を前提とするものです。慎しく、愚痴をこぼさず、人間としての責務を果たしつつ、学び、働き、子を育て、代々受け継がれてきた伝統を守って生きる、無数の庶民への尊敬の心を大前提とするものです」
「自分と家族の生活を営々と支えてきた、また今、支えている大勢の庶民のなかにこそ、人生の意義を見いだすべきです」
「汝自身を知れ」。先生はこの古代ギリシャの格言を取り上げ、人々が自己の内面に目を向けることを怠り、知識と知恵を混同し、軽信を確信と錯覚し、快楽を幸福と、効率を価値と勘違いしてきた結果が、20世紀の行き詰まりであったと指摘する。
自分も他者も、絶対の尊厳が備わるかけがえのない存在であると認め合う社会へのパラダイム(規範)の転換を巡り、二人は語り合った。
ゴルバチョフ これまで人類が育んできたあらゆる思想・経験を、たとえそれらがどのようなイデオロギーや政治の流れに資してきたものであっても、それらすべてを包容しうるパラダイムを、人類は必要としているといえます。そして、このパラダイムの根幹をなすものこそ、幾世紀をもかけて培われた全人類的価値であり、人間生命の本然的価値にほかならないと固く信ずるものです。
池田 全面的に賛同しますし、この対談で、私が何回か申し上げてきた、「結合は善」「分断は悪」との文明論的な問題提起を、正しく受けてくださったものとして、感謝申し上げます。
世紀から世紀へ、「人間復興の世紀」「人間の世紀」への突破口を切り開いていく以外に、「20世紀の精神の教訓」を生かしていく道はなく、それはまた、私たちの世代に課せられた崇高にして不可避の責務でしょう。
ゴルバチョフ 私たち一人一人が、あらゆる賢明な政治勢力が、そして、すべての精神的・思想的潮流、すべての宗教が、この移行の一歩、つまり人間性と正義の勝利を助けるという使命を帯びていると、私は確信します。
池田 闇が深ければ深いほど、暁が近いのと同じ道理で、世紀末のカオスが深刻であればあるほど、未来世紀の希望の虹は、間近に迫っているかもしれないのです。否、心にそう決めて、「人間主義」「生命主義」の時代へと、私どもは、絶対にその英知を結集していかなければならない——私は命のつづくかぎり、この正義の主張を叫んでいきたいと決意しているのです。
対談集刊行から四半世紀。コロナ禍という地球規模の難題が、人類に重くのしかかる今こそ、「いかに生きるべきか」「真の幸福とは何か」を真摯に問う人間観の確立が求められている。
自己を見つめ、自他共の尊厳を輝かせゆく努力と挑戦の連帯が広がりゆく先に、新たな「希望の虹」は懸かる。
【編集後記】対談集の末尾には、対談を終えての所感が収録されている。対談の原稿を改めて手に取り、その生きた響きに"満足感を覚えた"とゴルバチョフ氏。池田先生は、人間の内なる革命を可能にする対話にこそ、迂遠な道のようでも、"時代の閉塞状況に風穴をあける王道があり、正道がある"とつづった。20世紀の教訓を巡る語らいは、21世紀に新たな風を吹き込んだ。いかに時代状況が変わろうと、対話を志向し、人間革命の民衆運動に生きる人々に、両者の対談は光を送り続ける。
弛まぬ挑戦と自己変革を。
失敗を恐れず
躊躇することなく
日々一歩を踏み出そう!
下山御消息 P349
『余法華経の第五の巻の勧持品を拝見したてまつれば末代に入りて法華経の大怨敵三類あるべし其の第三の強敵は此の者かと見畢んぬ、便宜あらば国敵をせめて彼れが大慢を倒して仏法の威験をあらはさんと思う』
【通解】
私が法華経第五の巻の勧持品を拝見するに、末法に入って法華経の大怨敵である三類の強敵が必ず現れるであろうとあるが、その中の第三の強敵・僣聖増上慢こそは、この者(極楽寺良観)であると見定めたのである。折あらば、この国敵を責めて、その大慢の心を倒して、仏法の威力を現そうと思っていた。
名字の言 きょうから紙面を大幅に刷新 2021年4月13日
演劇評論家の戸板康二氏が、ある新聞で劇評の連載を持っていた時のこと。与えられた字数は、見出しを含めて800字。劇評を書くには字数にゆとりがなく、苦労が絶えなかった▼例えば「もう少しほしい」と7字で表現したい箇所を、「足りない」と3字短くする。ところが今度は切り捨てるような響きが出てしまう。悩みながら劇評の妙味を出すことに心を砕き続けたという(『午後六時十五分』三月書房)▼きょうから本紙は、紙面を大幅に刷新。カラー紙面が倍増し、文字が大きくなった。小欄の字数はあまり変わらないが、紙面全体では減少する。その分、レイアウトにも工夫を重ね、さらに充実した紙面作りに全力を注ぎたい▼限られた字数の中で意を尽くすには、自分の命を削るような真剣さ、ひたむきさが欠かせない。その志こそ、希望の言葉を紡ぐ源泉だ。「文は人なり」である▼一本の短い記事であっても、一枚の小さな写真であっても、誰かの魂を触発し、生きる勇気を鼓舞する力になる——それが聖教新聞の信念だ。常に創刊の原点に立ち返り、日々、自らの一念を刷新しながら、「人間の機関紙」の使命を果たす決意である。本紙を支えてくださる全ての方々への感謝を胸に。(芯)
寸鉄 2021年4月13日
青年と心を通わす会長の姿こそ私の手本—博士。後継育成へ師と同じ心で
徳島女性の日。婦女一体で友情の桜花を爛漫と!勝利の春開く正義の連帯
相手の心を知る—これが良き人間関係築く力と。「聞き上手」は名将の条件
まん延防止、各地で。基本は飛沫を散らさぬこと—医師。3密避け、着用徹底
高齢者へのワクチン接種開始。重症化予防に効果と。命守る選択を聡明に
☆人間主義の哲学の視座 第8回 対談集「20世紀の精神の教訓」に学ぶ�
テーマ:連帯
池田先生の著作から、現代に求められる視点を学ぶ「人間主義の哲学の視座」。ここでは、「連帯」をテーマに、旧ソビエト連邦のミハイル・ゴルバチョフ元大統領との対談集『20世紀の精神の教訓』(初版は1996年刊)をひもとく。
【池田先生】
「人間復興の世紀」へ突破口を開く
崇高にして不可避な私たちの責務
【ゴルバチョフ元大統領】
無数の庶民への尊敬を前提とする
新たなるヒューマニズムの時代を
◇至高の価値
日本語版で5章、17テーマからなる池田先生とゴルバチョフ氏の対談集。
文化的背景の異なる二人が、探り当てた共通の精神的価値——それは「人間の生命の尊厳」であった。
語らいを締めくくるテーマは「『人間復興の世紀』への指標」。両者の真情がそのまま表れている。
池田 人間の生命を手段化するような、いかなる思想もイデオロギーも宗教も、決して正当化されてはならないということは、この対談を通して、何回となく確認し合ってきたところです。
ゴルバチョフ 私も、あらゆる多様性と個別化の可能性を秘めた"生命"そのものが、至高の価値であり、すべてに対して唯一の原点であるべきだと考えます。
新しきヒューマニズム、人間存在の精神的価値は、人間自身のなかに求められるべきです。人間こそが、すべての尺度であり、あらゆる主義主張の真偽を見極めるうえでの、評価基準とならねばなりません。
◇我を礼拝する影
生命それ自体が価値であり、その価値を高めるための社会的制度や理論は"従"である。ゆえに、「人間の生命を犠牲にしてもよいという大義名分」「それを裏づける理論や理念」など存在しえない——氏はそう断言する。
だが現実に、生命は、時に目的遂行の"手段"として軽んじられてきた。対談では、戦争、殺人、暴力、そしてテロリズムの例が挙げられている。
テロの芽を断つためには、「無条件に否と断じていくこと」が肝要であると、先生と氏は確認し合った。
では、混沌とした時勢にあって、生命の尊厳という価値を中心に据える精神の力を、いかに鍛えていくのか。
氏は「人間が自分自身でありつづけること、自分らしくあることの権利を護るべき」であると述べ、それこそが「新しきヒューマニズム」の本質であると訴える。近代のヒューマニズムは、人間の特質や多様性から目をそらしてきた。これからは、少数意見を擁護するだけではなく、その中にある真実が普遍性と価値を有していると理解する必要がある——との論である。
こうした多様性の尊重を保障していくためのキーワードとして、先生は、御書の「鏡に向って礼拝を成す時浮べる影又我を礼拝するなり」(769ページ)との一節を紹介する。
池田 仏教における実践の眼目は、"他者"のなかに、「我を礼拝する影」をどのように見いだしていくかにあります。
なによりも重要であり、忘れてはならないポイントは、「我を礼拝する影」を鏡のなかに見いだそうとする以前に、その前提条件として、まずみずからが鏡に向かって礼拝しなければならない、ということです。なぜなら、「鏡に向かって礼拝を成す時」「我を礼拝する影」とは、「礼拝する我」の影であり、その寸分違わぬ投影であるからです。
ゴルバチョフ 人間は、人間自身と、より真剣に、より真摯に対峙する必要があると思います。人間の本質を、何か別のものとさしかえてしまおうとする試みは、すでに踏みとどまるべきときを迎えているように思われてなりません。
新たなるヒューマニズムを志向しゆくうえで、生命に対する宗教的敬虔さが、根本要件となることは明白なのです。
人類文明の依って立つべき大地は何か、それをどこに求めるべきか——この点こそ、生命を擁護し、本来の豊かな多様性を生かしていくために、今、私たちが知らなければならない課題といえましょう。
◇汝自身を知れ
「人間復興の世紀」の実現は、観念ではない。日々の生活を舞台とした、現実の挑戦だ。そして、その主体となるのは、国家や社会だけでなく、人間一人一人である。氏は語る。
「新たなるヒューマニズムは、勇気ある人生への尊敬を前提とするものです。慎しく、愚痴をこぼさず、人間としての責務を果たしつつ、学び、働き、子を育て、代々受け継がれてきた伝統を守って生きる、無数の庶民への尊敬の心を大前提とするものです」
「自分と家族の生活を営々と支えてきた、また今、支えている大勢の庶民のなかにこそ、人生の意義を見いだすべきです」
「汝自身を知れ」。先生はこの古代ギリシャの格言を取り上げ、人々が自己の内面に目を向けることを怠り、知識と知恵を混同し、軽信を確信と錯覚し、快楽を幸福と、効率を価値と勘違いしてきた結果が、20世紀の行き詰まりであったと指摘する。
自分も他者も、絶対の尊厳が備わるかけがえのない存在であると認め合う社会へのパラダイム(規範)の転換を巡り、二人は語り合った。
ゴルバチョフ これまで人類が育んできたあらゆる思想・経験を、たとえそれらがどのようなイデオロギーや政治の流れに資してきたものであっても、それらすべてを包容しうるパラダイムを、人類は必要としているといえます。そして、このパラダイムの根幹をなすものこそ、幾世紀をもかけて培われた全人類的価値であり、人間生命の本然的価値にほかならないと固く信ずるものです。
池田 全面的に賛同しますし、この対談で、私が何回か申し上げてきた、「結合は善」「分断は悪」との文明論的な問題提起を、正しく受けてくださったものとして、感謝申し上げます。
世紀から世紀へ、「人間復興の世紀」「人間の世紀」への突破口を切り開いていく以外に、「20世紀の精神の教訓」を生かしていく道はなく、それはまた、私たちの世代に課せられた崇高にして不可避の責務でしょう。
ゴルバチョフ 私たち一人一人が、あらゆる賢明な政治勢力が、そして、すべての精神的・思想的潮流、すべての宗教が、この移行の一歩、つまり人間性と正義の勝利を助けるという使命を帯びていると、私は確信します。
池田 闇が深ければ深いほど、暁が近いのと同じ道理で、世紀末のカオスが深刻であればあるほど、未来世紀の希望の虹は、間近に迫っているかもしれないのです。否、心にそう決めて、「人間主義」「生命主義」の時代へと、私どもは、絶対にその英知を結集していかなければならない——私は命のつづくかぎり、この正義の主張を叫んでいきたいと決意しているのです。
対談集刊行から四半世紀。コロナ禍という地球規模の難題が、人類に重くのしかかる今こそ、「いかに生きるべきか」「真の幸福とは何か」を真摯に問う人間観の確立が求められている。
自己を見つめ、自他共の尊厳を輝かせゆく努力と挑戦の連帯が広がりゆく先に、新たな「希望の虹」は懸かる。
【編集後記】対談集の末尾には、対談を終えての所感が収録されている。対談の原稿を改めて手に取り、その生きた響きに"満足感を覚えた"とゴルバチョフ氏。池田先生は、人間の内なる革命を可能にする対話にこそ、迂遠な道のようでも、"時代の閉塞状況に風穴をあける王道があり、正道がある"とつづった。20世紀の教訓を巡る語らいは、21世紀に新たな風を吹き込んだ。いかに時代状況が変わろうと、対話を志向し、人間革命の民衆運動に生きる人々に、両者の対談は光を送り続ける。
2021年4月12日月曜日
2021.04.12 わが友に贈る
新聞休刊日
千日尼御返事 P1318
『豊後房に申し候べし既に法門日本国にひろまりて候、北陸道をば豊後房なびくべきに学生ならでは叶うべからず九月十五日已前にいそぎいそぎまいるべし』
【通解】
あなたから豊後房に、次のようにお話しください。すでに法華経の法門は日本国に弘まってきた。北陸道を教化するのは豊後房の役目であるが、それも学問がないとできない事である。九月十五日以前に急ぎ急ぎ身延へ参りなさい。
☆創価大学創立50周年記念特集 キャンパスに脈打つ創立者の精神
〈学生第一の学びや〉
永遠に「学生が中心」である。「学生のための大学」である。この根本の精神が盤石であれば、創価大学は盤石である。
1960年代後半、社会には大学紛争の嵐が吹き荒れ、各地で学生と大学の衝突が起こっていた。
"大学は学生のためにあるべきだ"——池田先生は行き詰まった教育界に変革を起こすべく、創価大学の開学を2年早め、「学生第一」「学生中心」を掲げる理想の大学を、自らの手で創り上げていった。
学生に招待された第1回創大祭では、3時間以上掛けて全ての展示を観賞。第2回滝山祭では、手のまめをつぶしながら太鼓を叩いた。また、1期生の卒業を約1年後に控えた第3回創大祭では、約700人の企業の来賓らに直接名刺を手渡しながら、"創大生をどうかよろしくお願いします"と頭を下げた。
池田先生は断言している。
「創価大学も永遠に『学生が中心』である。『学生のための大学』である。この根本の精神が盤石であれば、創価大学は盤石である。創立者として、そのことを強く訴えておきたい」(2005年3月、第2回特別文化講座「革命作家・魯迅先生を語る」)
こうした創立者の指針を受け、創大では草創期から、学生主体の大学建設が進められてきた。
1974年には大学運営などを話し合う「全学協議会」が発足。ここでは、教員、職員、理事の代表、さらに学生代表が参加し、「学生の声」を反映させながらキャンパスの整備を進めている。
さらに入学式や卒業式、創大祭といった主要行事では学生が実行委員会や運営役員を組織し、企画から整理誘導の役員まで学生主体で行われる。時に意見をぶつけ合い、話し合いを重ねて心を一つに物事をつくり上げていく作業は、人格を鍛える人間教育の場となっている。
〈五大陸に広がる教育交流〉
諸君のために、新しき世界への道を開きます。世界を駆けめぐる私の胸中には、常に、心より信頼する君たちがいます。
「大作、創価大学をつくろうな」「世界第一の大学にしようではないか」——恩師・戸田先生から託された大学建設へ、池田先生は創価大学の創立前から、諸外国を訪れるたび、大学等の教育機関を視察。積極的に教育交流の道を切り開いてきた。
