2015年6月14日日曜日

2015.06.13 わが友に贈る

未来部の育成に全力を!
「真心」「誠実」の姿は
若き胸に深く刻まれる。
温かな触れ合い通し
全員を後継の人材に!

南条兵衛七郎殿御書 P1494
『たとへば朝につかふる人の十年二十年の奉公あれども君の敵をしりながら奏もせず私にもあだまずば奉公皆うせて還つてとがに行はれんが如し』

◇人生の座標
一冊の良書は、偉大な教師に巡り合ったのと同じです。読書は「人間だけができる特権」であり、いかなる動物も読書はできない。
自分の人生は一回きりだが、読書によって、何百、何千のほかの人生に触れることもできるし、二千年前の賢者と話もできる。

☆こころに響く言葉
幸福感にひたるとき

映画を見るのも、テレビを見て楽しむのも、スポーツやダンスに熱中するのも、
ことごとく、生命の充実を求めての行動であると言ったらいいすぎであろうか。
人びとは、この充実を求めて生き、充実が得られないときに不幸を感じ、
得られたときには幸福感にひたるのである。

☆四国新聞特別寄稿 「『わたしと宇宙展』香川展に寄せて」
懐かしい『竹取物語』で、かぐや姫は「讃岐造(さぬきのみやつこ)」と呼ばれる翁とオウナに育まれました。詩情豊かな詩国・讃岐の香川県では、今も、かぐや姫にちなんだ催しが行われると伺いました。
「かぐや」とは「輝く」であり、この姫のいる所、喜びの光が広がります。
さかのぼれば、人の体の元素は、大宇宙の星々のかけらからできています。私には、子どもたちの命は、星の光を帯びて、地球に生まれてくるように思えてなりません。どの子も、未来を明るく照らしてくれる宝だからです。その命の輝きを大事に育むのは、私たち大人の責務でしょう。
満月の日・6月3日より高松市のサンメッセ香川で「わたしと宇宙展」が開催されます。
現代の「讃岐造」たる香川の父母(ちちはは)と、「かぐや」の命の若人に、宇宙の妙なるロマンの光彩を楽しく感じ取っていただく機会となれば、うれしい限りです。

宇宙展では、人類初の月面着陸(アポロ計画)の際に持ち帰った「月の石」や、月面車のレプリカなども展示されます。
わたしは、明治の世に一世紀後の月旅行を展望していた志国・讃岐の大志の先人を思い起こすのです。讃岐鉄道、四国新道を開設し、四国と本州の架橋を提唱した大久保ジン(=ごんべんに甚)之丞(三豊市出身)その人です。
香川用水も構想した、この先覚者は、嘲笑に屈せず謳い上げました。
「笑わしゃんすな 百年先は 財田(さいた)の山から川舟出して 月の世界へ往来する」と。
宇宙にまで飛び出していくほどの気概で、困難な大事業に挑んだのです。とともに、その胸には、愛情豊かに育んでくれた乳母など郷土の人々への恩返しの心が溢れていたといいます。
宇宙を友とする大いなる志と、人間の絆を大切にする深き志。いずれも香川の大地に熱く受け継がれてきたといってよいでしょう。

江戸時代、高松藩の天文測量方だった久米通賢(東かがわ市出身)は、自ら天体望遠鏡「星眼鏡」や、航海用の天体高度測定器具「ヲクタントフ」を制作。月食、日食、彗星の観測を行った偉業で知られます。
そうした進取の探究は、香川大学が推進してきた衛星開発プロジェクト「STARS」など、若き知性によって継承され、天高く飛翔を遂げています。
隕石で知られる国分寺町を拠点に、日本宇宙少年団の尊い活動も活発です。
さぬき市では、画期的な天体望遠鏡博物館の計画が進められています。
「宇宙教育」は、挑戦の勇気も贈ってくれます。
私が親しく語り合った、女性初の宇宙飛行士テレシコワさんは言われました。
「夢に向かって全身全霊でぶつかっていけば、必ず実現できると信じます」

1978年の冬、私は青年たちと庵治町で、瀬戸の天空を鮮烈に走る流星を仰いだ思い出があります。
四国新聞では、「酷寒の夜空に火球」と報じられた大きな流星の一つでした。
「日月・衆星も己心にあり」とは、青年と共に学び合った先哲の至言です。
天座の光は、私たちに内なる情熱の太陽を、英知の月光を、希望の星を輝かせゆくことを呼びかけます。そして天体の精確な調和ある運行は、人類がたゆまず仲良く平和と共生の軌道を進みゆくことを促します。
この宇宙展を機に、愛する讃岐の天地から、輝く生命の讃歌が一段と轟くことを私は祈ってやみません。