2021年1月20日水曜日

2021.01.20 わが友に贈る

「青年部幹部会」へ
誓願の若人が躍動!
皆が清新の心で
新たな時代を創る
暁鐘を打ち鳴らそう!

衆生身心御書 P1590
『法華経と申すは随自意と申して仏の御心をとかせ給う、仏の御心はよき心なるゆへにたといしらざる人も此の経をよみたてまつれば利益はかりなし』

【通解】
法華経という経は随自意といって、仏の御心を説かれたものである。仏の御心はもとより素晴らしい心であるから、たとえ法華経の理を知らない人であっても、この経を読み奉れば利益は計り知れない。

名字の言 箱根駅伝で「0区」と呼ばれる"区間" 2021年1月20日
箱根駅伝には、「0区」と呼ばれる"区間"がある。16人のエントリーから漏れ、箱根に出場する選手たちをサポートするメンバーのことだ。彼らはグラウンドの清掃、データの収集など、勝利のための裏方に徹する▼駅伝当日には、タイム計測や給水などの役割を担う。「0区」の誰もが、箱根の晴れ舞台に立ちたい気持ちを抱えながら、チームを支える。その献身の行動が、出場選手の力となり、団結を生む。箱根駅伝は「走力戦」であり、「総力戦」である(佐藤俊『箱根0区を駆ける者たち』幻冬舎)▼広島のある壮年は信心を始めてから46年目で、「網膜色素変性症」と診断された。しかし、襲ってきた宿命の試練に負けなかった。副支部長として、"自身の使命を果たし抜こう"と決め、励ましに率先してきた。その姿に、多くの同志が奮い立った▼広宣流布は、一人一人が自身の誓いの道を真っすぐに駆ける「走力戦」であり、その行動を皆でたたえ合い、励まし合う「総力戦」である。全員が「主役」であり、同時に、友を支える「裏方」でもある▼池田先生は「皆が新時代の『地涌の第一走者』である」と。その誇りを胸に、題目の師子吼を轟かせながら、広布と人生の険難の坂道を力強く走り抜いていこう。(子)

寸鉄 2021年1月20日
山本伸一の自覚で平和へ進む学会員に感動—識者『新・人間革命』を心肝に
香川県婦人部の日。正義の太陽は四国に赫々と!さあ励ましの光を周囲へ
埼玉・戸田県婦人部の日。歴史を開くのは声の力!今こそ対話拡大で勝利を
きょう大寒。天候・社会も厳しき時。だが冬は必ず春と。確信の祈りで前進
ネット犯罪は巧妙化。利用時間増えると警戒心は薄れる傾向と。油断大敵

〈社説〉 2021・1・20 食品ロスを削減しよう!
◇食卓で感謝の「いただきます」
「粟一粒は汗一粒」——粟1粒であっても、その収穫のためには汗1粒に当たる労力がかけられているから、無駄にしてはいけない。農家の方々のご苦労を伝えることわざである。
2015年(平成27年)、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」の目標12にある「つくる責任 つかう責任」には、"2030年までに小売り・消費レベルにおける世界全体の1人当たりの食料の廃棄を半減させる"との具体的な目標が掲げられた。昨年には、世界各地で食料支援を行う国連機関「世界食糧計画(WFP)」がノーベル平和賞を受賞。食料対策を講じる必要性が世界中で注目されている。
「本来、食べられるのに廃棄される食品」のことを食品ロスという。
国内の食品ロスは年間612万トン(平成29年度、農林水産省及び環境省)と推計され、毎日1人当たり"茶わん1杯分"が捨てられている計算になる。食品ロスを減らすためには家で食品ロスを出さないようにするだけでなく、消費者が食べ物を買う店、食べる店の側でも意識することが大切だと考えられる(農林水産省ホームページ「食品ロスとは」を参照)。
消費者庁は、家庭で食品ロスをなくす基本として、「買い物時は『必要な分だけ買う』、料理の際は『食べきれる量を作る』、食事の際は『おいしく食べきる』こと」と訴えている。
最近では、飲食店などで売れ残りの料理や、賞味期限が近づいた食品を安価に購入できるサイト「KURADASHI」や「TABETE」などのスマホアプリが誕生している。店は食材等を捨てなくてすみ、消費者は料理・食品を安く買えるなど、環境にも財布にも優しい仕組みとなっている。
また、食品を買いすぎてしまった際には、生ものを除いた賞味期限内の保存食であれば「フードバンク」(未使用の食品の寄付を受け付け、必要とする個人や福祉施設などに届ける団体)に寄付することも食品ロス削減につながるだろう。
日蓮大聖人は、「食には三の徳あり、一には命をつぎ・二にはいろ(色)をまし・三には力をそ(添)う」(御書1598ページ)と仰せである。「食」には生命を維持する働き、健康を増す働き、さらには心身の力を盛んにする働きがある。また、「人は食によって生あり食を財とす」(同1596ページ)等と仰せのように食べ物の御供養に敬意を払われていた。
食事の際は生産者に思いを馳せ、「いただきます」に感謝を込めたい。命をつなぐ食を大切にすることから、他者を思いやる心も養われていくに違いない。