また、創大開学の翌1972年にトインビー博士と対談して以降、平和・教育・文化など幅広い分野で一級の知性との対話を開始する。74年には、米カリフォルニア大学ロサンゼルス校で講演。これまで海外の大学・学術機関で行った講演は、米ハーバード大学、フランス学士院などで32回に及ぶ。
池田先生は第4回入学式の折、世界を駆ける真情をこう語った。
「私は、私の信念として、諸君のためには、いかなる労苦も惜しまず、新しき世界への道を開いてまいりたいと思っております。私が、世界の人々のなかを駆けめぐるその胸中には、つねに大切な、そして心より信頼する諸君の存在があることを知っていただきたいのであります。どうか、諸君は、"点"と"点"とを"線"で結び、さらに、それを壮大な立体とした世界の平和像をつくりあげていってほしいのであります。これは、私の諸君に対する遺言と思ってください」(74年4月)
創大は74年1月に、香港中文大学と初の学術交流協定を締結して以来、モスクワ大学、タイ・チュラロンコン大学、北京大学と交流校を増やし、今では62カ国・地域の225大学まで拡大。これまで多くの学生が、留学や海外研修に飛び立っている。
また2001年に、経済学部がインターナショナル・プログラム(IP)を開講したのをはじめ、現在では、ほとんどの学部で"英語で専門分野を学べる授業"を開設。世界各地から集う留学生と机を並べて学ぶことができる。
〈民衆立の大学〉
大学は、大学に行けなかった庶民のためにある。民衆の幸福に尽くし抜く指導者が、陸続と巣立っていってこそ、「創価教育」の勝利である。
創価大学の開学前、無償で建設予定地を整地する青年たちの姿があった。彼らに真心の差し入れをした婦人もいた。自身は満足に学校で学べなかったが、大学の理念に共感し、その事業に参加したいと、生活を切り詰めて寄付を申し出た方々がいた——池田先生は折々に、開学の陰にこうした人々の労苦があったことを、創大生や教職員に訴えた。「創価大学に縁する全ての人は、創大は無名の民衆の応援でできた『民衆立の大学』であることを忘れないでほしい」
開学以来、創大生は、庶民の味方となれる力ある人材を目指し、切磋琢磨してきた。毎年のように難関の国家試験合格者が誕生。経済、学術、法曹、教育、政治、スポーツ、芸術、国際協力など、各分野の第一線で活躍している。
創大では、1973年から年齢や職業を問わず学べる"市民講座"として「夏季大学講座」を実施。76年には通信教育部を設置し、社会に根差し、広く民衆に教育の機会を開いてきた。
研究分野でも光を放っている。誰も置き去りにしない社会の建設へ、国連のSDGs(持続可能な開発目標)の推進に全学を挙げて、力を入れている。
また、創大の理工学部が中心となって推進する、アフリカ・エチオピアの湖に過剰繁殖する水草を有効活用しようとする国際共同研究は、「地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)」の研究課題に採択され、注目を集めている。
池田先生は随筆につづっている。「大学は、大学に行けなかった庶民のためにある。民衆の幸福に尽くし抜く指導者が、陸続と巣立っていってこそ、『創価教育』の勝利である」
千日尼御返事 P1318
『豊後房に申し候べし既に法門日本国にひろまりて候、北陸道をば豊後房なびくべきに学生ならでは叶うべからず九月十五日已前にいそぎいそぎまいるべし』
【通解】
あなたから豊後房に、次のようにお話しください。すでに法華経の法門は日本国に弘まってきた。北陸道を教化するのは豊後房の役目であるが、それも学問がないとできない事である。九月十五日以前に急ぎ急ぎ身延へ参りなさい。
☆創価大学創立50周年記念特集 キャンパスに脈打つ創立者の精神
〈学生第一の学びや〉
永遠に「学生が中心」である。「学生のための大学」である。この根本の精神が盤石であれば、創価大学は盤石である。
1960年代後半、社会には大学紛争の嵐が吹き荒れ、各地で学生と大学の衝突が起こっていた。
"大学は学生のためにあるべきだ"——池田先生は行き詰まった教育界に変革を起こすべく、創価大学の開学を2年早め、「学生第一」「学生中心」を掲げる理想の大学を、自らの手で創り上げていった。
学生に招待された第1回創大祭では、3時間以上掛けて全ての展示を観賞。第2回滝山祭では、手のまめをつぶしながら太鼓を叩いた。また、1期生の卒業を約1年後に控えた第3回創大祭では、約700人の企業の来賓らに直接名刺を手渡しながら、"創大生をどうかよろしくお願いします"と頭を下げた。
池田先生は断言している。
「創価大学も永遠に『学生が中心』である。『学生のための大学』である。この根本の精神が盤石であれば、創価大学は盤石である。創立者として、そのことを強く訴えておきたい」(2005年3月、第2回特別文化講座「革命作家・魯迅先生を語る」)
こうした創立者の指針を受け、創大では草創期から、学生主体の大学建設が進められてきた。
1974年には大学運営などを話し合う「全学協議会」が発足。ここでは、教員、職員、理事の代表、さらに学生代表が参加し、「学生の声」を反映させながらキャンパスの整備を進めている。
さらに入学式や卒業式、創大祭といった主要行事では学生が実行委員会や運営役員を組織し、企画から整理誘導の役員まで学生主体で行われる。時に意見をぶつけ合い、話し合いを重ねて心を一つに物事をつくり上げていく作業は、人格を鍛える人間教育の場となっている。
〈五大陸に広がる教育交流〉
諸君のために、新しき世界への道を開きます。世界を駆けめぐる私の胸中には、常に、心より信頼する君たちがいます。
「大作、創価大学をつくろうな」「世界第一の大学にしようではないか」——恩師・戸田先生から託された大学建設へ、池田先生は創価大学の創立前から、諸外国を訪れるたび、大学等の教育機関を視察。積極的に教育交流の道を切り開いてきた。
また、創大開学の翌1972年にトインビー博士と対談して以降、平和・教育・文化など幅広い分野で一級の知性との対話を開始する。74年には、米カリフォルニア大学ロサンゼルス校で講演。これまで海外の大学・学術機関で行った講演は、米ハーバード大学、フランス学士院などで32回に及ぶ。
池田先生は第4回入学式の折、世界を駆ける真情をこう語った。
「私は、私の信念として、諸君のためには、いかなる労苦も惜しまず、新しき世界への道を開いてまいりたいと思っております。私が、世界の人々のなかを駆けめぐるその胸中には、つねに大切な、そして心より信頼する諸君の存在があることを知っていただきたいのであります。どうか、諸君は、"点"と"点"とを"線"で結び、さらに、それを壮大な立体とした世界の平和像をつくりあげていってほしいのであります。これは、私の諸君に対する遺言と思ってください」(74年4月)
創大は74年1月に、香港中文大学と初の学術交流協定を締結して以来、モスクワ大学、タイ・チュラロンコン大学、北京大学と交流校を増やし、今では62カ国・地域の225大学まで拡大。これまで多くの学生が、留学や海外研修に飛び立っている。
また2001年に、経済学部がインターナショナル・プログラム(IP)を開講したのをはじめ、現在では、ほとんどの学部で"英語で専門分野を学べる授業"を開設。世界各地から集う留学生と机を並べて学ぶことができる。
〈民衆立の大学〉
大学は、大学に行けなかった庶民のためにある。民衆の幸福に尽くし抜く指導者が、陸続と巣立っていってこそ、「創価教育」の勝利である。
創価大学の開学前、無償で建設予定地を整地する青年たちの姿があった。彼らに真心の差し入れをした婦人もいた。自身は満足に学校で学べなかったが、大学の理念に共感し、その事業に参加したいと、生活を切り詰めて寄付を申し出た方々がいた——池田先生は折々に、開学の陰にこうした人々の労苦があったことを、創大生や教職員に訴えた。「創価大学に縁する全ての人は、創大は無名の民衆の応援でできた『民衆立の大学』であることを忘れないでほしい」
開学以来、創大生は、庶民の味方となれる力ある人材を目指し、切磋琢磨してきた。毎年のように難関の国家試験合格者が誕生。経済、学術、法曹、教育、政治、スポーツ、芸術、国際協力など、各分野の第一線で活躍している。
創大では、1973年から年齢や職業を問わず学べる"市民講座"として「夏季大学講座」を実施。76年には通信教育部を設置し、社会に根差し、広く民衆に教育の機会を開いてきた。
研究分野でも光を放っている。誰も置き去りにしない社会の建設へ、国連のSDGs(持続可能な開発目標)の推進に全学を挙げて、力を入れている。
また、創大の理工学部が中心となって推進する、アフリカ・エチオピアの湖に過剰繁殖する水草を有効活用しようとする国際共同研究は、「地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)」の研究課題に採択され、注目を集めている。
池田先生は随筆につづっている。「大学は、大学に行けなかった庶民のためにある。民衆の幸福に尽くし抜く指導者が、陸続と巣立っていってこそ、『創価教育』の勝利である」
2021年4月11日日曜日
2021.04.11 わが友に贈る
◇今週のことば
座談会こそ仏の会座
安心と希望の泉なり。
「仏種は縁に従って起る」
心を結ぶ語らいで
地域に勇気の伝播を!
2021年4月11日
千日尼御前御返事 P1313
『日本国の一切の女人を扶けんと願せる志はすてがたかるべし』
【通解】
日本国の一切の女人を救おうと願った志を無視することはできないであろう
名字の言 育成は「見る」「聴く」「受け入れる」 2021年4月11日
優れた選手育成システムから次々と世界的な名手を生み出すスペインサッカー。なかでも、最も堅実な育成組織を持つと評されるチームがビジャレアルだ▼トップリーグを戦う同チームの下部組織では、コーチ陣が脳科学や行動科学などをもとに「アスリート・センタード・コーチング」に取り組む。つまり選手を中心に置いた「見る」「聴く」「受け入れる」指導方法だ▼例えば、全体ミーティングで黙っている選手。一対一で話すと、しっかりとした考えを持っているが、自信がなくて発言しなかったことなどが分かった。同チームで選手の育成に携わってきた、Jリーグ常勤理事の佐伯夕利子氏は「沈黙は思考ゼロではない」と語る。「静かにしていることや、無言であることに、もっと意識を向けよう」と(『教えないスキル』小学館新書)▼自分の考えや感情を言葉にして表現する人もいれば、しない人もいる。だからこそ、それぞれの性格や状況に応じた判断が必要だ。相手の様子を「見る」。話を「聴く」。思いを「受け入れる」——人材育成とは"その人らしさ"を尊重する「関わる側」の姿勢で決まる▼どこまでも一人に寄り添い、"心の声"にまで耳を澄ませよう。「聞き上手は、判断力に富む人」とはエジプトの格言である。(銘)
寸鉄 2021年4月11日
学会員の姿から一人一人が秘める偉大な力を確信—学者。民衆蘇生の太陽
未来部の日。能力を発揮させれば皆が優等生に—先師。この心で激励益々
「恐るべきは無気力、ただこれのみ」詩人。活力の源は題目!今日も朗々と
医学部志望、コロナ禍で増と。命守らんとの若者頼もし。我らも周囲の為
飲食店で感染広げる主因は店ではなく客の行動—専門家。飛沫対策緩めず
〈社説〉 2021・4・11 あす「世界宇宙飛行の日」
◇平和の哲学を技術革新の要に
1961年4月12日、ロシアのある村に、宇宙から一人の男が舞い戻った。ぼうぜんと見つめる婦人と少女に、男はヘルメットを脱いで叫んだ。「仲間ですよ、同志、仲間です」。気が付いた別の作業員たちが、「ユーリー・ガガーリン! ユーリー・ガガーリン!」と叫びながら建物から駆け寄り、兄弟のように抱き合った(朝日新聞社訳『地球の色は青かった』)。この宇宙飛行士こそ、108分間で地球を一回りしたユーリー・ガガーリンである。彼が人類初の有人宇宙飛行を成功させた4月12日は、「世界宇宙飛行の日」に定められている。
「飛んだ! 飛んだぞ、ひとりで!」「お前は、自分の欲するすべての目標に到達することができるのか(中略)——できるとも」「誓い! それは動かすことのできない、大きな容量をもつ言葉である」。前掲の手記には、訓練を経て、宇宙に飛び立つまでの青年ガガーリンの言葉が鮮烈に刻まれている。
「まだ」60年、という驚きもあろう。今や、国際宇宙ステーションでは宇宙飛行士たちが国籍を超えて協働したり、遠く離れた天体に正確に探査機を送って岩石を持ち帰ったり、火星や月の次世代開発計画が進んだりしている。たった60年で、宇宙開発は飛躍的な進歩を遂げた。
かつて池田先生と対談集『宇宙と地球と人間』(潮出版社)を編んだロシアの宇宙飛行士、アレクサンドル・セレブロフ博士が、同書で人間交流に関する興味深いエピソードを語っている。
同博士がアメリカの青少年宇宙会議「YAC」の招聘で、ロシア側の一員として会議に参加した時のこと。YACの議長はベトナム戦争に参加したヘリコプターの元パイロットだった。一方、ロシア側にも退役軍人がいて、彼を撃ち落とそうとした人物だったことが分かった。退役軍人らは議長の自宅に招かれる。議長の父親は「息子の命を奪おうとされた敵方のパイロットとは、いやはや、なんと歓迎申し上げればよいのやら……」。そして彼らを尊敬すべき客として迎えた。
池田先生は、かつての敵同士が「青少年たちに宇宙への夢や視野を与えようと行動する同志」となったことを称賛し、「戦争から平和への偉大なる転換の劇を見る思いです」と語った。宇宙への視座は、人類に地球平和への哲学を育んでいくはずだ。同書の末尾にはこうある。「宇宙は尊い。地球は尊い。人間は尊い。さらに、生命は尊い。限りなく尊い」
私たちは、時代がどんなに変わろうとも、技術がどんなに進もうとも、この平和の哲学を断じて叫びきっていかなくてはならない。子どもや孫の世代が、国境を越えて更なる友情を広げゆくために。
☆創価大学創立50周年記念特集 創立者と歩んだ栄光の50年
〈1964年〉
創価大学「設立構想」発表
〈1971年〉
開学(経済・法・文学部)
〈1972年〉
創大学生歌が完成
〈1975年〉
大学院修士課程開設
日本で初めて新中国から国費留学生を受け入れる
初の学術交流協定を香港中文大学と締結(現在は62カ国・地域、225大学と交流を結ぶ)
〈1976年〉
経営・教育学部、通信教育部、別科開設
〈1977年〉
大学院博士課程開設
〈1978年〉
中央図書館開館
〈1985年〉
創価女子短期大学開学
〈1991年〉
池田記念講堂完成
工学部開設
〈1999年〉
本部棟完成
〈2004年〉
専門職大学院法務研究科(法科大学院)開設
〈2005年〉
創大男子寮歌「青春の城」、創大女子寮歌「希望の光」、短大学生寮歌「幸福の詩」が誕生
〈2006年〉
北京事務所を設置
〈2008年〉
専門職大学院教職研究科(教職大学院)開設
〈2009年〉
総合体育館完成
〈2010年〉
創立50周年に向けた創価大学グランドデザインを発表
GCP(グローバル・シティズンシップ・プログラム)開始
〈2013年〉
看護学部開設
中央教育棟完成
〈2014年〉
国際教養学部開設
文部科学省「スーパーグローバル大学創成支援」に採択(2018年、2021年の2回連続で、中間評価で最高の「S」を獲得)
〈2015年〉
工学部を「理工学部」に名称変更、「共生創造理工学科」を開設
〈2016年〉
