「日夜朝暮に
又懈らず磨くべし」
題目をあげ抜く人には
誰人もかなわない!
弛まぬ信心を貫け!
御義口伝巻上 P751
『今日蓮等の類南無妙法蓮華経と唱え奉る者は皆地涌の流類なり』
◇人生の座標
そもそも教育は、子どものためのものであり、"国家の専有物"であってはならない。教科書検定や、学習指導要領を含め、国家が教育内容の細部に至るまで深く関与する制度のもとでは、学校や教員の自律性だけでなく、子どもの個性や創造性を育む土壌も育ちません。
☆100文字の幸福抄
人は限られた生を自覚するからこそ
「よりよき人生」「より価値ある人生」を
真摯に求めることができる。
文豪にあらずとも、
誰でも残せるものがある。
「わが人生」という名の生命の奇跡。
それは何ものにも決して侵されない。
☆アメリカ創価大学第11回卒業式へのメッセージ
私の無上の宝であり、人類の希望と輝く、アメリカ創価大学(SUA)第11期生の皆さん方、晴れのご卒業、誠におめでとう!
真摯に学び抜き、同期のスクラムも固く、堂々と新たな建学の歴史を刻んでくれた皆さんに、私は最大の敬意と感謝を捧げたいのであります。
ありがとう!本当にありがとう!
立派に成長されたお子さま方を見守っておられるご家族の方々、また、今日の喜びを分かち合われるご友人方にも、心よりお祝いを申し上げます。
昼夜を分かたず学生を励まし、温かく育んでくださった教員・職員の方々、誠にありがとうございます。
さらに、本日の式典には、偉大な教育者であり、平和活動家であられるジョディ・ウィリアムズ氏はじめ、多くのご来賓方をお迎えすることができ、創立者として厚く厚く御礼を申し上げます。
本日の門出に、私は三つのエールを贈ります。
第一に、「友誼の旗を高らかに勝利の10年を走りゆけ!」と申し上げたい。
21世紀の開幕とともに、アリソビエホの丘に誕生したSUAから、2005年に第1期生が巣立ってより、はや10年——。
今や、わがSUAは、リベラルアーツ・カレッジとして、多くの分野で全米の上位に選ばれるなど、高い評価を受けております。
のみならず、世界の多くの一流の識者が、このキャンパスに漲る、麗しい人間教育の気風と崇高な価値創造への挑戦に、絶賛の拍手を送ってくださっております。これも、卒業生の一人一人が、「若き創立者」との誇りを胸に、世界に躍り出て、社会の各界で、道なき道を切り開いてくれたからです。
嬉しいことに、本日も、誉れの同窓の代表が、青春の母校へ祝福に駆け付けてくれております。
今日、旅立つ、わが11期生の皆さんは、この限りなく伸びゆく世界市民の英知の大城に学んだ誇りを胸に、自らの使命の舞台で、まずは10年を目標に挑戦し、走り進んでいってください。
私の師・戸田城聖先生も、社会に羽ばたく青年を、"10年間は修行と心を定めて忍耐強くあれ"と励ましておられました。
私も恩師に10年、お仕えし、薫陶を受けたことが、人生の一切の礎となっております。
いかなる試練や逆境に遭おうとも、皆さん方には、ここSUAで築いた友誼の連帯があります。
かのドイツの文豪ゲーテと劇作家のシラーも「この上なくすばらしい紐帯」(エッカーマン著・山下肇訳『ゲーテとの対話』)で結ばれ、共々に切磋琢磨しながら、偉大な創造を成し遂げていきました。
シラーが晩年に完成させた世界的名作に「ウィリアム・テル」があります。スイスの伝説の英雄を題材にしたこの物語では、舞台とされる湖岸の風景や天候が、じつに、こまやかに生き生きと描写されています。
しかし、シラー自身は、病を患っていたこともあり、その場所を訪れたことはありませんでした。それでは、なぜ、スイスの舞台を見事に描写することができたのか——。
そこには、親友ゲーテの存在がありました。実際に、スイスを旅行したゲーテが、その情景を語り、シラーが聞き手となって、作品を完成させたといわれています。