☆人間主義の哲学の視座 第5回 対談集『20世紀の精神の教訓』に学ぶ�
テーマ:連帯
池田先生の著作から、現代に求められる視点を学ぶ「人間主義の哲学の視座」。第5回からは「連帯」をテーマに、旧ソビエト連邦のミハイル・ゴルバチョフ元大統領との対談集『20世紀の精神の教訓』(初版は1996年刊)をひもといていく。

【池田先生】「分断」は悪であり、「結合」は善。人々を結ぶ"開かれた対話"を。
【ゴルバチョフ元大統領】一体感、連帯感を促す思想の欠如が、深刻な精神の危機をもたらす。

◇選び取るべき道
歴史学的な考察に基づき、人類が直面する諸難題への処方箋を示してきたユヴァル・ノア・ハラリ氏。新型コロナウイルスの感染拡大当初から、一貫して訴えてきたことがある。
「最大の敵はウイルスではない」。本当の敵は、互いを非難し合う「憎しみ、強欲さ、無知」といった「心の中にある悪魔」であるということだ(『コロナ後の世界を語る』朝日新書)。
ハラリ氏は、グローバリズムとナショナリズムが混迷の度を深める歴史的岐路にあって、人類が選び取るべき道は「連帯」であると強く主張する。
池田先生と何度も語らいを重ね、対談集を発刊したゴルバチョフ氏は、冷戦終結の立役者であり、「分断から連帯」「対立から融和」へと、新時代の潮流をつくってきた中心人物である。
40年もの間、人類を戦争の瀬戸際へと立たせてきた超大国による対立は解消に向かった。「それにもかかわらず——」と、氏は池田先生に語る。

ゴルバチョフ 人類は、依然として不安と不透明のなかにいるといってよい。そこで私は、ぜひあなたに尋ねたいのです。来るべき世紀にとって、最大の危険はどこにひそんでいるのでしょうか? いかなる試練が人類を待ち受けているのでしょうか?

池田 やや抽象的な言い方になりますが、それは人々がたえず「分断」の力に翻弄され、ばらばらに孤立したまま、歴史の奔流の中をあてどもなく漂流していることだと、私は思います。世紀末のあまりに荒涼たる、そして喧騒をきわめる現実は、そのことを十分すぎるほどに証拠立てているのではないでしょうか。
隣人同士や民族間の「分断」、自然・宇宙と人間との「分断」、なによりも本来、幸福のハーモニーを奏でるはずの人間の心の「分断」。まるで中世のペスト(黒死病)のように蔓延し、ところかまわず猛威を振るうこれら「分断」の力を、どのように"善"の力で冥伏させていくかが、変革期の世界の不可避の課題となってくると思います。

◇「縁起」の世界観
対談集のタイトル『20世紀の精神の教訓』は、ゴルバチョフ氏の提案によるものだ。氏は「私たちが、戦争で生き残った『戦争の子ども』であるという一点を見逃すと、私たちの世代の人生も、行動も、理解することは不可能でしょう」と言葉を添えている。
同世代の二人が平和な21世紀を志向した同書には、随所に「連帯」への示唆が光る。池田先生は「再確認し総括する意味からも、もう一度申し上げさせていただきたい。『分断』は悪であり、『結合』は善である。この根本認識に立って、『善』の力をもって『悪』の力を顕在化させないことこそ、21世紀を希望の世紀としていくための肝要中の肝要」と。
さらに先生は、仏教のものの考え方の根本を成す「縁起」、いわゆる万物が互いに「縁りて起こる」という関係性にあり、単独で生起する現象はないという世界観を強調する。