タイ事務所、韓国事務所を設置
〈2017年〉
滝山国際寮(男子)、万葉国際寮(女子)が完成
〈2018年〉
フィリピン事務所を設置
〈2021年〉
創立50周年。同窓生が10万人に
☆創価大学で創立50周年祝賀の入学式 創大51・50期生、短大37・36期生が晴れの門出
◇池田先生が和歌とメッセージ贈る
創価大学の創立50周年を記念する入学式が2日午後、東京・八王子市の創大池田記念講堂で挙行された。創大51期生・短大37期生をはじめとする新入生、そして、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、昨年、入学式を開催できなかった創大50期生・短大36期生ら新2年生の式典が、それぞれ晴れやかに行われた。両式典には、創立者・池田大作先生が和歌とメッセージを贈り、最良の世界市民の学友とスクラムを組み、「強き生命力」と「たくましき智慧」の翼を鍛え広げてほしいと望んだ。
桜、レンギョウ、ツツジなどの美しい花々が競演する武蔵野のキャンパスに、今年も喜びに満ちた新入生の足音が響く。
新たな出発の希望と歓喜にあふれる中、この4月2日、創価大学は栄光の創立50周年を迎えた。
式典が始まる前、新入生たちが、構内に立つ一対のブロンズ像を見つめていた。その台座には「英知を磨くは何のため 君よそれを忘るるな」「労苦と使命の中にのみ 人生の価値は生まれる」との池田先生の指針が刻まれている。
1971年4月2日、1期生たちは、このブロンズ像の除幕に臨み、大学建設の先駆者としての誓いを新たにした。以来、半世紀——。同じ場所に立ち、瞳を輝かせる若人たち。
ある新入生が語っていた。「池田先生と代々の先輩方が心血を注ぎ、築いてくださった50年。その偉大な歴史の上に、新たな一歩を刻めることへの感謝を忘れず、時代を開く一人になりたい」
式典で紹介されたメッセージで、池田先生は語り掛けた。「わが創価教育の魂は、『従藍而青』であります」
半世紀にわたる創大の興隆も、まさに藍を何度も重ねて鮮やかな青に染め上げるように、一年一年、創大生が自らの舞台で積み上げてきた勝利の結実にほかならない。
近年の創大の発展は目覚ましい。世界市民教育に高い評価が寄せられるとともに、朝日新聞「EduA」が発表した「就職偏差値が上がった大学」ランキング(3月)の「主要企業の就職者が100人以上200人未満」のグループで、堂々の1位に。第33回社会福祉士国家試験(同月15日発表)では文学部の11人(既卒者1人含む)、第110回看護師国家試験(同月26日発表)では看護学部の79人が合格するなど、多くの民衆奉仕のリーダーを輩出している。
女子短大も、多文化共生の現代に不可欠なビジネススキルや語学力を培う環境が整う。各種資格試験へのサポート体制も充実し、「ビジネス文書技能検定」1級の個人表彰で、最優秀賞に当たる「文部科学大臣賞」を受賞した学生も誕生した。
◇2030年へ希望の出発
人類が試練と挑戦の時を迎えている今、新しき発想で、果敢な行動で、新たな「従藍而青」の未来を開きゆく友の使命は深い。
さあ、ここから、私から"若き創立者"として新たな歴史を——式典のフィナーレには、そんな若人たちの心意気が表れていた。
暗転した講堂内に、無数の光が浮かび上がる。「創大学生歌」の音楽に合わせて、一人一人がスマートフォンやライトを高く掲げて左右に振っていた。
いかなる暗闇でも、小さな一つの光から希望は生まれる。そこから未来が開ける。混迷の社会を照らす光に!——2030年へ、創大・短大生の新たな歩みが始まった。
2021年度生(創大51期生・短大37期生)の入学式典では、田代創大理事長が創立者のメッセージを紹介。池田先生と学生の共戦の歩みを収めた映像を視聴した後、新入生、在学生を代表して、�橋知里さん、ヤップ・チェンチンさん、池田久美子さん、水野李穂さん、中山七夕子さんが清新な決意を述べた。
馬場創大学長が、自らの可能性を信じ、不屈の努力を重ね続ける一人一人にと望んだ。
創大最高顧問の原田会長は、池田先生が創大の発展を願い、平和闘争の合間を縫って英オックスフォード大学などの名門学府を視察した歴史に言及。命を削って大学を建設してきた先生の心を継ぎ、次の50年を開く人材に成長をと呼び掛けた。
今年度は学部生1593人、通信教育部生542人、別科生および交換留学生64人、大学院博士前期課程および修士課程98人、博士後期課程13人、法科大学院生16人、教職大学院生6人、短大生144人が入学した。
座談会こそ仏の会座
安心と希望の泉なり。
「仏種は縁に従って起る」
心を結ぶ語らいで
地域に勇気の伝播を!
2021年4月11日
千日尼御前御返事 P1313
『日本国の一切の女人を扶けんと願せる志はすてがたかるべし』
【通解】
日本国の一切の女人を救おうと願った志を無視することはできないであろう
名字の言 育成は「見る」「聴く」「受け入れる」 2021年4月11日
優れた選手育成システムから次々と世界的な名手を生み出すスペインサッカー。なかでも、最も堅実な育成組織を持つと評されるチームがビジャレアルだ▼トップリーグを戦う同チームの下部組織では、コーチ陣が脳科学や行動科学などをもとに「アスリート・センタード・コーチング」に取り組む。つまり選手を中心に置いた「見る」「聴く」「受け入れる」指導方法だ▼例えば、全体ミーティングで黙っている選手。一対一で話すと、しっかりとした考えを持っているが、自信がなくて発言しなかったことなどが分かった。同チームで選手の育成に携わってきた、Jリーグ常勤理事の佐伯夕利子氏は「沈黙は思考ゼロではない」と語る。「静かにしていることや、無言であることに、もっと意識を向けよう」と(『教えないスキル』小学館新書)▼自分の考えや感情を言葉にして表現する人もいれば、しない人もいる。だからこそ、それぞれの性格や状況に応じた判断が必要だ。相手の様子を「見る」。話を「聴く」。思いを「受け入れる」——人材育成とは"その人らしさ"を尊重する「関わる側」の姿勢で決まる▼どこまでも一人に寄り添い、"心の声"にまで耳を澄ませよう。「聞き上手は、判断力に富む人」とはエジプトの格言である。(銘)
寸鉄 2021年4月11日
学会員の姿から一人一人が秘める偉大な力を確信—学者。民衆蘇生の太陽
未来部の日。能力を発揮させれば皆が優等生に—先師。この心で激励益々
「恐るべきは無気力、ただこれのみ」詩人。活力の源は題目!今日も朗々と
医学部志望、コロナ禍で増と。命守らんとの若者頼もし。我らも周囲の為
飲食店で感染広げる主因は店ではなく客の行動—専門家。飛沫対策緩めず
〈社説〉 2021・4・11 あす「世界宇宙飛行の日」
◇平和の哲学を技術革新の要に
1961年4月12日、ロシアのある村に、宇宙から一人の男が舞い戻った。ぼうぜんと見つめる婦人と少女に、男はヘルメットを脱いで叫んだ。「仲間ですよ、同志、仲間です」。気が付いた別の作業員たちが、「ユーリー・ガガーリン! ユーリー・ガガーリン!」と叫びながら建物から駆け寄り、兄弟のように抱き合った(朝日新聞社訳『地球の色は青かった』)。この宇宙飛行士こそ、108分間で地球を一回りしたユーリー・ガガーリンである。彼が人類初の有人宇宙飛行を成功させた4月12日は、「世界宇宙飛行の日」に定められている。
「飛んだ! 飛んだぞ、ひとりで!」「お前は、自分の欲するすべての目標に到達することができるのか(中略)——できるとも」「誓い! それは動かすことのできない、大きな容量をもつ言葉である」。前掲の手記には、訓練を経て、宇宙に飛び立つまでの青年ガガーリンの言葉が鮮烈に刻まれている。
「まだ」60年、という驚きもあろう。今や、国際宇宙ステーションでは宇宙飛行士たちが国籍を超えて協働したり、遠く離れた天体に正確に探査機を送って岩石を持ち帰ったり、火星や月の次世代開発計画が進んだりしている。たった60年で、宇宙開発は飛躍的な進歩を遂げた。
かつて池田先生と対談集『宇宙と地球と人間』(潮出版社)を編んだロシアの宇宙飛行士、アレクサンドル・セレブロフ博士が、同書で人間交流に関する興味深いエピソードを語っている。
同博士がアメリカの青少年宇宙会議「YAC」の招聘で、ロシア側の一員として会議に参加した時のこと。YACの議長はベトナム戦争に参加したヘリコプターの元パイロットだった。一方、ロシア側にも退役軍人がいて、彼を撃ち落とそうとした人物だったことが分かった。退役軍人らは議長の自宅に招かれる。議長の父親は「息子の命を奪おうとされた敵方のパイロットとは、いやはや、なんと歓迎申し上げればよいのやら……」。そして彼らを尊敬すべき客として迎えた。
池田先生は、かつての敵同士が「青少年たちに宇宙への夢や視野を与えようと行動する同志」となったことを称賛し、「戦争から平和への偉大なる転換の劇を見る思いです」と語った。宇宙への視座は、人類に地球平和への哲学を育んでいくはずだ。同書の末尾にはこうある。「宇宙は尊い。地球は尊い。人間は尊い。さらに、生命は尊い。限りなく尊い」
私たちは、時代がどんなに変わろうとも、技術がどんなに進もうとも、この平和の哲学を断じて叫びきっていかなくてはならない。子どもや孫の世代が、国境を越えて更なる友情を広げゆくために。
☆創価大学創立50周年記念特集 創立者と歩んだ栄光の50年
〈1964年〉
創価大学「設立構想」発表
〈1971年〉
開学(経済・法・文学部)
〈1972年〉
創大学生歌が完成
〈1975年〉
大学院修士課程開設
日本で初めて新中国から国費留学生を受け入れる
初の学術交流協定を香港中文大学と締結(現在は62カ国・地域、225大学と交流を結ぶ)
〈1976年〉
経営・教育学部、通信教育部、別科開設
〈1977年〉
大学院博士課程開設
〈1978年〉
中央図書館開館
〈1985年〉
創価女子短期大学開学
〈1991年〉
池田記念講堂完成
工学部開設
〈1999年〉
本部棟完成
〈2004年〉
専門職大学院法務研究科(法科大学院)開設
〈2005年〉
創大男子寮歌「青春の城」、創大女子寮歌「希望の光」、短大学生寮歌「幸福の詩」が誕生
〈2006年〉
北京事務所を設置
〈2008年〉
専門職大学院教職研究科(教職大学院)開設
〈2009年〉
総合体育館完成
〈2010年〉
創立50周年に向けた創価大学グランドデザインを発表
GCP(グローバル・シティズンシップ・プログラム)開始
〈2013年〉
看護学部開設
中央教育棟完成
〈2014年〉
国際教養学部開設
文部科学省「スーパーグローバル大学創成支援」に採択(2018年、2021年の2回連続で、中間評価で最高の「S」を獲得)
〈2015年〉
工学部を「理工学部」に名称変更、「共生創造理工学科」を開設
〈2016年〉
タイ事務所、韓国事務所を設置
〈2017年〉
滝山国際寮(男子)、万葉国際寮(女子)が完成
〈2018年〉
フィリピン事務所を設置
〈2021年〉
創立50周年。同窓生が10万人に
☆創価大学で創立50周年祝賀の入学式 創大51・50期生、短大37・36期生が晴れの門出
◇池田先生が和歌とメッセージ贈る
創価大学の創立50周年を記念する入学式が2日午後、東京・八王子市の創大池田記念講堂で挙行された。創大51期生・短大37期生をはじめとする新入生、そして、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、昨年、入学式を開催できなかった創大50期生・短大36期生ら新2年生の式典が、それぞれ晴れやかに行われた。両式典には、創立者・池田大作先生が和歌とメッセージを贈り、最良の世界市民の学友とスクラムを組み、「強き生命力」と「たくましき智慧」の翼を鍛え広げてほしいと望んだ。
桜、レンギョウ、ツツジなどの美しい花々が競演する武蔵野のキャンパスに、今年も喜びに満ちた新入生の足音が響く。
新たな出発の希望と歓喜にあふれる中、この4月2日、創価大学は栄光の創立50周年を迎えた。
式典が始まる前、新入生たちが、構内に立つ一対のブロンズ像を見つめていた。その台座には「英知を磨くは何のため 君よそれを忘るるな」「労苦と使命の中にのみ 人生の価値は生まれる」との池田先生の指針が刻まれている。
1971年4月2日、1期生たちは、このブロンズ像の除幕に臨み、大学建設の先駆者としての誓いを新たにした。以来、半世紀——。同じ場所に立ち、瞳を輝かせる若人たち。
ある新入生が語っていた。「池田先生と代々の先輩方が心血を注ぎ、築いてくださった50年。その偉大な歴史の上に、新たな一歩を刻めることへの感謝を忘れず、時代を開く一人になりたい」
式典で紹介されたメッセージで、池田先生は語り掛けた。「わが創価教育の魂は、『従藍而青』であります」
半世紀にわたる創大の興隆も、まさに藍を何度も重ねて鮮やかな青に染め上げるように、一年一年、創大生が自らの舞台で積み上げてきた勝利の結実にほかならない。
近年の創大の発展は目覚ましい。世界市民教育に高い評価が寄せられるとともに、朝日新聞「EduA」が発表した「就職偏差値が上がった大学」ランキング(3月)の「主要企業の就職者が100人以上200人未満」のグループで、堂々の1位に。第33回社会福祉士国家試験(同月15日発表)では文学部の11人(既卒者1人含む)、第110回看護師国家試験(同月26日発表)では看護学部の79人が合格するなど、多くの民衆奉仕のリーダーを輩出している。
女子短大も、多文化共生の現代に不可欠なビジネススキルや語学力を培う環境が整う。各種資格試験へのサポート体制も充実し、「ビジネス文書技能検定」1級の個人表彰で、最優秀賞に当たる「文部科学大臣賞」を受賞した学生も誕生した。
◇2030年へ希望の出発
人類が試練と挑戦の時を迎えている今、新しき発想で、果敢な行動で、新たな「従藍而青」の未来を開きゆく友の使命は深い。
さあ、ここから、私から"若き創立者"として新たな歴史を——式典のフィナーレには、そんな若人たちの心意気が表れていた。
暗転した講堂内に、無数の光が浮かび上がる。「創大学生歌」の音楽に合わせて、一人一人がスマートフォンやライトを高く掲げて左右に振っていた。
いかなる暗闇でも、小さな一つの光から希望は生まれる。そこから未来が開ける。混迷の社会を照らす光に!——2030年へ、創大・短大生の新たな歩みが始まった。
2021年度生(創大51期生・短大37期生)の入学式典では、田代創大理事長が創立者のメッセージを紹介。池田先生と学生の共戦の歩みを収めた映像を視聴した後、新入生、在学生を代表して、�橋知里さん、ヤップ・チェンチンさん、池田久美子さん、水野李穂さん、中山七夕子さんが清新な決意を述べた。
馬場創大学長が、自らの可能性を信じ、不屈の努力を重ね続ける一人一人にと望んだ。
創大最高顧問の原田会長は、池田先生が創大の発展を願い、平和闘争の合間を縫って英オックスフォード大学などの名門学府を視察した歴史に言及。命を削って大学を建設してきた先生の心を継ぎ、次の50年を開く人材に成長をと呼び掛けた。
今年度は学部生1593人、通信教育部生542人、別科生および交換留学生64人、大学院博士前期課程および修士課程98人、博士後期課程13人、法科大学院生16人、教職大学院生6人、短大生144人が入学した。
2021年4月10日土曜日
2021.04.10 わが友に贈る
求道の人には
限りない歓喜がある。
歓喜ある人には
苦難に勝つ勢いがある。
ここに成長の秘訣が!