その中で、シラーはこう綴りました。「どんな艱難も危険もわれわれを離すことはない」(桜井政隆・桜井国隆訳『ヴィルヘルム・テル』)と。
どうか、わが11期生の皆さんも、創価教育の理想を共に掲げる同窓生と、励まし、支え合いながら、人生の大いなる勝利のドラマを創造していっていただきたいのであります。
第二に、「勇敢に一人立て!平和建設の連帯を広げよ」と申し上げたい。
本日、ご講演いただくジョディ・ウィリアムズ氏は、ご存じの通り、対人地雷の製造・使用の禁止を目指す「地雷禁止国際キャンペーン」の初代コーディネーターとして活躍され、「対人地雷全面禁止条約」(オタワ条約)の成立に大きな貢献を果たされました。
当初は不可能と思われていた対人地雷の禁止条約を、なぜ、あれほど多くの世界の世論の支持を集めて、ついに成立させることができたのか——。
その意義について、私も多くの識者と語り合ってきました。
SUAにも来学してくださったロートブラット博士は、私との対談の中で、「連帯すれば、世界を変えていけるのです。それは時間がかかるかもしれませんが、長い目で見れば、最後には、民衆が勝利するのです」(『地球平和への探究』潮出版社)と強調されました。
"私たち一人一人には、ものごとを変える力がある"とは、博士の忘れ得ぬ師子吼でありました。
ウィリアムズ氏は、まさしく、勇気をもって一人立ち上がり、世界に平和の連帯の輪を広げてこられた、偉大な平和の変革者であられます。
地雷廃絶への運動を始めた当初は、誰もが皆、冷たい反応で、無理解の壁にぶつかったと伺っております。しかし氏には、父君、母君や祖父君から受け継いだ、不屈の精神が輝いていました。
氏は言われています。
「『ノー』は、可能性の終わりではなく、乗り越えるべき困難です」『行動なくして変革を叫ぶことなど、私には全く無関係です」と。
創価教育の真髄もまた、民衆に尽くしゆく、「勇気ある行動」にあります。勇気ある一歩が、人々が想像もしなかったような、新たな人間の可能性を未来に開いていくのです。
尊き民衆立の大学である、SUAのキャンパスで学ばれた皆さんは、誰よりも民衆の心を知り、民衆のために勇敢に行動しゆく、世界のリーダーに成長していっていただきたい。
そして、慈悲と智慧を具えた、創価の誉れの勇者として、平和建設の連帯を創り、広げていっていただきたいのであります。
第三に申し上げたいことは、「希望を生み出せ!わが生命の無限の可能性を信じよ」という点であります。
私がSUAの歌「希望の光」の作成を始めたのは、11期生の皆さんが入学する年の5月でした。その歌詞に託した思いのままに、この4年間、「探究の坂」を昇り切ってくれたのが、11期生の皆さんです。
逆境を打ち破り、苦悩の闇を照らす「希望の光」の光源は、皆さん一人一人の心の中にあります。全員が、わが生命に無限の可能性を秘めております。
ゆえに断じて、自らを卑下してはならない。また、自身の無限の可能性を疑ってはならない。
これからの人生の途上に、どんな困難や試練があろうとも、私は、永遠に皆さんの味方であり、皆さんの応援団です。そして、皆さんの成長を生涯、見守り続けてまいります。
混迷の度を増す世界にあって、皆さんには民衆の幸福、平和の建設へと寄与する、かけがえのない使命があります。時代の呼び掛けに応じて、いよいよ勇敢に、「平和の大道」を開きゆく一人一人であっていただきたい。
SUAが、世界に誇る学風——それは、他者をどこまでも思いやり、共に苦楽を分かち合いながら、自他共の可能性を開いていく伝統です。ここに、SUAがSUAたる所以もあります。
卒業生の皆さんが、この生命尊厳の哲学の旭日を、新しき挑戦の舞台で輝かせゆくことを、心より念願しています。
結びに大切な、大切な誉れの11期生に、健康あれ!幸福あれ!栄光勝利あれ!——と申し上げ、私のメッセージといたします。