池田 私が、モスクワ大学やハーバード大学での講演で強調したのもこの点です。「結合」の力、働きとは、この「縁起」つまり物事の個別性よりも、関係性を重視する仏教思想の根幹であり、現代的な言い換えといえます。

「レリジョン(宗教)」は、神と人間との「結合」に由来する言葉です。その意味からも、「結合」「結びつき」は、宗教を宗教たらしめる本質的な属性ともいえます。そのうえで、神のような超越的な存在を置かず、より内在的に万物の相互関係性、相互依存性を説いているところに仏教の特徴があります。

現代社会の混迷のよって来るところは、人間の善性に根ざした「結合」の力が、人間の悪魔性の発露である「分断」の力によって席捲されている点に、大きな原因があると考えるのですが、いかがでしょうか。

旧ソ連邦のリーダーとして、各共和国の主権を認めつつ、ゆるやかに「結合」させ、連邦全体の存続と発展をはかることに全精力をかけてこられたあなたこそ、この「結合」と「分断」の善悪を、骨身にしみて感じておられると思うのです。

ゴルバチョフ 振り返ってみれば、ロシア人にとって、20世紀は試練の連続でした。3度の革命、兄弟同士の戦争、強制的な集団化、幾世紀もの間に築かれた農民生活の崩壊、強制的な無神論、教会の破壊。それにつづく幾百万の生命を奪った大祖国戦争。飢餓にさいなまれた戦後の復興期。そして、こうしたことはすべて、わずか一世代、二世代のうちに起こったのです。それもすべてが力ずくの分断です。人間を極限に立たせるものでした。

おっしゃるとおり、現在、人々を「結合」し、人々の信念を回復しうる思想、つまり人間が一体感、連帯感を実感できるような思想が欠如している。そのことによって精神の危機は深刻の度を増しています。

人間の恐怖心を煽ることで体制を維持してきた共産主義的な疑似集団主義は、崩壊し、姿を消しました。そこで明らかになったことは、改革思想そのものは、人々を団結させることができなかったということです。

私たちが生活に密着した思想を見つけないかぎり、本当の意味の「結合」を望みえないのは明白です。

◇試練を乗り越える力
「いかなる試練が人類を待ち受けているのか?」との質問に続けてゴルバチョフ氏が問い掛けたのは、「その試練を乗り越えるだけの力を人類は持っているのか?」ということだった。
分断を越え、連帯を生み出す方途の一つとして光が当てられたのは「対話」である。価値観が急速に多様化する現代にあって、無関心やシニシズム(冷笑主義)の蔓延を危惧し、先生は「信念を主張しないのは、解決すべき問題から身を引き、目をそらせ、自閉的世界に閉じこもるエゴイズムです」と述べ、対話の力を訴えた。

池田 積極的に他者と交わろうとする"開かれた精神"と"開かれた対話"にもとづいて、何がどの点で優れているかを、きちんと見分けていく批判力、批判精神こそ、暴力的なカオスへの傾斜を防ぎとめ、真実の寛容、寛仁大度(編集部注=寛大で情け深く、度量の大きいこと)という人間の尊厳を輝かせていく最大のポイントといえましょう。

ゴルバチョフ 賛成です。平和を模索し、すべての政治的な対話によって解決の道を探すこと、そして説得と納得の道を選ぶことが、暴力と戦争よりもどれほど効果的な方法であるかを知らなければなりません。もし、人類の闘争と対立によって、「思想の多様性」が焼き尽くされてしまえば、あとに残るのは「精神の空洞化」だけでしょう。

池田 まさしくあなたは、開かれた対話で、冷戦の核の脅威が覆う現代の世界に、新しい時代の風をもたらした「人道的競争」の第一走者です。その点に、私は心から敬意を表したいのです。

【プロフィール】ミハイル・S・ゴルバチョフ 1931年、ロシアのスターブロポリ生まれ。モスクワ大学卒業。85年に、54歳でソ連共産党書記長に就任すると、国内では「ペレストロイカ(改革)」、外交では「新思考」を掲げて核軍縮などを推進。89年、東西冷戦を終結に導き、90年、初代大統領に就任。同年、ノーベル平和賞を受賞する。91年12月、ソ連解体とともに大統領を辞任した。その後、「社会・経済・政治研究国際財団(ゴルバチョフ財団)」を創設するなど、世界各地で活動を展開している。