顕仏未来記 P507
『日本国中に日蓮を除いては誰人を取り出して法華経の行者と為さん汝日蓮を謗らんとして仏記を虚妄にす豈大悪人に非ずや』
【通解】
日本国中において、日蓮を除いてほかに、誰人を選びだして法華経の行者ということができようか。あなたはこの法華経の行者である日蓮を誹謗しようとして、仏の未来記を虚妄にするのである。これこそ、まさに大悪人ではないか。
名字の言 読者から寄せられた手紙を読んで 2021年4月10日
読者からお便りを頂戴した。中学の時に病気になり高校も行けず、文章を読むのが苦手だった女性から。父親に「新聞の大きな見出しの文字だけでも毎日、読むように」と言われ、本紙を開くようになった▼毎日、見出しを眺めているうちに、記事の小さい文字も読むように。分からない言葉があったり疑問が湧いたりすると、今は亡き父親や御書を読破した夫が"教師"となって教えてくれた。こうして少しずつ言葉を覚え、やがて記事の内容を楽しめる自分になった▼先日、本紙の美しい風景の写真が目に留まった。「現代の桃源郷」と呼ばれる埼玉県の山村を紹介する記事だった。読み進むと、次男が大学に入学した春に見た「ピンクの桃の花の丘」の風景がよみがえり、「山笑う」という春の季語が頭に浮かんだ。女性は20年前、この言葉の意味を調べ、四季を表現する言葉の豊かさに感動したのだという▼便りは「勇気を出して手紙を書きました」と始まり、今回の記事に出合った感想で結ばれていた。「目に映り、心に響き、温かさでいっぱいです」。かつて文字を読むのが苦手だった方が書いた一文字一文字は輝いて見えた▼本紙創刊70周年を迎える今、読者の皆さまに一層、希望と勇気と活力あふれる紙面を届けたいと決意した。(側)
寸鉄 2021年4月10日
「仏種は縁に従って起る」御書。あいさつ一つも仏縁拡大の好機。大誠実で
奈良婦人部の日。常勝の母の祈りは無敵!友に蘇生の力送る励まし今こそ
各人が力を発揮すれば団結も強く—恩師。我こそ広布の主人公の心で進め
長時間のイヤホン使用で難聴の恐れと。1時間に5分—適度な休憩が必須
小学校35人学級へ。公明が"重い扉"開いた—識者未来つくる確かな実現力
☆質問BOX "同盟唱題"とは?
回答
"同盟唱題"は、祈る時間を合わせ、広布の目標や友の幸福などを願い、心一つに題目を唱えることです。
戸田先生は、獄中から子息へ送った手紙に「朝何時でも君の都合良い時、御本尊様に向かって題目を百ペン唱える。その時、御父さんも同時刻に百ペン唱えます。(中略)これを父子同盟としよう」とつづられました。
また、イギリスとアルゼンチンがフォークランド紛争(マルビナス戦争)という危機の渦中にあった際、両国の同志は争いの終結を祈る"同盟唱題"を続けていたという歴史もあります。
たとえ、直接会うことが難しい状況であったとしても、心と心を通い合わせることはできる——。"同盟唱題"は、やむにやまれぬ熱き思いから生まれた祈りなのです。
☆みんなで学ぶ教学 第15回 持続の信心
◇挑戦の日々に限りない成長が
今回の「みんなで学ぶ教学」は「持続の信心」がテーマです。いよいよ新年度がスタートしました。何かと多忙な時期ですが、流されることなく、信心の実践を続けていく日々に成長があります。最近、疲れている新入会のリホさんは、地区婦人部長のユリコさんに電話で相談しています。
リホ ユリコさん、今、少し電話で話してもいいですか?
ユリコ 大丈夫よ。どうしたの?
リホ 新年度を迎えて、新たに大事な仕事を担当するようになったんですけど、すごく忙しくなって……。帰宅したら疲れ切ってしまって、なかなか、しっかりと御本尊様の前に座れないんです。
ユリコ 大事な仕事を任せられるなんて、すごいことね! リホさんの気持ちは分かるわ。題目を唱えたほうがいいのは分かっていても、疲れていると、"今日はもういいかな"って思ってしまうのよね。朝も、ぎりぎりまで寝ていたくなっちゃうし。
リホ そうなんです。気持ちに余裕がなくなるというか……。そんな自分の現状に、またへこんでしまいます。
ユリコ 心配しないで。私にも同じような経験があるわ。
リホ ユリコさんにも、そんなときがあったんですか?
ユリコ 私だけじゃないわ。誰にでもあることよ。もちろん、毎日しっかりと唱題することが一番よ。でも、大きく睡眠時間を削ったり、無理をして体調を崩してしまったりしてはいけないわ。大切なことは御本尊に向かう挑戦を続けることよ。「持続の信心」ね。
リホ 疲れているときでも、お題目を三唱だけは、がんばってみようかな……。
ユリコ 日蓮大聖人は、「一遍此の首題を唱へ奉れば一切衆生の仏性が皆よばれて爰に集まる」(御書498ページ)と仰せよ。
たとえ、たった一遍であったとしても、題目を唱えることには、限りない功徳があることを教えられているの。
リホ たった一遍であってもですか?
ユリコ だからといって、"一遍だけでいい"という意味ではないわよ(笑い)。
多忙な日々かもしれないけれど、時間をつくって、真剣な思いを込めた唱題を続ければ、どこまでも自身を成長させていくことができるのよ。
リホ そうなんですね。でも、今日は頑張れたとしても、なかなか続かなくて……。
ユリコ 大丈夫よ。池田先生は「『三日坊主』、つまり三日しか続かなかったとしても、かまわない。また決意して、挑戦すればいいんです。三日坊主も10回繰り返せば30日で、1カ月です。1カ月できれば、1年だってできる。粘り強く繰り返すことで、当たり前の日課になっていきます。大事な点は、へこたれずに何度でも決意できるかどうかです」と語られているわ。
"題目を唱えよう"と、信心に励み続ける持続の日々に、限りない成長があるのよ。できなかったことを嘆くより、一遍でも唱えられたことに、感謝していきましょう。
リホ なんだか、少し心が軽くなった気がします。祈れること自体が幸せなんですね。よーし! ユリコさん、明日の朝、"同盟唱題"してもらってもいいですか?
ユリコ そうやってすぐに決意できるリホさんは素晴らしいわね! もちろん、喜んで"同盟唱題"させてもらうわ。
限りない歓喜がある。
歓喜ある人には
苦難に勝つ勢いがある。
ここに成長の秘訣が!
顕仏未来記 P507
『日本国中に日蓮を除いては誰人を取り出して法華経の行者と為さん汝日蓮を謗らんとして仏記を虚妄にす豈大悪人に非ずや』
【通解】
日本国中において、日蓮を除いてほかに、誰人を選びだして法華経の行者ということができようか。あなたはこの法華経の行者である日蓮を誹謗しようとして、仏の未来記を虚妄にするのである。これこそ、まさに大悪人ではないか。
名字の言 読者から寄せられた手紙を読んで 2021年4月10日
読者からお便りを頂戴した。中学の時に病気になり高校も行けず、文章を読むのが苦手だった女性から。父親に「新聞の大きな見出しの文字だけでも毎日、読むように」と言われ、本紙を開くようになった▼毎日、見出しを眺めているうちに、記事の小さい文字も読むように。分からない言葉があったり疑問が湧いたりすると、今は亡き父親や御書を読破した夫が"教師"となって教えてくれた。こうして少しずつ言葉を覚え、やがて記事の内容を楽しめる自分になった▼先日、本紙の美しい風景の写真が目に留まった。「現代の桃源郷」と呼ばれる埼玉県の山村を紹介する記事だった。読み進むと、次男が大学に入学した春に見た「ピンクの桃の花の丘」の風景がよみがえり、「山笑う」という春の季語が頭に浮かんだ。女性は20年前、この言葉の意味を調べ、四季を表現する言葉の豊かさに感動したのだという▼便りは「勇気を出して手紙を書きました」と始まり、今回の記事に出合った感想で結ばれていた。「目に映り、心に響き、温かさでいっぱいです」。かつて文字を読むのが苦手だった方が書いた一文字一文字は輝いて見えた▼本紙創刊70周年を迎える今、読者の皆さまに一層、希望と勇気と活力あふれる紙面を届けたいと決意した。(側)
寸鉄 2021年4月10日
「仏種は縁に従って起る」御書。あいさつ一つも仏縁拡大の好機。大誠実で
奈良婦人部の日。常勝の母の祈りは無敵!友に蘇生の力送る励まし今こそ
各人が力を発揮すれば団結も強く—恩師。我こそ広布の主人公の心で進め
長時間のイヤホン使用で難聴の恐れと。1時間に5分—適度な休憩が必須
小学校35人学級へ。公明が"重い扉"開いた—識者未来つくる確かな実現力
☆質問BOX "同盟唱題"とは?
回答
"同盟唱題"は、祈る時間を合わせ、広布の目標や友の幸福などを願い、心一つに題目を唱えることです。
戸田先生は、獄中から子息へ送った手紙に「朝何時でも君の都合良い時、御本尊様に向かって題目を百ペン唱える。その時、御父さんも同時刻に百ペン唱えます。(中略)これを父子同盟としよう」とつづられました。
また、イギリスとアルゼンチンがフォークランド紛争(マルビナス戦争)という危機の渦中にあった際、両国の同志は争いの終結を祈る"同盟唱題"を続けていたという歴史もあります。
たとえ、直接会うことが難しい状況であったとしても、心と心を通い合わせることはできる——。"同盟唱題"は、やむにやまれぬ熱き思いから生まれた祈りなのです。
☆みんなで学ぶ教学 第15回 持続の信心
◇挑戦の日々に限りない成長が
今回の「みんなで学ぶ教学」は「持続の信心」がテーマです。いよいよ新年度がスタートしました。何かと多忙な時期ですが、流されることなく、信心の実践を続けていく日々に成長があります。最近、疲れている新入会のリホさんは、地区婦人部長のユリコさんに電話で相談しています。
リホ ユリコさん、今、少し電話で話してもいいですか?
ユリコ 大丈夫よ。どうしたの?
リホ 新年度を迎えて、新たに大事な仕事を担当するようになったんですけど、すごく忙しくなって……。帰宅したら疲れ切ってしまって、なかなか、しっかりと御本尊様の前に座れないんです。
ユリコ 大事な仕事を任せられるなんて、すごいことね! リホさんの気持ちは分かるわ。題目を唱えたほうがいいのは分かっていても、疲れていると、"今日はもういいかな"って思ってしまうのよね。朝も、ぎりぎりまで寝ていたくなっちゃうし。
リホ そうなんです。気持ちに余裕がなくなるというか……。そんな自分の現状に、またへこんでしまいます。
ユリコ 心配しないで。私にも同じような経験があるわ。
リホ ユリコさんにも、そんなときがあったんですか?
ユリコ 私だけじゃないわ。誰にでもあることよ。もちろん、毎日しっかりと唱題することが一番よ。でも、大きく睡眠時間を削ったり、無理をして体調を崩してしまったりしてはいけないわ。大切なことは御本尊に向かう挑戦を続けることよ。「持続の信心」ね。
リホ 疲れているときでも、お題目を三唱だけは、がんばってみようかな……。
ユリコ 日蓮大聖人は、「一遍此の首題を唱へ奉れば一切衆生の仏性が皆よばれて爰に集まる」(御書498ページ)と仰せよ。
たとえ、たった一遍であったとしても、題目を唱えることには、限りない功徳があることを教えられているの。
リホ たった一遍であってもですか?
ユリコ だからといって、"一遍だけでいい"という意味ではないわよ(笑い)。
多忙な日々かもしれないけれど、時間をつくって、真剣な思いを込めた唱題を続ければ、どこまでも自身を成長させていくことができるのよ。
リホ そうなんですね。でも、今日は頑張れたとしても、なかなか続かなくて……。
ユリコ 大丈夫よ。池田先生は「『三日坊主』、つまり三日しか続かなかったとしても、かまわない。また決意して、挑戦すればいいんです。三日坊主も10回繰り返せば30日で、1カ月です。1カ月できれば、1年だってできる。粘り強く繰り返すことで、当たり前の日課になっていきます。大事な点は、へこたれずに何度でも決意できるかどうかです」と語られているわ。
"題目を唱えよう"と、信心に励み続ける持続の日々に、限りない成長があるのよ。できなかったことを嘆くより、一遍でも唱えられたことに、感謝していきましょう。
リホ なんだか、少し心が軽くなった気がします。祈れること自体が幸せなんですね。よーし! ユリコさん、明日の朝、"同盟唱題"してもらってもいいですか?
ユリコ そうやってすぐに決意できるリホさんは素晴らしいわね! もちろん、喜んで"同盟唱題"させてもらうわ。
2021年4月9日金曜日
2021.04.09 わが友に贈る
「其の国の仏法は貴辺に
まかせたてまつり候ぞ」
今いる地域や職場で
友情と信頼を広げよう!
「幸福責任者」の誇りで!
御義口伝巻下 P801
『御義口伝に云く此の菩薩は法華弘通の菩薩なり故に卅四身を現じて十界互具を顕し給い利益説法するなり』
【通解】
御義口伝には、次のように仰せである。
この妙音菩薩は法華弘通の菩薩である。このゆえに、三十四身を現じて、法華経の哲理たる十界互具をあらわし、衆生を利益し、説法するのである。
名字の言 聞かせどころは「小さな声」で 2021年4月9日
当代きっての浪曲師・三原佐知子さんの口演を聞いた。三味線を伴奏にして独特の"節"と"語り"で演じる浪曲。舞台での三原さんの声を聞いていると、物語の登場人物がフッと浮かび上がるような臨場感に包まれる▼三原さん曰く。「大切な聞かせどころは、あえて『小さな声』で演じることが多いんです」。"聞かせどころ"なら、大きな声で演じてもよさそうだが、理由を聞いて納得した。小さな声で語り歌うと、聴衆が聞き逃すまいと耳を澄まし、神経を集中させる。大きな声以上に、高い技術を駆使する時もある▼座談会で、今年100歳になる婦人が体験を語っていた。入会して57年。家族の大病や夫との死別など幾つもの風雪を乗り越えて今、信心を継いだ子、孫、ひ孫に囲まれ、和楽の幸せをかみ締める▼「コツコツ、コツコツ、信心を頑張った人には、飛び切りあったかい春が来るんですよ……」。静かに語る確信の言葉から、信仰に生きる喜びが、じわっと伝わってきた▼御聖訓に「和らかに又強く両眼を細めに見・顔貌に色を調へて閑に言上すべし」(御書1280ページ)と。時節がら大きな声は控えるべきだろうが、言葉に真心と確信を込めれば、たとえ"小さな声"であっても、相手の心に大きく響く。そんな対話を心掛けたい。(誠)
寸鉄 2021年4月9日
東西創価学園で入学式。不屈の挑戦王たれ!若き知勇の俊英を世界は待つ
各国で進む御書研さん。教学力は日々の積み重ねに。一節でも声に出して
世間は評判、仏法は勝負—恩師。青年よ信念貫け。使命の舞台で勝ち進め!
大気汚染が遠因の死者、世界で年700万人。手遅れになる前に、対策に総力
ファッションで大麻に手を出す若者多しと。全てを破壊する甘言に要警戒
〈社説〉 2021・4・9 あす「女性の日」
◇時代を底流から動かす力
長年、紛争地帯で看護師として奮闘してきたクレア・バーチンガー博士は、ある司令官から「なぜあなたのような優しい女性が、変化を起こせるのだと思いますか?」と問われた。
彼女は「水ほどに甘く、優しく、やわらかいものはありません。でも、水には山を動かすだけの力があります」と語り、「変化を起こすのに小さすぎる存在なんて、ないのです」(『クレア・バーチンガー自伝』西田佳子訳、潮出版社)と強調した。
75年前の1946年(昭和21年)4月10日——太平洋戦争の敗戦後初となる衆議院議員の総選挙が行われ、女性が初めて参政権を行使。約1380万人の女性が投票し、39人の女性国会議員が誕生した。このことを記念し、4月10日は「女性の日」に制定されている。
先日、世界経済フォーラムが発表した男女平等の達成度に関する報告書によると、日本は調査対象156カ国中120位で、G7(主要7カ国)で最下位となっている。
初の女性参政権の行使から40年以上前の1905年(明治38年)、女性のための通信教育を行う「大日本高等女学会」が設立される。牧口先生は、その中心者だった。同会は創立から4カ月後には会員が1万人に達している。
牧口先生は、同会を「教室を備へざる高等女学校」とし、意欲がありながらも学ぶことができない女性の教育に尽力。自ら編集・発行人となり教材『高等女学講義』を刊行し、広く教育の機会を提供していった(『評伝 牧口常三郎』第三文明社を参照)。
牧口先生が主幹を務めた同会の雑誌「家庭楽」第1号には、「これからの女子に教育の少いほど不幸はありません」と記されている。
池田先生は「『男女平等』とは、単に、女性が男性と平等の権利を勝ち取ることだけではあるまい」と指摘する。
そして「それは、軍事・経済力などの『ハード・パワー』に対し、女性が、文化や情報・智慧に象徴される『ソフト・パワー』によって、賢明に、伸び伸びと、そして忍耐強く、時代を底流から動かし、変革していくことではないだろうか」(『新・女性抄』潮出版社)とつづった。
この揺るぎない哲理で、先生は一貫して女性の力に光を当て続けている。
創価学会は婦人部・女子部を中心に内外の女性への励まし運動に徹するとともに、これまでにアンケートや平和の文化と女性に焦点を当てた展示など、草の根の活動を各地で展開してきた。
日々の生活に根差した地道な民衆運動こそ、社会変革の王道であると銘記したい。
☆四季の励まし 創価桜の大道を朗らかに 2021年4月4日
◇池田先生の言葉
偉大な師匠をもてる人は
幸福だ。
「師弟」とは、
親子以上の、
人間の究極の絆である。
そこには策もない。
要領もない。
本当の生きた魂と魂の
触発であり、交流である。
戸田城聖先生と共に、
私はいつも歩んでいる。
私の頭からは、
瞬時たりとも、
師の面影が消えない。
永遠に、
師とは一体である。
永遠に、
師弟は不二である。
私の人生は、
恩師に捧げた人生である。
恩師ありて、
今の自分がある。
本当に幸せだ。
この師弟の道を、
まっすぐに
走り抜いてきたゆえに、
すべての労苦は今、
世界一の栄誉となって、
満開の桜のごとく
花開いている。
「創価」とは、
また「創華」である。
それは、
遙かな万年の未来へ、
人類平和と
価値創造の人華の園を
広げていくことだ。
万人が、苦悩と不幸の
冬を乗り越え、
人生の勝利の春を
謳歌しゆくことだ。
わが創価の宝の城は、
御聖訓のままの
苦難を生き抜き、
勝ち抜いてきた、
師弟の誇りと民衆の
歓喜の桜花で彩られた、
永遠の桜の城なのである。
我らの前には
「師弟の大桜」が咲き誇り、
晴れやかな「創価桜」の
大道が広がっている。
さあ、
正義と勇気の前進だ!
君たち、貴女たちよ、
対話の春を
舞いに舞いゆけ!
朗らかに、
自身の凱歌の花、
民衆の勝利の花を
咲かせよう!
【写真説明】桜に恩師を思う。不二の誓いが湧き上がる。これが、池田大作先生の真情である。桜花舞う1958年(昭和33年)4月2日、第2代会長・戸田城聖先生は、池田先生に広布の松明を渡し、58歳の生涯を閉じた。
東京が例年より早く桜に染まった3月下旬、池田先生は都内を回り、桜をカメラに収めた。写真は国立劇場(千代田区)の「ジンダイアケボノ」。東京・調布市の神代植物公園で誕生したことから、この名が付いた。ソメイヨシノよりも赤みが強く、伝染病にもかかりにくいことから、"新世代の桜"として注目を集める。
「4・2」から「5・3」へ、季節は巡る。舞う桜と共に、我らの新たな師弟旅、勝利劇が始まる。
☆創価大学創立50周年記念特集 祝福の声 米ハーバード大学名誉教授 ヌール・ヤーマン博士
◇対話と相互理解を重視人類に希望を贈る大学
20世紀は多くの暴力を経験しました。広島と長崎にもたらされた悲劇は、その最悪の惨事となって私たちの心に永久に刻まれています。
21世紀の今もなお、あらゆる場所で耐えがたい暴力と戦争と混乱が続く時代であり続けています。
全人類に希望を送りゆくことこそが、平和な世界を築く道です。それは、人や国、文化、文明の間で理解し合うことを可能にする、広範囲での対話によってのみ実現されることは明らかです。
創立者・池田SGI会長は、国連などに向けて長年発表してこられた力強い提言を通して、平和と対話、人間性、そして共感の文化を、あらゆる手段で促進してこられました。
また、会長が、多くの国の著名なリーダーたちと、今日の人類の喫緊の状況を巡り、重ねてこられた多分野での対話の功績も顕著であります。
創価大学は、こうした平和への理念と構想に密接に関連する、とても重要な機関です。
貴大学は、対話と相互理解の重要性を心得た希望あふれる世代を、日本をはじめ世界中につくることを目的に建学されたことは明らかです。それは仏教の根本的な視点であるだけでなく、世界中の偉大な宗教や精神文化にも共通するものです。
2015年に貴大学を訪問した折、馬場学長をはじめ、教職員や熱心で活気あふれる学生とお会いする光栄に浴しました。大学での式典に参加し、人類の大きな課題に立ち向かう教授陣と学生の情熱に触れ、私は、未来への計り知れない希望を抱きました。
創価大学の創立50周年という記念すべき節目にあたり、この偉大な大学の全ての関係者の皆さまと、今日の素晴らしい発展に貢献してこられた全ての人たちを祝福できることは、私のこの上ない喜びです。
教育と世界の平和のための、創価大学の崇高なる歩みが、永遠に続きゆくことを願ってやみません。
まかせたてまつり候ぞ」
今いる地域や職場で
友情と信頼を広げよう!
「幸福責任者」の誇りで!
御義口伝巻下 P801
『御義口伝に云く此の菩薩は法華弘通の菩薩なり故に卅四身を現じて十界互具を顕し給い利益説法するなり』
【通解】
御義口伝には、次のように仰せである。
この妙音菩薩は法華弘通の菩薩である。このゆえに、三十四身を現じて、法華経の哲理たる十界互具をあらわし、衆生を利益し、説法するのである。
名字の言 聞かせどころは「小さな声」で 2021年4月9日
当代きっての浪曲師・三原佐知子さんの口演を聞いた。三味線を伴奏にして独特の"節"と"語り"で演じる浪曲。舞台での三原さんの声を聞いていると、物語の登場人物がフッと浮かび上がるような臨場感に包まれる▼三原さん曰く。「大切な聞かせどころは、あえて『小さな声』で演じることが多いんです」。"聞かせどころ"なら、大きな声で演じてもよさそうだが、理由を聞いて納得した。小さな声で語り歌うと、聴衆が聞き逃すまいと耳を澄まし、神経を集中させる。大きな声以上に、高い技術を駆使する時もある▼座談会で、今年100歳になる婦人が体験を語っていた。入会して57年。家族の大病や夫との死別など幾つもの風雪を乗り越えて今、信心を継いだ子、孫、ひ孫に囲まれ、和楽の幸せをかみ締める▼「コツコツ、コツコツ、信心を頑張った人には、飛び切りあったかい春が来るんですよ……」。静かに語る確信の言葉から、信仰に生きる喜びが、じわっと伝わってきた▼御聖訓に「和らかに又強く両眼を細めに見・顔貌に色を調へて閑に言上すべし」(御書1280ページ)と。時節がら大きな声は控えるべきだろうが、言葉に真心と確信を込めれば、たとえ"小さな声"であっても、相手の心に大きく響く。そんな対話を心掛けたい。(誠)
寸鉄 2021年4月9日
東西創価学園で入学式。不屈の挑戦王たれ!若き知勇の俊英を世界は待つ
各国で進む御書研さん。教学力は日々の積み重ねに。一節でも声に出して
世間は評判、仏法は勝負—恩師。青年よ信念貫け。使命の舞台で勝ち進め!
大気汚染が遠因の死者、世界で年700万人。手遅れになる前に、対策に総力
ファッションで大麻に手を出す若者多しと。全てを破壊する甘言に要警戒
〈社説〉 2021・4・9 あす「女性の日」
◇時代を底流から動かす力
長年、紛争地帯で看護師として奮闘してきたクレア・バーチンガー博士は、ある司令官から「なぜあなたのような優しい女性が、変化を起こせるのだと思いますか?」と問われた。
彼女は「水ほどに甘く、優しく、やわらかいものはありません。でも、水には山を動かすだけの力があります」と語り、「変化を起こすのに小さすぎる存在なんて、ないのです」(『クレア・バーチンガー自伝』西田佳子訳、潮出版社)と強調した。
75年前の1946年(昭和21年)4月10日——太平洋戦争の敗戦後初となる衆議院議員の総選挙が行われ、女性が初めて参政権を行使。約1380万人の女性が投票し、39人の女性国会議員が誕生した。このことを記念し、4月10日は「女性の日」に制定されている。
先日、世界経済フォーラムが発表した男女平等の達成度に関する報告書によると、日本は調査対象156カ国中120位で、G7(主要7カ国)で最下位となっている。
初の女性参政権の行使から40年以上前の1905年(明治38年)、女性のための通信教育を行う「大日本高等女学会」が設立される。牧口先生は、その中心者だった。同会は創立から4カ月後には会員が1万人に達している。
牧口先生は、同会を「教室を備へざる高等女学校」とし、意欲がありながらも学ぶことができない女性の教育に尽力。自ら編集・発行人となり教材『高等女学講義』を刊行し、広く教育の機会を提供していった(『評伝 牧口常三郎』第三文明社を参照)。
牧口先生が主幹を務めた同会の雑誌「家庭楽」第1号には、「これからの女子に教育の少いほど不幸はありません」と記されている。
池田先生は「『男女平等』とは、単に、女性が男性と平等の権利を勝ち取ることだけではあるまい」と指摘する。
そして「それは、軍事・経済力などの『ハード・パワー』に対し、女性が、文化や情報・智慧に象徴される『ソフト・パワー』によって、賢明に、伸び伸びと、そして忍耐強く、時代を底流から動かし、変革していくことではないだろうか」(『新・女性抄』潮出版社)とつづった。
この揺るぎない哲理で、先生は一貫して女性の力に光を当て続けている。
創価学会は婦人部・女子部を中心に内外の女性への励まし運動に徹するとともに、これまでにアンケートや平和の文化と女性に焦点を当てた展示など、草の根の活動を各地で展開してきた。
日々の生活に根差した地道な民衆運動こそ、社会変革の王道であると銘記したい。
☆四季の励まし 創価桜の大道を朗らかに 2021年4月4日
◇池田先生の言葉
偉大な師匠をもてる人は
幸福だ。
「師弟」とは、
親子以上の、
人間の究極の絆である。
そこには策もない。
要領もない。
本当の生きた魂と魂の
触発であり、交流である。
戸田城聖先生と共に、
私はいつも歩んでいる。
私の頭からは、
瞬時たりとも、
師の面影が消えない。
永遠に、
師とは一体である。
永遠に、
師弟は不二である。
私の人生は、
恩師に捧げた人生である。
恩師ありて、
今の自分がある。
本当に幸せだ。
この師弟の道を、
まっすぐに
走り抜いてきたゆえに、
すべての労苦は今、
世界一の栄誉となって、
満開の桜のごとく
花開いている。
「創価」とは、
また「創華」である。
それは、
遙かな万年の未来へ、
人類平和と
価値創造の人華の園を
広げていくことだ。
万人が、苦悩と不幸の
冬を乗り越え、
人生の勝利の春を
謳歌しゆくことだ。
わが創価の宝の城は、
御聖訓のままの
苦難を生き抜き、
勝ち抜いてきた、
師弟の誇りと民衆の
歓喜の桜花で彩られた、
永遠の桜の城なのである。
我らの前には
「師弟の大桜」が咲き誇り、
晴れやかな「創価桜」の
大道が広がっている。
さあ、
正義と勇気の前進だ!
君たち、貴女たちよ、
対話の春を
舞いに舞いゆけ!
朗らかに、
自身の凱歌の花、
民衆の勝利の花を
咲かせよう!
【写真説明】桜に恩師を思う。不二の誓いが湧き上がる。これが、池田大作先生の真情である。桜花舞う1958年(昭和33年)4月2日、第2代会長・戸田城聖先生は、池田先生に広布の松明を渡し、58歳の生涯を閉じた。
東京が例年より早く桜に染まった3月下旬、池田先生は都内を回り、桜をカメラに収めた。写真は国立劇場(千代田区)の「ジンダイアケボノ」。東京・調布市の神代植物公園で誕生したことから、この名が付いた。ソメイヨシノよりも赤みが強く、伝染病にもかかりにくいことから、"新世代の桜"として注目を集める。
「4・2」から「5・3」へ、季節は巡る。舞う桜と共に、我らの新たな師弟旅、勝利劇が始まる。
☆創価大学創立50周年記念特集 祝福の声 米ハーバード大学名誉教授 ヌール・ヤーマン博士
◇対話と相互理解を重視人類に希望を贈る大学
20世紀は多くの暴力を経験しました。広島と長崎にもたらされた悲劇は、その最悪の惨事となって私たちの心に永久に刻まれています。
21世紀の今もなお、あらゆる場所で耐えがたい暴力と戦争と混乱が続く時代であり続けています。
全人類に希望を送りゆくことこそが、平和な世界を築く道です。それは、人や国、文化、文明の間で理解し合うことを可能にする、広範囲での対話によってのみ実現されることは明らかです。
創立者・池田SGI会長は、国連などに向けて長年発表してこられた力強い提言を通して、平和と対話、人間性、そして共感の文化を、あらゆる手段で促進してこられました。
また、会長が、多くの国の著名なリーダーたちと、今日の人類の喫緊の状況を巡り、重ねてこられた多分野での対話の功績も顕著であります。
創価大学は、こうした平和への理念と構想に密接に関連する、とても重要な機関です。
貴大学は、対話と相互理解の重要性を心得た希望あふれる世代を、日本をはじめ世界中につくることを目的に建学されたことは明らかです。それは仏教の根本的な視点であるだけでなく、世界中の偉大な宗教や精神文化にも共通するものです。
2015年に貴大学を訪問した折、馬場学長をはじめ、教職員や熱心で活気あふれる学生とお会いする光栄に浴しました。大学での式典に参加し、人類の大きな課題に立ち向かう教授陣と学生の情熱に触れ、私は、未来への計り知れない希望を抱きました。
創価大学の創立50周年という記念すべき節目にあたり、この偉大な大学の全ての関係者の皆さまと、今日の素晴らしい発展に貢献してこられた全ての人たちを祝福できることは、私のこの上ない喜びです。
教育と世界の平和のための、創価大学の崇高なる歩みが、永遠に続きゆくことを願ってやみません。
2021年4月8日木曜日
2021.04.08 わが友に贈る
「努力」は決して
噓をつかない!
進学・進級した皆さん
伸び伸びと 粘り強く
学びと鍛えの青春を!
祈祷抄 P1351
『大地はささばはづるるとも虚空をつなぐ者はありとも潮のみちひぬ事はありとも日は西より出づるとも法華経の行者の祈りのかなはぬ事はあるべからず』
【通解】
大地をさして外れることがあっても、大空をつないで結ぶ者があっても、潮の満ち干がなくなっても、日が西から出ることがあっても、法華経の行者の祈りがかなわないことは絶対にない。
名字の言 「毎日が1年生」との清新な気持ちで 2021年4月8日
初めての登校なのだろう。大きなランドセルを背負った小学生が"春の道"をうれしそうに歩いていた▼「新しい御本、新しい鞄に。/新しい葉っぱ、新しい枝に。/新しいお日さま、新しい空に。/新しい四月、うれしい四月」(『金子みすゞ童謡全集』JULA出版局)――童謡詩人・金子みすゞさんの作品「四月」そのものの姿だった▼日本酒造りの最高責任者である杜氏も、酒造りを長年、経験しても「毎年が小学1年生」と自戒する。日本酒は米と水とこうじの組み合わせで造るが、米の出来ひとつ、水のおいしさひとつ、こうじ菌の状態ひとつで味は違ってくるからだ▼19歳から酒造り一筋の杜氏が語っていた。「何十年、杜氏をしているからと慣れきったような思い上がった根性では、とてもとてもできない。毎年が小学1年生のつもりで、そして、毎日毎日、気を抜かないで仕事を続けていくことが基本です。現状に満足しないで、絶えず研究心を持つことが一番大事じゃないかと思う」▼「毎日が1年生」との清新な気持ちで一日を出発したい。「さあ、きょうから!」「いよいよ、これから!」「今この瞬間から!」と、輝く未来を見つめて進む。これが仏法の説く本因妙の生き方である。心の持ち方で人生は百八十度変わる。(川)
寸鉄 2021年4月8日
「ゆるがぬ草木やあるべき」御書。強盛な祈りが勝利の源泉。諸天動かせ
関西の日。皆が仰ぎ見る師弟の錦州城は厳たり。常勝不滅の劇を今再び!
子どもの交通事故、42%は自宅から100メートル以内と。慣れた道でも用心徹底を
春の新聞週間。試練の今、希望と勇気送る機関紙。充実の紙面づくりに全力
公明の強みはスピードと実行力―識者。現場の声に即反応。実績で応えよ
☆池田先生のメッセージ
◇皆さんは出藍の誉れの旗手! 「決めて挑み、学び進む」青春を
一、わが創価教育の魂は、「従藍而青」(青は藍より出でて、而も藍より青し)であります。ゆえに創立満50年の4月2日を、「従藍而青」に輝く創大50期生・51期生、短大36期生・37期生、さらに留学生、通教生、大学院生の皆さんと共に飾れることこそ、創価教育の父・牧口先生と戸田先生への何ものにも勝る報恩そして凱歌の劇であります。晴れの入学、本当におめでとう!(大拍手)
宝の英才を送り出してくださったご家族の方々、誠にありがとうございます。
この「出藍の誉れの旗手」たちと共々に、教員の先生方、職員の方々、新たな十年への大前進を、どうか、よろしくお願いいたします。
一、本日のはなむけとして、一点、人類の新生の飛翔へ、「強き生命力」と「たくましき智慧」の翼を広げよ!と申し上げたい。
半世紀前の開学に際し、私は「天使と鍛冶職人」「天使と印刷工」の一対のブロンズ像を贈り、望みました。創大生は、民衆立の大学に最大の希望を寄せてくださっている尊き庶民と共に、天使の如く翼を広げ、栄光の大空へ羽ばたけ、と。
そして、その通り、民衆貢献、平和貢献のリーダー群を澎湃と送り出してきました。
だからこそ、世界最高峰の知性と良識も、我らの「平和のフォートレス(要塞)」に絶大なる信頼を寄せてくださっているのであります。
その一人が、核戦争防止国際医師会議(IPPNW)の共同創設者で、世界的な心臓外科医のバーナード・ラウン博士です。「核兵器禁止条約」への流れをつくり、その発効を見届けられた博士は「生命を尊重し、苦しみや困窮、蔑みを受けた人々へ手を差し伸べる」(田城明訳『病める地球を癒すために』中国新聞社刊)指導者が続くことを期待してやみませんでした。
一、危機の時代に挑戦し、人類の新生の飛翔をもたらすのが、皆さんの使命です。
私の恩師・戸田先生は最晩年、青年に「人間力」とともに、もう一重奥深い「強き生命力」を磨くこと、そして「知識の門」を開いて「たくましき智慧」の本道に入り、民衆の幸福と平和のために価値を創造しゆくことを託されました。
どうか、春夏秋冬、詩情豊かな武蔵野の自然の大生命力が漲り、創造的生命と智慧の啓発に満ちた理想の学園共同体が光る、このキャンパスで、最良の世界市民の学友とスクラムを組み、思う存分に、「強き生命力」と「たくましき智慧」の翼を鍛え広げていただきたいのであります。
今日から始まる、かけがえのない一日また一日、「決めて挑み、学び進む」というリズムで、健康第一の充実の道を、報恩感謝の親孝行の道を、そして、青春歓喜の大勝利の道を、明るく朗らかに走り抜いていってください。
奇しき縁で結ばれた、わが愛する皆さんに――
出藍の
誉れの旗手よ
学び勝て
希望の春風
世界へ広げ
と贈り、私のメッセージといたします(大拍手)。
☆創価大学創立50周年記念特集 祝福の声 中日友好協会 唐家璇会長
◇平和への信念を堅持し両国の教育交流に尽力
創価大学創立50周年に際し、中国日本友好協会を代表し衷心よりお祝い申し上げます。
創価大学は中国人民の古き友人である創価学会名誉会長・池田大作先生が、自ら提唱し設立した大学です。創立から50年間、創価大学は先進的な教育観と建学の理念を堅持して、学びの力で人材を育成し、国の発展に貢献し、特色ある教育実践の道を歩んでこられました。
また、創価大学は池田先生のリーダーシップのもと、世界平和と中日友好への信念を堅持し、中日両国の青年交流、教育交流に尽力してこられました。日本の大学では最も早く新中国からの国費留学生を受け入れ、両国のために多くの優秀な人材、友好を築くための指導者を育成し、素晴らしい貢献をなされてきたことに、心から敬意を表します。
現在、世界は未曽有の大変化の時代を迎えており、特に100年に一度もない新型コロナウイルスの感染爆発と、世界経済の深刻な衰退が重なり、各国は大きな苦境に立たされ、国際関係にも複雑な影響を与えています。
各国が伝統的な、また非伝統的な挑戦に直面する中、国際社会はより密接に交流し、協力し合い、困難を乗り越えていく必要があります。中日両国は重要な友好的隣人として、模範的な役割を果たしていけるのではないでしょうか。
中日友好の基礎と力は民間にあり、未来の希望は青年にあります。両国の指導者は、新時代の要求に合致した中日関係構築に関する重要な認識を共有しております。両国各界、特に青年たちは、中日友好と運命共同体という意識を絶えず強め、両国の指導者の共通認識を創造的に実行し、両国関係がより高いレベルで持続的に発展していくよう推進していくべきです。
明年は中日国交正常化50周年を迎えます。創価大学の青年の皆さまが時代のチャンスをつかみ、栄光の伝統を宣揚し、さらに広い視野と心で、青春の情熱と智慧と力を発揮し、中日友好、アジアの平和、世界の平和のためにさらなる貢献をなされることを心から期待しております。
創価大学が、さらなる発展の歴史を築いていかれるよう、お祈り申し上げます。
噓をつかない!
進学・進級した皆さん
伸び伸びと 粘り強く
学びと鍛えの青春を!
祈祷抄 P1351
『大地はささばはづるるとも虚空をつなぐ者はありとも潮のみちひぬ事はありとも日は西より出づるとも法華経の行者の祈りのかなはぬ事はあるべからず』
【通解】
大地をさして外れることがあっても、大空をつないで結ぶ者があっても、潮の満ち干がなくなっても、日が西から出ることがあっても、法華経の行者の祈りがかなわないことは絶対にない。
名字の言 「毎日が1年生」との清新な気持ちで 2021年4月8日
初めての登校なのだろう。大きなランドセルを背負った小学生が"春の道"をうれしそうに歩いていた▼「新しい御本、新しい鞄に。/新しい葉っぱ、新しい枝に。/新しいお日さま、新しい空に。/新しい四月、うれしい四月」(『金子みすゞ童謡全集』JULA出版局)――童謡詩人・金子みすゞさんの作品「四月」そのものの姿だった▼日本酒造りの最高責任者である杜氏も、酒造りを長年、経験しても「毎年が小学1年生」と自戒する。日本酒は米と水とこうじの組み合わせで造るが、米の出来ひとつ、水のおいしさひとつ、こうじ菌の状態ひとつで味は違ってくるからだ▼19歳から酒造り一筋の杜氏が語っていた。「何十年、杜氏をしているからと慣れきったような思い上がった根性では、とてもとてもできない。毎年が小学1年生のつもりで、そして、毎日毎日、気を抜かないで仕事を続けていくことが基本です。現状に満足しないで、絶えず研究心を持つことが一番大事じゃないかと思う」▼「毎日が1年生」との清新な気持ちで一日を出発したい。「さあ、きょうから!」「いよいよ、これから!」「今この瞬間から!」と、輝く未来を見つめて進む。これが仏法の説く本因妙の生き方である。心の持ち方で人生は百八十度変わる。(川)
寸鉄 2021年4月8日
「ゆるがぬ草木やあるべき」御書。強盛な祈りが勝利の源泉。諸天動かせ
関西の日。皆が仰ぎ見る師弟の錦州城は厳たり。常勝不滅の劇を今再び!
子どもの交通事故、42%は自宅から100メートル以内と。慣れた道でも用心徹底を
春の新聞週間。試練の今、希望と勇気送る機関紙。充実の紙面づくりに全力
公明の強みはスピードと実行力―識者。現場の声に即反応。実績で応えよ
☆池田先生のメッセージ
◇皆さんは出藍の誉れの旗手! 「決めて挑み、学び進む」青春を
一、わが創価教育の魂は、「従藍而青」(青は藍より出でて、而も藍より青し)であります。ゆえに創立満50年の4月2日を、「従藍而青」に輝く創大50期生・51期生、短大36期生・37期生、さらに留学生、通教生、大学院生の皆さんと共に飾れることこそ、創価教育の父・牧口先生と戸田先生への何ものにも勝る報恩そして凱歌の劇であります。晴れの入学、本当におめでとう!(大拍手)
宝の英才を送り出してくださったご家族の方々、誠にありがとうございます。
この「出藍の誉れの旗手」たちと共々に、教員の先生方、職員の方々、新たな十年への大前進を、どうか、よろしくお願いいたします。
一、本日のはなむけとして、一点、人類の新生の飛翔へ、「強き生命力」と「たくましき智慧」の翼を広げよ!と申し上げたい。
半世紀前の開学に際し、私は「天使と鍛冶職人」「天使と印刷工」の一対のブロンズ像を贈り、望みました。創大生は、民衆立の大学に最大の希望を寄せてくださっている尊き庶民と共に、天使の如く翼を広げ、栄光の大空へ羽ばたけ、と。
そして、その通り、民衆貢献、平和貢献のリーダー群を澎湃と送り出してきました。
だからこそ、世界最高峰の知性と良識も、我らの「平和のフォートレス(要塞)」に絶大なる信頼を寄せてくださっているのであります。
その一人が、核戦争防止国際医師会議(IPPNW)の共同創設者で、世界的な心臓外科医のバーナード・ラウン博士です。「核兵器禁止条約」への流れをつくり、その発効を見届けられた博士は「生命を尊重し、苦しみや困窮、蔑みを受けた人々へ手を差し伸べる」(田城明訳『病める地球を癒すために』中国新聞社刊)指導者が続くことを期待してやみませんでした。
一、危機の時代に挑戦し、人類の新生の飛翔をもたらすのが、皆さんの使命です。
私の恩師・戸田先生は最晩年、青年に「人間力」とともに、もう一重奥深い「強き生命力」を磨くこと、そして「知識の門」を開いて「たくましき智慧」の本道に入り、民衆の幸福と平和のために価値を創造しゆくことを託されました。
どうか、春夏秋冬、詩情豊かな武蔵野の自然の大生命力が漲り、創造的生命と智慧の啓発に満ちた理想の学園共同体が光る、このキャンパスで、最良の世界市民の学友とスクラムを組み、思う存分に、「強き生命力」と「たくましき智慧」の翼を鍛え広げていただきたいのであります。
今日から始まる、かけがえのない一日また一日、「決めて挑み、学び進む」というリズムで、健康第一の充実の道を、報恩感謝の親孝行の道を、そして、青春歓喜の大勝利の道を、明るく朗らかに走り抜いていってください。
奇しき縁で結ばれた、わが愛する皆さんに――
出藍の
誉れの旗手よ
学び勝て
希望の春風
世界へ広げ
と贈り、私のメッセージといたします(大拍手)。
☆創価大学創立50周年記念特集 祝福の声 中日友好協会 唐家璇会長
◇平和への信念を堅持し両国の教育交流に尽力
創価大学創立50周年に際し、中国日本友好協会を代表し衷心よりお祝い申し上げます。
創価大学は中国人民の古き友人である創価学会名誉会長・池田大作先生が、自ら提唱し設立した大学です。創立から50年間、創価大学は先進的な教育観と建学の理念を堅持して、学びの力で人材を育成し、国の発展に貢献し、特色ある教育実践の道を歩んでこられました。
また、創価大学は池田先生のリーダーシップのもと、世界平和と中日友好への信念を堅持し、中日両国の青年交流、教育交流に尽力してこられました。日本の大学では最も早く新中国からの国費留学生を受け入れ、両国のために多くの優秀な人材、友好を築くための指導者を育成し、素晴らしい貢献をなされてきたことに、心から敬意を表します。
現在、世界は未曽有の大変化の時代を迎えており、特に100年に一度もない新型コロナウイルスの感染爆発と、世界経済の深刻な衰退が重なり、各国は大きな苦境に立たされ、国際関係にも複雑な影響を与えています。
各国が伝統的な、また非伝統的な挑戦に直面する中、国際社会はより密接に交流し、協力し合い、困難を乗り越えていく必要があります。中日両国は重要な友好的隣人として、模範的な役割を果たしていけるのではないでしょうか。
中日友好の基礎と力は民間にあり、未来の希望は青年にあります。両国の指導者は、新時代の要求に合致した中日関係構築に関する重要な認識を共有しております。両国各界、特に青年たちは、中日友好と運命共同体という意識を絶えず強め、両国の指導者の共通認識を創造的に実行し、両国関係がより高いレベルで持続的に発展していくよう推進していくべきです。
明年は中日国交正常化50周年を迎えます。創価大学の青年の皆さまが時代のチャンスをつかみ、栄光の伝統を宣揚し、さらに広い視野と心で、青春の情熱と智慧と力を発揮し、中日友好、アジアの平和、世界の平和のためにさらなる貢献をなされることを心から期待しております。
創価大学が、さらなる発展の歴史を築いていかれるよう、お祈り申し上げます。
2021年4月7日水曜日
2021.04.07 わが友に贈る
御聖訓「すこしも・
をづる心なかれ」
何事も勝つと決めて
攻め抜いた方が勝つ!
法華経の兵法で前進!
報恩抄 P313
『正法を行ずるものを国主あだみ邪法を行ずる者のかたうどせば大梵天王帝釈日月四天等隣国の賢王の身に入りかわりて其の国をせむべしとみゆ』
【通解】
国主が正法を行ずるものに仇をなし、邪法を行ずるものの味方となって擁護するならば、大梵天王・帝釈天・日天・月天・四天等が、隣国の賢王の身に入りかわって、その謗法の国を攻めるであろうというのである。
名字の言 耐え難い逆境にも消えない心の灯 2021年4月7日
青年の夢は"五つ星"の高評価を得るホテルで働くことだった。だが病で視力の95%を失ってしまう。それでもわずかな可能性に懸けて就職に挑む。この実話は「5パーセントの奇跡」というタイトルで、4年前に映画化された▼物語では、挑戦に反対する周囲の「非現実的だ。夢を見るのは諦めろ」という声に対し、青年が言い切る。「夢は絶対に諦めません」。その信念を貫いた青年は見事、採用試験を突破する▼ある壮年部員は、2歳を前に大病を患った。医師からは「手術に体力が持つか」「成功しても生きる可能性は50%」と言われた。まず手術は成功した。次の闘いは"50%の壁"を破ることだった▼そんな折、池田先生から伝言が届く。「創価大学で待っています」。それは"家族の誓い"となった。家族の題目に包まれた幼い生命は"壁"を破った。病を克服した彼は、後に創大へ。青年部時代は、未来部育成のリーダーとして活躍。自身の体験を通し、多くの未来部員に負けじ魂の大切さを語り続けた▼耐え難い逆境にも消えない心の灯——それが「希望」だ。一家の希望は、師との誓いを果たすことだった。先生は「希望を無限に引き出していく力が、信心なのです」と。師弟の信心を貫く人生に、失望も絶望もない。(白)
寸鉄 2021年4月7日
一人立てば大勢の眷属が必ず現れる—戸田先生。この心で励ましを今日も
山梨婦人部の日。誓いは不動の富士の如く!対話拡大へ桜梅桃李の団結で
前人未到の道を征くには勇気が必要—識者。広布もまた。さあ友情を開拓
世界保健デー。命を守るドクター部・白樺の友に深謝。健康と福徳を祈る
消毒液が子どもの目に入る事故増。親は使用に要注意。入ったらすぐ洗眼
〈社説〉 2021・4・7 世界で躍動する新入会の友
◇宿命を使命に変え希望の人生を
新たな人材が陸続と躍り出てこそ、世界広布は前進する。仏法を実践する中で、悩みを乗り越え、自身の宿命を使命へと転換していった友の輝く姿こそ、信心の偉大さの証明である。
昨年11月から本紙で連載している「新メンバーが語るSOKA」に、読者から反響が寄せられている。同連載では、これまで5回にわたり、10カ国・20人の新会員の声を紹介してきた。キリスト教を基盤とする欧州や北南米の国々、上座部仏教が根付いているタイ、イスラム教徒が多数を占めるマレーシアやインドネシアなど、その国情は多彩だ。
取材を進める中で、文化や言語、社会状況などの差異を超え、どの国でも新会員が生き生きと活躍していることに改めて驚きと感動を覚える。
新メンバーが、信心を始めた大きな要因として挙げているのは、紹介者や座談会で出会った学会員の確信の言葉だ。
将来について悩んでいたフィリピンの青年は「真剣に祈れば、どんな苦しみも、宿命も、必ず乗り越えられる」との友人の言葉に心を動かされ、御本尊を受持した。その後、彼は有名タレントの専属スタイリストになるなど、ファッション業界で活躍するとの夢を実現している。
また、タイの婦人部員は「日蓮大聖人の仏法では、全ての人が尊い使命と、無限の可能性を持っていることを教えています。とても現代的であり、誰でも実践できる信仰であることが、大きな魅力」と。日蓮仏法の哲学の深さ、普遍性に感銘し、入会を決めたという人も多い。
地域の同志の粘り強い励ましも見過ごせない。4日付の「セイキョウ ギフト」でも紹介したチリのメンバーは、入会後、地区部長が毎日、一緒に唱題をしてくれたという。温かな激励を受ける中で一念発起し、かつて失敗した司法試験の受験を決意。再度の挑戦で見事、合格を果たした。
多くの新会員が、題目を唱える中で、「生きる力」「勇気」が湧いてきたと述べている。自分が変わることで環境も変わり、希望の人生を開くことができた——体験に裏打ちされた信仰の歓喜は、弘教の原動力ともなっている。
各国の新会員の姿を通し、私たちは日蓮仏法の世界宗教としての普遍性や魅力を再認識することができる。
新型コロナのパンデミックが長期化する中、どの国も経済・社会的な困難に直面している。新会員が置かれた状況も容易なものではない。そうした中で、どのメンバーも信心根本に奮闘を重ねている。
世界の友の尊き姿に学びながら、私たちも信心根本に、日々の課題に打ち勝っていきたい。
☆創価大学創立50周年記念特集 「創価大学50年の歴史」への池田先生の「発刊に寄せて」�
◇我らは平和共生の柱なり
我ら創価大学は、地球の平和共生の柱なり。
我ら創価大学は、生命の価値創造の眼目なり。
我ら創価大学は、世界市民の連帯の大船なり。
「人間教育の最高学府」たる創価大学を創立して最初の春夏秋冬を経た1972年の5月、私はイギリスの歴史学者、アーノルド・J・トインビー博士とベロニカ夫人のお招きをいただき、ロンドンのご自宅で対談を開始いたしました。
人類の諸課題を俯瞰し、21世紀を展望する語らいの中で、博士ご夫妻が創立まもない創大に深き理解と大いなる期待を寄せてくださったことが思い起こされます。
対話に前後して、夫人の母校であるケンブリッジ大学、博士の母校であるオックスフォード大学を表敬訪問したことも、ご夫妻は麗しい母校愛を光らせて喜んでくださいました。
両大学では、友情に満ちた首脳と学生から温かな歓迎を受けながら、12、13世紀にまで起源を遡る悠遠な歴史を心豊かに呼吸させていただきました。その折、同行の友と語り合ったことが、昨日のように蘇ります。
「わが創大は、まず50年が勝負である。50年先を目指して進もう!」と。
時は巡り、今ここに、誉れの創立50周年を晴ればれと「人間教育」の凱歌で迎えることができました。
私は何よりもまず、創価教育の創始者であられる先師・牧口常三郎先生と恩師・戸田城聖先生に、この半世紀で、まさに奇跡というべき大発展を遂げた晴れ姿をご報告申し上げたい。
そして、青春を懸け、人生を貫いて、私と共に創大城を建設してくださった、全ての学生、卒業生、保護者、教員、職員、支援者の方々、その一人一人に最敬礼して、満腔の感謝を捧げたいのであります。
◇次の50年へ創大の「宝」を託したい 人間教育の尽きせぬ慈愛の水脈
この50年を通し、創大の建学精神に連なる尊き友の奮闘の結集によって、磨き上げられた3つの宝があります。
ここで確認し合い、次の50年、すなわち創立100周年へ、さらには22世紀、23世紀へと託していきたいと思うのであります。
第1の宝は、「人間教育」の尽きることなき慈愛の水脈であります。
1930年の11月18日を期して、牧口先生は愛弟子の戸田先生と共に、「子どもの幸福」こそを根本の目的とする創価教育を宣言されました。
国家主義の教育に社会が覆われる中で、目の前の若き命に最も幸福な人生を断じて歩ませたい、一人たりとも絶対に不幸にしてはならないという溢れるばかりの大慈愛から一切を出発されたのです。
それは、あらゆる人の生命に最極の価値創造の智慧が具わっており、その智慧を開き、示し、悟らしめ、入らしめていくという、人間への信頼と尊敬に満ちた深遠なる教育哲学に立脚しておりました。
この心を受け継いで、民衆立の大学の建設に尽くされ、学生を励まし、慈しんでくださった方々のことは、私の胸奥に焼き付いて決して離れることはありません。
遡れば、まだ切り株なども残った広大な建設用地の石拾いや整備に、人知れず奮闘してくださった陰徳の有志の献身がありました。
また、戦争で自らは教育の機会を奪われた世代の方々を中心に、汗と涙の浄財を「平和のフォートレス(要塞)」の建設へ寄せてくださった熱い篤い庶民の真心を、どうして忘れることができるでしょうか。
さらに、何としても、わが子を、わが後進を創大へと、苦労を惜しまず送り出し、常に温かく見守ってくださっている父母たち、地元・八王子市をはじめ日本全国・全世界の宝友たちの祈りに包まれてきました。
そして、建学の精神に勇み集った共戦の同志たる教員、職員は、「わが子にもまして学生を大切に!」との心を分かち合い、創大の誇り高き「学生第一」の伝統を築いてくれたのです。
トインビー博士は「教育を受け、知性を磨いた人は"ヒポクラテスの宣誓"を行うべきである」と語られておりました。教育の恩恵によって得た力と英知を人々への奉仕のために使う誓いであります。
なかんずく、「大学は大学に行けなかった人のためにある」との信条を共有する創価大学には、民衆への報恩の一念が脈打っております。
この励ましと恩返しの麗しき連鎖は、絶え間なく続いていきます。自分が受けた温かな激励や薫陶を同じように友人や後輩たちに、縁する人々に送ろうという息吹が漲っているのです。
就職活動や各種難関の国家試験等においても、草創期から先輩たちが、あとに続く友のために道を開き、自分以上に立派に活躍できるようにとの心で貢献してくれています。これほど美しく、これほど有り難い母校愛の世界はどこにもないでありましょう。
1期生をはじめとする卒業生が、母校の教員と職員の要となり、私の心を心として「学生第一」を貫いてくれていることも頼もしい限りです。
大先哲が示した人間教育の譬喩を、私は若き日から命に刻んできました。
「たとへば根ふかきときんば枝葉かれず、源に水あれば流かはかず、火はたきぎ・かくればたへぬ、草木は大地なくして生長する事あるべからず」(御書900ページ)
創価教育の大地に、青年を愛し、信じ、励まし、共に学びゆく慈愛の水脈が滔々と流れ通う限り、人材の大樹は限りなく林立し、計り知れない平和と文化の華と果を成就することを、私は確信してやまないのであります。
◇苦難を勝ち越えゆく創造的生命
第2の宝は、いかなる苦難も勝ち越えゆく「創造的生命」の太陽です。
創価大学の誕生は、「大学」自体の「解体」さえも叫ばれている渦中でありました。大学の在り方そのものが本源的に問い直される中で、新たな人間教育の地平を開拓しゆく出発であったといってよいでありましょう。
とともに、東西冷戦に引き裂かれ、ベトナム戦争が泥沼化する世界にあって、平和創造の黎明を告げんと建学の志を高く掲げたのであります。
開学の前から、偏見や憶測の歪んだ批判が浴びせられたことは、もとより覚悟の上でありました。草創のパイオニアたちは、その烈風に毅然と胸を張り、「正義の負けじ魂」を燃え上がらせて学び抜き、どんな圧迫もはね返す真正の実力を鍛え抜いてくれたのです。
トインビー博士とともに、創価の人間教育に深い期待を寄せてくださった一人に、著名な医学・細菌学者のルネ・デュボス博士がいます。
20世紀の開幕の年に生まれた博士は、感染症をはじめ人類を苦しめる病と戦い、「シンク・グローバリー、アクト・ローカリー(地球規模で考え、地域で行動する)」との標語も発案されました。
博士は、力強く語られています。
「常に変化を続ける環境に対して、人間は自ら適応しようと闘ってゆかねばならない」「これは生きものすべての宿命であり、生命の法則でありまた本質そのものである」(『生命の灯』長野敬・新村朋美訳、思索社)と。
それは、牧口・戸田両先生が「創価」の2文字に込められた精神と響き合っております。すなわち、いかなる試練の挑戦にも逞しく応戦し、新たな価値創造を成し遂げゆく生命であります。
をづる心なかれ」
何事も勝つと決めて
攻め抜いた方が勝つ!
法華経の兵法で前進!
報恩抄 P313
『正法を行ずるものを国主あだみ邪法を行ずる者のかたうどせば大梵天王帝釈日月四天等隣国の賢王の身に入りかわりて其の国をせむべしとみゆ』
【通解】
国主が正法を行ずるものに仇をなし、邪法を行ずるものの味方となって擁護するならば、大梵天王・帝釈天・日天・月天・四天等が、隣国の賢王の身に入りかわって、その謗法の国を攻めるであろうというのである。
名字の言 耐え難い逆境にも消えない心の灯 2021年4月7日
青年の夢は"五つ星"の高評価を得るホテルで働くことだった。だが病で視力の95%を失ってしまう。それでもわずかな可能性に懸けて就職に挑む。この実話は「5パーセントの奇跡」というタイトルで、4年前に映画化された▼物語では、挑戦に反対する周囲の「非現実的だ。夢を見るのは諦めろ」という声に対し、青年が言い切る。「夢は絶対に諦めません」。その信念を貫いた青年は見事、採用試験を突破する▼ある壮年部員は、2歳を前に大病を患った。医師からは「手術に体力が持つか」「成功しても生きる可能性は50%」と言われた。まず手術は成功した。次の闘いは"50%の壁"を破ることだった▼そんな折、池田先生から伝言が届く。「創価大学で待っています」。それは"家族の誓い"となった。家族の題目に包まれた幼い生命は"壁"を破った。病を克服した彼は、後に創大へ。青年部時代は、未来部育成のリーダーとして活躍。自身の体験を通し、多くの未来部員に負けじ魂の大切さを語り続けた▼耐え難い逆境にも消えない心の灯——それが「希望」だ。一家の希望は、師との誓いを果たすことだった。先生は「希望を無限に引き出していく力が、信心なのです」と。師弟の信心を貫く人生に、失望も絶望もない。(白)
寸鉄 2021年4月7日
一人立てば大勢の眷属が必ず現れる—戸田先生。この心で励ましを今日も
山梨婦人部の日。誓いは不動の富士の如く!対話拡大へ桜梅桃李の団結で
前人未到の道を征くには勇気が必要—識者。広布もまた。さあ友情を開拓
世界保健デー。命を守るドクター部・白樺の友に深謝。健康と福徳を祈る
消毒液が子どもの目に入る事故増。親は使用に要注意。入ったらすぐ洗眼
〈社説〉 2021・4・7 世界で躍動する新入会の友
◇宿命を使命に変え希望の人生を
新たな人材が陸続と躍り出てこそ、世界広布は前進する。仏法を実践する中で、悩みを乗り越え、自身の宿命を使命へと転換していった友の輝く姿こそ、信心の偉大さの証明である。
昨年11月から本紙で連載している「新メンバーが語るSOKA」に、読者から反響が寄せられている。同連載では、これまで5回にわたり、10カ国・20人の新会員の声を紹介してきた。キリスト教を基盤とする欧州や北南米の国々、上座部仏教が根付いているタイ、イスラム教徒が多数を占めるマレーシアやインドネシアなど、その国情は多彩だ。
取材を進める中で、文化や言語、社会状況などの差異を超え、どの国でも新会員が生き生きと活躍していることに改めて驚きと感動を覚える。
新メンバーが、信心を始めた大きな要因として挙げているのは、紹介者や座談会で出会った学会員の確信の言葉だ。
将来について悩んでいたフィリピンの青年は「真剣に祈れば、どんな苦しみも、宿命も、必ず乗り越えられる」との友人の言葉に心を動かされ、御本尊を受持した。その後、彼は有名タレントの専属スタイリストになるなど、ファッション業界で活躍するとの夢を実現している。
また、タイの婦人部員は「日蓮大聖人の仏法では、全ての人が尊い使命と、無限の可能性を持っていることを教えています。とても現代的であり、誰でも実践できる信仰であることが、大きな魅力」と。日蓮仏法の哲学の深さ、普遍性に感銘し、入会を決めたという人も多い。
地域の同志の粘り強い励ましも見過ごせない。4日付の「セイキョウ ギフト」でも紹介したチリのメンバーは、入会後、地区部長が毎日、一緒に唱題をしてくれたという。温かな激励を受ける中で一念発起し、かつて失敗した司法試験の受験を決意。再度の挑戦で見事、合格を果たした。
多くの新会員が、題目を唱える中で、「生きる力」「勇気」が湧いてきたと述べている。自分が変わることで環境も変わり、希望の人生を開くことができた——体験に裏打ちされた信仰の歓喜は、弘教の原動力ともなっている。
各国の新会員の姿を通し、私たちは日蓮仏法の世界宗教としての普遍性や魅力を再認識することができる。
新型コロナのパンデミックが長期化する中、どの国も経済・社会的な困難に直面している。新会員が置かれた状況も容易なものではない。そうした中で、どのメンバーも信心根本に奮闘を重ねている。
世界の友の尊き姿に学びながら、私たちも信心根本に、日々の課題に打ち勝っていきたい。
☆創価大学創立50周年記念特集 「創価大学50年の歴史」への池田先生の「発刊に寄せて」�
◇我らは平和共生の柱なり
我ら創価大学は、地球の平和共生の柱なり。
我ら創価大学は、生命の価値創造の眼目なり。
我ら創価大学は、世界市民の連帯の大船なり。
「人間教育の最高学府」たる創価大学を創立して最初の春夏秋冬を経た1972年の5月、私はイギリスの歴史学者、アーノルド・J・トインビー博士とベロニカ夫人のお招きをいただき、ロンドンのご自宅で対談を開始いたしました。
人類の諸課題を俯瞰し、21世紀を展望する語らいの中で、博士ご夫妻が創立まもない創大に深き理解と大いなる期待を寄せてくださったことが思い起こされます。
対話に前後して、夫人の母校であるケンブリッジ大学、博士の母校であるオックスフォード大学を表敬訪問したことも、ご夫妻は麗しい母校愛を光らせて喜んでくださいました。
両大学では、友情に満ちた首脳と学生から温かな歓迎を受けながら、12、13世紀にまで起源を遡る悠遠な歴史を心豊かに呼吸させていただきました。その折、同行の友と語り合ったことが、昨日のように蘇ります。
「わが創大は、まず50年が勝負である。50年先を目指して進もう!」と。
時は巡り、今ここに、誉れの創立50周年を晴ればれと「人間教育」の凱歌で迎えることができました。
私は何よりもまず、創価教育の創始者であられる先師・牧口常三郎先生と恩師・戸田城聖先生に、この半世紀で、まさに奇跡というべき大発展を遂げた晴れ姿をご報告申し上げたい。
そして、青春を懸け、人生を貫いて、私と共に創大城を建設してくださった、全ての学生、卒業生、保護者、教員、職員、支援者の方々、その一人一人に最敬礼して、満腔の感謝を捧げたいのであります。
◇次の50年へ創大の「宝」を託したい 人間教育の尽きせぬ慈愛の水脈
この50年を通し、創大の建学精神に連なる尊き友の奮闘の結集によって、磨き上げられた3つの宝があります。
ここで確認し合い、次の50年、すなわち創立100周年へ、さらには22世紀、23世紀へと託していきたいと思うのであります。
第1の宝は、「人間教育」の尽きることなき慈愛の水脈であります。
1930年の11月18日を期して、牧口先生は愛弟子の戸田先生と共に、「子どもの幸福」こそを根本の目的とする創価教育を宣言されました。
国家主義の教育に社会が覆われる中で、目の前の若き命に最も幸福な人生を断じて歩ませたい、一人たりとも絶対に不幸にしてはならないという溢れるばかりの大慈愛から一切を出発されたのです。
それは、あらゆる人の生命に最極の価値創造の智慧が具わっており、その智慧を開き、示し、悟らしめ、入らしめていくという、人間への信頼と尊敬に満ちた深遠なる教育哲学に立脚しておりました。
この心を受け継いで、民衆立の大学の建設に尽くされ、学生を励まし、慈しんでくださった方々のことは、私の胸奥に焼き付いて決して離れることはありません。
遡れば、まだ切り株なども残った広大な建設用地の石拾いや整備に、人知れず奮闘してくださった陰徳の有志の献身がありました。
また、戦争で自らは教育の機会を奪われた世代の方々を中心に、汗と涙の浄財を「平和のフォートレス(要塞)」の建設へ寄せてくださった熱い篤い庶民の真心を、どうして忘れることができるでしょうか。
さらに、何としても、わが子を、わが後進を創大へと、苦労を惜しまず送り出し、常に温かく見守ってくださっている父母たち、地元・八王子市をはじめ日本全国・全世界の宝友たちの祈りに包まれてきました。
そして、建学の精神に勇み集った共戦の同志たる教員、職員は、「わが子にもまして学生を大切に!」との心を分かち合い、創大の誇り高き「学生第一」の伝統を築いてくれたのです。
トインビー博士は「教育を受け、知性を磨いた人は"ヒポクラテスの宣誓"を行うべきである」と語られておりました。教育の恩恵によって得た力と英知を人々への奉仕のために使う誓いであります。
なかんずく、「大学は大学に行けなかった人のためにある」との信条を共有する創価大学には、民衆への報恩の一念が脈打っております。
この励ましと恩返しの麗しき連鎖は、絶え間なく続いていきます。自分が受けた温かな激励や薫陶を同じように友人や後輩たちに、縁する人々に送ろうという息吹が漲っているのです。
就職活動や各種難関の国家試験等においても、草創期から先輩たちが、あとに続く友のために道を開き、自分以上に立派に活躍できるようにとの心で貢献してくれています。これほど美しく、これほど有り難い母校愛の世界はどこにもないでありましょう。
1期生をはじめとする卒業生が、母校の教員と職員の要となり、私の心を心として「学生第一」を貫いてくれていることも頼もしい限りです。
大先哲が示した人間教育の譬喩を、私は若き日から命に刻んできました。
「たとへば根ふかきときんば枝葉かれず、源に水あれば流かはかず、火はたきぎ・かくればたへぬ、草木は大地なくして生長する事あるべからず」(御書900ページ)
創価教育の大地に、青年を愛し、信じ、励まし、共に学びゆく慈愛の水脈が滔々と流れ通う限り、人材の大樹は限りなく林立し、計り知れない平和と文化の華と果を成就することを、私は確信してやまないのであります。
◇苦難を勝ち越えゆく創造的生命
第2の宝は、いかなる苦難も勝ち越えゆく「創造的生命」の太陽です。
創価大学の誕生は、「大学」自体の「解体」さえも叫ばれている渦中でありました。大学の在り方そのものが本源的に問い直される中で、新たな人間教育の地平を開拓しゆく出発であったといってよいでありましょう。
とともに、東西冷戦に引き裂かれ、ベトナム戦争が泥沼化する世界にあって、平和創造の黎明を告げんと建学の志を高く掲げたのであります。
開学の前から、偏見や憶測の歪んだ批判が浴びせられたことは、もとより覚悟の上でありました。草創のパイオニアたちは、その烈風に毅然と胸を張り、「正義の負けじ魂」を燃え上がらせて学び抜き、どんな圧迫もはね返す真正の実力を鍛え抜いてくれたのです。
トインビー博士とともに、創価の人間教育に深い期待を寄せてくださった一人に、著名な医学・細菌学者のルネ・デュボス博士がいます。
20世紀の開幕の年に生まれた博士は、感染症をはじめ人類を苦しめる病と戦い、「シンク・グローバリー、アクト・ローカリー(地球規模で考え、地域で行動する)」との標語も発案されました。
博士は、力強く語られています。
「常に変化を続ける環境に対して、人間は自ら適応しようと闘ってゆかねばならない」「これは生きものすべての宿命であり、生命の法則でありまた本質そのものである」(『生命の灯』長野敬・新村朋美訳、思索社)と。
それは、牧口・戸田両先生が「創価」の2文字に込められた精神と響き合っております。すなわち、いかなる試練の挑戦にも逞しく応戦し、新たな価値創造を成し遂げゆく生命であります。
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